JP7194581B2 - 光電変換素子 - Google Patents
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Description
また、CIS系光電変換素子においては、界面再結合を避けるために、光電変換層のバンドギャップの極小値を光電変換層の膜厚方向の内側に寄せること(ダブルグレーデッド構造)が重要である。ダブルグレーデッド構造を実現する手法としては、光電変換層のS/VIやGa/IIIの深さ方向の濃度制御が知られている。
例えば、特許文献1には、光電子デバイスに関し、(Ag,Cu)(In,Ga)(Se,S)2を吸収体層に適用し、Agにより吸収体のバンドギャップを実質的に変化させることが開示されている。また、特許文献1には、吸収体層が、表面領域とバルク領域との間に配設された遷移領域を有することと、この遷移領域中の遷移領域Ag/(Ag+Cu)のモル比は、表面領域中の表面領域Ag/(Ag+Cu)の比よりも高いことが開示されている。
また、特許文献2には、太陽電池の光吸収層として適用できるACIGS薄膜は、CIGSにおいてCuをAgで部分的に置換することにより形成されることが開示されている。
一方、基板に臨む光電変換層の裏面側に高濃度のAgを添加すると、裏面側の光電変換層のSの増加および裏面側の光電変換層のボイドの増加に繋がる。その結果として、光電変換層と裏面電極との密着性の低下や、この光電変換層を適用した光電変換素子の直列抵抗Rsの増加が懸念される。
また、Cu/IIIが1.0を超える表面側領域でのAgのモル量が低くなるため、表面側領域のキャリア濃度が高くなりすぎることに起因する光電変換素子のシャントRshの悪化が抑制される。
実施形態では、その説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造または要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面において、各層の厚さ、形状などは、模式的に示したもので、実際の厚さや形状などを示すものではない。
図1は、一実施形態における光電変換素子10の例を示す厚さ方向の断面図である。
光電変換素子10は、例えば、基板11の上に、第1の電極層12、光電変換層13、バッファ層14、第2の電極層15を積層したサブストレート構造を有する。太陽光などの光20は、基板11側とは反対側から光電変換素子10に入射される。
基板11は、ガラス基板、樹脂基板、金属基板などから選択可能である。基板11は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属を含んでもよい。基板11の形状は、例えば、四角形であるが、これに限られることはない。また、基板11は、固い基板を想定しているが、これに代えて、柔軟性のあるフレキシブル基板を用いてもよい。フレキシブル基板は、例えば、ステンレス箔、チタン箔、モリブデン箔、セラミックシート、または樹脂シートを含む。
第1の電極層12は、基板11上に配置される。第1の電極層12は、例えば、金属電極層である。第1の電極層12は、後述する製造方法において、光電変換層13との反応が発生し難い材料を備えることが好ましい。第1の電極層12は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)などから選択可能である。第1の電極層12は、後述する第2の電極層15内に含まれる材料と同じ材料を含んでもよい。例えば、第1の電極層12の厚さは、200nm~500nmに設定される。
光電変換層13は、第1の電極層12上に配置される。光電変換層13は、多結晶または微結晶のp型化合物半導体層として機能する。光電変換層13は、I族元素と、III族元素と、VI族元素(カルコゲン元素)としてセレン(Se)および硫黄(S)と、を含むカルコパイライト構造の混晶化合物(I-III-(Se,S)2)を備える。I族元素は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などから選択可能である。III族元素は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)などから選択可能である。また、光電変換層13は、VI族元素として、セレンおよび硫黄の他に、テルル(Te)などを含んでもよい。また、光電変換層13は、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属を含んでもよい。例えば、光電変換層13の厚さは、1.0μm~3.0μmに設定される。
