以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1を用いてトラクタ1の全体構成について説明する。
なお、本実施形態においては、作業車としてトラクタ1を例示するが、本発明はこれに限るものではない。すなわち作業車は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
トラクタ1は、主として機体フレーム2、前輪3、後輪4、エンジン5、ボンネット6、変速装置7、ステアリング8、キャビン9、座席10及び操作装置100を具備する。
機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて配置される。機体フレーム2の前部はフロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪3に支持される。機体フレーム2の後部には変速装置7が設けられる。変速装置7の後部はリアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪4に支持される。機体フレーム2の前部にはエンジン5が設けられる。エンジン5はボンネット6に覆われる。
エンジン5の動力は、変速装置7で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪3に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪4に伝達可能とされる。エンジン5の動力によって前輪3及び後輪4が回転駆動され、トラクタ1は走行することができる。
エンジン5の後方にはキャビン9が設けられる。キャビン9の内部には、運転者が搭乗する居住空間9aが形成される。居住空間9aには、ステアリング8、ペダル及び運転者が着座するための座席10等が配置される。ステアリング8には、変速装置7を切り替え操作可能な操作装置100が設けられる(図2参照)。また、座席10の右方には、複数の操作具が設けられるアームレストやサイドコンソール(不図示)が配置される。
本実施形態では、アームレスト又はサイドコンソールに、変速装置7を切り替え操作可能なサイド操作具9bを設けている(図2参照)。サイド操作具9bには、変速装置7を前進状態及び後進状態に切り替え可能な所定の切替スイッチ(ボタン)が設けられている。
以下では、図2を用いて、ステアリング8について説明する。
ステアリング8は、前輪3の切れ角を調節するためものである。ステアリング8は、ステアリングホイール8a、ステアリングシャフト8b及びステアリングポスト8cを具備する。
ステアリングホイール8aは、運転者により把持される操作具である。ステアリングシャフト8bは、ステアリングホイール8aを支持するものである。ステアリングシャフト8bは、長尺な軸部材を構成する。ステアリングポスト8cは、居住空間9aにおいてステアリングシャフト8bを外側から覆うものである。
以下では、図2から図17までを用いて、操作装置100の詳細について説明する。なお、以下では、便宜的にステアリングシャフト8bの軸線方向を「上下方向」とし、当該「上下方向」及び左右方向に直交する方向を「前後方向」として操作装置100について説明する。
操作装置100は、変速装置7を、前進状態、後進状態及び中立状態に切り替える操作を行うものである。操作装置100は、ステアリングポスト8cの左側部に設けられる。操作装置100は、主として、カバー部110、ベース部120、操作レバー130、フレーム部137、前後進伝達部140、前後進カム部150、中立伝達部160、中立カム部170、規制部180、中立スイッチ部190、前後進スイッチ部200及び制御装置210を具備する。
図3に示すカバー部110は、操作装置100の外郭を構成するものである。カバー部110は、後述するベース部120及び当該ベース部120に取り付けられた各種部材を覆う。カバー部110は、下方及び右方に開口する略直方体の箱形状とされている。カバー部110は、ガイド部111を具備する。
ガイド部111は、後述する操作レバー130をガイドするものである。ガイド部111は、カバー部110を、厚さ方向に貫通する孔を構成する。ガイド部111は、カバー部110の上面と左面との角部に設けられる。ガイド部111は、平面視(上下方向視)において略T字形状とされている。ガイド部111は、上下ガイド部112及び前後ガイド部113を具備する。
上下ガイド部112は、略上下方向(斜め左下方向)に延びる部分である。上下ガイド部112は、ガイド部111の左側部分を構成する。
前後ガイド部113は、前後方向に延びる部分である。前後ガイド部113は、ガイド部111の右側部分を構成する。前後ガイド部113の前後方向中央部は、上下ガイド部112の上側部と連通している。
図4及び図5に示すベース部120は、後述する操作レバー130、前後進伝達部140及び中立伝達部160等が取り付けられるものである。ベース部120は、所定の固定具を介して、ステアリングポスト8cに固定される。ベース部120は、底板部121、第一側板部122、第二側板部123、天板部124及び支持部125を具備する。
底板部121は、ベース部120の底部を構成するものである。底板部121は、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。底板部121は、平面視において略矩形状とされている。
第一側板部122は、ベース部120の前側部を構成するものである。第一側板部122は、底板部121の前端部から立ち上がるように形成される。第一側板部122は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。第一側板部122の上右端部には、固定部122aが形成される。
固定部122aは、後述する天板部124を固定する部分である。固定部122aは、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。固定部122aには、上下方向に貫通する孔部が形成されている。固定部122aの下面には、上記孔部に連通するナットが設けられている。
第二側板部123は、ベース部120の後側部を構成するものである。第二側板部123は、底板部121の後端部から立ち上がるように形成される。第二側板部123は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。第二側板部123は、左右方向中途部が、上下方向の略全体に亘って切り欠かれている。第二側板部123の上左端部には、固定部123aが形成される。
