JP7195284B2 - ロバストなイオン源、質量分析計システム、イオン生成方法 - Google Patents

ロバストなイオン源、質量分析計システム、イオン生成方法 Download PDF

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Description

本願は、2017年6月13日付出願の米国特許出願第15/621,241号の継続出願でありかつその優先権を主張する。上記出願の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
質量分析計は、分子試料中の質量を測定することで試料の組成を分析する。残留ガス分析計(RGA)は、ガスの成分をイオン化して帯電物を生成し、これらの成分の質量電荷比を決定することによってガスの組成を測定する、比較的小型の質量分析計である。RGAは、ガスの組成やガスの汚染を検査するのに一般的に用いられ、かつ、分析対象となるガスのガス源よりも低い圧力の真空排気された環境で動作させることができる。残留ガス分析計の主な構成要素は、イオン源、質量分析部(マスフィルター)、検出部、および対応する電子部である。イオン源はガスの分子をイオン化し、質量分析部はイオンを質量電荷比で選択し、検出部は選択されたイオンの量を決定する。
RGAのイオン源は、一般的に、開放型と閉鎖型の2種類のうちの一方である。通常、開放型のイオン源は、プロセス環境からの試料ガスにイオン源の部品が直接曝されるようにして真空チャンバ内に取り付けられている。真空チャンバ内では、試料ガス分子が様々な方向からイオン源の中を進み得ることから、イオン源の内部やイオン源の周辺で圧力差が生じない。RGAの適切な動作にとってガスの圧力が高過ぎる場合には、減圧・ガスサンプリング用の真空システムを用いて、分析対象のガス試料の圧力が許容可能な程度にまで下げられる。このような用途での開放型のイオン源には、そのサンプリングシステムの残存真空内のガス(例えば水素、水、一酸化炭素、オイル等)からの干渉などといった欠点が存在する。
一般的に、RGAを減圧・ガスサンプリングシステムと共に用いてガスを分析する際には、閉鎖型のイオン源が好ましい。閉鎖型のイオン源は、試料ガスの圧力以下であるがRGA全体にとっての許容圧力よりは高い圧力で動作させられるイオン化チャンバを具備している。このチャンバは、ガスや電子やイオンが出入りするための小さな開口しか有していないため、ガス出口コンダクタンスが制限されている。電子が、このチャンバ内へ導かれることで、比較的高圧な状態にある試料ガスのイオンが、チャンバ内にて形成される。このときの試料ガスは、開放型のイオン源の場合に許容可能な圧力よりも高い圧力となっているため、試料ガスの信号も、それに応じて減圧システムの残存真空由来の信号よりも高くなり、試料ガスについての高忠実度分析がもたらされる。閉鎖型のイオン源での電極の臨界面(critical electrode surfaces )は、開放型のイオン源の場合よりも高い圧力の試料ガスに曝されるため、試料ガスがこれらの表面を汚染し得ることから、閉鎖型のイオン源は、開放型のイオン源よりもはるかに高速で劣化する。また、電子源も、電子をイオン化チャンバ内に導入するための孔部近傍に典型的に位置することから、質量分析計の平均圧力よりもはるかに高い圧力の試料ガスに曝される。つまり、閉鎖型のイオン源は、分析忠実度が高いものの劣化速度が速いのに対し、開放型のイオン源は、劣化速度が遅いものの分析忠実度が低い。
他の(RGA以外の)システムで採用されてきた、この劣化問題に対する従来のアプローチは、クロスビーム型のイオン化装置や、追加の検査面(extra control surfaces)付きの動的調節イオン源を含む。しかし、追加の検査面はコストや複雑性が増し、しばしば頻繁な調節作業が必要となり、かつ、極端な汚染時には効果が限定的なものになる。クロスビーム型のイオン源は、コリメートされたガス流を分析対象とするところ、多段排気システムを用いるためサンプリングしたガスの大半が削ぎ落とされてしまい、サンプリングしたガスのほんの一部からしかガス流をコリメートできず、消耗するガスの量に対して感度が低下する。このため、試料ガス信号が小さくなったり、高流量の試料ガスを消耗する大型で高価な排気システムが必要になったりする。
開示する実施形態は、汚染性ガスの存在下であっても、質量分析計の高寿命化および分析安定性の向上を達成しつつ、試料ガス分析の優れた忠実度をもたらす。
例的な一実施形態は、ガス源と、ノズルと、電子源と、電極と、を備えたイオン源である。本明細書で用いる「ノズル」という用語は、比較的小さな出口を有するガス流供給エレメントのことを意味する。前記ノズルは、任意長の(ゼロであってもよい)筒体または同様の構造体であり得る。前記ノズルの長さがゼロである場合、当該ノズルは表面の開口部の形態となり得る。前記ガス源は、真空排気されたイオン化空間にノズルを介してガスを供給するもので、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも大幅に高い圧力になっている。前記ガス源から前記ノズルを通過したガスは前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張し、当該ガスの圧力は当該ガスが前記ノズルの出口から離れ拡がるにつれて急速に低下する。前記電子源は電子を放出し、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中を前記ノズル近傍で通過することで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する。前記電極が、イオン化領域から質量分析計のマスフィルターへのイオン流のための電場を生成し、かつ、ガスに当該電極が直接曝されるのを制限するように、前記ノズルから距離を空けてかつ前記ノズルに対する向きを設定して配置されている。
例的な他の実施形態は、真空ポンプと、マスフィルターと、検出部と、イオン源と、を備えた質量分析計システムである。イオン源は、前述したようにガス源、ノズル、電子源、および電極を備えている。前記イオン源の電極が、前記イオン化領域から前記マスフィルターへのイオン流のための電場を生成する。前記イオン源のノズルは、前記ガス源からのガスを前記真空ポンプへ導くように向けられ得る。
数多くの実施形態では、前記ノズルからの前記ガス分子の20%以上が前記イオン化領域を通過する。一部の実施形態では、前記電子源が加熱フィラメントであり得る。このような実施形態(または他の実施形態)では、前記電子源が、第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置され得る。このような実施形態において、前記電子源により生成された電子は、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域へ移動することにより、前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる。このような実施形態では、第2の電極が、前記第1の電極に対向して配置され得る。前記第2の電極は、開口部を有し得る。電子は、前記イオン化領域を通過して前記第2の電極側に移動する(前記開口部が設けられている場合には、前記電子の多くが前記開口部を通って移動し得る)。
