JP7186603B2 - セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ - Google Patents
セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP7186603B2 JP7186603B2 JP2018241757A JP2018241757A JP7186603B2 JP 7186603 B2 JP7186603 B2 JP 7186603B2 JP 2018241757 A JP2018241757 A JP 2018241757A JP 2018241757 A JP2018241757 A JP 2018241757A JP 7186603 B2 JP7186603 B2 JP 7186603B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- para
- separator
- particles
- coating liquid
- copolymerized
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Description
パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドを共重合させたパラ系共重合芳香族ポリアミド、
粒子、並びに
有機溶剤
を含み、
前記共重合ジアミンが、全ジアミン成分に占める重量割合で25~75質量%の範囲にあり、かつ、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンであり、
前記粒子が、固形分換算で25体積%以上含まれており、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量が、45,000~200,000であり、かつ、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの濃度が、3.5質量%以上である、
セパレータ用コーティング液。
〈態様2〉
粘度が、1~7,000mPa・sである、態様1に記載のコーティング液。
〈態様3〉
前記粒子の含有量が、25体積%~74体積%である、態様1又は2に記載のコーティング液。
〈態様4〉
前記粒子が、無機粒子である、態様1~3のいずれかに記載のコーティング液。
〈態様5〉
態様1~4のいずれかに記載のコーティング液を、シャットダウン機能を有する基材に塗工して、該基材上に塗工層を形成し、
前記塗工層を備える基材を凝固浴中に浸漬し、該塗工層を凝固させて粒子含有樹脂層を調製してセパレータを形成する、
セパレータの製造方法。
〈態様6〉
粒子含有樹脂層、及びシャットダウン機能を有する基材を備え、
前記粒子含有樹脂層が、パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドを共重合させたパラ系共重合芳香族ポリアミド、並びに粒子を含み、
前記共重合ジアミンが、全ジアミン成分に占める重量割合で25~75質量%の範囲にあり、かつ、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンであり、
前記粒子が、25体積%以上含まれており、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量が、45,000~200,000であり、かつ、
150℃における熱収縮率が、10.0%以下である、
セパレータ。
〈態様7〉
前記基材が、ポリオレフィン製の不織布又は多孔質フィルムである、態様6に記載のセパレータ。
〈ポリマー濃度〉
本開示のセパレータ用コーティング液(単に「コーティング液」という場合がある。)は、塗工性、得られる樹脂膜の緻密性(パッキング性)、耐熱収縮性等の観点から、パラ系共重合芳香族ポリアミドの濃度(単に「ポリマー濃度」という場合がある。)を、3.5質量%以上、3.7質量%以上、又は3.9質量%以上とすることができる。ポリマー濃度の上限値については特に制限はないが、例えば、10.0質量%以下、8.0質量%以下、又は6.0質量%以下とすることができる。
本開示のコーティング液の粘度は、塗工装置の性能、塗工膜の厚さ等を考慮し適宜調整すればよく特に制限はないが、例えば、常温下において、1mPa・s以上、10mPa・s以上、50mPa・s以上、又は100mPa・s以上にすることができ、また、7,000mPa・s以下、5,000mPa・s以下、3,000mPa・s以下、2,000mPa・s以下、1,500mPa・s以下、又は1,000mPa・s以下にすることができる。ここで、本開示において常温とは、10~30℃の温度範囲を意図することができる。
本開示のパラ系共重合芳香族ポリアミドは、有機溶剤への溶解性、コーティング液の保存安定性等の観点から、パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドの共重合成分を含んでいる。この共重合ジアミンとしては、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン又は4,4’オキシジフェニレンジアミンを挙げることができ、中でも、分子鎖の屈曲性の高い、3,4’オキシジフェニレンジアミン又は4,4’オキシジフェニレンジアミンが好ましく、3,4’オキシジフェニレンジアミンが特に好ましい。
全ジアミン成分中に占める共重合ジアミンの割合としては、有機溶剤への溶解性、樹脂強度等の観点から、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上又は40質量%以上にすることができ、また、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下にすることができる。
パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量(Mw)としては、45,000以上、48,000以上、55,000以上、又は60,000以上とすることができ、また、200,000以下、190,000以下、180,000以下、又は170,000以下とすることができる。このような範囲の重量平均分子量を有するパラ系共重合芳香族ポリアミドは、コーティング液を低粘度化しやすく塗工性を向上させ得るとともに、得られる樹脂自体の強度及び耐熱収縮性にも優れるため、粒子の保持性(耐脱落性)を向上させることができる。重量平均分子量は、例えば、後述するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
上述した重量平均分子量等を有するパラ系共重合芳香族ポリアミドは、係る芳香族ポリアミドを得るときの重合の制御によって調製してもよく、又は分子量の大きいパラ系共重合芳香族ポリアミドを低分子量化することで調製してもよい。前者の重合の制御による方法では、通常の分子量のパラ系共重合芳香族ポリアミドの製造プロセスを大きく変更することが必要になることに加え、分子量の細やかな制御が困難であることから、後者の低分子量化処理による方法が好ましい。
粒子としては、パラ系共重合芳香族ポリアミドと混合した際に溶解せず、粒子形状を保持し得るものであれば特に限定はない。粒子は、単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
本開示のコーティング液は、粒子を固形分換算で25体積%以上含有するものである。さらにはこの粒子の含有量としては、耐熱収縮性、通気性等の観点から、30体積%以上、又は35体積%以上であることが好ましい。粒子の含有量の上限値については特に制限はないが、例えば、80体積%以下、特に、最密充填となる74体積%以下、70体積%以下、65体積%以下、60体積%以下、55体積%未満、又は50体積%以下とすることができる。
本開示の粒子の材料としては、例えば、無機材料、溶解しにくい結晶性のポリマーのような有機材料などを挙げることができる。中でも、耐熱収縮性、化学的安定性等の観点から、無機材料であることが好ましい。
粒子の大きさは、耐熱収縮性等の要する性能に応じて適宜選定すればよく、特に制限されるものではない。例えば、粒子の平均粒子径としては、0.01μm以上、0.05μm以上、又は0.1μm以上とすることができ、また、50μm以下、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下とすることができる。ここで、平均粒子径は、例えば、動的光散乱法を用いて求めることができる。
粒子の形状は、耐熱収縮性を呈し得る限り特に制限はない。例えば、球形状、ラグビーボールのような楕円形状、くびれのあるひょうたん形状、板形状、多角形状などを挙げることができる。なお、粒子の形状が、球形以外の場合は、粒子における最大長を示す方向の長さをその粒径とする。
有機溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で使用してもよく、或いは二種以上の混合溶媒として使用してもよい。中でも、汎用性、取り扱い性、溶解性等の観点から、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)であることが好ましい。また、有機溶剤は、脱水されていることが好ましい。
本開示のコーティング液は、本開示の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、任意に、熱安定剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤などの各種の添加剤を配合することができる。
本開示のセパレータは、例えば、以下のような方法によって製造することができる。
基材への塗工手段としては、特に制限はなく公知の塗工手段を採用することができる。例えば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、キャストコートなどの手段を採用することができる。
塗工層を備える基材を浸漬する凝固浴としては、例えば、水、又は上述した有機溶剤と水との混合物などを使用することができる。混合物を使用する場合、有機溶剤の配合比率としては、特に制限はないが、例えば、1質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上とすることができ、また、10質量%以下、7質量%以下、又は5質量%以下とすることができる。
本開示のセパレータの製造方法において、任意に、例えば、水洗工程、乾燥工程などを採用することができる。
上述したコーティング液を用いて製造される本開示のセパレータは、シャットダウン機能を有する基材の少なくとも片面に、特定量の粒子及び特定の樹脂を含む粒子含有樹脂層を備え、150℃における熱収縮率を10.0%以下にすることができる。また、係るセパレータは、特定の粒子含有樹脂層を備えるため、短絡時の発熱や発火を抑制することもできる。その結果、本開示のセパレータは、例えば、小型、軽量、高容量で長期保存にも耐える高性能な電池、コンデンサー、電気二重層キャパシタ用のセパレータ部材として使用することができる。特に、本開示のセパレータを、二次電池のセパレータとして使用することが好ましい。
本開示のセパレータの厚さとしては、特に制限はないが、例えば、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上とすることができる。セパレータの厚さの上限値については特に制限はないが、例えば、100μm以下、70μm以下、50μm以下、又は30μm以下とすることができる。
