JP7188101B2 - 高周波モジュール用電子基板 - Google Patents

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本発明は、スマートフォンに搭載可能な薄型のLC回路を備えた高周波モジュール用電子基板に関する。
近年、スマートフォンの出荷量は横ばいであるが、動画配信サービスの拡大を背景として通信データ量は増大しており、この傾向は今後も続くと予想されている。通信データ量の増大に対応する為に、High Band(2.3~6.0GHz)TDD(Time Division Duplex)、CA(Carrier Aggregation)、MIMO(Multi Input Multi Output)等の新たな高速セルラー通信技術が普及するのに伴い、1台のスマートフォンが使用するRF(Radio Frequency)フィルタの数が増加している。
携帯電話用の高速無線通信規格の1つで現在の主流となっているLTE(Long Term Evolution)には、TDDとFDD(Frequency Division Duplex)とがある。TDDは一つの通信帯域を時分割で二重化し、FDDは隣接した1組の通信帯域(送信帯域をUL:Up Link、受信帯域をDL:Down Linkと呼ぶ。)を使用して二重化する。
送受信で電波を対称に二重化するFDDに対し、TDDは非対称な二重化が可能なため、電波利用効率において原理的に優位である。また、2波長帯を使うFDDに対し、1波長帯で実現するTDDは、回路構成もよりシンプルになるメリットがある。
この様に、TDDは原理的優位性を有する。しかしながら、デジタルセルラー通信サービス開始当初は、携帯端末と基地局間の同期精度が低く、送信と受信の間に長いブランク期間を設ける必要があった。そのため、電波利用効率でも優位であるFDDから普及が進んだ。
この様な状況に対し、近年の携帯端末と基地局間の同期技術の進歩が、TDDの送信と受信の間のブランク期間を短縮したため、TDDの普及を加速している。
また、同期技術の進歩は、ブロードバンドによる高速通信にも繋がっている。サービス開始当初のFDD帯域幅は20MHz以下であったが、現在のTDD帯域幅は200MHzのブロードバンドで利用されている。
一方、現在のセルラー通信では460MHzから6GHzの周波数帯が通信帯域として割り当てられている。
また、電波の伝達特性(減衰や障害物回避など)はより低周波において優れる為、使用帯域は1GHz以下から普及が進んだ。しかし、通信量拡大に伴い、1GHz以下帯域の利用状況は過密化し、現在は2GHzまで過密化が進んでいる。
この様な状況を背景とし、今後は未使用帯域が残る2.3~6.0GHz帯域のブロードバンドTDDの普及が進むと思われる。
各国の各キャリア(電気通信事業者)が使用する通信帯域は、3GPP(Third G eneration Partnership Project)が仕様を策定し、各々の通信帯域にはbandナンバーが付与される。
その中の1つであるband12の通信帯域は、FDD方式、UL699~716MHz、DL729~746MHzと規定されており、17MHzの狭い帯域幅を13MHzの近接した間隔で利用する。通信帯域は、バンドパスフィルタ(以降、BPFと略す、又は周波数フィルタと呼ぶ場合がある。)によって、ノイズとなる外来電波から隔離される。band12の様な近接した狭い帯域を隔離する周波数フィルタには、シャープなバンドパス特性をもつAW(Acoustic Wave)フィルタが用いられる。
AWフィルタには、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタと、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタがある。
SAWフィルタは、圧電体の上に櫛歯型対向電極を形成し、表面弾性波の共振を利用するフィルタである。
BAWフィルタには、FBAR型(film bulk acoustic resonator)とSMR型(solid mounted resonator)がある。
FBARは、圧電体フィルムの下にキャビティを設けバルク弾性波の共振を利用するフィルタである。
SMRは、キャビティの代わりに圧電膜の下に音響多層膜(ミラー層)を設けることで弾性波を反射させ共振を利用するフィルタである。
FBARは、フィルタ特性の急峻性と許容挿入電力においてSMRより優れ、現在のBAWの主流となっているが、前述したキャビティを高度なMEMS技術で形成するため、SAWより高価であるといわれている。
BAWフィルタは、SAWフィルタと比較し、許容挿入電力などの点で高周波特性に優れており、利用周波数において、両者は下記の様な棲み分けがなされている。
Low Band(~1.0GHz) :SAWフィルタ、
Middle Band(1.0~2.3GHz):SAWフィルタ又はBAWフィルタ、
High Band(2.3GHz~) :BAWフィルタ
ソレノイドコイル(以後、らせん状のコイルまたは単にコイルとも記す。)とキャパシタを組み合わせたLCフィルタも、周波数フィルタとして使用できる。しかしながら、AWフィルタと比較し閾値特性がブロードな為、隣接帯域を同時使用するFDDでの活用は困難だった。しかしながら、1帯域で運用するTDDでは、LCフィルタを周波数フィルタとして用いる事が可能である。
