以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
図1は、本開示を適用した実施形態に係る運行管理システムの一例を示す図である。図1に示すように、運行管理システムは、車両に搭載される少なくとも1つの車載装置10と、車両の外で稼働するサーバー20とを含み、車両の運行情報を管理する。車両の運行情報は、車両の走行速度、走行距離及び走行時間を含む。車載装置10は、車両に搭載された状態で使用されるものであり、デジタル式運行記録計として機能するものである。サーバー20は、車載装置10と連動することにより運行管理装置として機能するものであって、運行管理ソフトウェアを実行することにより車載装置10が搭載された状態の車両の位置を地図表示することができるものである。
車載装置10は、情報処理部11、時間計測部12、操作部13、表示部14、車両情報格納部15、プログラム格納部16、設定値データ格納部17、インターフェース部18及び通信部19を備えている。情報処理部11は、マイクロコンピュータ(CPU)で構成されており、例えばROMから構成されるプログラム格納部16に予め保存されているプログラムを実行し、車載装置10の動作を制御する。時間計測部12は、時計及びタイマーの機能を搭載した集積回路(IC)であり、情報処理部11からの指示に従い、現在時刻の情報である時刻情報を出力し、又は走行時間を計測することができる。操作部13は、運転者が操作可能な複数の操作ボタンを備えている。操作部13が操作された内容に従い、情報処理部11は各種処理を実行する。表示部14は、文字情報等を表示可能な画面を有し、例えばLCDから構成されている。表示部14が表示する内容は、情報処理部11により制御される。
車両情報格納部15は、例えばRAMのようにデータの読み取り及び書き込みが可能なものから構成され、車載装置10が搭載されている車両の運行情報が保存される。なお、車両の運行情報は、サーバー20が地図表示処理を実行する要因となるイベントが発生したときの車両の位置情報及びイベントの発生時刻情報を含む。イベントが発生したときの車両の位置情報及びイベントの発生時刻情報は、車載装置10によりサーバー20に送信されるものである。イベントが発生したときの車両の位置情報及び車載装置10から送信されたイベントの発生時刻情報は、サーバー20により関連付けて記憶される。設定値データ格納部17は、各種設定情報を格納するものであり、例えばEEPROMから構成される。各種設定情報は、例えば、サーバー20で実行される運行管理ソフトウェアにより地図表示するイベントの発生要因を識別する識別情報である。このようなイベントの発生要因は、例えば、走行モード切換、速度オーバーの発生又はエンジン回転オーバーの発生等である。
走行モード切換は、車両の乗降検知機能により検知されるものである。車両の乗降検知機能は、車載装置10がGPS衛星40と連動する機能の一つである。走行モード切換は、一般道から自動車専用道路若しくは高速道路に、又は自動車専用道路若しくは高速道路から一般道に、車両が乗降されたときに検知される。よって、自動車専用道路及び高速道路の出入り口に対応する緯度情報及び経度情報は、チェックポイントとして予め設定されている。このような設定により、チェックポイント近くのGPS情報を受信することで、GPS情報に含まれる緯度情報及び経度情報と、自動車専用道路及び高速道路の出入り口に対応する緯度情報及び経度情報とを照合し、一致度が予め設定された範囲内にあるか否かを判定することで、チェックポイントにおける車両の乗降を検知するのが車両の乗降検知機能である。
車両の乗降検知機能によりチェックポイントにおける車両の乗降が検知される動作は、走行モード切換が検知される動作に相当する。走行モード切換が検知された場合、車載装置10は、地図表示処理を実行する要因となるイベントを発生させる。車載装置10は、地図表示処理を実行する要因となるイベントを発生させた場合、このようなイベントが発生したときの発生時刻を含む発生時刻情報を記録する。車載装置10は、発生時刻情報に加え、発生時刻情報に含まれる発生時刻に対応する車両の位置情報をサーバー20に送信する。車両の位置情報は、GPS情報に含まれるものであって、経度情報、緯度情報及び測距時間を含むものである。サーバー20は、発生時刻情報と、車両の位置情報とを関連付けて記録すれば、車両の運行経路及び危険走行箇所を地図表示することができる。
なお、速度オーバーの発生又はエンジン回転オーバーの発生により、地図表示処理を実行する要因となるイベントが発生した場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づく地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に危険運転箇所を示すことができる。
インターフェース部18は、車速信号及び位置情報を情報処理部11に入力するための変換処理を実行する。車速信号は、車両の車輪が予め設定された設定量を回転する毎に1つのパルスが現れる2値信号である。情報処理部11は、車速信号に基づき、車両の走行速度及び走行距離を求めることができる。なお、上記で説明したように、車両の位置情報は、GPSモジュール部30から出力されるGPS情報に含まれるものである。図1の一例では、GPSモジュール部30としてGPS受信機を用いている。すなわち、4つ以上のGPS衛星40からそれぞれ受信した電波W1に含まれるGPS情報を用いて演算することにより、車両の現在位置を表す位置情報、具体的には車両の現在の地点における経度及び緯度を求めることができる。