(熱収縮率)
本開示のセパレータは、後述する150℃の熱収縮率試験において、10.0%以下、8.0%以下、又は6.0%以下の熱収縮率を達成することができる。係る熱収縮率の下限値について特に制限はないが、例えば、0.0%以上、0.0%超、0.5%以上、又は1.0%以上とすることができる。
本開示のセパレータは、通気性能を有している。係る通気性能は、例えば、後述する通気度試験から得られるΔ通気度によって評価することができる。ここで、「Δ通気度」とは、係る試験によって得られたセパレータの通気度から、セパレータに使用する基材単体の通気度を差し引いた値を意味している。
本開示のセパレータにおける粒子含有樹脂層は、上述したコーティング液から得られるものであり、パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドを共重合させたパラ系共重合芳香族ポリアミド、並びに粒子を含んでおり、共重合ジアミンが、全ジアミン成分に占める重量割合で25~75質量%の範囲にあり、かつ、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンであり、また、粒子は、25体積%以上含まれており、パラ系共重合芳香族ポリアミドは、45,000~200,000の重量平均分子量を有している。ここで、粒子含有樹脂層中の粒子の体積含有比率(体積%)は、粒子含有樹脂層中に存在するパラ系共重合芳香族ポリアミドの体積と粒子の体積の合計量に対する粒子の体積の比率である。すなわち粒子含有樹脂層中の空隙等は除いた固体体積中の存在比率となる。
粒子含有樹脂層の厚さとしては、特に制限はないが、耐熱収縮性等の観点から、例えば、1μm以上、2μm以上、又は3μm以上とすることができ、また、50μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下とすることができる。
本開示のセパレータで使用する基材としては、シャットダウン機能を有する基材であれば特に制限はなく、例えば、不織布又は多孔質フィルムなどを挙げることができる。これらの基材は、単独で使用してもよく、或いは二層以上組み合わせて使用してもよい。ここで、「シャットダウン機能」とは、例えば、非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合に、基材を構成する材料の変形、軟化等により、微細孔を閉塞する機能を意味する。
係る基材の材料としては、例えば、80~180℃で変形、軟化する熱可塑性樹脂、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステルなどを挙げることができる。これらの材料は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。中でも、ポリオレフィンが好ましい。
基材の厚さとしては、特に制限はないが、シャットダウン機能等の観点から、例えば、5μm以上、7μm以上、又は9μm以上とすることができ、また、70μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下とすることができる。
比較例1-1~1-2、及び実施例1-3では、コーティング液に配合するポリマーの相違に基づく、塗工性、耐熱収縮性について評価した。
塩化カルシウムを約5質量%溶解させたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に、パラフェニレンジアミン1.00モルに対してテレフタル酸ジクロライドが0.95モルの割合となるように、これらの成分を添加し、室温下で縮合重合させて、PPTAのドープ液1を調製した。このドープ液1のPPTA濃度は2質量%であった。
MPIAのコーネックス(商標)パウダー(帝人株式会社製)を、NMP中に溶解させて、MPIAのコーティング液2を調製した。
パラ系共重合芳香族ポリアミドのテクノーラ(商標)パウダー(帝人株式会社製)を100g採取し、このパウダーを5質量%のNaOH溶液900g中に分散させ、130℃で1時間アルカリ処理を行った後、2規定の塩酸水溶液で中和し、水洗及び乾燥を実施して、アルカリ処理したパラ系共重合芳香族ポリアミドのパウダーを得た。このアルカリ処理により、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量(Mw)を、580,000から140,000に調整した。
得られた3種のドープ液1~3に対し、平均粒子径0.3μmのアルミナ粒子のスミカコランダム(商標)(住友化学株式会社製)を、表1のポリマー濃度及び粒子濃度となるように添加し、薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミクス(商標)、プライミクス株式会社製)を用いて混練し、コーティング液1~3を各々調製した。ここで、ドープ液1を用いて調製したコーティング液1は、短時間でゲル化したため、基材へのコーティング液として使用することはできなかった。
ポリエチレン(PE)多孔膜(厚み10μm、ガーレー通気度170秒/100cc、上海エナジー製)を、ガラス板上に配置した。各コーティング液2及び3を、乾燥膜厚が4μm程度となるようにガラス棒を用いてポリエチレン多孔膜上に塗工して塗工層を形成した。次いで、塗工層を備えるポリエチレン多孔膜を、NMPを5質量%含む水溶液(凝固浴)に投入し、皺が発生しないように注意しながら塗工層を凝固させた。凝固終了後に水洗を行い、凝固させた樹脂を有するポリエチレン多孔膜を厚紙ろ紙に挟み、皺が発生しないよう注意しながら60℃で12時間乾燥を行い、樹脂中にアルミナ粒子を有する層(粒子含有樹脂層)を備えるセパレータを各々調製した。
