以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、図2に示す遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面に形成された遊技領域YR1(図2参照)の全体が視認可能となっている。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が後述する発射装置61によって1球ずつ遊技領域YR1に向けて弾き出される。
図3に示されるように、遊技機10は、遊技盤11を保持した遊技機本体10Hの前面に、前面枠10Zを開閉可能に備えている。遊技機本体10Hの前面の右下隅部には、発射機構ユニット60が設けられていて、遊技盤11の前面には、発射機構ユニット60の発射装置61から発射された遊技球を遊技領域YR1の左上部へと案内する案内路13が形成されている。また、図4に示されるように、発射機構ユニット60の左側方には、戻り球回収ダクト68が設けられている。戻り球回収ダクト68は、発射機構ユニット60に備えた発射レール61Rと案内路13との間に配置され、発射力が弱いために遊技領域YR1まで到達せず、案内路13を逆戻りした遊技球や、案内路13まで到達しなかった遊技球を回収して下皿28に排出する。
図5に示されるように、発射機構ユニット60は、発射装置61と球供給装置62から、主に構成される。具体的には、発射機構ユニット60は、発射装置61のベース板61Aに、球供給装置62、発射レール61R、打撃槌63、発射用モータ64等の部品を組み付けてなる。球供給装置62は、上皿27に収容された遊技球を発射レール61R上に1球ずつ供給する。発射レール61Rは、ベース板61Aの左上端寄り位置から右斜め下方に延びていて、発射レール61R上に供給された遊技球は、球受部材65により受け止められる。発射用モータ64は、発射用ハンドル28の回動操作により駆動される。打撃槌63は、発射用モータ64の駆動力を受けて回動する。打撃槌63が回動して打撃位置に配されると、打撃槌63の槌先端部63Sが球受部材65により受け止められた遊技球を弾く。これにより、遊技球が発射レール61Rに沿って斜め上方に発射される。
図2に示されるように、遊技盤11の前面からは、遊技領域YR1を包囲するガイドレール12が突出している。ガイドレール12は、円弧状に湾曲した第1レール12A及び第2レール12Bと、緩衝部材12Cとによって形成されている。第1レール12Aは、遊技領域YR1の周縁部のうち上側の略1/4円周分を除いた部分に沿わせて配置されている。第2レール12Bは、その一部(第2レース12Bの上部)が遊技領域YR1の周縁部における上側の略1/4円周分に沿って延在し、残りの部分(第2レール12Bの左側部)が第1レール12Aの左側部に外側から向かい合うように配置されている。第2レール12Bの一端部は、第1レール12Aの最下部に対して左側方に配置され、第2レール12Bの他端部は、第1レール12Aの右側端部12ARに対して遊技球1~2個分上方にオフセットした位置に配置される。そして、第1レール12Aの左側部と第2レール12Bとの間に、上述の案内路13が形成されている。なお、緩衝部材12Cは、第1レール12Aの右側端部12ARに取り付けられて、第1レール12Aと第2レール12Bとの間を閉塞する。
また、第1レール12Aの左側端部12ALと第2レール12Bの中間部との間には、遊技球1~2個分の隙間が設けられ、これにより、ガイドレール12の左上部に、案内路13の出口、即ち、遊技領域YR1内に遊技球を進入させるための進入口12Kが形成されている。そして、第2レール12Bのうち進入口12Kより上側に配される部分によって、進入口12Kから遊技領域YR1内に進入した遊技球を右斜め上方に案内可能な円弧状案内部12Eが形成されている。
図6、図7及び図8に示されるように、本実施形態の遊技機10では、第1レール12Aに、遊技領域YR1に進入した遊技球が案内路13へと逆戻りすることを規制する球戻り規制部材50が取り付けられている。以下、球戻り規制部材50について詳説する。
図8(A)及び図8(B)に示されるように、球戻り規制部材50は、第1レール12Aの左側端部12ALに取り付けられる支持ベース51と、支持ベース51に回動可能に支持されて進入口12Kを開閉する開閉部材53と、から主に構成される。そして、球戻り規制部材50は、開閉部材53が進入口12Kを閉じる閉位置に配置されると閉状態となり、開閉部材53が進入口12Kを開く開位置に配置されると開状態となる。
開閉部材53は、案内路13を通過してきた遊技球が当接する発射球当接面54Aと、遊技領域YR1から案内路13側へ向かう遊技球が当接する戻り球当接面(図示せず)と、を表裏に有する可動片54と、回動軸部55と、回動軸部55を挟んで可動片54の反対側に配置される錘部56と、から構成され、回動軸部55を中心にして回動する。そして、開閉部材53は、可動片54にて進入口12Kを閉塞する閉位置(図13(A)参照)から可動片54と第2レール12Bとの間隔を広げるように回動して、進入口12Kを開く開位置(図13(B)参照)に配置される。錘部56は、開閉部材53を閉位置に付勢するためのものである。具体的には、錘部56には、芯材57が装着される装着孔56Aが回動軸部55と平行に形成されていて、該装着孔56Aに芯材57が装着されることで、開閉部材53の重心が錘部56側に偏るようになっている。なお、可動片54は、開閉部材53が閉位置に配置されたときには、略鉛直に沿って配置され、開閉部材53が開位置に配置されたときには、回動軸部55から右斜め上方に向かって延びるように配置される。
図8(B)に示されるように、支持ベース51には、開閉部材53の回動軸部55及び錘部56を収容可能な収容凹部51Aが設けられている。収容凹部51Aの両側には、支持ベースが第1レール12Aに取り付けられたときに、遊技盤11に対向配置される後壁52Aと、遊技盤11と反対側に配置される前壁52Bと、が形成され、後壁52Aには、開閉部材53の回動軸部55を貫通する回動ピン58を外側から挿通可能とするピン挿通孔58Aが形成されている。
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域YR1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されており、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置30が対向している。表示装置30は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面30Gを前面に有する。
遊技盤11の前面中央には、表示画面30Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域YR1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入しないようになっている。
詳細には、表示開口11Hは、遊技領域YR1の横方向の中間部で上側に寄せて配置され、遊技領域YR1のうち表示装飾枠23の左側と右側と下側には、それぞれ、遊技球が流下可能な左側流下領域YR2と右側流下領域YR3と下側流下領域YR4が形成されている。また、表示装飾枠23の上端部には、ガイドレール12の上側部分(詳細には、第2レール12B)に沿って円弧状に延びた上側円弧壁25が設けられていて、この上側円弧壁25とガイドレール12との間に、遊技球が1つずつ通過可能な上側連絡流路25Rが形成されている。また、表示装飾枠23は、表示開口11Hとガイドレール12の右側部(詳細には、第1レール12Aの右側端部12AR)との間を隙間なく埋めると共に、上側連絡流路25Rと右側流下領域YR3との間を連絡する右側連絡流路24Rが内側に形成された右側連絡流路構成部24を備えている。
左側流下領域YR2の下端部には、風車19が設けられている。風車19は、左側流下領域YR2を流下してきた遊技球の進路を中央側へ変更して、下側流下領域YR4へと案内する。
下側流下領域YR4の横方向中央には、第1の始動入賞口14Aが設けられている。また、下側流下領域YR4のうち第1の始動入賞口14Aより左側の部分には、ガイドレール12(詳細には、第1レール12A)に沿って一般入賞口20が複数設けられている。
下側流下領域YR4のうち第1の始動入賞口14Aより右側の部分には、大入賞口15が設けられている。また、右側流下領域YR3には、始動ゲート18と第2の始動入賞口14Bとが上下に並べて設けられている。詳細には、始動ゲート18及び第2の始動入賞口14Bは、大入賞口15の上方に位置している。なお、下側流下領域YR4のうち大入賞口15の右斜め上に位置する部分には、サイド入賞口21が設けられている。