固定部123aは、後述する天板部124を固定する部分である。固定部123aは、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。固定部123aには、上下方向に貫通する孔部が形成されている。固定部123aの下面には、上記孔部に連通するナットが設けられている。
天板部124は、ベース部120の天部を構成するものである。天板部124は、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。天板部124は、後右角部が切り欠かれた形状とされている。天板部124は、前右角部及び後左角部に、固定部122a及び固定部123aに対応する孔部が形成されている。当該孔部にボルト等の所定の止具を挿通し、固定部122a及び固定部123aに設けられたナットに対して締結することで、天板部124が第一側板部122及び第二側板部123に対して固定される。
支持部125は、後述する中立伝達部160及び中立スイッチ部190を支持するものである。支持部125は、固定片部126及び支持片部127を具備する。
固定片部126は、天板部124に対して固定される部分である。固定片部126は、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。固定片部126は、天板部124の後右角部において切り欠きが形成された部分に固定される。固定片部126は、天板部124の上面に当接した状態で、所定の止具を介して天板部124に固定される。
支持片部127は、後述する中立伝達部160及び中立スイッチ部190を支持する部分である。支持片部127は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。支持片部127は、固定片部126の後端部から下方に垂れ下がると共に、左方に延びる形状とされる。支持片部127の左端部には、前後方向に貫通する貫通孔127aが形成されている。
図3から図6までに示す操作レバー130は、操作装置100における操作具を構成するものである。操作レバー130は、ベース部120に対して、前後方向に沿う回動軸(後述する上下回動軸部144)を中心とした上下の回動方向(上下回動方向)に回動可能とされる。また、操作レバー130は、ベース部120に対して、上下方向に沿う回動軸(後述する前後回動軸部143)を中心とした前後の回動方向(前後回動方向)に回動可能とされる。操作レバー130は、把持部131、第一軸部132及び第二軸部133を具備する。
把持部131は、運転者によって把持される部分である。把持部131は、平面視において略矩形状とされている。
第一軸部132は、把持部131に接続される部分である。第一軸部132は、略上下方向に沿って延びる形状とされている。第一軸部132は、カバー部110のガイド部111に挿通される。
第二軸部133は、第一軸部132に接続されると共に、ベース部120に対して取り付けられる部分である。第二軸部133は、略左右方向に沿って延びる形状とされている。第二軸部133は、左端部が第一軸部132の下端部に接続される。すなわち、操作レバー130は、略L字形状とされている。第二軸部133は、本体部134、突出部135及び付勢部136を具備する。
本体部134は、第二軸部133の大部分を構成するものである。本体部134は、右方に開口する略円筒形状とされている。
突出部135は、本体部134の内部に収容されると共に、本体部134の右端部から右方に突出するものである。突出部135は、略円柱形状とされている。
図6に示す付勢部136は、本体部134の内部に収容されると共に、突出部135を右方に付勢するものである。付勢部136としては、例えば、コイルばねを採用可能である。なお、付勢部136としては、コイルばねに限られず、種々のばねを採用可能である。
図3に示すフレーム部137は、カバー部110及びベース部120の左端部から左方に突出するものである。フレーム部137は、平面視において略U字形状とされている。フレーム部137は、平面視において開口する右端部が、ベース部120の底板部121に固定される。フレーム部137は、操作レバー130よりも下方に位置すると共に、左端部が操作レバー130の左端部よりも左方に位置する。
フレーム部137を設けたことで、操作レバー130の操作性を向上させることができる。すなわち、フレーム部137と操作レバー130との相対的な位置関係に基づいて、操作レバー130の位置を把握し易いものとすることができ、例えば、操作レバー130を目視せずとも操作し易い構成とすることができる。また、操作レバー130に対する下方からの意図しない接触を抑制することができる。
図5及び図7に示す前後進伝達部140は、操作レバー130を上下回動方向及び前後回動方向に回動可能に支持すると共に、操作レバー130の前後回動方向の回動を後述する前後進カム部150に伝達するものである。前後進伝達部140は、本体部141、前後回動軸部143及び上下回動軸部144を具備する。
本体部141は、操作レバー130を支持するものである。本体部141は、後述する前後回動軸部143を介して、ベース部120の底板部121に対して取り付けられる。本体部141は、略円柱形状とされている。本体部141は、上端部に、後述する前後進カム部150が固定される。本体部141には、左右方向に貫通する貫通孔142が形成されている。
貫通孔142は、上下方向に長尺な長孔形状とされている。貫通孔142には、操作レバー130の第二軸部133が挿通される。
前後回動軸部143は、軸線方向を上下方向に向けて配置されるものである。前後回動軸部143は、本体部141の平面視中央部に設けられる。前後回動軸部143は、本体部141の上端部(後述する前後進カム部150の上面)及び下端部から、上下方向に突出するように一対設けられる。上側の前後回動軸部143は、天板部124を上下方向に貫通する孔部に挿通される。また、下側の前後回動軸部143は、底板部121を上下方向に貫通する孔部に挿通される。本体部141は、前後回動軸部143を介して、ベース部120に対して回動可能に支持される。
上下回動軸部144は、軸線方向を前後方向に向けて配置されるものである。上下回動軸部144は、本体部141の上下方向中途部と、操作レバー130の第二軸部133の左右方向中途部と、を貫通するように配置される。これにより、第二軸部133は、本体部141に対して回動可能に支持される。