トラップ電極が、前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側に配置され得て、前記イオン化領域を流れる電子ビーム電流の少なくとも一部を測定し得る。開口部付きの前記第2の電極を備えた実施形態では、前記トラップ電極が、前記イオン化領域からみて前記第2の電極の外側に配置され得る。前記第2の電極の前記開口部の外側に、第2の電子源が配置されてもよい(一部の実施形態では、前記第2の電子源がトラップ電極として機能するように構成され得る)。一部の実施形態では、例えば第2の電子源が動作させられているとき等に、前記第1の電子源がトラップ電極として使用され得る。
数多くの実施形態において、前記電極は、前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極を含み、その第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と略平行である。このような実施形態(または他の実施形態)では、反発電極が、前記イオン化領域からのイオンを前記マスフィルターに向かって反発させ得る。このような実施形態(または他の実施形態)では、開口部を有するイオン出口電極が、前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導き得る。各種電極に印加される電圧は、それぞれ独立して制御可能とされ得る。
一部の実施形態では、前記ノズルの出口開口の面積が5平方ミリメートルまたは5平方ミリメートル未満であり得る。前記ノズルの出口開口の面積は、前記ガス源の所望のガス流の圧力に対して反比例の関係となり得る。よって、前記ガス源の圧力が極めて高い場合には、前記ノズルの出口開口の面積をさらに小さいものとすればよい。このような実施形態(または他の実施形態)では、前記イオン化領域での前記電子ビームの断面積が20平方ミリメートルまたは20平方ミリメートル未満であり得る。このような実施形態(または他の実施形態)では、前記電極が、前記ノズルの中心から5ミリメートル以上のところに位置したものとされ得る。
例的な他の実施形態は、マスフィルターを具備した質量分析計に用いられる、イオンを生成する方法である。この方法は、ガス源からのガスを、ノズルを介して、真空排気されたイオン化空間に供給する過程、を備えている。前記ガス源は、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも大幅に高い圧力であり、前記ノズルを通過したガスは、前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する。前記方法は、さらに、電子を、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中を前記ノズル近傍で通過するように、放出することにより、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する過程と、前記イオン化領域で形成されたイオンを前記マスフィルターへ導く過程と、を備えている。
一部の実施形態では、前記イオンを導く過程が、電極により生成された電場を用いて実現され得る。この場合、前記ガスを前記真空排気されたイオン化空間に供給する過程は、前記電極が前記ガスに直接曝されるのを制限するように、前記ガスを前記電極から距離を空けて供給することを含む。このような実施形態(または他の実施形態)では、前記イオンを導く過程が、前記イオン化領域からの前記イオンを反発して前記マスフィルターに向かわせることを含み得、前記イオン化領域からの前記イオンを、開口部を通して前記マスフィルターへ集束させることを含み得る。このような実施形態(または他の実施形態)では、前記電子を放出する過程が、加熱フィラメントから電子を放出することを含み得、電子を、前記イオン化領域の一方の側にある第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過するように、さらには、前記イオン化領域の反対側にある第2の電極の開口部も通過するように、放出することを含み得る。
前述の内容は、添付の図面に示す例的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。異なる図をとおして、同一の参照符号は同一の構成/構成要素を指すものとする。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ、実施形態を図示することに重点が置かれている。
例的な一実施形態における、質量分析計のイオン源の斜視図である。 図1の例的なイオン源の他の斜視図である。 図1の例的なイオン源のさらなる他の斜視図である。 図1の例的なイオン源の断面斜視図である。 図1の例的なイオン源の他の断面斜視図である。 例的な一実施形態における、質量分析計システムの概略図である。 例的な一実施形態における、質量分析計に用いられるイオンを生成する方法を示すフロー図である。
以下では、例的な実施形態について説明する。
開示する装置(例えばイオン源等)、システム(例えば残留ガス分析計等)および方法は、汚染性ガス(特に、表面に被膜を堆積させるガス)の存在下でも、内部のバックグラウンドガスよりもサンプリングしたガスを著しく優先的にイオン化しながら、長寿命化および分析安定性の向上をもたらす。開示する装置、システムおよび方法は、閉鎖型のイオン源のようなパフォーマンスを、イオン源の汚染や表面帯電に起因した、短寿命化やガス種に対する不安定な感度を招くことなく提供する。つまり、点検間隔の延長や動作コストの改善、さらには、必要以上の再校正をせずとも結果の向上が達成される。
例的な一実施形態では、ノズルを介して試料ガスが、質量分析計(例えば残留ガス分析計等)の真空チャンバ内にある質量分析計のイオン化装置領域に直接導入される。ノズルは、例えば、長さが任意長ないしゼロ(開口部)であり得る小径の筒体等とされる。試料ガスは、真空チャンバ内で自由膨張する。ノズルの先端は、電子ビームの近傍に(例えば隣接してまたは近隣に)位置決めされており、試料ガスのイオンがマスフィルター(例えば四重極部等)の入口開口部付近で形成される。ノズルの端部は、電子ビームとの相互作用を制限するように比較的小さくされ得る。イオン化装置の電極の臨界面は、膨張するガスの主要経路上に直接存在していないので、ガスやガスに含まれ得る汚染物にこれらの表面が曝されることが最小限に抑えられる。ガスに直接曝される表面があったとしても、ガス経路の軸心から十分に外れていることおよび/またはガスの膨張地点から比較的離れていることにより、このような表面でのガスの濃度がノズル内でのガスの濃度の例えば30分の1未満となる。これにより、イオン源の効果を低下させ得る表面被膜の形成量やこれによる表面帯電量が抑えられる。臨界面に到達する試料ガスの量をなおいっそう減らしたいのであれば、チャンバの真空ポンプに向かう方向に試料ガスを導入すればよい。
