JP7196029B2 - パラメータ設計方法およびフィードバック制御方法 - Google Patents

パラメータ設計方法およびフィードバック制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィードバック制御を行うコントローラのパラメータを設計する方法、および、この方法を用いて設計されたパラメータが設定されたコントローラを用いるフィートバック制御方法に関する。
実用的なフィードバック制御系には、様々な性能が必要である。具体的には、安定性、外乱抑制性、構造のシンプルさ、適応性、ハードウェアでの実現可能性、設計の容易さ、メンテナンスの容易さ等である。制御系としては、PID制御、ロバスト制御、適応制御、モデル予測制御等があるが、それぞれの制御系には長所短所があり、万能ではない。
PID制御は、構造がシンプルであり、テーブルルックアップ等により適応機能を持たせることができ、高性能であるがメンテナンスが難しいハードウェア(産業用パソコン等)だけでなく、性能に限界があるがメンテナンスが容易な汎用のDCS(Distributed Control System)、PLC(Programmable Logic Controller)等のハードウェアで容易に実現可能である。また、パラメータが少なく、制御を試行しながら人手により現場調整することも可能である。一方で、構造が簡単なため、性能に限界があることもある。
さらに、PID制御の性能を改善するため、位相進み補償、位相遅れ補償、位相進み遅れ補償が付加される場合がある。しかし、これらの調整指針は定量的に、必ずしも明確ではない。また、制御対象がモデル化されていないとき、実際の応答を見ながら調整することとなる。
ロバスト制御の1つであるH∞制御は、周波数領域で指定したロバスト安定性および外乱抑制性を有するコントローラを設計することができる。モデルが不確かさを含めて精確であれば、PID制御系と比べて、試行錯誤の回数を少なくした上で、高性能なコントローラを設計可能である。しかし、構造が複雑となり、次数が高いコントローラとなり、また、コントローラ内での極零相殺を生じる場合もある。そして、高精度な演算が可能なハードウェアを必要とする場合がある。さらに、適応性を持たせることが難しい。加えて、汎用的なコントローラのハードウェアでの実現が難しい。
H∞制御として、例えば、非特許文献1は、スラブ連続鋳造機の湯面レベルをH∞制御する技術を開示している。
村上晃、他4名、 "連続鋳造機湯面レベルのH∞制御"、[online ]、神戸製鋼所技報/Vol.48 No.2(Sep.1998)、p.54-57、[令和1年6月3日検索]、インターネット〈URL:https://www.kobelco.co.jp/technology-review/pdf/48_2/054-057.pdf
実用的でロバストで適応的な制御系の設計で生じている問題を例示する。H∞制御等のロバスト制御の設計では、以下の通りである。次数が高くなる。リカッチ不等式や線形行列不等式を解く等の専用の特殊なアルゴリズムが必要となる。極零相殺があるため数値的に不安定化しやすく高性能なハードウェアが必要となる(単精度浮動小数点数の演算では不十分で、倍精度浮動小数点数の演算が必要となる等)。適応が難しい。
実際には、高次のコントローラを、専用のソフトウェアで計算して求め、高性能な制御ハードウェアを用いて、制御を行っていた。また、適応については、H∞制御のコントローラを複数用意し、制御中にコントローラを切り換えるという手法を用いていた。
一方、実プロセスで適用されているのは主にPID制御系であるが、次の問題があった。PID制御ではロバスト性を考慮した設計が難しい。また、PID制御のみでは、制御の自由度が少なく、制御能力に限界がある場合があった。また、制御性の限界が分かりにくい。すなわち、パラメータ調整の限界なのか、まだ調整代があるのかが分からなかった。
本発明の目的は、ロバスト安定性と外乱抑制特性を有するフィードバック制御系のコントローラを容易に設計できるパラメータ設計方法、および、この設計方法で設計されたパラメータが設定されたコントローラを用いるフィードバック制御方法を提供することである。
本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法は、PID制御部、および、前記PID制御部とは別に設けられたフィルタ部を備え、制御対象をフィードバック制御するコントローラにおいて、前記コントローラのパラメータを設計する方法であって、前記制御対象の伝達関数および前記コントローラの伝達関数を基にして定められ、ロバスト安定性および外乱抑制特性を含む混合感度問題について、制御を行う周波数を含む周波数領域を離散化して得られた複数の周波数毎に、前記混合感度問題の制約条件を設定する設定工程と、前記制約条件での前記混合感度問題を最適化手法によって解くことにより、前記PID制御部および前記フィルタ部のそれぞれのパラメータにより構成される前記コントローラのパラメータを決定する決定工程と、を備える。
PID制御部は、PID制御を実行する部分である。PID制御部が実行する制御は、少なくともP制御を含む制御とする。すなわち、I制御やD制御がない制御(I制御やD制御のゲインが0で、実質的にI制御やD制御がない制御を含む。)でもよい。例えば、P制御、PI制御、PD制御、PID制御のいずれでもよい。また、比例先行型、微分先行型等であってもよい。さらに、PID制御部は不完全微分を備えていてもよいし、ノイズ除去用のフィルタを備えていてもよい。制御を行う周波数は、例えば、デジタル制御では、周波数0からナイキスト周波数までとなる。フィルタ部は、ゲインおよび位相を調整する機能を有する。例えば、2次のフィルタ部(2次の有理式からなるフィルタ部)が挙げられる。混合感度問題を最適化手法によって解くとは、例えば、混合感度問題を構成する重み関数(例えば、式(12))に含まれる所定の変数(変数KW1H)で示される評価関数(例えば、式(16))の最小値を、混合感度問題等の制約条件(例えば、式(18)(19))の下、求めることである。
本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法は、以下の利点を有する。
(1)PID制御部とフィルタ部の実装が可能な装置(例えば、DCS、PLC)にパラメータが実装可能となり、特殊なハードウェアが不要となる。
(2)H∞制御と比べて、次数が少なくなる。また、極零相殺を生じないので、高精度な演算が不要である(例えば、倍精度浮動小数点数の演算が不要で、単精度浮動小数点数で十分である)。
(3)H∞制御では、リカッチ方程式や線形行列不等式のソルバ等の専用ソフトウェアが必要であるが、本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法では、専用ソフトウェアが不要であり、汎用的な非線形最適化ソフトを利用できる。
(4)ロバスト安定性と外乱抑制特性を指定できる。
