JP7192411B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
燃料電池システムは、燃料を改質器で改質して生成した改質ガスを燃料電池スタックに供給して発電する。改質器には、改質反応を促進するための改質触媒が配置される。改質反応が進行すると改質触媒は劣化し、改質性能が低下する場合がある。改質触媒が劣化する要因としては、炭素析出が挙げられる。析出した炭素は、改質触媒の改質性能を低下させるだけでなく、燃料電池スタック側に流れ込むことによって発電性能を低下させる要因となる可能性がある。
例えば、下記特許文献1には、改質器と燃料電池スタックとの間に炭素を捕捉するフィルターを設けた燃料電池システムが開示されている。
特許第4790230号明細書
しかしながら、改質触媒の改質性能が劣化している場合、改質反応による転化率が低下して、未改質の燃料が燃料電池スタック側に流れ込む場合がある。上記特許文献1の燃料電池システムでは、改質器から排出された未改質の燃料を捕捉することができない。未改質の燃料が燃料電池スタック側に流れ込むと、燃料電池スタック内や燃料電池スタックの入口付近において炭素析出が生じる場合がある。その結果、改質触媒の改質性能だけでなく、燃料電池スタックの発電性能も低下してしまう可能性がある。
本発明の目的は、改質触媒および燃料電池スタックのいずれの性能も維持できる燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池システムは、燃料を改質器で改質して燃料電池スタックに供給して発電する燃料電池システムである。該燃料電池システムは、前記改質器と前記燃料電池スタックとの間に未改質の燃料から析出した炭素を検出する検出部と検出した前記炭素を除去する除去部とを有する未改質燃料検出除去手段を設けると共に、前記改質器の改質触媒の劣化を回復する劣化回復手段を設ける。該劣化回復手段は、前記未改質燃料検出除去手段で検出された前記炭素の炭素量に基づき選択的に作動することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池システムの制御方法は、燃料を改質する改質器から排出された未改質の燃料から析出した炭素を検出し、検出された前記炭素を除去し、前記炭素の炭素量に基づき前記改質器の改質触媒の劣化を回復する。
本発明に係る燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法によれば、改質触媒および燃料電池スタックのいずれの性能も維持することができる。
燃料電池システムを示す概略構成図である。 図1に示す燃料電池システムの検出除去手段を説明するための構成図である。 燃料電池システムにおいて未改質の燃料を検出して除去する手順を示すフローチャートである。 変形例に係る燃料電池システムのうち検出除去手段を説明するための構成図である。 変形例に係る燃料電池システムにおいて未改質の燃料を検出して除去する手順を示すフローチャートである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、燃料電池システムを示す概略構成図である。図1を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム100について説明する。
(燃料電池システム100)
図1に示される燃料電池システム100は、燃料を改質して改質ガスRGを生成し、改質ガスRGおよび酸化剤ガスOGを燃料電池スタック10に供給して発電する。改質ガスRGは、燃料電池スタック10のアノード電極へ供給されるアノードガスである。酸化剤ガスOGは、燃料電池スタック10のカソード電極へ供給されるカソードガスである。酸化剤ガスOGは、酸素、あるいは酸素を含有する空気などから構成される。
本実施形態の燃料電池スタック10は、自動車に搭載される固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に適用される。SOFCは、アノードガスとして水素だけでなく一酸化炭素やメタンも使用することができるため、燃料電池システム100の発電効率を向上させることができる。
燃料は、改質することでアノードガスとして燃料電池スタック10の発電に利用可能な燃料であれば特に限定されない。燃料としては、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、天然ガス、LPG、都市ガス、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、DME(CHOCH)、アセトン(CHC(=O)CH)、バイオ燃料等が挙げられる。本実施形態では、燃料として酸素含有炭化水素燃料であるエタノールを使用した場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、燃料および水を混合した液体の水含有燃料MWを用いて改質ガスRGを生成する場合を例に挙げて説明する。
図1を参照して、燃料電池システム100は、水含有燃料MWを貯蔵する燃料タンク21と、流量調整部22と、水含有燃料MWを蒸発させる蒸発器23と、燃料を改質する改質触媒24aを含む改質器24と、改質器24と燃料電池スタック10との間に配置される検出除去手段25(「未改質燃料検出除去手段」に相当)と、劣化回復手段31と、熱交換器32と、排気燃焼器41と、制御部50とを有する。劣化回復手段31は、検出除去手段25の作動に応じて選択的に作動する。なお、本明細書中、燃料電池システム100の説明において「AとBとの間」とは、「AからBへ流体を流すための流路の途中」を意味する。
