JP7192174B2 - 線材切断装置 - Google Patents

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本発明は、線材を切断してワークを製作する線材切断装置に関し、より詳細には、ワークの仕上がり精度を向上する技術に関する。
ダイスおよびパンチを有して圧造加工を行う圧造機は、金属の線材を切断してワークを製作する線材切断装置を備える場合が多い。線材切断装置は、線材を所定長さずつ間欠的に送り出す線材送出部、および線材を切断するカッター部を備える。線材送出部の機構として、ローラ送り機構および往復送り機構が知られている。カッター部の機構として、環形の固定刃及び可動刃を有し、両方の刃の中心を揃えて線材を挿通させた後、可動刃が往復動して線材をせん断する機構が知られている。この種の線材切断装置の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1の圧造成形機は、可動刃を駆動するカッターロッドを往動させる駆動源として、主駆動部および副駆動部を選択的に用いるようになっている。これによれば、試し打ち調整に際し主駆動部が低速で駆動するときに、副駆動部からカッターロッドを高速で駆動することができる。したがって、切断ブランク(ワーク)の切断面の直角度が得られ、ダレやバリや切断面の荒れが生じない、とされている。可動刃を高速で動作させることによりせん断加工の精度を高める方式は、ハンマカッタ方式と呼ばれる。
実用新案登録第3130796号公報
ところで、特許文献1では、通常動作時に主駆動部が可動刃を高速で動作させるときだけでなく、調整時にも副駆動部を用いて可動刃を高速で動作させることができる。しかしながら、通常動作時にワークの製作速度(個/分)を変更すると、可動刃の動作速度が変化してしまうため、ワークの仕上がり精度に影響する。さらに、ハンマカッタ方式の技術を用いても、ワークの寸法精度や切断面の面精度を良好に保つことが難しい。
例えば、線材送出部にローラ送り機構を用いた構成では、線材の先端をストッパ部材に押し当てて軸方向の外力が作用している状態でせん断を行う。このとき、線材の先端面がストッパ部材に摩擦するため、製作されたワークの切断面の面精度が低下する。また、線材送出部に線材をグリップする構造をもった往復送り機構を用いた構成では、ストッパ部材を用いず、摩擦の問題は生じない。ところが、線材に軸方向の外力が作用しないため、せん断動作の途中で線材およびワークが遊動したり傾斜したりする。これにより、ワークの切断面の直角度が低下して、寸法精度が得られなくなる。切断面の直角度が低下するという問題点は、ワークの直径に対して長さが短いほど顕著に発生する。
本発明は、上記した背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、切断によって製作されるワークの寸法精度および切断面の面精度の両方を良好にすることができる線材切断装置を提供することを課題とする。
本発明の線材切断装置は、線材を所定長さずつ間欠的に送り出す線材送出部と、送り出された前記線材の先端から前記所定長さまでの切断範囲以外を支持する固定刃部と、前記線材の前記切断範囲の外周面を把持および解放する二つの分割可動刃で構成される可動刃部と、前記線材が送り出されるときに前記分割可動刃が前記外周面を解放し、前記線材を切断するときに前記分割可動刃が前記外周面を把持するように前記可動刃部を駆動する把持駆動部と、前記可動刃部を前記線材と交差する方向に駆動して、前記固定刃部との間で前記線材をせん断してワークを製作させる切断駆動部と、を備え、前記把持駆動部は、可動刃ホルダに固定された第一の前記分割可動刃に対して、第二の前記分割可動刃を接近および遠ざけるように駆動し、前記切断駆動部は、前記可動刃部および前記把持駆動部の全体を駆動する。
本発明の線材切断装置では、線材をせん断するときに、可動刃部を構成する分割可動刃が線材の外周面を把持するので、せん断動作の途中で線材やワークが傾斜することが無い。このため、ワークの切断面の直角度が改善されて、寸法精度が良好となる。加えて、ストッパ部材を用いないので、ワークの切断面がストッパ部材に摩擦して面精度が低下することも無い。したがって、本発明によれば、切断によって製作するワークの寸法精度および切断面の面精度の両方を良好にすることができる。
