JP7181519B2 - バーナ及びその制御装置 - Google Patents
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Description
図1~8は、本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態は、液化天然ガスを燃料とし、被加熱物としてのアルミニウム部材の溶体化や時効硬化と呼ばれる熱処理を行う加熱炉に設置して使用されるバーナに本発明を適用した例である。勿論、本発明のバーナの燃料及び用途はこれらに限定されない。例えば、セラミックスの焼成やアルミニウム地金の溶融のために用いてもよい。以下の説明では、各図中に矢印にて表示したように、バーナ1の火炎が発生される側を「先端側」と称し、その反対側を「基端側」と称する。
図6のように、バーナ1の燃料パイプ11につながるガスインテーク11aには、ガス流路50aが接続されており、ガス流路50aを通じて燃料のガスがバーナ1に供給されている。ガス流路50aには、開閉弁51が介挿されており、バーナ1へのガスの供給・供給停止を選択可能としている。
図10は、制御回路80をプログラム制御のコンピュータにより構成した場合のプログラム内容の主要部を示す。図10のプログラムは、図11(A)のような加熱炉40の加熱制御を行う処理ルーチンであり、この処理ルーチンは100ミリ秒程度の周期で繰り返し実行される。なお、この周期は一例であり、任意に設定できる。
バーナ1を起動するとき、図7のように、ガス流路50aの開閉弁51を開いてバーナ1内にガスを供給し、同時に、一次エア流路50b及び二次エア流路50cのスロットル弁53、54を開くとともに、ブロア52を作動してバーナ1内に一次燃焼用エア、二次燃焼用エアを供給する。このとき、スパークロッド(図示略)により一次燃焼用エアとガスとの混合気に着火して、バーナヘッド15内で一次燃焼を行わせ、一次燃焼を種火としてSUSヘッド17内で二次燃焼を行わせる。
二次燃焼では、公知(例えば、特開2017-32196号公報)のように、混合気中の酸素濃度及び混合気の温度の条件が整うようにすることにより、フレームレス燃焼を実現することができる。そのため、スロットル弁54を調整して二次燃焼用エア量を調整し、しかも、ヒータ線22に通電して二次燃焼用エアの温度を高め、フレームレス燃焼の条件が整うようにする。フレームレス燃焼が実現すれば、バーナ1に供給されたガスを完全燃焼させて熱効率を高めることができ、しかも、排ガス中の窒素酸化物を抑制することができる。なお、上記条件が満たされずフレームレス燃焼に至らない場合でも、ヒータ線22により二次燃焼用エアの温度が高められることにより排ガス中の窒素酸化物を抑制する効果は得られる。
バーナ1が起動されて加熱炉40内の温度が高まった状態では、図11のT1~T4の期間と同様に加熱炉40内の温度を維持する制御内容となる。即ち、図8のように、スロットル弁62を開くと同時に、ブロア61を作動して、加熱炉40内の燃焼済ガスを再循環させる。同時に、ヒータ線22に通電する。一方、ガス流路50aの開閉弁51を閉じてバーナ1内へのガス供給を停止し、また、一次エア流路50b及び二次エア流路50cのスロットル弁53、54を閉じてバーナ1内への一次燃焼用エア、二次燃焼用エアの供給を停止する。
第1実施形態によれば、加熱炉40内から二次エアインテーク34へ環流される環流ガスをヒータ線22により加熱して加熱炉40内へ再循環するため、燃料の燃焼による加熱量を抑制することができる。そのため、燃料の燃焼による加熱量を抑制した分だけバーナ1による排ガスを抑制し、バーナ1の熱効率を向上することができる。
図10の処理ルーチンにおいて、ステップS21、S22の処理は、本発明の燃料燃焼手段に相当する。また、図10の処理ルーチンにおいて、ステップS37a~S42の処理は、本発明の電気ヒータ作動手段に相当する。
図12は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、加熱炉40内の温度tが目標温度t0に達するまでの時間を短縮し、急速加熱する制御内容とした点である。その他の構成は、両者同一であり、同一部分には同一の符号を付して再度の説明は省略する。
第2実施形態によれば、バーナ回路50及びヒータ回路60を同時に作動開始して、加熱炉40内の温度は急速に加熱することができる。また、加熱炉40内の温度tが目標温度t0に達するタイミングでは、バーナ回路50による加熱量を徐々に抑制して、加熱炉40内の温度tが目標温度t0を超えてオーバーシュートしないようにすることができる。
図12の処理ルーチンにおいて、ステップS21~S23の処理は、本発明の複数熱源作動手段に相当する。
図14~18は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、第1実施形態のバーナ1に対し、熱交換器70を追加した点である。その他の構成は、両者同一であり、同一部分には同一の符号を付して再度の説明は省略する。但し、若干の寸法や形状の変化は図面の記載のとおりである。
第3実施形態のバーナ1のシステム構成は、第1実施形態のものと同一であるが、排気ポート73に接続された排気路(図示略)が第1実施形態に比べて追加されている。その排気路には、スロットル弁(図示略)が設けられており、熱交換器70を機能させるときは、スロットル弁を開放して熱交換用パイプ71に加熱炉40内の燃焼済ガスを通流させ、熱交換器70を機能させないときは、スロットル弁を閉鎖して熱交換用パイプ71に加熱炉40内の燃焼済ガスを通流させないようにしている。
