JP7180760B2 - クロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器 - Google Patents

クロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器 Download PDF

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    • G01N21/01Arrangements or apparatus for facilitating the optical investigation
    • G01N21/03Cuvette constructions
    • G01N21/05Flow-through cuvettes

Description

本発明は、クロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器に関する。
試料に含まれる物質を異なる成分ごとに分離する装置としてクロマトグラフ装置が知られている。例えば、液体クロマトグラフ装置においては、分析対象の試料が溶媒とともに分離カラムに供給される。分離カラムに導入された試料は、化学的性質または組成の違いにより成分ごとに溶離され、溶媒とともに検出器のフローセルに導かれる。検出器においては、フローセルに導かれた試料が光学的に検出される。検出器による検出結果に基づいて、液体クロマトグラムが生成される。
近年、希少な試料を高感度でかつ高速に分析するために、液体クロマトグラフ装置およびその検出器には、小容量化および低拡散化が望まれている。ここで、検出器のフローセルを小容量化すると、フローセルを透過する光の光量が減少するとともに、光がフローセルの内壁で散乱しやすくなるため、試料を透過して検出される光の光量が減少し、検出感度が低下する。そこで、フローセルの小容量化と検出感度の維持とを両立させるために、内部にキャピラリが収容されたライトガイドセルと呼ばれるフローセルが開発されている。
特許文献1に記載されたフローセルにおいては、キャピラリの両端部が一対の保持部材により保持される。一対の保持部材との接触部分を除いて、キャピラリの周囲は空気に覆われる。キャピラリの内部には、試料を含む溶媒が導入される。空気と、保持部材と、キャピラリと、溶媒との屈折率の大小関係が適切に決定されることにより、キャピラリ内に照射された光は、ほとんど散乱することなく、キャピラリの外壁面で全反射されながら試料を透過する。したがって、検出感度を維持しつつフローセルを小容量化することが可能である。
特開2014-41024号公報
特許文献1に記載されたフローセルにおいては、保持部材の屈折率が所定の値に選定される。これにより、2種類以上の溶媒を用いたグラジエント分析が行われる場合でも、各保持部材とキャピラリとの接触部分の反射率がほとんど変化しない。そのため、液体クロマトグラムのベースラインの変動を抑制し、正確な分析を行うことが可能になる。しかしながら、特許文献1のフローセルを長期間にわたって使用すると、分析の正確さが低下することが判明した。
本発明の目的は、長期間にわたって使用することが可能なクロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器を提供することである。
本発明の一局面に従う態様は、試料のクロマトグラムの生成に用いられるクロマトグラフィ検出器用フローセルであって、一方向に延びる内部空間を有するとともに、前記内部空間に光を導入可能な光導入部を前記内部空間の一端に有する本体部と、前記本体部の前記内部空間に前記一方向に延びるように収容されるとともに、試料を含む溶離液が流れる流路を形成するキャピラリと、前記本体部と前記キャピラリとの間をシールするシール部材と、前記光導入部と前記シール部材との間に配置される遮光部とを備え、前記遮光部前記本体部とは、同様の材料により一体的に形成される、クロマトグラフィ検出器用フローセルに関する。
本発明の他の局面に従う態様は、上記のクロマトグラフィ検出器用フローセルと、前記クロマトグラフィ検出器用フローセルの前記光導入部を通して、前記流路を流れる試料を含む溶離液に光を出射する投光部と、前記投光部により出射されかつ試料を透過した光を受光し、受光量を示す信号を出力する受光部とを備える、クロマトグラフィ検出器に関する。
本発明によれば、クロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器を長期間にわたって使用することが可能になる。
