JP7180423B2 - 画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、被清掃部材としての像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「静電潜像担持体」と称することもある)について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーなどの付着物はクリーニング手段によって除去していることが知られている。
前記クリーニング手段のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。これは前記クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して当接部(先端稜線部)を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーを堰き止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、「重合トナー」と称することがある)を用いた画像形成装置が知られている。前記重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、前記要求に応えることが可能である。しかし、前記重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題がある。これは、小粒径でかつ球形度に優れた前記重合トナーが、前記クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
前記すり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要があるが、当接圧力を高めると図9Aに示すようにめくれが生じてしまう。また、めくれた状態で使用すると、図9Bに示すように局所的な摩耗が生じてしまい、最終的には図9Cに示すように先端稜線部が欠落してしまう。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、クリーニングブレードの表面に、イソシアネート三量体からなるイソシアヌレートのイソシアヌレート結合と該イソシアヌレートのイソシアネート基に基づくウレタン結合または尿素結合とを介してポリシロキサンが結合されているとともに、イソシアネート単量体のイソシアネート基に基づくウレタン結合または尿素結合を介してポリシロキサンが結合されているクリーニングブレードが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のクリーニングブレードは高硬度のため先端稜線部のめくれは抑制できるものの、その高硬度が原因となりトナーがニップ部で変形し感光体やクリーニングブレードに付着し易く、クリーニング後の感光体が汚染されてしまうという問題があった。
したがって本発明の目的は、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを防止しつつ、クリーニングブレードによるトナーの変形を防止して、像担持体やクリーニングブレードに対するトナーの付着を抑制し、優れたクリーニング性を付与できる画像形成方法を提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)像担持体に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する工程と、前記可視像を記録媒体に転写する工程と、被清掃部材である前記像担持体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する工程とを順次有する画像形成方法であって、
前記クリーニングブレードは、前記被清掃部材の表面に当接して前記被清掃部材の表面に付着したトナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、硬化性組成物の硬化物からなる表面層とを有し、
前記表面層は、前記被清掃部材と当接する当接部よりも前記被清掃部材の進行方向下流側と対向する基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、前記マルテンス硬度HMは、表面近傍(荷重:1μN)から膜厚方向最深部(荷重:1000μN)の範囲で2.5~32.5N/mmであり、
前記表面層は、シロキサン系化合物を含有し、前記表面層中の前記シロキサン系化合物の含有量は、8~15質量%であり、
前記トナーは、円形度が0.950以上であり、下記条件に従う加振移送式流動性測定における総排出量が0.85g以上であり、かつ総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間が150秒以上である
ことを特徴とする画像形成方法。
加振移送式流動性測定条件
使用装置:加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)
トナー投入量:1.00g
加振周波数:30Hz
測定温度:23℃
測定湿度:50%RH
本発明によれば、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを防止しつつ、クリーニングブレードによるトナーの変形を防止して、像担持体やクリーニングブレードに対するトナーの付着を抑制し、優れたクリーニング性を付与できる画像形成方法を提供できる。
本発明に係るクリーニングブレードの一例が像担持体の表面に当接している状態の一例を示す拡大断面図である。 本発明に係るクリーニングブレードの一例を示す斜視図である。 本発明に係るクリーニングブレードの製造方法の一例(A)及び他の例(B)を説明する図である。 弾性仕事率の説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る画像形成装置の備える作像ユニットの一例を示す概略構成図である。 トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図である。 表面層の平均厚みの測定方法の一例を説明するための図である。 従来のクリーニングブレードの先端稜線部が捲れた状態を示す図である。 クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図である。 クリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図である。 基材のマルテンス硬度(HM)を測定する際の基材の切り出し箇所を説明するための図である。 基材のマルテンス硬度(HM)の測定位置を説明するための図である。
以下、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(クリーニングブレード)
従来から、小粒径でかつ球形度に優れる重合トナーを用いる場合、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けが生じるという問題がある。前記すり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、前記クリーニングブレードの当接圧を高めると、図9Aに示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。
更に、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図9Bに示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数μm離れた箇所に局所的な摩耗Xが生じてしまう。このような状態で、更にクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなる。最終的には、図9Cに示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。このように先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまうという問題がある。なお、図9A~図9C中62bは、クリーニングブレードの下面である。
これに対し、本発明のクリーニングブレード(以下、単にブレードと言うことがある)は、被清掃部材の表面に当接して前記被清掃部材の表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材は、基材と、硬化性組成物の硬化物からなる表面層とを有し、前記表面層は、前記被清掃部材と当接する当接部よりも前記被清掃部材の進行方向下流側と対向する基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、前記表面層は膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有していることを特徴とする。硬度勾配とは、具体的には、本発明における表面層の表面近傍(荷重:1μN)、膜厚方向最深部(荷重:1000μN)、および中間箇所(荷重:50μN)のマルテンス硬度HMを測定することにより把握できる。
本発明に係るクリーニングブレードの一実施形態について図1、図2を用いて説明する。図1はクリーニングブレード62が感光体3の表面に当接している状態の説明図であり、図2はクリーニングブレード62の斜視図である。図のクリーニングブレード62では支持部材621、弾性部材624、基材622、表面層623が図示されており、本実施形態の基材622は短冊形状としている。また、ブレード先端面62a、ブレード下面62b、先端稜線部62c(当接部、エッジ部などとも称する)が図示されている。
本発明において、弾性部材を構成する基材の長手方向の面で、被清掃部材の進行方向(本実施形態では回転方向)下流側と対向する面を基材下面といい、基材の先端稜線部を含む被清掃部材の回転方向上流側と対向する先端の面を基材の先端面という。
また、弾性部材の長手方向の面で、被清掃部材の回転方向下流側と対向する面をブレード下面といい、弾性部材の先端稜線部を含む被清掃部材の回転方向上流側と対向する先端の面をブレード先端面という。
図1において、被清掃部材の進行方向下流側Bと対向する面62bがブレード下面であり、被清掃部材進行方向上流側Aと対向する先端の面62aがブレード先端面である。
また、弾性部材の被清掃部材の表面に当接する当接部は、弾性部材の先端稜線部を含む。また、先端稜線部がめくれる場合や線圧が高い場合ではブレード先端面の一部も当接部になりうる。