上記構成としたことで、前後進伝達部140は、操作レバー130を、ベース部120に対して前後回動軸部143を中心として前後回動方向に回動可能に支持することができる。また、前後進伝達部140は、操作レバー130を、本体部141に対して上下回動軸部144を中心として上下回動方向に回動可能に支持することができる。
図4から図7までに示す前後進カム部150は、操作レバー130の前後回動方向の回動を、後述する前後進スイッチ部200に伝達するものである。前後進カム部150は、厚さ方向を上下方向に沿わせた板形状とされている。前後進カム部150は、平面視において略円形状とされている。
前後進カム部150は、前後進伝達部140の本体部141の上端部に対して回動不能に固定される。前後進カム部150の上面には、上側の前後回動軸部143が設けられる。本実施形態では、前後進カム部150、本体部141及び前後回動軸部143を一体的に形成した構成としている。なお、このような構成に限られず、それぞれ別体とされた前後進カム部150、本体部141及び前後回動軸部143を、組み合わせるようにしてもよい。前後進カム部150は、第一凹部151、第一前進側押圧部152、第一後進側押圧部153、第二凹部154、第二前進側押圧部155及び第二後進側押圧部156を具備する。
図6に示す第一凹部151は、前後進カム部150の前側部分において切り欠かれた部分である。第一凹部151は、前後進カム部150の上下方向全体において、後方に凹むように形成されている。第一凹部151は、後述する前進スイッチ部201のローラ部203a及び後進スイッチ部204のローラ部206aを受け入れ可能とされている。
第一前進側押圧部152は、後述する前進スイッチ部201を押圧する部分である。第一前進側押圧部152は、第一凹部151の左方に設けられる。第一前進側押圧部152は、第一凹部151の底面(図6において前方に向く面)に対して、前後進カム部150の径方向外側に突出した形状とされている。
第一後進側押圧部153は、後述する後進スイッチ部204を押圧する部分である。第一後進側押圧部153は、第一凹部151の右方に設けられる。第一後進側押圧部153は、第一凹部151の底面に対して、前後進カム部150の径方向外側に突出した形状とされている。
第一前進側押圧部152及び第一後進側押圧部153は、第一凹部151の底面に隣接する面が、前後進カム部150の径方向外側に向かうに従って、互いに広がる傾斜面とされている。
第二凹部154は、前後進カム部150の後側部分において切り欠かれた部分である。第二凹部154は、前後進カム部150の上下方向全体において、斜め前右方に凹むように形成されている。第二凹部154は、後述する共通スイッチ部207のローラ部209aを受け入れ可能とされている。
第二前進側押圧部155は、後述する共通スイッチ部207を押圧する部分である。第二前進側押圧部155は、第二凹部154の右方に設けられる。第二前進側押圧部155は、第二凹部154の底面(図6において斜め左後方に向く面)に対して、前後進カム部150の径方向外側に突出した形状とされている。
第二後進側押圧部156は、後述する共通スイッチ部207を押圧する部分である。第二後進側押圧部156は、第二凹部154の左方に設けられる。第二後進側押圧部156は、第二凹部154の底面に対して、前後進カム部150の径方向外側に突出した形状とされている。
第二前進側押圧部155及び第二後進側押圧部156は、第二凹部154の底面に隣接する面が、前後進カム部150の径方向外側に向かうに従って、互いに広がる傾斜面とされている。
図5及び図7に示す中立伝達部160は、操作レバー130の上下回動方向の回動を後述する中立カム部170に伝達するものである。中立伝達部160は、被支持片部161及び受け片部163を具備する。
被支持片部161は、ベース部120の支持片部127に対して、上下回動方向に回動可能に支持されるものである。被支持片部161は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。被支持片部161は、左右方向に長尺な形状とされている。被支持片部161は、支持片部127の前面に沿うように配置される。被支持片部161は、回動軸部162を具備する。
回動軸部162は、軸線方向を前後方向に向けて配置されるものである。回動軸部162は、被支持片部161の後面における左端部から、後方に突出するように設けられる。回動軸部162は、前後進伝達部140の上下回動軸部144と同一軸線上に配置される。回動軸部162は、支持片部127の貫通孔127aに挿通される。これにより、被支持片部161が支持片部127に対して上下回動方向に回動可能に軸支される。
受け片部163は、操作レバー130の上下回動方向の回動による力を受けるものである。受け片部163は、厚さ方向を左右方向に沿わせた板形状とされている。受け片部163は、被支持片部161の右端部から、前方に向けて延びるように設けられている。すなわち、中立伝達部160は、平面視において略L字形状とされている。受け片部163は、上片部164、下片部165及び逃げ部166を具備する。
上片部164は、受け片部163の上側部分を構成するものである。上片部164は、左右方向に長尺な形状とされている。
下片部165は、受け片部163の下側部分を構成するものである。上片部164は、左右方向に長尺な形状とされている。下片部165は、上片部164に対して上下方向に離間するように配置される。
逃げ部166は、上片部164及び下片部165の間において切り欠かれた部分である。逃げ部166は、受け片部163の前端部から前後方向の大部分に亘って形成されている。すなわち、受け片部163は、側面視において略U字形状とされている。逃げ部166の上下寸法は、操作レバー130の第二軸部133の外径寸法よりも大きく形成される。これにより、逃げ部166は、操作レバー130の第二軸部133を受け入れ可能とされる。
図7に示すように、被支持片部161を支持片部127に支持させた状態では、上片部164及び下片部165の間に第二軸部133の右側部分が位置する。このことから、図12及び図13に示すように、操作レバー130を上下回動方向に回動させれば、上片部164又は下片部165が、第二軸部133を介して上下回動方向の力を受ける。これにより、中立伝達部160が回動軸部162を中心として、操作レバー130の回動に追従して上下回動方向に回動する。
一方、図14及び図16に示すように、操作レバー130を前後回動方向に回動させた場合、操作レバー130の第二軸部133は、逃げ部166内を前後方向に移動する。このことから、操作レバー130を前後回動方向に回動させても、中立伝達部160は、第二軸部133を介した前後回動方向の力を受けず、当該操作レバー130の前後回動方向の回動の影響を受けない。
