JP2006300741A - 光学測定用マイクロ流路及びマイクロ流体チップ - Google Patents

光学測定用マイクロ流路及びマイクロ流体チップ Download PDF

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Abstract

【課題】 光学的測定を行う際に、入出射光の経路を最適に制御して、光の分解能を向上させることができ、さらには、試料中に含有される気泡の影響を受けることなく、微量サンプルで、正確な分析を実現することができる光学測定用マイクロ流路及びマイクロ流体チップを提供することを目的とする。
【解決手段】 入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成された遮光部材と、前記一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、前記遮光部材と一体化された透明部材とから構成され、前記遮光部材における一対の開口の一方の径(a)と他方の径(b)とが、a≦bを満たし、かつ該他方の径(b)と入出射光に略直交する方向における試料保持部の径(c)とが、b≦c−300μmを満たす光学測定用マイクロ流路。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学測定用マイクロ流路及びマイクロ流体チップに関する。
DNA、酵素、タンパク質、ウィルス、細胞などの生体物質を分析する方法として、一般に分光光度計等を用いる光学的分析方法が利用されている。
生体物質を光学的に分析する際、通常、そのサンプルに、スリットを通して所定の光が照射される。スリット幅が狭いほど、波長範囲の狭い光が得られるために、分解能が向上することが知られている(非特許文献1)。
しかし、一般に、上述した生体物質は、被験者の負担を軽減する等の観点から、極微量の採取によって分析されるため、試料の微量化に伴って、検出路に設けたスリットと試料とにおいて、数μm単位という厳密な位置合わせ精度が要求されている。
検出路に設けられたスリットと試料との位置合わせを制御よく行う一つの方法として、例えば、図6(a)及び(b)に示したような分光光度計用の石英セル60が提案されている(非特許文献2)。このセル40は、2つの遮光ブロックと、2つの透明部材とから構成されている。つまり、第1の遮光ブロック61に試料用の流路62が貫通形成され、この流路62の両端に、それぞれ接続される導入通路63及び排出通路64が、流路62とは異なる方向に形成されている。さらに、第2の遮光ブロック65に、試料の導入口66及び排出口67が貫通形成され、第1の遮光ブロック61の導入通路63及び排出通路64にそれぞれ接続されるように貼り付けられている。また、第1の遮光ブロック61の流路62の両端を塞ぐために、流路62の両側に、透明な第1及び第2基板68、69が貼り付けられている。このような石英セル60によれば、第1の遮光ブロック61に形成された貫通孔が、試料の流路を構成するとともに、その貫通孔によって入出射光の経路を制御している。
入門機器分析化学、三共出版、p8〜9 サンクアスト研究・産業用機器7000、2003〜2005、アズワン株式会社、p573
しかし、上述したような極微量の試料での測定には、近年、例えば、バイオチップなどと称される数センチの大きさのチップが利用され、このチップ上で、極微量の生体物質を分離、反応、混合し、測定及び検出等するLab on Chipと呼ばれる技術が用いられている。そのため、図6(a)及び(b)に示したような石英セルを、Lab on Chipに用いられるチップで適用することができないという課題がある。例えば、第1の遮光ブロックに形成された貫通孔の直径によって光束を制限しているが、機械的研削による貫通孔の加工による厳密な制御は困難である。また、第1及び第2の遮光ブロックに、複数の貫通孔を形成するために、これらブロックに機械的な加工に耐える強度が必要となり、材料コストが増大するとともに、その強度を確保するために光学セルそのものが大きくなり、微量試料での検出を困難にする。さらに、複数のブロックの組み立てが必要となり、製造コストの増大を招く。