(分子量の測定)
各ポリマーの重量平均分子量を、以下の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。その結果を表1に示す。
カラムオーブン :CTO-20A
移動相 :NMP
オートサンプラ :SIL-20AHT
LCワークステーション:LC solution
流量 :0.3ml/分
示差屈折計検出器 :RID-10A
オーブン温度 :60℃
分子量標準試料 :ポリスチレン
基材及びセパレータの通気度の測定は、JIS P8117(ガーレー式透気度測定法)に準じて実施した。その結果を、表1に示す。ここで、「Δ通気度」とは、セパレータの通気度から基材の通気度を差し引いた値である。
得られたセパレータのサンプルを150mm角に切り取り、それをノーメックス(商標)紙(タイプ410、厚み0.25mm、坪量248g/m2、デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社製)に挟み、150℃の循環器乾燥機内に1時間保管し、加熱乾燥前後の寸法変化から150℃での熱収縮率を測定した。すなわち、加熱乾燥の前後で、150mm角のサンプルについて、MD方向及びTD方向に隣り合う頂点の間隔をそれぞれ測定し、その間隔の変化から、MD方向とTD方向の熱収縮率をそれぞれ算出した。各表中の熱収縮率の値は、算出したMD方向及びTD方向の熱収縮率から求めた平均値を示している。ここで、MD方向とは、基材の送り出し方向に対して平行方向を意味し、TD方向とは、基材の送り出し方向に対して垂直方向を意味している。また、参考のため、コーティングを施さないポリエチレン多孔膜(基材単体)においても同じように150℃の熱収縮率を測定したが、カーリングが発生したため正確な熱収縮率の測定は困難であった。
表1の結果から分かるように、PPTAを含むコーティング液(比較例1-1)は、ゲル化してしまったため基材に塗工することができなかった。また、MPIAを含むコーティング液(比較例1-2)は、ゲル化することはなかったが、得られたセパレータの150℃における熱収縮性は10%を超えていた。一方、パラ系共重合芳香族ポリアミドを含むコーティング液(実施例1-3)は、ゲル化することなく、塗工性に優れるとともに、得られたセパレータも150℃における耐熱収縮性に優れることが確認できた。
比較例2-1~2-2、及び実施例2-3~2-4では、コーティング液のポリマー濃度の相違に基づく耐熱収縮性について評価した。
上記のコーティング液3のポリマー濃度を、2.5質量%(比較例2-1)、3.0質量%(比較例2-2)、4.0質量%(実施例2-3)及び5.0質量%(実施例2-4)とし、実施例1-3と同様にして、コーティング液及びセパレータを調製した。上記と同様にして、通気度等を測定し、その結果を表2に示す。
表2の結果から分かるように、コーティング液中のポリマー濃度が3.0質量%以下であると、得られるセパレータの150℃における熱収縮性は、12%を超えていた。一方、コーティング液中のポリマー濃度が3.0質量%よりも高い場合には、150℃における耐熱収縮性が大幅に向上することが確認できた。
実施例3-1~3-10では、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量、及びコーティング液中の粒子濃度の相違に基づく耐熱収縮性について評価した。
上記のドープ液3を用いて調製したコーティング液の粒子濃度を、60質量%(34体積%)、70質量%(45体積%)、80質量%(59体積%)及び90質量%(76体積%)とし、実施例1-3と同様にして、実施例3-1~3-4のコーティング液及びセパレータを調製した。上記と同様にして通気度等を測定し、その結果を表3に示す。
表3の結果から分かるように、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量に関わらず、粒子含有樹脂層の粒子濃度が約25体積%以上であれば、150℃における耐熱収縮性が向上することが確認できた。
比較例4-1、及び実施例4-2~4-6では、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量の相違に基づく、樹脂強度、粒子の耐脱落性、及び耐熱収縮性について評価した。
上記のドープ液3調製時のNaOH溶液の濃度及び処理時間を、表4に示される条件で実施して、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量を調整し、かつ、係るパラ系共重合芳香族ポリアミドを含むドープ液を用いて、実施例1-3と同様にして、比較例4-1及び実施例4-2~4-6のコーティング液及びセパレータを調製した。上記と同様にして熱収縮率を測定し、その結果を表4に示す。ここで、実施例4-6のコーティング液に関しては、比較例4-1及び実施例4-4のコーティング液を、重量比で50:50の割合で混合したものを使用した。
(樹脂強度の測定)
各重量平均分子量のパラ系共重合芳香族ポリアミドを含むドープ液をガラス板上にガラス棒を用いて塗工し、実施例1-3と同様の凝固浴に浸漬し、その後70℃で4時間乾燥してフィルムを調製した。次いで、このフィルムをイオン交換水中にて一昼夜浸漬し、NMP及び塩化カルシウムを抽出洗浄し、粒子を含まないパラ系共重合芳香族ポリアミドフィルムを得た。
各セパレータの粒子含有樹脂層表面を指でこすり、粒子の脱落が全くないものを「A」、若干の脱落は確認できたが製品として許容レベルであるものを「B」、粒子が激しく脱落したものを「C」として評価し、その結果を表4に示す。
