JP7190612B2 - 置換ピペリジン化合物及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、オレキシン2型受容体作動活性を有する、置換ピペリジン化合物又はその薬剤学的に許容される塩及びその医薬用途に関するものである。本発明はまた、前記化合物を有効成分として含有する医薬に関する。
脳視床下部外側野に局在する特定の神経細胞で特異的に産生される2種の脳内神経ペプチド、オレキシン-A(OX-A)及びオレキシン-B(OX-B)は、主として脳内に存在するGタンパク質共役型受容体であるオレキシン受容体(特許文献1-4)の内在性リガンドとして発見された(特許文献5、非特許文献1)。オレキシン受容体には、2種のサブタイプ、1型サブタイプであるOX受容体(以下、OX1Rともいう。)及び2型サブタイプであるOX受容体(以下、OX2Rともいう。)が存在することが知られている。オレキシンは、ラットの摂食行動を亢進させることが見出されている(非特許文献1)。
一方、イヌ・ナルコレプシーの原因としてOX2Rの遺伝子変異が報告され(非特許文献2)、またオレキシン欠損マウスはヒトあるいはイヌのナルコレプシーと非常によく似たナルコレプシー様症状を示した(非特許文献3)。さらにオレキシン神経細胞を変性させたトランスジェニックマウス、及びこのマウスとオレキシン過剰発現トランスジェニックマウスとを掛け合わせたダブルトランスジェニックマウスを用いた研究より、オレキシン神経細胞の変性によって出現するナルコレプシー様の症状がオレキシンの持続的な発現により消失することが明らかとなった(非特許文献4)。同様にオレキシン神経細胞を変性させたトランスジェニックマウスにOX-Aを脳室内投与した場合にも、カタプレキシー(情動性脱力発作)様の行動停止の抑制 、覚醒の増加など、ナルコレプシー様の症状改善が認められた(非特許文献4)。また、OX2Rノックアウトマウスの研究により、OX2Rが覚醒を維持するために重要である事が示唆されている(非特許文献5)。また、パーキンソン病患者の日中の眠気が、オレキシン神経の脱落が原因である事が示唆されている(非特許文献6)。また、睡眠時無呼吸症候群患者は、血漿中のOX-A濃度レベルが低い事が示唆されている(非特許文献7)。このような背景から、OX2R作動薬は、ナルコレプシー治療薬やその他の過眠を呈する睡眠障害の治療薬になる事が示唆されている(非特許文献8)。
したがってOX2R作動活性を有する化合物は、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、昏睡などの意識障害、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群(たとえば、パーキンソン病、ギランバレー症候群やクライネレヴィン症候群)の治療薬として利用可能と考えられる。
OX2R作動活性を有する化合物であるTAK-925は、健常人及びナルコレプシー患者を対象にしたフェーズ1試験(静脈内投与)が行われている。
国際公開第1996/34877号 特開平10-327888号公報 特開平10-327889号公報 特開平11-178588号公報 特開平10-229887号公報
Sakurai T.et al,Cell,1998,92,573-585 Lin L. et al,Cell,1999,98,365-376 Chemelli R.M.et al,Cell,1999,98,437-451 Mieda M.et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2004,101,4649-4654 Willie J.T. et al,Neuron,2003,38,715-730 Thannickal T.C.et al,Brain.2007,130,1586-1595 Busquets X.et al,Respiration,2004,71,575-579 Mieda M.et al,CNS Drugs,2013,27,83-90
本発明の課題は、オレキシン2型受容体作動活性を有する、置換ピペリジン化合物又はその薬剤学的に許容される塩、及びそれらを含有する医薬組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の[1]から[21]に関する。
[1] 下記式(I)
Figure 0007190612000001
で表される(2R)-2-シクロプロピル-2-{(1R,3S,5S)-3-[(3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル}アセトアミド、
下記式(II)
Figure 0007190612000002
で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-メチルブタンアミド、
下記式(III)
Figure 0007190612000003
で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミド、
及び
下記式(IV)
Figure 0007190612000004
で表される(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミド
からなる群から選ばれる一つの化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[2] 下記式(I)
Figure 0007190612000005
で表される(2R)-2-シクロプロピル-2-{(1R,3S,5S)-3-[(3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル}アセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
[3] 下記式(II)
Figure 0007190612000006
で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-メチルブタンアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
[4] 下記式(III)
Figure 0007190612000007
で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
[5] 下記式(IV)
Figure 0007190612000008
で表される(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
[6] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
[7] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を含有するオレキシン2型受容体作動薬。
[8] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を含有するナルコレプシーの治療剤。
[9] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の薬理学的有効量を対象に投与することを含む、該対象におけるナルコレプシーの治療方法。
[10] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の薬理学的有効量を対象に投与することを含む、該対象におけるオレキシン2型受容体の活性化方法。
[11] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を対象に投与することを含む、ナルコレプシーの治療方法。
[12] ナルコレプシーの治療のための医薬組成物を製造するための前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の使用。
[13] ナルコレプシーの治療に使用するための前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[14] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を含有するカタプレキシーの治療剤。
[15] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の薬理学的有効量を対象に投与することを含む、該対象におけるカタプレキシーの治療方法。
[16] カタプレキシーの治療に使用するための、前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[17] カタプレキシーの治療のための医薬組成物を製造するための前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の使用。
[18] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を含有する過眠症症候群の治療剤。
[19] 前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の薬理学的有効量を対象に投与することを含む、該対象における過眠症症候群の治療方法。
[20] 過眠症症候群の治療に使用するための、前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[21] 過眠症症候群の治療のための医薬組成物を製造するための前記[1]~前記[5]のいずれか一つに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の使用。
本発明に係る式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される置換ピペリジン化合物(以下、化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)という。)又はその薬剤学的に許容される塩は、下記の薬理試験例における活性データにて示されているようにオレキシン2型受容体作動活性を有している。本発明の化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)は、オレキシン2型受容体作動活性を有しており、ナルコレプシーの治療剤としての利用可能性を有している。
図1は実施例1で得られた化合物のX線結晶構造解析の結果を示すORTEP図である。 図2は実施例3で得られた化合物(アセトニトリルが2分子付加した二量体)のX線結晶構造解析の結果を示すORTEP図である。 図3は実施例4で得られた化合物のX線結晶構造解析の結果を示すORTEP図である。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
本発明に係る化合物は結晶多形が存在することもあるが、いずれにも限定されず、いずれかの結晶形の単一物であっても混合物であってもよく、また、本発明に係る化合物には非晶質体も含まれ、そして、本発明に係る化合物には、無水物と溶媒和物(特に水和物)とが包含される。
本発明には、化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)の同位体標識された化合物も含まれる。同位体標識された化合物は1つ又はそれ以上の原子が自然界に通常見出される原子質量か質量数と異なった原子質量か質量数を有する原子で置き換えられていること以外、化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)と同一である。本発明の化合物に組み入れることができる同位元素は、例えば、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、リン、硫黄、沃素、及び塩素の同位元素であり、H、H、11C、14C、15N、18O、18F、32P、35S、123I、及び125I等が含まれる。
上記同位体標識化合物、例えば、H及び/又は14Cなどの放射性同位元素が組み入れられた化合物は医薬及び/又は基質の組織分布アッセイに有用である。Hと14Cはそれらの調製と検出の容易さのため有用と考えられている。同位元素11C及び18FはPET(陽電子放射断層撮影)で有用と考えられており、同位元素125IはSPECT(単光子放出コンピュータ断層撮影)で有用と考えられており、脳イメージングですべて有用である。Hなどのより重い同位元素による置換は、より高い代謝的安定性による生体内半減期を増加又は必要用量の減少等のある種の治療上の利点を生じさせ、それ故に、ある状況下では有用と考えられている。上記同位体標識化合物は容易に利用可能な同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬の代わりに用いて、以下の実施例に開示された手順を行うことによって一様に調製することができる。