また、このようなチップに用いるサンプル、試薬等は、予め低温で保存され、このチップに適用する際に昇温される。そして、この温度上昇に伴って、サンプル中に溶解している酸素及び窒素等の気体成分の飽和溶解度が低下し、それに相当する気体成分が、チップ内の、例えば、マイクロ流路で気泡として発生する。その結果、気泡によって光の散乱を招き、正確な測定を行うことができないことがあるという課題もある。
つまり、極微量の試料に対しても正確な光学的測定を行うことができる手法を実現することが求められている。
そこで、本発明は、光学的測定を行う際に、入出射光の経路を最適に制御して、光の分解能を向上させることができ、さらには、試料中に含有される気泡の影響を受けることなく、微量サンプルで、正確な分析を実現することができる光学測定用マイクロ流路及びマイクロ流体チップを提供することを目的とする。
本発明の光学測定用マイクロ流路は、入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成された遮光部材と、前記一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、前記遮光部材と一体化された透明部材とから構成され、前記遮光部材における一対の開口の一方の径(a)と他方の径(b)とが、a≦bを満たし、かつ該他方の径(b)と入出射光に略直交する方向における試料保持部の径(c)とが、b≦c−300μmを満たすことを特徴とする。
これにより、マイクロ流路の壁にそって発生する気泡の最大直径が150μm(両側壁で300μ)と想定した場合でも、光学系の光が干渉されることがなく、極微量のサンプルに対して光学的な分析を正確に行うことができる。しかも、遮光部材に形成された一対の開口によって、すでに入出射光の経路が制御されており、この開口の間に試料保持部が配置されているため、制御された入出射光の経路と試料保持部との簡易な位置合わせが実現され、より正確な光学的な分析を行うことができる。
この光学測定用マイクロ流路においては、遮光部材と透明部材とをそれぞれ1つの部材で構成することができる。
これにより、マイクロ流路の組み立てにおいて、遮光部材と透明部材との張り合わせが1回のみですむために、マイクロ流路の製造工程を簡略化することができる。また、この張り合わせによって、試料保持部に対して、入出射光の経路を簡便に制御、つまり位置合わせすることができる。しかも、現状では、いわゆるマイクロ流体チップが使い捨てで用いられていることを考慮すると、1回の張り合わせで所望の機能を有するマイクロ流路を製造することができることは、材料及び製造コストが低減され、非常に有用である。
また、本発明の別の光学測定用マイクロ流路は、入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成された1つの遮光部材と、前記一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、前記遮光部材と一体化された1つの透明部材とから構成されることを特徴とする。
これにより、マイクロ流路の組み立てにおいて、遮光部材と透明部材との張り合わせが1回のみですむために、マイクロ流路の製造工程を簡略化することができる。また、この張り合わせによって、試料保持部に対して、入出射光の経路を簡便に制御、つまり位置合わせすることができるために、より精度のよい、高品質の光学測定用のマイクロ流路を、安価に得ることができる。
この光学測定用マイクロ流路は、遮光部材における一対の開口の一方の径(a)と他方の径(b)とが、a≦bを満たし、かつ該他方の径(b)と入出射光に略直交する方向における試料保持部の径(c)とが、b≦c−300μmを満たすことが好ましい。
これにより、マイクロ流路の壁にそって発生する気泡の最大直径が150μmと想定した場合でも、光学系の光が干渉されることがなく、極微量のサンプルに対して光学的な分析を正確に行うことができる。
さらに、上述した光学測定用マイクロ流路では、試料保持部は、遮光部材と透明部材との一体化により形成される。
これにより、遮光部材と透明部材との張り合わせの位置決めが、試料保持部に対して、入出射光の経路を簡便に制御、つまり位置合わせすることができるために、より精度のよい、高品質の光学測定用のマイクロ流路を得ることができる。
