JP7190231B2 - 摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法 - Google Patents

摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法 Download PDF

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Description

本願は、摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法に関するものである。
例えばエンジン、圧縮機、ポンプなどの各製品の内部機構において、複数の材料が互いに摺動する箇所が存在する。この摺動する箇所において摩擦力の低減が必要になる場合がある。摩擦力を低減するための対策として、摺動する部材の材質、表面処理、表面性状、および表面形状を選定するということが考えられる。この選定を、摺動する各材質の摩擦係数に基づいて行う場合に、各製品と同じ動きをする試験片を用いた摩擦係数の測定装置および測定方法が必要になる。
従来技術として、回転ステージと、Z軸ステージと、Z軸ステージモータと、Z軸変位部材と、センサターゲットと、Z軸変位センサと、面内変位センサとを有する摩擦試験装置が知られている。この摩擦試験装置では、回転ステージに固定されて回転している一方の被摩擦試験片に、他方の被摩擦試験片が接触するまでZ軸ステージを移動させ、他方の被摩擦試験片と一方の被摩擦試験片との間に荷重が加わるようにZ軸ステージモータを駆動する。一方の被摩擦試験片から反力が生じるとZ軸変位部材が縮む。他方の被摩擦試験片はセンサターゲットと一緒に接線方向であるY軸方向に変位し、同時にZ軸変位部材が縮むことによってセンサターゲットはZ軸方向に変位する。センサターゲットのZ軸方向の変位はZ軸変位センサによって測定し、Y軸方向の変位は面内変位センサで測定する。これによって摩擦力を求める(特許文献1参照)。
特許第4833051号公報(段落[0034])
特許文献1に係る従来技術では、一方の被摩擦試験片をXY平面内で回転させる動きしか再現できないという問題点がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、試験片が円運動する状態と直線運動する状態とを1つの駆動源によって実現し、それぞれの動きにおける摩擦係数を測定できる摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法を提供することを目的とする。
本願に開示される摩擦係数測定装置は、鉛直方向をZ方向とし、水平な一方向をX方向とし、前記X方向に垂直かつ水平な方向をY方向とし、
第1試験片を前記Z方向に移動させ、第2試験片を前記X方向および前記Y方向を含む面内で移動させ、前記第1試験片を前記第2試験片に対して押圧したときの、前記第1試験片と前記第2試験片との間の摩擦係数を測定する摩擦係数測定装置において、
上面に載置面が形成され、前記Z方向に貫通する第1貫通孔が形成される基台と、
前記載置面上に取付けられるXYテーブルと、
前記XYテーブルの上方に設けられ、前記Z方向に中軸を駆動するZ軸駆動部と、
前記第1貫通孔の下方に設けられ、前記Z方向の回転軸線周りに出力軸を回転駆動する回転駆動部と、
前記回転駆動部の前記出力軸の回転によって上端部が偏心して回転するクランクシャフトと、
前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを測定する測定部と、
前記測定部の結果から前記摩擦係数を算出する演算部とを備え、
前記XYテーブルは、
前記載置面上に取付けられ、前記Z方向に貫通する第2貫通孔が形成され、前記X方向にのみ移動するX軸テーブルと、
前記X軸テーブルの上面に取付けられ、前記X軸テーブルに対して、前記Y方向にのみ移動するY軸テーブルとを有し、
前記X軸テーブルの前記第2貫通孔は、前記Y方向において、前記回転駆動部の前記出力軸が回転したときに、前記クランクシャフトの前記上端部が移動するY方向の範囲以上に広く形成され、
前記X軸テーブルは、前記Y軸テーブルよりも前記X方向に長く形成され、前記Y軸テーブルの可動域から前記Z方向に露出する露出領域を有し、
前記クランクシャフトの前記上端部は、前記Y軸テーブルの裏面部に回転自在に取付けられ、
前記クランクシャフトは、前記Y軸テーブルの前記裏面部と前記回転駆動部の前記出力軸とを、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を経由して接続し、
前記Z軸駆動部の前記中軸は、前記Y軸テーブルの上面と、前記X軸テーブルの前記露出領域とにおいて、前記第1試験片を前記第2試験片に対し、押圧可能に設けられるようにしたものである。
また、本願に開示される摩擦係数測定方法は、前記摩擦係数測定装置を用い、
前記Y軸テーブルの上方において前記Z軸駆動部を駆動する第1駆動工程と、
前記X軸テーブルの前記露出領域の上方において前記Z軸駆動部を駆動する第2駆動工程と、
前記回転駆動部を駆動する第3駆動工程と、
前記第1駆動工程および前記第3駆動工程を同時に行うことによって、前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを前記測定部によって測定する第1測定工程と、
前記第2駆動工程および前記第3駆動工程を同時に行うことによって、前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを前記測定部によって測定する第2測定工程と、
前記第1測定工程および前記第2測定工程の少なくとも一方の測定工程によって得られた測定結果に基づいて、前記演算部によって前記摩擦係数を算出する演算工程とを有するようにしたものである。
本願に開示される摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法によれば、試験片が円運動する状態と直線運動する状態とを1つの駆動源によって実現し、それぞれの動きにおける摩擦係数を測定できる摩擦係数測定装置および摩擦係数測定方法が得られる。
実施の形態1による摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である。 実施の形態1におけるXYテーブル、ベース板およびモータの斜視図である。 実施の形態1におけるXYテーブル、ベース板およびモータから、Y軸テーブルを除いて示した斜視図である。 実施の形態1におけるモータおよびクランクシャフトの斜視図である。 実施の形態1による摩擦係数測定装置の斜視図である。 実施の形態1による摩擦係数測定装置から、Z軸駆動部、トップ板およびトップ板脚部を除き、2軸倣い機構を残して示した斜視図である。 実施の形態1における2軸倣い機構の平面図である。 実施の形態1においてZ軸駆動部の下方にモータが位置するときの、出力軸の回転によるXYテーブルの動きを表す平面図である。 実施の形態1において、X軸テーブルの上面に第2試験片を載置したときの摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である。 実施の形態1においてZ軸駆動部の下方にX軸テーブルの露出領域が位置するときの、出力軸の回転によるXYテーブルの動きを表す平面図である。 実施の形態1による摩擦係数測定方法において、第2試験片を円運動させて摩擦係数を測定する各工程を表すフローチャートである。 実施の形態1による摩擦係数測定方法において、図11の続きの各工程を表すフローチャートである。 実施の形態1による摩擦係数測定方法において、第2試験片を直線運動させて摩擦係数を測定する各工程を表すフローチャートである。 