(5)PID制御とフィルタの組み合わせなので、現場調整が可能である。また、従来の古典制御の調整ノウハウ(例:位相進み・遅れ補償のノウハウ。)を利用できる。
(6)PID制御では、制御性能が十分でないことがある(例えば、制御対象が振動系)。PID制御部とは別にフィルタ部を、コントローラに追加することにより、コントローラの自由度が増え、高い性能のコントローラが得られる。
以上により、本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法によれば、ロバスト安定性と外乱抑制特性を有するフィードバック制御系のコントローラを容易に設計できる。
上記構成において、前記制御対象は、連続鋳造機であり、制御量が湯面レベルである。
この構成は、制御対象の一例を規定する。制御対象はこれに限らず、例えば、振動系でもよい。
本発明の第2局面に係るフィードバック制御方法は、本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法で設計された複数の前記コントローラのそれぞれのパラメータを予め記憶する記憶工程と、前記記憶工程で記憶された、複数の前記コントローラのそれぞれのパラメータの中からパラメータを補間により決定し、前記制御対象を前記フィードバック制御する前記コントローラのパラメータに設定することにより、前記コントローラを変更する変更工程と、を備え、前記変更工程は、前記コントローラの制御特性が連続的に変化するように、前記コントローラが変更される。
なお、「補間により決定」するとは、パラメータをテーブル値として記憶し、線形補間等の補間により求めることをいう。さらに、応答曲面のようにパラメータを関数近似し、その関数を用いて決定すること等の、同等の処理を含むものとする。すなわち、パラメータを連続的に変更可能なコントローラであり、そのパラメータの連続的な値を決定できればよい。
本発明の第2局面に係るフィードバック制御方法は、本発明の第1局面に係るパラメータ設計方法で設計された複数のコントローラのそれぞれのパラメータを基にしている。制御対象の状態や外乱の状態によっては、一つのコントローラだけでは十分に対応できないことがある。そこで、制御対象の状態や外乱の状態を考慮して、制御特性が異なる複数のコントローラを用意し、状況に応じて、コントローラを変更する。具体的には、構造が固定された複数のコントローラのパラメータをテーブルに記憶しておき、テーブルルックアップと補間という簡易な手法によりコントローラを連続的に変更することができる。従って、ロバスト安定かつ適応的なフィードバック制御を、汎用的な制御(PID制御とフィルタ)で実現でき、また、DCS、PLC等の汎用的なハードウェアで実現できる。これらにより、本発明の第2局面に係るフィードバック制御方法は、連続鋳造機の湯面レベル制御に適用できる。また、連続鋳造機以外のモデル化可能な他の設備にも適用が可能である。
コントローラの制御特性が連続的に変化するように、コントローラが変更されるので、制御量や操作量の変動が生じないようにすることができる。
制御対象が連続鋳造機であり、制御量が湯面レベルの場合、鋳造された鋳片の表面傷が減少するので、表面研削の作業が減少する。また、パウダの巻き込みが減少するので、最終製品である鋼板等の品質が向上する。
本発明によれば、ロバスト安定性と外乱抑制特性を有するフィードバック制御系のコントローラを容易に設計できるパラメータ設計方法、および、この設計方法で設計されたパラメータが設定されたコントローラを用いるフィードバック制御方法を提供することができる。
実施形態に係るフィードバック制御方法が適用されるフィードバック制御系のブロック図である。 連続鋳造機の模式図である。 図1に示すコントローラのブロック図である。 H∞コントローラにおける一般的な混合感度問題を解いて求められたH∞コントローラのボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。 PID制御部および2次のフィルタ部を備えるコントローラにおける一般的な混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラのボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。 実施形態に係るコントローラの設計方法のフローチャートである。 PID制御部および1次のフィルタ部を備えるコントローラにおける一般的な混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラのボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。 PID制御部および2次のフィルタ部を備えるコントローラにおける2-Disk混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラのボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。 求められた各パラメータ(K、T、a、a、b、b)とK/Aとゲインタイプ(H、M、L)との関係を示すテーブル、および、テーブル上でのコントローラの変化の例を示す図である。 パラメータKの補間方法の例を示す図である。 図9Aに示す各パラメータ(K、T、a、a、b、b)のテーブルの数値をグラフにした図である。 適応のシミュレータの概要を示す図である。 例4のコントローラ1について、適応のシミュレーションをした場合の設定条件1~3と結果1~2を示すグラフである。 例4のコントローラ1について、適応のシミュレーションをした場合の結果3~8を示すグラフである。 他の制御系のテスト時における、切り換え時の変動の例を示す図である。 求められた各パラメータ(K、T、a、a、b、b)とK/Aとゲインタイプ(H、M、L)との関係を示すテーブル、および、テーブル上でのコントローラの変化のもう1つの例を示す図である。 例4のコントローラについて、図11Dに示す条件で適応のシミュレーションをした場合の設定条件1~3および結果1~2を示すグラフである。 例4のコントローラについて、図11Dに示す条件で適応のシミュレーションをした場合の結果3~8を示すグラフである。 例4のコントローラの適応動作のフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。
図1は、実施形態に係るフィードバック制御方法が適用されるフィードバック制御系100のブロック図である。フィードバック制御系100は、コントローラ1と制御対象2とを備える。制御対象2の制御量(出力)yがネガティブフィードバックされ、目標値rと制御量yの偏差eがコントローラ1に入力される。コントローラ1は、偏差eを基にして操作量uを算出し、出力する。制御対象2には操作量uが入力される。なお、比例先行型や微分先行型等の場合は、偏差eではなく、制御量yを基にして、操作量uの一部が計算されることもある。