また、本発明のマイクロ流体チップは、上述した光学測定用マイクロ流路を備えることを特徴とする。
これにより、医療、食品、創薬等の種々の分野において、DNA、酵素、タンパク質、ウィルス、細胞などの種々の生体物質を、臨床分析チップ、環境分析チップ、遺伝子分析チップ(DNAチップ)、たんぱく質分析チップ(プロテオームチップ)、糖鎖チップ、クロマトグラフチップ、細胞解析チップ、製薬スクリーニングチップ等の種々の呼び名で提供されているマイクロ流体チップに適用して、分析等する場合であっても、精度のよい開口と試料保持部との位置合わせによって、より正確に、さらには、気泡による影響を受けることなく、光学的に測定及び検出等することが可能となる。
本発明によれば、光学的測定を行う際に、入出射光の経路を最適に制御して、光の分解能を向上させることができ、さらには、試料中に含有される気泡の影響を受けることなく、光の散乱の影響を防止し、微量サンプルで、正確かつ迅速な光学的分析を実現することができる。
(1)マイクロ流路の構成
本発明の光学測定用マイクロ流路は、遮光部材と透明部材とが一体化されて構成されている。
遮光部材には、入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成されている。ここで遮光部材とは、光学的測定に用いるられる光等を、100%遮断する材料のみならず、60%程度以上遮光し得るものであればよい。遮光部材は、後述する透明部材に、例えば、カーボンブラック等の色素又は顔料等が混合されたものを利用することができる。
遮光部材は、主として、マイクロ流路内を流体が流れる二次元の方向に広がって構成されているが、その一部において、その広がり方向に対して凸部を形成するように(例えば、ほぼ直交する方向に)、互いに離間された一対の壁部を有していることが適当である。そして、遮光部材に形成される一対の開口は、この一対の壁部のそれぞれに形成されていることが好ましい。このような構成により、一対の開口によって、入出射光の経路を制御することができる。なお、開口は、それぞれの中心が、ほぼ同軸に位置するように形成されていることが好ましいが、用いる光のビーム径によっては、光学的測定に支障がない程度に、その光軸がずれていてもよい。
遮光部材に形成された一対の開口は、その形状は、特に限定されるものではなく、円形、楕円形、三角形及び四角形等の多角形、その角が丸みをおびた略多角形等、種々の形状が挙げられる。なかでも、円形又は正方形であることが好ましい。また、一対の開口は、同じ形状(相似形)であることが好ましいが、必ずしも同じ形状でなくてもよい。その大きさは特に限定されるものではなく、例えば、マイクロ流路の大きさ、これが適用されるマイクロ流体チップの大きさ、測定に用いられる光学系の光源の種類、測定に用いられる試料及び/又は試薬の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、入射側の開口の径(幅又は長さ)をa、出射側の開口の径(幅又は長さ)をbとしたとき、a≦bの関係を満たすものが好ましい。なお、この径a及びbそれぞれに大小があるとき(例えば、開口が楕円、長方形等のような場合)は、その最大の径又は最小の径のいずれかであることが好ましい。
また、マイクロ流路を構成する透明部材は、一対の試料出入口を有する試料保持部を有して形成されている。ここで、透明部材とは、光学的測定に用いられる光等を100%透過する材料のみならず、20%程度以上透過しえるものであればよい。透明部材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネイト)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリシロキサン、アリルエステル樹脂、シクロオレフィンポリマーなどの有機化合物あるいは、Si酸化膜、石英、ガラス、セラミック等の無機化合物等が挙げられる。なかでも、ポリマーが好ましい。