実施の形態1による摩擦係数測定方法において、図13の続きの各工程を表すフローチャートである。 実施の形態2による摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である 実施の形態2において、X軸テーブルの上面に第2試験片を載置したときの摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である。 実施の形態3において、Y軸テーブルの上面に第2試験片を載置したときの摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である。 実施の形態3において、X軸テーブルの上面に第2試験片を載置したときの摩擦係数測定装置を側方から見た断面図である。 実施の形態3において、シリンダ電流を垂直抗力に換算する基準を表す表である。 実施の形態3において、シリンダ電流を垂直抗力に換算するグラフである。 実施の形態3において、モータ電流を垂直抗力に換算する基準を表す表である。 実施の形態3において、モータ電流を垂直抗力に換算するグラフである。 実施の形態3による摩擦係数測定方法の各工程を表すフローチャートである。 実施の形態3における、図23の続きの各工程を表すフローチャートである。 実施の形態4による摩擦係数測定装置の構成を側方から見た断面図である。 実施の形態5による摩擦係数測定装置の構成を側方から見た断面図である。
以下、図面を参照しながら複数の実施の形態について説明する。以下の説明においては、各実施の形態に先行する実施の形態で、すでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略す場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施の形態と同様とする。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による摩擦係数測定装置100の構成を側方から見た断面図である。後述する図9も、実施の形態1による摩擦係数測定装置100の構成を側方から見た断面図であり、図1と図9とでは、モータ50の取付け位置が異なる。摩擦係数測定装置100は、X軸テーブル21またはY軸テーブル31の上に載置した第2試験片72に、上方から第1試験片71を押し付け、第1試験片71および第2試験片72の間の摩擦係数を測定する装置である。図1では、第2試験片72を円運動させる構成であり、図9は、第2試験片72を直線運動させる構成である。ここではまず、第2試験片72を円運動させる図1の構成について説明する。
摩擦係数測定装置100は、基台としてのベース板10と、XYテーブル230と、シリンダ41およびピストンロッド42(特許請求の範囲における中軸)を有するZ軸駆動部40と、回転駆動部としてのモータ50と、上端部61がモータ50の出力軸51から偏心しているクランクシャフト60とを備えている。ベース板10の上面は載置面11として水平に形成され、載置面11上にXYテーブル230が設けられる。載置面11に垂直な鉛直方向をZ方向とし、図面では上方をZ+、下方をZ-として表す。
摩擦係数測定装置100は、ピストンロッド42とXYテーブル230との間に、押し付ける側の第1試験片71と、押し付けられる側の第2試験片72とを設け、第1試験片71と第2試験片72との間の摩擦に係る摩擦係数を測定する。このために摩擦係数測定装置100は、垂直抗力の大きさと摩擦力の大きさとを測定する測定部を備える。本実施の形態では、第1試験片71とピストンロッド42との間に、測定部としての荷重計90を設ける。第2試験片72は、X軸テーブル21またはY軸テーブル31の上面に配置され(図1には、第2試験片72がY軸テーブル31上に配置されるときの構成を表している)、ピストンロッド42をシリンダ41によって押し下げることによって、ピストンロッド42の下端部に取付けられた第1試験片71を、第2試験片72に押し付ける。このとき、X軸テーブル21およびY軸テーブル31は、モータ50によって駆動され、Y軸テーブル31は同一の姿勢で円運動をし、X軸テーブル21は、直線運動をする。
ベース板10には、Z方向にベース板10を貫通する第1貫通孔14が形成される。X軸テーブル21には、Z方向にX軸テーブル21を貫通する第2貫通孔24が形成される。モータ50は、第1貫通孔14の下方に設けられる。第1貫通孔14および第2貫通孔24の位置関係については、後述する。
図2は、XYテーブル230、ベース板10およびモータ50の斜視図である。図3は、図2の斜視図から、Y軸テーブル31を取り除いて示した斜視図である。XYテーブル230は、載置面11上に設けられるX軸テーブル21と、X軸テーブル21の上面に設けられるY軸テーブル31とを有する。X軸テーブル21は、ベース板10に対して、載置面11に平行な1つの方向にのみ移動する。X軸テーブル21が移動する方向をX方向とする。Z方向およびX方向の両方に垂直な方向をY方向とする。
載置面11上には、2本のX軸レール22がX方向に延びて設けられ、X軸テーブル21はX軸レール22に沿って、ベース板10に対してX方向にのみ移動する。X軸テーブルの上面には、2本のY軸レール32がY方向に延びて設けられ、Y軸テーブル31はY軸レール32に沿って、X軸テーブル21に対してY方向にのみ移動する。
図4は、モータ50およびクランクシャフト60の斜視図である。図1では摩擦係数測定装置100の構成を模式的に図示しているけれども、実際のクランクシャフト60は、図4に示す形状である。モータ50は、出力軸51を上方に向けて設けられ、出力軸51はZ方向に延びる回転軸線O周りに回転する。出力軸51の上方の端部には、クランクシャフト60が取付けられる。モータ50の出力軸51が回転すると、クランクシャフト60の上端部61は回転軸線Oから偏心して回転する。図1に示すように、クランクシャフト60の上端部61は、ベアリング62を介してY軸テーブル31の裏面部に、回転自在に取付けられる。これによってクランクシャフト60は、ベース板10の第1貫通孔14およびX軸テーブル21の第2貫通孔24を経由してY軸テーブル31およびモータ50の出力軸51を接続する。シリンダ41およびピストンロッド42の下方に位置する第1貫通孔14の領域を、第1領域14aと称する。
図5は、摩擦係数測定装置100の斜視図である。ベース板10の上方には、シリンダ41およびピストンロッド42を設ける。シリンダ41は、電動式でピストンロッド42をZ方向に出し入れし、ピストンロッド42を下方に押し出す力は、シリンダ41に流れる電流を制御することによって制御する。ベース板10の載置面11の上方には、シリンダ41を支持する支持部材として、トップ板43およびトップ板43をベース板10の載置面11に固定する支柱44が設けられる。図5の斜視図では、X軸テーブル21およびY軸テーブル31が見やすいように、支柱44の一部は省略して図示している。図1に示すように、ピストンロッド42の下端部には、2軸倣い機構45(特許請求の範囲における倣い機構)が設けられる。2軸倣い機構45は、ピストンロッド42の下端部に取付けられた第1試験片71が、第2試験片72に押し付けられたときに、第1試験片71の下面と第2試験片72の上面とが、互いに平行となるように、第1試験片71の姿勢が変化することを許容するための機構である。