一般入賞口20、サイド入賞口21、第1の始動入賞口14A、第2の始動入賞口14B、大入賞口15の何れかの入賞口に遊技球が入球し、その入球が図示しない球検出センサにより検出されると、上皿26へ所定数の賞球が払い出される。また、遊技領域YR1の下端部には、遊技球を遊技領域YR1の外側に排出するためのアウト口16が設けられていて、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球は、このアウト口16から図示しない球回収装置に回収される。さらに、遊技領域YR1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘17が多数植設されている。
次に、各入賞口14A,14B,15,20,21と始動ゲート18の詳細について説明する。一般入賞口20及びサイド入賞口21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。ここで、遊技機10では、通常遊技状態において普通図柄当否判定が当りとなる確率は低く設定されており、後述する「大当り遊技」後、所定の条件を満たしているときに、普通図柄当否判定が当りとなる確率が高くなる「時短遊技」が実行される。従って、遊技機10では、通常遊技状態においては、左側流下領域YR2を流下するように遊技球を打ち出す、所謂、「左打ち」を行い、「時短遊技」中においては、右側流下領域YR3を流下するように遊技球を打ち出す、所謂、「右打ち」を行う、というように、2種類の打ち方を遊技者に提供可能に構成されている。なお、「時短遊技」は、「大当り遊技」の終了後、第1と第2の始動入賞口14A,14Bへの入賞回数が、規定上限回数(例えば、100回)に達するか、或いは、その「時短遊技」中に大当りとなった場合に終了する。
第1の始動入賞口14Aは、一般入賞口20やサイド入賞口21と同様に、ポケット構造になっていて、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで上方に開放している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで右側に開放し、可動部材14Cによって開閉される。可動部材14Cは、通常は、略鉛直に配置されて第2の始動入賞口14Bを閉塞し、上述した普通図柄当否判定が当りのときに、下端部を中心にして左右方向に回動する。可動部材14Cが回動して左下がりに傾斜すると、第2の始動入賞口14Bに遊技球が入球(入賞)可能となる。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、特別図柄当否判定が行われる。そして、特別図柄当否判定が当りになると、通常遊技状態から大当り遊技状態へと移行し、大当り遊技が実行される。
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が大当り遊技状態となって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。
図9に示されるように、表示装飾枠23の左上部には、ガイドレール12の円弧状案内部12E側から流下してきた遊技球を受け止めて下方に案内可能な流下案内壁32が設けられている。流下案内壁32は、上側円弧壁25の左端部から下方に延びる縦壁33と、縦壁33の下端から左側に延びた横壁34と、横壁34の左端部から下方に延びる誘導傾斜壁35とで構成され、全体がクランク形状をなしている。詳細には、縦壁33、横壁34及び誘導傾斜壁35は全て、左下がりに傾斜し、縦壁33の下り勾配は横壁34の下り勾配より大きく、誘導傾斜壁35の下り勾配は、横壁34の下り勾配よりも大きくなっている。なお、誘導傾斜壁35の下り勾配は、縦壁33の下り勾配よりは小さくなっている。
遊技領域YR1のうち流下案内壁32と円弧状案内部12Eとに挟まれた部分には、球導入領域YR5が形成され、この球導入領域YR5に、表示装飾枠23とは別体に設けられた樹脂体40が固定されている。樹脂体40は、遊技盤11の前面に敷設されたベース板40Aと、ベース板40Aから前方に突出した樹脂突部40Tと、からなる。そして、球導入領域YR5のうち樹脂突部40Tを除く部分に、障害釘17を有さずに遊技球が流下可能な釘無し領域YR6が形成されている。なお、樹脂体40は、ベース板40Aがボルト40Bで螺子止めされることにより遊技盤11に固定される。また、樹脂体40は、透明な樹脂で構成されていて、ベース板40Aの後側が透けて見えるようになっている。
表示装飾枠23には、流下案内壁32から外側に張り出して遊技盤11の前面に重ねられる張出片36が設けられていて、ベース板40Aのうち流下案内壁32側を向く部分には、張出片36に対応した形状をなす境界縁部40F(図10~12参照)が設けられている。境界縁部40Fは、張出片36に沿って配置されている。これにより、張出片36とベース板40Aとの間に遊技球が入り込むことが抑えられる。なお、詳細には、張出片36と境界縁部40Fは共に、流下案内壁32に対応したクランク形状に形成されている。
図14に示されるように、張出片36のうち境界縁部40Fと対向する部分は、境界縁部40Fへ近づくに従って薄くなるテーパー状に形成され、境界縁部40Aに近づくに従って後側へ傾斜する傾斜面36Kを前面に有している。従って、遊技盤11の表示開口11Hに表示装飾枠23を取り付けた後、張出片36のテーパー状の部分を案内にしてベース板40Aを張出片36の隣りに配置することが可能となる。また、ベース板40Aの境界縁部40Fのうち張出片36と対向する部分は、絶壁状に形成され、遊技盤11の前面と直交する絶壁面40Sを端面に有している。従って、張出片36とベース板40Aとの間に形成される凹みを小さくすることが可能となり、遊技球のスムーズな流下が図られる。
また、図9に示されるように、ベース板40Aの上縁部は、第1レール12Aの延長線に沿った円弧状に配置される。そして、ベース板40Aと第2レール12Bとの間には、第2レール12Bに沿って遊技球が通過可能な球通過路が形成されている。これにより、進入口12Kから遊技領域YR1に進入した遊技球がベース板40Aと接触して、遊技球の勢いが低減することが抑制される。
図14に示されるように、ベース板40Aの上縁部は、第2レール12Bへ近づくに従って薄くなっていて、第2レール12Bへ近づくに従って後側へ傾斜する傾斜面40Kを前面に有している。これにより、本実施形態では、円弧状案内部12Eに沿って移動する遊技球を、ベース板40Aの上縁部を案内にしてベース板40Aの前方の釘無し領域YR6へとスムーズに流下させることができる。
図2に示されるように、遊技機10は、樹脂突部40Tとして、第1樹脂突部41、第2樹脂突部42及び第3樹脂突部43を備えている。第1樹脂突部41、第2樹脂突部42及び第3樹脂突部43は、円弧状案内部12Eに沿って縦壁33に近い側、即ち、右側から順番に配置されている。
図10に示されるように、第1樹脂突部41は、縦壁33の上端部に左側、即ち、進入口12K側から対向し、縦壁33との間に、遊技球が1つずつ通過可能な第1流路R1を形成する。第1樹脂突部41は、前方視略方形状をなし、円弧状案内部12Eに沿って延在する天井面41Uと、略水平な底面41Sと、を有している。
第1樹脂突部41の右側面は、上側右向き流路形成面41RAと下側右向き流路形成面41RBとで構成されている。上側右向き流路形成面41RAは、略鉛直に延び、下方へ向かうに従って第1流路R1の横幅を狭める。これにより、第1流路R1を流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となる。また、下側右向き流路形成面41RBは、上側右向き流路形成面41RAの下端から下側に向かうに従って縦壁33から離れるように傾斜し、下方に向かうに従って第1流路R1の横幅を広げる。これにより、第1流路R1を流下してきた遊技球を下方へ向けて素早く流下させることが可能となる。
第1樹脂突部41の左側面は、略鉛直に延びる左向き流路形成面41Lで構成されている。
図10に示されるように、第2樹脂突部42は、第1樹脂突部41に対して左斜め下方に配置され、第1樹脂突部41との間に、遊技球が通過可能な第1突部間流路TR1を形成する。ここで、第2樹脂突部42の右側面は、右下がりに傾斜する右向き流路形成面42Rで構成されている。また、上述の如く、第1樹脂突部41の左向き流路形成面41Lは、略鉛直になっている。その結果、第1突部間流路TR1は、下方へ向かうに従って幅狭に構成される。これにより、第1突部間流路TR1を流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となり、第1突部間流路TR1から流下してきた遊技球を後述する第2流路R2に沿って流下させ易くなる。
また、第2樹脂突部42は、横壁34の上方に配置され、横壁34との間に、遊技球が通過可能な第2流路R2を形成する。第2樹脂突部42は、上側に尖った略三角形状をなし、横壁34と略平行な底面42Sを有している。これにより、第2流路R2を通過する遊技球を横壁34に沿って移動させ易くなり、その遊技球を第3樹脂突部43に衝突させて後述する第3流路R3へ流下させ易くなる。なお、第2樹脂突部42の底面42Sと横壁34との間隔、即ち、第2流路R2の流路幅(上下方向の間隔)は、遊技球2個分以上、3個分未満となっている。
第2樹脂突部42の左側面は、略鉛直に延びる左向き流路形成面42Lで構成されている。
図11に示されるように、第3樹脂突部43は、第2樹脂突部42に対して左斜め下方に配置され、第2樹脂突部42との間に、遊技球が通過可能な第2突部間流路TR2を形成する。詳細には、第3樹脂突部43の右側面には、右下がりに傾斜する上側右向き流路形成面43RAが備えられ、第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RAと第2樹脂突部42の左向き流路形成面42Lとの間に第2突部間流路TR2が形成されている。
ここで、上述の如く、第2樹脂突部42の左向き流路形成面42Lは、略鉛直になっているので、第2突部間流路TR2は、下方へ向かうに従って幅狭に構成される。これにより、第2突部間流路TR2を流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となり、第2突部間流路TR2から流下してきた遊技球を、第2流路R2に沿って流下させたり、後述する第3流路R3に沿って流下させ易くなる。
また、第3樹脂突部43は、横壁34の延長線上に配置され、誘導傾斜壁35との間に、第3流路R3を形成する。詳細には、第3樹脂突部43の右側面には、上側右向き流路形成面43RAの下端から誘導傾斜壁35に沿って延びる下側右向き流路形成面43RBが備えられ、第3樹脂突部43の下側右向き流路形成面43RBと誘導傾斜壁35との間に第3流路R3が形成されている。なお、下側右向き流路形成面43RBは、誘導傾斜壁35と略平行である。
このように、第3樹脂突部43は、横壁34の延長線上に配置され、横壁34に沿って流下してきた遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能に構成されている。これにより、横壁34に沿って流下してきた遊技球の流下の勢いを抑制し、遊技球が遊技領域YR1の外縁部まで移動してガイドレール12に衝突することが抑えられ、或は、遊技釘(障害釘17)に直接接触することを抑制することで遊技釘の釘折れを抑制し、遊技球のスムーズな流下が図られる。しかも、第3樹脂突部43のうち横壁34に延長線上に配される下側右向き流路形成面43RBは、誘導傾斜壁35に沿って延びるので、横壁34に沿って流下してきた遊技球を下側右向き流路形成面43Bに衝突させて誘導傾斜壁35に沿って流下させることが可能となる。
ここで、第3樹脂突部43(下側右向き流路形成面43RB)と誘導傾斜壁35との間の間隔、即ち、第3流路R3の幅は、遊技球1個分より大きく、1.5個分以下となっている。これにより、第3流路R3を通過する遊技球のばたつきが抑えられ、遊技球のスムーズな流下が図られる。
また、図12に示されるように、第3樹脂突部43は、第1レール12Aの左側端部12ALの右側に配置されて、球戻り規制部材50に右側から対向する。第3樹脂突部43と球戻り規制部材50との間の間隔は、遊技球1個分より大きくなっていて、第3樹脂突部43は、球戻り規制部材50との間に第4流路R4を形成する。詳細には、第3樹脂突部43の左側面は、左下がりに傾斜する上側左向き流路形成面43LAと、上側左向き流路形成面43LAから下方に延びて球戻り規制部材50の支持ベース51の周りを円弧状に囲む下側左向き流路形成面43LBと、で構成されている。そして、上側左向き流路形成面43LAと球戻り規制部材50の開閉部材53との間に第4流路R4の上流側部分が形成され、下側左向き流路形成面43LBと球戻り規制部材50の支持ベース51との間に第4流路R4の下流側部分が形成されている。
ここで、下側左向き流路形成面43LBは、球戻り規制部材50の支持ベース51を外側から囲む円弧状に形成されていて、第4流路R4の下流側部分は、支持ベース51の外左側をなぞるように円弧状に延在している。これにより、開閉部材53を回動可能に支持する支持ベース51に遊技球が衝突することが防がれ、開閉部材53のスムーズな回動が図られる。また、下側左向き流路形成面43LBと支持ベース51との間隔は(即ち、第4流路R4の下流側部分の流路幅)は、遊技球1個分より大きく1.5個分以下となっている。これにより、支持ベース51と第3樹脂突部43との間を通過する遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。
また、上述の如く、開閉部材53は、進入口12Kを閉じる閉位置(図13(A)参照)と、進入口12Kを開く開位置(図13(B)参照)との間を遊技盤11の前面に沿って回動する。従って、第4流路R4の上流側部分の流路幅は、開閉部材53の配置により変化する。具体的には、第4流路R4の上流側部分の流路幅は、開閉部材53が閉位置に配置されたときよりも、開閉部材53が開位置に配置されたときの方が狭くなる。
開閉部材53が開位置に配置されたとき(即ち、球戻り規制部材50が進入口12Kを最大開放している状態のとき)の可動片54と上側左向き流路形成面43LAとの間の間隔は、遊技球1個分より大きく1.5個分以下となっている。これにより、第4流路R4の上流側部分を通過する遊技球のばたつきを抑えることが可能となる。また、上側左向き流路形成面43LAは、開閉部材53が開位置に配置されたときの可動片54と略平行に配置されるので、開閉部材53が開位置に配置されて第4流路R4の流路幅が狭められても、開閉部材53と第3樹脂突部43との間で遊技球が弾き合うことが抑制され、第4流路R4に遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。
また、図13(A)に示されるように、開閉部材53が閉位置に配置されると、第4流路R4の上流側部分(即ち、可動片54と上側左向き流路形成面43LAとに挟まれる部分)の流路幅は、下流側へ向かうに従って狭くなる。これにより、第4流路R4を流下する遊技球の勢いを低減して、その遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。
図9及び図12に示されるように、遊技領域YR1のうち第3樹脂突部43の下方に位置する部分には、障害釘17が複数設けられている。これら複数の障害釘17には、第3樹脂突部43の下側右向き流路形成面43RBの延長線上に配置されて、誘導傾斜壁35との間に遊技球が通過可能な間隔を有する球通過許容釘17Aが含まれている。これにより、誘導傾斜壁35と下側右向き流路形成面43RBとの間の第3流路R3を遊技球が流下するときに、障害釘17が遊技球の流下の妨げになることが抑えられる。なお、球通過許容釘17Aは、下側右向き流路形成面43RBの延長線よりも誘導傾斜壁35から離れて配置されてもよい。
第3樹脂突部43と球通過許容釘17Aとの間には、遊技球1個分より大きく2個分より小さい隙間が形成されている。そして、球戻り規制部材50と第3樹脂突部43との間の第4流路R4を流下してきた遊技球を誘導傾斜壁35へ向けて移動させることが可能となっている。
図9~13に示されるように、本実施形態の遊技機10では、樹脂突部40Tに、いったん遊技領域YR1に進入した遊技球が案内路13に逆戻りすることを抑制する球戻り抑制部45が設けられている。球戻り抑制部45は、第2樹脂突部42と第3樹脂突部43に設けられているが、第2樹脂突部42と第3樹脂突部43の何れか1つに設けられていればよい。何れの場合であっても、球戻り抑制部45は、複数の樹脂突部40Tのうち案内路13に近い側に配置される樹脂突部40Tに設けられている。
図10に示されるように、第2樹脂突部42に設けられた球戻り抑制部45は、右向き流路形成面42Rの上端部から突出した上端突起42Tにより構成される。上端突起42Tは、球導入領域YR5のうち円弧状案内部12Eに沿って移動する遊技球が通過可能な領域に向かって突出する。
図11に示されるように、第3樹脂突部43に設けられた球戻り抑制部45は、上側右向き流路形成面43RAの上端部から突出した上端突起43Tにより構成される。上端突起43Tは、上端突起42Tと同様に、球導入領域YR5のうち円弧状案内部12Eに沿って移動する遊技球が通過可能な領域に向かって突出する。
このように、遊技機10では、球戻り抑制部45が、球導入領域YR5のうち円弧状案内部12Eに沿って移動する遊技球が通過可能な領域に向けて突状に形成されているので、球戻り抑制部45が案内路13へと向かう遊技球と衝突して、遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。また、遊技機10では、球戻り抑制部45が第2樹脂突部42に設けられているので、第1樹脂突部41によって案内路13側へ跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することができる。しかも、上述したように、第1樹脂突部41の左向き流路形成面41Lと第2樹脂突部42の右向き流路形成面42Rとの間の間隔、即ち、第1突部間流路TR1の流路幅は、下方へ向かうに従って狭くなるので、第1突部間流路TR1を流下する遊技球の勢いを低減させて、遊技球が案内路13側へ向かうことを抑制可能となる。