透明部材も、主として、マイクロ流路内を液体が流れる二次元方向に広がって構成されているが、その一部において、光学的測定用のマイクロ流路、つまり、試料保持部に対応する凹部(又は溝)が形成されていることが適当である。また、この試料保持部に対応する凹部に連なって、試料の出入を可能にする試料出入口に対応する凹部が形成されていることが適当である。この透明部材には、これらのほかに、遠心分離部、秤量部、反応部、混合部、分岐部等に対応する形状の凹部が形成されていてもよい。
この透明部材が、上述した遮光部材と対向して張り合わせられることにより、凹部が遮光部材に被覆されることとなり、そこにマイクロ流路、試料保持部等が形成されることになる。この試料保持部は、上述した一対の開口の間に配置するように位置合わせをすることが必要である。
このように構成される試料保持部は、上述した開口の径a及びbの関係に加えて、その径cが、開口の径bとの関係において、b≦c−300μmであることがより好ましい。試料保持部の径cは、入出射光(図1(a)、(b)中、矢印X参照)に直交する方向における長さ(例えば、図1(b)参照)を意味し、この径cに大小があるときは、最小の径であることが好ましい。この式の中で、「300μm」という値は、マイクロ流路内で発生する気泡の直径を想定したものであり、この値は、通常、マイクロ流体チップの適用で、試料中に発生する気泡の最大のものが300μm程度であることに起因する。従って、本発明においては、試料等の種類にかかわらず、発生する気泡の最大値を採用しているが、この値を、使用する試薬の溶存気体量、測定前後の温度変化に応じて、例えば、250μm、200μm、150μm、100μm、50μm、10μm程度に変更することも可能である。
具体的には、一対の開口の径a及びbは、10〜4700μm程度、さらに50〜2000μm程度が適当である。また、光学測定用のマイクロ流路(すなわち、試料保持部)の断面積が0.01μm2〜100mm2程度、長さが10μm〜100mm程度のものが挙げられる。特に、試料保持部の径cに対応する値は、20〜5000μm程度、さらに100〜2500μm程度が適当である。マイクロ流路における試料保持部は、全長にわたって同じ断面形状及び大きさであることが好ましいが、部分的に異なる形状及び大きさであってもよい。試料保持部の断面形状は、光学系の光束が通り得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、四角形、台形等の多角形及びこれらの角部分が丸みを帯びた形状、円形、だ円形、ドーム形状あるいは左右非対称の不均一形等どのような形状であってもよい。試料保持部の長さは、例えば、0.1〜10mm程度が挙げられる。
遮光部材は、1つの部材で形成されていることが好ましいが、上述した構成を有する限り、2つ以上の部材が張り合わせられて構成されていてもよい。例えば、平板状の遮光部材に、開口を有する壁部が2つ、互いに離間するように貼り付けられたものであってもよいし、その他の部品が貼り付けられたものであってもよい。同様に、透明部材は、1つの部材で形成されていることが好ましいが、上述した構成を有する限り、2つ以上の部材が張り合わせられて構成されていてもよい。
(2)マイクロ流路の製造方法
マイクロ流路は、当該分野で公知の方法を利用することにより、簡便に製造することができる。
例えば、まず、所望のマイクロ流体チップ、マイクロ流路、試料出入口に対応する形状を有する金型を準備する。この金型は、機械的加工により形成することができ、任意に、ブラスト処理、研磨処理等の手段を用いてもよい。
次に、この金型に、PET等の透明樹脂材料を射出し、射出成形法により透明部材を作製する。
続いて、壁部等に対応する形状を有する金型を準備する。この金型の所定の箇所には、2つの開口が形成できるような凸部等が形成されているか、凸部を導入するための孔が形成されている。この金型に、透明樹脂にカーボンブラック等の含量を混合した遮光樹脂材料を射出し、射出成形法により遮光部材を作製する。
最後に、遮光部材に形成された一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、遮光部材と透明部材とを位置合わせし、張り合わせる。張り合わせは、UV硬化樹脂及び粘着剤等による接着、あるいは超音波及び熱等による融着が適当である。