図2は、図1に示す燃料電池システム100のうち検出除去手段25を説明するための構成図である。図2を参照して、検出除去手段25は、劣化検知触媒26と、劣化検知触媒26の電気抵抗値を測定する抵抗測定部27と、劣化検知触媒26よりも下流側に配置され、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26において析出した炭素を除去する炭素除去フィルター28と、を有する。劣化検知触媒26は、未改質の燃料を検出する検出部の機能と、検出部によって検出された未改質の燃料を除去する除去部の機能の両方の機能を備える。なお、本明細書では、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26を総称して「触媒」とも称する。
触媒は、触媒金属と、触媒金属を担持する基材と、触媒金属および基材を担持する担体と、から構成される。担体は、例えば、ハニカム構造等の三次元構造体から構成される。
一般的に、触媒の劣化の要因の一つである炭素析出は、固体酸である触媒の基材の表面に存在する酸点で生じる。触媒の表面に炭素が析出すると表面が炭素によって被覆されて、触媒反応の有効比表面積が減少してしまう。その結果、触媒が劣化し、触媒の化学反応を促進する機能が低下する。上記の炭素析出は、触媒の基材の表面上の酸点の数が多い程促進される。このため、従来から、触媒の基材には、酸点の少ない材料を用いることが好ましいとされていた。
本発明者は、上記の技術常識に反して、酸点の数が多い固体酸の触媒を敢えて選択し、劣化検知触媒26として用いることを試みた。その結果、驚くべきことに、炭素を析出する固体酸の性質を利用することによって、改質器24から排出される未改質の燃料を検出して除去できることを見出した。すなわち、本発明者は、酸点の数が多い固体酸からなる劣化検知触媒26によれば、基材の表面に存在する酸点において未改質の燃料を炭素化して捕捉し、捕捉した炭素量の変化を検出することによって、未改質の燃料を除去しながら検出できることを発見した。
本実施形態では、炭素の導電性を利用して、劣化検知触媒26が捕捉した炭素量によって変動する電気抵抗値を抵抗測定部27によって測定することによって、捕捉した炭素量の変化を検出する。
再び図1を参照して、劣化回復手段31は、検出除去手段25による未改質の燃料を検出する検出信号に基づいて、選択的に作動して改質触媒24aの劣化を回復する。本実施形態では、劣化回復手段31は、改質器24に酸化剤ガスOGを供給して改質器24の改質触媒24aの劣化を回復する酸化剤供給部によって構成される。なお、以下の説明では、酸化剤供給部は、劣化回復手段に相当するものとして同じ符号31を付して説明する。
燃料タンク21には、水含有燃料MW中の燃料と水の組成を検出する濃度センサ51が設けられている。また、燃料電池スタック10には、燃料電池スタック10から出力される電気出力を検出する出力センサ54が設けられている。
燃料タンク21の水含有燃料MWは、流量調整部22によって蒸発器23へ供給され、気化されて水蒸気および燃料ガスを含む混合ガスMGとなる。混合ガスMGは、改質器24に供給される。改質器24は、水蒸気改質によって混合ガスMGから水素リッチな改質ガスRGを生成する。改質ガスRGは、アノードガスとして燃料電池スタック10に供給される。
酸化剤供給部31から供給された酸化剤ガスOGは、酸化剤ガス制御弁43によって2つの流路31a、31bに分岐して流される。流路31aを通る酸化剤ガスOGは、熱交換器32へ供給され、熱交換器32において加熱された後、カソードガスとして燃料電池スタック10に供給される。
流路31bを通る酸化剤ガスOGは、酸化剤ガス制御弁44によってさらに2つの流路31c、31dに分岐して流される。流路31cを通る酸化剤ガスOGは、改質器24の上流に供給される。流路31dを通る酸化剤ガスOGは、検出除去手段25の上流に供給される。
燃料電池スタック10から排出されたアノードガスの排気ガスおよびカソードガスの排気ガスはそれぞれ排気燃焼器41に供給される。排気燃焼器41において燃焼された排気ガスEGは、熱交換器32を通った後、改質器24へ流れるメイン流路32aおよび蒸発器23へ流れるバイパス流路32bの2つの流路32a、32bに分岐して流される。
2つの流路32a、32bの分岐点には、改質器24および蒸発器23への排気ガスEGの分配量を調整する排気制御弁42が配置されている。メイン流路32aを通る排気ガスEGは、改質器24および蒸発器23において混合ガスMGと順に熱交換した後、蒸発器23から燃料電池システム100の外部に排出される。バイパス流路32bを通る排気ガスEGは、蒸発器23において混合ガスMGと熱交換した後、蒸発器23から燃料電池システム100の外部に排出される。排気ガスEGの熱量を蒸発器23や改質器24の加熱に利用することによって、燃料電池システム100のエネルギー効率を向上させることができる。
以下、図1を参照して、燃料電池システム100の各部の構成について詳細に説明する。
燃料タンク21は、燃料および水を混合した水含有燃料MWを貯蔵する。燃料および水を混合して貯蔵することによって、燃料を貯蔵するための燃料用タンクと、水を貯蔵するための貯水用タンクとをそれぞれ個別に設ける必要がない。これにより、燃料電池システム100の構成を簡素化および小型化することができる。