制御対象2は、例えば、連続鋳造機200である。図2は、連続鋳造機200の模式図である。連続鋳造機200は、溶鋼を鋳型23に注ぎ込み、側面が凝固した溶鋼を鋳型23から引き抜いて長尺なスラブを製造する装置である。連続鋳造機200は、タンディッシュ21と、ノズル22と、鋳型23と、複数組のロール24とを備え、この順で上流側から下流側へ配設されている。
タンディッシュ21は、取鍋(不図示)から溶鋼が流れ込み、溶鋼から所定の介在物を除去する装置である。介在物は、浮上して分離することで除去される。タンディッシュ21の底壁には、貫通口が形成されており、そこに、ノズル22が取り付けれている。
鋳型23は、ノズル22を介して、タンディッシュ21から溶鋼が流れ込み、溶鋼を冷やして所定の形の鋼を形成する装置である。鋳型23は、水冷されており、鋳型23に接触した溶鋼は、その外側から凝固されて相対的に薄肉の凝固シェルを形成し、所定の形の鋼が形成される。
ロール24は、鋳型23から鋼を所定の速度で引き抜きつつ、鋼を支持する装置である。ロール24は、鋼の両面それぞれに接するように配設された2個1組で、鋳型23の次段に、上流側から下流側へ沿って所定の間隔を空けて複数配設される。複数組のロール24は、鋳造方向(引き抜き方向)が垂直方向から水平方向へ向くように、配設される。
連続鋳造機200は、スライドバルブ31と、アクチュエータ32と、渦流センサ33と、を備え、鋳型23内の溶鋼の湯面レベルを制御する。渦流センサ33は、鋳型23内の溶鋼の湯面レベル(図中のLevel。なお、制御には鉛直上向きを正とした高さに変換した値を湯面レベルとして用いている。)を計測する。渦流センサ33が計測した湯面レベルは、制御量yとして出力される。制御量yと目標値rの偏差eがコントローラ1に入力される。コントローラ1は、操作量uを算出し、アクチュエータ32に出力する。なお、比例先行型や微分先行型等の場合、制御量yがコントローラ1に入力される場合があることは、既述の通りである。アクチュエータ32は、スライドバルブ31を操作量uだけ操作する。なお、コントローラが速度型の場合、アクチュエータ32は、操作量uの微分や差分を操作することとなる。
図3は、図1に示すコントローラ1のブロック図である。コントローラ1は、PID制御部11と、フィルタ部12と、を備える。フィルタ部12は、PID制御部11とは別に設けられている。PID制御部11に偏差eが入力され、PID制御部11の出力がフィルタ部12に入力される。フィルタ部12の出力が操作量uとなる。なお、比例先行型や微分先行型等の場合、制御量yが、PID制御部11に入力される場合があることは、既述の通りである。
例えば、PID制御部11が、PID制御を実行する場合の伝達関数KPID(s)の例を示すと以下の通りである。以降の説明では、この構造のPID制御部を用いることとする。なお、式(1)を実行するPID制御部は、本来、「PID制御部」の1形態であり、「式(1)の構造のPID制御を行うPID制御部」と表記すべきである。しかし、長い表記となるため、以降も、「PID制御部」と表記することとする。なお、KPID(s)は、PID制御部11の伝達関数であり、コントローラ1の伝達関数K(s)ではない。コントローラ1の伝達関数K(s)は、後で説明する(式(15))。
Figure 0007196029000001
本例のPID制御部11の基本的なパラメータは、K(比例ゲイン)、T(積分時間)、T(微分時間)である。ηは、不完全微分のための係数であり、0.1とされることが多い。なお、式(1)を変形すると、次のようになる。
Figure 0007196029000002
定数ゲインを比例ゲイン、積分器のゲインを積分ゲイン、微分器のゲインを微分ゲインとすれば、比例ゲインはKであり、積分ゲインはK/Tであり、微分ゲインはK・Tとなる。
フィルタ部12は、PID制御部11に付加してコントローラ1を構成する部分である。PID制御では、十分な制御性能が得られない場合に、ゲインや位相を細かく調整する機能を有する。例えば、振動系の制御対象2の場合、PID制御では制御が難しいことがある。このようなとき、フィルタ部12を追加し、例えば、特定の周波数のコントローラゲインを大きくすることで、振動を抑制できるようになることがある。あるいは、別の例としては、特定の周波数のコントローラゲインを小さくすることで、振動により制御が不安定化することを防止できることがある。フィルタ部12のパラメータの値によって、フィルタ部12は、例えば、位相進み補償器になったり、位相遅れ補償器になったりする。
制御対象2は、実施形態において、伝達関数P(s)で表わされているものとする。むだ時間を含んでいてもよい。
感度関数S(s)、準相補感度関数R(s)は、次のように定義される。これらの関数は、K(s)およびP(s)を用いて定義されており、混合感度問題で扱われる。
Figure 0007196029000003
Figure 0007196029000004
また、加法的な不確かさをΔ(s)とすると、制御対象2の伝達関数P(s)は、次のように表すことができる。
Figure 0007196029000005
ここで、P(s)は、公称の制御対象2である。
混合感度問題について説明する。重み関数をW1H(s)、W2H(s)とする。なお、添え字のHは、ハイゲインタイプのコントローラ1を設計するための重み関数であることを示す。
H∞制御の混合感度問題は、以下のように示される。ここで、感度関数、準相補感度関数、後で用いる相補感度関数内のP(s)には、P(s)を代入して用いる。以下のいずれの混合感度問題においても同様である。
Figure 0007196029000006
これは、公知のリカッチ不等式や線形行列不等式のソルバ(The MathWorks,Inc.の「Robust Control Toolbox」(登録商標))のhinfsyn関数等を用いて解くことができる。
なお、実施形態では、加法的な不確かさを扱っているが、乗法的な不確かさを扱ってもよい。この場合、混合感度問題では、感度関数S(s)と相補感度関数T(s)を扱うこととなる。重み関数をW1H’(s)、W2H’(s)とする。
Figure 0007196029000007
ここで、式(6)又は(7)の混合感度問題を、実施形態では「一般的な混合感度問題」と呼び、2-disk問題と区別する。2-disk問題の場合、制約条件は次のいずれかとなる。
Figure 0007196029000008
Figure 0007196029000009
実施形態において、「混合感度問題」とは、式(6)~(9)のいずれかを制約条件に含む問題をいうものとする。混合感度問題は、最適化手法を用いて解かれる。これについて、具体例で示す。制御対象2を、連続鋳造機200とする。
Figure 0007196029000010