本発明の第1実施形態の線材切断装置が組み込まれた圧造機の全体構成を模式的に示す平面図である。 第1実施形態の線材切断装置の構成を示す正面部分断面図である。 線材切断装置の構成を示す側面部分断面図である。 線材切断装置から可動刃部を取り除いた正面図であり、主に固定刃部の構成が示されている。 比較評価試験で製作したワークの側面図である。 比較評価試験の試験結果を示したグラフの図である。 第2実施形態の線材切断装置の構成を示す側面部分断面図である。
まず、第1実施形態の線材切断装置1が組み込まれた圧造機9の全体構成について、図1を参考にして説明する。図1の模式的な平面図に示されるように、圧造機9は、横型の多工程の圧造機である。圧造機9は、フレーム2、ラム3、5組のパンチ41およびダイス44、ワーク搬送部49、線材切断装置1、ならびに駆動部90などで構成される。圧造機9は、5組のパンチ41およびダイス44により構成された第1~第5圧造工程で、ワークに順次圧造加工を施す。図1において、第1~第5圧造工程は、上側から下側へと並んでいる。
フレーム2は、各部を配設するための筐体であり、鉄製で堅牢に形成されている。5個のダイスホルダ21は、フレーム2の幅方向に並んで設けられる。5組のダイス44は、各ダイスホルダ21の前側(図1の左側)に交換可能に取り付けられる。各ダイス44の前側に、所定の加工型が形成されている。
ラム3は、平面視で概ね矩形であり、フレーム2を基準とする前後方向、すなわち図1の左右方向に往復動作する。5個のパンチホルダ31は、ラム3の前側(図中の右側)の幅方向に並んで設けられる。5個のパンチ41は、各パンチホルダ31の前側に交換可能に取り付けられ、それぞれダイス44に対向配置される。各パンチ41の前側に、所定の加工型が形成されている。各パンチ41は、ラム3とともに往復動作する。
線材切断装置1は、第1圧造工程に隣接して配置される。線材切断装置1は、円形断面の線材をせん断してワークを製作し、第1圧造工程に供給する。線材として、コイル状に巻回された長尺線材や、直線状のバー線材を用いることができる。また、線材およびワークの材質として、鉄やアルミ、各種の合金などを例示できる。線材切断装置1の詳細は、後述する。
ワーク搬送部49は、ダイスホルダ21の上方からダイス44の前方にかけて配設される。ワーク搬送部49は、トランスファ装置と呼称されることもある。ワーク搬送部49は、ワークを把持する6対のフィンガ対を有する。最上流の第1のフィンガ対は、線材切断装置1で製作されたワークを把持して、第1圧造工程まで搬送する。第2~第5のフィンガ対は、上流側の圧造工程でワークを把持して、下流側の圧造工程まで搬送する。最下流の第6のフィンガ対は、第5圧造工程でワークを把持して、図略の搬出部まで搬送する。
ラム3を往復駆動するために駆動部90が設けられる。駆動部90は、主駆動源91と各種の伝達機構およびカム機構などで構成される。主駆動源91は、例えば、三相交流電源で動作する誘導モータまたは同期モータとすることができる。駆動部90は、ワーク搬送部49および線材切断装置1の一部分を併せて駆動する。主駆動源91の駆動力は、フライホイール92、ディスクブレーキ93、および減速機構94を介して、ラム3を駆動するクランク軸95に入力される。さらに、クランク軸95から分岐歯車対96を介してサイド軸97へと、駆動力が分岐伝達される。
サイド軸97は、駆動力を上方に分岐伝達する。上方に分岐された駆動力は、トランスファカム98を回転駆動する。トランスファカム98は、ワーク搬送部49を駆動する。また、サイド軸97からトランスファドライブ99を経由した先に、6個のオープンクローズカム9Aが回転駆動されるように連結されている。オープンクローズカム9Aは、幅方向に等間隔で配置されている。オープンクローズカム9Aは、それぞれフィンガ対を開閉駆動する。
さらに、サイド軸97には、プッシャカム9C、フィードカム9D、および5個のキックアウトカム9Fが連結されている。プッシャカム9Cおよびフィードカム9Dは、線材切断装置1に用いられる。5個のキックアウトカム9Fは、幅方向に等間隔で配置されており、第1~第5圧造工程の位置にそれぞれ対応する。キックアウトカム9Fは、ダイス44からワークを突き出すキックアウトピンを駆動する。