通信部19は、電話センタCE及び公衆電話回線網Nを介して、サーバー20と通信するものである。具体的には、通信部19は、車載装置10で求められた運行情報及び時刻情報と、車両の現在位置を表す位置情報とを含む電波W2を電話センタCEに送信するものである。運行情報、時刻情報及び位置情報は、電話センタCEに送信された後、公衆電話回線網Nを介してサーバー20に送信される。サーバー20は、送信された運行情報、時刻情報及び位置情報に基づき、車両の現在位置と地図情報とを照合して地図表示処理を実行することで、運行管理ソフトウェアで表示される地図画面上に車両の現在位置をプロットし、地図画面上に車両の現在位置を表示する。
ところが、車載装置10と、GPSモジュール部30とでは、記録間隔に差が存在することがある。このような記録間隔の差は、車両の運行情報とGPS情報とを同期させる同期タイミングのずれの発生要因となる。このような同期タイミングのずれが発生すれば、運行管理ソフトウェアで表示される地図画面上において、実際にイベントが発生した地点と、サーバー20でプロットされる地点との表示ずれが発生する。よって、サーバー20は、同期タイミングのずれを自動で検知し、イベントの発生時刻情報とGPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻との差位を補正することで、車両の実際の現在位置を地図表示する必要がある。そこで、サーバー20の構成及び機能について具体的に説明する。
サーバー20は、情報処理部21、ディスプレイ22、キーボード23、記憶装置24、地図情報データベース25及び通信部26を備えている。情報処理部21は、例えばパーソナルコンピュータのCPUのように、各種情報を処理する機能が搭載されている。情報処理部21は、記憶装置24に予め用意されたプログラムを実行することにより、車両の運行管理のための各種処理を実行する。ディスプレイ22は、文字及び地図を表示可能な画面を有し、例えば、液晶表示装置から構成されている。ディスプレイ22が表示する内容は、情報処理部21により制御される。キーボード23は、オペレータからの入力操作を受け付け、各種情報を入力し、又は情報処理部21に指示を与えるために利用される。キーボード23にはマウスに相当する入力機能も含まれている。地図情報データベース25は、車両が走行する地域に関する道路の情報を主体とする地図情報が登録されたものである。通信部26は、公衆電話回線網N及び電話センタCEを介して、通信部19と通信するものである。
サーバー20は、運行管理ソフトウェアによりGPS情報に基づく車両の現在位置を地図表示するために、車両の運行情報に含まれるイベントの発生時刻情報と、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻とを同期させる。図12は、従来技術に係るイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。図13は、従来技術に係るイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するフローチャートである。
ステップS51において、情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始したか否かを判定する。情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始したと判定する場合(ステップS51;Y)、ステップS52の処理に移行する。情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始していないと判定する場合(ステップS51;N)、ステップS51の処理を継続する。ステップS52において、情報処理部21は、車載装置10で記録される各種情報に基づき地図上に車両位置を表示させ、ステップS51の処理に戻る。
具体的には、同期タイミングは、車載装置10の起動タイミングにより、0.0秒、1.0秒及び2.0秒と続いていくように、小数点以下の値が0となるパターンと、0.5秒、1.5秒及び2.5秒と続いていくように、小数点以下の値が5となるパターンとがある。つまり、同期タイミングは、最小単位コンマ0秒及びコンマ5秒の何れか一方を基準タイミングとする。また、イベントの発生時刻情報の記録は0.5秒毎、すなわち最小単位コンマ5秒を基準タイミングとする。
例えば、図12に示すように、走行モード切換が1.5秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻は1.5秒時であると記録される。よって、図12に示すように、B地点が車両の現在位置に相当する。しかし、サーバー20側では、運行管理ソフトウェアが地図表示処理を実行するときにイベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻の小数点以下が切り捨てられる。この結果、イベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻は、1.0秒時で発生したとして地図表示処理が実行される。発生時刻が1.0秒時のGPS情報を参照すると、図12に示すように、A地点が車両の現在位置となる。よって、本来のB地点ではなくA地点でイベントが発生したものとして車両の現在位置の地図表示処理が実行される。
そこで、サーバー20は、GPS情報と車両の運行情報とを同期させる同期タイミングの最小単位の小数点以下の値と、イベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻の小数点以下の値とに応じて、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻と、イベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻との差位を補正するか否かを決定する。具体的には、次に説明する第一の作用条件、第二の作用条件及び第三の作用条件の何れかに応じて、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻と、イベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻との差位を補正するか否かを決定する。ここで、イベントの発生要因が、走行モード切換である場合の処理について説明する。