また、遊技機10では、球戻り抑制部45が第3樹脂突部43に設けられているので、第2樹脂突部42によって案内路13側に跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することができる。しかも、上述したように、第2樹脂突部42の左向き流路形成面42Lと第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RAとの間の間隔、即ち、第2突部間流路TR2の流路幅は、下方へ向かうに従って狭くなるので、第2突部間流路TR2を流下する遊技球の勢いを低減させて、遊技球が案内路13側へ向かうことを抑制可能となる。
また、遊技機10では、球戻り抑制部45は、右下がりに傾斜する、即ち、案内路13から離れるに従って下るように傾斜する傾斜面(第2樹脂突部42の右向き流路形成面42Rと第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RA)の上端部から突出しているので、該傾斜面に受け止められずに案内路13側へと向かおうとする遊技球に球戻り抑制部45が衝突することで、遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。しかも、該傾斜面で受け止めた遊技球を案内路13から離れる側に移動させることができるので、遊技球の逆戻りを一層抑制することができる。
また、球戻り抑制部45は、第1突部間流路TR1を形成する右向き流路形成面42R、第2突部間流路TR2を形成する上側右向き流路形成面43RAの上端部から突出しているので、各突部間流路TR1,TR2に、遊技球がスムーズに流下可能な流路幅を確保しつつ、遊技球の逆戻りを抑制することが可能となっている。なお、各流路形成面42R,43RAに球戻り抑制部45が突設されない構成では、各突部間流路TR1,TR2に十分な流路幅を確保することはできるが、遊技球の逆戻りが発生し易くなってしまう。
ところで、遊技機10では、例えば、図17に示されるように、2つの遊技球を糸Sで繋ぎ、一方の遊技球を遊技者の手元に残した状態(即ち、上皿26や下皿27に残した状態)で他方の遊技球を遊技領域YR1内に打ち込む、所謂、糸吊りゴトと呼ばれる不正行為が行われることがある。糸吊りゴトでは、一方の遊技球が操作されることにより遊技領域YR1内で他方の遊技球が入賞口14A,14B,20,21に誘導され、不正に特別図柄当否判定の権利や賞球が獲得される。
このような糸吊りゴトを防ぐために、従来の遊技機では、例えば、発射機構ユニット60に、不正防止部材(図示せず)が取り付けられていた(例えば、特許第5285728号参照)。この不正防止部材は、V字状の切断刃を備え、発射装置61から遊技領域YR1に向けて斜め上方に遊技球が発射されると、その遊技球に取り付けられた糸Sを該切断刃にて捕捉又は切断する。しかしながら、該不正防止部材では、遊技球の発射力が遊技領域YR1へ到達する程度に強いことを前提としていて、発射装置61から発射した遊技球によって斜め上方へと引っ張られる糸Sを切断するように切断刃が配置されている。このため、例えば、発射力が弱いために球回収ダクト68に回収される遊技球に取り付けられた糸Sについては、捕捉又は切断することができなかった。その結果、糸Sで繋がった2つの遊技球のうち一方の遊技球の発射力を弱くして、故意に、一方の遊技球を下皿28に排出させた後、他方の遊技球を遊技領域YR1内に打ち込む、別の糸吊りゴトが行われることがあった。この別の糸吊りゴトでは、他方の遊技球が発射される際に一方の遊技球が下皿28にあるので、糸Sが下方に引っ張られることとなり、切断刃による捕捉や切断を免れる。
本実施形態の遊技機10では、上記した別の糸吊りゴトを防ぐべく、糸Sを捕捉又は切断する不正防止部材が第1レール12Aに取り付けられている(図6及び図7参照)。具体的には、図15に示されるように、球戻り規制部材50の支持ベース51に、例えば、ステンレス製の金属板により構成される金属カバー70が取り付けられていて、この金属カバー70に第1の不正防止部材81と第2の不正防止部材82の2種類の不正防止部材が設けられている。金属カバー70は、支持ベース51のうち案内路13内に臨む部分を覆う主カバー部71と、支持ベース51の後壁52Aの後面を覆う後カバー部72Aと、支持ベース51の前壁52Bの前面を覆う前カバー部72Bと、を有し、第1の不正防止部材81は、主カバー部71に形成され、第2の不正防止部材82は、前カバー部72Bに形成されている。
まず、第1の不正防止部材81について説明する。図15及び図16に示されるように、主カバー部71は、縦長矩形状に形成されていて、主カバー部71の前後方向の略中央において下端から上側に延びた切れ込み73と、切れ込み73を境界として前後に分断された前側刃部74及び後側刃部75と、を有している。そして、前側刃部74及び後側刃部75の先端が互いに離れるように前側刃部74が案内路13内に向けて屈曲することで、前側刃部74と後側刃部75との間にV字状の切断部76を有する第1の不正防止部材81が形成されている。また、前側刃部74及び後側刃部75のそれぞれの下端縁には、上側へ向かうに従って切断部76へ向かうように傾斜した傾斜案内部77が設けられている。
このように、第1の不正防止部材81においては、図7、図15、図16(B)に示すように、前側刃部74が案内路13内へ突入するように屈曲することで、切断部76が前側から見てV字状に形成されている。これにより、第1の不正防止部材81では、遊技球に付けられた糸がV字状の切断部76内に挿入され易くなっている。また、第1の不正防止部材81では、前側刃部74と後側刃部75のそれぞれに形成された傾斜案内部77は切断部76に連絡しているので、傾斜案内部77によって遊技球に付けられた糸を切断部76内に案内することができるようになっている。
次に、第2の不正防止部材82について説明する。図15、図16(A)に示されるように、金属カバー70は、主カバー部71と前カバー部72Bとで構成されるコーナー部分に、両カバー部71,72Bに跨って形成された貫通孔70Aを有している。そして、その結果、主カバー部71と前壁72とに、切欠部71K,72BKが形成されている。また、前カバー部72Bには、切欠部72BKから主カバー部71と反対側(即ち、案内路13から離れる側)に延びた1対の切れ込み83,83が形成されている。そして、それら1対の切れ込み83,83の間に挟まれた内側刃部84が、1対の切れ込み83,83の外側に配された外側刃部85に対して前側に屈曲することで、内側刃部84と外側刃部85との間にV字状の切断部86を有する第2の不正防止部材82が形成されている。
このように、第2の不正防止部材82においては、内側刃部84が前側に屈曲することで、切断部86が案内路13に沿った方向から見てV字状に形成されている。これにより、第2の不正防止部材82では、遊技球に取り付けられた糸Sが第1レール12Aの前側に乗り上がったときに、その糸SがV字状の切断部86内に挿入され易くなっている。
本実施形態の遊技機10では、上記した別の糸吊りゴトが行われると、下皿28にある一方の遊技球によって糸Sが下方に引っ張られながら、他方の遊技球が遊技領域YR1内に打ち込まれる。そして、他方の遊技球が遊技領域YR1内を流下すると、第1の不正防止部材81の切断部76又は第2の不正防止部材82の切断部86に糸Sが案内されて捕捉又は切断される。なお、図18には、糸Sが第1の不正防止部材81に捕捉された状態が示され、図19には、糸Sが第2の不正防止部材82に捕捉された状態が示されている。これにより、別の糸吊りゴトを防止することが可能となる。
なお、本実施形態の遊技機10において、第2の不正防止部材82のみを備える構成としてもよい。この場合、主カバー部71には、第1の不正防止部材81の代わりに、第2の不正防止部材82の切断部86へ向けて糸を誘導する誘導部が備えられてもよい。なお、該誘導部は、例えば、主カバー部71の案内路13側を向く面に、案内路13の下流側(即ち、進入口12Kへ近づく側)へ向かうに従って前側へ傾斜する傾斜面を備えることで形成される。
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、以下の効果を奏することが可能となる。
遊技機10では、発射装置61から発射された遊技球が案内路13を通って遊技領域YR1に打ち込まれる。ここで、遊技球が遊技領域YR1内に配設された部材(例えば、第1樹脂突部41や第2樹脂突部42)と衝突して跳ね返されると、その遊技球が案内路13へと逆戻りすることが考えられる。しかしながら、本実施形態の遊技機10においては、樹脂突部40T(詳細には、第2樹脂突部42と第3樹脂突43部)には、遊技領域YR1内の遊技球が案内路13へ逆戻りすることを抑制する球戻り抑制部45が設けられているので、遊技球の逆戻りが抑制される。