本発明においては、クリーニングブレードの当接部の表面層の平均膜厚を10μm以上500μm以下とするのが好ましく、かつ前記表面層の硬度勾配化と好ましくはシロキサン系化合物の含有により、先端稜線部のめくれを防止し、過剰なスティックスリップを抑制することができる。さらに、長期の使用により摩耗しても表面層が厚いことで弾性部材の基材が露出することを防止でき、トルク上昇や鳴きを抑制でき、これらの機能を維持することが可能である。これにより、めくれの低減や耐ブレード摩耗の両立、長期に渡る良好なクリーニング性を維持することができる。また、弾性部材の基材が像担持体と接触することを防止できることから、トルクの上昇や像担持体の回転に掛かる負荷の増大を抑えることができるため、例えばタンデム方式での色ずれを防止することができる。なお、本発明のクリーニングブレードはタンデム方式に限られるものではない。
当接部の表面層の平均膜厚が500μm以下であることにより、基材の弾性部材の柔軟性が維持され、像担持体の軸ぶれによる振動や像担持体表面の微小なうねりに対する追従性が良好となり、クリーニング不良が防止される。また、該平均膜厚が10μm以上であることにより、異常摩耗等による異音が防止される。
クリーニングブレードの当接部の表面層の平均膜厚は、50μm以上200μm以下がさらに好ましい。50μm以上200μm以下とすることにより初期の当接部のめくれがより発生しにくくなることや、摩耗が進んでも表面層内で摩耗をとどめることができ、弾性部材の基材の露出を抑制できるので、長期の使用でもめくれや鳴き、クリーニング不良が発生しにくくなる。
ここで、当接部の表面層の平均膜厚は、当接部における表面層の任意の箇所を10箇所測定した算術平均値により求めることができる。厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、当接部の表面層を含む切断面をマイクロスコープを用いて測定する方法などが挙げられる。具体的には、例えば、当接部の先端部(当接辺)から50μm~200μm位置の表面層の厚みを測定する。なお、加えて、通常は、長手方向(当接辺の方向)の両端2cmを除いた位置で測定する。
<クリーニングブレードの製造方法>
従来、スプレーやディップコーティングで作製していた以前のブレードでは当接部の表面層に厚膜を持たせることは難しく、当接部近傍は10μmの膜があっても当接部は1~3μmに満たなかった。またこのような膜の付き方では当接部が丸くなってしまい、エッジ精度が悪くなっていた。このためにクリーニング性が悪くなっていた可能性がある。
また、従来の技術、例えば特許第5515865号には、長尺のポリウレタンゴムからなるシート材料に含浸剤を含浸処理した後、切断し、さらに樹脂を含むコーティング剤を塗布し、硬化させ、コート膜を形成する工程を有するクリーニングブレードの製造方法が開示されている。この場合、コート膜を後から塗工しているので、エッジ部の膜厚が薄くなってしまい、経時でトルクが上昇する可能性がある。また、特許第2962843号公報では、滑性粒子を含む被膜層を有するクリーニングブレードであって、該被膜層形成後にエッジを切断している。しかし、滑性粒子が分散されているため被膜層の表面粗さが大きくなり、被膜層形成後にエッジを切断していてもエッジ精度が悪くなり、クリーニング性が悪くなってしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態のクリーニングブレード62は、例えばウレタンゴムからなる基材622に対して表面層623を形成する硬化性組成物を塗工した後、熱硬化により樹脂を硬化させている。その後、当接部を切断することによりブレード形状に加工している。また、表面層623は、シロキサン系化合物を含有し、かつ膜厚方向において表面から基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有している。
表面層623は、硬化性組成物を用いて、スプレー塗工、ディップ塗工、あるいはダイコート等によって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを少なくとも被覆することにより形成される。
基材下面の表面層は、バーコート、スプレーコート、ディップコート、ハケ塗り、スクリーン印刷などで形成することができる。表面層の膜厚は、塗工液の固形分濃度、塗工条件(バーコート:ギャップ、スプレーコート:吐出量・距離・移動速度、ディップコート:引き上げ速度など)、塗工回数などの条件を適宜変更することにより制御することが可能である。
本実施形態のクリーニングブレードの製造方法の一部を図3に示す。図3はクリーニングブレードの弾性部材を側面から見た場合の図である。図3(A)の左側の図は基材622に硬化性組成物を塗工・硬化させた状態を示すものであり、破線部分に示されるように基材622の先端面を切断し、図3(A)の右側に示される弾性部材624を作製する。切断する箇所は適宜変更することが可能であるが、例えば先端から1mmのところを切断する。
また、図3(B)ではその他の例が示されている。図3(B)の左側の図は図3(A)と同様に基材622に硬化性組成物を塗工・硬化させた状態を示すものである。ここでは、図3(A)のように基材622の先端面を切断するのではなく、基材622の中央付近で切断している。この場合、クリーニングブレードを2本同時に作製することも可能である。
なお、上記の他にも、型を用いて硬化性組成物を硬化させ直角な当接部を形成する方法などを用いてもよい。
基材622及び表面層623を切断する方法は適宜変更することが可能であり、例えば、垂直スライサー等を用いることができる。
また、切断する方向は適宜変更することが可能であるが、表面層623側から基材622側に切断することが好ましい。この場合、エッジ精度を向上させることができる。
本実施形態では、基材下面に表面層623の厚膜を形成した後、エッジを切断することで当接部の厚膜とエッジ精度の両立が可能になった。
<被清掃部材>
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
また、前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
<支持部材>
本実施形態のクリーニングブレードは、支持部材と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなることが好ましい。前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側の一端である先端稜線部を含む当接部が前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置される。
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<基材>
弾性部材624の基材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。
大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマーなどが好適である。
弾性部材の基材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製し、該ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより、製造される。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、などが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン-ビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン等の二価アルコール;1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1-トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N′,N′-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン,エトキシル化ジアミン,ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N-メチルモルホリン,N-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N′-ジエチル-2-メチルピペラジン,N,N′-ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等が挙げられる。また、有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2-エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.3質量%以下がより好ましい。
前記基材のJIS-A硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60度以上が好ましく、65度以上80度以下がより好ましい。前記JIS-A硬度が、60度以上であると、ブレード線圧が得られやすく、像担持体との当接部の面積が拡大しにくいため、クリーニング不良が発生しにくくなる。 ここで、前記基材のJIS-A硬度は、例えば、高分子計器社製、マイクロゴム硬度計MD-1などを用いて測定することができる。
前記基材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、前記基材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記基材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm以上3.0mm以下が好ましい。
前記基材のマルテンス硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 基材のマルテンス硬度のより好ましい範囲としては、0.8N/mm以上3.0N/mm以下である。基材のマルテンス硬度を0.8N/mm以上3.0N/mm以下とすることにより、10μm以上の表面層のひび割れを抑制することができ、長期の使用でもクリーニング不良が発生しにくくなる。 また、基材のマルテンス硬度が0.8N/mm以上であることにより、基材が柔らかすぎず、被清掃部材(例えば、像担持体)の軸ぶれによる振動等による変形が抑制され、表面層が基材の変形に追従し易くなり、ひび割れの発生を防止し、クリーニング性が良好となる。
前記基材のマルテンス硬度(HM)の測定方法は以下のとおりである。 マルテンス硬度(HM)は、ISO14577に基づき、エリオニクス社製ナノインデンターENT-3100を用いて、バーコビッチ圧子を1000μNの荷重で10秒間押し込み、5秒間保持し、同じ荷重速度で10秒間抜いて測定した。測定場所は、ブレードの先端面の先端稜線部から100μmの位置とした。