(第一の作用条件)
第一の作用条件は、車載装置10と、GPSモジュール部30との同期タイミングが、0.0秒+N(N=0,1,・・・,59)秒となる場合に成立するものである。よって、車載装置10と、GPSモジュール部30との同期タイミングが、0.0秒+N(N=0,1,・・・,59)秒となる場合、第一の作用条件を満たす。第一の作用条件を満たす場合、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正した値で、運行管理ソフトウェアにより車両の現在位置の地図表示処理が実行される。つまり、第一の作用条件を満たす場合、補正量は+1.0秒となる。
(第二の作用条件)
第二の作用条件は、車載装置10と、GPSモジュール部30との同期タイミングが、0.5秒+N(N=0,1,・・・,59)秒となる場合に成立するものである。よって、車載装置10と、GPSモジュール部30との同期タイミングが、0.5秒+N(N=0,1,・・・,59)秒となる場合、第二の作用条件を満たす。第二の作用条件を満たす場合、イベントの発生時刻に+0.5秒を補正した値で、運行管理ソフトウェアにより車両の現在位置の地図表示処理が実行される。つまり、第二の作用条件を満たす場合、補正量は+0.5秒である。
(第三の作用条件)
第三の作用条件は、第二の作用条件を満たし、且つイベントの発生時刻の秒数がコンマ0秒となる場合に成立するものである。よって、第二の作用条件を満たし、且つイベントの発生時刻の秒数がコンマ0秒となる場合、第三の作用条件を満たす。第三の作用条件を満たす場合、イベントの発生時刻を補正しない。つまり、第三の作用条件を満たす場合、補正量は0.0秒である。
換言すれば、サーバー20は、イベントの発生時刻情報に含まれる発生時刻の有効数字が減少する場合、同期タイミングに応じた補正量で補うものである。
次に、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り捨てられる場合について図2~図6を参照して具体的に説明する。図2は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ0秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図2は、第一の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒の一例である。
図2に示すように、走行モード切換が1.5秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.5秒時であり、同期タイミングがコンマ0秒であるため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時刻は2.0秒時となる。図2の一例は、第一の作用条件を満たす。この場合、補正量を+1.0秒とする。よって、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正すると、イベントの発生時刻は2.5秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り捨てられる場合を想定しているため、イベントの発生時刻の小数点以下が切り捨てられて2.0秒時となる。この結果、GPS情報の記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなり、車両の現在位置は、B地点として地図表示される。
図3は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ0秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図3は、第一の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒の一例である。
図3に示すように、走行モード切換が1.0秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.0秒時であり、同期タイミングがコンマ0秒であるため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時刻は2.0秒時となる。図3の一例は、第一の作用条件を満たす。この場合、補正量を+1.0秒とする。よって、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正すると、イベントの発生時刻は2.0秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り捨てられる場合を想定しているが、切り捨てるものがないため、2.0秒時がイベントの発生時刻となる。この結果、GPS情報の記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなり、車両の現在位置は、B地点として地図表示される。
図4は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ5秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図4は、第二の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒の一例である。