図1は、例的な一実施形態における、質量分析計のイオン源100の斜視図である。例的なイオン源100は、ガス源105と、ノズル110と、電子源115と、電極120a~120dと、を備えている。また、ノズル110自体も、電極であり得る。ガス源105は、真空排気されたイオン化空間125にガスを供給するものであり、真空排気されたイオン化空間125の圧力よりも高い圧力になっている。ノズル110は、ガス源105とイオン化空間125との間にある。ノズル110を通過したガスは、イオン化空間125のイオン化領域130で自由膨張する。電子源115は、電子135を、(ノズルの端部付近で)イオン化領域130の膨張するガス中を通過するように放出することにより、膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する。電極120a~120dは(場合によってはノズル110も)、形成されるイオンのエネルギーを決めてイオン化領域130からマスフィルター(図1には図示せず)へのイオン(イオン流140)の引出しを行う電場を生成する。電極120a~120dは、膨張するガスと電極120a~120dが直接接触するのを制限するように、膨張するガスの主要経路から離し、かつノズル110から距離を空けて、配置されている。電極120bの反対側に配置されたトラップ電極170は、第2の電極120bの開口部145bを通って流れる電子ビーム電流135を測定し得る。
例的なイオン源100では、電子源115が、イオン化領域130の外側でかつ電極120aの反対側に位置して電気リード155a,155bに接続された、加熱フィラメントとされる。フィラメントは、図示のように直線状か、コイル形か、または電子を所望に集束させるのに適した他の形態を有するものとされ得る。フィラメント115により生成された電子135は、電極120aの開口部145aを通り、イオン化領域130を通過してイオン化領域130の反対側にある電極120bに向かい、さらには、電極120bの開口部145bを通って移動する。電極120a,120bは、電極120a,120bの表面がノズルから出てイオン化領域を通過するガス流160の主方向と略平行になるように、配置されている。これにより、電極120a,120bに堆積し得るガスの量が抑えられる。図1にはガス流160の主方向が示されているが、気体はその性質として膨張することから、ガス流は、大部分が符号160の方向に移動するとともに側方に行くにつれて量が減少する(側方の符号145a,145bに直接向かう流れはゼロに近付く)ような分布(例えばコサイン分布等)となる。例的なイオン源100は、さらに、イオン化領域からのイオンを反発して反対側のイオン出口電極120dの開口部150を通してマスフィルターに向かわせる、反発電極120cを備えている。電極120dおよび開口部150があることにより、電極165は、開口部150を介してイオンを集束させて引き出し、イオンを、開口部175を介してマスフィルターへ送り出す。
電極120a~120d,165,170やノズル110に印加される電圧は、イオン源のパフォーマンスを調節するように、それぞれ独立して制御され得る。以下では、イオン源100の各種構成要素の例的な数値や数値範囲について述べる。電極120a(電子の入口)の電圧は、(-20Vないし+25Vの例的範囲内で)+10Vとされ得る。電極120b(電子の出口)の電圧は、(0Vないし+25Vの例的範囲内で)+10Vとされ得る。反発電極120cの電圧は、(+5Vないし+30Vの例的範囲内で)+12Vとされ得る。イオン出口電極120dの電圧は、(0Vないし+25Vの例的範囲内で)+10Vとされ得る。ノズル110の電圧は、(1Vないし+20Vの例的範囲内で)+6Vとされ得る。引出しレンズ電極(extract lens electrode)165の電圧は、(-20Vないしー90Vの例的範囲内で)-37Vとされ得る。トラップ電極170の電圧は、(-110Vないし+30Vの例的範囲内で)+10Vとされ得る。フィラメント115の電圧は(-10Vないし-110Vの例的範囲内で)-60Vとされることで、例的な電子電流135が(0,005mAないし3mAの例的範囲内の)0.5mAとなり得る。これらの例的な数値や範囲は例示目的のものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
図2は、図1の例的なイオン源100の他の斜視図である。図2の視点は、図1からイオン源100を約180°回転させた視点である。図2には、例的なイオン源100における、ガス源105の構成、およびガス源105を通る試料ガスの流れが示されている。なお、ガス源の構成は別のものとされてもよいことを理解されたい。
図3は、図1の例的なイオン源100のさらなる他の斜視図である。図3の視点は、図1よりも高い角度からの視点であり、イオン出口開口部150の別の図を提供している。例的なイオン源100のこの特定の実施形態に示すように、イオン出口電極120dの先には、さらなる構成要素(例えば引出しレンズ165、開口部175等)が存在し得る。
図4は、図1の例的なイオン源100の断面斜視図である。図4の視点は、図3の視点と共通しているが、フィラメント115とガス源105の内部とについての別の図を提供するように断面にされている。
図5は、図1の例的なイオン源100の他の断面斜視図である。図5は、例的なイオン源100のイオン出口開口部150と追加の集束電極部品165とガス源105の内部とについての別の図を提供するように切り開かれている。
図6は、例的な一実施形態における、質量分析計システム600の概略図である。質量分析計システム600は、真空ポンプ605と、マスフィルター610と、検出部615と、イオン源(例えば図1~図5に示すイオン源100等)と、を備えている。イオン源100は試料ガスからイオンを生成し、イオンがイオン源100からマスフィルター610に流れる(符号140)。例的な質量分析計システム600では、イオン源のノズル110がガス流160を真空ポンプ605へ導く。