また、LCフィルタはAWフィルタと比較し、許容挿入電力、広通信帯域(ブロードバンド)、温度ドリフトなどの優位性を有する。この為、LCフィルタは、今後普及するHigh Band(3.5~6.0GHz)TDD用の周波数フィルタとして有望な技術といえる。
しかしながら、従来のLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)技術で製造するチップLCフィルタは、AWフィルタに比べサイズが大きく、特に厚みの問題から、ハイエンド・スマートフォンの薄型モジュールに内蔵することは困難だった。
同様に、今後普及が進む高速通信技術にCA(Carrier Aggregatio
n)がある。CAは複数通信帯域を同時使用し高速通信を実現する技術である。
その為、CAの周波数フィルタは、同時使用する互いの通信波から其々の通信波を隔離しなければならない。即ち、抑制しなければならないノイズ強度は、従来の外来電波に比べ非常に大きい。この対策として、CA単位でモジュールの最適化を行う必要がある。
CAで同時使用する複数通信帯域の中には2.3~6.0GHz帯TDDも含まれる。然るに、今後の高速通信技術に対応する為に、スマートフォンの薄型モジュール内に、いかにしてLCフィルタを実装するかという課題がある。これに対し、回路基板にコイルを内蔵することで、よりコンパクトな回路構成を実現する技術が特許文献1開示されている。
具体的には、配線パターン層のうち、少なくとも2層以上にコイルの一部となるコイル用パターンが形成され、コイル用パターンに挟まれた電気絶縁性基材の所定位置に、コイル用パターンの各々の端部間を連通する貫通穴が設けられ、貫通穴内に導電性ペーストが充填されて各々の端部間が電気的に接続されているコイル内蔵多層回路基板が開示されている。
ここで、上記電気絶縁性基材は、いわゆるガラスエポキシ基板等であり、貫通穴をドリル等の機械加工で形成しているため、貫通穴の内周にガラス繊維の端部が露出し、それにより内周面が凹凸状となっている。また、ガラスエポキシ基板の表面も本来的に凹凸を有する粗面である。したがって、上述したようにコイルパターンを形成できたとしても、その配線の幅や径が局所的に変化するので、コイルの電気的特性が悪くなるという問題がある。
これに対し、LTCC技術で高密度実装用LCフィルタを製造することも知られている。しかしながら、かかるLTCC技術では、ソレノイドコイル素子を多層セラミックス配線により基板表面鉛直方向に形成する為、本来的に薄形化が難しく、薄形のスマートフォンの筐体内に収容することは困難である。
また、LCフィルタのためのインダクタを形成する場合に、必要なインダクタンスを得るためにコイルの直径、巻き数などの面で、所望するよりも大きなスペースを必要とする場合もあり、その場合もスマートフォンの筐体内への収容が困難になる。
また、シリコン基板にコイルを内蔵する試みもあるが、シリコンは完全な絶縁体でないので、回路基板として使用するためには絶縁膜を形成しなくてはならず、コストが高くなるという問題がある。
一方、世界各国で使用するハイエンド・スマートフォンは、一機種で各国地域とキャリアに対応する為に、多くの通信帯域(10~20)を切替えて使用するRF(Radio
Frequency)回路を有している。この為、ハイエンド・スマートフォンでは回路基板配線の複雑化に起因した信号干渉を生じ易いという問題もある。
また、スマートフォンでは、厚さ6mm程度の筐体に、回路基板と表示素子を重ねて実装する為、モジュール厚は0.6~0.9mm程度に納める必要がある。
特開2005-268447号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、スマートフォンの大容量通信に対応できる高品質な配線形状を有し、かつ基板配線の複雑化に起因した信号干渉が少なく、さらにスマートフォンの筐体に収納可能な回路基板を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、貫通穴を備えたガラスコアの表裏面に形成された密着層の上に備えられた導体パターンと、その導体パターンの上に絶縁樹脂層と配線パターンからなる組を2組以上交互に積層してなるビルドアップ層と、を備えた高周波モジュール用電子基板であって、
導体パターンは、その形成時に貫通穴の内壁面に同時に形成された導電体からなるTGVを介して、交互に接続することにより形成されたコイルを構成しており、
ビルドアップ層には、下側の配線パターンと、上側の配線パターンと、それらにより狭持された誘電体層と、からなるキャパシタが備えられており、
コイルは、少なくともガラスコアの表裏面に形成された比透磁率が100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層を磁心として備えており、
