JP7194147B2 - 工程設計の支援装置、支援方法および支援プログラム - Google Patents
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Description
(1)本発明は、複数の作業を経て目的物を得る生産工程の設計を支援する工程設計支援装置であって、各作業を行う順番である作業順序を無作為に仮定した仮候補を生成する仮候補生成手段と、該仮候補を特定の作業間で予定されている順番である作業制約に整合させた整合候補とする整合化手段と、所定の指標による該整合候補の評価値を出力する出力手段と、を備える工程設計支援装置である。
本発明は、工程設計の支援方法(単に「支援方法」という。)としても把握できる。つまり本発明は、複数の作業を経て目的物を得る生産工程の設計を支援する工程設計支援方法であって、各作業を行う順番である作業順序を無作為に仮定した仮候補を生成する仮候補生成ステップと、該仮候補を特定の作業間で予定されている順番である作業制約に整合させた整合候補とする整合化ステップと、所定の指標による該整合候補の評価値を出力する出力ステップと、を備える工程設計支援方法でもよい。
本発明は、上述した各ステップをコンピュータに実行させる工程設計支援プログラム(単に「支援プログラム」という。)としても把握されてもよい。
(1)本発明による工程設計支援は、コンピュータと、そのコンピュータで実行させるプログラムとにより実現される。コンピュータは、通常、演算部(CPU等)、記憶部(メモリー等)、表示部(ディスプレー等)、入力部(キーボード等)を備える。コンピュータは、孤立したものでも、通信網により連携されたもの(例えばサーバーとクライアント)でもよい。
仮候補生成(「手段」または「ステップ」の表記は省略する。以下同様)は、各作業を行う順番である作業順序を無作為に仮設定した仮候補を生成する。仮候補は、一定のルール(アルゴリズム等)に沿って生成された作業順序でもよい。例えば、仮候補は、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithms)等の最適化アルゴリズムに基づいて生成されてもよい。無作為に仮定された作業順序は、全作業順序の一部でもよい。
整合化は、仮候補の作業順序を、特定の作業間で予定されている順番(作業制約)に整合した作業順序(整合候補)とする。作業制約の代表例として、特定の作業間で予定されている順番の先後関係である順序制約、特定の作業群に予定されている順番の連続関係である連続制約の他、特定の作業間の連続を禁止する非連続関係である(断続制約)、特定の作業間・作業群の順番を所定範囲内に収める(近傍制約)などがある。
整合候補について、所定の指標に基づく評価値が出力されるとよい。評価値は、整合候補の識別子またはその作業順序と共に示されるとよい。さらに、その評価値に基づいて、ソートされた整合候補が表示されてもよい。
本実施例に係る支援装置(システム)は、コンピュータと、そのコンピュータ上で実行されるプログラムとで構成される。コンピュータは、演算部(CPU等)、データやプログラムを一時的または長期的に保存する保存部(ROM、RAM、HDD、SSD等の記憶装置)、表示部(ディスプレー等)、入出力部(キーボード、マウス、通信インターフェース等)などを備える。コンピュータは、専用機でも汎用機(パーソナルコンピュータ(PC)等)でもよい。プログラムは、コンピュータに一時的または長期的にインストールされて、後述する工程設計の支援方法に係る各ステップを実行する。なお、本発明に係る各手段は、各ステップを実行するプログラム部分により構成される。
工程設計を行う一事例として、自動車の組立ラインのように、膨大な作業要素(単に「作業」という。)からなる生産ライン(生産工程)を設計する場合を想定する。生産ラインは、直列状(直線状)のラインのみの場合もあるが、通常、上流側で分岐した多数のライン(支流ライン)が、下流側で合流して主たるライン(本流ライン)へ集約されていくことが多い。いずれのラインも、1以上の工程に区分(区画)され、各工程には1以上の作業(「作業群」という。)が割り振られる。
工程設計に有意義な作業順序の候補を生成する処理手順(フローチャート)を図7に示した。そのフローチャートに沿って、各手順(ステップ)について詳述する。