図7は、例的な一実施形態における、質量分析計に用いられるイオンを生成する方法700を示すフロー図である。例的な方法700は、ガス源からのガスを、真空排気されたイオン化空間に供給する過程(符号705)、を備えている。ガス源は、真空排気されたイオン化空間の圧力よりも高い圧力であり、イオン化空間に入ったガスは、イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する。方法700は、さらに、電子を、イオン化領域の膨張するガス中を通過するように放出することにより、膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する過程(符号710)と、イオン化領域で形成されたイオンをマスフィルターへ導く過程(符号715)と、を備えている。イオンを導く過程(符号715)は、電極により生成された電場を用いて実現され得る。この場合、ガスを真空排気されたイオン化空間に供給する過程(符号705)は、電極がガスに直接曝されるのを制限するように、ガスを電極から距離を空けて供給することを含む。イオンを導く過程(符号715)は、イオン化領域からのイオンを反発してマスフィルターに向かわせることを含み得、イオン化領域からのイオンを、開口部を通してマスフィルターへ集束させることを含み得る。電子を放出する過程(符号710)は、加熱フィラメントから電子を放出することを含み得、電子を、イオン化領域の一方の側にある第1の電極の開口部を通ってイオン化領域の膨張するガス中を通過するように、さらには、イオン化領域の反対側にある第2の電極の開口部も通過するように放出することを含み得る。
イオン化領域は、電極やその他の構造体により制限されることなくイオン化空間で自由膨張している試料ガスに対して、電子を通過させる空間であると見なされてよい。生成されたイオンは、空間からマスフィルターへ導かれる。つまり、イオン化領域の形状は、電子ビームの断面高さと断面幅とによる二次元で実質上定義される。電子ビームの長さに沿った第3の次元においては、電極によりノズル周辺に生成された集束電場の作用によってイオン化領域が制限されているため、ノズル付近で形成されたイオンだけが開口部150,175から効率的に送り出されることができる。電極が定める領域の外部でも電子がガスと衝突してガスをイオン化させるものの、これにより生じるイオンは低濃度のガスに由来するためマスフィルターにとって不所望なものである。一実施形態では、試料ガスの濃度が、イオン化領域外の全ガスの平均濃度の2(好ましくは2を超える数)倍以上とされる。
イオン源は、イオン化空間の圧力(典型的には2E-5Torr未満)よりも高い圧力(典型的には1E-4Torr超)からイオン化空間に流入する試料ガスのイオン化について最適化されたものであり得る。一般的に、イオン化空間の圧力は、ノズルの出口での圧力の5分の1未満であり、好ましくはノズルでの出口の圧力よりもはるかに低く、例えばノズルの出口での圧力の100分の1未満である。イオン源は、(高圧の試料ガスをイオン化空間のイオン化領域に供給する)開口部(ノズル)から自由膨張している試料ガスに対して電子ビームが開口部の近傍で通過させられる比較的小さなイオン化領域でのイオン形成、およびイオン化領域からのイオン引出しを最適化するものであり得る。好ましくは、電子ビームは、ノズルに触れない合理的な範囲で可能な限りノズルの近傍を通過する。イオン化領域のうちの最も近い側の端縁が、ノズルの極めて近く(好ましくは5ミリメートル以内、より好ましくは例えば1ミリメートル未満)にあるため、イオン化領域の試料ガスの体積濃度は、イオン化空間の平均圧力よりも高くなる(一般的には2倍以上が望ましく、多くの場合では10倍超が好ましい)。これにより、イオン化領域では、試料ガス分子のイオンが、イオン化空間の他の部分でのガス分子のイオン化に比べてより多く形成される。イオン形成・引出し用の電圧場を形成する、イオン源の臨界面(例えば電極等)は、ガス膨張の主軸から外れるようにして配備され得る。これにより、試料ガスに臨界面が直接曝されることが抑えられる。膨張する試料ガスの大部分とのこのような直接接触を最小限に抑えることにより、試料ガスに起因した、イオン源の長期的なパフォーマンスを低下させ得る電極汚染が抑えられる。また、この構成により、質量分析計に用いられるイオン流は、イオン源のどの表面とも相互作用する前の、表面反応による変化がない状態の試料ガスに主に由来したイオン流となる。しかも、試料ガスは高圧から低圧に自由膨張することから、例えばコンダクタンスが制限されたイオン化チャンバ等とは違って、高圧でのイオン化により発生するイオン-分子種の形成が最小限に抑えられる。したがって、開示のイオン源の大きな利点は、試料ガスに起因した汚染によるパフォーマンス低下を最小限に抑えながら、試料ガスを高い忠実度で表したイオン流を生成できるという点である。これは、不安定なガスやイオン源の表面に堆積物を形成し得るガスを分析する上で貴重となる。
従来の開放型のイオン源とは違い、比較的小さな所与の空間の、試料ガスの導入地点で、電子ビームによるイオン化が行われる。開示のイオン源は、イオン源の表面と相互作用する前の高圧状態の試料ガスを優先せずにイオン源のすべてのガスからイオン形成・引出しを行うように設計された従来の開放型のイオン源と異なる。低圧で動作する従来の開放型のイオン源は、試料の相互作用に起因した性能低下速度を比較的遅らせることができるものの、試料ガスに対するイオン流の忠実度が比較的低くなる。
閉鎖型のイオン源とは違い、臨界面に到達する試料ガスの量が大幅に少なくなる。閉鎖型のイオン源は、出口コンダクタンスが制限されたイオン化チャンバを具備しており、試料ガスを質量分析計システム内の平均圧力よりも高い圧力で保持する。開示のイオン源は、比較的閉じられた空間で、高圧かつ自由膨張しない、イオン源の表面との高い相互作用度および高いイオン-分子形成度を持つ試料ガスからイオン形成・引出しを行うように最適化された閉鎖型のイオン源とは異なる。開示のイオン源は、試料ガスを高圧に保持するための、コンダクタンスが制限されたイオン化チャンバを持たず、むしろ、試料ガスが制限なく膨張することを可能にしている。閉鎖型のイオン源からのイオン流は、開放型のイオン源からのイオン流よりも高い忠実度で試料ガスを表すことができるが、閉鎖型のイオン源は、試料ガスの相互作用に起因した性能低下速度が速くなってしまう。
クロスビーム型のイオン源とは違い、試料ガス流のすべてがノズルから高圧の自由膨張領域に流入し、かつ、自由膨張領域で電子ビームがノズル近傍を通過することでイオン化が行われる。本発明のイオン源は、ノズルおよび高ガス圧領域から離れたところに配された試料ガス流のコリメート部分を用いてイオン化を行う(そのため、追加の排気工程やコリメート工程が必要となる)クロスビーム型のイオン源とは異なる。クロスビーム型のイオン源からのイオン流は、試料ガス忠実度が優れたものになり得てかつ表面汚染が抑えられ得るものの、これは、高速のガス排気を伴う大型かつ複雑な分析システムの一部となることの引き換えである。対照的に、開示のイオン源は、コリメートを必要とせずにはるかに少ない量の試料ガス流を基にして、その大部分を利用するので、より単純でコンパクト、かつ、低コストになる。