本実施形態では、光電変換層13のバンドギャップの最小値を示す部位は中間領域13Bに存在するので、光電変換層13の厚さ方向においてバンドギャップの最小値を示す部位とAg濃度の極大値を示す部位が近接する。したがって、本実施形態では、バンドギャップの最小値を示す部位でキャリアの再結合が抑制されるので、光電変換素子10の開放電圧および短絡光電流の改善に繋がり、光電変換層13の光電変換の効率が向上する。
光電変換層13でAgを多く添加した部分ではバンドギャップが実質的に拡大する。つまり、Ag濃度を高くすると、ダブルグレーデッド構造のバンドギャップの最小値を示す部位を含む領域のバンドギャップが拡大する傾向を示す。また、Agの濃度プロファイルによっては、光電変換層13が所望のバンドプロファイルを得られない可能性もある。以上の理由から、本実施形態における光電変換層13のAg濃度は光電変換層13のバンドギャップを実質的に変化させない程度にすることが好ましい。
これにより、本実施形態では、Agを添加しない場合と比べて光電変換層13のバンドギャップを実質的に拡大させずにすみ、かつ光電変換層13についてAgを添加しない場合と同様の所望のバンドプロファイルを得ることができる。したがって、光電変換の効率を高めることができる。
表面側領域13Aでのキャリア濃度が高くなり過ぎると、この光電変換層13を適用した光電変換素子10のシャントRshが悪化する(Rshが低下する)。したがって、Cu/IIIが1を超える表面側領域13AのAgの量は少ないことが好ましい。
本実施形態においては、表面側領域13AのAgのモル量を中間領域13BのAgのモル量より少なくすることで、中間領域でのキャリアの再結合を抑制しつつ、表面側領域のAgに起因したシャントの悪化を抑制できる。
上記において、光電変換層13の元素の濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて試料の表面を削りながら、グロー放電発光分析法を用いて測定できる。光電変換層13のバンドギャッププロファイルは、上記で求めた元素の濃度プロファイルから算出できる。また、光電変換層13のバンドギャップは、光電変換素子10の量子効率の長波長側の吸収端より算出する。具体的には、長波長側の量子効率の波長に対する変化率を算出し、変化率の極大値となる波長のエネルギーをバンドギャップとする。なお、バンドギャップが実施的に変化しない、とは、光電変換素子の量子効率から算出したバンドギャップが1.5%以内の変化であるという意味である。
バッファ層14は、光電変換層13上に配置される。バッファ層14は、例えば、n型またはi(intrinsic)型高抵抗導電層である。ここで「高抵抗」とは、後述する第2の電極層15の抵抗値よりも高い抵抗値を有するという意味である。
また、バッファ層14は、これらの化合物の積層構造を有してもよい。バッファ層14の厚さは、10nm~100nmに設定される。
一方、光電変換層13の格子定数はそれぞれ以下の通りである。Cu(Ga,In)(Se,S)2では、Ga、In、Se、Sの比率により5.36Å(CuGaS2)~5.78Å(CuInSe2)である。Ag(Ga,In)(Se,S)2では、Ga、In、Se、Sの比率により5.74Å(AgGaS2)~6.09Å(AgInSe2)である。本実施形態のように、Cu(Ga,In)(Se,S)2にAgを添加すると格子定数は拡大する。
他方、バッファ層14がCdSの場合には、Agの添加によりAgを含むCu(Ga,In)(Se,S)2の格子定数はバッファ層14の格子定数に近づく。
第2の電極層15は、バッファ層14上に配置される。第2の電極層15は、例えば、n型導電層である。第2の電極層15は、例えば、禁制帯幅が広く、抵抗値が十分に低い材料を備えることが好ましい。また、第2の電極層15は、太陽光などの光の通り道となるため、光電変換層13が吸収可能な波長の光を透過する性質を持つことが好ましい。この意味から、第2の電極層15は、透明電極層または窓層と呼ばれる。
次に、図1に示す光電変換素子10の製造方法の例を説明する。
まず、図3に示すように、例えば、スパッタリング法により、基板11上に第1の電極層12を形成する。スパッタリング法は、直流(DC)スパッタリング法でもよいし、または、高周波(RF)スパッタリング法でもよい。また、スパッタリング法に代えて、CVD(chemical vapor deposition)法、ALD(atomic layer deposition)法などを用いて、第1の電極層12を形成してもよい。
続いて、第1の電極層12上に、I族元素と、III族元素とを含むプリカーサ層13pを形成する(図3参照)。