また、金型を用いた射出成型法に代えて、モールディングあるいはインプリント法等を利用してもよい。
さらに、部材の一方又は双方に、フォトリソグラフィー工程、機械的加工等を直接施して、マイクロ流路、壁部、開口等に対応するパターンが転写された部材を得てもよい。
なお、この発明のマイクロ流路は、1つの透明部材と1つの遮光部材を用いる場合に限られず、それぞれ2つ以上を組み合わせて用いてもよい。つまり、2つ以上の部品を組み合わせて1つの意図する透明部材、2つ以上の部品を組み合わせて1つの意図する遮光部材として、これらを組み合わせてもよい。これにより、個々の部品は、平板等の非常に単純な形状で形成することができるため、マイクロ流体チップを構成する部材自体の作製が簡便となる。
(3)マイクロ流路を備えたマイクロ流体チップの構成
本発明のマイクロ流体チップは、医療、食品、創薬等の種々の分野において、DNA、酵素、タンパク質、ウィルス、細胞などの種々の生体物質(主に液体の状態)を、分析、検出、反応、測定等するための基板として利用されるものであり、例えば、臨床分析チップ、環境分析チップ、遺伝子分析チップ(DNAチップ)、たんぱく質分析チップ(プロテオームチップ)、糖鎖チップ、クロマトグラフチップ、細胞解析チップ、製薬スクリーニングチップ等と種々の呼び名で提供されている全てのチップを包含する。
このようなマイクロ流体チップは、少なくとも上述した光学測定用のマイクロ流路をその一部において備えているが、用途に応じて、種々の二次元及び/又は三次元形状の直線的なあるいは屈曲又は湾曲したパターンを有する別のマイクロ流路を備えていてもよい。また、これらのマイクロ流路の端部又は途中には、試料の導入口、排出口及び/又は液溜等が形成されており、遠心分離部、秤量部、反応部、混合部、分岐部等が、それら自体又はそれらを連結させるマイクロ流路として連結・形成されている。
実施例1
本発明の光学測定用マイクロ流路は、図1(a)〜(c)に示したように、主として、PETからなる1つの透明部材11と、PETにカーボンブラックを混合して形成された1つの遮光部材12とによって構成されている。
透明部材11には、マイクロ流路に対応するパターンで凹部が形成されている。この凹部は、その一部が試料保持部13として構成され、それに連なる凹部の両側が試料の流通経路(図1では省略)になるとともに、試料の出入り口となる。
また、遮光部材12は、平板の所定の箇所に、平板から突出し、互いに離間された一対の壁部12aが形成されている。この一対の壁部12aには、それらの中心が略同軸上に配置されるように、一対の開口14、15がそれぞれ形成されており、この開口14、15に入出射する光の経路が制御される。
これらの透明部材11と遮光部材12とは、透明部材11の凹部を遮光部材12の平板が被覆し、かつ凹部のうちの試料保持部13として構成される部分が、遮光部材12の一対の壁部12aの間に配置されるように対向させ、張り合わせられることにより一体化されている。これにより、内部に光学測定用のマイクロ流路が形成される。
このマイクロ流路は、例えば、図2に示したように、透明部材11と遮光部材12とから構成されたマイクロ流体チップ16の一部として形成されている。このマイクロ流体チップ16を使用する際、まず、試料入口17側から、試料を導入する。導入された試料は、下流(試料入口17側)からの圧力によりマイクロ流路18を通って試料保持部13に到達する。試料は、その試料保持部13をゆっくりと流れながら、試料出口19を通って、他のマイクロ流路20又は廃液口21から排出される。
試料保持部13に到達した試料は、遮光部材12の壁部12aに形成された一方の開口14から制御された光が入射され、他方の開口15からその光が出射される。これにより、例えば、受光素子(図示せず)によって、吸光度が測定される。
マイクロ流路は、図1(b)及び(c)に示すように、断面形状四角形とし、試料保持部13となるところで、高さを900μm程度とし、かつ入出射光Xにほぼ直交する方向における径(幅:c)を900μm程度とし、試料保持部13の長さdを10mmとした。また、遮光部材12に形成された壁部12aは高さhを1900μm程度、壁部12aの厚さを500μmとし、この壁部12aに、光の入射口として幅及び高さ(径:a)が300μm程度の開口14を、光の出射口として幅及び高さ(径:b)が500μm程度の開口15が形成されている。これらの開口14、15は、壁部上面から950μm程度の高さにほぼその中心が配置するとともに、試料保持部13の幅方向における中心部にほぼその中心が配置するように形成されている。