図6は、摩擦係数測定装置100から、シリンダ41、ピストンロッド42、トップ板43および支柱44を省略し、2軸倣い機構45を残して示した斜視図である。図7は、2軸倣い機構45の平面図である。図7では、2軸倣い機構45を成す各部材の役割を明確化するために、構造の概略を示しているが、実際の2軸倣い機構45は、図6に示す形状である。2軸倣い機構45は、水平な姿勢を維持する水平板450と、水平板450に第1回転軸81によって接続され、第1回転軸81周りに自由に傾斜可能な第1傾斜板451と、第1傾斜板451に対して第2回転軸82によって接続され、第2回転軸82周りに自由に傾斜可能な第2傾斜板452とを有する。図7に示すように、第2傾斜板452は第1傾斜板451の孔の内部に設けられ、第1傾斜板451は、水平板450の孔の内部に設けられる。第1回転軸81の方向と第2回転軸82の方向とは互いに垂直であり、水平板450および第1回転軸81は、ベース板10の載置面11に平行である。これによって第2傾斜板452は、外力に応じて傾きを自由に変化させることができる。第1試験片71は、第2傾斜板452に取付けられることによって、第1試験片71の傾きを自由に変化させることができる。ただし水平板450、第1傾斜板451および第2傾斜板452は、Z方向の軸線周りに回転をしないので、第2傾斜板452に取付けられた第1試験片71も、Z方向の軸線周りには回転しない。
図1および図5に示すように、トップ板43に固定されるシリンダ41の側方には、水平板450を案内することによって、水平板450の姿勢を水平に保つ2本の案内部材46が設けられる。各案内部材46はZ方向に長い棒状の部材であり、トップ板43をZ方向に貫通する孔に沿ってZ方向に移動する。各案内部材46の下端部には、2軸倣い機構45の水平板450が取付けられる。各案内部材46のトップ板43に対する高さは、2本の案内部材46において互いに同じ高さを維持する機構が備えられ、これによって水平板450は水平を維持する。また案内部材46が設けられることによって、水平板450、第1傾斜板451および第2傾斜板452が、Z方向の軸線周りに回転することは阻止されている。
図1に示すように、ピストンロッド42の下端部には2軸倣い機構45が取付けられ、2軸倣い機構45の下面には荷重測定部を成す荷重計90が取付けられ、荷重計90の下面には、第1試験片71が取付けられるとともに、第1試験片71の温度を計測する熱電対91が取付けられる。第2試験片72はY軸テーブル31の上面に固定される。荷重計90は、第1試験片71と第2試験片72との間の垂直抗力を測定するとともに、第1試験片71と第2試験片72との間の摩擦力を測定する。
荷重計90、および熱電対91は制御装置120に接続される。制御装置120は、荷重計90の測定結果から第1試験片71および第2試験片72の間の摩擦係数を算出する演算部121と、Z軸駆動部40およびモータ50の制御を行う制御部122とを有している。シリンダ41にはシリンダ駆動用の第1サーボアンプ47が接続され、第1サーボアンプ47は、制御部122によって制御される。またモータ50にはモータ駆動用の第2サーボアンプ48が接続され、第2サーボアンプ48は、制御部122によって制御される。また制御装置120には、摩擦係数などの結果を記録する記録部123が設けられる。
図8は、モータ50の出力軸51が回転するときの、ベース板10上におけるXYテーブル230の動きを表す平面図である。図8では、クランクシャフト60の上端部61が点A、点B、点C、および点Dに位置するときの平面図を並べて表示している。上端部61が、点A、点B、点C、および点Dのうち最もX+側の位置、点Aにあるとき、XYテーブル230はベース板10に対して最もX+側に位置する。この状態から上端部61が、点Bに移動すると、Y軸テーブル31はX軸テーブル21に対して、Y+の向きに移動する。またX軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX-の向きに移動する。上端部61が点Aから点Bに移動したことによって、Y軸テーブル31がベース板10に対してY方向に移動した距離、およびX軸テーブル21がベース板10に対してX方向に移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。第1試験片71は、回転軸線O上に配置され、第2試験片72は、Y軸テーブル31上に配置される。図8において、上端部61が点Aから点Bに至るまでに、第1試験片71が第2試験片72上を移動した軌跡を、実線T1で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、移動範囲の最もY+側の位置、点Bにあるとき、Y軸テーブル31は、ベース板10およびX軸テーブル21に対して最もY+側に位置する。この状態から上端部61が、点Cに移動すると、Y軸テーブル31はX軸テーブル21に対して、Y-の向きに移動する。またX軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX-の向きに移動する。上端部61が点Bから点Cに移動したことによって、Y軸テーブル31がベース板10に対してY方向に移動した距離、およびX軸テーブル21がベース板10に対してX方向に移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。図8において、上端部61が点Aから点Bを経て点Cに至るまでに、第1試験片71が第2試験片72上を移動した軌跡を、実線T2で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、移動範囲の最もX-側の位置、点Cにあるとき、XYテーブル230は、ベース板10に対して最もX-側に位置する。この状態から上端部61が、点Dに移動すると、Y軸テーブル31はX軸テーブル21に対して、Y-の向きに移動する。またX軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX+の向きに移動する。上端部61が点Cから点Dに移動したことによって、Y軸テーブル31がベース板10に対してY方向に移動した距離、およびX軸テーブル21がベース板10に対してX方向に移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。図8において、上端部61が点Aから点Bおよび点Cを経て点Dに至るまでに、第1試験片71が第2試験片72上を移動した軌跡を、実線T3で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、移動範囲の最もY-側の位置、点Dにあるとき、Y軸テーブル31は、ベース板10およびX軸テーブル21に対して最もY-側に位置する。この状態から上端部61が、点Aに移動すると、Y軸テーブル31はX軸テーブル21に対して、Y+の向きに移動する。またX軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX+の向きに移動する。上端部61が点Dから点Aに移動したことによって、Y軸テーブル31がベース板10に対してY方向に移動した距離、およびX軸テーブル21がベース板10に対してX方向に移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。
クランクシャフト60の上端部61が、点Aから点B、点Cおよび点Dを経て再び点Aに戻るとき、Y軸テーブル31のクランクシャフト60の上端部61に支持された部分は、姿勢を一定に保った状態で、モータ50の回転軸線Oを中心とする円周E上を移動する。これによって第2試験片72は、Y軸テーブル31とともに同一の姿勢で円運動をする。Z方向に見てモータ50の回転軸線O上の第1試験片71の位置は、ベース板10上において変化せず、第1試験片71の第2試験片72上の軌跡は、図8において実線T1~T3で示すように、円を成す。第2試験片72は、Y軸テーブル31において、第1試験片71の軌跡が描く円よりも広い範囲に載置される。
第2試験片72がY軸テーブル31とともにベース板10に対して円運動するのに対し、第1試験片71は、ベース板10に対して、水平な方向には同一の位置を保つ。第1試験片71は、この状態でZ方向に移動し、第2試験片72に押し付けられるので、第2試験片72がY軸テーブル31上にあるとき、第1試験片71と第2試験片72との間には、第2試験片72が円運動をすることによる摩擦が生じる。
図8に示すように、X軸テーブル21のX方向の長さは、Y軸テーブル31のX方向の幅寸法よりも長く設定される。したがってX軸テーブル21の一部はY軸テーブル31からZ方向に露出している。X軸テーブル21の上面のうち、Y軸テーブル31の可動域から常に露出しているこの領域を、露出領域Gと称する。図8では、露出領域Gを斜線で表している。
次に、第2試験片72を直線運動させて、摩擦係数を測定する場合について説明する。
図9は、X軸テーブル21の上面に第2試験片72を載置した状態を示す。図9と図1とを比較すると分かるように、図9に示す状態におけるベース板10と、トップ板43と、支柱44と、シリンダ41との位置関係は、図1に示す状態と同様である。これに対し、図9に示す状態において、ベース板10に対するモータ50、XYテーブル230、およびクランクシャフト60の位置は、図1に示す状態よりもX+側に移動している。図9に示す状態においてシリンダ41は、X軸テーブル21の露出領域Gの上方に位置している。
図10は、図9に示す状態において、モータ50の出力軸が回転するときの、ベース板10上におけるXYテーブル230の動きを表す平面図である。図10では、クランクシャフト60の上端部61が点A、点B、点C、および点Dに位置するときの平面図を並べて表示している。またピストンロッド42の鉛直下方に位置する露出領域G上の点を、点Fとして示している。第2試験片72は、露出領域G上に載置され、第1試験片71は、露出領域G上の点Fの位置に載置される。クランクシャフト60の上端部61が点Aに位置するとき、XYテーブル230は移動範囲の最もX+側に位置しており、したがって第2試験片72は、露出領域G上の点Fの移動範囲のうち、最もX-側に位置する。この状態から上端部61が、点Bに移動すると、Y軸テーブル31がY+の向きに移動するとともに、X軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX-の向きに移動する。これによって第2試験片72は、相対的に露出領域G上をX+に移動する。上端部61が点Aから点Bに移動したことによって、X軸テーブル21が移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。図10において、上端部61が点Aから点Bに至るまでに、点Fの位置にある第1試験片71が露出領域G上を移動した軌跡を、実線T5で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、移動範囲の最もY+側の位置、点Bにある状態から、上端部61が、点Cに移動すると、Y軸テーブル31がY-の向きに移動するとともに、X軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX-の向きに移動する。これによって第2試験片72は、相対的に露出領域G上をX+の向きに移動する。上端部61から点Bから点Cに移動したことによって、X軸テーブル21が移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。図10において、上端部61が点Aから点Bを経て点Cに至るまでに、点Fの位置にある第1試験片71が露出領域G上を移動した軌跡を、実線T6で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、点A、点B、点C、および点Dのうち、最もX-側の位置、点Cにある状態から、上端部61が点Dに移動すると、Y軸テーブル31がY-の向きに移動するとともに、X軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX+の向きに移動する。これによって第2試験片72は、相対的に露出領域G上をX-の向きに移動する。上端部61が点Cから点Dに移動したことによって、X軸テーブル21が移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。図10において、上端部61が点Aから点Bおよび点Cを経て点Dに至るまでに、点Fの位置にある第1試験片71が露出領域G上を移動した軌跡を、実線T7で表す。
クランクシャフト60の上端部61が、移動範囲の最もY-側の位置、点Dにある状態から、上端部61が、点Aに移動すると、Y軸テーブル31がY+の向きに移動するとともに、X軸テーブル21は、Y軸レール32によって押されて、Y軸テーブル31とともにX+の向きに移動する。これによって第2試験片72は、相対的に露出領域G上をX-の向きに移動する。上端部61が点Dから点Aに移動したことによって、X軸テーブル21が移動した距離は、上端部61の軌跡が成す円周Eの、半径Rに等しい。
第2試験片72がX軸テーブル21とともにX方向に延びる線分上を移動するのに対し、第1試験片71は、ベース板10に対して、水平な方向には同一の位置を保つ。第1試験片71は、この状態でZ方向に移動し、第2試験片72に押し付けられるので、第2試験片72がX軸テーブル21の露出領域G上にあるとき、第1試験片71と第2試験片72との間には、第2試験片72が直線運動をすることによる摩擦が生じる。
図9および図10に示す状態において、モータ50の出力軸51は、Y軸テーブル31の下方に位置する。このとき、ピストンロッド42は、X軸テーブル21の露出領域Gの上方に位置する。このときのモータ50が設置される領域を、第2領域14bと称する。ベース板10には、図10においてクランクシャフト60の上端部61の軌跡が成す円周Eを内包する領域に、円周Eよりも大きな第1貫通孔14が形成されている。第1領域14aと第2領域14bとを含む範囲に形成される第1貫通孔14は、第1領域14aから第2領域14bまでのX方向において、連続的に形成される。これによってベース板10には、クランクシャフト60がY軸テーブル31の裏面部とモータ50の出力軸51とを接続した状態のまま、X方向に移動可能となる。
図8および図10に示すように、X軸テーブル21に形成される第2貫通孔24は、クランクシャフト60の上端部61が移動するY方向の範囲を含み、この範囲よりもY方向に大きな範囲に形成される。これによってクランクシャフト60の上端部61は、上端部61が最もY+側に位置するときにも、最もY-側に位置するときにも、常にX軸テーブル21の第2貫通孔24内に位置することができる。これに対し、X軸テーブル21の第2貫通孔24の、X方向の内寸は、クランクシャフト60がY軸テーブル31の裏面部とモータ50の出力軸51とを接続するように、クランクシャフト60を配置できる内寸であれば良い。したがって第2貫通孔24のX方向の内寸は、少なくとも上端部61をY軸テーブル31の裏面部に取付けているベアリング62の直径よりも、大きく設定される。逆に、第2貫通孔24のX方向の内寸の上限については限定しない。X軸テーブル21がモータ50の出力軸51の回転によって直線運動するとき、X軸テーブル21はY軸レール32によって押されて移動するので、X軸テーブル21にX方向にどのような内寸を有する第2貫通孔24が形成されても、Y軸レール32が設置でき、充分な大きさの露出領域Gが形成できれば良い。図8および図10には、Y方向に長く形状に形成される第2貫通孔24を図示している。