図4に示すように、走行モード切換が1.5秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.5秒時であり、同期タイミングがコンマ5秒であるため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時刻は2.5秒時となる。図4の一例では、第二の作用条件を満たす。この場合、補正量を+0.5秒とする。よって、イベントの発生時刻に+0.5秒を補正すると、イベントの発生時刻は2.0秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り捨てられる場合を想定しているため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時間の小数点以下が切り捨てられて2.0秒時となる。この結果、GPS情報の記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなり、車両の現在位置は、B地点として地図表示される。
図5は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ5秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図5は、第三の作用条件を満たす一例である。
図5に示すように、走行モード切換が1.0秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.0秒時であり、同期タイミングがコンマ5秒であるため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時刻は1.5秒時となる。図5の一例は、第三の作用条件を満たす場合であるので、補正量は0.0秒すなわち補正しない。よって、イベントの発生時刻は1.0秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り捨てられる場合を想定しているため、GPS情報の時刻情報に含まれる記録時間の小数点以下が切り捨てられて1.0秒時となる。この結果、GPS情報の記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなり、車両の現在位置は、B地点として地図表示される。つまり、地図表示処理において、車両の現在位置の地点ずれが発生していないため、イベントの発生時刻を補正する必要がない。
図6は、本開示を適用した実施形態に係る地図表示処理を実行するイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するフローチャートである。ステップS11において、情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始したか否かを判定する。情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始したと判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS12の処理に移行する。情報処理部21は、サーバー20が車載装置10で記録される各種情報の解析を開始していないと判定する場合(ステップS11;N)、ステップS11の処理を継続する。
ステップS12において、情報処理部21は、走行モード切換が発生しているか否かを判定する。情報処理部21は、走行モード切換が発生していると判定する場合(ステップS12;Y)、ステップS13の処理に移行する。情報処理部21は、走行モード切換が発生していないと判定する場合(ステップS12;N)、ステップS15の処理に移行する。ステップS13において、情報処理部21は、第一の作用条件を満たすか否かを判定する。情報処理部21は、第一の作用条件を満たすと判定する場合(ステップS13;Y)、ステップS14の処理に移行する。情報処理部21は、第一の作用条件を満たさないと判定する場合(ステップS13;N)、ステップS16の処理に移行する。
ステップS14において、情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻に+1.0秒を加え、ステップS15の処理に移行する。ステップS15において、情報処理部21は、車載装置10で記録される各種情報に基づき地図上に車両位置を表示させ、ステップS11の処理に戻る。ステップS16において、情報処理部21は、第二の作用条件を満たすか否かを判定する。情報処理部21は、第二の作用条件を満たすと判定する場合(ステップS16;Y)、ステップS17の処理に移行する。情報処理部21は、第二の作用条件を満たさないと判定する場合(ステップS16;N)、ステップS15の処理に移行する。
ステップS17において、情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒であるか否かを判定する。情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒であると判定する場合(ステップS17;Y)、ステップS15の処理に移行する。情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒でないと判定する場合(ステップS17;N)、ステップS18の処理に移行する。なお、ステップS16の処理とステップS17の処理とを合わせた処理は、第三の作用条件判定処理に該当する。ステップS18において、情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻に+0.5秒を加え、ステップS15の処理に移行する。
次に、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り上げを適用する場合について図7~図11を参照して具体的に説明する。図7は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ0秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図7は、第一の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒の一例である。