ステップS1で、データベースから作業順序の生成に必要な各種の情報を取得する。具体的にいうと、ステップS11で作業情報を入力する。作業情報は、例えば、図1の表1Aに示すように、作業内容(作業名)、作業単体に要する時間(作業時間)、作業位置(X・Y座標)等である。
ステップS2で、連続制約に係る作業をグループ化して、それら作業の一括処理を可能にする。例えば、既述した一つの連続制約(連続1)に係る各作業(6、8、9、10)を一つのグループ1とする。本実施例では、連続制約がない作業IDにも、グループIDを付与した。その一例を図2の表2に示した。これにより、作業6、8、9、10はグループ6、作業1はグループ1、作業2はグループ2等として、全作業がグループIDにより画一的に処理される。
ステップS3で、各作業をグループIDに基づいて、無作為(アットランダム)に配列した作業順序からなる仮候補を生成する。こうして得られた各候補にも識別子(候補ID)を付与した。グループIDの無作為な配列には、擬似乱数列を利用した。
ステップS4で、仮候補として提示された各作業を、それらに属する情報距離に基づいて集約する。一例として、順序制約に基づいて類似作業を集約する場合を説明する。表3の候補1に示したグループID(作業順序)を、行と列にそれぞれ示したマトリックスを作成する。そのマトリックス中に、表1Bに示した順序制約(先行作業IDから変換された先行グループID)を、フラグ”1”として付加する。これにより、図4Aの表4Aに示すマトリックスが得られる。
ステップS5で、類似作業を集約した作業順序の候補に基づいて、作業制約(順序制約)を満たすように再配列される。例えば、表4Bに示した作業順序を、表1Bに示す順序制約を満たすように並び替えると、表5Aに示す作業順序(整合候補)が得られる。具体的にいうと、マトリックスの第1行から順に、順序制約に違反していたグループIDの順序だけを、順に並び替える。逆にいえば、順序制約に違反していないグループIDは、その順序が維持される。このようなパーティショニング処理により、左から右に下がる対角線の下側にのみ、順序制約を示す”1”が表示されたマトリックス(表5A)が得られる。
ステップS6で、一括して扱ってきた連続作業のグループを解除する。例えば、グループ6を解除して作業6、8、9、10に戻す。こうして、各作業全体について、整合候補である作業順序が得られる(図6Aの表6参照)。
ステップS7で、整合候補である作業順序全体と、その整合候補の評価値が出力される。その一例を表6に示した。
設定した候補数(n)の作業順序が得られるまで、上述した各ステップが繰り返しなされる(ステップS8)。これにより、例えば、表6に示す一覧表が完成される。
Claims (5)
- 複数の作業を経て目的物を得る生産工程の設計を支援する工程設計支援装置であって、
各作業を行う順番である作業順序を擬似乱数列に基づいて無作為に仮定した仮候補を生成する仮候補生成手段と、
該仮候補の作業順序を、特定の作業間で予定されている順番である作業制約に整合させた作業順序へ並び替えた整合候補を生成する整合化手段と、
所定の指標による該整合候補の評価値を出力する出力手段と、
を備える工程設計支援装置。 - 前記作業制約は、特定の作業間で予定されている順番の先後関係である順序制約を含み、
前記整合候補は、類似作業の順番を近接させた作業順序からなる請求項1に記載の工程設計支援装置。 - 前記作業制約は、特定の作業群に予定されている順番の連続関係である連続制約を含み、
前記整合化手段は、該連続制約に係る作業群を一括して扱う請求項1または2に記載の工程設計支援装置。 - 複数の作業を経て目的物を得る生産工程の設計を支援する工程設計支援方法であって、
各作業を行う順番である作業順序を擬似乱数列に基づいて無作為に仮定した仮候補を生成する仮候補生成ステップと、
該仮候補の作業順序を、特定の作業間で予定されている順番である作業制約に整合させた作業順序へ並び替えた整合候補を生成する整合化ステップと、
所定の指標による該整合候補の評価値を出力する出力ステップと、
を備える工程設計支援方法。 - 請求項4に記載の各ステップをコンピュータに実行させる工程設計支援プログラム。
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