次に、摩擦係数測定方法について説明する。
図11および図12は、摩擦係数測定方法において、第1試験片71と、円運動する第2試験片72との間の摩擦係数を測定する各工程を表すフローチャートである。本処理の開始前に、第1試験片71はピストンロッド42の下端部に取付け、第2試験片72は、Y軸テーブル31の上面に載置しておく。まず、モータ設置工程Aにおいて、モータ50を第1領域14aの下方に設置する(ステップST1a)。このときピストンロッド42の鉛直下方にY軸テーブル31およびモータ50が位置する。次に、荷重計90による垂直抗力および摩擦力の測定を開始する(ステップST2)。次に、シリンダ41によってピストンロッド42を下降させる(ステップST3)。
次に、ピストンロッド42によって第1試験片71が第2試験片72に押し付けられたか否かの判断を行う(ステップST4)。この判断では、荷重計90によって検出される垂直抗力が増大したときに、ピストンロッド42によって第1試験片71が第2試験片72に押し付けられたと判断する。この判断は制御部122が行う。荷重計90によって検出される垂直抗力が増大していなければ、ステップST3に戻り、シリンダ41によるピストンロッド42の下降を続け、再びステップST4における判断を繰り返す。
第1試験片71が第2試験片72に押し付けられると、2軸倣い機構45によって第1試験片71の姿勢が自動的に調整され、第1試験片71と第2試験片72との接触面が互いに平行となる。ステップST4において、垂直抗力が増大すると第1試験片71が第2試験片72に押し付けられたと判断し、ステップST5に移行し、ピストンロッド42を上昇させることによって、第1試験片71と第2試験片72との接触を解除する。なお、ステップST3のピストンロッド下降からステップST5のピストンロッド上昇までの各工程は、省略可能である。
次に、モータ50の回転を開始して回転数を増加させる(ステップST6)。次にモータの回転数の検出を行い、モータ回転数についての判断を行う。この判断では、モータの回転数が設定値に達したか否かを判断する(ステップST7)。この判断は制御部122が行う。ステップST7において、モータの回転数が設定値に達していないと判断されると、ステップST6に戻り、モータの回転数を設定値にまで増加させる。ステップST7において、モータの回転数が設定値に達したと判断されると、次に、ピストンロッド42を再び下降させる(ステップST8)。
次に、垂直抗力についての判断を行う。この判断では、第1試験片71から第2試験片72に付与される垂直抗力の大きさを荷重計90によって検出し、検出結果が垂直抗力についての設定目標値に達したか否かを判断する(ステップST9)。この判断は制御部122が行う。ステップST9において垂直抗力の大きさが設定目標値に達していないと判断されると、ステップST8のピストンロッドの再下降に戻る。ステップST9において垂直抗力の大きさが設定目標値に達したと判断されると、次に、垂直抗力の大きさを一定に保つ制御を行う(図12のステップST10)。
次に、荷重計90の結果から、摩擦係数を演算部121において算出する(ステップST11)。荷重計90は、第1試験片71および第2試験片72の間の垂直抗力の大きさと、水平な方向における摩擦力とを同時に測定できるので、摩擦係数は、荷重計90が示した値から算出できる。第1試験片71および第2試験片72の間の垂直抗力の大きさをFz、X方向の摩擦力の大きさをFx、Y方向の摩擦力の大きさをFyとし、FxおよびFyの合力の大きさをFxyとすると、Fxyは次の式(1)で与えられる。
Fxy=(Fx^2+Fy^2)^(1/2)・・・(1)
摩擦係数をμとすると、μは次の式(2)で表される。
μ=Fxy/Fz・・・ (2)
荷重計90では、FzおよびFxyを測定できるので、式(2)から摩擦係数μを求めることができる。また第1試験片71と第2試験片72との摩擦力が等方的であるならば、Fx=Fyとなるので、FxおよびFyも式(1)から求めることができる。
シリンダ41によってピストンロッド42を押し出す力の大きさは、第1試験片71および第2試験片72の間の垂直抗力の大きさに反映されるので、シリンダ41がピストンロッド42を押し出す力の大きさについては目標値が定められ、力制御とするけれども、測定条件によっては、ピストンロッド42のZ方向の位置について目標値を定めた位置制御としても良い。
ステップST11の演算工程で算出された摩擦係数は、制御装置120に設けられる記録部123に記録する(ステップST12)。第1試験片71および第2試験片72の互いの接触面は、摩擦が生じることによって状態が変化することが予想される。例えば、表面部を成す塗料の剥がれ、摩擦熱による焼き付き、表面部の摩耗などが生じる可能性がある。したがって摩擦係数は、時間の経過に伴って変化する場合があるので、制御装置120は、摩擦係数の経時変化を記録部123に記録していく。
次に、ステップST11の演算工程で算出した摩擦係数の大きさが、設定上限値以下であるか否かを判断する(ステップST13)。この判断は制御部122が行う。例えば、第1試験片71と第2試験片72との間に、摩擦熱による焼き付きが生じると、摩擦係数が急激に増大する場合がある。このような状態になって以降は、第1試験片71および第2試験片72の互いの接触面は初期の状態で無くなるので、摩擦係数測定装置100による摩擦係数の測定を停止する。摩擦係数についての判断は、このような判断を行うために実施される。
ステップST13の摩擦係数判断において、摩擦係数の大きさが設定上限値を超えたと判断されると(ステップST13-No)、ピストンロッド42を上昇させることによって第1試験片71および第2試験片72の互いの接触を解除する(ステップST15)。逆に、ステップST13で摩擦係数の大きさが、設定上限値以下であると判断されると(ステップST13-Yes)、ステップST9の垂直抗力判断において垂直抗力が設定目標値に達したと判断されて以降の継続時間を計測し、この継続時間が設定時間以下であるか否かを判断する(ステップST14)。この判断は制御部122が行う。
ステップST14の継続時間判断において、継続時間が設定時間以下であると判断されると(ステップST14-Yes)、ステップST10の垂直抗力制御に戻り、演算工程(ステップST11)、結果記録工程(ステップST12)、摩擦係数判断(ステップST13)および継続時間判断(ステップST14)を繰り返す。逆に、ステップST14の継続時間判断において、継続時間が設定時間を超えたと判断されると(ステップST14-No)、ピストンロッド42を上昇させることによって第1試験片71および第2試験片72の互いの接触を解除する(ステップST15)。その後、モータ50による出力軸51の回転を停止する(ステップST16)。
図11に示す各段階のうち、荷重計90による測定開始(ステップST2)は、特許請求の範囲における第1測定工程である(ステップM1)。ピストンロッド下降(ステップST3)、ピストンロッド当接判断(ステップST4)、ピストンロッド上昇(ステップST5)と、その後のピストンロッド再下降(ステップST8)、垂直抗力判断(ステップST9)、および図12の垂直抗力制御(ステップST10)は、Y軸テーブル31の上方においてZ軸駆動部40を駆動する第1駆動工程(ステップW1)である。図11のモータ回転数増加(ステップST6)、およびモータ回転数判断(ステップST7)は、モータ50を駆動する第3駆動工程(ステップW3)である。また図12において点線枠W4で示す演算工程(ステップST11)は、特許請求の範囲においても演算工程と記載している。