表4の結果から分かるように、パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量が45,000よりも低くなると、粒子含有樹脂層からの粒子の脱落が生じやすくなっていた。これは、粒子含有樹脂層を構成するパラ系共重合芳香族ポリアミド樹脂自体の引張強度が低下し、樹脂が粒子を十分に保持できなくなったために、粒子が脱落しやすくなったものと考えられる。
Claims (7)
- パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドを共重合させたパラ系共重合芳香族ポリアミド、
粒子、並びに
有機溶剤
を含み、
前記共重合ジアミンが、全ジアミン成分に占める重量割合で25~75質量%の範囲にあり、かつ、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンであり、
前記粒子が、固形分換算で25体積%以上含まれており、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量が、45,000~200,000であり、かつ、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの濃度が、3.5質量%以上である、
セパレータ用コーティング液。 - 粘度が、1~7,000mPa・sである、請求項1に記載のコーティング液。
- 前記粒子の含有量が、25体積%~74体積%である、請求項1又は2に記載のコーティング液。
- 前記粒子が、無機粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコーティング液。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング液を、シャットダウン機能を有する基材に塗工して、該基材上に塗工層を形成し、
前記塗工層を備える基材を凝固浴中に浸漬し、該塗工層を凝固させて粒子含有樹脂層を調製してセパレータを形成する、
セパレータの製造方法。 - 粒子含有樹脂層、及びシャットダウン機能を有する基材を備え、
前記粒子含有樹脂層が、パラフェニレンジアミン、共重合ジアミン、及びパラテレフタル酸ジクロリドを共重合させたパラ系共重合芳香族ポリアミド、並びに粒子を含み、
前記共重合ジアミンが、全ジアミン成分に占める重量割合で25~75質量%の範囲にあり、かつ、3,3’オキシジフェニレンジアミン、3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンであり、
前記粒子が、25体積%以上含まれており、
前記パラ系共重合芳香族ポリアミドの重量平均分子量が、45,000~200,000であり、かつ、
150℃の循環器乾燥機内に1時間保管し、加熱乾燥前後の寸法変化から算出したMD方向及びTD方向の熱収縮率から求めた熱収縮率の平均値が、10.0%以下である、
セパレータ。 - 前記基材が、ポリオレフィン製の不織布又は多孔質フィルムである、請求項6に記載のセパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018241757A JP7186603B2 (ja) | 2018-12-25 | 2018-12-25 | セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018241757A JP7186603B2 (ja) | 2018-12-25 | 2018-12-25 | セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020102427A JP2020102427A (ja) | 2020-07-02 |
JP7186603B2 true JP7186603B2 (ja) | 2022-12-09 |
Family
ID=71139844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018241757A Active JP7186603B2 (ja) | 2018-12-25 | 2018-12-25 | セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7186603B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112694610B (zh) * | 2020-12-16 | 2022-05-27 | 烟台泰和新材料股份有限公司 | 一种改性对位芳纶聚合液、涂覆浆料、锂电池隔膜及其制备方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001023600A (ja) | 1999-07-13 | 2001-01-26 | Teijin Ltd | 電池用セパレーター及びその製造方法 |
JP2005067363A (ja) | 2003-08-22 | 2005-03-17 | Bridgestone Corp | 安全空気入りタイヤ |
WO2012018132A1 (ja) | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 住友化学株式会社 | セパレータ |
JP2012209181A (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Teijin Techno Products Ltd | セパレータ |
JP2013200965A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Teijin Ltd | パラ型全芳香族コポリアミドセパレータ |