次に、第1実施形態の線材切断装置1の構成について詳細に説明する。図2は、第1実施形態の線材切断装置1の構成を示す正面部分断面図である。また、図3は、線材切断装置1の構成を示す側面部分断面図である。図3の右側が線材切断装置1の後側に対応し、図3の左側が線材切断装置1の前側に対応する。図4は、線材切断装置1から可動刃部7を取り除いた正面図であり、主に固定刃部6の構成が示されている。線材切断装置1は、線材送出部5、固定刃部6、固定側把持駆動部69、可動刃部7、把持駆動部79、および切断駆動部8などで構成される。
線材送出部5は、線材Mを所定長さずつ間欠的に送り出す往復送り機構である。図3に模式的に示されるように、線材送出部5は、2本のガイドロッド51、可動把持部52、駆動部材53、および固定把持部54などで構成される。2本のガイドロッド51は、上下に離隔しつつ平行して前後方向に延在する。線材Mは、2本のガイドロッド51の間の高さで、後側から前側へ向かう送り出し方向に送り出される。
可動把持部52は、2本のガイドロッド51の前側寄りに装架される。可動把持部52は、矢印Sに示されるように、ガイドロッド51に沿って送り出し方向に往動、および逆方向に復動することができる。可動把持部52は、一対のグリップ部521、およびグリップ駆動部522を有する。一対のグリップ部521は、閉動作することにより、上下から線材Mを挟み込んで把持する。また、一対のグリップ部521は、開動作することにより、線材Mを解放する。グリップ駆動部522は、一対のグリップ部521の開閉動作を駆動する。グリップ駆動部522として、油圧駆動機構を用いることができ、これに限定されない。
駆動部材53は、可動把持部52の前側に結合される。駆動部材53は、前述したフィードカム9Dから駆動されて、ワークの所定長さに相当する動作距離だけ前後方向に往復動作する。これにより、可動把持部52は、駆動部材53と一体的に所定長さだけ往復動作する。なお、可動把持部52の往復動作は、主駆動源91と異なる別の駆動源から駆動されてもよい。
固定把持部54は、2本のガイドロッド51の後側寄りに固定取り付けされる。固定把持部54は、一対のグリップ部541、およびグリップ駆動部542を有する。一対のグリップ部541は、閉動作することにより、上下から線材Mを挟み込んで把持する。また、一対のグリップ部541は、開動作することにより、線材Mを解放する。グリップ駆動部542は、一対のグリップ部541の開閉動作を駆動する。グリップ駆動部542として、油圧駆動機構を用いることができ、これに限定されない。
固定把持部54のグリップ部541およびグリップ駆動部542は、可動把持部52のグリップ部521およびグリップ駆動部522と同一品にすることができる。これにより、構成部品の点数を削減して、コストの削減に寄与できる。また、ガイドロッド51上の可動把持部52の可動範囲や、固定把持部54の固定位置を変更することができる。これによれば、線材Mやワークの変更に容易に対応することができる。
固定刃部6は、送り出された線材Mの先端から所定長さまでの切断範囲以外の部分を、せん断動作時に把持する。図3に示されるように、固定刃部6は、線材送出部5の前側に設けられる。また、図4に示されるように、固定刃部6は、2個の分割固定刃61、62、および2個の固定刃ホルダ65、66を含んで構成される。
図4に示されるように、一方の固定刃ホルダ65は、大形であり、図中の左側方に凹部67をもつ。他方の固定刃ホルダ66は、小形であり、一方の固定刃ホルダ65の凹部67に収容される。固定刃ホルダ66の下部寄りに、揺動支持部68が設けられる。揺動支持部68は、固定刃ホルダ65によって支持されている。固定刃ホルダ66は、固定刃ホルダ65に対して揺動する。固定刃ホルダ65、66同士が向かい合う内側の側面に、それぞれ分割固定刃61、62が保持される。
2個の分割固定刃61、62の各々は、円筒を2等分した概ね半円筒形状に形成されている。半円筒形状の内径の大きさは、可動刃部7に近い前側部分63では線材Mの直径に概ね一致し、後側部分64では線材Mの直径よりわずかに大きめとされている(図3参照)。2個の分割固定刃61、62は、線材送出部5から送り出される線材Mの正確な前側位置に、向かい合って配置される。
固定側把持駆動部69は、2個の固定刃ホルダ65、66の上部寄りを貫いて設けられる。固定側把持駆動部69は、固定刃ホルダ66の揺動を駆動する。固定側把持駆動部69として油圧操作駆動部を例示でき、これに限定されない。