濃度センサ51は、燃料タンク21に貯蔵された水含有燃料MW中の燃料と水の組成を検出する。水含有燃料MWの組成は、燃料と水の揮発性の違い等により経時的に変化する可能性がある。水含有燃料MWの組成が最適値から変化すると、燃料が供給不足になったり、その逆に過剰供給されたりして、水蒸気改質反応が進行しにくくなる。制御部50は、濃度センサ51が検出する水含有燃料MWの組成の検出信号に基づいて、水含有燃料MWの組成を最適値に維持するように燃料または水を燃料タンク21に供給する制御を行うことができる。これにより、改質器24に供給される混合ガスMGの組成を最適値に調整することができる。
流量調整部22は、燃料タンク21に貯蔵された水含有燃料MWを取り出して、供給量を調整しながら蒸発器23に供給する電動ポンプから構成される。流量調整部22は、制御部50からの制御信号に基づいて、蒸発器23への水含有燃料MWの供給量を調整可能に構成されている。
蒸発器23は、流量調整部22から供給された水含有燃料MWを気化して水蒸気および燃料を含む混合ガスMGを生成する。蒸発器23は、排気燃焼器41からの排気ガスEGによって加熱される。蒸発器23に流入する排気ガスEGは、燃料電池システム100の外部に排出される。上述したように、蒸発器23に供給される排気ガスEGは、メイン流路32aを通って改質器24を経て蒸発器23に供給される排気ガスEGと、バイパス流路32bを通って蒸発器23に直接的に供給される排気ガスEGとのうち、少なくとも一方の排気ガスEGにより構成されている。なお、蒸発器23は、例えば、電気ヒータ等の加熱装置を用いて加熱してもよい。
改質器24は、改質反応を促進する改質触媒24aを有する。改質器24は、蒸発器23から供給される混合ガスMGを改質して、燃料電池スタック10に供給される改質ガスRGを生成する。改質器24においては混合ガスMG中の燃料ガスおよび水蒸気が触媒反応を起して水蒸気改質によって改質ガスRGが生成される。
本実施形態の改質器24は、燃料であるエタノールを水蒸気改質することにより、燃料電池スタック10のアノードガスである水素(H)、一酸化炭素(CO)およびメタン(C)を生成する。
改質器24では、エタノール(COH)および水蒸気(HO)の混合ガスMGを改質して水素(H)、一酸化炭素(CO)およびメタン(C)を含む改質ガスRGを生成する水蒸気改質反応が生じる。本明細書では、改質器24を主に水蒸気改質反応によって運転させることを「通常運転」と称する。通常運転時の改質器24の作動温度は、燃料の構成材料や触媒の種類にもよるが、約550℃~600℃である。
Figure 0007192411000001
ここで、上記水蒸気改質反応は、下記の複数の反応が進行することによる全体反応として示される。
Figure 0007192411000002
上述の式(3)および式(5)の化学反応は発熱反応であるのに対して式(2)、式(4)、式(6)および式(7)の化学反応は吸熱反応である。このように改質器24では、発熱反応よりも吸熱反応が多く、全体としても吸熱反応が支配的である。
改質器24の改質触媒24aおよび検出除去手段25の劣化検知触媒26は、固体酸からなり、基材の表面に酸点を備える。酸点では、燃料であるエタノール(COH)の上式(6)の脱水反応が進行する。脱水反応によって生成したエチレン(C)等のオレフィン類の重合反応が進行し、炭素析出が生じる。改質触媒24aの表面に炭素が析出すると表面が炭素によって被覆されて、触媒反応の有効比表面積が減少する。その結果、改質触媒24aが劣化し、未改質の燃料が改質器24の下流側の検出除去手段25へ流れ込む。
劣化検知触媒26の基材の材料には、表面に存在する酸点の数が改質触媒24aの基材の表面に存在する酸点の数よりも多いものを選択する。このような触媒の基材の組み合わせとしては、例えば、劣化検知触媒26の基材は酸化アルミニウムを主体とする材料とし、改質触媒24aの基材は酸化セリウムを主体とする材料とする組み合わせが挙げられる。劣化検知触媒26の基材として、高い比表面積を持ち、改質触媒24aの基材よりも酸点を多く持つ酸化アルミニウムを含む材料を用いることによって、炭素析出を促進することができる。これにより、改質触媒24aの劣化をより確実に検出および除去することができる。また、改質触媒24aの基材として、高い比表面積を持ち、耐熱性を備える酸化セリウムを含む材料を用いることによって、触媒金属を高分散で担持できる。これにより、改質触媒24aの改質性能を向上できる。
触媒の基材の酸点量の測定方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法により測定できる。
[触媒の基材の酸点量の測定方法]
触媒の基材の酸点量の測定方法として、アンモニア昇温脱離法(NH-TPD)によって基材表面の酸点量(NH脱離量)を測定する方法について説明する。アンモニア昇温脱離法は、塩基性分子であるアンモニアを触媒の基材に吸着させた後、温度を連続的に上昇させることによって、脱離するアンモニア量を、質量分析計を用いて測定する方法である。
具体的には、触媒をヘリウムガス(He)雰囲気下、400℃で2時間加熱して吸着水および付着物を除去する。次に、100℃に保持しながら0.4%アンモニア(NH)-ヘリウムガス(He)を30分間流通させ、触媒にアンモニアを飽和吸着させる。その後、水蒸気を60分間導入して、余分なアンモニア(触媒の酸点に吸着したアンモニウムイオンに水素結合したアンモニア)を除去する。このようにして酸点にアンモニウムイオンを吸着させた触媒を、ヘリウムガス流通下、100℃から700℃まで20℃/分の速度で昇温し、この間に脱離したアンモニア量を酸点量として測定する。なお、上述した酸点量の測定方法は、一例であり、測定方法や測定条件等は適宜変更することができる。
