JP7184260B2 - マイコバクテリウム・アビウム複合感染症に対する治療活性を有する新規化合物及びその製造方法 - Google Patents
マイコバクテリウム・アビウム複合感染症に対する治療活性を有する新規化合物及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1) 式(I):
R1は、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアシルオキシ、置換若しくは非置換のビフェニル、置換若しくは非置換のテルフェニル、置換若しくは非置換のナフチル、置換若しくは非置換のアントラセニル、又は
*は、残部との結合位置を示し、
R2、R3、R5及びR6は、互いに独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のシクロアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のアシル、置換若しくは非置換のアシルオキシ、又は置換若しくは非置換のアミノであり、
R4は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のシクロアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のアシル、置換若しくは非置換のアシルオキシ、2-メチルプロピオニルアミノ、又は4-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イルである。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
(2) R1が、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、又は
(3) R1が、2-メチルプロパン-1-エン-イルである、前記実施形態(1)に記載の化合物。
(4) 前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法であって、
式(I)で表される化合物を産生する能力を有するストレプトマイセス属菌OPMA40551株(受託番号NITE BP-02510)又はその変異株である微生物を培地中で培養して、式(I)で表される化合物を該培地中に蓄積させる、化合物蓄積工程;
化合物蓄積工程で得られた式(I)で表される化合物を前記微生物の培養物から精製する、化合物精製工程;
を含む、前記方法。
(5) 前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の式(I)で表される化合物を産生する能力を有するストレプトマイセス属菌OPMA40551株(受託番号NITE BP-02510)又はその変異株である微生物。
(6) 前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)に対する治療剤。
(7) 前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬。
(8) マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)の予防又は治療に使用するための、前記実施形態(7)に記載の医薬。
(9) 前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
(10) マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)の予防又は治療に使用するための、前記実施形態(9)に記載の医薬組成物。
(11) 1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする対象に、有効量の前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を投与することを含む、前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療方法。
(12) 前記1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害が、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)及び結核からなる群より選択される1種以上の症状、疾患及び/又は障害である、前記実施形態(11)に記載の方法。
(13) 1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用するための、前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物。
(14) 前記1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害が、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)及び結核からなる群より選択される1種以上の症状、疾患及び/又は障害である、前記実施形態(13)に記載の化合物。
(15) 1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に用いるための医薬の製造のための、前記実施形態(1)~(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物の使用。