図5及び図8に示す中立カム部170は、操作レバー130の上下回動方向の回動を、後述する中立スイッチ部190に伝達するものである。中立カム部170は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。中立カム部170は、背面視において、円形の左側部分及び上側部分を切除した形状とされている。
中立カム部170は、支持片部127の後面に沿うように配置される。中立カム部170は、中立伝達部160の回動軸部162が挿通されると共に、当該回動軸部162に対して回動不能に固定される。これにより、中立カム部170は、中立伝達部160の回動に伴い上下回動方向に回動する。中立カム部170は、凹部171及び押圧部172を具備する。
凹部171は、中立カム部170の右側部分において切り欠かれた部分である。凹部171は、中立カム部170の前後方向全体において、左方に凹むように形成されている。凹部171は、後述する中立スイッチ部190のローラ部192aを受け入れ可能とされている。
押圧部172は、後述する中立スイッチ部190を押圧する部分である。押圧部172は、凹部171の下方に設けられる。押圧部172は、凹部171の底面(図8において右方に向く面)に対して、中立カム部170の径方向外側に突出した形状とされている。押圧部172は、凹部171の底面に隣接する面(図8において斜め右上方に向く面)が、凹部171の底面に対する傾斜面とされている。
図4、図6、図7、図10及び図11に示す規制部180は、操作レバー130の移動を規制するものである。規制部180は、ベース部120の底板部121の上面における後端部に設けられる。また、規制部180は、ベース部120の第一側板部122及び第二側板部123の間に挟まれるように設けられる。規制部180は、側面視において逆T字形状とされている。規制部180は、規制凹部181を具備する。
規制凹部181は、規制部180の前面において開口し、操作レバー130の突出部135を受け入れるものである。規制凹部181は、第一規制凹部182及び第二規制凹部183を具備する。
第一規制凹部182は、上下方向に長尺な溝形状とされた部分である。第一規制凹部182は、規制部180の前後方向略中央に設けられる。第一規制凹部182の溝幅寸法は、突出部135の外径寸法に応じた寸法とされている。これにより、突出部135が第一規制凹部182内に位置する状態では、操作レバー130の前後回動方向の回動は規制される。図11(a)に示すように、第一規制凹部182の溝底面は、当該第一規制凹部182の上下方向中央部分の溝深さ寸法が最も大きくなるような傾斜面とされている。
第二規制凹部183は、前後方向に長尺な溝形状とされた部分である。第二規制凹部183は、規制部180の下側部分に設けられる。第二規制凹部183は、前後方向中央部が、第一規制凹部182の下側部と連通する。第二規制凹部183の溝幅寸法は、突出部135の外径寸法に応じた寸法とされている。これにより、突出部135が第二規制凹部183内に位置する状態では、操作レバー130の上下回動方向の回動は規制される。図11(b)に示すように、第二規制凹部183の溝底面は、当該第二規制凹部183の前後方向中央部分の溝深さ寸法が最も大きくなるような傾斜面とされている。
突出部135は、付勢部136により右方に付勢されることで、先端部が第一規制凹部182又は第二規制凹部183の溝底部に常時当接する構成とされている。また、傾斜面とされた第一規制凹部182及び第二規制凹部183の溝底面にガイドされ、第一規制凹部182の上下方向中央部分又は第二規制凹部183の前後方向中央部分に位置するように誘導される。
本実実施形態では、第一規制凹部182の上下方向中央部分の溝深さ寸法の方が、第二規制凹部183の前後方向中央部分の溝深さ寸法よりも大きく形成されている。従って、操作レバー130は、操作がされていない場合において、突出部135が第一規制凹部182の上下方向中央部分(図10においてAで示す位置)に位置するように誘導される。以下では、上述のように、突出部135が第一規制凹部182の上下方向中央部分に誘導された状態の上記操作レバー130の位置を初期位置として説明する。この状態では、突出部135が第一規制凹部182内に位置することから、操作レバー130は、前後回動方向の回動が規制される。
また、以下では、図9及び図12に示すように、操作レバー130を、初期位置から下方に移動させた状態を中立位置として説明する。この状態では、突出部135は、第一規制凹部182の上端部(図10においてBで示す位置)に位置する。
また、以下では、図13に示すように、操作レバー130を、初期位置から上方に移動させた状態を回動許容位置として説明する。この状態では、突出部135は、第二規制凹部183の前後方向中央部(図10においてCで示す位置)に位置する。これにより、操作レバー130は、前後回動方向の回動が可能となる。
また、以下では、図14及び図15に示すように、操作レバー130を、回動許容位置から前方に移動させた状態を前進位置として説明する。この状態では、突出部135は、第二規制凹部183の後端部(図10においてDで示す位置)に位置する。
また、以下では、図16及び図17に示すように、操作レバー130を、回動許容位置から後方に移動させた状態を後進位置として説明する。この状態では、突出部135は、第二規制凹部183の前端部(図10においてEで示す位置)に位置する。
図8に示す中立スイッチ部190は、中立カム部170による押圧を検知するものである。中立スイッチ部190は、支持片部127の後面において、中立カム部170よりも右方に設けられる。中立スイッチ部190は、後述する制御装置210に電気的に接続される。中立スイッチ部190は、本体部191及びレバー部192を具備する。
本体部191は、中立スイッチ部190の本体を構成するものである。本体部191は、支持片部127の後面に所定の止具を介して固定される。本体部191は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。本体部191は、背面視において略矩形状とされている。