図4において、固定側把持駆動部69は、揺動支持部68を中心にして固定刃ホルダ66を時計回りに駆動している。すると、2個の固定刃ホルダ65、66の内側の側面同士が接近する。これにより、2個の分割固定刃61、62は、線材Mに圧接される。換言すると、分割固定刃61、62は、線材Mの切断範囲よりも後側の部分の外周面の概ね全周を把持する。したがって、線材Mは拘束されて遊動せず、また傾斜もせず、せん断動作に適した状況となる。
また、固定側把持駆動部69は、揺動支持部68を中心にして固定刃ホルダ66を反時計回りに駆動することができる。すると、2個の固定刃ホルダ65、66の内側の側面同士が遠ざかる。これにより、2個の分割固定刃61、62の少なくとも一方と線材Mの間に隙間ができる。換言すると、分割固定刃61、62は、線材Mの外周面を解放する。したがって、線材Mを送り出すことができる状況となる。
可動刃部7は、線材Mの切断範囲の外周面を把持および解放する。図3に示されるように、可動刃部7は、固定刃部6の前側に設けられる。また、図2に示されるように、可動刃部7は、2個の分割可動刃71、72、および2個の可動刃ホルダ75、76を含んで構成される。
図2に示されるように、左側の可動刃ホルダ75は大形で幅が広く、右側の可動刃ホルダ76は小形で幅が狭い。2個の可動刃ホルダ75、76は、左右に並んで配置される。右側の可動刃ホルダ76の上部寄りに、揺動支持部78が設けられる。揺動支持部78は、可動刃ホルダ75によって支持されている。可動刃ホルダ76は、可動刃ホルダ75に対して揺動する。可動刃ホルダ75、76同士が向かい合う側面に、それぞれ分割可動刃71、72が保持される。
2個の分割可動刃71、72の各々は、円筒を2等分した概ね半円筒形状に形成されている。半円筒形状の内径の大きさは、線材Mの直径に概ね一致している。半円筒形状の長さは、ワークの所定長さより大きくても小さくてもよい。線材Mの送り出し時に、2個の分割可動刃71、72は、分割固定刃61、62の正確な前側位置に、向かい合って配置される。図3において、分割可動刃71、72の前後方向の長さは、ワークの所定長さより大きい。したがって、送り出された線材Mの先端は、可動刃部7の内部に留まる。
把持駆動部79は、2個の可動刃ホルダ75、76の下部寄りを貫いて設けられる。把持駆動部79は、可動刃ホルダ76の揺動を駆動する。把持駆動部79として油圧操作駆動部を例示でき、これに限定されない。
図2において、把持駆動部79は、揺動支持部78を中心にして可動刃ホルダ76を時計回りに駆動している。すると、2個の可動刃ホルダ75、76の内側の側面同士が接近する。これにより、2個の分割可動刃71、72は、線材Mに圧接される。換言すると、分割可動刃71、72は、線材Mの切断範囲の外周面の概ね全周を把持する。したがって、線材Mやせん断途中のワークは拘束されて遊動せず、また傾斜もせず、せん断動作に適した状況となる。
また、把持駆動部79は、揺動支持部78を中心にして可動刃ホルダ76を反時計回りに駆動することができる。すると、2個の可動刃ホルダ75、76の側面同士が遠ざかる。これにより、2個の分割可動刃71、72の少なくとも一方とせん断されたワークの間に隙間ができる。換言すると、分割可動刃71、72は、ワークの外周面を解放する。したがって、製作されたワークをプッシュアウトできる状況となる。
図2に示されるように、切断駆動部8は、油圧サーボバルブ81および油圧ピストン84などを含む油圧操作機構を用いて構成される。油圧サーボバルブ81は、2本の油路82、83を経由して、油圧ピストン84の前室85および後室86に作動油を給排する。これにより、油圧ピストン84は、矢印Cに示される方向に往動して、可動刃部7および把持駆動部79の全体を図2の右方向にストローク長SLだけ駆動する。このとき、可動刃部7は、線材Mと交差する方向に動作する。
切断駆動部8は、圧造動作を駆動する主駆動源91と別に設けられている。これによれば、切断駆動部8は、圧造動作の動作速度に影響されずに常に高速でせん断動作を駆動して、ハンマカッタ方式を実現することができる。ハンマカッタ方式により、ワークをせん断加工する精度が向上する。なお、切断駆動部8は、上述した油圧操作機構以外であってもよい。