図7に示すように、走行モード切換が1.0秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.0秒時であり、同期タイミングがコンマ0秒であるため、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻は2.0秒時となる。図7の一例は、第一の作用条件を満たし、且つ走行モード切換が発生した発生時刻の秒数がコンマ0秒である。この場合、補正量を+1.0秒とする。よって、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正すると、イベントの発生時刻は2.0秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り上げを適用する場合を想定しているが、切り上げるものがないため、2.0秒時がイベントの発生時刻となる。この結果、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなる。
図8は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ0秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図8は、第一の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒の一例である。
図8に示すように、走行モード切換が0.5秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が0.5秒時であり、同期タイミングがコンマ0秒であるため、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻は1.0秒時となる。図8の一例は、第一の作用条件を満たすが、走行モード切換が発生した発生時刻の秒数がコンマ0秒ではなくコンマ5秒である。この場合、補正量を0.0秒とする、すなわち補正しない。よって、イベントの発生時刻は、0.5秒時となるが、運行管理ソフトウェアにより小数点以下が切り上げられるため、1.0秒時がイベントの発生時刻となる。この結果、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなる。
図9は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ5秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図9は、第二の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ0秒の一例すなわち第三の作用条件を満たす一例である。
図9に示すように、走行モード切換が1.0秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が1.0秒時であり、同期タイミングがコンマ5秒であるため、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻は1.5秒時となる。図9の一例は、第二の条件を満たす。この場合、補正量を+1.0秒とする。よって、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正すると、イベントの発生時刻は2.0秒時となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り上げを適用する場合を想定しているため、GPS情報の記録時刻が切り上げられ、2.0秒時となる。この結果、GPS情報の記録時刻情報に含まれる記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなる。
図10は、本開示を適用した実施形態に係る車両の運行情報とGPS衛星40のGPS情報とを同期させる同期タイミングがコンマ5秒且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒である場合のイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するタイミングシーケンスである。つまり、図10は、第二の作用条件を満たし、且つ走行モード切換の秒数がコンマ5秒の一例である。
図10に示すように、走行モード切換が0.5秒時に発生したと仮定すると、走行モード切換が発生した発生時刻が0.5秒時であり、同期タイミングがコンマ5秒であるため、GPS情報の記録時刻は1.5秒時となる。図10の一例では、第二の作用条件を満たす。この場合、補正量を+1.0秒とする。よって、イベントの発生時刻に+1.0秒を補正すると、イベントの発生時刻は1.5秒となる。ここでは、運行管理ソフトウェアによりサーバー20に記録される一部の情報に含まれるコンマ5秒につき、切り上げを適用する場合を想定しているため、GPS情報の記録時刻が切り上げられて2.0秒時となり、イベントの発生時刻も切り上げられて2.0秒時となる。この結果、GPS情報の記録時刻と、イベントの発生時刻とに差位がなくなる。
図11は、本開示を適用した実施形態に係る地図表示処理を実行するイベントの発生時刻情報の補正処理の制御例を説明するフローチャートである。ステップS31、ステップS32及びステップS36の処理は、図6に示すステップS11、ステップS12及びステップS15の処理と同様であるので、その説明については省略する。ステップS33において、情報処理部21は、第一の作用条件を満たすか否かを判定する。情報処理部21は、第一の作用条件を満たすと判定する場合(ステップS33;Y)、ステップS34の処理に移行する。情報処理部21は、第一の作用条件を満たさないと判定する場合(ステップS33;N)、ステップS37の処理に移行する。