ここで、P(s)は式(5)の構成要素であり、TSCはステッピングシリンダ時定数であり、LSCはステッピングシリンダむだ時間であり、Kは流量係数であり、Aは鋳型断面積であり、TCDはレベル計時定数であり、LCDはレベル計むだ時間である。図2を参照して、ステッピングシリンダはアクチュエータ32であり、鋳型断面積は鋳型23の断面積であり、レベル計は渦流センサ33である。
SC=0.2、TCD=0.3、LSC=0.1、LCD=0.12とする。K、Aは、鋳造条件により変化し、その範囲は、0.6<K/A<2.1である。まず、本例では、ハイゲインタイプのコントローラ1の1つ目として、次の場合を考える。
Figure 0007196029000011
重み関数は、次のように設定する。後述の評価関数で示されるように、重み関数W1H(s)の変数KW1Hが最大化すべき値となる。
Figure 0007196029000012
Figure 0007196029000013
変数KW1Hをなるべく大きくすることで、外乱抑制性を最大化できることになる。
なお、時定数とむだ時間がすべて、±20%変化するものとして、不確かさΔ(s)を計算する。不確かさΔ(s)は、式(5)を構成する。非特許文献1に記載のように、後述の重みW2H(s)、W2M(s)、W2L(s)は、高周波域でΔ(s)を覆うように、設定する。
比較例として、H∞コントローラの設計方法を説明する。一般的な混合感度問題を解くことにより、H∞コントローラが求められる。このとき、H∞コントローラの構造は自動的に定まり、指定することはできない。図4は、一般的な混合感度問題を解いて求められたH∞コントローラのボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。H∞コントローラは、低周波でゲインが大きく、高周波側の0.1[Hz]近傍でほぼ一定のゲインになっており、基本的にはPI制御であることが分かる。さらに高周波側の1.0[Hz]近傍ではゲインが下がり、フィルタを付加した形になっていると解釈できる。特許第3091061号に開示されているように、一般的な混合感度問題である式(6)を解く方法により、H∞コントローラを求めると次のようになる。
Figure 0007196029000014
極と零点を比較することにより、次のことがわかる。
zH11,2とpH12,3が、極零相殺を生じている。
zH1とpH1が、極零相殺に近い。
zH1とpH1が、極零相殺に近い。
zH110,11とpH111,12が、極零相殺を生じている。
極零相殺に近いことを極零相殺に含めると、6個の極零相殺があることが分かる(zH11,2とpH12,3、zH110,11とpH111,12はそれぞれ2個の極零相殺である)。この場合、13次のコントローラのうち、少なくとも6次分は除くことができ、7次のコントローラでH∞コントローラを近似することができると考えられる。実際には、残りの7次の中にも影響が小さい極や零点が含まれているため、さらに低次のコントローラで、H∞コントローラを近似できると考えられる。
実施形態では、コントローラ1の構造を、PID制御部11にフィルタ部12を付加した形に固定し、H∞コントローラに近い性能を達成することを考える。ここで、構造が固定とは、可変パラメータの値のみが異なることを言うものとする。例えば、伝達関数1/(2・s+1)と、1/(3・s+1)とは、可変パラメータをTとして、構造が1/(T・s+1)で固定である。一方、伝達関数1/(2・s+1)と、s/(3・s+1)とは、分子が1とsで異なっており、固定ではない。なお、近似の方法として、平衡実現による低次元化の手法もあるが、必ずしも、PID制御部11のように固定の構造のコントローラが得られないため、採用しない。
実施形態のパラメータ設計方法は、PID制御部11およびフィルタ部12を備えるコントローラ1のパラメータの設計方法である。この設計方法として、以下の例1~例3がある。
例1:PID制御部+2次のフィルタ部、混合感度
コントローラ1をPID制御部11+2次のフィルタ部12で近似することを考える。位相進み遅れ補償は、1次の有理式×1次の有理式となっていることが多いが、実施形態では、さらに範囲が広い2次の有理式としている。1次の有理式であっても、位相進み・遅れ補償のパラメータを決めるには、試行錯誤、再調整が必要であるが、実施形態では、2次の有理式であっても、モデルに基づき、試行錯誤、再調整なく、最適化によりパラメータを求める。例1のコントローラ1の伝達関数K(s)を、以下に示す。
Figure 0007196029000015
伝達関数K(s)は、式1に示すPID制御部1の伝達関数KPID(s)と、2次のフィルタ部12の伝達関数とにより構成される。PID制御部11のパラメータは3個(K、T、T)であり、フィルタ部12のパラメータは4個(a、a、b、b)である。コントローラ1のパラメータとして、これら7個のパラメータを決定する必要がある。コントローラ1は線形式ではない。ロバスト安定性と外乱抑制性とのバランスを取る必要があり、これらのパラメータの決定は難しい。フィルタ部12が1次の場合でも、5個のパラメータ(K、T、T、a、b)を決定する必要がある。かつ、安定性を維持したうえで、外乱抑制帯域をできるだけ大きくして、湯面レベル変動を小さくし、鋳片品質の向上等を図りたいというニーズを満たす必要がある。
周波数をfmin(=0.001)[Hz]から、fmax(=10)[Hz]まで、対数的に等間隔なNω(=200)点の、周波数の変数f(i=1,・・・,Nω)を得る。ここで、デジタル制御を行う場合、制御を行う周波数は、0からナイキスト周波数であるが、本例では、サンプリング周期を0.1[s]とする。したがって、周波数は、0[Hz]からナイキスト周波数の5[Hz]までとなる。下限については、周波数を対数的に等間隔とするので0とすることはできないことから、小さな値0.001[Hz]としている。また、上限については、ナイキスト周波数近傍で大きい値の10[Hz]としている。さらに、fに、2πを乗じ、角周波数の変数ω(i=1,・・・,Nω)を得る。
最小化すべき評価関数は次のように設定した。重み関数のゲインを可能な限り大きくして、外乱抑制の周波数帯域を最大化する評価関数としている。変数KW1Hは、式(12)で説明している。
Figure 0007196029000016
次に、各角周波数での制約条件を求める。上述の混合感度問題のノルム制約は次のようになる。
Figure 0007196029000017
ここで、σ()は、最大特異値を示す。
最適化計算時の精度を担保するため、次のように、dBに変換した制約条件を得る。
Figure 0007196029000018
ここで、PID制御部11のパラメータは、ネガティブフィードバックにするために、それぞれ、K>0、T>0、T≧0が必須となる制約がある。さらに、この最適化問題は非凸で、局所解に陥る場合もあるため、収束しやすくするために、各変数に次のような制約条件を設けた。なお、K>0、T>0、T≧0の必須の制約以外の制約は、局所解に陥いる場合を避けるために便宜的に設けたものであり、必須ではない。例えば、本例の多スタート局所探索法では、最適化時に試す初期値の数を増やせば、便宜的な制約なしで、最適解を得ることができる。