劣化検知触媒26は、改質触媒24aに比べて基材の表面に存在する酸点の数が多いため、改質器24の下流側へ流れ出た未改質の燃料から炭素を析出させる反応を促進する。これにより、未改質の燃料を炭素化して捕捉して除去する。また、劣化検知触媒26の表面に補足された炭素により電気抵抗値が低下する。このため、抵抗測定部27は、劣化検知触媒26の電気抵抗値を測定することによって、劣化検知触媒26の表面に炭素が析出したことを検知する。
劣化検知触媒26の担体は、絶縁性を備える材料からなる。これにより、抵抗測定部27によって電気抵抗値の変化がより検出しやすくなるため、未改質の燃料を検出する感度が向上する。
劣化検知触媒26の触媒金属は、白金、ロジウムおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属からなる。上記材料を用いることによって、劣化回復手段31が劣化検知触媒26へ酸化剤ガスOGを供給して析出炭素を酸化して除去する劣化回復処理を実行する際に、供給された酸化剤ガスOGによる炭素の燃焼反応を促進できる。これにより、炭素の燃焼反応に必要な温度や酸化剤ガスOGの流量を低減することができる。なお、劣化回復処理の燃焼反応については後述で詳細に説明する。
抵抗測定部27は、例えば、二端子測定法や四端子測定法を用いた接触式の抵抗測定器を用いることができる。接触式の抵抗測定器は、複数の端子を劣化検知触媒26に接触させて、端子間に所定の電流を流し、端子間に発生する電圧値と電流値から劣化検知触媒26の電気抵抗値を測定する。
炭素除去フィルター28は、枠体や容器に保持された状態で劣化検知触媒26と燃料電池スタック10との間に配置される。炭素除去フィルター28は、耐熱性を有し、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26から下流側へ流れた炭素を捕捉できる機能を備える限りにおいて特に限定されない。炭素除去フィルター28としては、例えば、ディーゼル自動車のマフラーなどに使用されるディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)等を用いることができる。
酸化剤供給部31は、酸素または空気からなる酸化剤ガスOGを供給する。本実施形態の酸化剤供給部31は、空気を外部から吸引して燃料電池スタック10または改質器24に供給するブロワーから構成される。
熱交換器32は、酸化剤供給部31から供給される酸化剤ガスOGと排気燃焼器41から供給される排気ガスEGとの間で熱交換して、酸化剤ガスOGを加熱する。SOFCに適用される燃料電池スタック10は、約500~1200℃の高温で作動する。このため、起動時および運転時には、高温に加熱された酸化剤ガスOGを流通させて燃料電池スタック10を昇温し、あるいは燃料電池スタック10の高温状態を維持する。
排気燃焼器41は、燃料電池スタック10から排出されたアノードガスの排気ガスEGおよびカソードガスの排気ガスEGを燃焼する。排気ガスEGの燃焼によって生成される高温の排気ガスEGが熱交換器32に供給される。
排気制御弁42は、熱交換器32を介して排気燃焼器41から排出される排気ガスEGを改質器24および蒸発器23へ分配する三方弁によって構成される。分配された排気ガスEGは、改質器24および蒸発器23を加熱する。
通常運転時の改質器24での反応は吸熱反応が支配的であるため、外部から熱を供給する必要がある。また、蒸発器23は、液体の水含有燃料MWを気化するために外部から熱を供給する必要がある。そこで、排気燃焼器41および排気制御弁42は、排気燃焼器41からの高温の排気ガスEGを蒸発器23および改質器24に供給することによって、それぞれの温度を高温にしている。
排気制御弁42は、改質器24へ連通するメイン流路32aと、蒸発器23へ連通するバイパス流路32bへ分配する排気ガスEGの流量の割合を調整可能に構成されている。排気制御弁42は、バイパス流路32b側の弁の開度を小さくし、メイン流路32a側の弁の開度を大きくすることによって、バイパス流路32bへの排気ガスEGの流量を減少させ、メイン流路32aへの排気ガスEGの流量を増加させる。このように、排気制御弁42は、排気燃焼器41から改質器24への高温の排気ガスEGの供給量を調整することで、改質器24の運転温度を制御している。
制御部50は、燃料電池システム100の動作を制御する制御装置である。制御部50は、ROMやRAMから構成される記憶部と、CPUを主体に構成される演算部と、各種データや制御指令の送受信を行う入出力部と、を有する。
図3は、燃料電池システム100において未改質の燃料を検出して除去する手順を示すフローチャートである。
燃料電池システム100では、検出除去手段25を用いて、燃料を改質する改質器24から排出された未改質の燃料を検出し、検出された未改質の燃料を除去する(ステップS1、S2)。その後、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26の劣化回復処理を実施する(ステップS7)。以下、詳細に説明する。
まず、制御部50は、検出除去手段25が備える抵抗測定部27の検出信号に基づいて、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rを取得する(ステップS1)。
炭素析出によって改質器24の改質触媒24aが劣化して未改質の燃料が検出除去手段25に流れ込むと、劣化検知触媒26の基材の表面において未改質の燃料から炭素が析出する。検出除去手段25は、未改質の燃料を炭素化して捕捉することによって、検出除去手段25よりも下流の燃料電池スタック10側へ未改質の燃料が流れ込むことを抑制することができる。劣化検知触媒26において未改質の燃料の炭素化が進行すると、劣化検知触媒26の表面に捕捉される析出炭素が増加する。炭素は導電性を有するため、析出炭素の増加に伴って劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが低下する。