図13および図14は、摩擦係数測定方法において、第1試験片71と、直線運動する第2試験片72との間の摩擦係数を測定する各工程を表すフローチャートである。本処理の開始前に、第1試験片71はピストンロッド42の下端部に取付け、第2試験片72は、X軸テーブル21の露出領域Gに載置しておく。まずモータ設置工程Bに移行し、モータ50を第1貫通孔14の第2領域14bの下方に設置する(ステップST1b)。次に、荷重計90による垂直抗力および摩擦力の測定を開始する(ステップST2)。図13において示す測定開始(ステップST2)以降の各段階は、図11に示す測定開始(ステップST2)以降の各段階と同様である。
図11および図12と、図13および図14との違いを説明する。図11および図12のフローチャートでは図1に示す状態の摩擦係数測定装置100を用いる。これに対し、図13および図14のフローチャートでは図9に示す状態の摩擦係数測定装置100を用いる。したがって、図13に示す各段階のうち、荷重計90による測定開始(ステップST2)は、特許請求の範囲における第2測定工程(ステップM2)である。また図13におけるピストンロッド下降(ステップST3)、ピストンロッド当接判断(ステップST4)、ピストンロッド上昇(ステップST5)と、その後のピストンロッド再下降(ステップST8)、垂直抗力判断(ステップST9)、および図14の垂直抗力制御(ステップST10)は、X軸テーブル21の上方においてZ軸駆動部40を駆動する第2駆動工程(ステップW2)である。図13のモータ回転数増加(ステップST6)、およびモータ回転数判断(ステップST7)は、モータ50を駆動する第3駆動工程(ステップW3)である。また図14において点線枠W4で示す演算工程(ステップST11)は、特許請求の範囲においても演算工程と記載している。
実施の形態1による摩擦係数測定装置100および摩擦係数測定方法によれば、モータ50の出力軸51は、クランクシャフト60を介してY軸テーブル31に接続されるので、モータ50の出力軸51が回転すると、Y軸テーブル31は円運動し、X軸テーブル21はX方向にのみ直線運動する。X軸テーブル21は、Y軸テーブル31の可動域からZ方向に露出する露出領域Gを有するので、Y軸テーブル31の上面と、X軸テーブル21の露出領域Gとに第2試験片72を配置できる。またZ軸駆動部40は、Y軸テーブル31の上面に載置された第2試験片72の上方と、X軸テーブル21の露出領域Gに載置された第2試験片72の上方とにおいて、ピストンロッド42を駆動可能であるので、第2試験片72が円運動する状態と直線運動する状態とを1つのモータ50によって実現し、それぞれの動きにおいて第2試験片72に第1試験片71を押し付け、第1試験片71および第2試験片72の間の摩擦係数を測定できる。
また実施の形態1による摩擦係数測定装置100および摩擦係数測定方法によれば、モータ50の出力軸51をピストンロッド42の鉛直下方に設置することも可能であり、またX軸テーブル21の露出領域Gがピストンロッド42の鉛直下方に位置するときのY軸テーブル31の下方に、モータ50の出力軸51を設置することも可能であるので、Z軸駆動部40に対するモータ50の位置を変更できる。したがって、互いに異なる2ヶ所にZ軸駆動部を設ける必要がない。
また実施の形態1による摩擦係数測定装置100および摩擦係数測定方法によれば、ベース板10に形成される第1貫通孔14は、第1領域14aから第2領域14bまで連続的に形成されるので、モータ50の出力軸51とY軸テーブル31とを接続しているクランクシャフト60をはずすことなく、モータ50を第1領域14aの下方と第2領域14bの下方とに移動させることができる。したがって、第2試験片72が円運動する状態と、第2試験片72が直線運動する状態とを切り替えることが容易になる。
また実施の形態1による摩擦係数測定装置100および摩擦係数測定方法によれば、ピストンロッド42の下端部には、2軸倣い機構45が設けられるので、第1試験片71の傾きを2軸倣い機構45によって調整できる。第1試験片71を、2軸倣い機構45を介して第2試験片72に押し付けることによって、第1試験片71の下面を、第2試験片72の上面に対して平行にすることができる。したがって、第1試験片71および第2試験片72が互いに面で接触する状態で摩擦係数を測定でき、2軸倣い機構45を用いない場合に比べて再現性が高く、高い精度での摩擦係数の測定が可能になる。
また実施の形態1による摩擦係数測定装置100および摩擦係数測定方法によれば、測定部は、荷重計90であるので、荷重計90の測定結果から、摩擦係数を測定できる。
なお、第1貫通孔14の第1領域14aおよび第2領域14bは、連続的に形成されるものとしたけれども、第1領域14aと、第2領域14bとが分離して形成されていても良い。
実施の形態2.
次に、実施の形態2を図に基づいて以下に説明する。実施の形態2は、先に説明した実施の形態1に類似しており、以下、実施の形態1に対する実施の形態2の相違点を中心に説明する。
図15は、第2試験片72をY軸テーブル31に載置したときの摩擦係数測定装置200の構成を、側方から見た断面図である。図16は、第2試験片72をX軸テーブル21の露出領域Gに載置したときの摩擦係数測定装置200の構成を、側方から見た断面図である。実施の形態1では、荷重計90をピストンロッド42の下端部に2軸倣い機構45を介して取付けたのに対し、実施の形態2において荷重計90は、XYテーブル230に載置され、第2試験片72が荷重計90の上面に載置される。図15に示す配置では、Y軸テーブル31の上面に荷重計90が載置され、図16に示す配置では、X軸テーブル21の露出領域Gに荷重計90が配置される。
図15に示す状態と図16に示す状態とに共通して、第1試験片71は、ピストンロッド42の下端部に取付けられた2軸倣い機構45の下面、具体的には第2傾斜板452の下面に取付けられる。ベース板10に対し、Z軸駆動部40のX方向およびY方向の位置は、図15においても図16においても同じである。これに対し、第2試験片72を、図15に示す配置と、図16に示す配置とでは、モータ50の取付け位置が異なる。ベース板10に対するモータ50の取付け位置を変更することによって、第2試験片72にY軸テーブル31上で円運動させるか、またはX軸テーブル21の上で直線運動をさせるかを選択する点については、実施の形態1と同様である。
荷重計90には、ピストンロッド42の下端部において第2傾斜板452(図7参照)の下面に取付け容易な大きさのものから、これよりも大きく、第2傾斜板452には取付け困難な大きさのものまである。荷重計90をY軸テーブル31、またはX軸テーブル21の上面に載置することによって、どのような大きさの荷重計90をも使用できるので、汎用性の高い摩擦係数測定装置200とすることができる。
実施の形態2による摩擦係数測定装置200によれば、荷重計90はXYテーブル230に載置されるので、荷重計90が第2傾斜板452の下面には取付け困難なほど大きなものであっても、荷重計90を使用できる。したがって汎用性の高い摩擦係数測定装置200とすることができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3を図に基づいて以下に説明する。実施の形態3は、先に説明した実施の形態1に類似しており、以下、実施の形態1に対する実施の形態3の相違点を中心に説明する。
図17は、第2試験片72をY軸テーブル31に載置したときの摩擦係数測定装置300の構成を、側方から見た断面図である。図18は、第2試験片72をX軸テーブル21の露出領域Gに載置したときの摩擦係数測定装置300の構成を、側方から見た断面図である。実施の形態1および実施の形態2では、測定部として荷重を直接的に測定する荷重測定部、具体的には荷重計90を設けたのに対し、実施の形態3では、シリンダ41の駆動電流およびモータ50の駆動電流から、第1試験片71および第2試験片72の間の、垂直抗力および摩擦力を測定する。