(16) 前記1種以上の細菌による感染症である症状、疾患及び/又は障害が、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)及び結核からなる群より選択される1種以上の症状、疾患及び/又は障害である、前記実施形態(15)に記載の使用。
本明細書において、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「C1~C5アルキル」は、少なくとも1個且つ多くても5個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、「C1~C6アルキル」は、少なくとも1個且つ多くても6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。好適なアルキルは、限定するものではないが、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル及びn-ペンチル等の直鎖又は分枝鎖のC1~C5アルキル、並びにこれらに加えてn-ヘキシル及びメチルペンチル等の直鎖又は分枝鎖のC1~C6アルキルを挙げることができる。
R1が、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC7~C11シクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員ヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、置換若しくは非置換のC1~C20アシルオキシ、置換若しくは非置換のビフェニル、置換若しくは非置換のテルフェニル、置換若しくは非置換のナフチル、置換若しくは非置換のアントラセニル、又は
R2、R3、R5及びR6が、互いに独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC7~C11シクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、置換若しくは非置換のC1~C5アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC1~C5アシル、置換若しくは非置換のC1~C5アシルオキシ、又は置換若しくは非置換のアミノであり、
R4が、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC7~C11シクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、置換若しくは非置換のC1~C5アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC1~C5アシル、置換若しくは非置換のC1~C5アシルオキシ、2-メチルプロピオニルアミノ、又は4-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イルであり、
前記基が置換されている場合、該置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC7~C11シクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員ヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシカルボニル、置換若しくは非置換のC1~C20アシル、置換若しくは非置換のC1~C20アシルオキシ、及び置換若しくは非置換のアミノからなる群より選択される少なくとも1個の1価基である。前記1価基が置換されている場合、該置換基は、前記1価基からさらに選択されることが好ましく、非置換の前記1価基からさらに選択されることがより好ましい。
R1が、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、又は
R2、R3、R5及びR6が、互いに独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、ヒドロキシル、又は置換若しくは非置換のアミノであり、
R4が、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、ヒドロキシル、2-メチルプロピオニルアミノ、又は4-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イルであり、
前記基が置換されている場合、該置換基は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C6アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員ヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、及び置換若しくは非置換のC1~C20アシルオキシからなる群より選択される少なくとも1個の1価基である。前記1価基が置換されている場合、該置換基は、前記1価基からさらに選択されることが好ましく、非置換の前記1価基からさらに選択されることがより好ましい。
R1が、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、4-(2-メチルプロピオニルアミノ)-フェニル、又は4-(4-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イル)-フェニルであり、
前記基が置換されている場合、該置換基は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、非置換のC1~C6アルコキシ、非置換のC3~C6シクロアルコキシ、非置換の3~6員ヘテロシクロアルコキシ、非置換のC6~C15アリールオキシ、非置換のC7~C20アリールアルキルオキシ、非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、非置換の5~15員のヘテロアリール-C1~C5アルキルオキシ、及び非置換のC1~C20アシルオキシからなる群より選択される少なくとも1個の1価基である。前記1価基が置換されている場合、該置換基は、前記1価基からさらに選択されることが好ましく、非置換の前記1価基からさらに選択されることがより好ましい。
R1が、2-メチルプロパン-1-エン-イル、4-(2-メチルプロピオニルアミノ)-フェニル、3-メチルペンタン-1-エン-イル、4-(4-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イル)-フェニル、1-メチルプロパン-1-エン-イル、1-メチルプロピル、又は3-メチルブタン-1-エン-イルである。
R1が、2-メチルプロパン-1-エン-イルである。
N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルブタ-2-エンアミド(40551-F);
N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)イソブチラミド(40551-D);
(E)-N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル-4-メチルヘクス-2-エナミド(40551-G);
1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4-(ヒドロキシメチル)-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(40551-H);
(E)-N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルブタ-2-エナミド(40551-I);
N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルブタナミド(40551-K);及び
(E)-N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-4-メチルペンタ-2-エナミド(40551-L);
である。
N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルブタ-2-エンアミド(40551-F);
である。本態様の式(I)で表される化合物が前記化合物である場合、該化合物は、MAC症の原因菌であるマイコバクテリウム・アビウム及びマイコバクテリウム・イントラセルラーレのような非結核性抗酸菌に対して特に高い抗菌活性を発現することができる。また、この場合、本態様の式(I)で表される化合物は、結核菌に対しても抗菌活性を発現することができる。
本発明者らは、新規放線菌が、本発明の一態様の式(I)で表される化合物に包含される化合物40551-F、-D、-G、-H、-I、-K、及び-Lをその培養液中に産生することを見出した。それ故、本発明の別の一態様は、新規放線菌を用いる本発明の一態様の式(I)で表される化合物を製造する方法に関する。
本態様において、本発明の方法は、式(I)で表される化合物を産生する能力を有するストレプトマイセス(Streptomyces)属菌OPMA40551株(受託番号NITE BP-02510)又はその変異株である微生物を培地中で培養して、式(I)で表される化合物を該培地中に蓄積させる、化合物蓄積工程を含む。
本態様において、本発明の方法は、化合物蓄積工程で得られた式(I)で表される化合物を前記微生物の培養物から精製する、化合物精製工程を含むことが必要である。
本発明の一態様の式(I)で表される化合物は、MAC症の原因菌であるマイコバクテリウム・アビウム及びマイコバクテリウム・イントラセルラーレのような非結核性抗酸菌に対して高い抗菌活性を有する。また、本発明の一態様の式(I)で表される化合物は、ヒト型結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクロシス)及びウシ型結核菌(マイコバクテリウム・ボビス)のような結核菌に対しても抗菌活性を発現することができる。それ故、本発明の別の一態様は、本発明の一態様の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む、マイコバクテリウム・アビウム複合感染症(MAC症)に対する治療剤に関する。本発明のさらに別の一態様は、本発明の一態様の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む、ヒト型結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクロシス)及びウシ型結核菌(マイコバクテリウム・ボビス)のような結核菌に対する治療剤に関する。また、本発明の別の一態様は、本発明の一態様の式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含む医薬に関する。
[OPMA40551株の分離]
OPMA40551株は、日本国内より分離された放線菌である。OPMA40551株の形態的特徴、培養性状及び生理的性状に基づき、公知菌種との比較を行った。その結果、本菌株は、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する新規菌株であることが明らかとなった。本菌株を、OPMA40551株と命名した。本菌株は、OPMA40551として、2017年7月18日付にて、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、ブタペスト条約に基づき国際寄託されている(受託番号NITE BP-02510)。OPMA40551株の菌学的性質は、以下の通りである。
OPMA40551株は、ISP2培地等の栄養寒天培地等の培地で良好に生育した。ISP2培地上で、25℃、好気的条件下で10日間生育させたコロニーを顕微鏡で観察したところ、基生菌糸は糸状であり、気菌糸をまばらに形成し、胞子形成は認められなかった。また、コロニーの上面及び裏面は、クリーム色であり、可溶性色素又はメラニン様色素による培地の着色は認められなかった。
OPMA40551株は、ISP2培地等の栄養寒天培地等の培地で、25℃、5~10日間、好気的条件下で静置培養することにより、良好に生育した。
OPMA40551株の最適生育条件は、好気性条件、温度25℃であった。また、本菌株の生育可能条件は、好気性条件、静置培養、pH6~8の範囲、温度15~37℃の範囲、培養期間5~10日間の範囲であった。
海水調製ISP2寒天培地 (酵母エキス 0.20% (DIFCO)、麦芽エキス 0.50% (DIFCO)、グルコース 0.20% (和光純薬)、人工海水マリンアートSF-1 1.92% (富田製薬)、水道水 1.0 L、ナチュラルシーウォーター 1.0 L (ディープオーシャン)、寒天 1.0% (SSKセールス)、pH 7.3に調整) で培養したOPMA40551株の起菌寒天片3個を、SPY培地 (可溶性デンプン 1.0% (和光純薬)、ペプトン0.50% (DIFCO)、酵母エキス 0.25% (DIFCO)、ナチュラルシーウォーター (ディープオーシャン)、pH無調整) 100 mL を加えた500 mL容三角フラスコに植菌した。この菌株を、27℃で2日間、ロータリーシェーカー(180 rpm)で培養した。その後、得られた培養液を、SPY培地 3 Lを分注した500 mL容三角フラスコに、1体積%の量で植菌した。この菌株を、27℃で7日間、振盪培養を行った。
製造例I-1で得られた培養液 (3 L) に、酢酸エチル (3 L) を加え、1時間超音波破砕処理をした。培養液を吸引濾過して菌体破砕物を除去した。得られた酢酸エチル層を、減圧下乾固して、粗抽出物 (297.8 mg) を得た。この粗抽出物を、ODSカラムクロマトグラフィー (センシュー科学、15 g) にて、20%、40%、60%、80%、及び100%メタノール水溶液(各100 mL)を展開溶媒として用いて分離した。溶出液を、100 mL に分画した。80%メタノール水溶液画分を濃縮して、黄色油状物質 (18.8 mg) を得た。これを、少量のメタノールに溶解し、分取HPLC (カラム:PEGASIL ODS SP100、20φ×250 mm、センシュー科学) によりさらに分離した。移動相には、20~45% アセトニトリル水溶液 (0.05% トリフルオロ酢酸を含む) を用いて、40分間のグラジエント条件下、6 mL/分の流速において、UV 210 nmの吸収をモニターした。保持時間 24 分に活性を示すピークを観察し、このピークを分取して分取液を凍結乾燥し、無色油状物質の化合物40551-Fを収量1.4 mg で単離した。化合物40551-F(N-(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルブタ-2-エンアミド)の化学構造を以下に示す。
(1)性状:無色油状
(2)分子式:C23H36N4O7
HRESI-MS (m/z) [M+H]+ 計算値481.2662, 実測値481.2661
(3)分子量:480
ESI-MS(m/z) [M+H]+481, [M+Na]+ 503を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 209 nm(8215), 265 nm(13895), 300 nm(5960)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3414, 2934, 1680, 1640, 1489, 1205 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 24 +74.3°(c=0.1、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、アジレント社製400 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は以下に示す通り:δH : 1.37 (3H), 1.45 (3H), 1.68 (2H), 1.96 (3H), 2.14 (1H), 2.22 (3H), 2.38 (1H), 3.00 (6H), 3.11 (1H), 3.43 (1H), 3.55 (1H), 3.75 (1H), 3.96 (1H), 4.09 (1H), 5.01 (1H), 5.76 (1H), 5.94 (1H), 7.54 (1H), 8.08 (1H) ppm
δC : 19.0, 19.2, 20.5, 27.8, 28.0, 30.9, 42.3, 42.3, 64.0, 67.9, 71.9, 73.9, 76.5, 78.2, 84.5, 96.6, 98.4, 118.8, 145.8, 157.5, 159.7, 164.8, 167.7 ppm。
海水調製ISP2寒天培地 (酵母エキス 0.20% (DIFCO)、麦芽エキス 0.50% (DIFCO)、グルコース 0.20% (和光純薬)、人工海水マリンアートSF-1 1.92% (富田製薬)、水道水 1.0 L、ナチュラルシーウォーター 1.0 L (ディープオーシャン)、寒天 1.0% (SSKセールス)、pH 7.3に調整) で培養したOPMA40551株の起菌寒天片3個を、SPY培地100 mL を加えた500 mL容三角フラスコに植菌した。この菌株を、27℃で2日間、ロータリーシェーカー (180 rpm)で培養した。その後、得られた培養液を、SPY培地 3 Lを100 mLずつ分注した30本の500 mL容三角フラスコに、それぞれ1体積%の量で植菌した。この菌株を、27℃で11日間、振盪培養を行った。
製造例I-3で得られた培養液 (3 L) を、6本の500 mL容プラスチック遠心管に6等分して分注した。分注した培養液を、20分間、8,000 rpm、4℃の条件下で遠心分離して、上清を回収した。この時の上清のpHを測定した結果、pHは10であった。上清に、酢酸エチル (3 L) を加え、酢酸エチル層を得た。得られた酢酸エチル層を、減圧下乾固して、粗抽出物 (164.4 mg) を得た。この粗抽出物を、ODSカラムクロマトグラフィー (富士シリシア化学、8.2 g) にて、20%、40%、60%、70%、80%、及び100%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて分離した。溶出液を、各条件で60 mL に分画した。70%メタノール水溶液画分及び80%メタノール水溶液画分を濃縮して、それぞれ黄色油状物質 (21.5 mg) 及び白色油状物質 (6.0 mg) を得た。これらを、少量のメタノールに溶解し、分取HPLC (カラム:PEGASIL ODS SP100、20φ×250 mm、センシュー科学) によりさらに分離した。70%メタノール水溶液画分の場合、移動相には、20~45% アセトニトリル水溶液(0.05% トリフルオロ酢酸を含む) を用いて、50分間のグラジエント条件下、6 mL/分の流速において、UV 210 nmの吸収をモニターした。保持時間26、29、32及び34分にそれぞれ活性を示すピークを観察し、このピークを分取して溶媒を留去後、分取液を凍結乾燥し、化合物40551-D、40551-I、40551-K及び40551-Lを収量1.65、1.61、2.06及び0.93 mgでそれぞれ単離した。80%メタノール水溶液画分の場合、移動相には、30~60% アセトニトリル水溶液 (0.05% トリフルオロ酢酸を含む) を用いて、40分間のグラジエント条件下、6 mL/分の流速において、UV 260 nmの吸収をモニターした。保持時間21分に活性を示すピークを観察し、このピークを分取して溶媒を留去後、分取液を凍結乾燥し、化合物40551-Gを収量 0.80 mgで単離した。
(1)性状:無結晶
(2)分子式:C29H41N5O8
HRESI-MS (m/z) [M+Na]+ 計算値610.2853, 実測値610.2853
(3)分子量:587
ESI-MS(m/z) [M+H]+ 588, [M+Na]+ 610 を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 303 nm (15458)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3304, 2978, 2937, 1680, 1486, 1204 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 24 + 75.4°(c=0.1、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、ブルカー社製600 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 1.21 (6H), 1.39 (3H), 1.46 (3H), 1.70 (2H), 2.18 (1H), 2.39 (1H), 2.67 (1H), 3.00 (6H), 3.12 (1H), 3.43 (1H), 3.55 (1H), 3.76 (1H), 3.96 (1H), 4.09 (1H), 5.02 (1H), 5.78 (1H), 7.62 (1H), 7.77 (2H), 7.96 (2H), 8.17 (1H) ppm
δC : 19.0, 19.2, 19.8, 19.8, 28.3, 30.9, 37.2, 42.4, 42.4, 64.0, 67.9, 71.9, 73.9, 76.5, 78.2, 84.6, 96.6, 98.8, 120.3, 120.3, 129.2, 130.3, 130.3, 144.8, 146.2, 157.3, 164.8, 168.4, 178.9 ppm。
(1)性状:無結晶
(2)分子式:C25H40N4O7
HRESI-MS (m/z) [M+Na]+ 計算値509.2975, 実測値509.2969
(3)分子量:508
ESI-MS(m/z) [M+H]+509, [M+Na]+ 531を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 261 nm (5913), 301 nm (2030)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3415, 2933, 1681, 1492, 1205 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 24 + 59.8°(c=0.08、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、ブルカー社製600 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 0.92 (3H), 1.09 (3H), 1.38 (3H), 1.44 (3H), 1.46 (2H), 1.68 (2H), 2.15 (1H), 2.30 (1H), 2.39 (1H), 2.96 (6H), 3.03 (1H), 3.43 (1H), 3.54 (1H), 3.75 (1H), 3.95 (1H), 4.07 (1H), 5.00 (1H), 5.76 (1H), 6.14 (1H), 6.97 (1H), 7.55 (1H), 8.11 (1H) ppm
δC : 12.0, 19.1, 19.2, 19.3, 28.1, 29.9, 30.9, 39.5, 42.3, 42.3, 64.3, 68.1, 71.9, 73.9, 76.4, 78.2, 84.6, 96.6, 98.6, 122.9, 146.0, 155.9, 157.4, 164.7, 167.7 ppm。
(1)性状:無結晶
(2)分子式:C23H36N4O7
HRESI-MS (m/z) [M+Na]+ 計算値503.2482, 実測値503.2467
(3)分子量:480
ESI-MS(m/z) [M+H]+481, [M+Na]+ 503を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 258 nm (4692), 301 nm (2538)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3381, 2935, 1681, 1486, 1204 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 25 + 47.6°(c=0.1、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、ブルカー社製600 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 1.38 (3H), 1.45 (3H), 1.68 (2H), 1.87 (3H), 1.89 (3H), 2.15 (1H), 2.38 (1H), 2.99 (6H), 3.10 (1H), 3.43 (1H), 3.55 (1H), 3.75 (1H), 3.95 (1H), 4.08 (1H), 5.00 (1H), 5.76 (1H), 6.65 (1H), 7.48 (1H), 8.11 (1H) ppm
δC : 12.2, 14.5, 19.0, 19.2, 28.0, 30.9, 42.4, 42.4, 64.1, 68.0, 71.9, 73.9, 76.4, 78.2, 84.6, 96.6, 98.4,133.5, 136.2, 146.0, 157.0, 164.8, 170.8 ppm。
(1)性状:無結晶
(2)分子式:C23H38N4O7
HRESI-MS (m/z) [M+H]+ 計算値483.2819, 実測値483.2819
(3)分子量:482
ESI-MS(m/z) [M+H]+483, [M+Na]+ 505を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 249 nm (5652), 295 nm (2986)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3422, 2963, 2937, 1678, 1491, 1203 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 25 +64.7°(c=0.1、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、ブルカー社製600 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 1.01 (6H), 1.39 (3H), 1.48 (3H), 1.70 (2H), 2.16 (1H), 2.17 (1H), 2.34 (2H), 2.40 (1H), 3.02 (6H), 3.13 (1H), 3.44 (1H), 3.57 (1H), 3.76 (1H), 3.98 (1H), 4.10 (1H), 5.03 (1H), 5.78 (1H), 7.51 (1H), 8.12 (1H) ppm
δC : 19.0, 19.2, 22.6, 22.6, 27.0, 28.0, 30.9, 42.3, 42.3, 47.2, 64.0, 67.9, 72.0, 73.8, 76.5, 78.2, 84.6, 96.6, 98.4, 146.2, 157.4, 164.3, 175.3 ppm。
(1)性状:無結晶
(2)分子式:C24H38N4O7
HRESI-MS (m/z) [M+H]+ 計算値495.2819, 実測値495.2814
(3)分子量:494