次に、第1実施形態の線材切断装置1の動作について説明する。せん断動作の間、線材送出部5の可動把持部52は送り出し方向に往動した位置で線材Mを把持し、固定把持部54は線材Mを把持している。せん断動作の終了後、固定把持部54は線材Mの把持を継続し、可動把持部52は線材Mを解放して逆方向に復動する。次に、可動把持部52は線材Mを把持し、固定把持部54は線材Mを解放する。次に、可動把持部52は線材Mを把持した状態で、送り出し方向に所定長さだけ往動する。次に、固定把持部54が線材Mを把持して、送り出し動作が終了する。
線材Mが送り出される間、固定側把持駆動部69は、分割固定刃61、62が線材Mの外周面を解放するように駆動する。固定側把持駆動部69と同様に、把持駆動部79は、分割可動刃71、72が線材Mの外周面を解放するように駆動する。送り出し動作が終了すると、固定側把持駆動部69は、分割固定刃61、62が線材Mの外周面を把持するように駆動する。固定側把持駆動部69と同様に、把持駆動部79は、分割可動刃71、72が線材Mの外周面を把持するように駆動する。両方の把持動作が終了すると、せん断動作の準備が整う。
次に、切断駆動部8は、可動刃部7および把持駆動部79の全体を往動させる。可動刃部7は、線材Mと交差する方向に動作し、固定刃部6との間で線材Mをせん断して、ワークを製作する。せん断動作の間、線材Mの外周面は、可動把持部52、固定把持部54、固定刃部6、および可動刃部7の四者に把持されて拘束される。したがって、線材Mやせん断途中のワークは、遊動せず、また送り出し方向に対して傾斜しない。
可動刃部7が交差方向に動作した後、把持駆動部79は、分割可動刃71、72がワークの外周面を解放するように駆動する。すると、前述したプッシャカム9Cがプッシュピン(図略)を駆動する。プッシュピンは、可動刃部7からワークをプッシュアウトして、ワーク搬送部49に受け渡す。この後、切断駆動部8は、可動刃部7および把持駆動部79を復動させて、可動刃部7を固定刃部6の正確な前側位置に戻す。
また、せん断動作が終了した後に、固定側把持駆動部69は、分割固定刃61、62が線材Mの外周面を解放するように駆動する。これにより、線材Mの次の送り出し動作が可能となる。以上で、1個のワークの製作が終了して、次のワークの製作が始まる。
次に、第1実施形態の線材切断装置1の作用および効果について、比較評価試験の結果を参考にして説明する。比較評価試験では、第1実施形態の線材切断装置1および比較例の線材切断装置を用いてワークWを製作し、寸法精度を比較評価した。比較例の線材切断装置は、第1実施形態と同様の線材送出部5および切断駆動部8を用い、環形の固定刃部および環形の可動刃部を用いる点が第1実施形態と相違する。環形の固定刃部および可動刃部は、その内径が線材Mの直径よりも大きめとされ、線材Mの外周面を把持しない。また、第1実施形態および比較例において、固定刃部6と可動刃部7のクリアランスは、0.3mmで一致している。
図5は、比較評価試験で製作したワークWの側面図である。供試材として、機械構造用炭素鋼S10C相当(JISG 4051)の線材Mを用いた。線材Mは、円形断面の直径Dが10mmで、先端面FSの直角度は良好な状態に整えられている。ここで、通常の動作時に製作されるワークWは、長さ方向の両側に切断面CSをもつので評価方法が難しい。このため、比較評価試験では、ワークWの片側が整えられた先端面FSとなるようにして、評価を容易にした。
また、製作するワークWの所定長さL、すなわち線材送出部5の送り出し寸法は、5mmから10mmまで1mmピッチで変化させた。換言すると、ワークWの直径Dに対する所定長さLの比率を表す長さ比R(=L/D)を0.5から1.0の範囲で変化させた。そして、製作されたワークWの切断面CSの直角度の良否を表す誤差寸法E(図5参照)を測定して、グラフに示した。誤差寸法Eがゼロであることは、切断面CSがワークWの長さ方向(線材Mの送り出し方向)に直交していることを意味する。また、誤差寸法Eが大きいことは、切断面CSがワークWの長さ方向に対して大きく傾斜し、直角度が不良であることを意味する。
図6は、比較評価試験の試験結果を示したグラフの図である。図6の横軸は長さ比Rを表し、縦軸は誤差寸法Eを表す。破線のグラフは、比較例の線材切断装置の試験結果を示し。実線のグラフは、第1実施形態の線材切断装置1の試験結果を示している。なお、一点鎖線のグラフは、後述する第2実施形態の線材切断装置1Aの試験結果を示している。