本明細書における「薬剤学的に許容される塩」とは、本発明に係る化合物と塩を形成されるものであれば特に限定されず、具体的には例えば、無機酸塩、有機酸塩又は酸性アミノ酸塩等の酸付加塩が挙げられる。
本明細書における「薬剤学的に許容される塩」とは、特に限定する記載がない限り、適宜な比で塩を形成しさえすれば、形成された塩において、当該化合物1分子に対する酸の分子数は特に限定されないが、好ましくは該化合物1分子に対して酸は約0.5~約2分子であり、より好ましくは、当該化合物1分子に対して酸は、約0.5、約1、又は約2分子である。
無機酸塩の好ましい例としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が挙げられ、有機酸塩の好ましい例としては、例えば、酢酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
酸性アミノ酸塩の好ましい例としては、例えば、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などが挙げられる。
本発明に係る化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)がフリー体として得られる場合、前記の化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)が形成していてもよい塩又はそれらの水和物の状態に常法に従って変換することができる。
本発明に係る化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)が化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)の塩又は化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)の水和物として得られる場合、前記の化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)のフリー体に常法に従って変換することができる。
また、本発明に係る化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)について得られる種々の異性体(例えば光学異性体、回転異性体、立体異性体等)は、通常の分離手段、例えば、再結晶、ジアステレオマー塩法、酵素分割法、種々のクロマトグラフィー(例えば薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、単離することができる。
[製剤]
本発明に係る医薬組成物は、薬剤学的に許容される添加物を化合物群(I)、(II)、(III)及び(IV)から選ばれる化合物又はその薬剤学的に許容される塩と混和することにより製造することができる。本発明に係る医薬組成物は、例えば、第十七改正日本薬局方の製剤総則に記載の方法など既知の方法に従って製造することができる。
本発明に係る医薬組成物は、その剤形に応じて適切に患者に投与することができる。
本発明に係る化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)、又はその薬剤学的に許容される塩の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて異なるが、通常、成人の場合は1日あたり経口投与で約30μg~10g、好ましくは100μg~5g、さらに好ましくは100μg~1gを、注射投与で約30μg~1g、好ましくは100μg~500mg、さらに好ましくは100μg~300mgをそれぞれ1回又は数回に分けて投与する。
本明細書において「オレキシン2型受容体作動薬」とは、オレキシン2型受容体に結合し、生体内リガンドと同様にオレキシン2型受容体を活性化させる作用を有する薬剤を意味する。
本発明の化合物は生理活性低分子化合物の標的タンパクを捕捉するためのケミカルプローブとすることができる。すなわち、本発明の化合物は、当該化合物の活性発現に必須な構造部分とは異なる部分に、J. Mass Spectrum. Soc. Jpn. Vol. 51, No. 5 2003, p492-498又は WO2007/139149等に記載の手法で標識基、リンカー等を導入することでアフィニティークロマトグラフィー、フォトアフィニティープローブ等に変換することができる。
ケミカルプローブに用いる標識基、リンカー等は、例えば以下の(1)ないし(5)からなる群に示される基が挙げられる。
(1)光親和性標識基(例えば、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基及びニトロ基等)及び化学親和性基(例えば、アルファー炭素原子がハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基、エステル基、アルキルチオ基、α、β-不飽和ケトン、エステル等のマイケル受容体、及びオキシラン基等)等のタンパク質標識基、
(2)-S-S-、-O-Si-O-、単糖(グルコース基、ガラクトース基等)又は二糖(ラクトース等)等の開裂可能なリンカー、及び酵素反応で開裂可能なオリゴペプチドリンカー、
(3)ビオチン、3-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4H-3a,4a-ジアザ-4-ボラ-s-インダセン-3-イル)プロピオニル基等のフィッシングタグ基、
(4)125I、32P、H、14Cなどの放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、7-ニトロフラザニル、3-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4H-3a,4a-ジアザ-4-ボラ-s-インダセン-3-イル)プロピオニル基等の蛍光標識基;ルミフェリン、ルミノール等の化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオン等の重金属イオン等の検出可能なマーカー又は
(5)ガラスビーズ、ガラスベット、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッド等の固相担体と結合させる基等。
上記の(1)ないし(5)からなる群より選択される標識基等を上記文献に記載の方法等に準じて本発明の化合物に導入して調製されるプローブは、新たな創薬ターゲットの探索等に有用な標識タンパクの同定のためのケミカルプローブとして用いることができる。
本発明の化合物(I)、(II)、(III)及び(IV)は、例えば、以下の実施例に記載した方法により製造することができ、また、当該化合物の効果は、以下の試験例に記載した方法により確認することができる。ただし、これらは例示的なものであって、本発明は、如何なる場合も以下の具体例に制限されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
文献名等が記載されている化合物は、その文献等に従って製造したことを示す。
また、本明細書に使用される略号は当業者に周知の慣用的な略号である。本明細書においては以下の略号を使用する。
n-:ノルマル
tert-:ターシャリー
H-NMR:プロトン核磁気共鳴スペクトルメトリー
MS:マススペクトルメトリー
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
以下の実施例及び製造例中の「室温」は通常約10℃から約35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。
プロトン核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録されている。パターンは、例えば、s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、m:マルチプレット、br:ブロード、brs:ブロードシングレット等で示される。
質量分析はWaters社製Acquity UPLC(登録商標)又はAcquity UPC(登録商標)を用いて行った。
クロマトグラフィーに関して、シリカゲルは、Merck社製Silica Gel60(70-230mesh、もしくは、230-400mesh ASTM)又は富士シリシア化学社製PSQ60Bを用いるか、プレパックカラム{カラム:YAMAZEN社製Hi-FlashTM Column(Silicagel)、サイズ;S(16×60mm)、M(20×75mm)、L(26×100mm)、2L(26×150mm)、3L(46×130mm)のいずれか、又はBiotage社製BiotageTMSNAP Ultra Silica Cartridge、サイズ:10g、25g、50gのいずれか}を用いた。また、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)による分取はWaters社製Prep100qを用いて行った。
NHシリカゲルは、富士シリシア化学社製CHROMATOREX NH-DM2035を用いるか、プレパックカラム{カラム:YAMAZEN社製Hi-FlashTM(登録商標)Column(Amino)、サイズ;S(16×60mm)、M(20×75mm)、L(26×100mm)、2L(26×150mm)、3L(46×130mm)のいずれか、もしくは和光純薬工業社製プレセップTM(登録商標)(ルアーロック)NH2(HC)、サイズ:タイプM(14g/25mL)、タイプL(34g/70mL)、タイプ2L(50g/100mL)、タイプ3L(110g/200mL)のいずれか}を用いた。
以下に示す化合物の命名は、一般的に用いられる試薬を除き、「E-ノートブック」バージョン12又は13(パーキンエルマー社)で表示されたものを用いた。
製造例1
2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミドの合成
Figure 0007190612000009
シクロプロピル酢酸(CAS No.5239-82-7)(3.30g,33.0mmol)の1,2-ジクロロエタン(60mL)溶液に塩化オキサリル(CAS No.79-37-8)(3.11mL,36.3mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(60.0μL,0.775mmol)を加え、室温で40分攪拌した。反応液に臭化水素酸(56.0mg,0.330mmol)とN-ブロモスクシンイミド(CAS No.128-08-5)(7.04g,39.6mmol)を加え、18時間加熱還流した。反応液を0℃でアンモニア(28%水溶液,60mL,2.77mol)に加え、酢酸エチルと水酸化ナトリウム(2N水溶液)を加え分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/n-ヘプタンでトリチュレーションし、沈殿物をろ取した。得られた固体を減圧下に乾燥して標記化合物(1.20g)を得た。
MS(ESI)m/z:178[M+H]
製造例2
3-メトキシイソニコチノニトリルの合成
Figure 0007190612000010
3-クロロ-4-シアノピリジン(CAS No.68325-15-5)(5.00g,36.1mmol)のテトラヒドロフラン(36.0mL)溶液にナトリウムメトキシド(CAS No.124-41-4)(3.90g,72.2mmol)を室温で加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物へ水と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/n-ヘプタンでトリチュレーションし、沈殿物をろ取した。得られた固体を減圧下に乾燥して標記化合物(1.91g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):4.06(s,3H),7.44(d,J=5.0Hz,1H),8.37(d,J=4.5Hz,1H),8.49(s,1H).
MS(ESI)m/z:135[M+H]
製造例3
(R)-2-ブロモ-3-メチルブタンアミドの合成
Figure 0007190612000011
(R)-2-ブロモ-3-メチル酪酸(CAS No.76792-22-8)(9.80g,54.1mmol)の塩化メチレン(100mL)溶液に塩化オキサリル(9.28mL,108mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(30.0μL,0.387mmol)を0℃で加え、室温で6時間攪拌した。反応液を0℃でアンモニア(28%水溶液,50.0mL,2.31mol)に加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/n-ヘプタンでトリチュレーションし、沈殿物をろ取した。得られた固体を減圧下に乾燥して標記化合物(8.20g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.01(d,J=6.3Hz,3H),1.07(d,J=6.8Hz,3H),2.34-2.39(m,1H),4.28(d,J=4.5Hz,1H),5.58(brs,1H),6.41(brs,1H).
MS(ESI)m/z:180[M+H]
製造例4
(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成
Figure 0007190612000012
(1)tert-ブチル (1R,3r,5S)-3-ヒドロキシ-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
N-(tert-ブトキシカルボニル)-ノルトロピノン(CAS No.185099-67-6)(1.00g,4.44mmol)のメチル tert-ブチル エーテル(18.0mL)溶液に3-メトキシイソニコチノニトリル(1.19g,8.88mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(CAS No.73183-34-3)(2.25g,8.88mmol)を加え、16時間加熱還流した。反応混合物へ炭酸ナトリウム(2mol/L水溶液,20.0mL)を0℃で加え、0℃で20分攪拌した。反応混合物へ酢酸エチルを加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0-20%メタノール/酢酸エチル)で精製し、標記化合物(1.12g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.48(s,9H),1.77(m,2H),1.94-1.99(m,2H),2.21-2.32(m,2H),2.37-2.48(m,1H),2.63-2.74(m,1H),2.78(s,1H),3.96(s,3H),4.22-4.29(m,1H),4.31-4.42(m,1H),7.28(d,J=5.4Hz,1H),8.22-8.25(m,2H).
MS(ESI)m/z:335[M+H]
(2)tert-ブチル (1R,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル (1R,3r,5S)-3-ヒドロキシ-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(610mg,1.82mmol)に濃硫酸(1.60mL,30.0mmol)を加え、室温で40分攪拌した。反応混合物を水酸化カリウム(5.00g,89.1mmol)の水(10.0mL)溶液に0℃で加えた。反応混合物にテトラヒドロフラン(10.0mL)とジ-tert-ブチル ジカルボナート(CAS No.24424-99-5)(478mg,2.19mmol)を加え、室温で10分攪拌した。反応混合物へ酢酸エチルを加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5-100%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し、標記化合物(420mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.46(s,9H),1.72-1.81(m,1H),1.97-2.03(m,2H),2.05-2.36(m,2H),2.94-3.26(m,1H),3.87(s,3H),4.21-4.61(m,2H),6.30(brs,1H),6.99(d,J=4.5Hz,1H),8.17(d,J=5.0Hz,1H),8.21(s,1H).
MS(ESI)m/z:317[M+H]
(3)tert-ブチル (1R,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル (1R,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシラート(400mg,1.26mmol)のメタノール(3.00mL)溶液に10%パラジウム炭素(川研ファインケミカル(株),AD,52.7%含水品,284mg,0.126mmol)を加え、水素雰囲気下、室温にて1時間攪拌した。反応液をセライト(登録商標)ろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧下濃縮しエンド体とエキソ体の混合物(エンド:エキソ=1:2,398mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.49(s,6H),1.50(s,3H),1.61-2.13(m,22/3H),2.40-2.45(m,2/3H),2.96-3.01(m,1/3H),3.47-3.59(m,2/3H),3.88(s,1H),3.90(s,2H),4.16-4.28(m,1H),4.34(brs,1H),7.04(d,J=4.5Hz,2/3H),7.06(d,J=5.0Hz,1/3H),8.13-8.23(m,2H).
MS(ESI)m/z:319[M+H]
(4)tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル (1R,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(398mg,1.25mmol)のtert-ブタノール(4.00mL)溶液にカリウム tert-ブトキシド(281mg,2.50mmol)を加え、17時間加熱還流した。反応混合物へ酢酸エチルと飽和食塩水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮し、標記化合物(385mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.49(s,9H),1.58-2.06(m,8H),3.49-3.56(m,1H),3.90(s,3H),4.24(brs,1H),4.34(brs,1H),7.04(d,J=5.0Hz,1H),8.17-8.19(m,2H).
MS(ESI)m/z:319[M+H]
(5)tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-(1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(11.2g,35.2mmol)の酢酸(100mL)溶液に10%パラジウム炭素(川研ファインケミカル(株),AD,52.7%含水品,7.91g,3.52mmol)を加え、水素雰囲気下、70℃で18時間攪拌した。反応液をセライト(登録商標)ろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧下濃縮した。残渣へ酢酸エチルと水酸化ナトリウム(2N)を加え、有機層を分離した。有機層をISOLUTE(登録商標) HM-Nで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣にN,N-ジメチルホルムアミド(50.0mL)、2-クロロ-5-フルオロピリミジン(CAS No.62802-42-0)(5.21mL,42.2mmol)と炭酸カリウム(7.29g,52.8mmol)を加え、80℃で40分攪拌した。反応混合物へ酢酸エチルと飽和食塩水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10-60%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し、標記化合物(9.84g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.19-1.30(m,3H),1.46(s,9H),1.46-1.65(m,6H),1.81-1.97(m,3H),2.68(d,J=14.5Hz,1H),2.71-2.81(m,1H),3.30(s,3H),3.35(brs,1H),4.08-4.31(m,2H),4.64-4.77(m,1H),5.04-5.18(m,1H),8.13(s,2H).