また、遊技機10では、樹脂突部40Tのメンテナンスや樹脂突部40Tの数、配置の変更等を目的として、樹脂突部40Tを交換することがある。ここで、表示装飾枠23から外側に張り出して遊技盤11の前面に重ねられるフランジ部(張出片36)に樹脂突部40Tが突設される構成では、表示装飾枠23ごと交換する必要があり、樹脂突部40Tの交換に手間がかかることが考えられる。しかしながら、本実施形態の遊技機10においては、樹脂突部40Tを有する樹脂体40が表示装飾枠23と別体に設けられているので、樹脂突部40Tの交換を容易に行うことが可能となる。
また、遊技機10では、表示装飾枠23の横壁34の延長線上に配置された第3樹脂突部43が横壁34に沿って流下してきた遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能になっているので、その遊技球の流下の勢いを抑制し、遊技球が遊技領域YR1の外縁部まで移動してガイドレール12に衝突することが抑えられ、或は、遊技釘(障害釘17)に直接接触することを抑制することで遊技釘の釘折れを抑制し、遊技球を下方へとスムーズに流下させることが可能となる。
また、遊技機10では、第3樹脂突部43が球戻り規制部材50に対向配置されるので、球戻り規制部材50に遊技球が衝突しにくくなり、球戻り規制部材50の損傷が抑えられる。また、開状態の球戻り規制部材50(詳細には、閉位置に配置された開閉部材53の可動片54)と第3樹脂突部43との間隔は遊技球1個分より大きくなっているので、遊技球が球戻り規制部材50に衝突した場合に、その遊技球を球戻り規制部材50と第3樹脂突部43との間に流下させることが可能となる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態において、第1樹脂突部41を備えない構成としてもよい。
(2)上記実施形態において、第2樹脂突部42と第3樹脂突部43の何れか一方のみを備える構成としてもよい。この場合、第1樹脂突部41を備える構成であってもよいし、第1樹脂突部41を備えない構成であってもよい。何れの構成によっても、球戻り抑制部45によって遊技球の逆戻りを抑制することができる。
(3)上記実施形態において、第1樹脂突部41、第2樹脂突部42、第3樹脂突部43に加えて、樹脂突部40Tをさらに備える構成としてもよい。
(4)上記実施形態において、樹脂体40を備えずに、樹脂突部40Tを、遊技盤11の前面から突出させてもよいし、表示装飾枠23の張出片36から突出させてもよい。
(5)上記実施形態において、樹脂突部40Tのうち右下がりに傾斜する傾斜面(第2樹脂突部42の右向き流路形成面42R、第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RA)は、直線状に形成されていたが、図20に示されるように、円弧状に形成されてもよい。
(6)上記実施形態では、球戻り抑制部45は、樹脂突部40Tのうち右下がりに傾斜する傾斜面(第2樹脂突部42の右向き流路形成面42R、第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RA)の上端部から突出していたが、第1樹脂突部41を備える場合には、左下がりに傾斜する傾斜面や鉛直面の上端部から突出してもよい。
(7)上記実施形態において、第1樹脂突部41の左向き流路形成面41R又は第2樹脂突部42の左向き流路形成面42Rは、鉛直方向に沿って形成されてもよいし、右下がりに形成されてもよい。
(8)上記実施形態において、ベース板40Aの境界縁部40Fは、張出片36とは異なる形状(例えば、直線状や円弧状)に形成されてもよい。なお、この場合において、張出片36は、流下案内壁32に対応するクランク形状であってもよいし、クランク形状でなくてもよい。
(9)上記実施形態において、張出片36のうち境界縁部40Fと対向する部分がテーパー状に形成されずに、絶壁状に形成されてもよい。また、境界縁部40Fのうち張出片36と対向する部分が絶壁状に形成されずに、張出片36に近づくに薄くなるテーパー状に形成されてもよい。
(10)上記実施形態において、ベース板40Aの上縁部が、第1レール12Aの延長線に沿って配置されずに、該延長線よりも遊技領域YR1の内側に配置されてもよい。
(11)上記実施形態において、第3樹脂突部43の下側右向き流路形成面43RBは、誘導傾斜壁35と略平行に形成されていたが、誘導傾斜壁35とは下り勾配が異なる非平行に形成されてもよいし、左側へ向かうに従って下り勾配が大きくなるように湾曲した円弧状に形成されてもよい。
(12)上記実施形態において、球通過許容釘17Aの数を増やして、第3樹脂突部43の下側右向き流路形成面43RBの延長線に沿って複数の球通過許容釘17Aを並べてなる道釘を形成してもよい。その際、該道釘と第3樹脂突部43との間を遊技球が通過不能に構成してもよい。
(13)上記実施形態において、第2樹脂突部42の底面42Sと横壁34との間に形成される第2流路R2は、左側へ向かうに従って上下方向に狭くなってもよいし、左側へ向かうに従って上下方向に広くなってもよい。
(14)上記実施形態において、球戻り規制部材50は、遊技盤11の前面に沿って移動して進入口12Kを開閉する弾性片で構成されてもよい。
(15)上記実施形態において、糸Sを捕捉又は切断するための不正防止部材は、球戻り規制部材50の支持ベース51に取り付けられずに、第1レール12Aの左側端部12LAより案内路13の上流側に取り付けられてもよい。また、上記実施形態において、不正防止部材を備えない構成としてもよい。
(16)上記実施形態において、第3樹脂突部43の下側左向き流路形成面43LBは、支持ベース51の周りを囲む円弧状に形成されていたが、支持ベース51との間に遊技球が通過可能な間隔を有するものであればよく、特に円弧状に限定されるものではない。
(17)上記実施形態において、第3樹脂突部43の上側左向き流路形成面43LAは、開位置に配置されたときの開閉部材53と略平行であったが、上側左向き流路形成面43LAと開位置の開閉部材53との間隔が遊技球1個分より大きければよく、例えば、開位置の開閉部材53より下り勾配が大きくてもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群は、「遊技盤の前面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成された」遊技機に関し、「特許文献1の遊技機では、遊技領域の左上部から右斜め上方に打ち込まれた遊技球が、遊技盤に取り付けられたセンター枠(進入規制枠)の左上部と衝突して下方に流下する。そして、この遊技機では、センター枠(進入規制枠)の左上部から上方に張り出して遊技盤に重ねられる樹脂プレートに樹脂突部を突設させて、遊技球の流下方向を変更する障害釘の代替としている。」という背景技術について、「特許文献1の遊技機では、発射装置から発射された遊技球を遊技領域の左上部へと案内する案内路が設けられている。そして、特許文献1の遊技機では、遊技領域に打ち込まれた遊技球が、遊技領域に設けられた遊技部材との接触状況に応じて案内路に逆戻りするという問題が起こり得た。」という課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、を備え、前記樹脂突部には、前記遊技領域内の遊技球が前記案内路へ逆戻りすることを抑制する球戻り抑制部(球戻り抑制部45)が設けられていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、樹脂突部に設けられた球戻り抑制部によって遊技球の逆戻りが抑制される。
特徴A2:前記球戻り抑制部は、前記遊技領域のうち前記案内路に沿って配置される領域であって前記遊技領域内に進入した遊技球が通過可能な領域に向けて突状に形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、球戻り抑制部が、案内路へ向かう遊技球と衝突することで、その遊技球の逆戻りが抑制される。
特徴A3:前記樹脂突部として、第1樹脂突部(第1樹脂突部41)と、前記第1樹脂突部よりも前記案内路に近い側に配される第2樹脂突部(第2樹脂突部42)とを有し、前記球戻り抑制部は、少なくとも前記第2樹脂突部に設けられていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1樹脂突部によって案内路側へ跳ね返された遊技球が第2樹脂突部に設けられた球戻り抑制部と衝突することで、第1樹脂突部に跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