まず、比較例の線材切断装置の試験結果(破線)に着目すると、長さ比R=1.0において誤差寸法E=0.5mm程度である。また、長さ比Rが小さくなるにつれて、誤差寸法Eは徐々に増大する傾向を示す。そして、長さ比R=0.5において誤差寸法E=1.5mm程度と最大になっている。一方、長さ比Rが1を超えて大きくなると、誤差寸法Eは減少するため、性能上あまり問題にならない。
次に、第1実施形態の線材切断装置1の試験結果(実線)に着目すると、長さ比R=1.0において誤差寸法E=0.1mm程度である。また、長さ比Rが小さくなるにつれて誤差寸法Eが徐々に増大する傾向は、比較例に類似する。そして、長さ比R=0.5において誤差寸法E=1.3mm程度と最大になっている。誤差寸法Eは、長さ比Rの全ての試験条件において比較例よりも良好であり、0.2~0.8mm程度の向上効果が認められる。
上記した効果は、長さ比Rが1以下の場合に顕著となる。また、上記した効果は、固定刃部6および可動刃部7がそれぞれ線材Mを把持することによって生じる。別途行った試験結果によれば、可動刃部7の寄与が大きく、固定刃部6の寄与が小さいことが確認されている。
第1実施形態の線材切断装置1では、線材Mをせん断するときに、分割固定刃61、62および分割可動刃71、72が線材Mの外周面を把持するので、せん断動作の途中で線材MやワークWが傾斜することが無い。このため、ワークWの切断面CSの直角度が改善されて、寸法精度が良好となる。加えて、ストッパ部材を用いないので、ワークWの切断面CSがストッパ部材に摩擦して面精度が低下することも無い。したがって、切断によって製作するワークWの寸法精度および切断面の面精度の両方を良好にすることができる。
加えて、線材切断装置1が組み込まれた圧造機9では、原材となるワークWが良好であるので、圧造加工により生産される製品の精度が向上する。また、ワークWの圧造加工後に許容される寸法誤差などによっては、必要とされる圧造工程数の削減も可能となる。さらに、固定側把持駆動部69、把持駆動部79、および切断駆動部8が主駆動源91から独立して動作する。このため、線材切断装置1は、カム機構などを用いない構成として、ユニット化することができる。これによれば、線材切断装置1のユニットを様々なタイプの圧造機に組み込んで、コストダウンを図ることができる。
次に、第2実施形態の線材切断装置1Aについて、第1実施形態と異なる点を主にして説明する。図7は、第2実施形態の線材切断装置1Aの構成を示す側面部分断面図である。第2実施形態では、ストッパ部材7Aが追加される。図示されるように、ストッパ部材7Aは、可動刃部7の前側に同軸に配置される。
ストッパ部材7Aは、前側の基体部7Bおよび後側の押し当て部7Cからなる段付き円柱形状に形成されている。基体部7Bは、線材Mよりも直径が大きく、前後方向に短い円柱形状とされ、可動刃部7の前側に配置される。押し当て部7Cは、線材Mの直径に略等しい円柱形状とされ、可動刃部7の前側から内部に進入して配置される。押し当て部7Cの前後方向の長さは、製作するワークWの所定長さLに合わせて可変に設定される。
ストッパ部材7Aは、可動刃ホルダ75から伸びる固定座(図略)に取り付けられて、前後方向の位置が固定される。第2実施形態において、線材送出部5の可動把持部52は、ワークWの所定長さLに制約されず、線材Mの先端がストッパ部材7Aに当接するまで往動する。ストッパ部材7Aは、送り出された線材Mの先端が押し当てられた状態で、可動刃部7とともに交差方向に動作する。せん断動作の間、ストッパ部材7Aは、送り出された線材Mの先端に軸方向の外力を加え、線材Mの先端が前側に向かって変位することを防止する。
第2実施形態の線材切断装置1Aでは、第1実施形態と同様、線材Mをせん断するときに、分割固定刃61、62および分割可動刃71、72が線材Mの外周面を把持する。さらに、ストッパ部材7Aから線材Mの先端に外力が作用する。この2点が重畳した効果は、図6の一点鎖線のグラフに示されている。
詳述すると、長さ比R=1.0においては、誤差寸法E=0.1mm程度であり、第1実施形態と殆ど変らない。それでも、長さ比Rが小さくなると、誤差寸法Eは第1実施形態よりも向上する。そして、長さ比R=0.5において誤差寸法E=0.5mm程度となり、第1実施形態に対して0.8mm程度の向上効果が認められる。加えて、ストッパ部材7Aは、せん断されるワークWとともに交差方向に動作する。したがって、ワークWの切断面は、ストッパ部材7Aに対して摩擦せず、面精度が良好となる。