次に、制御部50は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1以下になったか否かを判断する(ステップS2)。ここで、電気抵抗閾値R1は、改質触媒24aの改質性能を維持できる限界値および劣化検知触媒26の検出除去性能を維持できる限界値の両方に基づいて決定する。改質触媒24aの改質性能および劣化検知触媒26の検出除去性能のうちいずれか一方を維持できない場合は、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26の劣化回復処理が必要となる。
具体的には、改質触媒24aの改質性能が劣化して検出除去手段25に流れ込む未改質の燃料の量が増加すると、劣化検知触媒26に捕捉される炭素量が増加して電気抵抗値Rが減少する。改質触媒24aの改質性能が維持できる電気抵抗値Rの最小値R2を予め求めておき、電気抵抗閾値R1を最小値R2よりも高いに設定する。さらに、劣化検知触媒26の表面に炭素が析出した状態において、未改質の燃料を炭素化して捕捉する検出除去性能を維持できる電気抵抗値Rの最小値R3を予め求めておき、電気抵抗閾値R1を最小値R3よりも高いに設定する。すなわち、電気抵抗閾値R1は、R1>R2、かつ、R1>R3となるように設定する。
制御部50は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1よりも高い場合は、劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの改質性能の劣化が進行していないと判断する(ステップS2、NO)。この場合、ステップS1の処理に戻る。
一方、制御部50は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1以下になった場合は、劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの改質性能の劣化が進行したと判断する(ステップS2、YES)。
改質触媒24aおよび劣化検知触媒26において析出した炭素は、劣化検知触媒26よりも下流側に配置された炭素除去フィルター28で捕捉して除去する(ステップS3)。なお、炭素除去フィルター28による炭素の捕捉は、改質触媒24aの劣化の進行度合いによらず、劣化検知触媒26よりも下流側に流れてくる炭素に対して常に実施される。
劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの劣化が進行したと判断した場合、制御部50は、燃料電池システム100が発電中か否かを判断する(ステップS4)。ここで、「燃料電池システム100が発電中」とは、燃料電池スタック10が電気化学反応によって発電している状態のことを意味し、燃料電池システム100の停止時および起動時は除くものとする。
燃料電池システム100が発電中の場合は(ステップS4、YES)、発電を停止できるか否か判断する(ステップS5)。自動車には、例えば、リチウム二次電池等の充電可能なバッテリ(図示せず)が搭載されている。バッテリには、SOC(State Of Charge)を検出するためのSOCセンサが取り付けられている。制御部50は、SOCセンサからの検出信号に基づいて、車両走行に要する電力や燃料電池システム100の運用に必要な電力をバッテリからの電力によって賄うことができるか否かを判断する。
制御部50は、必要な電力をバッテリからの電力によって賄うことができる場合は、発電を停止できると判断する(ステップS5、YES)。この場合、燃料電池システム100の発電を停止する(ステップS6)。
発電を停止した後、制御部50は、酸化剤供給部31を制御して、流路31b、31c、31dを介して改質器24および検出除去手段25へ酸化剤ガスOGを供給して改質触媒24aおよび劣化検知触媒26に析出した炭素を酸化して除去する劣化回復処理を実行する(ステップS7)。なお、ステップS7より前の操作では、酸化剤ガス制御弁43は、流路31a側のみ開いており、流路31b側は閉じた状態である。
劣化回復処理により、次式(8)のように改質触媒24aおよび劣化検知触媒26の表面に付着した炭素が酸素によって酸化する燃焼反応(酸化反応)が進行し、二酸化炭素として排出される。
Figure 0007192411000003
劣化回復処理の後、制御部50は、検出除去手段25が備える抵抗測定部27の検出信号に基づいて、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1よりも高いか否かを判断する(ステップS8)。
制御部50は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1よりも高い場合は、劣化回復処理によって改質触媒24aおよび劣化検知触媒26の劣化が回復したと判断し(ステップS8、YES)、操作を終了する。
一方で、制御部50は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1以下の場合は、劣化回復処理によって改質触媒24aおよび劣化検知触媒26の劣化が回復していないと判断し(ステップS8、NO)、劣化回復処理(ステップS7)を繰り返す。その後、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1よりも高いか否かを判断し、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rが電気抵抗閾値R1よりも高い場合は、操作を終了する(ステップS8、YES)。