Figure 0007196029000019
なお、最後の2式は、フィルタ部12の減衰係数に制限を加えるものである。すなわち、最後の2式は零点や極が振動的になりにくく、かつ、虚軸に近づきにくい領域で最適値を探索するために設けている。
また、本例では、最適化手法については、多スタート局所探索法を用い、初期値については、初期値を複数点で試し、局所解に陥らないような、次の初期値からの最適化結果を採用した。
Figure 0007196029000020
最適化問題は、式(16)の評価関数を、式(18)、(19)の制約条件の下、最小値を求める形となる。
なお、最適化問題を大域的最適化問題として解く場合、混合感度問題の制約とPIDパラメータの制約とを除いた制約条件の設定は、大域的最適化に含めたり、不要であったりする。理由は、実施形態では、多スタート局所探索法の一種を用いており、混合感度問題の制約とPIDパラメータの制約とを除いた制約条件は、局所探索での収束が容易になるように便宜的に設けたものだからである。
局所探索の部分は、公用の非線形最適化手法を用いる(The MathWorks,Inc.の「Optimization Toolbox」(登録商標)のfmincon関数)。次の結果を得た。
Figure 0007196029000021
PID制御部11は、微分時間Tが0であり、実質的にPI制御となっていることが分かる。図5は、PID制御部11および2次のフィルタ部12を備えるコントローラ1における一般的な混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラ1のボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。ここでのパラメータは、式(21)に示すパラメータである。PI制御+2次のフィルタのため、次数は3次であるが、ほぼH∞コントローラと同性能のコントローラ1が得られていることが分かる。
PID制御部11+2次のフィルタ部12の構造に固定されたコントローラ1を、モデルを用いて、調整でなく計算によって求めることができている。
実施形態に係るコントローラ1(例1および後で説明する例2、例3のコントローラ1)の設計方法について簡単に説明する。この設計方法には、実施形態に係るパラメータ設計方法が含まれる。図6は、実施形態に係るコントローラ1の設計方法のフローチャートである。この中には、実施形態に係るパラメータの設計方法が含まれる。まず、設計者は、制御対象2の伝達関数P(s)(上述のように、P(s)をP(s)として用いる。)を設定する(S1)。次に、設計者は、PID制御部11およびフィルタ部12の構造を決定する(S2)。次に、設計者は、評価関数を設定する(S3)。次に、設計者は、制約条件を設定する(S4)。最後に、設計者は、コンピュータを用いて大域的最適化問題を解く(S5)。上述したように、処理S5により、コントローラ1のパラメータが決定される。
例2:PID制御部+1次のフィルタ部、混合感度
次に、1次のフィルタ部12の例を示す。ここで、PID制御部11のパラメータは、ネガティブフィードバックにするために、それぞれ、K>0、T>0、T≧0が必須となる制約がある。さらに、この最適化問題は非凸で、局所解に陥る場合もあるため、収束しやすくするために、各変数に次のような制約条件を設けた。ここで、a、bについては、値を0にする制約を設けて、最適化計算を行っている。なお、K>0、T>0、T≧0が必須となる制約以外の制約は、局所解に陥る場合を避けるために便宜的に設けたものであり、必須ではない。例えば、本例の多スタート局所探索法では、最適化時に試す初期値の数を増やせば、便宜的な制約なしで、最適解を得ることができる。
Figure 0007196029000022
また、初期値については、初期値を複数点で試し、局所解に陥らないような、次の初期値からの最適化結果を採用した。
Figure 0007196029000023
この1次フィルタの場合について、式(16)の評価関数を、式(18)、(22)の制約条件の下、最適化して、次の結果を得た。
Figure 0007196029000024
図7は、PID制御部11および1次のフィルタ部12を備えるコントローラ1における一般的な混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラ1のボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。ここでのパラメータは、式(24)に示すパラメータである。PI制御+1次のフィルタのため、次数は2次である。図7では分かりにくいが(図7を拡大すれば分かる)、図5(PI制御+2次のフィルタを実行するコントローラ1)と比較して、感度関数Sが低周波側にある。これにより、PI制御+2次のフィルタを実行するコントローラ1や、H∞コントローラよりも外乱抑制性能が低いことが分かる。設計の自由度が十分でないためと考えられる。
例3:PID制御部+2次のフィルタ部、2-disk
次に、2-disk問題の例を示す。この例では、混合感度問題の制約がより緩和されるので、外乱抑制の帯域が広がる。また、1入出力系の場合、特異値を計算する必要がないという利点がある。コントローラ1をPID制御部11+2次のフィルタ部12で近似することを考えるのは上述の場合と同じである。評価関数も、上述の場合と同じである。
次に、各角周波数での制約条件を求める。上述の混合感度問題と違い、2-disk問題の制約は次のようになる。
Figure 0007196029000025
最適化計算時の精度を担保するため、次のように、dBに変換した制約条件を得る。
Figure 0007196029000026
ここで、PID制御部11のパラメータは、ネガティブフィードバックにするために、それぞれ、K>0、T>0、T≧0が必須となる制約がある。さらに、この最適化問題は非凸で、局所解に陥る場合もあるため、収束しやすくするために、各変数に次のような制約条件を設けた。なお、K>0、T>0、T≧0が必須となる制約以外の制約は、局所解に陥る場合を避けるために便宜的に設けたものであり、必須ではない。最適化時に試す初期値の数を増やせば、便宜的な制約なしで、最適解を得ることができる。
Figure 0007196029000027
また、初期値については、初期値を複数点で試し、局所解に陥らないような、次の初期値からの最適化結果を採用した。
Figure 0007196029000028
最適化問題は、式(16)の評価関数を、式(26)、(27)の制約条件の下、最小値を求める形となる。
局所探索の部分は、公用の非線形最適化手法を用いて(The MathWorks,Inc.の「Optimization Toolbox」(登録商標)のfmincon関数)、最適化して、次の結果を得た。
Figure 0007196029000029