MS(ESI)m/z:421[M+H]
(6)tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-(1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(7.00g,16.6mmol)をダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IC/SFC(3cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(90:10)、120bar、40℃、流速:100mL/分)にて一回あたり100mgずつ分取し、後に溶出する保持時間8.45分の標記化合物(3.02g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.17-1.29(m,3H),1.46(s,9H),1.46-1.66(m,6H),1.85-1.97(m,3H),2.68(d,J=15.0Hz,1H),2.75(td,J=12.9,3.2Hz,1H),3.30(s,3H),3.35(brs,1H),4.11-4.31(m,2H),4.66-4.76(m,1H),5.10(dt,J=14.4,2.6Hz,1H),8.13(s,2H).
MS(ESI)m/z:443[M+Na]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IC-3(3.0mm×50mm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(85:15),40℃,流速:1.2mL/分,検出:UV(254nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は1.34分であり、光学純度は>99%eeであった。
(7)(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成
tert-ブチル (1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(1.00g,2.38mmol)にトリフルオロ酢酸(5.00mL,64.9mmol)を加え、室温で20分攪拌した。反応液を減圧下濃縮した。残渣に2N 水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル(3回)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮し、標記化合物(620mg)を得た。
MS(ESI)m/z:321[M+H]
製造例5
(S)-2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミドの合成
Figure 0007190612000013
(1)(S)-3-(2-シクロプロピルアセチル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンの合成
テトラヒドロフラン(7000mL)にピバロイルクロリド(302mL,2470mmol)を室温で加えた。そこへシクロプロピル酢酸(238mL,2450mmol)を室温で加え、0℃で冷却した。トリエチルアミン(350mL)を10分かけて滴下したのち、トリエチルアミン(400mL,総量5340mmol)を加えて、0℃で76分撹拌した。反応混合物へ(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(350g,2140mmol)を一度に加えたのち、塩化リチウム(109g,2570mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌したのち、酢酸エチル(7000mL)と水(3500mL)を加え室温で40分撹拌した。有機層を分離し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(3500mL)と水(1750mL)で順次洗浄した。得られた有機層を1750mLまで濃縮した。酢酸エチル(2100mL)を加えて、1750mLまで濃縮する共沸操作を3回繰り返したのち、さらに酢酸エチル(1050mL)を加えて1750mLまで濃縮した。得られた濃縮液を撹拌し、n-ヘプタン(1000mL)を滴下した。生じた懸濁液を10分撹拌し、さらにn-ヘプタン(2500mL)を滴下した。その混合液を室温で終夜撹拌したのち、さらに0℃で3.5時間撹拌した。生じた固体をガラスフィルターを用いてろ取し、酢酸エチル/n-ヘプタン(1:3の混合溶液550mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下乾燥することで標記化合物(407g)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.09-0.24(m,2H)0.46-0.58(m,2H)1.00-1.13(m,1H),2.74-2.83(m,1H),2.88-2.98(m,1H),4.25-4.32(m,1H),4.70(t,J=8.83Hz,1H),5.45(dd,J=8.83,3.85Hz,1H),7.28-7.43(m,5H).
(2)(S)-2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミドの合成
(S)-3-(2-シクロプロピルアセチル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(100g,408mmol)のジクロロメタン(1000mL)溶液に、ジブチルボロントリフラートの1Mジクロロメタン溶液 (500mL,500mmol)を氷冷下40分かけて滴下し、10分間氷冷下で攪拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(92mL,530mmol)を氷冷下25分かけて滴下したのち1時間氷冷下で攪拌した。その後反応混合物をドライアイス-エタノールバスで内温-72℃まで冷却した。N-ブロモスクシンイミド(80g,448mmol)を一度に加え、ドライアイス-エタノールバスの下で1時間20分攪拌した。28-30%アンモニア水(800mL,6390mmol)とテトラヒドロフラン(1000mL)を加えたのち水浴下で2時間攪拌した。有機層と水層を分けた後、水層を酢酸エチル(500mL)で3回抽出した。得られた有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 4kg、30-40%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し132gの粗生成物を得た。得られた粗生成物にtert-ブチルメチルエーテル(1440mL)を加え50℃で一時間攪拌し溶解させたのち。室温で1日攪拌した。生じた固体をろ過し、tert-ブチルメチルエーテル(200mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、そこに酢酸エチル(700mL)と活性炭(精製白鷺,26g)を加え室温で30分攪拌した。セライト(登録商標)ろ過により活性炭を除去し、酢酸エチル(700mL)で活性炭を洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせたのち、減圧下濃縮することで標記化合物(97.1g,含量65.9%)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.40-0.52(m,1H),0.63-0.73(m,1H),0.77-0.86(m,1H),0.86-0.97(m,1H),1.41-1.50(m,1H),3.59-3.83(m,1H),5.34-5.71(m,1H),5.94-6.30(m,1H).
MS(ESI)m/z:180[M+H]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IA(0.46cm×25cm×2本)を用いたクロマトグラフィー(移動相 エタノール:n-ヘキサン(10:90),40℃,流速:0.8mL/分,検出:UV(210nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は24.5分であった。
実施例1
(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドの合成
Figure 0007190612000014
(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(260mg,0.811mmol)のアセトニトリル(4.00mL)溶液に2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミド(433mg,2.43mmol)、炭酸セシウム(793mg,2.43mmol)、及び酸化銀(564mg,2.43mmol)を加え、室温で40時間攪拌した。反応液を直接カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20%メタノール/酢酸エチル)で精製した。得られた生成物をメタノール(10mL)に溶解させ、Waters Porapak Rxn(登録商標) CX(2gカートリッジを2本)上に供した。固相をメタノール(20mL)でそれぞれ洗浄した後、生成物をアンモニア(2mol/Lメタノール溶液,20mL)でそれぞれ溶離し、合わせた溶出液を減圧下濃縮した。残渣をメタノールに溶解させ、ダイセル製CHIRALPAK(登録商標)OD-H/SFC(2cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(85:15)、120bar、40℃、流速:70mL/分)にて一回あたり10mg/500μL(メタノール)ずつ分取し、保持時間6.41分の化合物(120mg)をエナンチオマー混合物として得た。得られた化合物をメタノールに溶解させ、ダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IG/SFC(2cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(75:25)、120bar、40℃、流速:70mL/分)にて一回あたり13mg/500μL(メタノール)ずつ分取し、後に溶出する成分を主とする保持時間9.11分の化合物(75mg)を得た。得られた化合物をメタノールに溶解させ、ダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IG/SFC(2cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(75:25)、120bar、40℃、流速:70mL/分)にて一回あたり4mg/100μL(メタノール)ずつ分取し、後に溶出する成分を主とする保持時間7.52分の化合物(52mg)を得た。得られた化合物をメタノールに溶解させ、ダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IG/SFC(2cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(75:25)、120bar、40℃、流速:70mL/分)にて一回あたり7mg/500μL(メタノール)ずつ分取し、後に溶出する保持時間7.18分の標記化合物(31.3mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.28-0.37(m,1H),0.45-0.52(m,1H),0.53-0.58(m,1H),0.60-0.68(m,1H),0.78(dd,J=8.8,4.3Hz,1H),1.20-1.27(m,2H),1.32-1.45(m,2H),1.46-1.52(m,2H),1.59-1.65(m,3H),1.70-1.80(m,2H),1.81-1.88(m,1H),2.08(d,J=9.1Hz,1H),2.68(dd,J=14.3,1.1Hz,1H),2.75(td,J=12.8,2.9Hz,1H),3.21-3.24(m,1H),3.30(s,3H),3.36(brs,1H),3.86-3.91(m,1H),4.65-4.76(m,1H),5.10(dt,J=14.2,2.4Hz,1H),5.14-5.24(m,1H),6.92-7.02(m,1H),8.14(s,2H).