なお、必要な電力をバッテリからの電力によって賄うことができない場合は、制御部50は、発電を停止できないと判断する(ステップS5、NO)。この場合、発電を続行し、ステップS1の処理に戻る。ステップS1において、検出除去手段25の劣化検知触媒26は、改質器24から排出された未改質の燃料を検出し、検出された未改質の燃料を除去する。また、炭素除去フィルター28は、改質触媒24aおよび劣化検知触媒26において析出した炭素を捕捉して除去する。これにより、未改質の燃料や析出炭素が燃料電池スタック10に流れ込むことを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム100は、改質器24と燃料電池スタック10との間に未改質の燃料を検出する検出部と検出した未改質の燃料を除去する除去部とを有する検出除去手段25(未改質燃料検出除去手段)を設けると共に、改質器24の改質触媒24aの劣化を回復する劣化回復手段(酸化剤供給部)31を設ける。該劣化回復手段31は、検出除去手段25の作動に応じて選択的に作動することを特徴とする。
また、燃料電池システム100の制御方法は、燃料を改質する改質器24から排出された未改質の燃料を検出し、検出された未改質の燃料を除去し、改質器24の改質触媒24aの劣化を回復する。
上記のような燃料電池システム100および燃料電池システム100の制御方法によれば、検出除去手段25によって未改質の燃料を検出して除去することによって、未改質の燃料が燃料電池スタック10側に流れ込むことを抑制できる。また、改質器24から排出された未改質の燃料が検出された際に、改質触媒24aの劣化を回復する。これにより、改質触媒24aの改質性能および燃料電池スタック10の発電性能のいずれの性能も維持することができる。
また、検出除去手段25は、検出部および除去部を備える固体酸からなる劣化検知触媒26を有する。劣化検知触媒26は、固体酸の性質を利用して改質器24から排出された未改質の燃料を炭素化する。これにより、劣化検知触媒26は、析出した炭素を検出することによって未改質の燃料を検出する検出部の機能を備える。さらに、劣化検知触媒26は、未改質の燃料を炭素化することによって、検出部によって検出された未改質の燃料を捕捉して下流に流れないように除去する除去部の機能も備える。このように、検出除去手段25は、複数の機能を一体化した劣化検知触媒26を備える。これにより、未改質の燃料の検出と除去を同じタイミングで実施できるため、検出した未改質の燃料を確実に除去できる。さらに、検出部と除去部を別々に設ける必要がないため、燃料電池システム100を小型化できる。
また、劣化検知触媒26の基材の表面に存在する酸点の数は、改質触媒24aの基材の表面に存在する酸点の数よりも多い。酸点の数が多い劣化検知触媒26は、改質触媒24aに比べて未改質の燃料の炭素析出をより促進する。このため、改質器24において改質されずに排出された未改質の燃料は劣化検知触媒26においてより確実に炭素化される。その結果、未改質の燃料が燃料電池スタック10に流れ込むことをより確実に防止できるとともに、劣化検知触媒26が改質触媒24aの劣化を検知する感度を向上させることができる。
また、検出除去手段25は、劣化検知触媒26の電気抵抗値Rを測定する抵抗測定部27をさらに有する。析出炭素による劣化検知触媒26の電気抵抗値Rの低下を読み取ることによって、改質器24から劣化検知触媒26へ未改質の燃料が流れ込んだか否かが分かる。よって、抵抗測定部27により改質触媒24aの劣化を簡便に検知することができる。
また、劣化検知触媒26の担体は、絶縁性を備える材料からなる。析出炭素による電気抵抗の低下をより把握しやすくなる。これにより、劣化検知触媒26が改質触媒24aの劣化を検知する感度をより一層向上させることができる。
また、劣化検知触媒26の基材は、酸化アルミニウムを含み、改質触媒24aの基材は、酸化セリウムを含む。劣化検知触媒26の基材として、高い比表面積を持ち、改質触媒24aの基材よりも酸点を多く持つ酸化アルミニウムを含む材料を用いることによって、炭素析出を促進することができる。これにより、改質触媒24aの劣化をより確実に検出および除去することができる。また、改質触媒24aの基材として、高い比表面積を持ち、耐熱性を備える酸化セリウムを含む材料を用いることによって、触媒金属を高分散で担持できる。これにより、改質触媒24aの改質性能を向上できる。
また、劣化検知触媒26の触媒金属は、白金、ロジウムおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属からなる。これにより、劣化検知触媒26を再生処理するに当たり、酸化剤ガスOGの供給による炭素の燃焼反応を促進できる。これにより、燃焼反応に必要な温度や酸化剤ガスOGの流量を低減することができる。
また、検出除去手段25は、少なくとも未改質の燃料を捕捉する炭素除去フィルター28を有する。改質触媒24aおよび劣化検知触媒26において析出した炭素は、炭素除去フィルター28によって捕捉されるため、析出炭素が燃料電池スタック10に流れ込むことを確実に防止することができる。
また、燃料電池スタック10は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に適用されてなる。SOFCに適用することによって、一酸化炭素やメタン等も改質ガスRGとして使用することができる。これにより、同じ量の燃料から得られる改質ガスRGの量が増加するため、発電効率を向上させることができる。
(検出除去手段の変形例)