つまり、このマイクロ流路は、a≦bの関係を満たす。
このマイクロ流体チップに、4℃で保存しておいた試料として血清を0.25μlと、試薬として、γ−GTP・J緩衝液(和光純薬製)7.0μlと、γ−GTP・J基質液(和光純薬製)1.75μlとを混合し、その混合液を試料入口から試料保持部に導入した。試薬と試料と反応を促進するため、マイクロ流体チップ全体を37℃程度に昇温した。このような試薬に対する試料中のγ−GTPの作用により、405nmの光に特異的に吸収する5−アミノ−2−ニトロ安息香酸が生成する。
このマイクロ流体チップを測定器にセットし、一方の開口から試料保持部に光、例えば、キセノンアークランプ(75W)を使用して、405nmの光を入射し、試料保持部の試料を通過させて、他方の開口から光を出射させ、検出器で検出し、γ−GTPによる吸光度の経時変化を繰り返し、複数回測定した。また、血清を含まずに試薬のみの吸光度の経時変化を繰り返し、複数回測定した。
この間、測定器のステージを37.0±0.1℃に維持しており、保存時からの温度変化に対する飽和溶解度の変化量に相当する気体成分が気化して気泡となるが、液体中の気泡22は、自由エネルギーを下げるために、気液界面を小さくするように、試料保持部13内の壁面に発生する。γ−GTPの測定中、約5分間に発生する泡は、最大で直径が300μm程度であった。
また、このマイクロ流路は、b≦c−300μmの関係に合致し、その関係を満たす。
これらの測定結果を図3に示す。
図3の結果から、気泡の影響を受けることなく、繰り返しの測定においても、直線状の経時変化及び傾きは安定しており、再現性が良好であることが確認され、正確な分析を行うことができた。また、血清を用いない場合は、吸光度の経時変化は起こらないことが予想されるが、図3において、ほぼ吸光度はゼロのままであり、安定していた。
つまり、上述したマイクロ流体チップの一方の開口14から入射した光のうち、直進成分は、矢印n(図1(c)参照)のように、気泡の影響を受けることなく、試料保持部13を通過し、他方の開口15から出射する。また、矢印mのように、試料保持部13の中央から壁側に広がるように光が入射し、壁面12aに付着した気泡22を通過するとしても、その光は他方の開口15からは出射することはなく、遮断される。従って、気泡22によって散乱される光の影響を受けずに、繰り返しの測定においても良好な再現性が得られた。
さらに、この実施例のマイクロ流路、つまりマイクロ流体チップでは、透明部材及び遮光部材をそれぞれ1つづつ用い、これを1つの接着面で張り合わせることにより形成することができるため、透明部材と遮光部材との間で、流路を形成するための位置合わせの際に、入出射光の経路を制御しえる開口の位置合わせを同時に行うことができ、製造工程を非常にシンプルにすることができる。その結果、製造コストの低減により、安価なマイクロ流体チップを供給することができる。しかも、接着面が1つであるために、製造の歩留まりを向上させることができ、さらに製造コストの低減を図ることが可能となる。この効果は、マイクロ流体チップが使い捨てで利用されている現状を考慮すると、非常に有利である。
なお、比較のために、マイクロ流路における試料保持部の幅及び高さを700μm程度とした以外、上記の実施例と同様のマイクロ流体チップを作製し、上記の実施例と同様の測定を行った。つまりこの比較例では、a≦bの関係を満たすが、b≦c−300μの関係を満たさない。
その結果を図4に示す。
図4の結果から、同じ資料の繰り返しの測定において再現性が悪く、安定した測定結果が得られないことが確認された。また、血清を含まずに試薬のみの吸光度を測定した場合にも、吸光度の経時的な変化が見られるとともに、測定ごとに異なる値が測定されることが確認された。
つまり、気泡の影響を受けて、光が散乱し、その散乱した光が出射口から出射され、測定結果に変動をもたらした。