MS(ESI)m/z:418[M+H]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IA(0.46cm×15cm)を用いたクロマトグラフィー(移動相 エタノール:ヘキサン(20:80),40℃,流速:1mL/分,検出:UV(254nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は4.91分であり、光学純度は>99%eeであった。
(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドの単結晶の調製及びX線結晶構造解析
実施例1で得られた標記化合物(2.97mg)をメタノール(1mL)に溶解した。そのうち500μLをバイアルに入れ、軽くキャップを閉めた(溶媒蒸発法)。1日後、バイアル中に標記化合物の単結晶を得た。得られた単結晶について、以下の条件でX線結晶構造解析を行った。標記化合物のX線結晶構造を図1に示す。
分析機器:XtaLAB PRO P200 MM007HF (Rigaku, Japan)
ソフト:CrysAlisPro (Rigaku Oxford Diffraction)
X線:multi-layer mirror monochromated Cu-Kα (40 kV/30 mA)
測定法:ω axis oscillation method
カメラ長:35 mm
測定温度:-170℃
なお、実施例1で合成される(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドのIUPAC名は(2R)-2-シクロプロピル-2-{(1R,3S,5S)-3-[(3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル}アセトアミドである。
実施例2
(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-メチルブタンアミドの合成
Figure 0007190612000015
(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(290mg,0.905mmol)のアセトニトリル(8.00mL)溶液に(R)-2-ブロモ-3-メチルブタナミド(326mg,1.81mmol)、炭酸セシウム(590mg,1.81mmol)、及び酸化銀(419mg,1.81mmol)を加え、室温で40時間攪拌した。反応液をシリカゲルろ過し、残渣を20%メタノール/酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧下濃縮した。残渣をメタノール(5mL)に溶解させ、Waters Porapak Rxn(登録商標) CX (バルク、4g)上に供した。固相をメタノール(40mL)で洗浄した後、生成物をアンモニア(2Nメタノール溶液,40mL)で溶離し、溶出液を減圧下濃縮した。残渣をダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IG/SFC(2cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(80:20)、120bar、40℃、流速:70mL/分)にて一回あたり5mgずつ分取し、保持時間4.41分の標記化合物(154mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.95(d,J=6.8Hz,3H),1.02(d,J=6.8Hz,3H),1.15-1.56(m,8H),1.75(td,J=10.8,6.1Hz,3H),1.86-2.10(m,2H),2.67(d,J=13.1Hz,1H),2.75(td,J=12.9,3.2Hz,1H),2.95(d,J=4.1Hz,1H),3.19-3.27(m,1H),3.30(s,3H),3.33-3.46(m,2H),4.70(dt,J=13.3,2.2Hz,1H),5.06-5.16(m,1H),5.30-5.36(m,1H),6.79(brd,J=5.0Hz,1H),8.14(s,2H).
MS(ESI)m/z:421[M+H]
実施例3
(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミドの合成
Figure 0007190612000016
(1)tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート ヘミ(2S,3S)-2,3-ビス((4-メチルベンゾイル)オキシ)スクシナートの合成
tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-(3-メトキシピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(20g,62.8mmol)と10%パラジウム炭素(川研ファインケミカル製タイプAD,約50%含水品,6g)の酢酸(160mL)混合物を水素雰囲気下70℃で終夜攪拌した。ろ過によりパラジウム炭素を除去し、メタノール(10倍量)で洗浄後、ろ液をおよそ2倍量まで濃縮した。得られた濃縮液に酢酸イソプロピル(15倍量)とn-ヘプタン(3倍量)を加えた後、48%水酸化ナトリウム水溶液(54.7mL)で洗浄した。n-ヘプタン(100mL)を加え水(5倍量)で洗浄後、およそ5倍量まで濃縮した。得られた濃縮液に酢酸イソプロピル(5倍量)を加えて、およそ5倍量まで濃縮する共沸操作を2回繰り返すことでtert-ブチル(1R,3s,5S)-3-(3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(15.1g)を酢酸イソプロピル溶液として得た。
得られたtert-ブチル(1R,3s,5S)-3-(3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(7.55g,23.3mmol)と(+)-ジピバロイル-D-酒石酸(1.85g,5.82mmol)の酢酸イソプロピル(151mL)、アセトニトリル(30.2mL)及びメタノール(38mL)溶液に(-)-ジ-パラトルオイル-L-酒石酸(2.70g,6.98mmol)を加え、室温にて3日間攪拌して固体を得た。
得られた固体をろ取したのち、酢酸イソプロピルとアセトニトリルの混合溶液(9/1)で固体を洗浄した。得られた母液を10倍量まで濃縮し、酢酸イソプロピル(10倍量)、5N水酸化ナトリウム水溶液(4.65ml,23.269mmol)及び水(4倍量)を加えた。水層を除去したのち、水(4倍量)で洗浄した。5倍量まで濃縮後、酢酸イソプロピル(10倍量)で加えて5倍量まで共沸し、(+)-ジピバロイル-D-酒石酸(1.852g,5.817mmol)のメタノール(38mL)、アセトニトリル(30.2mL)及び酢酸イソプロピル(151mL)溶液に(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(3.15g,8.144mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(0.05等量)と酢酸イソプロピル(10倍量)を加えた。濃縮、水酸化ナトリウムによる中和、純水による洗浄によって全量を回収し、(+)-ジピバロイル-D-酒石酸(0.2等量)の酢酸イソプロピル(151mL)、アセトニトリル(30.2mL)及びメタノール(38mL)溶液に(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(3.15g,8.144mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応混合物に(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(0.05等量)を加え、室温にて4時間攪拌した。反応混合物へ(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(0.025等量)と酢酸イソプロピル(10倍量)を加え、室温にて終夜攪拌した。濃縮、水酸化ナトリウムによる中和、純水による洗浄によって全量を回収し、(+)-ジピバロイル-D-酒石酸(0.2等量)の酢酸イソプロピル(151mL)、アセトニトリル(30.2mL)及びメタノール(38mL)溶液に(+)-ジ-パラトルオイル-D-酒石酸(3.15g,8.14mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。酢酸イソプロピル(10倍量)を加えた。7時間後、生じた固体をろ取し酢酸イソプロピルで洗浄することで標記化合物(3.45g)を得た。
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IA(0.46cm×25cm)を用いたクロマトグラフィー(移動相 エタノール:n-ヘキサン(20:80),40℃,流速:1.0mL/分,検出:UV(254nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は8.52分であり、光学純度は99.2%eeであった。
(2)tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
2,5-ジクロロピリミジン(288mg,1.93mmol)、tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート ヘミ(2S,3S)-2,3-ビス((4-メチルベンゾイル)オキシ)スクシナート(500mg,0.966mmol)と炭酸カリウム(267mg,1.93mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を80℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、水を加え酢酸エチルで3回抽出した。有機層を集めて濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10-100%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し、標記化合物(368mg)を得た
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.24-1.27(m,2H),1.41-1.49(m,2H),1.46(s,9H),1.61(brs,4H),1.82-1.98(m,4H),2.68(d,J=14.04Hz,1H),2.75(td,J=12.91,3.17Hz,1H),3.30(s,3H),3.36(brs,1H),4.11-4.32(m,2H),4.68-4.80(m,1H),5.12(dt,J=14.27,2.61Hz,1H),8.16(s,2H).