測定部は、シリンダ41に流れる電流を測定するシリンダ電流測定部94と、モータ50に流れる電流を測定するモータ電流測定部95とを有する。以下、シリンダ41に流れる電流をシリンダ電流と称し、モータ50に流れる電流をモータ電流と称する。シリンダ電流は第1試験片71および第2試験片72の間の垂直抗力を示す情報であり、モータ電流は第1試験片71および第2試験片72の間の摩擦力を示す情報である。シリンダ電流測定部94およびモータ電流測定部95による測定結果の情報は演算部321に送られ、演算部321によって電流値から垂直抗力または摩擦力に変換する。
図19は、事前の試験結果として得られたもので、電流値を垂直抗力に換算するときの基準を表す表である。図20は、図19の表をグラフ化した図である。図21は、図19と同じく、事前の試験結果として得られたもので、電流値を「FxおよびFyの合力と、クランクシャフト60の上端部61の偏心量との積」に換算するときの基準を表す表である。図22は、図21の表をグラフ化した図である。図20に示す関係も、図22に示す関係も、原点を通る比例関係にあるので、この線形の関係から、内挿あるいは外挿して、電流値をそれぞれ垂直抗力、あるいは「FxおよびFyの合力と、クランクシャフト60の上端部61の偏心量との積」に換算する。図21および図22に示す「FxおよびFyの合力と、クランクシャフト60の上端部61の偏心量との積」のうち、クランクシャフト60の上端部61の偏心量は、予め決まっている値なので、図20に基づく線形の関係から、FxおよびFyの合力の大きさとして、摩擦力の大きさを求めることができる。
次に、摩擦係数測定方法について説明する。
図23および図24は、摩擦係数測定方法において、第1試験片71と、円運動する第2試験片72との間の摩擦係数を測定する各工程を表すフローチャートである。本処理の開始前に、第1試験片71はピストンロッド42の下端部に取付け、第2試験片72は、Y軸テーブル31の上面に載置しておく。図23に示すモータ設置工程A(ステップST1a)は、実施の形態1と同様である。次にシリンダ電流測定部94によるシリンダ電流の測定を開始する(ステップST32)。次のピストンロッド下降(ステップST3)は、実施の形態1と同様である。
次に、ピストンロッドの当接について判断行う。ここでは、シリンダ電流測定部94によって検出されるシリンダ電流が増大したときに、ピストンロッド42によって第1試験片71が第2試験片72に押し付けられたと判断する(ステップST34-Yes)。この判断は制御装置320内の制御部322が行う。第1試験片71が第2試験片72に押し付けられると、2軸倣い機構45によって第1試験片71の姿勢が自動的に調整され、第1試験片71と第2試験片72との接触面が互いに平行となる。次のピストンロッドの上昇(ステップST5)は、実施の形態1と同様である。
次に、モータ電流測定部95によるモータ電流の測定を開始する(ステップST36)。この工程は、特許請求の範囲における第1測定工程(ステップM1)の一部である。次に、モータ50の回転を開始して回転数を増加させる(ステップST6)。この工程と、次のステップST7においてモータ50の回転数を判断する工程と、次のステップST8においてピストンロッドを再び下降させる工程とは、実施の形態1と同様である(図11参照)。
次に、垂直抗力についての判断を行う。この判断では、第1試験片71から第2試験片72に付与される垂直抗力の大きさを、シリンダ電流測定部94によって測定し、シリンダ電流から求められる垂直抗力の大きさが、設定目標値に達したか否かを判断する(ステップST39)。具体的には垂直抗力の大きさが設定目標値となるときの電流値を目標電流値とし、シリンダ電流が目標電流値に達したか否かを制御部322によって判断しても良いし、シリンダ電流測定部94で測定した結果の電流値から、演算部321が垂直抗力を算出し、算出された垂直抗力が設定目標値に達したか否かを制御部322によって判断しても良い。ステップST39の垂直抗力判断において垂直抗力の大きさが設定目標値に達していないと判断されると(ステップST39-No)、ステップST8のピストンロッドの再下降に戻る。ステップST39の垂直抗力判断において垂直抗力の大きさが設定目標値に達したと判断されると(ステップST39-Yes)、垂直抗力の大きさを一定に保つ制御を行う(図24のステップST10)。
ステップST10の垂直抗力制御は、実施の形態1と同様である。次にステップST41の演算工程に移行し、シリンダ電流の値と、モータ電流の値と、クランクシャフト60の上端部61の偏心量とから、摩擦係数を演算部321において算出する。次にステップST12の結果記録工程に移行する。ステップST12の結果記録工程からステップST16のモータ停止までは、実施の形態1と同様である。
実施の形態3における摩擦係数測定方法において、第2試験片72を円運動ではなく、直線運動させて摩擦係数を測定するときには、実施の形態1におけるモータ設置工程B(ステップST1b)と同様の処理を行う。すなわち、モータ50を第1貫通孔14の第2領域14bの下方に設置する。次に、図23のステップST32と同様に、シリンダ電流の測定を開始する。ステップST32の測定開始以降の処理は、第1試験片71および第2試験片72が露出領域Gの上方に配置されていることを除き、図23および図24で示す処理と同様である。
実施の形態3による摩擦係数測定装置300および摩擦係数測定方法によれば、測定部は、シリンダ電流測定部94とモータ電流測定部95とを有する。演算部321は、シリンダ電流測定部94の測定結果から垂直抗力を算出し、モータ電流測定部95の測定結果から摩擦力を算出する。したがって、第1試験片71および第2試験片72の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを、シリンダ電流とモータ電流とに基づいて求めることができる。したがって、垂直抗力および摩擦力の大きさを直接的に測定する荷重計90を省略することができる。したがって、荷重計90を設ける場合に比べて、簡単な構成の摩擦係数測定装置を実現できる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4を図に基づいて以下に説明する。実施の形態4は、先に説明した実施の形態1に類似しており、以下、実施の形態1に対する実施の形態4の相違点を中心に説明する。
図25は、摩擦係数測定装置400の構成を側方から見た断面図である。実施の形態4におけるZ軸駆動部40は、2機、設けられる。このうち一方のZ軸駆動部40aは、モータ50の回転軸線Oの上方に設けられ、シリンダ41aがピストンロッド42aを回転軸線O上で駆動する。他方のZ軸駆動部40bは、X軸テーブル21の露出領域Gの上方に設けられ、シリンダ41bがピストンロッド42bを露出領域Gの上方で駆動する。Z軸駆動部40a、40bのピストンロッド42a、42bの下端部には、それぞれ荷重計90a、90bが取付けられている。
2機のZ軸駆動部40a、40bを設けるので、実施の形態1のように、モータ50を第1領域14aと第2領域14bとの間で移動させる必要はない。したがって、ベース板10の第1貫通孔414は、円形で良く、実施の形態1のようにX方向に長い形状に形成することは必要ない。
実施の形態4による摩擦係数測定装置400によれば、Z軸駆動部40a、40bは、Y軸テーブル31の上方と、X軸テーブル21の露出領域Gの上方とに設けられるので、円運動に関する摩擦係数と直線運動に関する摩擦係数とを同時に測定できる。また2機のZ軸駆動部40を有するので、モータ50を移動させる必要がない。
実施の形態5.