例的な特定の一実施形態では、試料ガスが閉鎖型のイオン源システムとほぼ同等の質量流量(例えば約5E-4Torr・L/s)で流入し得て、かつ、真空チャンバの圧力が2E-5Torr未満とされ得る。ノズルの先端から例えば1ミリメートルのところでの試料ガスの圧力は、約3mTorr(典型的には0.1~30mTorr)であり得て、かつ、ノズルから離れ拡がるにつれて低下する。電子の放出は、集束ビームにコリメートされ得る。これにより、その電流のうちの極めて高い割合を、主にノズル付近の比較的高い試料ガス圧力地点にて、有用なイオン化に参加させることができる。イオン化領域の中央での膨張するガスの圧力は、5E-5Torr以上であり得て、ガスが臨界面に到達したときのガスの圧力は、イオン化領域の中央でのガスの圧力の20%以下になり得る。典型的なマスフィルター(例えば四重極部等)、検出部、および電子部が使用可能である。一部の実施形態では、イオン源のチューニング(調節)を最適化することで長期的な汚染に対するイオン源の寿命を延ばすことができるように、活性面がそれぞれ独立して制御可能なものとされ得る。イオン化装置を真空排気するのに使用される一般的に入手可能な小型のターボ分子真空ポンプで対処することのできる総ガス流量(典型的には1E-2Torr・L/s未満)のまま、イオン化領域の圧力を局所的に比較的高くしたいのであれば、ガス放出開口部(ノズル)の面積を、例えば5平方ミリメートル未満とすればよい(数値が低ければ低いほど、高いノズルガス圧に対応する)。イオン化装置全体の試料ガス圧をできるだけ低くしたいのであれば、試料ガス流を、イオン化装置の真空排気に使用される真空ポンプへ導くようにすればよい。汚染性ガスをサンプリングする場合の耐用寿命を延ばしたいのであれば、ガスノズルの中心から電極表面(または他の表面)のうちの中心に最も近い地点までの距離を、例えば5ミリメートル以上とすればよい。試料ガスのイオン化-対-残存バックグラウンドガスのイオン化を向上させたいのであれば、電子ビームの断面積を、電極の開口部間に良好に整合させた上でガスノズルの面積の5倍未満とすればよい。ガス源からの試料ガスの圧力が最小であるときのパフォーマンスを向上させたいのであれば、ガス源のガス経路の流動コンダクタンスをガスノズル部分の流動コンダクタンスよりも大きくすればよい。汚染性ガスをサンプリングする場合にできる限り長くパフォーマンスを最適化できるようにしたいのであれば、電極の電圧を、それぞれ独立してかつ動的に制御可能なものとすればよい(ただし、一部の電極について、電気的に、あらかじめ決めておくこと、および/または、共通にすることによっても、閉鎖型のイオン源よりも向上したパフォーマンスを通常実現することができる)。
本発明を例的な実施形態を参照しながら詳細に図示・説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲を逸脱しない範疇で形態や細部に様々な変更が施されてもよいことを理解するであろう。例えば、ガス源の形態は本明細書で開示したものと異なるものとされてもよく、ノズルの形状や寸法も図面に示したり本明細書に記載したりしたものと異なるものとされてもよい。電子源は、電子を、自由膨張する試料ガスを含んだイオン化領域をノズル近傍で通過するように生成する適切な電子源であれば、どのような電子源であってもよい。電極の数や形状や配置構成は、電極が、膨張する試料ガスの経路から大きく外れていて、イオン化領域で形成されたイオンをマスフィルター部分へ導くものである限り、図面に示したり本明細書に記載したりしたものと異なるものとされてもよい。当業者であれば、各種構成要素の寸法や面積や流量や圧力が、本明細書で設けた具体例の範囲外であってもよく、イオン源のその時々の用途に左右され得ることを理解するであろう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
マスフィルターを具備した質量分析計に用いられるイオン源であって、
真空排気されたイオン化空間にガスを供給し、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも大幅に高い圧力であるガス源と、
前記ガス源と前記イオン化空間との間のノズルであって、ガスが当該ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、ノズルと、
電子を放出するように構成された電子源であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中を前記ノズル近傍で通過することで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、電子源と、
前記イオン化領域から前記マスフィルターへのイオン流のための電場を生成するように構成された電極であって、当該電極が、前記ガスに当該電極が直接曝されるのを制限するように、前記ノズルから距離を空け、方向づけて配置されている、電極と、
を備えた、イオン源。
[態様2]
態様1に記載のイオン源において、前記ノズルが小径の筒体である、イオン源。
[態様3]
態様1に記載のイオン源において、前記ノズルからの前記ガス分子の20%以上が、前記イオン化領域を通過する、イオン源。
[態様4]
態様1に記載のイオン源において、前記電子源が加熱フィラメントである、イオン源。
[態様5]
態様1に記載のイオン源において、
前記電子源が、第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されており、
前記電子源により生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域へ移動することにより、前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、イオン源。
[態様6]
態様5に記載のイオン源において、さらに、前記第1の電極に対向して配置され、開口部を有する第2の電極を備え、
前記電子源により生成された前記電子が、前記第2の電極の前記開口部を通って移動する、イオン源。
[態様7]
態様5に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側に配置されたトラップ電極を備えた、イオン源。
[態様8]
態様1に記載のイオン源において、前記電極が、前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極を含み、その第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と略平行である、イオン源。
[態様9]
態様8に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された反発電極を備えた、イオン源。
[態様10]
態様8に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有するイオン出口電極を備えた、イオン源。
[態様11]
態様1に記載のイオン源において、
前記電極が、
前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極であって、当該第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と略平行である、第1および第2の電極と、
前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側でかつ前記第2の電極の外側に配置された、トラップ電極と、