(3)tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(300mg,0.687mmol)と48%臭化水素酸(5mL)の混合物を室温で20分攪拌したのち、100℃で2.5時間加熱した。その後室温で終夜攪拌し、得られた反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン(10mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、そこにジ-tert-ブチルジカルボナート(165mg,0.755mmol)を室温で加えた。UPLCで反応の完結を確認したのち、酢酸エチルと水を加えて有機層を分離した。水層を酢酸エチルで再度抽出し、先に得られた有機層と合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を10%酢酸エチル/n-ヘプタンの混合溶媒で洗浄し、標記化合物(226mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.28-1.34(m,2H),1.46(s,9H),1.59-1.72(m,6H),1.75-1.97(m,4H),2.70-2.83(m,1H),2.91(dd,J=14.04,0.91Hz,1H),3.97-4.03(m,1H),4.09-4.34(m,2H),4.68-4.79(m,1H),4.81-4.91(m,1H),8.18(s,2H).MS(ESI)m/z:423[M+H]
(4)tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(50mg,0.118mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散、7.09mg,0.177mmol)を加えた。30分攪拌したのち、ヨウ化エチル(0.019mL,0.236mmol)を加え室温で16時間攪拌した。反応液へ水と酢酸エチルを加えた後、有機層を分離して濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1-20%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し、標記化合物(42.5mg)を得た。
MS(ESI)m/z:451[M+H]
(5)(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミドの合成
tert-ブチル(1R,3s,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(42.5mg,0.094mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)で30分処理したのち、濃縮した。得られた残渣をメタノールに溶かし、Waters Porapak Rxn(登録商標) CX(0.4g)上に供した。固相をメタノール(6mL)で洗浄した後、生成物をアンモニア(2mol/Lメタノール溶液,6mL)で溶離し、溶出液を減圧下濃縮した。得られた残渣、製造例5と同様の操作にて得られた(S)-2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミド(51.6mg,0.188mmol)、炭酸カリウム(26.0mg,0.188mmol)及びアセトニトリル(2mL)の混合物を室温で17日間攪拌した。反応混合物をアセトニトリル(3mL)を用いてろ過し、得られたろ液をダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IA/SFC(3cmx25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(75:25)、120bar、40℃、流速:100mL/分)にて一回あたり500μLずつ分取し、保持時間7.55分の標記化合物(22.2mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.26-0.38(m,1H),0.40-0.58(m,2H),0.59-0.68(m,1H),0.71-0.83(m,1H),0.98-1.92(m,12H),1.04(t,J=7.02Hz,3H),2.07(brd,J=9.06Hz,1H),2.61-2.81(m,2H),3.13-3.30(m,2H),3.45(brs,1H),3.61-3.75(m,1H),3.84-3.92(m,1H),4.66-4.76(m,1H),4.93-5.11(m,1H),5.17-5.32(m,1H),6.90-7.03(m,1H),8.16(s,2H).
MS(ESI)m/z:448[M+H]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IA-3(0.46cm×25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(80:20),40℃,流速:1.2mL/分,検出:UV(257nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は2.19分であり、光学純度は>99.9%eeであった。
(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミドの単結晶の調製及びX線結晶構造解析
実施例3で得られた標記化合物(1.37mg)をアセトニトリル(600μL)に溶解した。そのうち200μLをバイアルに入れ、軽くキャップを閉めた(溶媒蒸発法)。1日後、バイアル中に標記化合物の単結晶(アセトニトリルが2分子付加した二量体の結晶)を得た。得られた単結晶について、以下の条件でX線結晶構造解析を行った。標記化合物のX線結晶構造を図2に示す。
分析機器:XtaLAB PRO P200 MM007HF (Rigaku, Japan)
ソフト:CrysAlisPro (Rigaku Oxford Diffraction)
X線:multi-layer mirror monochromated Cu-Kα (40 kV/30 mA)
測定法:ω axis oscillation method
カメラ長:35 mm
測定温度:-170℃
実施例4
(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドの合成
Figure 0007190612000017
(1)エチル (1R,3s,5S)-3-((S)-2-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
13mmスクリューキャップ試験管に、エチル (1R,3s,5S)-3-(トシルオキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(CAS No.2236076-85-8)(200mg,0.566mmol)、臭化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(17.5mg,0.057mmol)、4,4-ジ-tert-ブチル-2,2-ジピリジル(15.2mg,0.057mmol)、ヨウ化カリウム(94.0mg,0.566mmol)及びマンガン(62.2mg,1.13mmol)を加えた。次いで、tert-ブチル (S)-2-メチル-4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシラート(CAS No.876922-74-6)(195mg,0.566mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(4.0mL)溶液及び4-エチルピリジン(0.064mL,0.566mmol)を窒素気流下加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、80℃で12.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルで希釈した。不溶物を綿栓ろ過で除去し、溶出物を水及び酢酸エチルで分配した。水層を分取し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水で3回洗浄し減圧下濃縮し、カップリング反応生成物を粗生成物として得た。
得られた粗生成物のジクロロメタン(4.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に窒素を吹き付けることで溶媒を留去し、残渣をメタノールで希釈した。得られたメタノール溶液をWaters PоraPak Rxn(登録商標) CX(20cc(2g)cartridge)上に供した。固相をメタノール(20.0mL)で洗浄した後、アンモニア(2Nメタノール溶液,20mL)で溶出させた。溶出液を減圧下濃縮することで、標記化合物の粗生成物(120mg)を得た。
MS(ESI)m/z:279[M+H]
(2)エチル (1R,3s,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートの合成
エチル (1R,3s,5S)-3-((S)-2-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(120mg,0.431mmol)、10%パラジウム炭素(エヌ・イーケムキャット(株)、48.47%含水品、183mg,0.083mmol)及びメタノール(4.0mL)の混合物を水素雰囲気下、6.5時間撹拌した。不溶物をセライト(登録商標)ろ過で除き、減圧下濃縮することで還元体(113mg)をシス・トランスの混合物として得た。
MS(ESI)m/z:281[M+H]
得られた還元体(113mg)、2-クロロ-5-フルオロピリミジン(0.048mL,0.517mmol)、炭酸セシウム(281mg,0.862mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド(2.0mL)の混合物を100℃で8時間撹拌した。混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0-30%酢酸エチル/n-ヘプタン)で精製し、標記化合物(82.0mg)をシス・トランスの混合物として得た。
MS(ESI)m/z:377[M+H]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IF-3(3.0mm×50mm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(70:30),40℃,流速:1.2mL/分,検出:UV(210-400nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は1.02分であり、トランス体の保持時間は1.23分であった。シス:トランスは4:5(ピーク面積比)であり、光学純度は>99%eeであった。
得られたシス・トランスの混合物を、ダイセル製CHIRALPAK(登録商標)IF/SFC(3cmx25cm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(70:30)、120bar、40℃、流速:100mL/分)にて一回あたり10mgずつ分取し、先に溶出する保持時間5.55分の標記化合物(34.0mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.17(d,J=6.34Hz,3H),1.23(t,J=7.25Hz,3H),1.19-2.02(m,14H),3.09(ddd,J=13.70,10.99,5.66Hz,1H),4.10(q,J=7.10Hz,2H),4.17-4.30(m,3H),4.34(dd,J=13.59,7.25Hz,1H),8.13(s,2H).