上述の第1実施形態の場合と全く同様にバーナ1が起動されて一次燃焼及び二次燃焼が行われる。
上述の第1実施形態の場合と全く同様にフレームレス燃焼を行わせることができる。第1実施形態では、二次燃焼用エアの温度を高めるためにヒータ線22に通電したが、第3実施形態の場合、熱交換器70を作動状態とすることによっても二次燃焼用エアの温度を高めることができる。従って、第3実施形態の場合、ヒータ線22及び熱交換器70を適宜使い分けて二次燃焼用エアの温度を高めることができる。
上述の第1実施形態の場合と全く同様に省エネ運転を行うことができる。このとき、排気ポート73に接続されたスロットル弁は閉鎖されて熱交換器70の機能を停止する。
第3実施形態においては、バーナ1をフレームレス燃焼させる場合、熱交換器70を機能させることで、ヒータ線22への通電を停止、若しくは抑制することができ、バーナ1の熱効率を高めることができる。
図19、20は、本発明の第4実施形態を示す。第4実施形態が第3実施形態に対して特徴とする点は、第3実施形態のバーナ1に対し、ヒータ線25を追加した点である。その他の構成は、両者同一であり、同一部分には同一の符号を付して再度の説明は省略する。
第4実施形態では、第3実施形態に対してヒータ線25が追加されているため、ヒータ線22と同時にヒータ線25を作動させることにより、二次燃焼用エア又は環流ガスに対する加熱量をより多くすることができる。また、ヒータ線22とは違うタイミングでヒータ線25を作動させることにより、二次燃焼用エア又は環流ガスに対する加熱量の制御のバリエーションをより多くすることができる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、燃料としては、ガス化された液体又は個体燃料、噴霧化された液体燃料、微粉化された個体燃料等を使用することができる。
11 燃料パイプ(燃料噴射ノズル)
11a ガスインテーク
12 噴射ノズル(燃料噴射ノズル)
12a、12b 噴射口
13 エアパイプ
13a 一次エアインテーク
14 旋回羽根
14a 旋回流
15 バーナヘッド
15a オリフィス板
16 エアノズル
16a 貫通孔(ガス供給路)
17 SUSヘッド
18a UVセンサ用パイプ
18b スパークロッド
19 作業孔
21 ヒータホルダ
22 ヒータ線(電気ヒータ)
23 端子
24 ベースプレート
25 ヒータ線(電気ヒータ)
31 ケーシング(ガス供給路)
31a 開口
32 カバー(ガス供給路)
33 断熱材
34 二次エアインテーク(ガス供給路)
35 ケーシング
36 ケーシング(ガス供給路)
40 加熱炉(加熱容器)
50 バーナ回路
50a ガス流路
50b 一次エア流路
50c 二次エア流路
51 開閉弁
52 ブロア
53 スロットル弁
54 スロットル弁
60 ヒータ回路
60a 再循環ガス流路
61 ブロア
62 スロットル弁
70 熱交換器
71 熱交換用パイプ
72 フィン
73 排気ポート
80 制御回路
Claims (5)
- 加熱容器内でガス等の燃料を燃焼させて加熱容器内の被加熱物を加熱するバーナであって、
ガス等の燃料を前記加熱容器内に噴射する燃料噴射ノズルと、
該燃料噴射ノズルにより噴射された燃料の周りに燃焼用エアを供給して火炎を伴う一次燃焼を行わせるエアパイプと、
該エアパイプの外周側に前記エアパイプとは独立して形成された経路で、前記加熱容器内から環流された環流ガスを前記加熱容器外から前記加熱容器内の前記一次燃焼の火炎に向けて供給して再循環するガス供給路と、
該ガス供給路内で前記エアパイプの外周側に設けられ、前記ガス供給路により再循環される環流ガスを加熱する電気ヒータと
を備えるバーナ。
- 請求項1において、
前記ガス供給路には、環流ガスに代えて燃焼用エアが通流され、前記加熱容器内で前記一次燃焼の火炎を種火として二次燃焼を行わせる
バーナ。
- 請求項2において、
前記ガス供給路の流路中で、当該ガス供給路に流れる燃焼用エアとの間で熱交換可能に設置され、内部に前記加熱容器内から環流ガスを通流させる熱交換用パイプを備える
バーナ。 - 請求項1において、
前記加熱容器の要求熱量に応じてバーナを制御するバーナの制御装置であって、
前記加熱容器内の温度を上昇させるとき、前記燃料噴射ノズルによる燃料の噴射、及び前記エアパイプによる燃焼用エアの供給を行って、燃料の燃焼による加熱を行う燃料燃焼手段と、
前記加熱容器内の温度を維持するとき、前記電気ヒータを作動させ、前記燃料噴射ノズルによる燃料の噴射、及び前記エアパイプによる燃焼用エアの供給を停止する電気ヒータ作動手段と
を備えるバーナの制御装置。 - 請求項4において、
前記加熱容器内の温度を上昇させるとき、前記燃料噴射ノズルによる燃料の噴射、及び前記エアパイプによる燃焼用エアの供給を行って、燃料の燃焼による加熱を行い、同時に、前記電気ヒータを作動させた状態で、前記ガス供給路に燃焼用エア及び/又は前記環流ガスを供給して燃焼用エア及び/又は前記環流ガスの温度を上昇させる複数熱源作動手段を備える
バーナの制御装置。
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