特徴A4:前記第2樹脂突部のうち前記第1樹脂突部側を向く部分には、前記第1樹脂突部へ近づくに従って下るように傾斜する第1傾斜面(右向き流路形成面42R)が形成され、前記球戻り抑制部は、前記第1傾斜面の上端部から突出していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4に示す構成では、第2樹脂突部の第1傾斜面にて受け止めた遊技球を第1樹脂突部側、即ち、案内路から離れる側に移動させることができるので、遊技球の逆戻りを抑制することができる。
特徴A5:前記第1樹脂突部のうち前記第2樹脂突部側を向く部分には、鉛直方向に沿って延びる第1鉛直面(左向き流路形成面41L)が形成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1樹脂突部の第1鉛直面と第2樹脂突部の第1傾斜面との間の間隔が下方へ向かうに従って狭くなるので、第1樹脂突部と第2樹脂突部との間を流下する遊技球の勢いを低減させて、遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
特徴A6:前記樹脂突部として、前記第2樹脂突部よりも前記案内路に近い側に配される第3樹脂突部(第3樹脂突部43)を有し、前記球戻り抑制部は、前記第3樹脂突部にも設けられていることを特徴とする特徴A3乃至A5の何れか1つに記載の遊技機である。
本特徴に示す構成によれば、第2樹脂突部によって案内路側へ跳ね返された遊技球が第3樹脂突部に設けられた球戻り抑制部と衝突することで、第2樹脂突部に跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
特徴A7:前記第3樹脂突部のうち前記第2樹脂突部側を向く部分には、前記第2樹脂突部へ近づくに従って下るように傾斜する第2傾斜面(上側右向き流路形成面43RA)が形成され、前記第3樹脂突部に設けられた前記球戻り抑制部は、前記第2傾斜面の上端部から突出していることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機である。
本特徴に示す構成では、第2樹脂突部の第2傾斜面にて受け止めた遊技球を第2樹脂突部側、即ち、案内路から離れる側に移動させることができるので、遊技球の逆戻りを抑制することができる。
特徴A8:前記第2樹脂突部のうち前記第3樹脂突部側を向く部分には、鉛直方向に沿って延びる第2鉛直面(左向き流路形成面42L)が形成されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機である。
本特徴に記載の構成によれば、第2樹脂突部の第2鉛直面と第3樹脂突部の第2傾斜面との間の間隔が下方へ向かうに従って狭くなるので、第2樹脂突部と第3樹脂突部との間を流下する遊技球の勢いを低減させて、遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
特徴A9:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、を備え、前記樹脂突部には、前記案内路から離れるに従って下るように傾斜し、遊技球を受け止めて前記案内路から離れる側へ案内可能な受止傾斜面(第2樹脂突部42の右向き流路形成面42Rや第3樹脂突部43の上側右向き流路形成面43RA)が形成され、前記受止傾斜面の上端部から突出して、前記遊技領域内の遊技球が前記案内路へ逆戻りすることを抑制する球戻り抑制部(球戻り抑制部45)が設けられていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、樹脂突部に設けられた球戻り抑制部が、案内路へと向かう遊技球と衝突することで、その遊技球の逆戻りが抑制される。
特徴A10:前記樹脂突部として、第1樹脂突部(第1樹脂突部41)と、前記第1樹脂突部よりも前記案内路の出口に近い側に配され且つ前記受止傾斜面(右向き流路形成面42R)を有する第2樹脂突部(第2樹脂突部42)とを有し、前記球戻り抑制部は、少なくとも前記第2樹脂突部に設けられていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、第1樹脂突部によって案内路側へ跳ね返された遊技球が第2樹脂突部に設けられた球戻り抑制部と衝突することで、第1樹脂突部に跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
特徴A11:前記樹脂突部として、前記第2樹脂突部よりも前記案内路の出口に近い側に配され且つ前記受止傾斜面(上側右向き流路形成面43RA)を有する第3樹脂突部(第3樹脂突部43)を有し、前記球戻り抑制突起は、前記第3樹脂突部にも設けられていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、第2樹脂突部によって案内路側へ跳ね返された遊技球が第3樹脂突部に設けられた球戻り抑制部と衝突することで、第2樹脂突部に跳ね返された遊技球の逆戻りを抑制することが可能となる。
なお、特徴A10に示す構成に特徴A5に示す構成が組み合わされてもよい。また、特徴A11に示す構成に特徴A7~8に示す構成が組み合わされてもよい。
特徴A12:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、前記遊技盤の前面に敷設された樹脂製のベース板(40A)と、前記ベース板から突出し、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、を備え、前記樹脂突部には、前記遊技領域内の遊技球が前記案内路に逆戻りすることを抑制する球戻り抑制部(球戻り抑制部45)が設けられていることを特徴とする遊技機。
本特徴の構成によれば、樹脂突部に設けられた球戻り抑制部が、案内路へ向かう遊技球と衝突することで、その遊技球の逆戻りが抑制される。
なお、特徴A12に示す構成に、特徴A2~A8に示す構成を組み合わせてもよい。
以下の特徴B群は、「遊技盤の前面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成されると共に、遊技領域内で遊技盤を貫通する開口部に、遊技球が開口部の内側に進入することを規制する進入規制枠が取り付けられた」遊技機に関するものであり、「特許文献1の遊技機では、遊技領域の左上部から右斜め上方に打ち込まれた遊技球が、進入規制枠の左上部と衝突して下方に流下する。そして、この遊技機では、進入規制枠の左上部から上方に張り出して遊技盤に重ねられる樹脂プレートに樹脂突部を突設させて、遊技球の流下方向を変更する障害釘の代替としている。」という背景技術について、「特許文献1の遊技機では、樹脂突部を交換しようとすると、進入規制枠ごと交換しなければならず、交換作業に手間がかかるという」という課題をもってなされたものである。
<特徴B群>
特徴B1:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、前記遊技盤を貫通する開口部(表示開口11H)と、前記開口部に前側から嵌合されて、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部の内側に進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、を有し、前記遊技盤の前面に敷設される樹脂製のベース板(ベース板40A)と、前記ベース板から突出し且つ遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、からなる樹脂体(樹脂体40)を前記進入規制枠とは別体に設けたことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、樹脂突部を有する樹脂体が進入規制枠と別体に設けられているので、樹脂突部を交換する際に、進入規制枠ごと交換する必要がなくなり、樹脂突部の交換を容易に行うことが可能となる。
特徴B2:前記進入規制枠には、前記ベース板と略同じ厚みを有して、前記開口部の縁部に重ねられる張出片(張出片36)が設けられると共に、前記ベース板のうち前記進入規制枠側を向く部分には、前記張出片に対応した形状をなす境界縁部(境界縁部40F)が設けられ、前記境界縁部の少なくとも一部が前記張出片に沿って配置されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、ベース板の境界縁部が進入規制枠の張出片に沿って配置されるので、張出片とベース板との間に遊技球が入り込むことが抑えられる。