プリカーサ層13pを形成する方法としては、例えば、上記のスパッタリング法や、蒸着法またはインク塗布法が挙げられる。蒸着法は、蒸着源を加熱して気相となった原子等を用いて成膜する方法である。インク塗布法は、プリカーサ膜の材料を粉体にしたものを有機溶剤等の溶媒に分散して第1の電極層12上に塗布し、その後溶剤を蒸発してプリカーサ層13pを形成する方法である。
また、プリカーサ層13pの3つの領域のうちでAgを最も多く含む層は上記の中間領域13pBに存在する。
プリカーサ層13pを複数のスパッタ源または複数の蒸着源を用いて形成する場合、プリカーサ層13pのAgのモル量は、Agを含む層とAgを含まない層の膜量(モル量)比、および/または、Agを含むスパッタ源または蒸着源のAg添加量で調整可能である。
例えば、プリカーサ層13pの構成として、基板11側から順にCu、Ga、Inの積層膜とした場合、Agを最も多く含む層をCuとGaの間やGaとInの間に配置すればよい。また、基板11側から順にCu-Ga、Inの積層膜とした場合、Agを最も多く含む層をCu-GaとInの間に配置すればよい。なお、Agを含むCu-Ga層とIn層の間にAgを含まないCu-Ga層がさらに含まれていてもよい。
これにより、プリカーサ層13pをカルコゲン化して光電変換層13としたときに、光電変換層13の中間領域13AにはAg濃度の極大値を示す部位が含まれるようになる。そのため、カルコゲン化後の光電変換層13においては、表面側領域13Aおよび裏面側領域13Cよりも中間領域13BのAg濃度を高くすることができる。換言すると、カルコゲン化後の光電変換層13において、表面側領域13A、裏面側領域13CのいずれもAg濃度は中間領域13Bより低くなる。
同様に、プリカーサ層13pの中間領域13pBの膜量を受光面側の領域と裏面側の領域に2等分すると、受光面側の領域に含まれるAgのモル量が多くなることが好ましい。これにより、カルコゲン化後の光電変換層13の中間領域13Bを受光面側の領域と反受光面側の領域に2等分した場合、中間領域13BにおいてAg濃度の極大値を示す部位は受光面側の領域に含まれる。
次に、VI族元素を含む雰囲気中でプリカーサ層13pを熱処理することでカルコゲン化し、光電変換層13を形成する。
まず、図4に示すように、例えば、気相セレン化法によるセレン化を行う。セレン化は、VI族元素源としてセレンを含むセレン源ガス(例えば、セレン化水素またはセレン蒸気)16の雰囲気中でプリカーサ層13pを加熱することにより行う。特に限定するものではないが、セレン化は、例えば、加熱炉内において300℃以上600℃以下の範囲内の温度で行うことが好ましい。
なお、I族元素と、III族元素と、セレンと、を含む化合物(光電変換層13)は、気相セレン化法以外の方法により形成してもよい。例えば、このような化合物は、固相セレン化法、蒸着法、インク塗布法、電着法などによっても形成可能である。
特に限定するものではないが、硫化は、例えば、加熱炉内において450℃以上650℃以下の範囲内の温度で行うことが好ましい。
光電変換層13は、受光面側から順に、表面側領域13A、中間領域13Bおよび裏面側領域13Cを有する。なお、光電変換層13のバンドギャップの最小値を示す部位と、光電変換層13のAg濃度の極大値を示す部位は、いずれも中間領域13Bに含まれる。
図6に示すように、CBD(chemical bath deposition)法、スパッタリング法などの方法により、光電変換層13上にバッファ層14を形成する。そして、スパッタリング法、CVD法、ALD法などの方法により、バッファ層14上に、図6において破線で示す第2の電極層15を形成する。なお、バッファ層14を省略して、光電変換層13の上に第2の電極層15を直接形成してもよい。
以上の工程により、図1に示す光電変換素子10が完成する。
以下、本発明の光電変換素子の実施例について説明する。
図7(A)は、実施例の光電変換素子における光電変換層のバンドギャップ(Eg)のプロファイルを示す。図7(B)および図7(C)は、実施例の光電変換素子における光電変換層の元素濃度組成比のプロファイルを示している。図7(A)のバンドギャップは、光電変換層の元素濃度組成から算出されている。
図7(B)の縦軸は、図中破線のプロファイルについては、GaとIII族元素のモル量の比(Ga/III)を示し、図中実線のプロファイルについては、SとIV族元素のモル量の比(S/VI)を示す。