ESI-MS(m/z) [M+H]+495, [M+Na]+ 517を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 260 nm (12391), 302 nm (5365)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3408, 2965, 2934, 1678, 1492, 1203 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 25 +65.5°(c=0.05、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、ブルカー社製600 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 1.11 (6H), 1.37 (3H), 1.46 (3H), 1.69 (2H), 2.15 (1H), 2.39 (1H), 2.53 (1H), 3.00 (6H), 3.11 (1H), 3.43 (1H), 3.55 (1H), 3.75 (1H), 3.96 (1H), 4.09 (1H), 5.02 (1H), 5.77 (1H), 6.14 (1H), 7.05 (1H), 7.56 (1H), 8.12 (1H) ppm
δC : 19.0, 19.2, 21.6, 21.6, 28.0, 30.9, 32.3, 42.4, 42.4, 64.0, 67.9, 72.0, 73.9, 76.5, 78.2, 84.6, 96.6, 98.6, 121.8, 146.0, 156.9, 156.9, 164.7, 167.6 ppm。
海水調製ISP2寒天培地 (酵母エキス 0.20% (DIFCO)、麦芽エキス 0.50% (DIFCO)、グルコース 0.20% (和光純薬)、人工海水マリンアートSF-1 1.92% (富田製薬)、水道水 1.0 L、ナチュラルシーウォーター 1.0 L (ディープオーシャン)、寒天 1.0% (SSKセールス)、pH 7.3に調整) で培養したOPMA40551株の起菌寒天片3個を、SPY培地100 mL を加えた500 mL容三角フラスコに植菌した。この菌株を、27℃で2日間、ロータリーシェーカー (180 rpm)で培養した。その後、得られた培養液を、SPY培地 3 Lを100 mLずつ分注した30本の500 mL容三角フラスコに、それぞれ1体積%の量で植菌した。この菌株を、27℃で7日間、振盪培養を行った。
製造例I-5で得られた (3L) に、Amberlite XAD7HP 樹脂 (SIGMA、150 mL) を加えた。混合物を、3時間、300 rpmの条件下でプロペラを用いて撹拌した。その後、吸引濾過により、菌体及び樹脂を回収した。菌体及び樹脂を、ステンレス管に移した後、アセトン (2L) を加えた。混合物を、3時間、300 rpmの条件下でプロペラを用いて撹拌した。その後、吸引濾過により菌体及び樹脂を除き、濾液を回収した。濾液を、減圧下乾固して、粗抽出物 (2.99 g) を得た。この粗抽出物を、ODS カラムクロマトグラフィー (富士シリシア化学、100 g) にて、20%、40%、60%、70%、80%、及び100% メタノール水溶液を展開溶媒として用いて分離した。溶出液を、各条件で 500 mL に分画した。70%メタノール水溶液を濃縮して、黄色油状物質 (248.4 mg) を得た。これを、少量のメタノールに溶解し、分取 HPLC (カラム:PEGASIL ODS SP100、20φ×250 mm、センシュー科学) によりさらに分離した。移動相には、20~45% アセトニトリル水溶液(0.05% トリフルオロ酢酸を含む) を用いて、50分間のグラジエント条件下、6 mL/分の流速において、UV 210 nmの吸収をモニターした。保持時間13分に活性を示すピークを観察し、このピークを分取して溶媒を留去後、分取液を凍結乾燥し、化合物40551-Hを収量13.7 mg で単離した。化合物40551-H(1-(5-((5-(ジメチルアミノ)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4-(ヒドロキシメチル)-2,2,4-トリメチル-5-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン)の化学構造を以下に示す。
(1)性状:白色無結晶
(2)分子式:C32H46N6O9
HRESI-MS (m/z) [M+H]+ 計算値659.3405, 実測値659.3385
(3)分子量:658
ESI-MS(m/z) [M+H]+659を観測
(4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶液中で測定、λmax (MeOH,ε): 283 nm (13003)
(5)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤法で測定、νmax 3283, 2984, 2935, 1679, 1487, 1202 cm-1等
(6)比旋光度:[α]D 24 + 74.2°(c=0.1、メタノール)
(7)溶剤に対する溶解性:メタノール及びDMSO等に可溶
(8)プロトン及びカーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中で、アジレント社製400 MHz核磁気共鳴スペクトロメータで測定した水素の化学シフト(ppm)及び炭素の化学シフト(ppm)は下記に示す通り:δH : 1.39 (3H), 1.48 (3H), 1.55 (3H), 1.68 (3H),1.70 (2H), 1.72 (3H), 2.18 (1H), 2.39 (1H), 3.00 (6H), 3.12 (1H), 3.43 (1H), 3.55 (1H),3.61 (1H), 3.78 (1H), 3.96 (1H), 3.98 (1H), 4.09 (1H), 5.02 (1H), 5.78 (1H), 7.49 (2H), 7.62 (1H), 8.10 (2H), 8.19 (1H) ppm