微分時間Tが0でない値となっている。図8は、PID制御部11および2次のフィルタ部12を備えるコントローラ1における2-Disk混合感度問題を解いて求められたパラメータが設定されたコントローラ1のボード線図と周波数整形結果を示すグラフである。ここでのパラメータは、式(29)に示すパラメータである。図8では分かりにくいが(図8を拡大すれば分かる)、図5と比較して、感度関数Sが高周波側にあり、外乱抑制性能が高いことが分かる。
但し、0.2[Hz]近傍の操作量uのゲインは大きくなっており、操作量飽和は生じやすくなっていることが分かる。次に説明する「例4:適応」では、この例は用いない。
例4:適応
例1のコントローラ1(PID制御部11+2次のフィルタ部12)において、制御対象2(連続鋳造機200)の変化等に対応させることを考える。構造を固定しているので、後述するように、コントローラ1の制御特性を連続的に変化させることが可能となる。
制御対象2において、K/Aが、0.6から2.1まで、0.1刻みで設計する。また、例1の説明では、ハイゲインタイプのコントローラ1を設計したが、これよりも、ゲインが低いタイプであるミドルゲインタイプおよびローゲインタイプのコントローラ1も設計する。従って、設計するゲインタイプは3種類ある。よって、設計するコントローラ1は48個となる。これを、下記の表で示す。ハイゲインタイプは「H」で示し、ミドルゲインタイプは「M」で示し、ローゲインタイプは「L」で示す。
Figure 0007196029000030
制御対象2のゲインが2倍以上変化するため、1つのコントローラ1では性能が劣化したり、不安定化したりすることが考えられる。公用のPID制御では、テーブルにPIDのパラメータを書き込んでおき、制御対象2や外乱の変化に応じてPIDのパラメータを変更する場合がある。今回、コントローラ1のパラメータをテーブル化しておき、制御対象2や外乱の変化に応じて、パラメータを連続的に変化させることを考える。パラメータを連続的に変化させることにより、コントローラ1の制御特性を連続的に変化させることとなる。
/Aが、0.6から2.1まで、0.1刻みで、例1と同様に設計を行う(なお、0.6の場合は例1で設計済み。)。
既に、H1は計算しているので、H2~H16は、式(10)のK/Aを変更して、例1と同様に計算して、例1のコントローラ1を得ることができる。
次に、ミドルゲインタイプのM1~M16については、重み関数と評価関数を次のように設定して、最適化を行う。後述の評価関数で示されるように重み関数W1M(s)の変数TW1Mが最小化すべき値となる。なお、W2M(s)は、W2H(s)と同じである。
Figure 0007196029000031
Figure 0007196029000032
ミドルゲインタイプの、最小化すべき評価関数は次のように設定した。TW1Mを可能な限り小さくし、結果として、重み関数W1M(s)のゲインを大きくすることで、外乱抑制の周波数帯域を最大化する評価関数としている。
Figure 0007196029000033
さらに、ローゲインタイプのL1~L16については、重み関数と、最小化すべき評価関数とを、次のように設定して、最適化を行う。後述の評価関数で示されるように、重み関数W1L(s)の変数TW1Lが最小化すべき値となる。
Figure 0007196029000034
Figure 0007196029000035
ローゲインタイプの評価関数は次のように設定した。TW1Lを可能な限り小さくし、結果として、重み関数W1L(s)のゲインを大きくすることで、外乱抑制の周波数帯域を最大化する評価関数としている。
Figure 0007196029000036
以上のようにして、上記表に示す48個のコントローラ1のそれぞれのパラメータが求められる。48個のコントローラ1は、構造が共通であるが、パラメータが異なり、制御特性が異なる。本例では、ここでの制御特性は、K/Aの値とゲインタイプ(H、M、L)の組み合わせで定まる。
図9Aは、求められた各パラメータ(K、T、a、a、b、b)とK/Aとゲインタイプ(H、M、L)との関係を示すテーブルの図である。Tは0なので省略されている。このテーブルは、コントローラ1の記憶部に予め記憶されている。上記表に示す48個のコントローラ1は、構造が共通であり、パラメータを変えることにより、これらのコントローラ1が実現される。具体的に説明する。ゲインタイプがH、かつ、K/Aが0.6で特定されるパラメータ(K、T、a、a、b、b)が、コントローラ1において補間により選択されることにより(コントローラ1に設定)、コントローラ番号H1のコントローラ1が実現される。
例4のコントローラ1は、その制御特性(K/Aの値とゲインタイプの組み合わせ)を連続的に変化させる。ここで、H16はハイゲインタイプのK/A=2.1の場合であり、M3はミドルゲインタイプのK/A=0.8の場合となる。
連続的にコントローラ1を変化させる場合、図9Aの表から補間により求める必要がある。本例では、The MathWorks,Inc.の「Simulink」(登録商標)の「n-D Lookup Table」ブロックを用い、このブロックの設定として、テーブルの次元数を「2」とし、内挿法として「線形の点と勾配」を用いればよい。
なお、この「n-D Lookup Table」と同等の手法を、DCSやPLCで実現する際のロジックは次のようになる。今、ゲインタイプ1.4、K/A=0.72とする。ここで、ゲインタイプはHを1、Mを2、Lを3としているものとする。すなわち、ゲインタイプ1.4は、0.4:0.6の比率でHとMの間にあることとなる。K/A=0.72は、0.02:0.08=0.2:0.8の比率でコントローラ*2と*3(*はH、M、Lのいずれかを示す。)の間にあることを示す。このときの、Kの補間方法を図9Bで示す。
求めるべきKの値は、
H2(ゲインタイプ=1、K/A=0.7)の0.928、
H3(ゲインタイプ=1、K/A=0.8)の0.845、
M2(ゲインタイプ=2、K/A=0.7)の0.435、
M3(ゲインタイプ=2、K/A=0.8)の0.396、
の間にある。
まず、TMP1をH2とM2を0.4:0.6に内分する点にとる。この点でのKの値は、(0.4×0.435+0.6×0.928)=0.731となる。
次に、TMP2をH3とM3を0.4:0.6に内分する点にとる。この点でのKの値は、(0.4×0.396+0.6×0.845)=0.665となる。
次に、RESULTを、TMP1とTMP2を0.2:0.8に内分する点にとる。この点でのKの値は、(0.2×0.665+0.8×0.731)=0.718となる。このRESULTの値が、補間により得られるKの値となる。
、a、a、b、bについても、同様に補間により値を得ることができる。
ここで、この補間のロジックと、The MathWorks,Inc.の「Simulink」(登録商標)の「n-D Lookup Table」ブロックの補間のロジックとは、厳密には同一でなく誤差が存在する可能性もあるが、K等の値は、後で図10Aに示されるように滑らかな曲面であるので、誤差は小さいものと考えられる。
各パラメータを連続的に変化させることで、コントローラ1の制御特性を連続的に変化させることができる。図10Aは、図9Aに示す各パラメータ(K、T、a、a、b、b)のテーブルの数値をグラフにした図である。各グラフは、3次元で示されており、第1軸がK/Aを示し、第2軸がゲインタイプ(H、M、L)を示し、第3軸がパラメータを示す。
適応的に例4のコントローラ1を動作させることを考える。図9Aの破線矢印に示すように、まず、ゲインタイプはHのままで、制御対象2のK/Aを2.1から0.6まで、連続的に減少させる。次に、ゲインタイプをH→M→Lと連続的に変更する。これは、例えば、鋳造速度を減少させ、その後、例えば、コントローラゲインを下げるためにゲインタイプを変更する場合に該当する。
このとき、コントローラ1は、K/Aの値に応じて、H16、H15、H14、・・・、H2、H1と連続的に変化していく。コントローラ1のパラメータであるK、T、T、a、a、b、bは、上述のテーブルから読み込み、補間により計算する。
続いて、ゲインタイプをH→M→Lは、Hを1.0、Mを2.0、Lを3.0と数値に置き換えて、1.0から3.0まで連続的に変化させている。このとき、K/Aは0.6である。コントローラ1のパラメータであるK、T、T、a、a、b、bは、同様に、上述のテーブルから読み込み、補間により計算する。
以上説明したコントローラ1の動作を方法の観点から見ると、以下の記憶工程と変更工程を備える。記憶工程は、構造が共通で制御特性が異なる48個(複数)のコントローラのそれぞれのパラメータ(例えば、図9A)を、コントローラの記憶部に予め記憶させる。変更工程は、記憶工程で記憶された、48個のコントローラのそれぞれのパラメータの中からパラメータを補間により決定し、制御対象2をフィードバック制御するコントローラ1のパラメータに設定することにより、コントローラ1を変更する。変更工程では、コントローラ1の制御特性が連続的に変化するように、コントローラ1が変更される。
コントローラ1は、連続鋳造機200のフィードバック制御中に、K/Aの値とゲインタイプ(実数)の値に基づき、制御特性を連続的に変化させる。
一例として、K/Aをサンプリング周期ごとに計算し、K/Aに対応したコントローラ番号(実数)を採用することが考えられる。また、ゲインタイプ(実数)については、アクチュエータが飽和しそうなときに、ゲインタイプをローゲイン側に変更することが考えられる。これらは、PID制御+フィルタの制御系の上位系(なお、ソフト的に上位の意味であり、実際の演算はPID制御部+フィルタ部と同じDCSやPLCの内部で行ってよい。)で行われる。すなわち、コントローラ番号とゲインタイプの決定方法は、上位系で行われることとなるが、本実施例では、コントローラ番号は、計算されたK/Aに基づいて変更し、ゲインタイプは、与えることとしている。なお、K/Aの値を計算する方法は、以下の文献に記載された式(6)を用いればよい。
村上他、“連続鋳造機湯面レベルのH∞制御”、システム制御情報学会誌、Vol.10、No.11、pp.607-615、1997
図10Bに、適応のシミュレータの概要を示す。シミュレーション条件として、まずK/Aの変更を指定する。ここで、K/Aは、上位系で精確に計算できているものとして、図9Aのパラメータテーブルに入力する。ゲインタイプは、上位系で設定されているものとして指定する。また、レベル外乱を印加する。なお、このシミュレータは、線形化された偏差系となっている。本来非線形な制御対象である連続鋳造機の動特性を、動作点回りで線形化するとともに、鋳造速度・TD重量・鋳型幅の変更により生じる湯面レベル変動を、特許第6108923号の方法によりフィードフォワードにより補償されているものとしている。このシミュレータを用いて、シミュレーションを行う。
図11Aは、例4のコントローラ1について、適応のシミュレーションをした場合の設定条件1~3と結果1~2を示すグラフである。図11Bは、例4のコントローラ1について、適応のシミュレーションをした場合の結果3~8を示すグラフである。図9A及び図10Aにおいて、破線矢印のようにテーブル内の場所を変化していく場合である。PID制御部11だけでなく、フィルタ部12も適応することにより、H∞制御と同等の性能を実現し、さらに、適応機能を有している。コントローラを非特許文献1に記載のように、例えばH16からH15へと、連続的にでなく、ステップ状に切り換えた場合、従来は、切り換え時のレベル変動が大きい場合には、過渡応答により、制御量である湯面レベルyや操作量uが一時的に大きくなる場合があった。
ここで、参考のために、図11Cに、他制御系でテスト時の例を示す。実施形態とは別の対象に対して、従来技術の非特許文献1の方法を、テスト的に適用した場合の結果である。上から、コントローラ番号(整数)、ゲインタイプ(整数)、制御量である湯面レベル、スライドバルブ開度である。なお、スライドバルブ開度は、アクチュエータの一次遅れとむだ時間分の違いがあるが、低周波領域では、ほぼ操作量と同じ動作となる。
M4のH∞コントローラが、時刻40[s]でH4のH∞コントローラに切り換えられ、時刻93[s]にM4のH∞コントローラに切り換えられた場合である。93[s]にH4からM4のH∞コントローラに切り換えられた結果、湯面レベルや開度(アクチュエータの動特性の違いを除けば、操作量に相当する。)の変動が大きくなっていることがわかる。なお、図11CのM4、H4コントローラは他制御系のために別に設計したH∞コントローラであり、実施形態に記載のH∞コントローラや非特許文献1のH∞コントローラとは制御特性が異なっているが、定性的には同じ傾向を示すと考えている。すなわち、切り換えを伴う制御の場合、切り換え直後の過渡応答により、制御量や操作量の一時的な変動を生じる場合があった。
一方、図11Aおよび図11Bの本シミュレーション結果例では、制御量yの変動や操作量uの変動は生じていない。これについて、以下、詳しく説明する。
図11Aおよび図11Bを参照して、このシミュレーションは、設定条件1~設定条件3の下で実行される。設定条件1を示すグラフは、横軸が時間tを示し、縦軸がK/Aを示す。t=50~80秒において(30秒間)、K/Aを2.1から0.6まで連続的に減少させる。K/Aの減少は、TD重量(タンディッシュ21内の溶鋼の重量)の減少、鋳造速度Vの減速等に相当する。
設定条件2を示すグラフは、横軸が時間tを示し、縦軸がゲインタイプ(H、M、L)を示す。t=100~130秒において(30秒間)、コントローラ1を、ハイゲインタイプ、ミドルゲインタイプ、ローゲインタイプに連続的に変化させる。
設定条件3を示すグラフは、横軸が時間tを示し、縦軸が湯面レベルに対する外乱を示す。この外乱は、周期4秒、振幅10mmのサイン波である。外乱としては、評価のために、最も制御しにくい4秒周期として、レベル変動が大きくなるようにしている。理由は、従来の切り換え制御の場合、切り換える瞬間にレベル変動が大きいときに、一時的なレベル変動が生じやすかったからである。