次に、図4および図5を参照して検出除去手段の変形例について説明する。図4は、変形例に係る燃料電池システムのうち検出除去手段125を説明するための構成図である。変形例に係る検出除去手段125は、未改質の燃料を検出する検出部126および未改質の燃料を除去する除去部127をそれぞれ別体に備える点で前述した実施形態と異なる。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
検出部126は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cを検出する濃度センサ等によって構成される。
除去部127は、未改質の燃料を吸着して捕捉する吸着剤等によって構成される。
図5は、変形例に係る燃料電池システムの運転手順を示すフローチャートである。前述した実施形態では、改質器24の改質触媒24aの劣化を検出する際に劣化検知触媒26の電気抵抗値Rを基に劣化状態を判断していたのに対し、変形例では、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cを基に改質性能の状態を判断する点で異なる。図4に示す操作のステップS21、S22、S28以外は、図3に示す前述した実施形態と同様のため、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、制御部50は、検出部126の検出信号に基づいて、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cを示す検出値を取得する(ステップS21)。
次に、制御部50は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1以上になったか否かを判断する(ステップS22)。濃度閾値C1は、燃料電池スタック10の発電性能を維持できる未改質の燃料の流入量の最大値に相当する最大濃度を予め求めておき、最大濃度以下となるように設定する。「燃料電池スタック10の発電性能を維持できる」とは、燃料電池スタック10から自動車等の駆動対象の駆動に必要な電気出力が得られることを意味する。
制御部50は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1よりも低い場合は、劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの改質性能の劣化が進行していないと判断する(ステップS22、NO)。この場合、ステップS21の処理に戻る。
一方、制御部50は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1以上になった場合は、劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの改質性能の劣化が進行したと判断する(ステップS22、YES)。
劣化回復処理が必要な程度にまで改質器24の改質触媒24aの劣化が進行したと判断した場合、制御部50は、前述した実施形態と同様にステップS3~S7を実行して劣化回復処理を行う。
劣化回復処理の後、検出部126の検出信号に基づいて、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1よりも低いか否かを判断する(ステップS28)。
制御部50は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1よりも低い場合は、劣化回復処理によって改質触媒24aの劣化が回復したと判断し(ステップS28、YES)、操作を終了する。
一方で、制御部50は、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1以上の場合は、劣化回復処理によって改質触媒24aの劣化が回復していないと判断し(ステップS28、NO)、劣化回復処理(ステップS7)を繰り返す。その後、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1よりも低いか否かを判断し、未改質の燃料の濃度Cが濃度閾値C1よりも低くなった場合は、操作を終了する(ステップS28、YES)。
以上説明したように変形例に係る燃料電池システムの検出除去手段125は、未改質の燃料を検出する検出部126および未改質の燃料を除去する除去部127をそれぞれ別体に備える。これにより、検出部126または除去部127のいずれかに不具合が起きた場合に、一方のみを交換できる。したがって、燃料電池システムのメンテンスを比較的容易に実施することができる。
また、変形例に係る燃料電池システムの制御方法では、改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cを基に改質性能の状態を判断する。改質器24から流出した流体中に含まれる未改質の燃料の濃度Cを直接的に検出することによって、改質器24の改質性能の低下をより確実に検知することができる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る燃料電池システムを説明したが、本発明は実施形態および変形例において説明した内容のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、前述した実施形態では、劣化検知触媒26の基材の表面に存在する酸点の数は、改質触媒24aの基材の表面に存在する酸点の数よりも多いとしたが、酸点の数の大小関係はこれに限定されず、酸点の数は同じとしてもよいし、劣化検知触媒26の方が改質触媒24aよりも酸点の数が少なくてもよい。