なお、固定刃部6および可動刃部7は、三つ以上に分割されてもよい。また、固定刃部6および可動刃部7は、線材Mの外周面の全周を把持せず、離散した3箇所以上を把持してもよい。さらに、ワークWの寸法精度への寄与が可動刃部7よりも小さい固定刃部6を環形の一体品にして、固定側把持駆動部69を省略してもよい。
また、第2実施形態において、ワークWが分割可動刃71、72より長い場合、ストッパ部材は、線材Mの直径Dよりも大きな平板形状に単純化できる。また、第2実施形態において、線材送出部5にローラ送り機構を用いることも可能である。本発明は、その他にも様々な変形や応用が可能である。
1、1A:線材切断装置
2:フレーム 3:ラム 41:パンチ 44:ダイス
49:ワーク搬送部
5:線材送出部 52:可動把持部 54:固定把持部
6:固定刃部 61、62:分割固定刃 65、66:固定刃ホルダ
69:固定側把持駆動部
7:可動刃部 71、72:分割可動刃 75、76:可動刃ホルダ
79:把持駆動部 7A:ストッパ部材 8:切断駆動部
9:圧造機 90:駆動部 91:主駆動源
M:線材 W:ワーク FS:先端面 CS:切断面
D:直径 L:所定長さ R:長さ比 E:誤差寸法

Claims (7)

  1. 線材を所定長さずつ間欠的に送り出す線材送出部と、
    送り出された前記線材の先端から前記所定長さまでの切断範囲以外を支持する固定刃部と、
    前記線材の前記切断範囲の外周面を把持および解放する二つの分割可動刃で構成される可動刃部と、
    前記線材が送り出されるときに前記分割可動刃が前記外周面を解放し、前記線材を切断するときに前記分割可動刃が前記外周面を把持するように前記可動刃部を駆動する把持駆動部と、
    前記可動刃部を前記線材と交差する交差方向に駆動して、前記固定刃部との間で前記線材をせん断してワークを製作させる切断駆動部と、を備え
    前記把持駆動部は、可動刃ホルダに固定された第一の前記分割可動刃に対して、第二の前記分割可動刃を接近および遠ざけるように駆動し、
    前記切断駆動部は、前記可動刃部および前記把持駆動部の全体を駆動する、
    線材切断装置。
  2. 前記把持駆動部は、前記可動刃ホルダの揺動支持部に支持された前記第二の前記分割可動刃を揺動駆動する、請求項1に記載の線材切断装置。
  3. 前記把持駆動部は、油圧操作駆動部である、請求項1または2に記載の線材切断装置。
  4. 前記固定刃部は、前記線材の前記切断範囲以外の前記外周面を把持および解放する二つの分割固定刃で構成され、
    前記線材が送り出されるときに前記分割固定刃が前記外周面を解放し、前記線材を切断するときに前記分割固定刃が前記外周面を把持するように前記固定刃部を駆動する固定側把持駆動部をさらに備え
    前記固定側把持駆動部は、固定刃ホルダに固定された第一の前記分割固定刃に対して、第二の前記分割固定刃を接近および遠ざけるように駆動する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の線材切断装置。
  5. 送り出された前記線材の先端が押し当てられた状態で、前記可動刃部とともに前記交差方向に動作するストッパ部材をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の線材切断装置。
  6. 前記線材送出部は、前記線材を把持して送り出し方向に前記所定長さだけ往動し、前記線材を解放して逆方向に復動する可動把持部、ならびに、前記線材を把持および解放する固定把持部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の線材切断装置。
  7. 圧造機に組み込まれる線材切断装置であって、前記切断駆動部は、前記圧造機の圧造動作を駆動する主駆動源と別に設けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の線材切断装置。
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