測定する方法としては、図10に示すように、基材622のブレード先端面62aから基材622の奥行方向(基材622の長手方向に対し直交する方向)に向かって2mm、かつ長手方向に向かって10mmの矩形に基材622を切り出し、図11(A)の基材の斜視図および図11(B)の基材の正面図に示すように、切り出した基材をブレード先端面62aが上を向くようにスライドガラス上に接着剤や両面テープで固定し、先端稜線部62cから奥行方向に100μmの位置を測定位置として、マルテンス硬度(HM)を測定することができる。一方、図11(C)に示すように基材下面に表面層が形成された状態であっても、同様にマルテンス硬度(HM)を測定することができる。これとは別に、表面層を剃刀等によって切断し基材の先端面を露出させてマルテンス硬度(HM)を測定することもできる。 なお、下記で説明する表面層623のマルテンス硬度(HM)は、図11(C)に示すように基材下面に表面層が形成された状態で基材を切り出し、表面層623が上を向くようにスライドガラス上に接着剤や両面テープで固定し、上記方法によって測定される。
<表面層>
本実施形態のクリーニングブレードは、前記像担持体に当接する先端稜線部62cが表面層623によって形成され、この表面層623は、下記で説明する硬化性組成物により形成される(弾性部材との混合層ではない)。表面層623は、当接部および基材下面に形成されていればよく、ブレード先端面62aにも表面層を形成してもよい。また、弾性部材内部に硬化性組成物が含まれていても構わない。
表面層623は基材全面を覆っていてもいいが、当接部から基材下面の面方向に少なくとも1mm以上、好ましくは1mm以上7mm以下の領域にわたり形成されていることが好ましい。該領域が7mm以下であることにより、弾性部材の柔軟性を阻害せず、感光体への追従性が良好となりクリーニング性が良好となる。
表面層623としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化物のマルテンス硬度が、基材より硬いことが好ましい。表面層623は、弾性部材622の基材よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
前記クリーニングブレードの当接部に形成した表面層の前記硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱などによる処理などが挙げられる。
クリーニングブレードの弾性仕事率は、60%以上90%以下が好ましい。前記弾性仕事率はマルテンス硬度の測定時の積算応力から、以下のようにして求められる特性値である。前記マルテンス硬度は、バーコビッチ圧子を一定の力で、例えば、30秒間で押し込み、5秒間保持し、一定の力で30秒間抜く動作を行いながら微小硬度計を用いて計測する。
ここで、バーコビッチ圧子を押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとすると、弾性仕事率は、Welast/Wplast×100[%]の式で定義される特性値である(図4参照)。前記弾性仕事率が高いほど、塑性変形が少ない、即ち、ゴム性が高いことを表す。前記弾性仕事率が60%以上であることにより、当接部の動きが抑制されず、耐摩耗性が良好となる。
<硬化性組成物>
前記硬化性組成物とは、モノマーやオリゴマーが光や熱などのエネルギーを受けることにより重合硬化し硬化物(固形ポリマー)を形成する材料のことである。重合を開始させる活性種(ラジカル、イオン、酸、塩基など)を発生させる開始剤や刺激(電子線)の種類によってエネルギー源が異なり、例えば紫外線硬化性組成物、熱硬化性組成物、電子線硬化組成物等が挙げられる。
紫外線硬化組成物や電子線硬化組成物では、光重合開始剤が用いられ、紫外線や電子線を照射することで、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかに分類される硬化反応がおこり、ビニル重合、ビニル共重合、開環重合、付加重合などの重合反応により硬化物を生成する。
熱硬化性組成物は、熱重合開始剤が用いられ加熱することにより硬化反応が開始され、イソシアナート、ラジカル重合、エポキシ開環重合、メラミン系縮合などの重合反応により硬化物を生成する。
このような反応により生成する前記硬化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、またはポリエチレン骨格の樹脂組成物などが挙げられる。ただ、耐摩耗性に優れている点や、基材のウレタンゴムとのなじみや密着性が優れている点、さらにNCO基とOH基の制御により硬度や弾性仕事率などの物性を調整しやすい点からウレタン樹脂のようなポリウレタン系化合物が好ましい。
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、両末端NCO基のプレポリマーと硬化剤(NH基やOH基を有する化合物)の組み合わせが好ましい。両末端NCO基のプレポリマーとして、より好ましくは、PTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)の両末端に多官能イソシアネートを結合させたプレポリマーである。
前記プレポリマーの多官能イソシアネートは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、などが挙げられる。これらは、単独でPTMGと結合させて使用してもよいし、ヌレート体などにした上で使用してもよい。
記硬化剤としては、前記プレポリマーと反応可能なジオールやトリオール、ジアミンやトリアミンなどの化合物である。硬化剤としては、トリメチロールプロパン(TMP)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)などが挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレポリマーのPTMGの重合度は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明における表面層は、膜厚方向において表面から基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有している。このような硬度勾配は、例えば、次のようにして形成することができる。表面層は、硬化性組成物の当量比(プレポリマー中のNCO基の当量/硬化剤中のNH基やOH基の当量)を1よりも高く設計し、余剰のNCO基を使って硬化性組成物中のイソシアヌレート結合を多くし、架橋密度を上げることによって高硬度化することができる。硬化性組成物全体にわたって均一にイソシアヌレート結合を多くすると、全体的に硬くなりすぎて、脆くなる恐れがある。そこで、本発明においては、表面層における表面側の硬化性組成物のイソシアヌレート結合の量が、基材下面側におけるイソシアヌレート結合の量よりも多くなっていることが好ましい。このように表面層を形成することにより、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を得ることができる。基材下面側の表面層は、軟らかい基材の硬度に近くなり、ブレードとして追従性などの品質が安定する。表面層における表面側の硬化性組成物のイソシアヌレート結合の量を多くするには、例えば、基材に硬化性組成物を塗布した後、45℃/90%RHのような高温高湿環境下に数日放置し、余剰のNCO基の反応を完結させることで、表面層の表面側のシアヌレート化を基材下面側よりも多く進行させることにより可能となる。
前記表面層中のシロキサン系化合物としては、目的に応じて適宜選択することができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルを用いることにより、ブレードの摩擦係数を小さくし、摺動時の摩擦力を小さくしてブレードの摩耗を抑え、さらに摺動時のブレード先端部の挙動を安定化させる効果を発揮する。また、ポリウレタン系化合物を使用する形態では、一般的にポリウレタン系化合物は硬いため、変性シリコーンオイルを用いることにより前記ブレード先端部の挙動の安定化を促進させることができる。
変性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等が挙げられ、これらは市販されているものを利用でき、例えばSH8400(東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル)、FZ-2110(東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル)、SF8416(東レ・ダウコーニング製、アルキル変性シリコーンオイル)、SH3773M(東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル)、X-22-4272(信越シリコーン製ポリエーテル変性シリコーンオイル)等が挙げられる。
表面層中のシロキサン系化合物の含有量は、例えば8~15質量%であり、好ましくは8~10質量%である。
本発明における表面層は、本発明の効果が向上するという観点から、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有することが好ましい。前記マルテンス硬度HMの測定箇所は、少なくとも表面層の表面近傍および膜厚方向最深部の2箇所であり、さらに、これらの測定箇所の中間箇所でも測定することが好ましい。 表面層のマルテンス硬度(HM)は、前記基材のマルテンス硬度(HM)の測定方法と同様の方法で測定することができる。また、「表面層の表面近傍のマルテンス硬度HM」は、バーコビッチ圧子を1μNの荷重で10秒間押し込み、5秒間保持し、同じ荷重で10秒間抜いて測定する。同様に、「表面層の膜厚方向最深部のマルテンス硬度HM」は、バーコビッチ圧子を1000μNの荷重で10秒間押し込み、5秒間保持し、同じ荷重で10秒間抜いて測定する。また、「中間箇所のマルテンス硬度HM」は、バーコビッチ圧子を50μNの荷重で10秒間押し込み、5秒間保持し、同じ荷重で10秒間抜いて測定する。
本発明における表面層のマルテンス硬度HMは、前記表面近傍(荷重:1μN)から膜厚方向最深部(荷重:1000μN)の範囲で2.5~32.5N/mmであることが好ましく、4.0~21.0N/mmであることがさらに好ましい。 具体的には、本発明における表面層の表面近傍(荷重:1μN)のマルテンス硬度HMは、7.5~32.5N/mmであることが好ましく、17.0~21.0N/mmであることがさらに好ましい。 また、本発明における表面層の膜厚方向最深部(荷重:1000μN)のマルテンス硬度HMは、2.5~9.5N/mmであることが好ましく、3.5~5.0N/mmであることがさらに好ましい。 また、本発明における表面層の中間箇所(荷重:50μN)のマルテンス硬度HMは、4.0~18.0N/mmであることが好ましく、7.0~12.0N/mmであることがさらに好ましい。