また、検出除去手段25は、劣化検知触媒26が捕捉した炭素量によって変動する電気抵抗値を抵抗測定部27によって測定することによって、捕捉した炭素量の変化を検出するとしたが、劣化検知触媒26が捕捉した炭素量の変化を検出する方法は、これに限定されず、例えば、劣化検知触媒26の表面が析出炭素の被覆によって黒色化することを利用して、色彩の変化を観察することによって検出してもよい。
また、劣化検知触媒26の基材は、酸化アルミニウムを含み、改質触媒24aの基材は、酸化セリウムを含むとしたが触媒の基材の材料はこの組み合わせに限定されない。劣化検知触媒26の基材は、例えば、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種のセラミックスまたはこれらの複合酸化物から構成することができる。また、改質触媒24aの基材は、例えば、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種のセラミックスまたはこれらの複合酸化物から構成することができる。
また、燃料電池システム100は、析出した炭素を除去する炭素除去フィルター28を備えない構成としてもよい。
また、燃料電池システム100は、酸化剤供給部31から供給された酸化剤ガスOGを検出除去手段25の上流に供給する流路31dを備えない構成としてもよい。この場合、劣化回復処理において、改質器24の上流に供給された酸化剤ガスOGが改質器24を通った後、検出除去手段25に供給される。
また、燃料および水を混合した水含有燃料MWを用いて改質ガスRGを生成する形態に限定されず、燃料用タンクと貯水用タンクをそれぞれ個別に設けてもよい。この場合、燃料タンクおよび貯水タンクから蒸発器23への供給量をそれぞれ調整することによって混合ガスMGの組成を容易に調整することができる。
また、前述した実施形態では、燃料電池スタック10は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に適用されるとして説明したが、これに限定されず、例えば、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)に適用してもよい。
10 燃料電池スタック、
21 燃料タンク、
22 流量調整部、
23 蒸発器、
24 改質器、
25 検出除去手段(未改質燃料検出除去手段)、
26 劣化検知触媒(検出部、除去部)、
27 抵抗測定部、
28 炭素除去フィルター、
31 酸化剤供給部(劣化回復手段)、
32 熱交換器、
41 排気燃焼器、
42 排気制御弁、
43、44 酸化剤ガス制御弁、
50 制御部、
51 濃度センサ、
54 出力センサ、
100 燃料電池システム、
125 検出除去手段、
126 検出部、
127 除去部、
MW 水含有燃料、
MG 混合ガス、
RG 改質ガス、
OG 酸化剤ガス、
EG 排気ガス。

Claims (10)

  1. 燃料を改質器で改質して燃料電池スタックに供給して発電する燃料電池システムにおいて、
    前記改質器と前記燃料電池スタックとの間に未改質の燃料から析出した炭素を検出する検出部と検出した前記炭素を除去する除去部とを有する未改質燃料検出除去手段を設けると共に、
    前記改質器の改質触媒の劣化を回復する劣化回復手段を設け、
    該劣化回復手段は前記未改質燃料検出除去手段で検出された前記炭素の炭素量に基づき選択的に作動することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記未改質燃料検出除去手段は、前記検出部および前記除去部を備える固体酸からなる劣化検知触媒を有する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記劣化検知触媒の基材の表面に存在する酸点の数は、前記改質触媒の基材の表面に存在する酸点の数よりも多い、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記未改質燃料検出除去手段は、前記劣化検知触媒の電気抵抗値を測定する抵抗測定部をさらに有する、請求項2~3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記劣化検知触媒の担体は、絶縁性を備える材料からなる、請求項2~4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記劣化検知触媒の基材は、酸化アルミニウムを含み、
    前記改質触媒の基材は、酸化セリウムを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記劣化検知触媒の触媒金属は、白金、ロジウムおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属からなる、請求項2~6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記未改質燃料検出除去手段は、少なくとも前記炭素を捕捉する炭素除去フィルターを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池に適用されてなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 燃料を改質する改質器から排出された未改質の燃料から析出した炭素を検出し、
    検出された前記炭素を除去し、
    前記炭素の炭素量に基づき前記改質器の改質触媒の劣化を回復する、燃料電池システムの制御方法。
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