特徴B3:前記張出片のうち前記境界縁部と対向する部分は、前記境界縁部へ近づくに従って薄くなるテーパー状に形成される一方、前記境界縁部のうち前記張出片と対向する部分は、絶壁状に形成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、張出片のうち境界縁部と対向する部分は、境界縁部へ近づくに従って薄くなるテーパー状に形成されるので、そのテーパー状の部分を案内にしてベース板を張出片の隣りに配置することが可能となる。また、境界縁部のうち張出片と対向する部分は、絶壁状に形成されているので、張出片とベース板との間に形成される凹みを小さくすることが可能となり、遊技球のスムーズな流下が図られる。
特徴B4:前記遊技領域を包囲する外レール部(第2レール12B)及び内レール部(第1レール12A)を備えて、それら外レール部と内レール部との間に前記案内路を形成し、前記ベース板の上縁部が、前記内レール部の延長線上に配置されて、前記外レール部との間に遊技球が通過可能な隙間を有することを特徴とする特徴B1乃至B3の何れか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、ベース板の上縁部が内レール部の延長線上に配置されて、外レール部との間に遊技球が通過可能な隙間を有するので、案内路から遊技領域に進入した遊技球がベース板と接触して、遊技球の勢いが低減することが抑制される。
特徴B5:前記ベース板の上縁部は、前記外レール部へ近づくに従って薄くなっていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、ベース板の上縁部が外レール部へ近づくに従って薄くなっているので、ベース板の上縁部が遊技盤の前面から段付き状に突出する場合と比較して、ベース板の前方へと遊技球をスムーズに流下させることができる。
特徴B6:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、前記遊技盤を貫通する開口部(表示開口11H)と、前記開口部に前側から嵌合されて、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部の内側に進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、を有し、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)を、前記進入規制枠とは別体に設けたことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、樹脂突部の交換を容易に行うことが可能となる。
以下の特徴C群は、「遊技盤の前面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成されると共に、遊技領域内で遊技盤を貫通する開口部に、遊技球が開口部の内側に進入することを規制する進入規制枠が取り付けられた」遊技機に関するものであり、「特許文献1の遊技機では、遊技領域の左上部から右斜め上方に打ち込まれた遊技球が、進入規制枠の左上部と衝突して下方に流下する。」という背景技術について、「特許文献1の遊技機では、進入規制枠の左上部に、左斜め下方に延びた第1枠壁と、第1枠壁から延設されて第1枠壁よりも下り勾配が大きい第2枠壁と、が設けられている。このような遊技機では、第1枠壁に沿って流下してきた遊技球が遊技釘(障害釘)に接触して、釘折れが発生する虞があった。」という課題をもってなされたものである。
<特徴C群>
特徴C1:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有し、遊技球の流下方向をランダムに変更可能な障害釘(障害釘17)を複数備えた遊技盤(遊技盤11)と、前記遊技領域内で前記遊技盤を貫通する開口部(表示開口11H)と、前記開口部に前側から嵌合されて、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部の内側へ進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、を備え、前記進入規制枠には、斜め下方へ延びる第1枠壁(横壁34)と、前記第1枠壁よりも大きな下り勾配を有して前記第1枠壁のうち下端部からさらに下方へ延びた第2枠壁(傾斜誘導壁35)と、が備えられ、前記遊技領域には、前記第1枠壁を下方へ延長した延長線上に配置され、第1枠壁に沿って流下してきた遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な待受樹脂突部(第3樹脂突部43)が設けられたことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成によれば、進入規制枠の第1枠壁に沿って流下してきた遊技球の流下の勢いを抑制させることが可能となる。
特徴C2:前記待受樹脂突部のうち前記第1枠壁側には、前記第2枠壁に沿って延びて前記第2枠壁との間に遊技球が通過可能な流下路を形成する待受傾斜面(下側右向き流路形成面43RB)が設けられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、第1枠壁に沿って流下してきた遊技球を、待受樹脂突部の待受傾斜面に衝突させ、第2枠壁に沿って流下させることが可能となる。
特徴C3:前記待受傾斜面と前記第2枠壁との間の間隔が、遊技球1個分より大きく1.5個分以下であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、待受傾斜面と第2枠壁との間を通過する遊技球のばたつきが抑えられる。
特徴C4:前記障害釘は、前記待受傾斜面を下方に延ばした延長線上に配置されるか又は前記待受傾斜面を下方に延ばした延長線よりも前記第2枠壁から離れて配置されて、前記第2枠壁との間に遊技球が通過可能な隙間を有する球通過許容釘(球通過許可釘17A)を含むことを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2枠壁と待受傾斜面との間を遊技球が流下するときに、障害釘が遊技球の流下の妨げになることが抑えられる。
特徴C5:前記遊技領域には、前記第1枠壁に上側から対向するように配置されて、前記第1枠壁との間に遊技球が通過可能な隙間を有する上側対向樹脂突部(第2樹脂突部42)が設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C4の何れか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、上側対向樹脂突部と第1枠壁との間の隙間に遊技球を流下させることが可能となる。
特徴C6:前記上側対向樹脂突部の前記第1枠壁との対向面(底面42S)は、前記第1枠壁と略平行になっていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、上側対向樹脂突部と第1枠壁との間を通過する遊技球を第1枠壁に沿って流下させて、待受樹脂突部に衝突させ易くなる。
特徴C7:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有し、遊技球の流下方向をランダムに変更可能な障害釘(障害釘17)を複数備えた遊技盤(遊技盤11)と、前記遊技領域内で前記遊技盤を貫通する開口部(表示開口11H)と、前記開口部に前側から嵌合されて、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部の内側へ進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、前記遊技盤の前面に敷設された樹脂製のベース板(ベース板40A)と、前記ベース板から突出し、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、を備え、前記進入規制枠には、斜め下方へ延びる第1枠壁(横壁34)と、前記第1枠壁よりも大きな下り勾配を有して前記第1枠壁のうち下端部からさらに下方へ延びた第2枠壁(誘導傾斜壁35)と、が備えられ、前記樹脂突部には、前記第1枠壁を下方へ延長した延長線上に配置され、前記第1枠壁に沿って流下してきた遊技球の流下方向を変更可能な待受樹脂突部(第3樹脂突部43)が含まれることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、進入規制枠の第1枠壁に沿って流下してきた遊技球の流下の勢いを抑制させることが可能となる。
特徴C8:前記樹脂突部には、前記第1枠壁に上側から対向するように配置されて、前記第1枠壁との間に遊技球が通過可能な隙間を有する上側対向樹脂突部(第2樹脂突部42)が含まれることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、上側対向樹脂突部と第1枠壁との間の隙間に遊技球を流下させることが可能となる。
なお、特徴C7に示す構成に、特徴C2~C4に示す構成が組み合わされてもよい。また、特徴C8に示す構成に、特徴C6に示す構成が組み合わされてもよい。