さらに本発明における表面層は、本発明の効果が向上するという観点から、前記ナノインデンターを用いて測定したクリープCITが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低下する勾配を有し、前記クリープCITは、前記表面近傍(荷重:1μN)から前記膜厚方向最深部(荷重:1000μN)の範囲で3.0~13.5%であることが好ましく、5.0~12.0%であることがさらに好ましい。 具体的には、本発明における表面層の表面近傍(荷重:1μN)のクリープCITは、9.5~13.5%であることが好ましく、9.5~12.0%であることがさらに好ましい。 また、本発明における表面層の膜厚方向最深部(荷重:1000μN)のクリープCITは、3.0~7.5%であることが好ましく、3.0~6.5%であることがさらに好ましい。 また、本発明における表面層の中間箇所(荷重:50μN)ののクリープCITは、6.0~11.0%であることが好ましく、6.0~9.5%であることがさらに好ましい。
本実施形態のクリーニングブレード62は、弾性部材の被清掃部材の表面に当接する先端稜線部62cの捲れを抑制でき、使用時における弾性部材の先端稜線部62cの摩耗が少なく、良好なクリーニング性を長期間に亘って維持することができる。このため、各種分野に幅広く用いることができるが、以下に説明する画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジに特に好適に用いられる。
(トナー)
本発明で用いるトナー母体粒子は、例えば溶解懸濁法によって調製することができる。
溶解懸濁法については下記で詳細に説明するが、一般的に溶解懸濁法は、結着樹脂、着色剤等を含むトナー組成物を有機溶媒に溶解又は分散させて溶解液又は分散液を得、分散剤の存在する水系媒体中にこれを加え、通常の撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて、所望の粒度分布を有するトナーが得られるように分散させた後、有機溶媒を除去することによりトナースラリーを得る方法が挙げられる。トナーは、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥させることにより単離することができる。
溶解懸濁法では、溶媒に溶解させることができる樹脂であれば製造上利用することができる。具体的には、従来よりトナーに用いられている結着樹脂が挙げられ、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ポリオール樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などがある。
本発明では、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用することが好ましい。なお、ポリエステル樹脂は感光体汚染を引き起こしやすいものとして知られているが、本発明によれば、このような感光体汚染を抑制することが可能である。
以下、溶解懸濁法にて詳細を説明する。
<ポリエステル樹脂>
本発明で使用されるポリエステル樹脂としては以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物が挙げられ、いかなるものでも使用することができ、また数種のポリエステル樹脂を混合して使用してもよい。
(ポリオール)
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3′-ジフルオロ-4,4′-ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′-ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メタン、1-フェニル-1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル類など);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2~12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2~12のアルキレングリコールとの併用である。
更に、3~8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
尚、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリカルボン酸)
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3-フルオロイソフタル酸、2-フルオイソフタル酸、2-フルオロテレフタル酸、2,4,5,6-テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸、5-トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジカルボン酸、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’-ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4~20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸である。さらに3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9~20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、また上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。尚、上記ポリカルボン酸は1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリオールとポリカルボン酸の比)
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1~1/1、好ましくは1.5/1~1/1、さらに好ましくは1.3/1~1.02/1である。
(ポリエステル樹脂の分子量)
ピーク分子量は、通常1000~30000、好ましくは1500~10000、さらに好ましくは2000~8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
<変性ポリエステル樹脂>
本発明に使用される結着樹脂は、粘弾性調整のために、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有していてもよい。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂の含有割合は、前記結着樹脂中、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。含有割合が20%より多くなると低温定着性が悪化する。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂は、直接結着樹脂に混合してもよいが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性ポリエステル樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を結着樹脂に混合し、造粒中/又は造粒後に鎖伸長又は/及び架橋反応して該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂となる方が好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性ポリエステル樹脂を含有させることが容易となる。
(プレポリマー)
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
(イソシアネート基と水酸基の比)
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1~1/1、好ましくは4/1~1.2/1、さらに好ましくは2.5/1~1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5~40質量%、好ましくは1~30質量%、さらに好ましくは2~20質量%である。0.5質量%未満では、耐オフセット性が悪化する。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
(プレポリマー中のイソシアネート基の数)
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5~3個、さらに好ましくは、平均1.8~2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
(鎖伸長及び/又は架橋剤)
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン類を用いることができるが、必ずしも必要ではない。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1~B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、次のものが挙げられる。
芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ-p-キシリレンジアミン、テトラフルオロ-p-フェニレンジアミンなど);
脂環式ジアミン(4,4’-ジアミノ-3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);
および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1~B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1~B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
(停止剤)
さらに、必要により鎖伸長及び/又は架橋反応は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