コイルからなるインダクタとキャパシタにより、干渉抑制用LC要素が備えられていることを特徴とする高周波モジュール用電子基板である。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記干渉抑制用LC要素が、デュプレクサ、ダイプレクサ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタの中から選ばれたいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール用電子基板である。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、前記比透磁率100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層が、ニッケル層を含む金属の積層体であることを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール用電子基板である。
本発明の高周波モジュール用電子基板によれば、ガラス基板に形成された貫通穴の内壁面が滑らかであることにより、高品質な配線形状とすることができる。そのため、高周波信号の劣化を抑制することができる。
また、本発明の高周波モジュール用電子基板によれば、干渉抑制用LC要素を備えているため、同一回路基板上に異なる周波数の信号を取り扱う回路が存在しても、干渉することを抑制することが可能である。
また、本発明の高周波モジュール用電子基板によれば、LC要素のインダクタとなるコイルに比透磁率が100以上の高透磁率材料を含む磁心を備えているため、インダクタのサイズを小型化することができる。そのため、スマートフォンの筐体に収納可能な回路基板を提供することができる。
は、本発明の高周波モジュール用電子基板を用いて作製した送受信回路を例示したブロック図である。 本発明の実施形態に含まれるキャパシタの断面図を例示する図である。 (a)は本発明の実施形態に含まれるインダクタであるコイルを例示する斜視図、(b)はインダクタの各層を例示する説明図、である。 本発明の実施形態に含まれるバンドパスフィルタの一例を示す回路図である。 本発明の実施形態に含まれるバンドパスフィルタを備えた高周波モジュール用電子基板の一例を示す断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。 本発明の高周波モジュール用電子基板の製造工程を例示する断面図である。
<高周波モジュール用電子基板>
以下に、本発明の電子基板の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、本明細書中、「上」とはガラス基板から遠ざかる方向をいい、「下」とはガラス基板に近づく方向をいう。また、「回路素子」とは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、などの受動素子であり、特にLC回路の構成要素となる素子(以後、回路素子とも記す。)をいう。かかる回路素子は、複数帯域通信の内、少なくとも2GHz以上の帯域でTDDに使用するバンドパスフィルタを構成するLCフィルタの部品である。このLCフィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ダイプレクサ等の分波フィルタや、特定帯域のノイズを除去するノッチフィルタとして構成しても良い。そして、これらの受動部品と能動部品を配線基板に実装または内蔵した物品を電子基板または回路基板と記す。
以下に、本発明の高周波モジュール用電子基板を、図1~図18を使用して説明する。
本発明の高周波モジュール用電子基板41(図18(af)参照)は、貫通穴43を備えたガラスコア42の表裏面に形成された密着層44の上に備えられた導体パターン46と、その導体パターン46の上に絶縁樹脂層32と配線パターン55を2組以上交互に積層してなるビルドアップ層と、を備えた高周波モジュール用電子基板である(図6~図9参照)。
導体パターン46は、その形成時に貫通穴43の内壁面に同時に形成された導電体からなるTGVを介して、交互に接続することにより形成されたコイルを構成している。
ビルドアップ層には、下側の配線パターン55と、上側の配線パターン55´と、それらにより狭持された誘電体層47と、からなるキャパシタが備えられている。
コイルは、少なくともガラスコア42の表裏面に形成された比透磁率が100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層44を磁心として備えている。
コイルからなるインダクタとキャパシタにより、干渉抑制用LC要素が形成されていることが特徴である。
干渉抑制用LC要素は、デュプレクサ、ダイプレクサ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタの中から選ばれたいずれか1以上を含むものであっても良い。
また、比透磁率100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層44が、ニッケル層を含む金属の積層体であっても良い。
(送受信回路の構造と機能)
まず、本実施形態にかかる高周波モジュール用電子基板(以後、電子基板とも記す。)41を用いた送受信回路全体の構造と機能について、図1(a)を参照して説明する。図1(a)に示す送受信回路は、次世代のスマートフォンに好適に用いることができる。次世代のスマートフォンとは、同時複数帯域通信を行い、高速通信を実現するCA方式に対応したセルラーRF回路を使用するスマートフォンであって、各々の通信帯域で周波数フィルタとして使用するバンドパスフィルタ204~207と、スイッチ208、アンプ209を有し、必要に応じて、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、ダイプレクサ212、213等の分波フィルタやなど、何れかのRF部品を集積する電子基板を有するものである。