図1は本発明の一実施の形態に係るクロマトグラフィ検出器を含むクロマトグラフ装置の構成を示す図である。 図2は図1の検出器の構成を示す模式図である。 図3は図2のフローセルの構造を示す模式的部分断面図である。 図4は変形例に係るフローセルの構造を示す模式的部分断面図である。 図5は他の実施に係るフローセルの構造を示す模式的部分断面図である。
(1)クロマトグラフ装置の構成
以下、本発明の実施の形態に係るクロマトグラフィ検出器用フローセルおよびクロマトグラフィ検出器について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るクロマトグラフィ検出器を含むクロマトグラフ装置の構成を示す図である。図1に示すように、クロマトグラフ装置100は、クロマトグラフィ検出器10(以下、検出器10と略記する。)、溶離液供給部20、試料供給部30、分離カラム40および処理部50を備える。
溶離液供給部20は、2つのボトル21,22、2つの送液部23,24および混合部25を含む。ボトル21,22には、水溶液および有機溶媒が溶離液としてそれぞれ貯留される。送液部23,24は、例えば送液ポンプである。送液部23は、ボトル21に貯留された溶離液を圧送する。送液部24は、ボトル22に貯留された溶離液を圧送する。なお、送液部23とボトル21との間、送液部24とボトル22との間の各々には、図示しない脱気装置が介挿される。
混合部25は、例えばグラジエントミキサである。混合部25は、送液部23により圧送された溶離液と送液部24により圧送された溶離液とを任意の割合で混合し、混合比を変化させつつ、混合された溶離液を供給する。試料供給部30は、例えばインジェクタである。試料供給部30は、分析対象の試料を溶離液供給部20により供給された溶離液とともに分離カラム40に導入する。
分離カラム40は、図示しないカラム恒温槽の内部に収容され、所定の一定温度に調整される。分離カラム40は、導入された試料を化学的性質または組成の違いにより成分ごとに分離する。検出器10は、分離カラム40により分離された試料の成分を検出する。検出器10の詳細については後述する。処理部50は、検出器10による検出結果を処理することにより、各成分の保持時間と検出強度との関係を示すクロマトグラムを生成する。
図2は、図1の検出器10の構成を示す模式図である。図2に示すように、検出器10は、クロマトグラフィ検出器用フローセル1(以下、フローセル1と略記する。)、投光部11、集光レンズ12、分光部13および受光部14を含む。フローセル1は、本体部2およびキャピラリ3を含む。
本体部2は、一方向に延びる内部空間2Cを有する。また、本体部2は、内部空間2Cの一端および他端にそれぞれ光導入部2Aおよび光導出部2Bを有する。光導入部2Aは内部空間2Cに光を導入可能であり、光導出部2Bは内部空間2Cから光を導出可能である。光導出部2Bとしては、特許文献1の図6に記載されているように、光ファイバが用いられてもよい。さらに、本体部2には、内部空間2Cにつながる導入口2aおよび導出口2bが形成される。キャピラリ3は、内部に流路3aを有し、一方向に延びるように本体部2の内部空間2Cに収容される。
図1の分離カラム40を通過した試料を含む溶離液は、矢印Aで示すように、導入口2aから本体部2の内部空間2Cに導入される。その後、溶離液は、矢印Bで示すように、キャピラリ3の内部の流路3aを一方向に流れる。その後、溶離液は、矢印Cで示すように、導出口2bから本体部2の外部に導出される。以下、上記の一方向を流路方向と呼ぶ。また、流路方向において溶離液が流れる方向を下流と定義し、その反対方向を上流と定義する。フローセル1の詳細については後述する。なお、試料を含む溶離液の流れの向きは、上記とは逆であってもよい。
投光部11は、広帯域の光を出射する光源であり、本例では紫外光を出射する重水素ランプを含む。投光部11は、タングステンランプまたはLED(発光ダイオード)等の他の光源を含んでもよいし、異なる波長の光を出射する複数の光源を含んでもよい。集光レンズ12は、投光部11により出射された光を集光し、光導入部2Aを通してフローセル1の流路3aを流れる溶離液中の試料に照射する。
試料に照射された光は、試料を透過することにより試料と相互作用した後、光導出部2Bを通して分光部13に入射される。分光部13は、例えば反射型の回折格子であり、入射された光を波長ごとに異なる角度で反射するように分光する。受光部14は、例えば複数のフォトダイオードが一次元状に配列されたフォトダイオードアレイである。受光部14は、分光部13により分光された各波長の光を受光し、受光量を示す信号を検出結果として図1の処理部50に出力する。
(2)フローセルの構造
図3は、図2のフローセル1の構造を示す模式的部分断面図である。図3はフローセル1の上流端部の構造を示すが、フローセル1の下流端部の構造は上流端部の構造と基本的に同様である。図3に示すように、フローセル1は、本体部2、キャピラリ3、一対のシール部材4および一対の窓部材5を含む。図3には、フローセル1の上流における一方のシール部材4および一方の窓部材5が図示され、下流における他方のシール部材4および他方の窓部材5の図示が省略されている。
本体部2は、例えばステンレスにより形成され、流路方向に延びる円筒状の外形を有する。したがって、本体部2の両端部は開口している。本体部2の上流端部の開口が光導入部2Aとなる。また、本体部2の下流端部の開口が光導出部2B(図2)となる。流路方向における本体部2の長さLは、例えば10mmである。
キャピラリ3は、例えば溶融石英により形成され、流路方向に延びる円筒状の外形を有する。キャピラリ3は、本体部2の内部空間2Cに収容される。キャピラリ3の内部が流路3aとなる。流路3aの直径Dは、例えば100μmである。キャピラリ3の上流端部よりもさらに上流において、本体部2には、外周面から内周面まで貫通する導入口2aが形成される。また、キャピラリ3の下流端部よりもさらに下流において、本体部2には、外周面から内周面まで貫通する導出口2b(図2)が形成される。
各シール部材4は、耐薬品性を有する円環状の部材である。以下の説明では、一対のシール部材4を区別する場合には、一方および他方のシール部材4をそれぞれシール部材4A,4Bと呼ぶ。シール部材4Aは、フローセル1の上流において、本体部2の内周面とキャピラリ3の外周面との間に配置される。シール部材4B(図2)は、フローセル1の下流において、本体部2の内周面とキャピラリ3の外周面との間に配置される。これにより、フローセル1の上流および下流において、本体部2の内周面とキャピラリ3の外周面との間がシールされる。
各シール部材4との接触部分を除いて、キャピラリ3の周囲は空気に覆われる。ここで、各シール部材4は、特定の範囲の屈折率を有する材料により形成されることが好ましい。この場合、溶離液が水溶液であるときのキャピラリ3とシール部材4との接触面の反射率と、溶離液が有機溶媒であるときの同接触面の反射率との差を所定値以下にすることができる。
本実施の形態においては、有機溶媒がACN(アセトニトリル)である場合、光の入射開口数(入射角)との関係から、各シール部材4は1.31以下または1.40以上の屈折率を有する材料により形成されることが好ましい。このような材料としては、例えばテフロン(登録商標)AF(アモルファスフロロポリマ)またはPEEK(登録商標;ポリエーテルエーテルケトン)が挙げられる。
各窓部材5は、例えば石英により形成される。以下の説明では、一対の窓部材5を区別する場合には、一方および他方の窓部材5をそれぞれ窓部材5A,5Bと呼ぶ。窓部材5Aは、本体部2の上流端部の光導入部2Aに取り付けられる。窓部材5B(図2)は、本体部2の下流端部の光導出部2B(図2)に取り付けられる。これにより、本体部2の上流端部および下流端部が、光を透過可能に閉塞される。
フローセル1の上流において、本体部2の内周面には光導入部2Aと、シール部材4Aとの間に突出するように円環状の遮光部6が形成される(図3)。図2の投光部11から窓部材5Aを通して本体部2の内部空間2Cに導かれた光の一部は、遮光部6の中央の開口6aを通ってキャピラリ3の流路3aに入射する。一方、本体部2の内部空間2Cに入射した光の他の一部は、遮光部6の遮光面6bで遮られることによりシール部材4Aには照射されない。このように、遮光部6は、流路3aに光が入射することを許容しつつ、シール部材4Aに光が照射されることを抑制する。
本実施の形態においては、遮光部6は本体部2と一体的に形成される。そのため、部品点数を減らすことができる。また、フローセル1の製造上の工数および調整数を減らすことができる。しかしながら、実施の形態はこれに限定されない。図4は、変形例に係るフローセル1の構造を示す模式的部分断面図である。図4に示すように、遮光部6は、本体部2とは別体として形成され、光導入部2Aとシール部材4Aとの間に配置されてもよい。この場合、遮光部6は、本体部2と同様の材料(例えばステンレス)により形成されてもよいし、セラミクス等の他の材料により形成されてもよい。
(3)検出器の動作
主に図3を参照して検出器10の動作について説明する。分離カラム40(図1)を通過した試料を含む溶離液は、本体部2の上流における導入口2aから本体部2の内部空間2Cに導入された後、キャピラリ3の上流端部から流路3a内に導入される。本体部2の内周面とキャピラリ3の外周面との間は一対のシール部材4によりシールされるので、シール部材4の外周部分には溶離液は浸入しない。溶離液は、流路3aを下流方向に流れ、キャピラリ3の下流端部から導出された後、本体部2の下流における導出口2bから本体部2の外部に導出される。
また、投光部11(図2)から光が出射され、窓部材5Aから本体部2の内部空間2Cに導かれる。上記のように、内部空間2Cに導かれた光の一部は、遮光部6の遮光面6bにより遮られるので、シール部材4Aには照射されない。内部空間2Cに導かれた光の他の一部は、遮光部6の開口6aを通ってキャピラリ3の流路3aに入射する。
ここで、本実施の形態においては、屈折率が約1.333の水溶液と、屈折率が約1.344のACNとを用いたグラジエント分析が行われる。そのため、流路3aを流れる溶離液の屈折率は、1.333と1.344との間で変化する。この場合、本例における光の入射角によれば、流路3aに入射した光は、図3に点線の矢印で示すように、各シール部材4との接触部分を除くキャピラリ3の外壁面で全反射を繰り返しながら、流路方向に伝搬する。
各シール部材4との接触部分においては、各シール部材4の屈折率が1.31以下である場合には、溶離液における水溶液とACNとの混合比がいずれの値であっても、光は当該接触部分で全反射されつつ流路方向に伝搬する。一方、各シール部材4の屈折率が1.40以上である場合には、光は接触部分で全反射しないものの、水溶液とACNとの混合比がいずれの値であっても、反射率が略一定となる。したがって、水溶液とACNとの混合比が変化しても、当該接触部分の反射率が変化することを防止することができる。
光は、キャピラリ3内を伝搬することにより、流路3a内で溶離液中の試料と相互作用する。試料と相互作用した光は、窓部材5B(図2)を通過して本体部2外に導かれ、分光部13(図2)により分光された後、受光部14(図2)により受光される。受光部14による受光量に基づいて、処理部50(図1)によりクロマトグラムが生成される。
(4)効果
本発明者は、特許文献1のフローセルを長期間にわたって使用した場合に分析の正確さが低下する原因を特定するために、種々の実験および考察を繰り返した結果、分析の正確さの低下は保持部材の光学的性質の変化に起因することを見い出した。また、本発明者は、保持部材に光(特に紫外光)が長期間照射されることにより、保持部材の機械的強度の低下のみならず、保持部材の光学的性質(例えば屈折率)が変化するという知見を得た。
そこで、本実施の形態に係る検出器10においては、投光部11によりフローセル1の光導入部2Aを通して、流路3aを流れる試料を含む溶離液に光が出射される。投光部11により出射されかつ試料を透過した光が受光部14により受光され、受光量を示す信号が出力される。
フローセル1においては、本体部2における流路方向に延びる内部空間2Cに、キャピラリ3が流路方向に延びるように収容される。本体部2とキャピラリ3との間が、シール部材4によりシールされる。本体部2の内部空間2Cの一端における光導入部2Aと、シール部材4Aとの間に遮光部6が配置される。試料を含む溶離液がキャピラリ3に形成された流路3aを流れる。また、試料を検出するための投光部11からの光が光導入部2Aから内部空間2Cに導入される。
この構成によれば、光導入部2Aとシール部材4Aとの間に遮光部6が配置されるので、光がシール部材4Aに照射されることが抑制される。そのため、長期間にわたって分析を行った場合でも、シール部材4Aの光学的性質が変化することが抑制され、分析の正確さが低下することが防止される。また、シール部材4Aの機械的強度の低下を抑制することができる。したがって、フローセル1を長期間にわたって使用することが可能になる。
また、投光部11として紫外光を出射する重水素ランプを用いた場合でも、紫外光がシール部材4に照射されることが遮光部6により抑制される。そのため、シール部材4の光学的性質が変化することが抑制され、分析の正確さが低下することが防止される。これにより、紫外光を用いて試料をより適切に分析することができる。
(5)他の実施の形態
図5は、他の実施に係るフローセル1の構造を示す模式的部分断面図である。図5に示すように、他の実施の形態においては、遮光部6は、シール部材4Aおよびキャピラリ3の上流の端面3b(光導入部2Aに対向する端面3b)と、窓部材5Aとの間に突出するように形成される。具体的には、遮光部6の開口6aの中心とキャピラリ3の中心軸とが重なった状態において、開口6aの直径dは、キャピラリ3の内直径d1(すなわち流路3aの直径D)と等しい。
この構成によれば、投光部11から窓部材5Aを通して本体部2の内部空間2Cに導かれた光の一部は、遮光部6の遮光面6bで遮られることにより、キャピラリ3の端面3bからキャピラリ3の壁面内に直接入射することが防止される。この場合、試料と相互作用することなくキャピラリ3の壁面内を伝達して受光部14に到達する光の光量が減少する。これにより、試料の濃度と受光部14による受光量から算出される吸光度との直線性が低下することが防止される。その結果、より高い精度で試料の定量分析を行うことができる。