図7(C)の縦軸は、図中破線のプロファイルについては、Ag以外のI族元素とIII族元素のモル量の比(Ag以外のI/III、例えばCu/III)を示す(図7(C)右側の縦軸参照)。また、図7(C)の縦軸は、図中実線のプロファイルについては、Ag濃度(Ag/Ag以外のI+III+IV)を示す(図7(C)左側の縦軸参照)。
上記のような光電変換層の表面側におけるS/VIの増加と、裏面側におけるGa/IIIの増加により、図7(A)に示す光電変換層のバンドギャップのプロファイルは下向きに凸となる形状をなす。つまり、上記のバンドギャップのプロファイルは、表面側と裏面側では値が大きく、その間では値が小さくなるダブルグレーデッド構造を示し、図7(A)に示すように、表面側から膜厚0.2近傍の位置においてバンドギャップは極小値を有する。
なお、光電変換層におけるAg濃度(Ag/(Ag以外のI+III+VI))の平均値は0.0062である。このAg濃度の平均値は、光電変換層のAg濃度を厚さ方向に積算して平均した値である。図7(C)の実線で示すように、Ag濃度の極大値は0.0091であり、膜厚0.3~0.4の範囲内にある。
次に、表1を参照しつつ、実施例の光電変換層における各領域のAgのモル量(Ag量)を説明する。
表1は、光電変換素子の光電変換層を、受光面側から順に、表面側領域、中間領域および裏面側領域とした場合において、裏面側領域の膜厚範囲を変えたときの各領域に含まれるAg量の全体に対する割合を示したものである。なお、表1の膜厚範囲は、規格化された膜厚で示されており、0が受光面側の界面(光電変換層の表面)、1.0が基板側の界面(光電変換層の裏面)にそれぞれ対応する。
なお、表1(a)~(e)に示したいずれの中間領域の設定においても、Ag濃度の極大値を示す部位の膜厚方向の位置は、光電変換層のバンドギャップの最小値を示す部位の膜厚方向の位置よりも裏面側にある。
次に、表2を参照しつつ、光電変換層へのAg添加の有無による光電変換素子の特性の違いを説明する。実施例は、Ag添加がある場合の光電変換素子に対応し、比較例は、Ag添加がない場合の光電変換素子に対応する。表2における実施例の各特性値は、比較例の特性値を基準として規格化して示している。
なお、Effは光電変換効率であり、Vocは開放電圧であり、Iscは短絡電流であり、FFは曲線因子である。
表3では、Ag添加がない場合の光電変換素子に対応する比較例と、Ag添加がある場合の光電変換素子について、Ag濃度(Ag/(Ag以外のI+III+VI))の平均値および極大値、Effの値をそれぞれ比較して示している。表3では、表の最も左側のカラムに比較例の値を示している。Effの値は、Agを添加していない比較例を基準として規格化されている。また、Ag濃度の平均値および極大値は、比較例ではAgの添加がないためいずれもゼロである。
図8は、光電変換層へAgを添加した光電変換素子の量子効率と、量子効率の変化の波長依存性を示すグラフである。図中の実線は量子効率(EQE)の曲線を示し、図中の破線は、波長の微分値に対する量子効率の微分値(d(EQE)/dλ)の曲線であり、量子効率の変化の波長依存性を示している。
図9は、Ag添加の有無によるバンドギャップおよび開放電圧損失の相関の変化を示すグラフである。
図9の横軸は、光電変換素子の光電変換層のバンドギャップ(Eg)を示す。図9の縦軸は、Egと光電変換素子のVocの差から求まるVoc損失(Voc deficit)を示している。図9のグラフにおいて、Agを添加していない比較例の光電変換層に基づく出力結果は「Ref.(●)」で示し、Agを添加した実施例の光電変換層に基づく出力結果は「Ag-incorporated(◇)」で示している。
一方、Agを添加した実施例の光電変換層では、光電変換層のEgが大きくなるにつれてVoc損失も大きくなるが、Voc損失の増加分は光電変換層のEgの増加分よりは概ね小さくなる傾向を示す。つまり、Agを添加した実施例の光電変換層では、光電変換層のEgが大きくなるほどVocが向上することが分かる。
次に、光電変換層の製造例について説明する。
製造例においては、ガラス板である基板上に、スパッタリング法でモリブデンを含む第1の電極層を形成した。次に、Cu-Ga、Inのスパッタリングターゲットをスパッタリングし、プリカーサを第1の電極層の上に形成した。
そして、プリカーサをカルコゲン化して光電変換層を形成した。その後、バッファ層、第2の電極層を形成した。
実施例1:第1の電極層側からCu-Ga/Cu-Ga(Ag添加)/In
実施例2:第1の電極層側からCu-Ga/Cu-Ga(Ag添加)/Cu-Ga/In
比較例 :第1の電極層側からCu-Ga/In
図10は、本発明の光電変換素子の適用例としての太陽電池サブモジュールの例を示す。