<結晶性樹脂>
本発明のトナーには、低温定着性を向上させるために結晶性樹脂を含有してもよい。種類としては、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。結晶性ポリエステルも前述のポリオールとポリカルボン酸の重縮合物として得られるが、ポリオールとしては脂肪族ジオールが好ましく具体的にはエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、その中でも1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールや1,8-オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1,6-ヘキサンジオールである。ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や炭素数2~8の脂肪族カルボン酸が好ましいが、結晶化度を高くするためには脂肪族カルボン酸がより好ましい。
なお、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)と非結晶性樹脂とは熱特性で判別される。結晶性樹脂は、例えばDSC測定においてワックスのように明確な吸熱ピークを有する樹脂を指す。一方、非結晶性樹脂はガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される。
<着色剤>
本発明で使用できる着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1~15質量%、好ましくは3~10質量%である。
<離型剤>
本発明で使用できる離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)、モノ/ジエステルなどが挙げられる。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明のトナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm~2μmであることが好ましく、特に5nm~500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20~500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01~5質量%であることが好ましく、特に0.01~2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(高分子系微粒子)
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体、シリコン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
(外添剤の表面処理)
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコンオイル、変性シリコンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。離型剤が感光体表面を汚染し、メダカ、フィルミングが発生する場合には、表面処理をした外添剤の好ましい例としてシリコーンオイルを含むシリカ等の無機微粒子を挙げることができる。この外添剤を添加することによりクリーニング性が良好なトナーを提供することが出来る。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法を以下に例示するが、これに制限されるものではない。
<トナー粒子造粒工程>
(有機溶媒)
造粒に用いる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステル樹脂および着色剤は同時に溶解又は分散させてもよいが、通常それぞれ単独で溶解又は分散され、その際使用する有機溶媒はそれぞれ異なっていても同じでもよいが、後の溶媒処理を考慮すると同じ方が好ましい。また、ポリエステル樹脂を好適に溶解させる溶媒(単独または混合)を選択すると、本発明で好ましく用いられる離型剤はその溶解度の違いからほとんど溶解しない。
(ポリエステル樹脂の溶解又は分散)
ポリエステル樹脂の溶解又は分散液は、樹脂濃度が40%~80%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらい。また、濃度が低すぎると微粒子の製造量が少なくなり、除去すべき溶媒量が多くなる。ポリエステル樹脂に前記末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を混合する場合は、同じ溶解又は分散液に混合してもよいし、別々に溶解又は分散液を作製してもよいが、それぞれの溶解度と粘度を考慮すると、別々の溶解又は分散液を作製する方が好ましい。
(水系媒体)
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。樹脂微粒子100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50~2000質量部、好ましくは100~1000質量部である。
(無機分散剤および有機樹脂微粒子)
上記水系媒体中に、前記のポリエステル樹脂および離型剤の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
(界面活性剤)
また、上記樹脂微粒子を製造する際に、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2~10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3-[ω-フルオロアルキル(C6~C11)オキシ]-1-アルキル(C3~C4)スルホン酸ナトリウム、3-[ω-フルオロアルカノイル(C6~C8)-N-エチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11~C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7~C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4~C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N-プロピル-N-(2-ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6~C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6~C10)-N-エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6~C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6-C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
(保護コロイド)
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α-シアノアクリル酸、α-シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β-ヒドロキシエチル、メタクリル酸β-ヒドロキシエチル、アクリル酸β-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β-ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N-メチロ-ルアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000~30000rpm、好ましくは5000~20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0~150℃(加圧下)、好ましくは20~80℃である。
(油相作製工程)
有機溶媒中に樹脂、着色剤、離型剤などを溶解あるいは分散させた油相を作製する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前述のように着色剤のマスターバッチ化も手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行いウエットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行ってもよい。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行ってもよい。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
(トナー粒子作製工程)
水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなる芯粒子が分散した分散液を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2~20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000~30000rpm、好ましくは5000~20000rpmである。回転数によって円形度を制御することができ、早ければ円形度は下がる。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1~5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。分散時の温度としては、通常、0~40℃、好ましくは10~30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。
界面活性剤は、前述の樹脂微粒子の製造法に関する説明で記載したものと同じものが使用できるが、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1~10質量%、好ましくは2~8質量%、より好ましくは3~7質量%の範囲にあるのがよい。10質量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1質量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくはない。
(脱溶剤)
得られた着色樹脂分散体から有機溶剤を除去するために、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
(伸長又は/及び架橋反応)
ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を導入する目的で、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を添加する場合は、別途添加するアミン類との反応、もしくは一部のイソシアネート基が例えば水との反応によってアミノ基となって他のイソシアネート基と反応が起こる。アミン類を別途添加する場合は、水系媒体中にトナー組成物を分散する前に油相中でアミン類を混合してもよいし、水系媒体中にアミン類を加えてもよい。上記反応に要する時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造と、加えたアミン類との反応性により選択されるが、通常1分~40時間、好ましくは1~24時間である。反応温度は、通常、0~150℃、好ましくは20~98℃である。
<洗浄、乾燥工程>
水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温~約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
<外添処理>
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
本発明のトナーは、円形度が0.950以上であることが必要である。上述のように、特許文献1に記載のクリーニングブレードは、高硬度が原因となりトナーがニップ部で変形し感光体やクリーニングブレードに付着し易く、クリーニング後の感光体が汚染されてしまうという問題があった。本発明のトナーは、円形度が0.950以上であることにより、また下記で説明する加振移送式流動性測定における総排出量の要件を満たすことにより、該ニップ部内でトナーが転がり、変形が抑制される。
前記円形度は、0.955以上が好ましく、0.960以上がさらに好ましい。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA-2000(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100~150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1~0.5ml加え、更に測定試料(トナー)を0.1~0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1~3分間分散処理し、分散液濃度が3000~1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図7(A)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図7(B)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
また本発明のトナーは、下記条件に従う加振移送式流動性測定における総排出量が0.85g以上であり、かつ総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間が150秒以上であることが必要である。
加振移送式流動性測定条件
使用装置:加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)
トナー投入量:1.00g
加振周波数:30Hz
測定温度:23℃
測定湿度:50%RH
加振移送式流動性測定は公知であり、例えば特開2018‐084640号公報に記載されている。前記測定装置は、アルミニウム性のボウルを備え、その中に測定トナーを投入し、前記加振周波数による微振動を加え、該ボウルの内側に設けたスパイラル状のスロープのトナーが登って行き、頂上に設けた排出口から出たトナーを受け皿に受け、天秤で測るというものである。
加振移送性流動性測定における総排出量は、被付着物が動いている状態でのトナーの付着性を示しており、付着性が高いと値は低くなる。加振移送性流動性測定における排出されるまでの時間は、振動を与えたときのトナーの流動化状態を表しており、振動を与えたときに流動化しやすいほど重力に従ってスロープを落ちようとするため、排出されるまでの時間が多くかかる。したがって「総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間」を測定することにより、トナーの流動性を評価できる。総排出量の1/10が排出された時点は流動性の低いトナーが総排出量の1/10排出された時点と言える。
前記総排出量は、0.85以上であり、0.88g以上であることが好ましく、前記総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間は150以上であり、200秒以上であることが好ましい。これらの条件を満たすことにより、ニップ部内でトナーが転がり、トナーの変形が抑制され、像担持体やクリーニングブレードに対するトナーの付着を抑制し、優れたクリーニング性を付与できる。
前記「総排出量」は、トナーの粒径、円形度、外添剤の量などで調整することができ、「粒径を大きくする」、「円形度を高くする」および/または「外添剤の総量を多くする」と総排出量は上がる傾向にある。
前記「総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間」は、外添剤のバランスによって調整することができる。小径の外添剤量を増やすと、トナー全体の流動性が良くなり、該時間は長くなる傾向にある。また多段外添混合や、予め外添剤を解砕しておくことで、より均一に外添することができ、これによっても該時間を長くすることができる。
加振移送性流動性測定はトナーの流動性を評価するものであるが、同じ流動性評価方法である、ゆるみ見かけ密度や、パウダーテスターによる凝集度では、トナーのクリーニング性との相関はあまり見られなかった。この理由としては、推測ではあるが、クリーニングブレードが感光体との摩擦で微小振動しており、加振移送性流動性測定はその振動状態を長期間付与した結果のトナーの付着力・流動化状態を示すものであり、実機との相関が得られたと考えられる。
本発明のトナーは、体積平均粒径が5.0μm~7.0μmが好ましく、5.5μm~6.5μmがさらに好ましい。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。 解析方法の具体例を説明する。1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100~150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1~5ml加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2~20mg加え、超音波分散器で約1~3分間、分散処理する。 そして、別のビーカーに電解水溶液100~200mlを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。 アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。 チャンネルとしては、2.00~2.52μm未満;2.52~3.17μm未満;3.17~4.00μm未満;4.00~5.04μm未満;5.04~6.35μm未満;6.35~8.00μm未満;8.00~10.08μm未満;10.08~12.70μm未満;12.70~16.00μm未満;16.00~20.20μm未満;20.20~25.40μm未満;25.40~32.00μm未満;32.00~40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とする。
そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
(画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ)
本発明の画像形成方法は、像担持体に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する工程と、前記可視像を記録媒体に転写する工程と、被清掃部材である前記像担持体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する工程とを順次有し、クリーニングブレードおよびトナーが前記諸条件を満足するものである。
本発明の画像形成装置は、像担持体に静電潜像を形成する手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する手段と、前記可視像を記録媒体に転写する手段と、被清掃部材である前記像担持体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する手段とを順次有し、クリーニングブレードおよびトナーが前記諸条件を満足するものである。
また本発明のプロセスカートリッジは、該画像形成装置を用いることを特徴とする。
好適な形態において本発明の画像形成方法は、像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを有する。像担持体にはクリーニング補助手段として潤滑剤が塗布される機構を備えていてもよい。 また好適な形態において本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する。像担持体にはクリーニング補助手段として潤滑剤が塗布される機構を備えていてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有し、クリーニング補助手段として該潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する機構を備えていてもよい。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタ500という)の一実施形態(以下、実施形態という)について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタ500の基本的な構成について説明する。
図5は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
四つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,C,M,Kが備える感光体3Y,C,M,Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。このような構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第一給紙カセット151、第二給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体である転写紙Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第一給紙ローラ151a、第二給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第一給紙ローラ151aが駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第一給紙カセット151内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第二給紙ローラ152aが駆動手段によって図5中反時計回りに回転駆動せしめられると、第二給紙カセット152内の一番上の転写紙Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図5中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、搬送ローラ対154から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図6は、四つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。 図6に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。 感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62は本発明のクリーニングブレードである。潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持されることが好ましい。
本実施形態の帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。 また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。 これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600~800nmの長波長光を有するため、良好に使用される。
転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第一ブラケット63、第二ブラケット64などを備えている。また、四つの一次転写ローラ7Y,C,M,K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。四つの一次転写ローラ7Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト14を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト14上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の四色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で転写紙Pに一括二次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第一ブラケット63は、ソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。プリンタ500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第一ブラケット63を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、四つの作像ユニット1Y,C,M,Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する
直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が転写紙Pに定着される。
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する四つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,C,M,Kの現像装置5Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、作像ユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
次に、プリンタ500における画像形成動作を説明する。 操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,C,M,Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで転写紙Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。 また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500の作像ユニット1は、図6に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとしてプリンタ500本体から一体的に着脱可能となっている。プリンタ500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」、「%」とあるのは特記しない限り質量基準である。また、実施例7、8とあるのは、本発明に含まれない参考例7、8とする。
弾性部材の基材としては、JIS-A硬度、23℃反発弾性率、マルテンス硬度(HM)が以下のようなウレタンゴムを遠心成形で作製した。 JIS-A硬度:75° 23℃反発弾性率:45% マルテンス硬度(HM):0.9N/mm 測定方法を以下に示す。
<基材のJIS-A硬度>
弾性部材の基材下面側のJIS-A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD-1を用い、JIS K6253に準じて測定した(23℃)。
<基材の反発弾性率>
弾性部材の基材の反発弾性率は、23℃で、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚み4mm以上となるように厚み2mmのシートを重ね合わせたものを用いた。
<基材のマルテンス硬度>
上述の方法に従い、基材のマルテンス硬度(HM)を測定した。
<表面層形成>
表面層を形成するための硬化性組成物に使用した材料を以下に示す。
-イソシアネート-
・MDI(4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート):東ソー製「ミリオネートMT」
・水添MDI(ジシクロヘキシルメタン4,4′-ジイソシアナート):東京化成工業製
・TDI(2,4-トリレンジイソシアネート):東ソー製「コロネートT-100」
-ポリオール-
・PTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール):三菱化学製「PTMG1000」「PTMG2000」、「PTMG3000」
-硬化剤-
・DDM(4,4′-ジアミノジフェニルメタン):東京化成工業製
・TMP(トリメチロールプロパン):三菱ガス化学製
-触媒-
・ジオクチル錫ジラウレート:日東化成製「ネオスタンU-810」
-シロキサン系化合物-
・SH8400:東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル
・FZ-2110:東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル
・SF8416:東レ・ダウコーニング製、アルキル変性シリコーンオイル
-両末端NCO基のプレポリマーの合成-
下記表1に示すように、所望のNCO%となるように、イソシアネートとポリオールを混合し、窒素パージ下で80℃、180分間攪拌して反応させることで、両末端NCO基のプレポリマー1~2を調製した。
Figure 0007180423000001
-硬化性組成物の調製-
表2に示す当量比(プレポリマー中のNCO基の当量/硬化剤中のNH基やOH基の当量)となるように、真空雰囲気下、上記プレポリマー1~2、硬化剤、触媒、シロキサン系化合物を室温で3分間混合し(質量部)、十分に脱泡した。これにより硬化性組成物を調製した。
なお、硬化剤のうち、DDMは固形分40%、TMPは固形分10%になるようにMEKで希釈して使用した。
Figure 0007180423000002
<トナーの作製>
[ポリエステル1の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物525部、テレフタル酸205部、アジピン酸47部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10~15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量2600、重量平均分子量6900、Tg44℃、酸価26であった。
[プレポリマー1の合成]
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10~15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
[マスターバッチ1の作成]
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS-801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ-ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
[顔料・WAX分散液1(油相)の作製]
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、パラフィンワックス 181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の425部と230部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるように加えて調整した。
[水相作成工程]