JP7018945B2 (ja) | 2017-06-28 | 2022-02-14 | 帝人株式会社 | 高濃度粒子含有フィルム及びその製造方法 |
-
2018
- 2018-12-25 JP JP2018241757A patent/JP7186603B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001023600A (ja) | 1999-07-13 | 2001-01-26 | Teijin Ltd | 電池用セパレーター及びその製造方法 |
JP2005067363A (ja) | 2003-08-22 | 2005-03-17 | Bridgestone Corp | 安全空気入りタイヤ |
WO2012018132A1 (ja) | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 住友化学株式会社 | セパレータ |
JP2012209181A (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Teijin Techno Products Ltd | セパレータ |
JP2013200965A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Teijin Ltd | パラ型全芳香族コポリアミドセパレータ |
JP7018945B2 (ja) | 2017-06-28 | 2022-02-14 | 帝人株式会社 | 高濃度粒子含有フィルム及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020102427A (ja) | 2020-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101806598B1 (ko) | 도포액, 적층 다공질 필름 및 적층 다공질 필름의 제조 방법 | |
Lee et al. | Electrospun nanofiber‐coated separator membranes for lithium‐ion rechargeable batteries | |
KR101587514B1 (ko) | 전지용 세퍼레이터 및 그 제조 방법 | |
CN102712778B (zh) | 芳香族聚酰胺多孔质膜、和使用该膜而成的电容器用及电池用隔板 | |
JP5250262B2 (ja) | ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法、並びに電池用セパレータ及び電池 | |
JP4867185B2 (ja) | 多孔性フィルムの製造方法および多孔性フィルム | |
CN107195838B (zh) | 锂离子电池隔膜用的孔径均匀有序的耐热涂层及制备方法 | |
JP7018945B2 (ja) | 高濃度粒子含有フィルム及びその製造方法 | |
EP2248847A1 (en) | Porous film, multilayer porous film comprising the same, and separator | |
CN106025149A (zh) | 一种耐高温复合锂电池隔膜及其制备方法 | |
US20190386274A1 (en) | Laminable, dimensionally-stable microporous webs | |
JP2019521479A (ja) | ポリマー電解質膜およびその製造方法 | |
JP2012119224A (ja) | 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池 | |
JP6984033B2 (ja) | 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池 | |
TW201223759A (en) | Separator | |
JP7186603B2 (ja) | セパレータ用コーティング液、セパレータの製造方法、及び該製造方法から得られたセパレータ | |
JP2017014493A (ja) | イオン伝導性フィルム、イオン伝導性複合フィルム、および電極複合体 | |
JP2015088478A (ja) | 固体電解質層積層多孔性フィルム及び電池用セパレータ、二次電池 | |
JP2018032627A (ja) | 蓄電素子電極用ポリアミドイミド溶液、蓄電素子電極の製造方法および蓄電素子電極 | |
TW200527454A (en) | Separator for capacitor and capacitor | |
JP6398304B2 (ja) | 芳香族ポリアミド多孔質膜および電池用セパレータ | |
JP2012099324A (ja) | 非水電解質二次電池用セパレータ及び非水電解質二次電池 | |
JP7203405B2 (ja) | 多孔質複合体の製造方法 | |
JP2020023632A (ja) | 薄膜および積層体 | |
JP7184563B2 (ja) | 含窒素芳香族ポリマーフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211008 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220607 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221129 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7186603 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |