(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る実装システム1は、図1に示すように、所定位置に位置決めされた第2対象物200に対して第1対象物100を実装するためのシステムである。本実施形態では、第2対象物200は、例えば、矩形状のプリント基板(以下、「基板200」ともいう)である。基板200は、部品100が実装される実装面201を有している。また、本実施形態では、第1対象物100は、例えば、コンデンサ、抵抗、インダクタ、トランス、IC(Integrated Circuit)、コネクタ、又はスイッチ等の電子部品(以下、「部品100」ともいう)である。なお、部品100は、上記の電子部品に限らず、基板200に対して実装可能であれば他の部品であってもよい。
本実施形態に係る実装システム1は、図2に示すように、実装部2と、撮像部3と、補正部4と、を備えている。実装部2は、図1に示すように、捕捉部23を有している。本実施形態では、捕捉部23は、例えば、部品100を吸着する吸着ノズル(以下、「吸着ノズル23」ともいう)である。つまり、捕捉部23は、部品100を吸着することによって、部品100を捕捉する。実装部2は、第1対象物100を捕捉した捕捉部23を第2対象物200に近づく向きに移動させて、第2対象物200上の目標位置202に向けて第1対象物100を実装する。さらに、実装部2は、第1対象物100を第2対象物200に実装させた後、第2対象物200から離れる向きに捕捉部23を移動させる。本開示でいう「目標位置」とは、第2対象物200において第1対象物100を実装させるべき位置をいう。本実施形態では、目標位置202は、第1対象物としての部品100の機能を実現するために、第2対象物としての基板200において部品100が接合される位置である。
撮像部3は、例えば、静止画を撮像するスチルカメラである。撮像部3は、第2対象物200に実装された第1対象物100を被写体に含む特定領域300(図3A参照)を撮像する。本実施形態では、撮像部3は、捕捉部23が第2対象物200から離れる向きに移動する際に、特定領域300を撮像する。
補正部4は、第1対象物100が実装された第2対象物200の次の第2対象物200に対して第1対象物100を実装する際に、誤差情報に基づいて実装部2の動作を補正する。つまり、本実施形態では、補正部4による補正処理は、第1対象物100が実装された第2対象物200を対象に算出した誤差情報に基づく補正を、以降において第1対象物100が実装される第2対象物200に実行するフィードバック処理である。本開示でいう「誤差情報」は、撮像部3の撮像データD1(図6A参照)から得られる、目標位置202と実装位置203(図6A参照)との誤差に関する情報である。さらに、本開示でいう「実装位置」とは、第2対象物200において第1対象物100が実際に実装されている位置をいう。本実施形態では、目標位置202及び実装位置203の各々は、第2対象物としての基板200に設定されている基準点P1(図1参照)を原点とする絶対座標にて規定される。
上述したように、本実施形態に係る実装システム1では、撮像部3は、捕捉部23が第2対象物200から離れる向きに移動する際に特定領域300を撮像している。つまり、撮像部3は、捕捉部23が元の位置に復帰する復帰動作中に特定領域300を撮像している。そのため、第1対象物100を実装した後に、特定領域300を撮像可能な位置に撮像部3を移動させる場合と比較して、検査タイミングを早くすることができる。
(2)構成
以下、本実施形態に係る実装システム1の構成について説明する。以下の説明では、図1に示すように、第2対象物としての基板200の長手方向をX方向、基板200の短手方向をY方向、基板200の厚み方向をZ方向と規定する。ただし、これらの方向は、実装システム1の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
本実施形態に係る実装システム1は、図2に示すように、実装部2と、撮像部3と、補正部4と、を備えている。実装部2は、図1に示すように、ヘッド21と、駆動機構22と、を有している。さらに、実装部2は、図2に示すように、実装制御部24を有している。また、ヘッド21は、部品100を吸着する吸着ノズル(捕捉部)23を有している。
ヘッド21は、吸着ノズル23をZ方向(基板200の厚み方向)に移動可能な状態で保持している。そのため、吸着ノズル23は、基板200に対して部品100を実装する場合には、基板200に近づく向き、及び基板200から離れる向きに移動可能である。また、吸着ノズル23は、部品100を吸着する場合には、部品100を供給する部品供給部(例えば、テープフィーダ)に近づく向き、及び部品供給部から離れる向きに移動可能である。吸着ノズル23は、部品100を吸着する吸着状態と、部品100の吸着状態を解除する解除状態と、を切替可能である。駆動機構22は、備え付けのモータにより、ヘッド21をX方向及びY方向の各々の方向にスライド移動させるように構成されている。実装部2は、吸着ノズル23に吸着させた部品100が、基板200に設けられた実装位置203に重なり合うように、部品100を基板200に実装する(図1参照)。
ヘッド21は、実装対象の基板200が所定位置に位置決めされた状態において、駆動機構22によって部品供給部まで移動し、吸着ノズル23に部品100を吸着させる。その後、ヘッド21は、駆動機構22により、Z方向において基板200上の目標位置202と対向する位置まで移動する。そして、ヘッド21は、基板200に近づく向きに吸着ノズル23を下降させ、吸着ノズル23を下降させた状態で部品100を基板200上に実装させる。その後、ヘッド21は、基板200から離れる向きに吸着ノズル23を上昇させる。以下、ヘッド21は、実装対象の基板200に全ての部品100を実装するまで、上記の動作を繰り返す。
ここで、実装部2は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、上位システム10と通信するように構成されている。本実施形態では一例として、実装部2と上位システム10との通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信である。実装部2と上位システム10との間の通信におけるプロトコルは、例えば、Ethernet(登録商標)、又はEtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology)(登録商標)等である。上位システム10は、実装部2に対して、駆動機構22及び吸着ノズル23の動作を制御するための制御データを送信する。実装部2では、実装制御部24が、上位システム10からの制御データに従って、駆動機構22及び吸着ノズル23の動作を制御する。
実装制御部24は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、実装制御部24の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよいし、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
撮像部3は、上述したように、例えば、静止画を撮像するスチルカメラである。撮像部3は、実装部2に対して機械的に固定されると共に、実装部2及び補正部4の各々に対して電気的に接続されている。そのため、撮像部3は、駆動機構22により、実装部2と共に移動可能である。撮像部3は、吸着ノズル23が基板200から離れる向きに移動するときに実装制御部24から入力される撮像指令に従って、特定領域300(図3A参照)を撮像するように構成されている。撮像部3は、特定領域300を含む撮像データD1(図6A参照)を補正部4へ出力する。
特定領域300は、基板200上の目標位置202を含む領域である。詳しくは、特定領域300は、基板200において部品100が実装されるべき目標位置202と、基板200において部品100が実装されている実装位置203(図6A参照)と、を含む領域である。つまり、本実施形態では、特定領域300は、目標位置202と実装位置203との両方を含んでいる。これにより、補正部4は、撮像部3の撮像データD1(図6A参照)に基づいて、目標位置202と実装位置203との誤差を算出することができる。言い換えると、特定領域300は、基板200に部品100を実装している状態の吸着ノズル23を含む領域に固定されている。すなわち、特定領域300は、吸着ノズル23の移動方向であるZ方向における吸着ノズル23の下死点を含む領域に固定されている。本開示でいう「下死点」とは、吸着ノズル23の可動域における下限位置ではなく、基板200に対して部品100を実装する際の吸着ノズル23の下限位置をいう。
また、撮像部3は、図3Aに示すように、基板200に対して斜め方向から特定領域300を撮像するように構成されている。言い換えると、撮像部3は、部品100が実装される基板200の実装面201に対する角度θ1が鋭角となる方向から特定領域300を撮像するように構成されている。さらに言い換えると、撮像部3は、部品100が実装される基板200の実装面201と撮像部3の光軸OA1とのなす角度θ1が鋭角となる方向から特定領域300を撮像するように構成されている。このように、撮像部3が斜め方向から特定領域300を撮像することによって、吸着ノズル23を下死点から移動させるだけで、目標位置202及び実装位置203を含むように特定領域300を撮像することができる。そのため、撮像部3が鉛直方向から特定領域300を撮像する場合と比較して、特定領域300を撮像可能な位置に撮像部3を移動させるために、X方向又はY方向にヘッド21を移動させる処理が不要である、という利点がある。
補正部4は、図2に示すように、実装部2及び撮像部3の各々に電気的に接続されている。補正部4は、特定領域300を含む撮像データD1を撮像部3から取得する。補正部4は、撮像部3から取得した撮像データD1に基づいて誤差情報を算出し、この誤差情報に基づいて補正データを作成する。そして、補正部4は、作成した補正データを実装部2(厳密には実装制御部24)へ出力する。補正部4は、算出部41と、選択部42と、を有している。
選択部42は、実装データ、及び部品データ等に基づいて、補正部4(厳密には算出部41)における誤差情報の算出に利用する部品100を選択する。言い換えると、実装システム1は、誤差情報の算出に利用する部品100を選択する選択部42を更に備えている。実装データには、基板200における部品100の目標位置202のデータ、及び部品100の種類等の情報が含まれている。部品データには、部品100の形状、及び部品100のサイズ等の情報が含まれている。選択部42は、部品100を選択するにあたり、実装位置のばらつきが大きくなるような部品100を選択対象から除外する。これにより、部品100の実装位置の位置ずれを精度よく補正することができる。算出部41は、選択部42によって選択された部品100について、誤差情報を算出する。
算出部41は、撮像部3から入力される撮像データD1(図6A参照)に基づいて、第1位置データ及び第2位置データを取得する。第1位置データは、基板200において部品100が実装されるべき目標位置202の位置データである。第2位置データは、基板200において部品100が実装されている実装位置203の位置データである。第1位置データ及び第2位置データの各々は、基板200に設定されている基準点P1(図1参照)を原点とする絶対座標にて規定される。本実施形態では、第1位置データ及び第2位置データの各々は、XY平面上の位置を規定するデータであり、X方向のデータとY方向のデータとの組で規定される。
さらに、算出部41は、第1位置データと第2位置データとの差分から、目標位置202と実装位置203との誤差データ(誤差情報)を算出する。詳しくは、算出部41は、第1位置データにおけるX方向のデータと第2位置データにおけるX方向のデータとの差分から、X方向の第1誤差データを算出する。さらに、算出部41は、第1位置データにおけるY方向のデータと第2位置データにおけるY方向のデータとの差分から、Y方向の第2誤差データを算出する。
そして、補正部4は、算出部41が算出した第1誤差データ及び第2誤差データを用いて、補正データを作成する。詳しくは、補正部4は、第1位置データにおけるX方向のデータに対して第1誤差データを加算又は減算することにより、X方向における第1補正データを作成する。さらに、補正部4は、第1位置データにおけるY方向のデータに対して第2誤差データを加算又は減算することにより、Y方向における第2補正データを作成する。補正部4は、第1補正データ及び第2補正データ(補正データ)を実装部2の実装制御部24に対して出力する。実装制御部24は、補正部4からの補正データ(第1補正データ及び第2補正データ)に従って、基板200における部品100の実装位置203が補正されるように、ヘッド21(吸着ノズル23を含む)の動作を制御する。
ところで、補正部4は、実装部2が次の基板200に対して部品100を実装する前に、誤差情報を算出することが好ましい。言い換えると、実装部2が次の基板200に対して部品100を実装する時点で、補正データが作成されていることが好ましい。この構成によれば、次の基板200に対して部品100を実装するタイミングで、基板200における部品100の実装位置203を目標位置202に向けて補正することができる。そのため、基板200に対して部品100を実装した後に、例えば検査機等によって部品100の実装状態を検査する場合と比較して、部品100の実装位置203の補正を早いタイミングで実行することができる。
さらに、補正部4は、基板200への実装中に、誤差情報の算出を開始することが好ましい。例えば、基板200には、部品100以外にも複数の部品が実装されるため、補正部4は、これらの複数の部品が基板200に実装される間に、誤差情報を算出することが好ましい。この構成によれば、次の基板200に対して部品100の実装を開始するまでの間に、補正部4が補正データを作成することができ、これにより次の基板200に対して補正データに基づく補正処理を実行することができる。
補正部4は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、補正部4(算出部41及び選択部42を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよいし、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
ところで、本実施形態のように、撮像部3が基板200に対して斜め方向から特定領域300を撮像する場合、第1状態と第2状態とを区別することができず、同じ撮像データD1を取得することになる。第1状態は、図4における上側の基板200のように、基板200がZ方向の正の向きに反っているが、部品100が基板200上の目標位置202に実装されている状態である。第2状態は、図4における下側の基板200のように、基板200がZ方向に反っていないが、部品100が目標位置202に対してY方向の正の向きにずれている状態である。なお、図4における一点鎖線400は、目標位置202の中心を通り、基板200の厚み方向(Z方向)に平行な軸を表している。
このように、撮像部3が基板200に対して斜め方向から特定領域300を撮像する場合には、補正部4は、補正データを作成するにあたり、基板200の厚み方向の位置データD11を用いることが好ましい。言い換えると、補正部4は、基板200の厚み方向の位置データD11に基づいて撮像データD1を修正し、修正後の撮像データD1から得られる誤差情報に基づいて実装部2の動作を補正することが好ましい。この構成によれば、位置データD11に基づいて撮像データD1を修正することで、第1状態と第2状態とを区別することができる。そして、修正後の撮像データD1から得られる誤差情報に基づいて補正データを作成するので、基板200がZ方向に反っている場合でも、部品100の実装位置203を精度よく補正することができる。本実施形態では、位置データD11は、基板200のZ方向の高さデータ(以下、「高さデータD11」ともいう)である。
ここで、位置データD11については、例えば、三角測量を応用した三角測距方式のレーザ測定器によって取得してもよいし、撮像部3をステレオカメラとして機能させることで得られる撮像データに基づく三次元計測によって取得してもよい。さらに、撮像部3による撮像データのピンぼけを利用した三次元計測によって位置データD11を取得してもよい。また、例えば、基板200を検査するための検査機が実装システム1の前工程に設けられている場合には、検査機から位置データD11を取得してもよい。さらに、実装システム1の前工程において高さセンサが設けられている場合には、高さセンサから位置データD11を取得してもよい。本実施形態では、レーザ測定器によって位置データD11を取得することとする。
本実施形態では、補正部4は、複数の補正テーブルを有している。複数の補正テーブルは、複数の高さデータD11と一対一に対応している。つまり、補正部4は、複数の高さデータD11ごとに補正テーブルを有している。補正部4は、例えば、複数の目盛りが格子状に形成されたガラスプレート(ガラステーブル)によるキャリブレーションを、複数の高さデータD11の各々について実行することで、複数の補正テーブルを取得することができる。
(3)動作
次に、本実施形態に係る実装システム1の動作について、図5、図6A及び図6Bを参照して説明する。なお、図6A及び図6Bでは、部品100と実装位置203とを区別できるように、実装位置203を部品100よりも一回り大きく図示しているが、実装位置203は部品100が実装されている位置であり、実際には同じ大きさである。
撮像部3は、実装部2が吸着ノズル23にて基板200に部品100を実装した後、吸着ノズル23が基板200から離れる向きに上昇するタイミングで、特定領域300を撮像する。特定領域300には、部品100を実装させるべき基板200上の目標位置202と、基板200に実装された部品100とが含まれている。つまり、特定領域300には、基板200上の目標位置202と、基板200における部品100の実装位置203とが含まれている。
補正部4の算出部41は、撮像部3から、特定領域300を含む撮像データD1を取得する(ステップS1)。さらに、算出部41は、レーザ測定器から、基板200の高さデータ(位置データ)D11を取得する(ステップS2)。その後、算出部41は、撮像データD1に基づいて、目標位置202及び実装位置203の各々の位置データ(第1位置データ及び第2位置データ)を取得する(ステップS3)。そして、算出部41は、第1位置データ及び第2位置データから、誤差情報を算出する(ステップS4)。詳しくは、算出部41は、第1位置データにおけるX方向のデータと第2位置データにおけるX方向のデータとの差分から第1誤差データを算出する。さらに、算出部41は、第1位置データにおけるY方向のデータと第2位置データにおけるY方向のデータとの差分から第2誤差データを算出する。
その後、補正部4は、算出部41が算出した第1誤差データ及び第2誤差データに基づいて、補正データを作成する(ステップS5)。このとき、補正部4は、複数の補正テーブルのうち、ステップS2において取得した基板200の高さデータD11と対応する補正テーブルを参照して、第1誤差データ及び第2誤差データを補正する。そして、補正部4は、補正後の第1誤差データ及び第2誤差データを用いて、補正データを作成する。詳しくは、補正部4は、第1位置データにおけるX方向のデータに対して補正後の第1誤差データを加算又は減算することにより、X方向における第1補正データを作成する。さらに、補正部4は、第1位置データにおけるY方向のデータに対して補正後の第2誤差データを加算又は減算することにより、Y方向における第2補正データを作成する。そして、補正部4は、第1補正データ及び第2補正データ(補正データ)を実装部2に出力する。
実装部2の実装制御部24は、補正部4からの補正データ(第1補正データ及び第2補正データ)に従って、ヘッド21(吸着ノズル23を含む)の動作を制御する(ステップS6)。これにより、図6Bに示すように、基板200における部品100の実装位置203を、基板200上の目標位置202に重なるように補正することができる。
ただし、本実施形態に係る実装システム1では、補正部4による補正処理はフィードバック処理であるため、部品100が既に実装された基板200に対して補正部4による補正処理を実行することができない。つまり、以降において部品100が実装される基板200に対してのみ補正部4による補正処理を実行することができる。
上述したように、本実施形態に係る実装システム1では、撮像部3は、基板200上の目標位置202に向けて部品100を実装した後、吸着ノズル23が基板200から離れる向きに上昇する際に、特定領域300を撮像している。そのため、基板200に対して部品100を実装した後に、特定領域300を撮像可能な位置に撮像部3が位置するようにヘッド21を移動させる場合と比較して、検査タイミングを早くすることができる。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実装システム1と同様の機能は、実装方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る実装方法は、第1対象物100を捕捉する捕捉部23によって捕捉された第1対象物100を、所定位置に位置決めされた第2対象物200に実装する方法である。実装方法は、第1処理と、第2処理と、を含む。第1処理は、第2対象物200上の目標位置202に向けて第1対象物100を実装した後の捕捉部23を第2対象物200から離れる向きに移動させる際に、第2対象物200に実装された第1対象物100を被写体に含む特定領域300を撮像部3に撮像させる処理である。第2処理は、第1対象物100が実装された第2対象物200の次の第2対象物200に対して第1対象物100を実装する際に、誤差情報に基づいて次の第2対象物200における第1対象物100の実装位置203を補正する処理である。誤差情報は、撮像部3の撮像データD1から得られる、目標位置202と第2対象物200において第1対象物100が実装されている実装位置203との誤差に関する情報である。
一態様に係る実装用プログラムは、1以上のプロセッサに、上述の実装方法を実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における実装システム1は、例えば、実装制御部24及び補正部4等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における実装システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、実装システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは実装システム1に必須の構成ではなく、実装システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、実装部2の機能と補正部4の機能とが別々の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、実装システム1の少なくとも一部の機能、例えば、補正部4の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
(4.1)変形例1
実施形態1では、図3Aに示すように、撮像部3が直接、特定領域300を撮像しているが、図3Bに示すように、撮像部3Aは、光学要素5を介して間接的に、特定領域300を撮像するように構成されていてもよい。以下、変形例1に係る実装システム1Aについて、図3Bを参照して説明する。なお、変形例1に係る実装システム1Aは、光学要素5以外の構成については実施形態1の実装システム1と同様であり、同一の構成要素については詳細な説明を省略する。
変形例1に係る実装システム1Aは、図3Bに示すように、実装部2Aと、撮像部3Aと、補正部4(図2参照)と、光学要素5と、を備えている。言い換えると、実装システムは、特定領域300から入射する被写体の像を撮像部3Aに出力する光学要素5を更に備えている。
変形例1では、撮像部3Aは、撮像方向が鉛直下向きとなるようにして、実装部2Aのヘッド21Aの筐体内に収納されている。
光学要素5は、例えば、基板200の実装面201に対して角度を有する傾斜面からなる反射面51を有するレンズである。図3Bに示す例では、光学要素5は、X方向から見て三角状に形成されている。なお、光学要素5の形状は三角状に限らず、特定領域300に含まれる被写体の像(ここでは、部品100等)を撮像部3Aに出力可能であれば、他の形状であってもよい。つまり、光学要素5の形状は、撮像部3Aの位置及び特定領域300の位置等によって適宜決定される。
このように、変形例1に係る実装システム1Aによれば、撮像部3Aが基板200に対して斜め方向から特定領域300を撮像するように構成されていなくても、光学要素5を用いることによって特定領域300を撮像部3Aに撮像させることができる。これにより、撮像部3が直接、特定領域300を撮像する場合と比較して、撮像部3Aの配置の自由度が向上する、という利点がある。
なお、変形例1では、光学要素5が、特定領域300からの被写体の像を撮像部3Aに向けて反射させている。これに対して、光学要素5は、撮像部3Aに対して被写体の像を出力するようになっていればよく、例えば、被写体の像を撮像部3Aに向けて屈折させる構造であってもよい。
(4.2)変形例2
実施形態1では、実装部2が1つの吸着ノズル(捕捉部)23を有しているが、図7に示すように、実装部2Bは複数(図7では8つ)の吸着ノズル(捕捉部)23Bを有していてもよい。以下、変形例2に係る実装システム1Bについて、図7を参照して説明する。なお、以下では、実施形態1の実装システム1と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
変形例2に係る実装システム1Bは、図7に示すように、実装部2Bと、撮像部3と、補正部4(図2参照)と、を備えている。
実装部2Bは、ヘッド21Bと、駆動機構22(図1参照)と、複数の吸着ノズル23Bと、を有している。ヘッド21Bは、例えば、回転軸C1の回りに回転可能な回転体である(図7の矢印A1参照)。つまり、変形例2では、ヘッド21Bはロータリーヘッドである。
複数の吸着ノズル23Bは、ヘッド21Bの周方向に沿って設けられている。つまり、複数の吸着ノズル23Bは、回転体(ヘッド21B)の回転方向に沿って位置している。本実施形態では、複数の吸着ノズル23Bは、ヘッド21Bの周方向に沿って等間隔に設けられているが、等間隔に設けられていることは必須ではない。例えば、複数の吸着ノズル23Bの間隔が全て異なっていてもよいし、一部において異なっていてもよい。
変形例2に係る実装システム1Bでは、撮像部3は1つである。つまり、変形例2に係る実装システム1Bでは、1つの撮像部3が複数の吸着ノズル23Bに対して兼用される。言い換えると、撮像部3は、複数の吸着ノズル23Bの各々に対応する複数の撮像データD1を撮像可能である。
このように、変形例2に係る実装システム1Bによれば、1つの撮像部3が複数の吸着ノズル23Bに対して兼用される。そのため、複数の吸着ノズル23Bの各々に対応する撮像データD1を1つの撮像部3にて撮像することができる。
また、変形例2に係る実装システム1Bのように、実装部2Bが複数の吸着ノズル23Bを有している場合には、補正部4は、複数の吸着ノズル23Bごとに誤差情報を算出することが好ましい。このように、複数の吸着ノズル23Bごとに誤差情報を算出することによって、吸着ノズル23Bに起因する、基板200に対する部品100の実装ずれを精度よく補正することができる。この場合において、補正部4は、複数の吸着ノズル23Bごとに誤差情報を算出する代わりに、各吸着ノズル23Bを保持するシャフトごとに誤差情報を算出してもよい。この構成によれば、シャフト(吸着ノズル23Bを含む)に起因する、基板200に対する部品100の実装ずれを精度よく補正することができる。
なお、吸着ノズル23Bの個数は8つに限らず、2つ以上であればよい。
(4.3)変形例3
実施形態1では、補正部4は、実装対象としての基板200の全体に対して、1つの補正データ(第1位置データ及び第2位置データ)を作成している。これに対して、例えば、図8に示すように、基板200に対して複数(図8では9つ)のエリア211~219が設定されている場合には、補正部4は、複数のエリア211~219ごとに補正データを作成するように構成されていてもよい。以下、変形例3に係る実装システムについて、図8を参照して説明する。なお、変形例3に係る実装システムでは、補正部4が複数のエリア211~219の各々について誤差情報を算出する点を除いて実施形態1に係る実装システム1と同様である。したがって、以下の説明では、補正部4以外の構成については詳細な説明を省略する。
補正部4は、基板200に対して設定された複数のエリア211~219の各々に対して補正データを作成する。言い換えると、補正部4は、基板200に対して設定された複数のエリア211~219ごとに誤差情報を算出する。このように、複数のエリア211~219ごとに誤差情報を算出することによって、例えば、駆動機構22等に起因する、基板200に対する部品100の実装ずれを精度よく補正することができる。
なお、基板200のエリア数についても9つに限らず、2つ以上に分かれていればよい。
(4.4)その他の変形例
以下、実施形態1のその他の変形例を列挙する。
実施形態1では、撮像部3は、第2対象物200の実装面201に対する角度θ1が鋭角となる方向から特定領域300を撮像しているが、例えば、撮像部3は、鉛直方向から特定領域300を撮像するように構成されていてもよい。つまり、撮像部3が斜め方向から特定領域300を撮像する構成は必須の構成ではない。この場合、例えば、撮像部3が広角レンズを搭載したカメラであれば、鉛直方向から特定領域300を撮像する場合であっても、特定領域300を撮像することが可能である。
実施形態1では、実装システム1は、X方向及びY方向の位置ずれ、つまりXY平面内の位置ずれを補正しているが、例えば、Z方向の位置ずれ、及びXY平面内の回転ずれ等を補正するように構成されていてもよい。
実施形態1では、捕捉部23が吸着ノズルであるが、捕捉部23は吸着ノズルに限らず、例えば、ロボットハンドのように部品100を挟む(掴む)ことによって捕捉(保持)する構成であってもよい。
実施形態1では、第1対象物が部品100で、第2対象物が基板であるが、第1対象物及び第2対象物は、第2対象物に対して第1対象物を実装するようになっていればよく、部品100及び基板200に限定されない。
実施形態1では、補正部4は、撮像部3からの1つの撮像データD1に基づいて、実装部2の動作を補正しているが、補正部4は、撮像部3からの複数の撮像データD1に基づいて、実装部2の動作を補正してもよい。言い換えると、補正部4は、実装部2が基板200に対して複数の部品100を実装する際に取得した複数の撮像データD1から得られる複数の誤差情報に基づいて、実装部2の動作を補正してもよい。この場合、補正部4は、例えば、複数の撮像データD1の各々から得られる複数の誤差情報の平均値を算出する。そして、補正部4は、この平均値に基づいて補正データを作成する。このように、複数の誤差情報の平均値に基づいて補正データを作成することにより、1つの誤差情報に基づいて補正データを作成する場合と比較して、補正精度を向上させることができる。なお、この場合において、補正部4は、複数の誤差情報の平均値を算出するのではなく、複数の誤差情報の中央値、又は最頻値等を算出してもよい。
また、実施形態1では、補正部4は、撮像部3からの1つの撮像データD1を取得すると、実装部2の動作の補正を開始しているが、補正部4は、撮像部3からの撮像データD1の取得回数が規定値以上になったときに、実装部2の動作の補正を開始してもよい。言い換えると、補正部4は、実装部2が基板200に対して複数の部品100を実装する際に取得した撮像データD1の取得回数が規定値以上になったときに、実装部2の動作の補正を開始してもよい。この構成によれば、例えば実施形態1のように、撮像データD1の取得回数が規定値よりも少ない場合と比較して、補正精度を向上させることができる。なお、規定値は2以上であればよい。
実施形態1では、選択部42が補正部4に含まれているが、選択部は、例えば、実装部2に含まれていてもよいし、撮像部3に含まれていてもよい。つまり、選択部は、補正部4に含まれる構成に限定されない。
実施形態1では、実装システム1の補正部4の算出部41が誤差情報を算出しているが、上位システム10が誤差情報を算出してもよい。つまり、補正部4が誤差情報に基づいて実装部2の動作を補正するようになっていればよく、実装システム1が誤差情報を算出してもよいし、上位システム10が誤差情報を算出してもよい。上位システム10が誤差情報を算出する場合、実装システム1は、上位システム10に対して、第1位置データ及び第2位置データを送信する。そして、上位システム10は、実装システム1から受信した第1位置データ及び第2位置データに基づいて、誤差情報を算出する。その後、上位システム10は、算出した誤差情報を含む制御データを実装システム1に送信する。この構成によれば、実装システム1では、誤差情報に基づいて補正データを作成するだけでよく、実装システム1での処理負担を軽減することができる。
実施形態1では、基板200に設定されている基準点P1を絶対座標の原点にしているが、実装部2の実装処理において基準となる位置であればよく、基板200の基準点P1に限定されず、例えば、駆動機構22の初期位置が絶対座標の原点であってもよい。
実施形態1では、基板200上の目標位置202は、部品100の実装位置203、言い換えると基板200上に塗布されている接合材の塗布位置であるが、目標位置は接合材の塗布位置に限定されない。例えば、部品100がDIP部品(リード部品)である場合には、DIP部品から延びるリードが挿入される基板200上のスルーホールが目標位置であってもよい。さらに、目標位置は、基板200上に形成されたランド(パッド)であってもよい。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る実装システム1Cについて、図9~図11Bを参照して説明する。実施形態2に係る実装システム1Cは、基板200に対して部品100を実装する前に、接合材7の塗布位置に応じて、部品100の実装位置(目標位置202)を補正する点で、実施形態1に係る実装システム1と相違している。なお、以下の説明において、実施形態1に係る実装システム1と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(1)構成
本実施形態に係る実装システム1Cは、図9に示すように、実装部2と、撮像部3と、補正部4と、塗布部6と、を備えている。
撮像部3は、実装部2が基板200に対して部品100を実装する前に、目標塗布位置204(図11A参照)と実塗布位置205(図11A参照)とを撮像するように構成されている。本開示でいう「目標塗布位置」とは、基板200において導電性の接合材7を塗布させるべき位置をいう。本実施形態では、目標塗布位置204は、基板200の実装面201に形成されたランド(電極)である。さらに、本開示でいう「実塗布位置」とは、基板200において接合材7が実際に塗布されている位置をいう。撮像部3は、目標塗布位置204及び実塗布位置205を含む撮像データD2(図11A参照)を、補正部4へ出力する。
補正部4は、本実施形態では、第2誤差情報に基づいて実装部2の動作を補正するように構成されている。本開示でいう「第2誤差情報」は、上述の実施形態1で説明した誤差情報としての第1誤差情報とは異なる情報であって、撮像部3の撮像データD2から得られる目標塗布位置204と実塗布位置205との誤差に関する情報である。
算出部41は、撮像部3の撮像データD2から、第1位置データ及び第2位置データを取得する。第1位置データは、目標塗布位置204の位置データである。第2位置データは、実塗布位置205の位置データである。算出部41は、第1位置データと第2位置データとの差分から、誤差データ(第2誤差情報)を算出する。詳しくは、算出部41は、第1位置データにおけるX方向のデータと第2位置データにおけるX方向のデータとの差分から、X方向の第1誤差データを算出する。さらに、算出部41は、第1位置データにおけるY方向のデータと第2位置データにおけるY方向のデータとの差分から、Y方向の第2誤差データを算出する。
そして、補正部4は、算出部41が算出した第1誤差データ及び第2誤差データ(第2誤差情報)を用いて、補正データを作成する。詳しくは、補正部4は、第1位置データにおけるX方向のデータに対して第1誤差データを加算又は減算することにより、X方向の第1補正データを作成する。さらに、補正部4は、第1位置データにおけるY方向のデータに対して第2誤差データを加算又は減算することにより、Y方向の第2補正データを作成する。補正部4は、第1補正データ及び第2補正データを実装部2の実装制御部24へ出力する。そして、実装制御部24は、補正データ(第1補正データ及び第2補正データ)に従って、部品100の実装位置が補正されるように、ヘッド21(吸着ノズル23を含む)の動作を制御する。
補正部4は、上述したように、接合材7の目標塗布位置204と実塗布位置205との誤差に関する情報である第2誤差情報に基づいて、実装部2の動作を補正するように構成されている。つまり、補正部4の補正処理は、接合材7の塗布ずれに関する第2誤差情報に基づいて、部品100の実装ずれを補正するフィードフォワード処理である。
塗布部6は、ヘッドと、駆動機構と、を有している。さらに、塗布部6は、塗布制御部61を有している。ヘッドは、例えば、ディスペンサ等の接合剤7(図11A参照)を吐出する吐出機構を有している。駆動機構は、備え付けのモータにより、ヘッドをX方向及びY方向の各々の方向にスライド移動させるように構成されている。接合材7は、例えば、クリームはんだ等のはんだ、及び導電性ペースト等である。
塗布部6は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、上位システム10と通信するように構成されている。本実施形態では一例として、塗布部6と上位システム10との通信方式は、有線LAN等の通信規格に準拠した有線通信である。塗布部6と上位システム10との間の通信におけるプロトコルは、例えば、Ethernet(登録商標)、又はEtherCAT(登録商標)等である。上位システム10は、塗布部6に対して、駆動機構及び吐出機構の動作を制御するための制御データを送信する。塗布部6では、塗布制御部61が、上位システム10からの制御データに従って、駆動機構及び吐出機構の動作を制御する。
(2)動作
次に、本実施形態に係る実装システム1Cの動作について、図10、図11A及び図11Bに基づいて説明する。なお、図11A及び図11Bでは、接合材7と実塗布位置205とを区別できるように、実塗布位置205を接合材7よりも一回り大きく図示しているが、実塗布位置205は接合材7が塗布されている位置であり、実際には同じ大きさである。
撮像部3は、実装部2が基板200に対して部品100を実装する前に、基板200上の目標塗布位置204及び実塗布位置205を含む領域を撮像する。なお、撮像部3の撮像タイミングについては、塗布部6によって接合材7が塗布されてから、実装部2が基板200に対して部品100を実装するまでのいずれかのタイミングでよい。
補正部4の算出部41は、撮像部3から、撮像データD2を取得する(ステップS11)。さらに、算出部41は、レーザ測定器から、基板200の高さデータ(位置データ)D11を取得する(ステップS12)。その後、算出部41は、撮像データD2に基づいて、目標塗布位置204及び実塗布位置205の各々の位置データ(第1位置データ及び第2位置データ)を取得する(ステップS13)。そして、算出部41は、第1位置データ及び第2位置データから、第2誤差情報を算出する(ステップS14)。詳しくは、算出部41は、第1位置データにおけるX方向のデータと第2位置データにおけるX方向のデータとの差分(第1誤差データ)、及び第1位置データにおけるY方向のデータと第2位置データにおけるY方向のデータとの差分(第2誤差データ)を求める。
その後、補正部4は、算出部41が算出した第1誤差データ及び第2誤差データに基づいて、補正データを作成する(ステップS15)。このとき、補正部4は、複数の補正テーブルのうち、ステップS12において取得した基板200の高さデータD11と対応する補正テーブルを参照して、第1誤差データ及び第2誤差データを補正する。そして、補正部4は、補正後の第1誤差データ及び第2誤差データを用いて、補正データを作成する。詳しくは、補正部4は、第1位置データにおけるX方向のデータに対して補正後の第1誤差データを加算又は減算することにより、X方向における第1補正データを作成する。さらに、補正部4は、第1位置データにおけるY方向のデータに対して補正後の第2誤差データを加算又は減算することにより、Y方向における第2補正データを作成する。そして、補正部4は、第1補正データ及び第2補正データ(補正データ)を実装部2に出力する。
実装部2の実装制御部24は、補正部4からの補正データ(第1補正データ及び第2補正データ)に従って、ヘッド21(吸着ノズル23を含む)の動作を制御する(ステップS16)。これにより、図6Bに示すように、基板200における部品100の実装位置203を、基板200上の目標位置202に重なるように補正することができる。
また、ステップS15において作成した補正データを、次の基板200に対して接合材7を塗布する際に利用することで、図11Bに示すように、接合材7の実塗布位置205を目標塗布位置204と重なるように補正することもできる。
上述したように、本実施形態に係る実装システム1Cでは、撮像部3は、実装部2が基板200に対して部品100を実装する前に、目標塗布位置204及び実塗布位置205を含む領域を撮像している。そして、補正部4は、撮像部3の撮像データD2から得られる第2誤差情報に基づいて実装部2の動作を補正している。そのため、接合材7の塗布ずれに基づいて、基板200における部品100の実装ずれを補正することができる。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る実装システム(1)は、第1対象物(100)を捕捉する捕捉部(23)によって捕捉された第1対象物(100)を、所定位置に位置決めされた第2対象物(200)に実装するシステムである。実装システム(1)は、実装部(2)と、撮像部(3)と、補正部(4)と、を備える。実装部(2)は、捕捉部(23)を有する。実装部(2)は、第1対象物(100)を捕捉した捕捉部(23)を第2対象物(200)に近づく向きに移動させて、第2対象物(200)上の目標位置(202)に向けて第1対象物(100)を実装した後、第2対象物(200)から離れる向きに捕捉部(23)を移動させる。撮像部(3)は、捕捉部(23)が第2対象物(200)から離れる向きに移動する際に、第2対象物(200)に実装された第1対象物(100)を被写体に含む特定領域(300)を撮像する。補正部(4)は、第1対象物(100)が実装された第2対象物(200)の次の第2対象物(200)に対して第1対象物(100)を実装する際に、誤差情報に基づいて実装部(2)の動作を補正する。誤差情報は、撮像部(3)の撮像データ(D1)から得られる、目標位置(202)と第2対象物(200)において第1対象物(100)が実装されている実装位置(203)との誤差に関する情報である。
この態様によれば、撮像部(3)は、第2対象物(200)上の目標位置(202)に向けて第1対象物(100)を実装した後、第2対象物(200)から離れる向きに捕捉部(23)を移動させる際に、特定領域(300)を撮像している。そのため、第1対象物(100)を実装した後に撮像部(3)を移動させて特定領域(300)を撮像する場合と比較して、検査タイミングを早くすることができる。
第2の態様に係る実装システム(1)では、第1の態様において、特定領域(300)は、第2対象物(200)に第1対象物(100)を実装している状態の捕捉部(23)を含む領域に固定されている。
この態様によれば、第2対象物(200)に対する第1対象物(100)の実装位置(203)を含む領域を撮像部(3)にて撮像することができる。
第3の態様に係る実装システム(1)では、第1又は2の態様において、撮像部(3)は、第1対象物(100)が実装される第2対象物(200)の実装面(201)に対する角度(θ1)が鋭角となる方向から特定領域(300)を撮像する。
この態様によれば、鉛直方向から特定領域(300)を撮像する場合のように、撮像部(3)を実装面(201)と平行な方向に移動させる処理が不要であるという利点がある。
第4の態様に係る実装システム(1)では、第1~3のいずれかの態様において、補正部(4)は、実装部(2)が次の第2対象物(200)に対して第1対象物(100)を実装する前に、誤差情報を算出する。
この構成によれば、次の第2対象物(200)に対して第1対象物(100)の実装位置(203)を補正することができる。
第5の態様に係る実装システム(1)では、第1~4のいずれかの態様において、補正部(4)は、第2対象物(200)への実装中に、誤差情報の算出を開始する。
この態様によれば、次の第2対象物(200)に対して第1対象物(100)を実装するまでに誤差情報を算出することができる。
第6の態様に係る実装システム(1)では、第1~5の態様において、補正部(4)は、実装部(2)が第2対象物(200)に対して複数の第1対象物(100)を実装する際に取得した複数の撮像データ(D1)から得られる複数の誤差情報に基づいて、実装部(2)の動作を補正する。
この態様によれば、第2対象物(200)における第1対象物(100)の実装位置(203)を1つの誤差情報に基づいて補正する場合と比較して、補正精度を向上させることができる。
第7の態様に係る実装システム(1)では、第1~6のいずれかの態様において、補正部(4)は、実装部(2)が第2対象物(200)に対して複数の第1対象物(100)を実装する際に取得した撮像データ(D1)の取得回数が規定値以上になったときに、実装部(2)の動作の補正を開始する。
この態様によれば、撮像データ(D1)の取得回数が規定値よりも少ない場合と比較して、補正精度を向上させることができる。
第8の態様に係る実装システム(1B)では、第1~7のいずれかの態様において、実装部(2B)は、複数の捕捉部(23B)を有する。補正部(4)は、複数の捕捉部(23B)ごとに誤差情報を算出する。
この態様によれば、捕捉部(23B)に起因する第1対象物(100)の実装ずれを精度よく補正することができる。
第9の態様に係る実装システム(1)は、第1~8のいずれかの態様において、誤差情報の算出に利用する第1対象物(100)を選択する選択部(42)を更に備える。
この態様によれば、誤差情報の算出に利用する第1対象物(100)を選択することができる。
第10の態様に係る実装システム(1)では、第1~9のいずれかの態様において、補正部(4)は、第2対象物(200)に対して設定された複数のエリア(211~219)ごとに誤差情報を算出する。
この態様によれば、実装システム(1)に起因する第1対象物(100)の実装ずれを精度よく補正することができる。
第11の態様に係る実装システム(1C)では、第1~10のいずれかの態様において、撮像部(3)は、実装部(2)が第2対象物(200)に対して第1対象物(100)を実装する前に、目標塗布位置(204)と実塗布位置(205)と、を撮像する。目標塗布位置(204)は、第2対象物(200)において導電性の接合材(7)を塗布させるべき位置である。実塗布位置(205)は、第2対象物(200)において接合材(7)が塗布されている位置である。補正部(4)は、誤差情報としての第1誤差情報とは異なる第2誤差情報に基づいて実装部(2)の動作を補正する。第2誤差情報は、撮像部(3)の撮像データから得られる目標塗布位置(204)と実塗布位置(205)との誤差に関する情報である。
この態様によれば、接合材(7)の塗布ずれに基づいて第2対象物(200)における第1対象物(100)の実装ずれを補正することができる。
第12の態様に係る実装システム(1A)は、第1~11のいずれかの態様において、特定領域(300)から入射する被写体の像を撮像部(3)に出力する光学要素(5)を更に備える。
この態様によれば、撮像部(3)のみで特定領域(300)を撮像する場合と比較して、撮像部(3)の配置の自由度が向上するという利点がある。
第13の態様に係る実装システム(1B)では、第1~12のいずれかの態様において、実装部(2B)は、回転体(21B)と、複数の捕捉部(23B)と、を有する。複数の捕捉部(23B)は、回転体(21B)の回転方向に沿って位置する。撮像部(3)は、1つであり、複数の捕捉部(23B)に対して兼用される。
この態様によれば、複数の捕捉部(23B)の各々に対応する複数の撮像データ(D1)を1つの撮像部(3)で取得することができる。
第14の態様に係る実装システム(1)では、第1~13の態様において、補正部(3)は、第2対象物(200)の厚み方向の位置データ(D11)に基づいて撮像データ(D1)を修正し、修正後の撮像データ(D1)から得られる誤差情報に基づいて実装部(2)の動作を補正する。
この態様によれば、第2対象物(200)の厚み方向の位置データ(D11)に起因する第1対象物(100)の実装ずれを精度よく補正することができる。
第15の態様に係る実装方法は、第1対象物(100)を捕捉する捕捉部(23)によって捕捉された第1対象物(100)を、所定位置に位置決めされた第2対象物(200)に実装する方法である。実装方法は、第1処理と、第2処理と、を含む。第1処理は、第2対象物(200)上の目標位置(202)に向けて第1対象物(100)を実装した後の捕捉部(23)を第2対象物(200)から離れる向きに移動させる際に、第2対象物(200)に実装された第1対象物(100)を被写体に含む特定領域(300)を撮像部(3)に撮像させる処理である。第2処理は、第1対象物(100)が実装された第2対象物(200)の次の第2対象物(200)に対して第1対象物(100)を実装する際に、誤差情報に基づいて次の第2対象物(200)における第1対象物(100)の実装位置(203)を補正する処理である。誤差情報は、撮像部(3)の撮像データ(D1)から得られる、目標位置(20)と第2対象物(200)において第1対象物(100)が実装されている実装位置(203)との誤差に関する情報である。
この態様によれば、撮像部(3)は、第2対象物(200)上の目標位置(202)に向けて第1対象物(100)を実装した後、第2対象物(200)から離れる向きに捕捉部(23)を移動させる際に、特定領域(300)を撮像する。そのため、第1対象物(100)を実装した後に撮像部(3)を移動させて特定領域(300)を撮像する場合と比較して、検査タイミングを早くすることができる。
第16の態様に係る実装用プログラムは、1以上のプロセッサに、第15の態様に係る実装方法を実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、撮像部(3)は、第2対象物(200)上の目標位置(202)に向けて第1対象物(100)を実装した後、第2対象物(200)から離れる向きに捕捉部(23)を移動させる際に、特定領域(300)を撮像する。そのため、第1対象物(100)を実装した後に撮像部(3)を移動させて特定領域(300)を撮像する場合と比較して、検査タイミングを早くすることができる。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る実装システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、実装方法、又はプログラムにて具現化可能である。
第2~14の態様に係る構成については、実装システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。