実施例2
この実施例のマイクロ流体チップ23は、図5(a)に示したように、光学測定を行うための試料保持部24のほかに、試料導入口25、マイクロ流路26、秤量部27、液溜28等がそれぞれ連結して形成されている。また、図5(b)に示したように、さらに、入射側及び出射側の開口29、30を有する遮光部材が2つの部品31a、31bから構成され、試料保持部24が2つ部品から構成される透明部材32a、32bによって形成されている以外、実質的に実施例1と同様の構成である。
このように構成されていることにより、実施例1と同様に、気泡によって散乱される光の影響を受けずに、繰り返しの測定においても正確に試料を測定することができるとともに、個々の部品は、実質的に平板であるか、孔又は溝が形成された平板であるという単純な形状であるために、部品自体の形成が容易で、加工が簡便であり、製造コストを低減することができる。
本発明は、吸光度、透過率の測定、UV、可視又は赤外等の分光測定、蛍光強度測定等用のマイクロ流路として利用することができる。また、このマイクロ流路は、医療、食品、創薬等の分野で使用される、臨床分析チップ、環境分析チップ、遺伝子分析チップ(DNAチップ)、たんぱく質分析チップ(プロテオームチップ)、糖鎖チップ、クロマトグラフチップ、細胞解析チップ、製薬スクリーニングチップなどと称される気体及び液体等に適用することができる種々のマイクロ流体チップに応用することができる。
本発明のマイクロ流路の一実施形態における要部を示す斜視図(a)であり、(b)はA−A’線断面図、(c)はB−B’線断面図である。 図1のマイクロ流路のを備えるマイクロ流体チップの平面図である。 本発明のマイクロ流路を備えるマイクロ流体チップを用いて分析した際の結果を示すグラフである。 比較例の結果を示すグラフである。 本発明のマイクロ流体チップの別の実施形態を示す平面図(a)、C−C’線断面図(b)である。 従来の光学測定用のセルを示す斜視図である。
符号の説明
11 透明部材
12 遮光部材
12a 壁部
13、24 試料保持部
14、15、29、30 開口
16、23 マイクロ流体チップ
17 試料入口17
18 マイクロ流路
19 試料出口
20、26 マイクロ流路
21 廃液口
22 気泡
25 試料導入口
27 秤量部
28 液溜
31a、31b 遮光部材の部品
32a、32b 透明部材の部品

Claims (6)

  1. 入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成された遮光部材と、前記一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、前記遮光部材と一体化された透明部材とから構成され、
    前記遮光部材における一対の開口の一方の径(a)と他方の径(b)とが、a≦bを満たし、かつ
    該他方の径(b)と入出射光に略直交する方向における試料保持部の径(c)とが、b≦c−300μmを満たすことを特徴とする光学測定用マイクロ流路。
  2. 遮光部材と透明部材とがそれぞれ1つの部材により構成されてなる請求項1に記載のマイクロ流路。
  3. 入出射光の経路を制御し得る一対の開口が形成された1つの遮光部材と、前記一対の開口の間に、一対の試料出入口を有する試料保持部が配置されるように、前記遮光部材と一体化された1つの透明部材とから構成されることを特徴とする光学測定用マイクロ流路。
  4. 遮光部材における一対の開口の一方の径(a)と他方の径(b)とが、a≦bを満たし、かつ
    該他方の径(b)と入出射光に略直交する方向における試料保持部の径(c)とが、b≦c−300μmを満たす請求項3に記載のマイクロ流路。
  5. 試料保持部は、遮光部材と透明部材との一体化により形成されてなる請求項1〜4に記載のマイクロ流路。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の光学測定用マイクロ流路を備えることを特徴とするマイクロ流体チップ。



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