また、図5の遮光部6の遮光面6bの面積は、図3の遮光部6の遮光面6bの面積よりも大型化されるので、反射光等の間接的な光がシール部材4Aに向かう場合でも、そのような光を遮光面6bにより確実に遮ることができる。そのため、シール部材4Aに光が照射されることをより抑制することができる。したがって、シール部材4Aの光学的性質をより長期にわたって維持することができる。
なお、本実施の形態においては、開口6aの直径dはキャピラリ3の内直径d1と等しいが、実施の形態はこれに限定されない。開口6aの直径dは、キャピラリ3の内直径d1以上でかつ外直径d2以下であってもよい。この場合でも、光がキャピラリ3の端面3bからキャピラリ3の壁面内に直接入射することを軽減することができる。また、反射光等の間接的な光がシール部材4Aに照射されることを軽減することができる。
(6)態様
本発明者は、特許文献1のフローセルを長期間にわたって使用した場合に分析の正確さが低下する原因を特定するために、種々の実験および考察を繰り返した結果、分析の正確さの低下は保持部材の光学的性質の変化に起因することを見い出した。また、本発明者は、保持部材に光(特に紫外光)が長期間照射されることにより、保持部材の光学的性質(例えば屈折率)が変化するという知見を得た。本発明者は、この知見に基づいて、以下の構成に想到した。
(第1項)一態様に係るクロマトグラフィ検出器用フローセルは、
試料のクロマトグラムの生成に用いられるクロマトグラフィ検出器用フローセルであって、
一方向に延びる内部空間を有するとともに、前記内部空間に光を導入可能な光導入部を前記内部空間の一端に有する本体部と、
前記本体部の前記内部空間に前記一方向に延びるように収容されるとともに、試料を含む溶離液が流れる流路を形成するキャピラリと、
前記本体部と前記キャピラリとの間をシールするシール部材と、
前記光導入部と前記シール部材との間に配置される遮光部とを備えてもよい。
このクロマトグラフィ検出器用フローセルにおいては、本体部における一方向に延びる内部空間に、キャピラリが一方向に延びるように収容される。本体部とキャピラリとの間が、シール部材によりシールされる。本体部の内部空間の一端における光導入部と、シール部材との間に遮光部が配置される。試料を含む溶離液がキャピラリに形成された流路を流れる。また、試料を検出するための光が光導入部から内部空間に導入される。
この構成によれば、光導入部とシール部材との間に遮光部が配置されるので、光がシール部材に照射されることが抑制される。そのため、長期間にわたって分析を行った場合でも、シール部材の光学的性質が変化することが抑制され、分析の正確さが低下することが防止される。したがって、クロマトグラフィ検出器用フローセルを長期間にわたって使用することが可能になる。
(第2項)第1項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルにおいて、
前記キャピラリは、前記光導入部に対向する端面を有し、
前記遮光部は、前記一方向において前記キャピラリの前記端面と少なくとも部分的に重なるように配置されてもよい。
この場合、光がキャピラリの端面に照射されることが抑制される。そのため、試料と相互作用することなくキャピラリの壁面内を伝達して検出される光の光量が減少する。したがって、試料の濃度と検出量との直線性が低下することが防止される。その結果、より高い精度で試料の定量分析を行うことができる。
また、反射光等の間接的な光がシール部材に向かう場合でも、そのような光を遮光部により確実に遮ることができるので、シール部材の光学的性質をより長期にわたって維持することができる。これにより、クロマトグラフィ検出器用フローセルをより長期間にわたって使用することが可能になる。
(第3項)第2項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルにおいて、
前記遮光部は、円形の開口を有する円環状に形成され、
前記キャピラリは、円筒状に形成され、
前記遮光部は、前記開口の中心と前記キャピラリの前記流路の中心軸とが重なるように配置され、
前記遮光部の前記開口の直径は、前記キャピラリの内直径以上でかつ外直径以下であってもよい。
この場合、一方向においてキャピラリの端面と少なくとも部分的に重なるように容易に遮光部を配置することができる。
(第4項)第3項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルにおいて、