受信時において、アンテナ214が受信した電波から、トランシーバLSI202が制
御するRF回路215が通信波を取り出す。ベースバンドプロッセッサ210は通信波からベースバンド信号取り出し、パケットを再構成する。アプリケーションプロセッサ211は、受け取ったパケットからユーザーが必要なサービスを構成する。これに対し送信は、逆の経路をたどる。
(CA方式におけるRF回路の動作)
CA方式におけるRF回路215の動作を、より詳細に説明する。
アンテナ214が受信した電波は、ダイプレクサ213により1000MHzを境に、より高周波な帯域(High Band)と、より低周波な帯域(Low Band)に分波される。より高周波な帯域は更に、ダイプレクサ212により2300MHzを境に、中周波帯域(Middle Band)と高周波帯域(High Band)に分波される。Low Bandはband8 FDD、Middle Bandはband1 FDDとband3 FDD、High Bandはband41 TDDとband42 TDDの通信波を含む。この様に、周波数フィルタによってband毎の通信波を取出す前に、分波フィルタを使って帯域を分離する事は、複数帯域を同時使用するCA方式において、帯域間の干渉を抑制する為の有効な手段となる。
分波フィルタでの分離なしに、同一回路上に異なる周波数フィルタ(ダイプレクサ213とバンドパスフィルタ204、バンドパスフィルタ205とバンドパスフィルタ206)が存在する場合、干渉抑制が必要な各々のフィルタ毎に調整用LC要素を追加することも有効である。調整用LC要素は、分波フィルタで分離したフィルタ間においても必要に応じて有効に用いることができる。この様な干渉抑制用LC要素をモジュール回路基板に内蔵することも、高機能でありながらコンパクトな回路基板を実現する為に有効である。
FDDに用いる送受信用一組のバンドパスフィルタ205、206は、デュプレクサと呼ばれる。TDDでは一つのバンドパスフィルタ204、207を、送受信時分割使用するためにスイッチ208を使用する。送信時はFDD、TDD共、周波数フィルタの通過前に、通信波をアンプ209で増幅する。
(CA単位モジュールの回路構成)
CA単位モジュール201は、ダイプレクサ×2、バンドパスフィルタ×2、スイッチ×2、デュプレクサ×3、アンプ×5を含んでいる。本実施形態によってダイプレクサ×2、バンドパスフィルタ×2はLCフィルタとしてモジュール回路基板内に形成し、該LCフィルタのソレノイドコイル(以後、らせん状のコイルおよび単にコイルとも記す。)素子は、少なくともその構造の一部を回路基板内に有する事で薄型が可能となる。該LCフィルタ以外のRF部品はモジュール回路基板上に実装する事が可能であり、LCフィルタ上にそれらを実装する事でモジュール面積を縮小することが可能となる。これにより高機能でありながらコンパクトな電子基板を実現できる。
図1(a)のRF回路215は一つのCA単位モジュール201を有しているが、スマートフォンが複数の通信キャリアに対応する場合、異なるCAごとに対応した複数のCA単位モジュールを搭載してもよい。
本実施形態では、図1(b)に示す様に、帯域や通信方式毎に、周波数フィルタ、アンプ、スイッチをまとめてなる従来型モジュールとし、High Band TDDモジュールとして用いることも可能である。図1(b)では、ハイパスフィルタ302とTDD用バンドパスフィルタ303、304、LCフィルタとしてモジュール回路基板内に構成する事ができる。図1(b)において、共通する部品については同じ符号を付して、重複説明を省略する。
(回路の構成要素)
本実施形態にかかる回路の構成要素である回路素子は、TDDに使用するバンドパスフィルタを構成するLCフィルタである事が好ましい。また、本実施形態にかかる回路素子は、ダイプレクサ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタなど分波フィルタを構成するLCフィルタである事が好ましい。さらに、本実施形態にかかる回路素子は、前記バンドパスフィルタ間の干渉抑制調整回路用のソレノイドコイル素子である事が好ましい。
(LC回路の回路素子)
次に、ガラス基板をコア材として、その表裏両面に配線層と、絶縁樹脂層と、を交互に形成した基板を例にとって、LC回路を構成する回路素子としてのキャパシタとインダクタの例を、それぞれ説明する。
(キャパシタ)
キャパシタについては、二枚の導体板の間に誘電体を挟んだ構造とする。キャパシタの例としては、図2に示したように、ガラス基板(図示省略)直上に、又はガラス基板上に形成した絶縁樹脂層11の上に、下電極12を形成し、下電極12の上に誘電体層13を積層し、さらにその上に上電極14を積層したものである。下電極12と上電極14は、一般的に、無電解ニッケルめっきやスパッタリング法などにより形成した薄い金属薄膜であるシード層と、そのシード層の上に形成した電解銅めっきなどの導電層からなる多層構造を有する。
(インダクタ)
インダクタについては、らせん状のコイルと同様の性能を、貫通穴を備えた基板に内蔵することができる。図3は、2列に並んだ貫通穴を有する平行平板状のガラス基板を透明化して、ガラス基板に形成された貫通穴23を使用してらせん状のコイルを形成した状態を例示している。具体的には、図示していないガラス基板の表裏面において、らせん状のコイルを巻回する方向において隣接する貫通穴23の開口部同士を接続するように配線21、22を形成する。またガラス基板の表裏面を連通する貫通穴23の内壁に導体層を形成し、貫通導電ビア(以下、TGV(Through Glass Vias)と記す。)とする。この様にして、ガラス基板の表裏面に形成された配線21と配線22を、TGVによって順次、直列に接続することにより、らせん状のコイルを作製することができる。
更に詳しく説明すると、1列目n番目のTGVを、TGV(1、n)とし、2列目n番目のTGVを、TGV(2、n)とする。裏面側の配線22により導体層TGV(1、n)と、TGV(2、n)とを接続し、表面側の配線21によりTGV(1、n)と、TGV(2、n+1)とを接続すると、配線22と、TGV(1、n)と、配線21と、TGV(2、n+1)とで、ガラス基板の内部と表面を導体が一周(一巻き)するコイル状の回路(以後、コイルとも記す。)を構成することができる。この事を順次繰り返すことにより、らせん状に巻回したコイルが連接したソレノイドコイルを形成することができる。
この様にして作製したコイルに電流を流すことで、インダクタとして機能させることができる。インダクタの特性は、巻き数を変えることで調整することができるが、コイルの内部に、強磁性体のコアを配置することで、より大きなインダクタンスを得ることができる。
(強磁性体のコアを備えたソレノイドコイルの形成方法)
次に、図3(a)に示されるソレノイドコイルに強磁性体のコアを挿入する方法について説明する。図3(a)に示されている強磁性体のコアのないソレノイドコイルにおいては、配線21と配線22は、ガラス基板からなるコア(以後、ガラスコアとも記す、図示
省略)の表裏面に形成されている。しかし、強磁性体のコアを形成する場合に、ガラスコアの表裏に強磁性体の層を製膜することでは、強磁性体が導体でもあるため、配線21と22が短絡してしまう問題がある。
そこで、ガラスコアの表裏両面に、まず強磁性体層を形成し、その上に絶縁樹脂層を形成し、その絶縁樹脂層の上に配線パターンを形成する事によって、強磁性体層と電気的に短絡することなく、ソレノイドコイルを形成することができる。
図3(b)の(3)は、ガラスコア31に形成された貫通穴のうち、ソレノイドコイルを構成するTGVとして使用される貫通穴の内壁面に導体が形成される事によってTGVが形成された状態を示している。ガラスコア31の表裏面とも、初期は同じ状態となっている。
次に、図3(b)の(2)に示すように、ガラスコア31の表面側に、強磁性体層56と、TGVと、につながったガラスコア上のランド57を形成する。
図3(b)の(1)は、図3(b)の(2)の上に絶縁樹脂層32を介して、その表面に形成されたソレノイドコイルの一部を構成する配線55とランド58を形成した状態を例示している。ガラスコア31上のランド57と配線パターン55の端のランド58をTGVで接続することによって、ソレノイドコイルの配線と強磁性体層56が接触することを防ぐことができる。
図3(b)の(4)は、図3(b)の(2)と同様に、ガラスコア31の裏面側に強磁性体層56´と、TGVと、につながったガラスコア上のランド57´を形成する。
図3(b)の(5)は、図3(b)の(1)と同様に、図3(b)の(4)の上に絶縁樹脂層32´を介して、その表面に形成されたソレノイドコイルの一部を構成する配線55´とランド58´を形成した状態を例示している。
以上の様にして、図3に例示した様なソレノイドコイルの内部に強磁性体からなるコアを備えたソレノイドコイルを、強磁性体コアと配線パターン55、55´が短絡することなく、形成することができる。この様にして、回路基板の厚さを低減し、且つ強磁性体コアを備えることによりコイルの巻き数を低減したコンパクトなインダクタを形成可能となる。そのため、本発明の電子基板で使用するLC回路素子はコンパクトなサイズとなる。
(LC回路によるバンドパスフィルタ)
次に、基板内部に形成されるLC回路によるバンドパスフィルタ(BPF)について、説明する。BPFの基本的な回路図の例を、図4に示した。回路中のキャパシタの電気容量(以下、キャパシタと記す。)とインダクタの誘導係数(以下、インダクタンスと記す。)を適切に設定することによって、所望の帯域の周波数のみを通過させ、それ以外を遮断するバンドパス効果を発現させることができる。
図4の回路図に示したキャパシタC1~C3とインダクタL1~L3を実際の回路基板に形成した状態、を図5に模式的に示した。図中C1~C3がキャパシタ、L1~L3がインダクタを示す。
キャパシタC1~C3は、ガラスコア31の表面に、下電極33と誘電体35と上電極34を順次、積層することにより形成されている。全体としてキャパシタC1~C3は、ガラスコア31の表面上の絶縁樹脂層32に埋設されるように備えられており、回路基板外部の電極と接続する場合には、絶縁樹脂層32にビアホールを作り、その内部の導体を
介して接続できる(図9および図10参照)。
インダクタL1~L3は、ガラスコア31に形成されたTGVと、ガラスコア31の表裏面に積層した絶縁層32の上に形成した配線21、22(図3、図5および図6参照)をつないでソレノイドコイルを作ることにより作製することができる。なお、TGVは導体パターン46を作製する時に、同時に導体パターン46を構成する密着層44とその上に形成される電解銅めっきからなる導電体が、貫通穴43の内壁面にも形成されることにより形成される。
インダクタL1~L3本体は、ガラスコア31の内部と、その配線を含む導体層の上に積層される絶縁樹脂層32(図5参照)に埋設されるように備えられており、回路基板最外層の電極との導通は、キャパシタC1~C3と同様に、図16~図18に示した様に、絶縁樹脂層51に形成されたビアホール52を介して行うことができる。またインダクタ内に挿入されるインダクタのコア53(図15参照)は、ガラスコア42の表裏の密着層44に含まれている強磁性体層と、TGV内壁面に形成された密着層44に含まれている強磁性体層にて構成される。
<回路基板の製造工程>
次に、図6~18を用いて、ガラスコア42としてガラス基板を用いた回路基板の製造工程の一例を示す。
(回路設計)
まず、回路設計を行うため、通過又は遮断する電波の周波数帯域に応じて、必要なキャパシタとインダクタンスを、シミュレーションソフトによって算出する。例えば3400MHz以上、3600MHz以下の帯域について、図4に示すような回路構成において、所望の特性を実現するための素子の仕様例を表1と表2に示す。
表1にはキャパシタC1~C3に関する仕様例を、表2にはインダクタL1~L3に関する使用例を示した。ここで、インダクタL1とL3については、インダクタンスが非常に小さいため、コイルの形状にする必要がなく、一本の配線の自己インダクタンスで足りるため、表2中では、その配線の寸法について示してある。またL2については、強磁性体のコアを挿入した場合について計算してあるが、参考として、同じインダクタンスを、強磁性体のコアなしで実現する場合の寸法をL2´として表に示した。
表2から明らかな様に、インダクタに強磁性体のコアが備えられている場合のインダクタL2の寸法は、コアが備えられていない場合のインダクタL2´の寸法より小さくすることができ、コイル幅を1/2、コイル長さを1/3にすることができる例を示している。
Figure 0007188101000001
Figure 0007188101000002
2499MHz以上、2690MHz以下の帯域用のBPFについても、同様の手順によって、キャパシタ、インダクタンスを計算し、必要な回路の設計を行うことができる(数値については省略)。
(回路基板の製造工程)
以上の回路設計に基づいて、必要な回路基板を製作する。
まず、図6(a)に示すように、低膨張のガラスコア42(厚さ300μm、CTE(熱膨張係数):3.5ppm/K)を準備する。
次いで図6(b)に示すように、かかるガラスコア42に開口径80μm~100μm
の貫通穴43を形成する。形成にあたっては、第一段階として、貫通穴43の形成を所望する位置にUVレーザー光をパルス照射し、照射されたガラスに脆弱部を作り、第二段階として、ガラスコア42に対してフッ化水素酸水溶液によるエッチングを行う。これにより脆弱部が選択的にエッチングされ、高精度な貫通穴43が迅速に形成される。ガラスエポキシ基板を用いる場合と比較すると、より高精度な内径を持ち且つ凹凸のない内壁面を有する貫通穴43を形成することができる。
つぎに図6(c)に示すように、ガラスコアの表裏面および貫通穴の内部に密着層44の積層を行う。図中では密着層44は一層のようになっているが、実際には密着層として、スパッタリングによるTi膜を50nm、Cu膜を300nm、この順序にて積層し、その上に無電解めっきにてNi層を0.2μmの厚さで積層した。
つぎに、セミアディティブ法によって、ガラスコア42の表裏面に必要な導体パターンを形成し、貫通穴の内部にさらに厚く導電層を形成するための準備として、図7(d)に示すように、ガラスコア42の両面に、例えば日立化成株式会社製ドライフィルムレジスト層を形成する。例えば、商品名RY-3525(厚さ25μm)をラミネートする。ドライフィルムレジスト層の代わりに、液状レジスト塗布でもよい。
その後、図7(e)に示すように、フォトリソグラフィー法により、導体パターン46すなわち配線パターンを形成するためのマスクを介してレジスト層に露光し、現像によってレジスト層に、ドライフィルムレジスト層45からなる配線パターン(開口部)を形成する。この際に中止すべこき点としては、後にインダクタのコア53(図15(z)参照)となるべき部分については、この段階ではレジストにてマスキングして、次の電解銅メッキにて、銅層の積層をしない様にする。
次に、図7(f)に示すように、電解銅めっきによって上記開口部に銅を析出させ、導電性部材である導体パターン46を15μmの厚さで形成する。この段階において、ガラスコア42の貫通穴43のうち、レジストパターンから露出させておいたものの内壁にも銅めっきが析出する。前記のインダクタのコアにあたる部分に位置する貫通穴に関しては、レジストにて覆って銅を析出させないようにしている。これは、コアとして考えたときに、より比透磁率の高いニッケル層を露出させた方が、コアとしての効果が高いからである。