図10に示す太陽電池サブモジュール100は、いわゆる集積型構造を有する。即ち、太陽電池サブモジュール100は、直列接続される複数の光電変換素子10-1,10-2,…10-kを備える。但し、kは、2以上の自然数である。
各光電変換素子10-1,10-2,…10-kは、光電変換層13およびバッファ層14を有する。光電変換層13およびバッファ層14は、図1に示す光電変換素子10の光電変換層13およびバッファ層14に対応する。
電圧の印加方法は、0Vから昇圧し、上限電圧は例えば、百数十Vである。上限電圧は、絶縁層21の膜厚や、光電変換素子の直列接続数によって適宜調整する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。これら実施形態は、上述以外の様々な形態で実施することが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更など、を行える。これら実施形態およびその変形は、本発明の範囲および要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等物についても、本発明の範囲および要旨に含まれる。
11 基板
12 第1の電極層
13 光電変換層
13A 表面側領域
13B 中間領域
13C 裏面側領域
13p プリカーサ層
14 バッファ層
15 第2の電極層
16 セレン源ガス
17 硫黄源ガス
18 プラス電極
19 マイナス電極
21 絶縁層
100 太陽電池サブモジュール
Claims (8)
- 第1の電極層と第2の電極層との間に形成される光電変換層を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層は、I族元素のCu、Agと、III族元素のIn、Gaと、VI族元素のSe、Sと、を含み、
前記光電変換層は、受光面側に位置する表面側領域と、当該受光面の裏面側に位置する裏面側領域と、前記表面側領域および前記裏面側領域の間に位置する中間領域と、を有し、
前記光電変換層の厚さ方向においてバンドギャップの最小値を示す部位は、前記中間領域に含まれ、
Ag以外のI族元素、III族元素およびVI族元素のモル量の和に対するAgのモル量の比(Ag/(Ag以外のI+III+VI))をAg濃度としたときに、前記光電変換層の厚さ方向において前記Ag濃度の極大値を示す部位は、前記中間領域に含まれ、
前記表面側領域において、III族元素のモル量に対するCuのモル量の比(Cu/III)が1.0を超え、
前記Ag濃度の極大値は、0.00519~0.0140である、
光電変換素子。 - 前記Ag濃度の極大値を示す部位は、前記光電変換層の厚さ方向において、前記光電変換層の前記裏面よりも前記光電変換層の前記受光面の近くに位置する、
請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記Ag濃度の極大値を示す部位は、前記光電変換層の厚さ方向において、前記中間領域の裏面側の境界よりも前記中間領域の受光面側の境界の近くに位置する、
請求項1または請求項2に記載の光電変換素子。 - 前記Ag濃度の極大値を示す部位は、前記光電変換層の厚さ方向において、前記バンドギャップの最小値を示す部位よりも前記光電変換層の前記裏面側に位置する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光電変換素子。 - 前記中間領域と前記裏面側領域の境界は、前記光電変換層の厚さを1に規格化したときに、前記光電変換層の厚さ方向において、前記光電変換層の受光面を基準として0.7の位置にある、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光電変換素子。 - 前記表面側領域に含まれるAgのモル量は、前記光電変換層の全体に含まれるAgのモル量の0.15以下である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光電変換素子。 - 前記裏面側領域に含まれるAgのモル量は、前記光電変換層の全体に含まれるAgのモル量の0.19以下である、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光電変換素子。 - 前記光電変換層のバンドギャップは、1.04eV~1.20eVである、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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