特徴C9:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、前記遊技領域内で前記遊技盤を貫通する開口部(表示開口11H)と、前記開口部に前側から嵌合されて、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部の内側へ進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、を備え、前記遊技領域には、前記進入規制枠に沿って流下してきた遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な待受樹脂突部(第3樹脂突部43)が設けられていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成によれば、進入規制枠に沿って流下してきた遊技球の流下の勢いを抑制させることが可能となる。
以下の特徴D群は、「遊技盤の前面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成された」遊技機に関するものであり、「特許文献1の遊技機では、発射装置から発射された遊技球を遊技領域に案内する案内路への遊技球の逆戻りが球戻り規制部材によって規制される。」という背景技術について、「特許文献1の遊技機では、球戻り規制部材が損傷し易いという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
<特徴D群>
特徴D1:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、前記案内路への遊技球の逆流を規制する球戻り規制部材(球戻り規制部材50)と、を備えた遊技機において、前記遊技領域を包囲する外レール部(第2レール12B)及び内レール部(第1レール12A)を備えて、それら外レール部と内レール部との間に前記案内路を形成し、前記球戻り規制部材は、前記内レール部に支持され、前記案内路を閉じる閉状態から前記外レール部との間隔を広げるように変化して、前記案内路を開く開状態となり、前記遊技領域には、前記球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部(第3樹脂突部43)が設けられ、前記開状態の前記球戻り規制部材と前記対向樹脂突部との間隔が、遊技球1個分より大きいことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部が設けられているので、球戻り規制部材に遊技球が衝突しにくくなり、球戻り規制部材の損傷が抑えられる。また、開状態の球戻り規制部材と対向樹脂突部との間隔は遊技球1個分より大きいので、遊技球が球戻り規制部材に衝突した場合に、その遊技球を球戻り規制部材と対向樹脂突部との間に流下させることが可能となる。
特徴D2:前記球戻り規制部材は、前記遊技盤の前面に沿って移動して前記案内路を開閉する開閉部材(開閉部材53)を有し、前記対向樹脂突部は、前記開状態における前記開閉部材と略平行な対向面(上側左向き流路形成面43LA)を有していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、開状態における開閉部材と対向樹脂突部との間を通過する遊技球をスムーズに流下させ易くなる。
特徴D3:前記開状態における前記開閉部材と前記対向面との間隔が遊技球1個分より大きく1.5個分以下であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、開状態における開閉部材と対向樹脂突部との間を通過する遊技球のバタつきを抑えることが可能となる
特徴D4:前記球戻り規制部材は、前記遊技盤の前面に沿って移動して前記案内路を開閉する開閉部材(開閉部材53)を有し、前記対向樹脂突部は、前記閉状態における前記開閉部材との間に遊技球が通過可能な隙間を有する対向面(上側左向き流路形成面43LA)を有し、前記閉状態における前記開閉部材と前記対向面との間隔が、下方へ向かうに従って狭くなることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、閉状態で開閉部材と対向樹脂突部との間を流下する遊技球の勢いを低減して、その遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。
特徴D5:前記球戻り規制部材は、支持ベース(支持ベース51)と、前記支持ベースに回動可能に支持され、前記遊技盤の前面に沿って移動して前記案内路を開閉する開閉部材(開閉部材53)と、を有し、前記開閉部材は、通常は、前記案内路を閉じる閉位置に付勢されることを特徴とする特徴D1乃至D4の何れか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、球戻り規制部材が、支持ベースに回動可能に支持されて案内路を開閉する開閉部材を有するので、球戻り規制部材が弾性変形によって案内路を開閉する構成と比較して、球戻り規制部材の耐久性の向上が図られる。なお、開閉部材の閉位置への付勢は、開閉部材において回動軸から偏心した位置に錘を備えることで実現されてもよいし、開閉部材の回動軸の回りにトーションばねを装着することで実現されてもよい。
特徴D6:前記対向樹脂突部には、前記支持ベースを外側から囲むように配される対向円弧面(下側左向き流路形成面43LB)が設けられ、前記対向円弧面と前記支持ベースとの間隔が遊技球1個分より大きく1.5個分以下であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、対向樹脂突部の対向円弧面によって開閉部材を回動可能に支持する支持ベースに遊技球が衝突することが抑えられ、開閉部材のスムーズな回動が図られる。また、対向円弧面と支持ベースとの間隔が遊技球1個分より大きく1.5個分以下となっているので、支持ベースと対向樹脂突部との間を通過する遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。
特徴D7:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、前記案内路への遊技球の逆流を規制する球戻り規制部材(球戻り規制部材50)と、前記遊技盤の前面に敷設された樹脂製のベース板(ベース板40A)と、前記ベース板から突出し、遊技球が衝突することでその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40T)と、を備えた遊技機において、前記遊技領域を包囲する外レール部(第2レール12B)及び内レール部(第1レール12A)を備えて、それら外レール部と内レール部との間に前記案内路を形成し、前記球戻り規制部材は、前記内レール部に支持され、前記案内路を閉じる閉状態から前記外レール部との間隔を広げるように変化して、前記案内路を開く開状態となり、前記樹脂突部には、前記球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部(第3樹脂突部43)が含まれ、前記開状態の前記球戻り規制部材と前記対向樹脂突部との間隔が、遊技球1個分より大きいことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部が設けられているので、球戻り規制部材に遊技球が衝突しにくくなり、球戻り規制部材の損傷が抑えられる。また、開状態の球戻り規制部材と対向樹脂突部との間隔は遊技球1個分より大きいので、遊技球が球戻り規制部材に衝突した場合に、その遊技球を球戻り規制部材と対向樹脂突部との間に流下させることが可能となる。
なお、特徴D7に示す構成に、特徴D2~D6に示す構成が組み合わされてもよい。
特徴D8:遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域YR1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、発射装置(発射装置61)から発射された遊技球を前記遊技領域へと案内する案内路(案内路13)と、前記遊技領域と前記案内路との連絡部(進入口12K)を開閉して、前記案内路への遊技球の逆流を規制する球戻り規制部材(球戻り規制部材50)と、を備えた遊技機において、前記遊技領域には、前記球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部(第3樹脂突部43)が設けられ、前記球戻り規制部材と前記対向樹脂突部との間隔が、遊技球1個分より大きいことを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成では、球戻り規制部材に対向配置される対向樹脂突部が設けられているので、球戻り規制部材に遊技球が衝突しにくくなり、球戻り規制部材の損傷が抑えられる。
なお、特徴A群~D群に示した特徴が組み合わされてもよく、例えば、特徴A1,B1,C1,D1が組み合わされてもよい。