前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された、反発電極と、
前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有する、イオン出口電極と、
を含み、
前記電子源が、前記第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されたフィラメントを含み、
そのフィラメントにより生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域に向かい、前記第2の電極の開口部を通って移動することにより、前記第1および第2の電極間で前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、イオン源。
[態様12]
態様11に記載のイオン源において、前記電極の電圧が、それぞれ独立して制御可能である、イオン源。
[態様13]
態様1に記載のイオン源において、前記ノズルの出口開口の面積が5平方ミリメートル未満であり、前記イオン化領域に放出された前記電子の断面積が前記ノズルの前記出口開口の前記面積の5倍未満であり、前記電極が前記ノズルの中心から5ミリメートル以上のところに位置している、イオン源。
[態様14]
態様1に記載のイオン源において、前記電子が、前記ノズルから5ミリメートル以内を通過する、イオン源。
[態様15]
質量分析計システムであって、
真空ポンプと、
マスフィルターと、
検出部と、
イオン源と、
を備え、
前記イオン源が、
真空排気されたイオン化空間にガスを供給し、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも大幅に高い圧力であるガス源と、
前記ガス源と前記イオン化空間との間のノズルであって、ガスが当該ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、ノズルと、
電子を放出するように構成された電子源であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中を前記ノズル近傍で通過することで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、電子源と、
前記イオン化領域から前記マスフィルターへのイオン流のための電場を生成するように構成された電極であって、当該電極が、前記ガスに当該電極が直接曝されるのを制限するように、前記ノズルから距離を空け、方向づけて配置されている、電極と、
を含む、質量分析計システム。
[態様16]
態様15に記載の質量分析計システムにおいて、前記ノズルが、前記ガスを前記真空ポンプへ導くように構成されている、質量分析計システム。
[態様17]
態様15に記載の質量分析計システムにおいて、前記電子源が加熱フィラメントである、質量分析計システム。
[態様18]
態様15に記載の質量分析計システムにおいて、
前記電子源が、第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されており、
前記電子源により生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域へ移動することにより、前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなり、
第2の電極が、前記第1の電極に対向して配置され、開口部を有し、前記電子が、前記イオン化領域および前記第2の電極の前記開口部を通って移動する、質量分析計システム。
[態様19]
態様15に記載の質量分析計システムにおいて、前記電極が、前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極を含み、その第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と略平行である、質量分析計システム。
[態様20]
態様19に記載の質量分析計システムにおいて、さらに、前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された反発電極を備えた、質量分析計システム。
[態様21]
態様19に記載の質量分析計システムにおいて、さらに、前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有するイオン出口電極を備えた、質量分析計システム。
[態様22]
態様15に記載の質量分析計システムにおいて、
前記電極が、
前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極であって、当該第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と略平行である、第1および第2の電極と、
前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側でかつ前記第2の電極の外側に配置された、トラップ電極と、
前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された、反発電極と、
前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有する、イオン出口電極と、
を含み、
前記電子源が、前記第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されたフィラメントを含み、
そのフィラメントにより生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域に向かい、前記第2の電極の開口部を通って移動することにより、前記第1および第2の電極間で前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、質量分析計システム。
[態様23]
態様22に記載の質量分析計システムにおいて、前記電極の電圧が、それぞれ独立して制御可能である、質量分析計システム。
[態様24]
マスフィルターを具備した質量分析計に用いられる、イオンを生成する方法であって、
ガス源からのガスを、ノズルを介して、真空排気されたイオン化空間に供給する過程であって、前記ガス源が、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも大幅に高い圧力であり、ガスが前記ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、過程と、
電子を放出する過程であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中を前記ノズル近傍で通過することで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、過程と、