MS(ESI)m/z:377[M+H]
(分析条件)ダイセル製CHIRALPAK(登録商標) IF-3(3.0mm×50mm)を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(移動相 CO2:メタノール(70:30),40℃,流速:1.2mL/分,検出:UV(245nm))
(分析結果)標記化合物の保持時間は1.02分であり、シス:トランスは>99:1であり、光学純度は>99%eeであった。
(3)(1R,3s,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成
エチル (1R,3s,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(34mg,0.09mmol)と48%臭化水素酸(2.0mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物に0℃で5N水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。混合物をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下濃縮することで標記化合物(21.7mg)を得た。
MS(ESI)m/z:305[M+H]
(4)(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドの合成
(1R,3s,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(5.00mg,0.016mmol)、炭酸カリウム(4.54mg,0.033mmol)、(S)-2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミド(8.24mg,0.033mmol)及びアセトニトリル(1.0mL)の混合物を室温で7日間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム(4.54mg,0.033mmol)及び(S)-2-ブロモ-2-シクロプロピルアセトアミド(8.24mg,0.033mmol)を加え、さらに室温で3日間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し減圧下濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をメタノールで希釈し、Waters PоraPak Rxn(登録商標) CX(6cc(400mg)cartridge)上に供した。固相をメタノール(6.0mL)で洗浄した後、アンモニア(2Nメタノール溶液,6mL)で溶出させた。溶出液を減圧下濃縮し、得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(NH,ジクロロメタン)で精製することで標記化合物(3.74mg)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.25-0.36(m,1H),0.39-0.51(m,1H),0.51-0.59(m,1H),0.59-0.70(m,1H),0.70-0.84(m,1H),1.18(d,J=6.34Hz,3H),1.21-1.55(m,9H),1.61-1.95(m,5H),2.04(d,J=9.06Hz,1H),3.10(ddd,J=13.70,10.99,5.21Hz,1H),3.15-3.28(m,1H),3.80-3.94(m,1H),4.17-4.29(m,1H),4.35(dd,J=13.59,7.25Hz,1H),5.18(brs,1H),6.94(brs,1H),8.14(s,2H).
MS(ESI)m/z:402[M+H]
(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミドの単結晶の調製及びX線結晶構造解析
実施例4で得られた標記化合物(0.81mg)をメタノール(600μL)に溶解した。そのうち200μLを入れたバイアルを、このバイアルよりひと回り大きく、tert-ブチルメチルエーテル2mLが入ったバイアルにゆっくり入れ、キャップを閉めた(蒸気拡散法)。12日後、バイアル中に標記化合物の単結晶を得た。得られた単結晶について、以下の条件でX線結晶構造解析を行った。標記化合物のX線結晶構造を図3に示す。
分析機器:XtaLAB PRO P200 MM007HF (Rigaku, Japan)
ソフト:CrysAlisPro (Rigaku Oxford Diffraction)
X線:multi-layer mirror monochromated Cu-Kα (40 kV/30 mA)
測定法:ω axis oscillation method
カメラ長:35 mm
測定温度:-170℃
薬理試験例
実施例1~4の化合物を用いて、以下の薬理試験を行った。
試験例1-1 OX1R及びOX2Rに対する作動活性評価
hOX1R、hOX2Rを強制発現させたHuman Embryonic Kidney cells 293(HEK293)細胞を384ウェルのマイクロプレート(Greiner)の各ウェルに10,000個となるように播種し、10% FBS(サーモサイエンティフィック)及び1% Penicillin-Streptomycin(富士フイルム和光純薬)添加した高グルコースDMEM(富士フイルム和光純薬)で24時間培養した。培地を除去後、Calcium 4 dye(Molecular Device Corporation)及び2.5mM プロベネシド(シグマアルドリッチ)を含むアッセイ用緩衝液(20mM HEPES(シグマアルドリッチ)、Hank’s balanced salt solution(ギブコ)、0.1% BSA(シグマアルドリッチ)、0.1% Pluronic F-127(Biotium,Inc.))を40μL添加し、60分間インキュベートした。アッセイ用緩衝液20μLを更に添加した後に、被験化合物を含むアッセイ用緩衝液20μLを添加し、反応を開始した。反応による細胞内カルシウムイオン濃度の変化は、FDSS7000(浜松ホトニクス)を用いて、480nm及び540nmの二波長励起による蛍光強度比を蛍光値として測定することにより測定した。なお、被験化合物は10mMとなるようにDMSOに溶解し、最終濃度が3x10-10Mから1x10-7Mとなるようにアッセイ用緩衝液で希釈した(DMSOの最終濃度は0.1%)。化合物を含まない緩衝液を添加したウェルの蛍光値を0%、OX-A(ペプチド研究所)
10nMを添加したウェルの蛍光値を100%として算出し、種々の濃度の被験化合物を添加した際の蛍光値から、50%作動作用濃度(EC50値)を求めた。表1に各化合物の作動活性値を示した。
Figure 0007190612000018
試験例1-2 OX1R及びOX2Rに対する作動活性評価
hOX1R、hOX2Rを強制発現させたHuman Embryonic Kidney cells 293(HEK293)細胞を384ウェルのマイクロプレート(Greiner)の各ウェルに10,000個となるように播種し、10% FBS(サーモサイエンティフィック)及び1% Penicillin-Streptomycin(富士フイルム和光純薬)添加した高グルコースDMEM(富士フイルム和光純薬)で1日培養した。培地を除去後、Calcium 4 dye(Molecular Device Corporation)及び2.5mM プロベネシド(シグマアルドリッチ)を含むアッセイ用緩衝液(20mM HEPES(シグマアルドリッチ)、Hank’s balanced salt solution(ギブコ)、0.1% BSA(シグマアルドリッチ)、0.1% Pluronic F-127(Biotium,Inc.))を30μL添加し、60分間インキュベートした。被験化合物を含むアッセイ用緩衝液30μLを添加し、反応を開始した。反応による細胞内カルシウムイオン濃度の変化は、FDSS7000(浜松ホトニクス)を用いて、480nm及び540nmの二波長励起による蛍光強度比を蛍光値として測定することにより測定した。なお、被験化合物は10mMとなるようにDMSOに溶解し、最終濃度が3x10-11Mから1x10-5Mとなるようにアッセイ用緩衝液で希釈した(DMSOの最終濃度は0.1%)。化合物を含まない緩衝液を添加したウェルの蛍光値を0%、OX-A(ペプチド研究所)10nMを添加したウェルの蛍光値を100%として算出し、種々の濃度の被験化合物を添加した際の蛍光値から、50%作動作用濃度(EC50値)を求めた。表2に各化合物の作動活性値を示した。
Figure 0007190612000019
試験例2 自発運動量の増加について
マウスにおける運動量の増加は、覚醒時間の増加、体温の上昇、心脈管系パラメータの増強などと共に、覚醒作用の指標の1つである。この試験例では覚醒作用を、マウスの自発運動量を測定することにより評価した。実験には、雄性のC57BL/6NCrlマウス(18-19週齢、日本チャールス・リバー、各群4例ずつ)を用いた。自発運動量は、運動量測定装置(VersaMaxオープンフィールド、AccuScan Instruments, Inc.)を使用して測定ケージの側部から赤外線を照射し、マウスが照射線を通過する回数を定量することで測定した。マウスを測定ケージに入れ3時間馴化させた後、化合物を経口投与した(10mg/kg)。自発運動量は、投与後2時間測定した。試験化合物投与群は、試験化合物を5%(v/v)DMSO及び5%(v/v)Kolliphor(登録商標) ELを含む0.1moL/L塩酸に溶解した溶液をマウスに投与した。対照群には、試験化合物を含まない上記溶媒のみをマウスに投与した。