レバー部192は、本体部191に対して変位可能に設けられたものである。レバー部192は、概ね上下方向に長尺な形状とされる。レバー部192は、上端部(基端部)が、本体部191の左面における上端部に対して、本体部191の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。レバー部192は、長手方向を斜め左下方に傾けて配置される。レバー部192の下端部(先端部)が右方に移動するように、上記軸回りに回動した場合、本体部191は、当該回動を検知する。レバー部192は、ローラ部192aを具備する。
ローラ部192aは、中立カム部170の押圧部172に押圧される部分である。ローラ部192aは、レバー部192の下端部(先端部)において、本体部191の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
図6に示す前後進スイッチ部200は、前後進カム部150による押圧を検知するものである。前後進スイッチ部200は、ベース部120の天板部124の下面に設けられる。前後進スイッチ部200は、後述する制御装置210に電気的に接続される。前後進スイッチ部200は、前進スイッチ部201、後進スイッチ部204及び共通スイッチ部207を具備する。
前進スイッチ部201は、前後進カム部150の第一前進側押圧部152による押圧を検知するものである。前進スイッチ部201は、本体部202及びレバー部203を具備する。なお、本体部202及びレバー部203は、設置場所及び向きを除いて、中立スイッチ部190の本体部191及びレバー部192と同様の構成とされている。
本体部202は、前進スイッチ部201の本体を構成するものである。本体部202は、天板部124の下面において、左前角部に所定の止具を介して固定される。本体部202は、厚さ方向を上下方向に沿わせるように配置される。
レバー部203は、本体部202に対して変位可能に設けられたものである。レバー部203は、本体部202の後面において、基端部が左方に位置するように配置される。すなわち、レバー部203は、左端部(基端部)が、本体部202の後面における左端部に対して、本体部202の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
ローラ部203aは、前後進カム部150の第一前進側押圧部152に押圧される部分である。ローラ部203aは、レバー部203の右端部(先端部)において、本体部202の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
後進スイッチ部204は、前後進カム部150の第一後進側押圧部153による押圧を検知するものである。後進スイッチ部204は、本体部205及びレバー部206を具備する。なお、本体部205及びレバー部206は、設置場所及び向きを除いて、中立スイッチ部190の本体部191及びレバー部192と同様の構成とされている。
本体部205は、後進スイッチ部204の本体を構成するものである。本体部205は、天板部124の下面において、前進スイッチ部201よりも右方に所定の止具を介して固定される。本体部205は、厚さ方向を上下方向に沿わせるように配置される。
レバー部206は、本体部205に対して変位可能に設けられたものである。レバー部206は、本体部205の後面において、基端部が右方に位置するように配置される。すなわち、レバー部206は、右端部(基端部)が、本体部205の後面における右端部に対して、本体部205の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
ローラ部206aは、前後進カム部150の第一後進側押圧部153に押圧される部分である。ローラ部206aは、レバー部206の左端部(先端部)において、本体部205の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
図6に示すように、前進スイッチ部201及び後進スイッチ部204は、ローラ部203aとローラ部206aとを対向させるように、左右対称に設けられる。これにより、前後進カム部150に設けられた共通の第一凹部151に、前進スイッチ部201及び後進スイッチ部204を受け入れさせることができる。
共通スイッチ部207は、前後進カム部150の第二前進側押圧部155及び第二後進側押圧部156による押圧を検知するものである。共通スイッチ部207は、本体部208及びレバー部209を具備する。なお、本体部208及びレバー部209は、設置場所及び向きを除いて、中立スイッチ部190の本体部191及びレバー部192と同様の構成とされている。
本体部208は、共通スイッチ部207の本体を構成するものである。本体部208は、天板部124の下面において、後端部の左右方向略中央部に所定の止具を介して固定される。本体部208は、厚さ方向を上下方向に沿わせるように配置される。
レバー部209は、本体部208に対して変位可能に設けられたものである。レバー部209は、本体部208の前面において、基端部が右方に位置するように配置される。すなわち、レバー部209は、右端部(基端部)が、本体部208の前面における右端部に対して、本体部208の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
ローラ部209aは、前後進カム部150の第二前進側押圧部155及び第二後進側押圧部156に押圧される部分である。ローラ部209aは、レバー部209の左端部(先端部)において、本体部208の厚さ方向に沿う軸回りに回動可能に軸支される。
図2に示す制御装置210は、操作レバー130を介した切り替え操作に基づいて変速装置7を中立状態、前進状態及び後進状態に切り替える制御を実行するものである。制御装置210は、記憶部、演算処理部等により構成される。制御装置210は、トラクタ1の内部において所定位置に配置される。制御装置210は、中立スイッチ部190、前後進スイッチ部200、サイド操作具9b及び変速装置7と所定の信号線を介して電気的に接続されている。
制御装置210は、中立スイッチ部190及び前後進スイッチ部200の検知に基づいて、所定のコントロールバルブを制御することで、変速装置7を前進状態、後進状態及び中立状態に切り替える制御を実行する。具体的には、制御装置210は、中立スイッチ部190の押圧を検知すれば、変速装置7を中立状態とする制御を実行する。
また、制御装置210は、前進スイッチ部201及び共通スイッチ部207の押圧を検知すれば、変速装置7を前進状態とする制御を実行する。また、制御装置210は、後進スイッチ部204及び共通スイッチ部207の押圧を検知すれば、変速装置7を後進状態とする制御を実行する。