続いて、図8(g)に示すように、ドライフィルムレジスト層45を剥離する。この結果、ガラスコア42の表裏面はTi/Cu/Niからなる密着層44で覆われた部分と、さらにその上に電解銅めっきからなるCuが積層された導体パターン46の部分が混在している。
つぎに図8(h)に示すように、インダクタのコアとなる部分のみにドライフィルムレジスト層45が積層されるように、フォトリソグラフィーにて基板の表裏にレジストパターンを形成する。
続いて、図8(i)に示すように、ドライフィルムレジスト層45に保護されていない部分の密着層44を上から、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ti(チタン)の順にエッチング除去する。
続いて図9(j)に示すように、ドライフィルムレジスト層45を剥離除去した結果、この段階において、基板表面でニッケル層が露出しているのは、後にインダクタのコア53(図15(z)参照)となる部分だけとなる。
つぎに図9(k)に示すように、ガラスコア42の両面およびその上に積層されている導体パターン46などを含む面の上に、例えば、味の素ファインテクノ株式会社製の絶縁樹脂(商品名「ABF-GX-T31R」)を貼付して、絶縁樹脂層(樹脂ビルド層)32を形成する。形成方法は真空プレスラミネート装置にて、ガラスコア42の貫通穴43の内部にボイドなく絶縁樹脂を封入する。絶縁樹脂層32の厚さについては、導体パターン46が確実に埋まっている限りはとくに制限はないが、実験的には25μm程度が好適であった。
さらに図9(l)に示すように、レーザー加工によって、導通をとりたい位置に、絶縁樹脂層32を除去し、ガラスコアに形成された配線層である導体パターン46に達する絶縁樹脂層の穴(以後、ビアホールとも記す。)52を形成する。絶縁樹脂層の穴52の直径は60μm程度が好ましい。
つぎに、図10(m)に示すように、ガラスコア42の表裏面の絶縁樹脂層32に無電解銅めっきを施し、シード層54を形成する。その厚さについては、自由に設定できるが、本実施形態の説明においては0.6μmとした。この処理によって、表裏面のみならず、先にレーザー加工にて形成したビアホール52の内壁にもシード層54が形成される。
つづいて、図10(n)に示すように、基板両面にドライフィルムレジスト層45を貼付し、フォトリソグラフィー法によって、配線パターン55を設けたい部分に開口部を備えたドライフィルムレジスト層を設ける。
ついで、図10(o)に示すように、基板にシード層54を電極として電解銅めっきを施し、厚さ15μmにて配線パターン55を形成する。また、この電解銅めっき処理において、絶縁樹脂層32のビアホール52の内部も銅めっきで満たされ、ガラスコア42表面の導体パターン46との導通もとれる。図中では配線パターン55の一部にキャパシタの下電極となる部分を示したが、これはキャパシタを積層基板内のどこに配置するかによって、自由に選択してよい部分であり、二枚の電極に誘電体が挟まれる構造を作ることができれば、他の層に形成した電極を選択してもよい。以後の説明においては、図10(o)に示す位置にキャパシタの下電極を配置した場合について説明を進める。
その後、図11(p)に示すように、ドライフィルムレジスト層45を剥離る。
さらに図11(q)に示すように、基板の表裏面のうち、キャパシタを形成する側の面に誘電体層47を形成する。具体的には、CVD製膜法にて、厚さ200nm乃至400nmでSiN膜を形成する。
つづいて、図11(r)に示すように、キャパシタの上電極を形成する際のシード層48として、スパッタリング法にて、Ni膜とCu膜をそれぞれ50nmと300nmの厚さで、この順序に誘電体層の上に製膜する。
続いて、図12(s)に示すように、キャパシタの上電極を形成すべく、フォトリソグラフィーにて、上電極を形成する部分のみをドライフィルムレジスト45から露出させた状態とする。
ついで図12(t)に示すように、電解銅めっきにて、厚さ10μmにて上電極49を形成する。
その後、図13(u)に示すように、ドライフィルムレジスト45を除去する。この時点では、キャパシタの上電極49が積層された部分以外には、上電極の密着層が露出して
いる。
そこで、図13(v)に示すように、不要なシード層48を除去すべく、まずフォトリソグラフィーにて、上記キャパシタの上電極49上のみをドライフィルムレジスト層50で保護する。
続いて、図14(w)に示すように、キャパシタの上電極49を製膜する際のCuスパッタ層のうち、不要な部分を除去するべく、ウエットエッチング法にて基板を処理し、不要な部分のTiN層とSiN層を除去すべく、基板をそれらの層をエッチング除去可能なガスを使用したドライエッチング法にて処理する。
具体的には、まず不要な部分で一番上にあるCuスパッタ層をエッチング液にて除去する。つぎに、その下にあるスパッタTi層とCVD製膜したSiN層を、ドライエッチングにて除去する。そのあと、キャパシタの上電極49を保護していたドライフィルムレジスト50を剥離除去する。
なお、図14(x)に示すように、この時点で、まだ絶縁樹脂層32直上の無電解Cu層からなるシード層54は残っている。
つぎに、図15(y)に示すように、絶縁樹脂層32の表面に形成されているシード層54を除去すべく、ウエットエッチング工法にて処理することにより同時に除去される。一方、配線パターン55やキャパシタの下電極およびキャパシタの上電極49などを形成しているCu層は、わずかにエッチング液に溶けるが、その厚さが比較的大きいため、完全に除去されてしまうことはない。
そのあとで図15(z)に示すように、ドライフィルムレジスト層50の除去を行うと、配線パターン55やキャパシタの電極が無い部分には、下地の絶縁樹脂層32が露出することとなる。以上の結果として、ガラスコア42の表面には、導体パターンとインダクタのコア53が形成され、その上に積層された絶縁樹脂層32の上には、キャパシタ101と配線パターン55が形成され、配線パターン55と導体パターン46はビアホール52にて接続されている。
次に再び、基板両面に絶縁樹脂層を形成するために、図15(z)に示すように基板の両面に絶縁樹脂層51を積層する。
次に、図16(aa)から図18(af)に示すように、絶縁樹脂層51にレーザー加工によりビアホール52を形成し(図16(aa))、絶縁樹脂層51の両面とビアホール52内にシード層48を形成し(図16(ab))、フォトリソグラフィーによりドライフィルムレジスト層45を形成した後(図17(ac))、電解銅めっきによって配線パターン55´を形成する(図17(ad))。
次に、ドライフィルムレジスト層45を剥離除去し(図18(ae))、更にシード層48をエッチング除去する(図18(af))ことにより、本発明における高周波モジュール用電子基板を得ることができる。また、必要に応じて、このあと、図15(z)から図18(af)の工程を繰り返して、ビルドアップを重ねてゆくこともできる。
11・・・絶縁樹脂層
12・・・(キャパシタの)下電極
13・・・(キャパシタの)誘電体層
14・・・(キャパシタの)上電極
21、22・・・配線
23・・・貫通穴
31・・・ガラスコア
32・・・絶縁樹脂層
33・・・下電極
34・・・上電極
35・・・誘電体層
41・・・回路基板
42・・・ガラスコア
43・・・貫通穴
44・・・密着層(Ti/Cuスパッタ層+Niメッキ層)
45・・・ドライフィルムレジスト層
46・・・導体パターン(ガラス直上銅配線:キャパシタ下電極を含む)
47・・・誘電体層
48・・・シード層(誘電体層上Ni/Cuスパッタ層)
49・・・(キャパシタの)上電極
50・・・(キャパシタ保護用の)ドライフィルムレジスト層
51・・・絶縁樹脂層
52・・・絶縁樹脂層の穴(ビアホール)
53・・・インダクタのコア
54・・・シード層(無電解Cu層)
55・・・(下側の)配線パターン
55´・・・(上側の)配線パターン
56・・・強磁性体層
57・・・(ガラスコア上の)ランド
58・・・(絶縁樹脂層上の)ランド
101・・・キャパシタ
102・・・インダクタ
201、301・・・CA単位モジュール
202・・・トランシーバLSI
204・・・バンドパスフィルタ
205・・・バンドパスフィルタ
206・・・バンドパスフィルタ
207・・・バンドパスフィルタ
208・・・スイッチ
209・・・アンプ
210・・・ベースバンドプロッセッサ
211・・・アプリケーションプロセッサ
212・・・ダイプレクサ
213・・・ダイプレクサ
214・・・アンテナ
215・・・RF回路
302・・・ハイパスフィルタ
303・・・TDD用バンドパスフィルタ
304・・・TDD用バンドパスフィルタ
305、306・・・スイッチ
307、308・・・アンプ
309・・・トランシーバLSI

Claims (3)

  1. 貫通穴を備えたガラスコアの表裏面に形成された密着層の上に備えられた導体パターンと、その導体パターンの上に絶縁樹脂層と配線パターンからなる組を2組以上交互に積層してなるビルドアップ層と、を備えた高周波モジュール用電子基板であって、
    導体パターンは、その形成時に貫通穴の内壁面に同時に形成された導電体からなるTGVを介して、交互に接続することにより形成されたコイルを構成しており、
    ビルドアップ層には、下側の配線パターンと、上側の配線パターンと、それらにより狭持された誘電体層と、からなるキャパシタが備えられており、
    コイルは、少なくともガラスコアの表裏面に形成された比透磁率が100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層を磁心として備えており、
    コイルからなるインダクタとキャパシタにより、干渉抑制用LC要素が備えられていることを特徴とする高周波モジュール用電子基板。
  2. 前記干渉抑制用LC要素が、デュプレクサ、ダイプレクサ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタの中から選ばれたいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール用電子基板。
  3. 前記比透磁率100以上の高透磁率材料を含んでいる密着層が、ニッケル層を含む金属の積層体であることを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール用電子基板。
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