結果を表3に示す。自発運動量は対照群の自発運動量を100%とした時の試験化合物投与群の自発運動量を%で表す。
Figure 0007190612000020
表3から明らかなように、本発明の化合物はマウスの自発運動量を増強した。即ち、本発明の化合物は覚醒効果を有することが示された。
試験例3 本発明化合物の野生型マウスへの暗期経口投与による覚醒効果
実験動物は、C57BL/6系統の野生型(WT)雄性マウスを用いた。13週齢のマウスにイソフルラン麻酔下にて脳波及び筋電図測定用電極埋め込み手術を行った。手術後、照明サイクルや実験操作への馴化を経てから、脳波及び筋電図の測定を実施し、脳波及び筋電図が正常に記録できるマウスを実験に供した。溶媒(0mg/kg)または実施例1の化合物を溶媒に溶解した溶液;1、3または10mg/kg)を消灯の30~15分前に経口投与した。なお、溶媒は5%(v/v)DMSO及び5%(v/v)Kolliphor(登録商標) ELを含む0.1moL/L塩酸溶液を用いた。脳波及び筋電図は消灯1時間前から約24時間記録した。マウスは2日以上のウォッシュアウト期間を設け、繰り返し使用した。得られた各マウスの脳波及び筋電図データは、睡眠解析ソフトウェア(SleepSign;キッセイコムテック株式会社)を利用して、1エポック(10秒)ごとに睡眠ステージを判定した。1例ごとに消灯後に最初の睡眠(non-REM睡眠から始まる8エポック以上の睡眠)が現れるまでの時間(睡眠潜時)を計測した。各投与群の例数を16とし、睡眠潜時についての溶媒投与群(対照群)と実施例1の化合物投与群間の比較は実験回と同一個体の対応を考慮した生存時間解析後のDunnet型多重比較検定を行い、いずれも有意水準は両側5%とした。
溶媒及び1、3及び10mg/kgの実施例1の化合物を投与したマウスの睡眠潜時はそれぞれ、0.23時間、0.28時間、0.44時間及び2.07時間であった。また、3または10mg/kgの実施例1の化合物投与群では溶媒投与群と比較して有意に睡眠潜時が増加した。すなわち、マウスにとって活動期の始まりである明期(ZT12)に実施例1の化合物を経口投与したところ、投与量依存的な睡眠潜時の延長が確認された。
試験例4 本発明化合物のオレキシン欠損マウス(オレキシン/アタキシン3マウス)への暗期経口投与による覚醒効果、及びカタプレキシー様行動抑制効果
実験動物は、C57BL/6系統を遺伝的背景とするオレキシン/アタキシン3マウス(orexin/ataxin-3 Tg/+(以下「Tgマウス」と表記)、Hara et al., Neuron, 30, 345-54, 2001)、コントロールとして同腹仔の野生型マウス(以下「WTマウス」と表記)を用いた。12週齢(±2週)のマウスにイソフルラン麻酔下にて脳波及び筋電図測定用電極埋め込み手術を行った。手術後、照明サイクルや実験操作への馴化を経てから、脳波及び筋電図測定を実施し、脳波及び筋電図が正常に記録できるマウスを実験に供した。溶媒(0mg/kg)または検体(実施例1の化合物を溶媒に溶解した溶液;0.3、1、または3mg/kg)を消灯の30~15分前に経口投与した。なお、溶媒は5%(v/v)DMSO及び5%(v/v)Kolliphor(登録商標) ELを含む0.1moL/L塩酸溶液を用いた。脳波及び筋電図は消灯1時間前から約24時間記録した。マウスは2日以上のウォッシュアウト期間を設け、繰り返し使用した。得られた各マウスの脳波及び筋電図データは、睡眠解析ソフトウェア(SleepSign;キッセイコムテック株式会社)を利用して、1エポック(10秒)ごとに最大4時間まで睡眠ステージを判定した。本実験でのカタプレキシー様症状とは、連続4エポック以上の覚醒状態の直後にREM睡眠が出現する現象(direct transitions from wake to REM sleep(DREM))を意味する。マウスのDREMは人でのカタプレキシーのアナログである(Exp Neurol. 2009;217:46-54)。1例ごとに消灯後に最初の睡眠(DREMを除き、連続8エポック以上の睡眠)が現れるまでの時間(睡眠潜時)及び最初のDREMが現れるまでの時間(DREM潜時)を計測した。例数は溶媒投与群は8で、実施例1の化合物投与群は14である。睡眠潜時についての病態対照群と化合物投与群間の比較は実験回と同一個体の対応を考慮した生存時間解析後のDunnet型多重比較検定を行い、いずれも有意水準は両側5%とした。また、DREM潜時についての正常対照群と病態対照群間の比較は、実験回と同一個体の対応を考慮した生存時間解析にて行った。上記の検定が有意であった場合の病態対照群と実施例1の化合物投与群間の比較は実験回と同一個体の対応を考慮した生存時間解析後のDunnet型多重比較検定を行い、いずれも有意水準は両側5%とした。
溶媒及び0.3、1及び3mg/kgの実施例1の化合物を投与したTgマウスの睡眠潜時はそれぞれ、0.21時間、0.31時間、0.64時間、及び2.42時間で、1及び3mg/kgの実施例1の化合物投与群では有意に睡眠潜時が増加した。すなわち、マウスにとって活動期の始まりである明期(ZT12)に実施例1の化合物を経口投与したところ、オレキシン欠損マウスでは1mg/kgから投与量依存的に睡眠潜時の延長が確認された。
WTマウスにおける媒体投与時のDREM潜時は4.00時間であった。一方、Tgマウスにおける溶媒及び0.3、1及び3mg/kgの実施例1の化合物体投与時のDREM潜時はそれぞれ1.16時間、1.50時間、2.26時間及び4.00時間であり、0.3、1及び3mg/kgの実施例1の化合物投与群においては溶媒投与群と比較して、有意かつ投与量依存的なDREM潜時の増加が確認された。すなわち、オレキシン欠損マウスが呈するカタプレキシー様症状(DREM)は、本発明の化合物の投与により投与量依存的に抑制された。

Claims (5)

  1. 下記式(I)
    Figure 0007190612000021

    で表される(2R)-2-シクロプロピル-2-{(1R,3S,5S)-3-[(3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル}アセトアミド、
    下記式(II)
    Figure 0007190612000022

    で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-メチルブタンアミド、
    下記式(III)
    Figure 0007190612000023

    で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミド、
    及び
    下記式(IV)
    Figure 0007190612000024

    で表される(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミド
    からなる群から選ばれる一つの化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
  2. 下記式(I)
    Figure 0007190612000025

    で表される(2R)-2-シクロプロピル-2-{(1R,3S,5S)-3-[(3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル}アセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
  3. 下記式(II)
    Figure 0007190612000026

    で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-メトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-メチルブタンアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
  4. 下記式(III)
    Figure 0007190612000027

    で表される(R)-2-((1R,3S,5S)-3-((3S,4R)-1-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-エトキシピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-2-シクロプロピルアセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
  5. 下記式(IV)
    Figure 0007190612000028

    で表される(R)-2-シクロプロピル-2-((1R,3S,5S)-3-((2S,4S)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2-メチルピペリジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アセトアミド又はその薬剤学的に許容される塩。
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