前記イオン化領域で形成されたイオンを前記マスフィルターへ導く過程と、
を備えた、方法。
[態様25]
態様24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、電極により生成された電場を用いて前記イオンを導くことを含み、前記ガスを前記真空排気されたイオン化空間に供給する過程が、前記電極が前記ガスに直接曝されるのを制限するように、前記ガスを前記電極から距離を空けて供給することを含む、方法。
[態様26]
態様24に記載の方法において、電子を放出する過程が、加熱フィラメントから電子を放出することを含む、方法。
[態様27]
態様24に記載の方法において、電子を放出する過程が、電子を、第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過するように放出することを含む、方法。
[態様28]
態様27に記載の方法において、電子を放出する過程が、電子を、前記イオン化領域の向こう側にある第2の電極の開口部を通過するように放出することを含む、方法。
[態様29]
態様24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、前記イオン化領域からの前記イオンを反発して前記マスフィルターに向かわせることを含む、方法。
[態様30]
態様24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、前記イオン化領域からの前記イオンを、開口部を通して前記マスフィルターへ集束させることを含む、方法。

Claims (30)

  1. マスフィルターを具備した質量分析計に用いられるイオン源であって、
    真空排気されたイオン化空間にガスを供給し、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも高い圧力であるガス源と、
    前記ガス源と前記イオン化空間との間のノズルであって、前記イオン源が、前記ガスを高圧に保持するための、コンダクタンスが制限されたイオン化チャンバを持たないところ、前記ガスが当該ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、ノズルと、
    電子を放出するように構成された電子源であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中で前記ノズルを通り過ぎることで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、電子源と、
    前記イオン化領域から前記マスフィルターへのイオン流のための電場を生成するように構成された電極であって、当該電極が、前記ガスに当該電極が直接曝されるのを制限するように、前記ノズルから距離を空け、方向づけて配置されている、電極と、
    を備えた、イオン源。
  2. 請求項1に記載のイオン源において、前記ノズルが筒体である、イオン源。
  3. 請求項1に記載のイオン源において、前記ノズルからの前記ガスのガス分子の20%以上が、前記イオン化領域を通過する、イオン源。
  4. 請求項1に記載のイオン源において、前記電子源が加熱フィラメントである、イオン源。
  5. 請求項1に記載のイオン源において
    前記電子源により生成された電子が、第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域へ移動することにより、前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、イオン源。
  6. 請求項5に記載のイオン源において、さらに、前記第1の電極に対向して配置され、開口部を有する第2の電極を備え、
    前記電子源により生成された前記電子が、前記第2の電極の前記開口部を通って移動する、イオン源。
  7. 請求項5に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側に配置されたトラップ電極を備えた、イオン源。
  8. 請求項1に記載のイオン源において、前記電極が、前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極を含み、その第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と平行である、イオン源。
  9. 請求項8に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された反発電極を備えた、イオン源。
  10. 請求項8に記載のイオン源において、さらに、前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有するイオン出口電極を備えた、イオン源。
  11. 請求項1に記載のイオン源において、
    前記電極が、
    前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極であって、当該第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と平行である、第1および第2の電極と、
    前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側でかつ前記第2の電極の外側に配置された、トラップ電極と、
    前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された、反発電極と、
    前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有する、イオン出口電極と、
    を含み、
    前記電子源が、前記第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されたフィラメントを含み、
    そのフィラメントにより生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域に向かい、前記第2の電極の開口部を通って移動することにより、前記第1および第2の電極間で前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、イオン源。
  12. 請求項11に記載のイオン源において、前記電極の電圧が、それぞれ独立して制御可能である、イオン源。
  13. 請求項1に記載のイオン源において、前記ノズルの出口開口の面積が5平方ミリメートル未満であり、前記イオン化領域に放出された前記電子の断面積が前記ノズルの前記出口開口の前記面積の5倍未満であり、前記電極が前記ノズルの中心から5ミリメートル以上のところに位置している、イオン源。
  14. 請求項1に記載のイオン源において、前記電子が、前記ノズルから5ミリメートル以内を通過する、イオン源。