ステップS34において、情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒であるか否かを判定する。情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒であると判定する場合(ステップS34;Y)、ステップS35の処理に移行する。情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻の秒数がコンマ0秒でないと判定する場合(ステップS34;N)、ステップS36の処理に移行する。ステップS35において、情報処理部21は、走行モード切換の発生時刻に+1.0秒を加え、ステップS36の処理に移行する。ステップS37において、情報処理部21は、第二の作用条件を満たすか否かを判定する。情報処理部21は、第二の作用条件を満たすと判定する場合(ステップS37;Y)、ステップS35の処理に移行する。情報処理部21は、第二の作用条件を満たさないと判定する場合(ステップS37;N)、ステップS36の処理に移行する。
以上の説明から、本実施形態においては、発生時刻情報と、位置情報とを関連付けて地図表示処理が実行される場合、車両の運行情報とGPS情報とを同期させる同期タイミングに応じて、GPS情報の記録時刻情報と、発生時刻情報との差位が補正される。よって、車載装置10が記録する運行情報と、GPS情報との記録間隔の差を相殺できるので、車載装置10が記録する運行情報と、GPS情報との同期ずれに起因する位置ずれを補正することができる。したがって、低コストで運行情報を正確に管理することができる。
また、本実施形態においては、同期タイミングの最小単位の小数点以下の値と、発生時刻情報に含まれる発生時刻の小数点以下の値とに応じて、記録時刻情報に含まれる記録時刻と、発生時刻情報に含まれる発生時刻との差位が補正されるか否かが決定される。よって、車載装置10が記録する運行情報と、GPS情報との同期ずれ幅を正確に求めることができる。したがって、正確な同期ずれ幅に基づき、発生時刻情報を補正できるので、イベントの発生位置を正確に地図表示することができる。
また、本実施形態においては、サーバー20において、発生時刻情報に含まれる発生時刻の有効数字が減少する場合、同期タイミングに応じた補正量で補われる。よって、発生時刻情報に含まれる発生時刻の有効数字が減少したとしても、イベントの実際の発生位置で地図表示されるように発生時刻情報が補正される。したがって、地図上に表示するイベントの発生位置の地点を実際のイベントの発生位置に対応する地点に補正することができる。
以上、本開示を適用した運行管理システムを実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、本実施形態においては、サーバー20がイベントの発生時刻情報を補正する一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、車載装置10がイベントの発生時刻情報を補正してもよい。
また、本実施形態においては、サーバー20が運行管理ソフトウェアを実行する一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、車載装置10と直接又は間接的に通信可能な機器が運行管理ソフトウェアを実行してもよい。
また、本実施形態においては、運行管理ソフトウェアにより地図表示するイベントの発生要因の一例として、走行モード切換、速度オーバーの発生又はエンジン回転オーバーの発生について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、車両の急発進の発生、車両の急加速の発生、車両の急旋回の発生、車両の走行レーン逸脱の発生、車両のふらつきの検知、車両の車間距離警報の発生、車両の交差点警報の発生又は車両の危険兆候運転の発生が、イベントの発生要因である場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づき、地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に危険運転箇所を示すことができる。
また、例えば、車両の急減速の発生によりイベントが発生した場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づき、地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に危険運転箇所又は事故発生箇所を示すことができる。また、例えば、Gトリガ警報の発生又はタイヤ異常の検知によりイベントが発生した場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づき、地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に事故発生箇所を示すことができる。
また、外部チャネル警報の発生によりイベントが発生した場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づき、地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に緊急通報ボタン等が押下された位置を示すことができる。また、例えば、運行管理ソフトウェアからの現在位置の要求、イグニッションスイッチのオン若しくはオフの発生又はアイドリング時間オーバーの発生によりイベントが発生した場合、発生時刻情報と、車両の位置情報とに基づき、地図表示処理が実行されれば、地図を確認する人に現在の車両位置を示すことができる。