δC : 19.0, 19.2, 20.6, 27.8, 28.0, 29.1, 30.9, 42.4, 42.4, 64.0, 65.5, 66.8, 67.9, 71.9, 73.9, 76.5, 78.2, 79.2, 84.7, 96.6, 98.8, 130.6, 130.6, 130.9, 130.9, 135.4, 140.9, 146.4, 157.2, 164.7, 168.3, 173.7 ppm。
[試験II-1:マイコバクテリウム・アビウム複合体に対する抗菌活性評価試験]
細胞培養用フラスコT25 (コーニング) に、0.05% Tween80(和光純薬)含有7H9液体培地(ミドルブルック7H9ブロス 0.5% (DIFCO)、ウシ血清アルブミン 5.0% (SIGMA)、グルコース 2.0% (和光純薬)及び塩化ナトリウム 0.85% (関東化学))6 mL を入れた。このフラスコに、マイコバクテリウム・アビウム (JCM15430、理化学研究所微生物材料開発室より分与) 200 μL又はマイコバクテリウム・イントラセルラーレ (JCM6384、理化学研究所微生物材料開発室より分与) 120 μLのグリセロール保存菌液を添加し、マイコバクテリウム・アビウムは、37℃で96時間、マイコバクテリウム・イントラセルラーレは、37℃で72時間、それぞれ静置培養した。次いで、培養菌液を、前記培地を用いて、マイコバクテリウム・アビウムは200倍に、マイコバクテリウム・イントラセルラーレは600倍に、それぞれ希釈し、接種用の菌液(4×106 CFU/mL相当)を調製した。各菌液の最小発育阻止濃度(MIC)を、以下の手順で微量液体希釈法を実施することにより測定した。96穴マイクロプレートに、予め調製した試験化合物試料の2段階希釈系列(終濃度 0.001~50 μg/mL) を各5 μL/ウェルずつ分注した。次に、接種用菌液を、95 μL/ウェルずつ加えた。ウェル中の培養液を混合し、37℃で120時間培養した。培養後、MTT試薬(SIGMA) 5 μL/ウェルを加え、37℃で16時間培養した。その後、細胞溶解バッファー (ジメチルホルムアミド 40.0% (ナカライテスク)、酢酸 2.0% (関東化学)、ドデシル硫酸ナトリウム 20.0% (和光純薬)、塩酸0.03 N (関東化学))を95 μL/ウェルずつ加え、1時間振盪した。各ウェルの培養液について、570 nm の吸光度を測定後、生育阻害率を算出し、90%以上の菌の生育阻害を示す最小濃度を、MIC値とした。試験化合物には、化合物40551-F、-D、-G、-H、-I、-K、及び-L、並びに比較化合物として、MAC症の治療に使用される公知の薬剤であるエタンブトールを用いた。
以下の手順で、他の非結核性抗酸菌であるマイコバクテリウム・スメグマティスに対する試験を実施した。細胞培養用フラスコT25 (コーニング) に、0.5% Tween80(和光純薬)含有7H9液体培地6 mL を入れた。このフラスコに、マイコバクテリウム・スメグマティス(MC2155、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手)のグリセロール保存菌液より一白金耳植菌して、37℃で30時間、静置培養した。次いで、培養菌液を、前記培地を用いて200倍に希釈し、接種用の菌液(8×106 CFU/mL相当)を調製した。菌液のMICを、試験II-1と同様の手順で微量液体希釈法を実施することにより測定した。但し、菌液の培養は、37℃で30時間の条件で行い、MIC値の判定は、肉眼で菌の生育を観察することにより行った。
各試験菌に対する試験化合物の抗菌活性を表1に示す。
Claims (9)
- R1が、2-メチルプロパン-1-エン-イルである、請求項1に記載の化合物。
- 請求項1又は2に記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法であって、
式(I)で表される化合物を産生する能力を有するストレプトマイセス属菌OPMA40551株(受託番号NITE BP-02510)又はその変異株である微生物を培地中で培養して、式(I)で表される化合物を該培地中に蓄積させる、化合物蓄積工程;
化合物蓄積工程で得られた式(I)で表される化合物を前記微生物の培養物から精製する、化合物精製工程;
を含む、前記方法。 - 請求項1又は2に記載の式(I)で表される化合物を産生する能力を有するストレプトマイセス属菌OPMA40551株(受託番号NITE BP-02510)又はその変異株である微生物。
- 請求項1又は2に記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)に対する治療剤。
- 請求項1又は2に記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬。
- マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)の予防又は治療に使用するための、請求項6に記載の医薬。
- 請求項1又は2に記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
- マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合感染症(MAC症)の予防又は治療に使用するための、請求項8に記載の医薬組成物。
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