このように、制御装置210は、変速装置7を前進状態又は後進状態とする際には、二つのスイッチ部の押圧を条件としている。すなわち、例えば、共通スイッチ部207に基づく検知がされていないにも関わらず、前進スイッチ部201又は後進スイッチ部204に基づく検知がされているような場合には、制御装置210は、変速装置7を前進状態又は後進状態とする制御を実行しない。これにより、各スイッチのいずれかが不調であることを検知することができる。
また、制御装置210は、サイド操作具9bに設けられた切替スイッチを介した切り替え操作によっても、変速装置7を前進状態及び後進状態に切り替える制御を実行可能とされている。すなわち、本実施形態では、操作レバー130による操作と、切替スイッチを介した操作と、のいずれかの操作によって変速装置7の切り替えが可能とされている。
以下では、操作装置100による操作態様について説明する。
図6から図8までに示すように、操作レバー130が初期位置とされた状態では、中立カム部170の凹部171に、中立スイッチ部190のローラ部192aが受け入れられる。また、図6に示すように、前後進カム部150の第一凹部151に、前進スイッチ部201のローラ部203a及び後進スイッチ部204のローラ部206aが受け入れられる。また、第二凹部154に、共通スイッチ部207のローラ部209aが受け入れられる。この状態では、中立スイッチ部190及び前後進スイッチ部200は、いずれも押圧されない。
図9及び図12に示すように、操作レバー130を、上下回動軸部144を中心として下方に回動させ、中立位置とすれば、操作レバー130の第二軸部133が、中立伝達部160の受け片部163の上片部164を押圧する。これにより、上片部164が、第二軸部133の回動による力を受け、中立伝達部160が回動軸部162を中心として、操作レバー130の回動に追従して回動する。
また、中立カム部170は、中立伝達部160の回動に伴い、回動軸部162を中心として回動することで、押圧部172が右方へ移動し中立スイッチ部190のローラ部192aを押圧する中立押圧位置に変位する。
また、図13に示すように、操作レバー130を、上下回動軸部144を中心として上方に回動させ、回動許容位置とすれば、操作レバー130の第二軸部133が、中立伝達部160の下片部165を押圧する。これにより、下片部165が、第二軸部133の回動による力を受け、中立伝達部160が回動軸部162を中心として、操作レバー130の回動に追従して回動する。この状態では、操作レバー130は、前後回動方向の回動が可能となる。
また、図14及び図15に示すように、回動許容位置とされた操作レバー130を、前後回動軸部143を中心として前方に回動させ、前進位置とすれば、前後進伝達部140が、上下回動軸部144を介して回動による力を受け、前後回動軸部143を中心として操作レバー130の回動に追従して回動する。
また、前後進カム部150は、前後進伝達部140の回動に伴い、前後回動軸部143を中心として回動することで、前後進カム部150の第一前進側押圧部152が前進スイッチ部201のローラ部203aを押圧すると共に、前後進カム部150の第二前進側押圧部155が共通スイッチ部207のローラ部209aを押圧する前進押圧位置に変位する。
また、図16及び図17に示すように、回動許容位置とされた操作レバー130を、前後回動軸部143を中心として後方に回動させ、後進位置とすれば、前後進伝達部140が、上下回動軸部144を介して回動による力を受け、前後回動軸部143を中心として操作レバー130の回動に追従して回動する。
また、前後進カム部150は、前後進伝達部140の回動に伴い、前後回動軸部143を中心として回動することで、前後進カム部150の第一後進側押圧部153が後進スイッチ部204のローラ部206aを押圧すると共に、前後進カム部150の第二後進側押圧部156が共通スイッチ部207のローラ部209aを押圧する後進押圧位置に変位する。
また、操作レバー130を上記中立位置、前進位置及び後進位置のいずれかに位置させた状態で、操作レバー130の把持部131から手を離し、操作を解除すれば、操作レバー130は、初期位置に戻る。これにより、操作レバー130による操作ごとに中立スイッチ部190及び前後進スイッチ部200の押圧が解除される。
上記構成としたことで、例えば、操作レバー130を介して変速装置7を前進状態又は後進状態に切り替える操作を行った後、サイド操作具9bを介した変速装置7の切り替えを行った場合でも、操作レバー130を介した操作と実際の変速装置7の状態との間に不整合が生じることを抑制することができる。すなわち、上記構成とは異なる操作装置において、操作レバー130を所定の位置に移動させた後、初期位置に戻さず上記所定の位置に保持(ロック)させる構成とした場合には、例えば、操作レバー130を前進位置に移動させた後、サイド操作具9bを介して変速装置7を後進状態とする切り替えを行った場合、操作レバー130を介した操作と実際の変速装置7の状態との間に不整合(不一致)が生じることとなる。一方、上記操作装置100によれば、上述したような操作レバー130を介した操作と実際の変速装置7の状態との間に不整合が生じることを抑制することができる。
以上の如く、本実施形態に係る操作装置100は、
トラクタ1(作業車)の変速装置7を切り替え操作可能な操作装置であって、
上下回動軸部144(第一の回動軸)を中心とした上下回動方向(第一の回動方向)に回動可能であり、かつ、前記上下回動軸部144とは非平行な前後回動軸部143(第二の回動軸)を中心とした前後回動方向(第二の回動方向)に回動可能な操作レバー130と、
前記操作レバー130を所定の初期位置に移動するように付勢する付勢部136と、
前記操作レバー130の前記上下回動軸部144の回動に追従して回動する中立カム部170(第一のカム部)と、
前記操作レバー130の前記前後回動方向の回動に追従して回動する前後進カム部150(第二のカム部)と、
前記中立カム部170が所定の位置に回動した状態で、当該中立カム部170に押圧されると共に当該押圧を検知する中立スイッチ部190(第一のスイッチ部)と、
前記前後進カム部150が所定の位置に回動した状態で、当該前後進カム部150に押圧されると共に当該押圧を検知する前後進スイッチ部200(第二のスイッチ部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、トラクタ1の変速装置7の切り替えを好適に操作することができる。すなわち、操作レバー130を上下回動方向又は前後回動方向に操作し、所定のスイッチを所定のカム部に押圧させた後、当該操作レバー130を初期位置に戻すことができる。これにより、操作レバー130による操作ごとに各スイッチの押圧が解除されるため、他の操作装置の操作に基づく変速装置7の切り替えが行われた場合でも、操作レバー130を介した操作と実際の変速装置7の状態との間に不整合が生じることを抑制することができる。