シミュレーションの結果を結果1および結果2に示す。結果1を示すグラフは、横軸が時間tを示し、縦軸が制御量の湯面レベルを示す。結果3~8に示すように、パラメータK、T、T、a、a、b、bが連続的に変化することにより、コントローラ1の制御特性が、連続的に変化しているので、コントローラ1の制御特性を段階的に変化させる場合(例えば、コントローラ番号H16のコントローラ1を、H15やM16に切り換える場合)に生じることがある過渡応答による湯面レベルの一時的な変動が生じていない。
結果2を示すグラフは、横軸が時間tを示し、縦軸が操作量を示す。結果3~8に示すように、パラメータK、T、T、a、a、b、bが連続的に変化することにより、コントローラ1の制御特性が連続的に変化しているので、コントローラ1の制御特性を段階的に変化させる場合に生じる操作量の一時的な変動が生じていない。操作量変動を小さくできるので、アクチュエータが飽和しにくくなる。
図11Dのようにコントローラ1を変化させた場合について、別条件で実行されたもう1つのシミュレーション結果を、図11Eおよび図11Fに示す。1つ目の例と比べて、設定条件1と設定条件2のK/Aとゲインタイプを変化させる時間を、ともに、t=50~100秒の50秒間と変更した点が異なるのみである。図11Aおよび図11Bと同様に、パラメータK、T、T、a、a、b、bが、連続的に変化し、安定に、急激な湯面レベルや操作量変動がなく、制御できていることが確認できる。
図11Aおよび図11B、並びに、図11Eおよび図11Fに示すシミュレーションだけでは、適応させた場合の安定性は理論的に保証されているわけではないが、フィードバック制御系100の応答に比べて適応の速度が遅い場合等には、安定に適応できることが期待される。実際に、シミュレーション結果においても、安定に制御されており、実用上は問題ないことが確認できる。
コントローラ1の構造が固定されており、かつ、コントローラ1がテーブルからパラメータを読み込むことにより、コントローラ1の制御特性が連続的に変化するので、適応が容易になっている。また、H∞制御の場合と比べて、パラメータが少なく、極零相殺のような数値演算上不安定になりやすい部分がないことも安定に適応できる理由の1つと考えられる。なお、本実施形態には記載していないが、別のシミュレーション結果において、変数の型を倍精度浮動小数点数から単精度浮動小数点数に変更しても、安定に適応動作ができることが確認できている。
さらに、コントローラ1の制御特性を連続的に変化させているため、コントローラを切り換えた場合のように、制御量yや操作量uがコントローラ1の切り換え時に一時的に大きくなる場合があるという問題も発生していない。
実施形態の例4に係るコントローラ1の適応動作のフローチャートを簡単に説明する。図12は、これを示すフローチャートである。このフローチャートは、1サンプリング周期を示し、サンプリング周期ごとに繰り返される。操作量uの出力を、速度型とすれば、手動操作等とのバンプレス切り換えが可能である。
コントローラ1は、コントローラ1を決定するための情報を読み込む(S11)。情報は、K/Aの値とゲインタイプ(1以上3以下の実数)である。「1」は、ゲインタイプHに対応し、「2」は、ゲインタイプMに対応し、「3」は、ゲインタイプLに対応する。
コントローラ1には、処理S12で決定したパラメータが設定され、制御量yと目標値rの偏差eが入力される(S13)。そして、コントローラ1は、偏差eを基にして、操作量uを算出し(S14)、制御対象2に出力する(S15)。なお、既述のように偏差eだけでなく、制御量yを用いる場合もある。
なお、コントローラ1がデジタル機器で実現される場合、PID制御部11+フィルタ部12は、公知の手法により、離散化される。これには、例えば、差分が用いられたり、双一次変換が用いられたりする。前者は、z-1を遅延演算子、ΔTをサンプリング周期として、差分[s=(1-z-1)/ΔT]を代入して離散化する。後者は、双一次変換[s=2/ΔT・(1-z-1)/(1+z-1)]を代入して離散化する。
実施形態では、局所的な非線形最適化手法(逐次2次計画法等)に多スタート局所探索法の一種を用いているが、最適化手法は、遺伝アルゴリズム(GA)、粒子群最適化法(PSO)、焼きなまし法(SA)等の他の大域的最適化手法でもよい。また、フィルタ部12は2次(1次の場合を含む)の例を示しているが、3次以上であってもよい。
PID制御部11の伝達関数は、式(1)に限らない。PID制御部11の伝達関数の他の例として、例えば、以下の3つがある。
Figure 0007196029000037
これらの伝達関数は、以下の文献から引用している。
宮崎誠一、他1名、“パソコンで学ぶ自動制御の実用学”、CQ出版株式会社、1991年発行、p.114
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 コントローラ
2 制御対象
11 PID制御部
12 フィルタ部
21 タンディッシュ
22 ノズル
23 鋳型
24 ロール
31 スライドバルブ
32 アクチュエータ
33 渦流センサ
100 フィードバック制御系
200 連続鋳造機

Claims (3)

  1. PID制御部、および、前記PID制御部とは別に設けられたフィルタ部を備え、制御対象をフィードバック制御するコントローラにおいて、前記コントローラのパラメータを設計する方法であって、
    前記制御対象の伝達関数および前記コントローラの伝達関数を基にして定められ、ロバスト安定性および外乱抑制特性を含む混合感度問題について、制御を行う周波数を含む周波数領域を離散化して得られた複数の周波数毎に、前記混合感度問題の制約条件を設定する設定工程と、
    前記制約条件での前記混合感度問題を最適化手法によって解くことにより、前記PID制御部および前記フィルタ部のそれぞれのパラメータにより構成される前記コントローラのパラメータを決定する決定工程と、を備える、パラメータ設計方法。
  2. 前記制御対象は、連続鋳造機であり、制御量が湯面レベルである、請求項1に記載のパラメータ設計方法。
  3. 請求項1または2に記載のパラメータ設計方法で設計された複数の前記コントローラのそれぞれのパラメータを予め記憶する記憶工程と、
    前記記憶工程で記憶された、複数の前記コントローラのそれぞれのパラメータの中からパラメータを補間により決定し、前記制御対象を前記フィードバック制御する前記コントローラのパラメータに設定することにより、前記コントローラを変更する変更工程と、を備え、
    前記変更工程は、前記コントローラの制御特性が連続的に変化するように、前記コントローラが変更される、フィードバック制御方法。
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