  15. 質量分析計システムであって、
    真空ポンプと、
    マスフィルターと、
    検出部と、
    イオン源と、
    を備え、
    前記イオン源が、
    前記真空ポンプにより真空排気されて、真空排気されたイオン化空間となる、イオン化空間と、
    前記真空排気されたイオン化空間にガスを供給し、前記真空排気されたイオン化空間の圧力よりも高い圧力であるガス源と、
    前記ガス源と前記イオン化空間との間のノズルであって、前記イオン源が、前記ガスを高圧に保持するための、コンダクタンスが制限されたイオン化チャンバを持たないところ、前記ガスが当該ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、ノズルと、
    電子を放出するように構成された電子源であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中で前記ノズルを通り過ぎることで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、電子源と、
    前記イオン化領域から前記マスフィルターへのイオン流のための電場を生成するように構成された電極であって、当該電極が、前記ガスに当該電極が直接曝されるのを制限するように、前記ノズルから距離を空け、方向づけて配置されている、電極と、
    を含む、質量分析計システム。
  16. 請求項15に記載の質量分析計システムにおいて、前記ノズルが、前記ガスを前記真空ポンプへ導くように構成されている、質量分析計システム。
  17. 請求項15に記載の質量分析計システムにおいて、前記電子源が加熱フィラメントである、質量分析計システム。
  18. 請求項15に記載の質量分析計システムにおいて
    前記電子源により生成された電子が、第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域へ移動することにより、前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなり、
    第2の電極が、前記第1の電極に対向して配置され、開口部を有し、前記電子が、前記イオン化領域および前記第2の電極の前記開口部を通って移動する、質量分析計システム。
  19. 請求項15に記載の質量分析計システムにおいて、前記電極が、前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極を含み、その第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と平行である、質量分析計システム。
  20. 請求項19に記載の質量分析計システムにおいて、さらに、前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された反発電極を備えた、質量分析計システム。
  21. 請求項19に記載の質量分析計システムにおいて、さらに、前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有するイオン出口電極を備えた、質量分析計システム。
  22. 請求項15に記載の質量分析計システムにおいて、
    前記電極が、
    前記イオン化領域を挟んで対向して配置された第1および第2の電極であって、当該第1および第2の電極の表面が、前記ノズルから出て前記イオン化領域を通過するガス流の主方向と平行である、第1および第2の電極と、
    前記イオン化領域からみて前記第1の電極の反対側でかつ前記第2の電極の外側に配置された、トラップ電極と、
    前記イオン化領域からのイオンを反発して前記マスフィルターに向かわせるように構成された、反発電極と、
    前記イオン化領域からの前記イオン流を前記マスフィルターへ導くための開口部を有する、イオン出口電極と、
    を含み、
    前記電子源が、前記第1の電極を挟んで前記イオン化領域の反対側に配置されたフィラメントを含み、
    そのフィラメントにより生成された電子が、前記第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域に向かい、前記第2の電極の開口部を通って移動することにより、前記第1および第2の電極間で前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過する電子ビームとなる、質量分析計システム。
  23. 請求項22に記載の質量分析計システムにおいて、前記電極の電圧が、それぞれ独立して制御可能である、質量分析計システム。
  24. マスフィルターを具備した質量分析計に用いられ、イオン源を用いてイオンを生成する方法であって、
    イオン化空間を真空排気して、真空排気されたイオン化空間とする過程と、
    ガス源からの高圧のガスを、ノズルを介して、前記真空排気されたイオン化空間に供給する過程であって、前記イオン源が、前記ガスを高圧に保持するための、コンダクタンスが制限されたイオン化チャンバを持たないところ、前記ガスが前記ノズルを通過して前記イオン化空間のイオン化領域で自由膨張する、過程と、
    電子を放出する過程であって、前記電子が、前記イオン化領域で膨張する前記ガス中で前記ノズルを通り過ぎることで、前記膨張するガスの少なくとも一部をイオン化する、過程と、
    前記イオン化領域で形成されたイオンを前記マスフィルターへ導く過程と、
    を備えた、方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、電極により生成された電場を用いて前記イオンを導くことを含み、前記ガスを前記真空排気されたイオン化空間に供給する過程が、前記電極が前記ガスに直接曝されるのを制限するように、前記ガスを前記電極から距離を空けて供給することを含む、方法。
  26. 請求項24に記載の方法において、電子を放出する過程が、加熱フィラメントから電子を放出することを含む、方法。
  27. 請求項24に記載の方法において、電子を放出する過程が、電子を、第1の電極の開口部を通って前記イオン化領域の前記膨張するガス中を通過するように放出することを含む、方法。
  28. 請求項27に記載の方法において、電子を放出する過程が、電子を、前記イオン化領域の向こう側にある第2の電極の開口部を通過するように放出することを含む、方法。
  29. 請求項24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、前記イオン化領域からの前記イオンを反発して前記マスフィルターに向かわせることを含む、方法。
  30. 請求項24に記載の方法において、前記イオンを導く過程が、前記イオン化領域からの前記イオンを、開口部を通して前記マスフィルターへ集束させることを含む、方法。
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