また、操作装置100は、
前記操作レバー130の前記上下回動方向の回動を前記中立カム部170に伝達すると共に、前記操作レバー130の前記前後回動方向の回動を前記中立カム部170に伝達しない、中立伝達部160(第一の伝達部)を更に具備するものである。
このように構成することにより、操作レバー130の前後回動方向の回動に中立カム部170を追従させない構成とすることで、操作レバー130の前後回動方向の回動に伴う中立スイッチ部190の意図しない接触を抑制することができる。
また、前記中立伝達部160は、
前記操作レバー130の前記上下回動方向の回動による力を受けることで、当該操作レバー130の回動に追従して移動すると共に、前記操作レバー130の前記前後回動方向の回動による力を受けない受け片部163(第一の受け部)と、
前記受け片部163の移動に伴い回動可能に支持されると共に、前記中立カム部170が固定される被支持片部161(第一カム部固定部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、中立伝達部160を、操作レバー130の上下回動方向の回動に追従して回動させることで、中立カム部170を回動させることを可能としながらも、操作レバー130の前後回動方向の回動による影響を受けない構成とすることができる。
また、操作装置100は、
前記操作レバー130の前記前後回動方向の回動を前記前後進カム部150に伝達すると共に、前記操作レバー130の前記上下回動方向の回動を前記前後進カム部150に伝達しない、前後進伝達部140(第二の伝達部)を更に具備するものである。
このように構成することにより、操作レバー130の上下回動方向の回動に前後進カム部150を追従させない構成とすることで、操作レバー130の上下回動方向の回動に伴う前後進スイッチ部200の意図しない接触を抑制することができる。
また、前記前後進伝達部140は、
前記操作レバー130の前記前後回動方向の回動による力を受けることで、当該操作レバー130の回動に追従して移動すると共に、当該操作レバー130を前記上下回動方向に回動可能に支持する上下回動軸部144(第二の受け部)と、
前記上下回動軸部144の移動に伴い回動可能に支持されると共に、前記第二のカム部が固定される本体部141(第二カム部固定部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、前後進伝達部140を、操作レバー130の前後回動方向の回動に追従して回動させることで、前後進カム部150を回動させることを可能としながらも、操作レバー130の上下回動方向の回動による影響を受けない構成とすることができる。
また、前記前後進スイッチ部200は、
前進押圧位置(第一のカム位置)に回動した前記前後進カム部150による押圧を検知する前進スイッチ部201(第一カム位置検知スイッチ部)と、
後進押圧位置(第二のカム位置)に回動した前記前後進カム部150による押圧を検知する後進スイッチ部204(第二カム位置検知スイッチ部)と、
前記前進押圧位置に回動した前記前後進カム部150による押圧及び前記後進押圧位置に回動した前記前後進カム部150による押圧を検知する共通スイッチ部207と、
を具備するものである。
このように構成することにより、スイッチの不調を検知することができる。
すなわち、前後進スイッチ部200を、前進スイッチ部201、後進スイッチ部204及び共通スイッチ部207により構成したことで、例えば、共通スイッチ部207に基づく検知がされていないにも関わらず、前進スイッチ部201又は後進スイッチ部204に基づく検知がされているような場合に、各スイッチのいずれかが不調であることを検知することができる。
また、前記前後進カム部150は、
前記前進スイッチ部201を押圧する第一前進側押圧部152(第一の押圧部)と、
前記後進スイッチ部204を押圧する第一後進側押圧部153(第二の押圧部)と、
前記第一前進側押圧部152と前記第一後進側押圧部153との間に形成され、前記操作レバー130が前記初期位置に位置する状態で、前記前進スイッチ部201及び前記後進スイッチ部204との接触を回避する第一凹部151(凹部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、前後進カム部150に、前進スイッチ部201及び前記後進スイッチ部204との接触を回避する共通の第一凹部151を設けたことで、前後進カム部150の形状の簡素化を図ることができる。
また、前記操作レバー130は、
前記初期位置よりも下方側(前記第一の回動方向の一方側)に位置する中立位置(第一の位置)と、
前記初期位置よりも上方側(前記第一の回動方向の他方側)に位置し、前記前後回動軸部143回りの回動が可能となる回動許容位置と、
前記回動許容位置よりも前方側(前記第二の回動方向の一方側)に位置する前進位置(第二の位置)と、
前記回動許容位置よりも後方側(前記第二の回動方向の他方側)に位置する後進位置(第三の位置)と、
に変位可能であり、
前記中立スイッチ部190は、
前記操作レバー130が前記中立位置に位置した状態での前記中立カム部170の押圧を検知し、
前記前後進スイッチ部200は、
前記操作レバー130が前記前進位置に位置した状態での前記前後進カム部150の押圧と、前記操作レバー130が前記後進位置に位置した状態での前記前後進カム部150の押圧と、を検知するものである。
このように構成することにより、操作性を向上させることができる。すなわち、初期位置を、中立位置、前進位置及び後進位置の略中間部に位置させることで、操作レバー130を、当該初期位置から各位置に移動させ易い構成とすることができ、操作性を向上させることができる。
また、操作装置100は、
前記変速装置7を、中立状態、前進状態及び後進状態に切り替える制御を実行可能な制御装置210を更に具備し、
前記制御装置210は、
前記操作レバー130が前記中立位置に位置した状態での前記中立カム部170の押圧の検知に基づいて、前記変速装置7を中立状態とし、
前記操作レバー130が前記前進位置に位置した状態での前記前後進カム部150の押圧の検知に基づいて、前記変速装置7を前進状態とし、
前記操作レバー130が前記後進位置に位置した状態での前記前後進カム部150の押圧の検知に基づいて、前記変速装置7を後進状態とするものである。
このように構成することにより、変速装置7に対する中立状態、前進状態及び後進状態の切り替えを好適に操作することができる。
また、本実施形態に係るトラクタ1は、本実施形態に係る操作装置100を具備するものである。
このように構成することにより、トラクタ1の変速装置7の切り替えを好適に操作することができる。
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上下回動軸部144は、本発明に係る第一の回動軸の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前後回動軸部143は、本発明に係る第二の回動軸の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上下回動方向は、本発明に係る第一の回動方向の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前後回動方向は、本発明に係る第二の回動方向の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る中立カム部170は、本発明に係る第一のカム部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前後進カム部150は、本発明に係る第二のカム部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る中立スイッチ部190は、本発明に係る第一のスイッチ部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前後進スイッチ部200は、本発明に係る第二のスイッチ部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る中立伝達部160は、本発明に係る第一の伝達部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る受け片部163は、本発明に係る第一の受け部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る被支持片部161は、本発明に係る第一カム部固定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前後進伝達部140は、本発明に係る第二の伝達部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上下回動軸部144は、本発明に係る第二の受け部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る本体部141は、本発明に係る第二カム部固定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前進押圧位置は、本発明に係る第一のカム位置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る後進押圧位置は、本発明に係る第二のカム位置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前進スイッチ部201は、本発明に係る第一カム位置検知スイッチ部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る後進スイッチ部204は、本発明に係る第二カム位置検知スイッチ部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一前進側押圧部152は、本発明に係る第一の押圧部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一後進側押圧部153は、本発明に係る第二の押圧部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一凹部151は、本発明に係る凹部の実施の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、操作装置100を、変速装置7を中立状態、前進状態及び後進状態に切り替えるものとしたが、このような態様に限られない。例えば、変速装置7を他の変速状態に切り替えるものとしてもよい。
また、本実施形態では、前後進スイッチ部200を、前進スイッチ部201、後進スイッチ部204及び共通スイッチ部207の三つのスイッチ部により構成した例を示したが、このような態様に限られない。例えば、前後進スイッチ部200を、前進スイッチ部201及び後進スイッチ部204により構成されるものとしてもよい。
また、本実施形態では、操作レバー130を上記中立位置、前進位置及び後進位置のいずれかに移動可能とした例を示したが、このような態様に限られない。例えば、上記中立位置、前進位置及び後進位置に加えて、操作レバー130が移動可能な位置を増やしてもよい。この場合、前記操作レバー130を、回動許容位置とは異なる位置において前後回動軸部143回りの回動が可能な構成としてもよい。例えば、操作レバー130を、中立位置において前後回動方向に移動可能な構成としてもよい。この場合には、図18に示すように、規制部180を、上記操作レバー130の移動を許容する形状とする。
上記構成によれば、中立スイッチ部190を押圧した状態で、前後進スイッチ部200の押圧が可能となる。これにより、制御装置210に、中立スイッチ部190、前進スイッチ部201及び共通スイッチ部207の押圧が検知された場合、又は、中立スイッチ部190、後進スイッチ部204及び共通スイッチ部207の押圧が検知された場合に所定の制御を実行させることができる。
以上のように、上記した例における前記操作レバー130は、
前記回動許容位置とは異なる位置において前記前後回動軸部143回りの回動が可能とされているものである。
このように構成することにより、中立位置、前進位置及び後進位置に加えて、更なる位置に操作レバー130を変位させることができる。
なお、操作レバー130が移動可能な位置を増やす際には、上述のように操作レバー130を中立位置において前後回動方向に移動可能とする構成に限られず、例えば、操作レバー130を中立位置よりも更に下方に位置させた状態や、操作レバー130を回動許容位置よりも更に上方に位置させた状態で、前後回動方向に移動可能な構成としてもよい。この場合は、上記操作レバー130の位置を検知可能なスイッチ部を更に設けるようにしてもよい。