次に、実施の形態5を図に基づいて以下に説明する。実施の形態5は、先に説明した実施の形態4に類似しており、以下、実施の形態4に対する実施の形態5の相違点を中心に説明する。
図26は、摩擦係数測定装置500の構成を、側方から見た断面図である。実施の形態4では、ピストンロッド42の下端部に、2軸倣い機構45を介して荷重計90a、90bを取付けたけれども、実施の形態5において荷重計90a、90bは、Y軸テーブル31上面およびX軸テーブル21の露出領域Gに設けられる。
実施の形態5による摩擦係数測定装置500によれば、荷重計90は、XYテーブル230に載置されるので、荷重計90a、90bが第2傾斜板452(図7参照)の下面には取付け困難なほど大きなものであっても、荷重計90a、90bを使用できる。したがって、汎用性の高い摩擦係数測定装置500とすることができる。
また実施の形態5による摩擦係数測定装置によれば、Z軸駆動部40a、40bは、Y軸テーブル31の上方と、X軸テーブル21の露出領域Gの上方とに設けられるので、2箇所において異なる動きをする、第2試験片72に第1試験片71を押し付けて、それぞれの摩擦係数を同時に測定できる。また2機のZ軸駆動部40a、40bを有するので、モータ50を移動させる必要がない。
なお、実施の形態1および実施の形態3の摩擦係数測定方法において、ステップST10における垂直抗力の制御は、垂直抗力の大きさを一定に保つ制御を例に説明したけれども、これに限定するものではない。垂直抗力の制御は、垂直効力の大きさについての目標値を時間の経過に伴って変化させ、測定結果としての垂直抗力を目標値に追従させる制御としても良い。
また実施の形態1および実施の形態3の摩擦係数測定方法において、処理の終了させるときに、摩擦係数の大きさが設定上限値を超える場合、および継続時間が設定時間を超える場合の、少なくともいずれか一方の場合に処理を終了すべきと判断したけれども、温度の上昇を以て測定を停止しても良い。第1試験片71の温度としての設定温度を予め定め、摩擦熱の発生によって、熱電対91の測定結果が設定温度を超えた場合にも、摩擦係数の超過および継続時間の超過と同様に、処理を終了すべきと判断しても良い。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10 ベース板、11 載置面、14,414 第1貫通孔、14a 第1領域、
14b 第2領域、21 X軸テーブル、22 X軸レール、24 第2貫通孔、
31 Y軸テーブル、32 Y軸レール、40,40a,40b Z軸駆動部、
41,41a,41b シリンダ、42,42a、42b ピストンロッド、
43 トップ板、44 支柱、45 2軸倣い機構、46 案内部材、
47 第1サーボアンプ、48 第2サーボアンプ、50 モータ、51 出力軸、
60 クランクシャフト、61 上端部、62 ベアリング、71 第1試験片、
72 第2試験片、81 第1回転軸、82 第2回転軸、
90,90a,90b 荷重計、91 熱電対、94 シリンダ電流測定部、
95 モータ電流測定部、100,200,300,400,
500 摩擦係数測定装置、120,320 制御装置、121,321 演算部、
122,322 制御部、230 XYテーブル、450 水平板、
451 第1傾斜板、452 第2傾斜板、G 露出領域、O 回転軸線。

Claims (10)

  1. 鉛直方向をZ方向とし、水平な一方向をX方向とし、前記X方向に垂直かつ水平な方向をY方向とし、
    第1試験片を前記Z方向に移動させ、第2試験片を前記X方向および前記Y方向を含む面内で移動させ、前記第1試験片を前記第2試験片に対して押圧したときの、前記第1試験片と前記第2試験片との間の摩擦係数を測定する摩擦係数測定装置において、
    上面に載置面が形成され、前記Z方向に貫通する第1貫通孔が形成される基台と、
    前記載置面上に取付けられるXYテーブルと、
    前記XYテーブルの上方に設けられ、前記Z方向に中軸を駆動するZ軸駆動部と、
    前記第1貫通孔の下方に設けられ、前記Z方向の回転軸線周りに出力軸を回転駆動する回転駆動部と、
    前記回転駆動部の前記出力軸の回転によって上端部が偏心して回転するクランクシャフトと、
    前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを測定する測定部と、
    前記測定部の結果から前記摩擦係数を算出する演算部とを備え、
    前記XYテーブルは、
    前記載置面上に取付けられ、前記Z方向に貫通する第2貫通孔が形成され、前記X方向にのみ移動するX軸テーブルと、
    前記X軸テーブルの上面に取付けられ、前記X軸テーブルに対して、前記Y方向にのみ移動するY軸テーブルとを有し、
    前記X軸テーブルの前記第2貫通孔は、前記Y方向において、前記回転駆動部の前記出力軸が回転したときに、前記クランクシャフトの前記上端部が移動するY方向の範囲以上に広く形成され、
    前記X軸テーブルは、前記Y軸テーブルよりも前記X方向に長く形成され、前記Y軸テーブルの可動域から前記Z方向に露出する露出領域を有し、
    前記クランクシャフトの前記上端部は、前記Y軸テーブルの裏面部に回転自在に取付けられ、
    前記クランクシャフトは、前記Y軸テーブルの前記裏面部と前記回転駆動部の前記出力軸とを、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を経由して接続し、
    前記Z軸駆動部の前記中軸は、前記Y軸テーブルの上面と、前記X軸テーブルの前記露出領域とにおいて、前記第1試験片を前記第2試験片に対し、押圧可能に設けられる摩擦係数測定装置。
  2. 前記回転駆動部は、
    前記Z軸駆動部の前記中軸の下方に設置可能であるとともに、
    前記X軸テーブルの前記露出領域が前記中軸の下方に位置するときの前記Y軸テーブルの下方に設置可能である請求項1に記載の摩擦係数測定装置。
  3. 前記第1貫通孔は、
    前記Z軸駆動部の前記中軸の下方の第1領域から、
    前記X軸テーブルの前記露出領域が前記中軸の下方に位置するときの前記Y軸テーブルの下方の第2領域まで連続的に形成される請求項2に記載の摩擦係数測定装置。
  4. 前記第1試験片は、前記第1試験片を前記第2試験片に面接触する姿勢にする倣い機構を介して、前記中軸の下端部に取り付けられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の摩擦係数測定装置。
  5. 前記Z軸駆動部は、前記Y軸テーブルの上方と、前記X軸テーブルの前記露出領域の上方とに設けられる請求項1に記載の摩擦係数測定装置。
  6. 前記測定部は、
    前記Z軸駆動部と前記XYテーブルとの間に配置される荷重測定部である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の摩擦係数測定装置。
  7. 前記荷重測定部は、前記XYテーブルに載置される請求項6に記載の摩擦係数測定装置。
  8. 前記測定部は、前記Z軸駆動部に流れる電流の大きさと、前記回転駆動部に流れる電流の大きさとを測定し、
    前記演算部は、前記測定部によって測定した前記Z軸駆動部に流れる電流の大きさから、前記第1試験片および前記第2試験片の間の垂直抗力の大きさを算出し、かつ前記測定部によって測定した前記回転駆動部に流れる電流の大きさから、前記第1試験片および前記第2試験片の間の摩擦力の大きさを算出する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の摩擦係数測定装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の摩擦係数測定装置を用い、
    前記Y軸テーブルの上方において前記Z軸駆動部を駆動する第1駆動工程と、
    前記X軸テーブルの前記露出領域の上方において前記Z軸駆動部を駆動する第2駆動工程と、
    前記回転駆動部を駆動する第3駆動工程と、
    前記第1駆動工程および前記第3駆動工程を同時に行うことによって、前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを前記測定部によって測定する第1測定工程と、
    前記第2駆動工程および前記第3駆動工程を同時に行うことによって、前記第1試験片および前記第2試験片の間の、垂直抗力および摩擦力の大きさを前記測定部によって測定する第2測定工程と、
    前記第1測定工程および前記第2測定工程の少なくとも一方の測定工程によって得られた測定結果に基づいて、前記演算部によって前記摩擦係数を算出する演算工程とを有する摩擦係数測定方法。
  10. 前記中軸の前記基台側の端部には、倣い機構が設けられ、
    前記第1駆動工程および前記第2駆動工程では、前記倣い機構によって試験片の姿勢を調整する請求項9に記載の摩擦係数測定方法。
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