前記遮光部の前記開口の直径は、前記キャピラリの内直径と等しくてもよい。
この場合、光がキャピラリの端面に照射されることが防止される。そのため、さらに高い精度で試料の定量分析を行うことができる。また、反射光等の間接的な光がシール部材に向かう場合でも、そのような光を遮光部にさらに確実に遮ることができるので、シール部材の光学的性質をより長期にわたって維持することができる。その結果、クロマトグラフィ検出器用フローセルをより長期間にわたって使用することが可能になる。
(第5項)第1~4のいずれか一項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルにおいて、
前記遮光部は、前記本体部と一体的に形成されてもよい。
この場合、部品点数を減らすことができる。また、クロマトグラフィ検出器用フローセルの製造上の工数および調整数を減らすことができる。
(第6項)他の態様に係るクロマトグラフィ検出器は、
第1~4のいずれか一項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルと、
前記クロマトグラフィ検出器用フローセルの前記光導入部を通して、前記流路を流れる試料を含む溶離液に光を出射する投光部と、
前記投光部により出射されかつ試料を透過した光を受光し、受光量を示す信号を出力する受光部とを備えてもよい。
このクロマトグラフィ検出器においては、投光部により上記のクロマトグラフィ検出器用フローセルの光導入部を通して、流路を流れる試料を含む溶離液に光が出射される。投光部により出射されかつ試料を透過した光が受光部により受光され、受光量を示す信号が出力される。
クロマトグラフィ検出器用フローセルにおいては、投光部により出射された光がシール部材に照射されることが抑制される。そのため、長期間にわたって分析を行った場合でも、シール部材の光学的性質が変化することが抑制され、分析の正確さが低下することが防止される。したがって、クロマトグラフィ検出器を長期間にわたって使用することが可能になる。
(第7項)第6項に記載のクロマトグラフィ検出器において、
前記投光部は、紫外光を出射する重水素ランプを含んでもよい。
この構成によれば、光導入部とシール部材との間に遮光部が配置されるので、紫外光を用いた場合でも、紫外光がシール部材に照射されることが抑制される。そのため、シール部材の光学的性質が変化することが抑制され、分析の正確さが低下することが防止される。したがって、紫外光を用いて試料をより適切に分析することができる。

Claims (6)

  1. 試料のクロマトグラムの生成に用いられるクロマトグラフィ検出器用フローセルであって、
    一方向に延びる内部空間を有するとともに、前記内部空間に光を導入可能な光導入部を前記内部空間の一端に有する本体部と、
    前記本体部の前記内部空間に前記一方向に延びるように収容されるとともに、試料を含む溶離液が流れる流路を形成するキャピラリと、
    前記本体部と前記キャピラリとの間をシールするシール部材と、
    前記光導入部と前記シール部材との間に配置される遮光部とを備え、
    前記遮光部前記本体部とは、同様の材料により一体的に形成される、クロマトグラフィ検出器用フローセル。
  2. 前記キャピラリは、前記光導入部に対向する端面を有し、
    前記遮光部は、前記一方向において前記キャピラリの前記端面と少なくとも部分的に重なるように配置される、請求項1記載のクロマトグラフィ検出器用フローセル。
  3. 前記遮光部は、円形の開口を有する円環状に形成され、
    前記キャピラリは、円筒状に形成され、
    前記遮光部は、前記開口の中心と前記キャピラリの前記流路の中心軸とが重なるように配置され、
    前記遮光部の前記開口の直径は、前記キャピラリの内直径以上でかつ外直径以下である、請求項2記載のクロマトグラフィ検出器用フローセル。
  4. 前記遮光部の前記開口の直径は、前記キャピラリの内直径と等しい、請求項3記載のクロマトグラフィ検出器用フローセル。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のクロマトグラフィ検出器用フローセルと、
    前記クロマトグラフィ検出器用フローセルの前記光導入部を通して、前記流路を流れる試料を含む溶離液に光を出射する投光部と、
    前記投光部により出射されかつ試料を透過した光を受光し、受光量を示す信号を出力する受光部とを備える、クロマトグラフィ検出器。
  6. 前記投光部は、紫外光を出射する重水素ランプを含む、請求項5記載のクロマトグラフィ検出器。
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