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン-メタクリル酸-アクリル酸ブチル-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7:三洋化成工業製)140部、90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[乳化工程]
[顔料・WAX分散液1]975部、アミン類としてイソホロンジアミン2.6部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
[脱溶剤工程]
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[洗浄・乾燥工程]
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。このときのろ液は、乳白色であった。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて42℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。平均円形度は0.973、体積平均粒径(Dv)は6.2μmであった。
ついで、この[トナー母体1]100部にH20TM(負帯電性シリカ、日本アエロジル社製)1.0部、RY50(負帯電性シリカ、日本アエロジル社製)1.5部、MSP009(正帯電性シリカ、テイカ社製)0.2部を添加し、ヘンシェルミキサーで外添混合し、実施例1に使用する[トナー1]を得た。
次に、乳化工程の回転数を変えて円形度を振り、添加する外添剤量(部)を表3のようにする以外は[トナー1]と同様にして、[トナー2]~[トナー9]を作製した。
Figure 0007180423000003
<実施例および比較例のクリーニングブレードの作製>
厚み1.8mmの短冊形状の基材の先端面から4mm幅を残して基材下面にマスキングし、実施例および比較例の硬化性組成物を基材下面に各種平均膜厚の表面層が形成されるように塗工した。
具体的には、スプレー塗工により基材の先端面から6mm/sのスプレーガン移動速度にて基材の下面全面に重ね塗りを行った。その後、マスキングをはがし、90℃の恒温槽で1時間加熱を行った後、45℃/90%RHの恒温槽で48時間放置して反応を完結させた。 その後、先端面から1mmのところで切断して当接部を形成した。
次に、前記当接部に表面層が形成された各弾性部材をカラープリンター(IPSiO SP C310、リコー社製)のプロセスカートリッジに搭載できるように板金ホルダー(支持部材)に接着剤で固定した。以上により、当接部に表面層が形成された実施例および比較例のクリーニングブレードを作製した。
作製したクリーニングブレードについて、以下のようにして、諸特性を測定した。
<表面層のマルテンス硬度HM>
実施例および比較例における表面層のマルテンス硬度(HM)を上述のようにして測定した。測定位置は、先端稜線部から奥行方向20μmの位置とした。なお、測定箇所は両端の2cmの部分を除いた位置とした。
<表面層の平均膜厚>
図8は、実施例および比較例におけるクリーニングブレードの当接部の厚みの測定箇所を示す断面図である。
図8に示すように、前記弾性部材を長手方向に対して直交する面で輪切りにし、この断面を上向きにして、デジタルマイクロスコープVHX-2000(キーエンス社製)で観察した。測定箇所は、前記断面のブレード当接部(先端稜線部)である。 前記弾性部材を輪切りにする方法としては、弾性部材の長手方向の厚みが3mmとなるように、弾性部材の長手方向に対して垂直に剃刀を用いて切断した。その際、垂直スライサーを用いると断面をよりきれいに切ることができる。前記弾性部材を輪切りにする長手方向の位置は、両端の2cmの部分を除いた位置とした。
<トナーの加振移送式流動性測定>
下記条件に従う加振移送式流動性測定を行った。
加振移送式流動性測定条件
使用装置:加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)
トナー投入量:1.00g
加振周波数:30Hz
測定温度:23℃
測定湿度:50%RH
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、ボウルの中心部に測定用トナー1.00gを投入し、加振周波数を30Hzとして、ボウルを振動させた。 加振移送式流動性測定装置の駆動を開始した時を0秒として、1秒間隔で排出されたトナーの重量を計測・記録し、10秒間のトナーの重量の値の差が0.002gの範囲になったときをトナーが落下しなくなったときとし、そのときの排出量の合計を、「総排出量」とした。また、「総排出量」の10分の1が排出された時間(秒)を確認し、その時間を「総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間」(1/10時間)とした。
<品質評価>
表1に記載の各クリーニングブレードを、カラープリンター(IPSiO SP C310、リコー社製)のプロセスカートリッジに取り付け、画像形成装置を組み立てた。
なお、クリーニングブレードは、線圧:50g/cm、クリーニング角:79°となるように取り付けた。
(クリーニング性)
評価画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートをA4サイズ横で、20枚出力し、得られた画像を目視観察し、クリーニング不良による画像異常の有無により、クリーニング性を評価した。
[評価基準]
○:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上に目視で確認できず、感光体上を長手方向に顕微鏡で観察してもトナーのスジ状のすり抜けが確認できない。
△:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できないが、顕微鏡で観察するとトナーのスジ状のすり抜けが確認できる。
×:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できる。
(感光体摩耗)
評価画像として、画像面積率2%のパターンをA4サイズ横で、1000枚出力し、評価前後で感光体の膜厚を測定し、摩耗量を測定した。
[評価基準]
○:0.3μm以下
△:0.3μmより多く、0.6μm以下
×:0.6μmより多い
(感光体汚れ)
前記画像形成装置を45℃/95%RHの恒温槽に10日間放置した。その後、実験室環境:23℃/50%RHにおいて前記画像形成装置でハーフトーン画像を連続5枚印刷し、画像品質を確認した。
[評価基準]
○:1枚目から5枚目まで画像に不具合はなし。品質に何ら問題なし
△:1枚目から感光体周期のスジのある画像が出たが、通紙する毎に感光体周期のスジが薄くなり、5枚目にはなくなった。品質上問題なし
×:1枚目から5枚目まで感光体周期のスジがあり、薄くなる傾向もない。品質上問題あり
結果を表4に示した。
Figure 0007180423000004
表4において、各実施例は、クリーニング性、感光体摩耗、感光体汚れのいずれも十分な結果を示した。
比較例1は表面層が形成されず、比較例2は表面層のマルテンス硬度の範囲が本発明の範囲外であり、比較例3はトナーの円形度が本発明の範囲外であり、比較例4は総排出量が本発明の範囲外であり、比較例5は1/10時間が本発明の範囲外であるので、上記諸特性を同時に満足することができなかった。
1 作像ユニット
2 枠体
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
621 支持部材
622 基材
623 表面層
624 弾性部材
63 第一ブラケット
64 第二ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
83 加熱ローラ
84 定着ベルト
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100 トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
123 像担持体
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 画像形成装置(プリンタ)
特開2017-97220号公報

Claims (6)

  1. 像担持体に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する工程と、前記可視像を記録媒体に転写する工程と、被清掃部材である前記像担持体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する工程とを順次有する画像形成方法であって、
    前記クリーニングブレードは、前記被清掃部材の表面に当接して前記被清掃部材の表面に付着したトナーを除去する弾性部材を備え、
    前記弾性部材は、基材と、硬化性組成物の硬化物からなる表面層とを有し、
    前記表面層は、前記被清掃部材と当接する当接部よりも前記被清掃部材の進行方向下流側と対向する基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
    前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、前記マルテンス硬度HMは、表面近傍(荷重:1μN)から膜厚方向最深部(荷重:1000μN)の範囲で2.5~32.5N/mmであり、
    前記表面層は、シロキサン系化合物を含有し、前記表面層中の前記シロキサン系化合物の含有量は、8~15質量%であり、
    前記トナーは、円形度が0.950以上であり、下記条件に従う加振移送式流動性測定における総排出量が0.85g以上であり、かつ総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間が150秒以上である
    ことを特徴とする画像形成方法。
    加振移送式流動性測定条件
    使用装置:加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)
    トナー投入量:1.00g
    加振周波数:30Hz
    測定温度:23℃
    測定湿度:50%RH
  2. 前記表面層の平均膜厚が、10μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーの、加振移送式流動性測定における総排出量が0.88g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間が200秒以上であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 像担持体に静電潜像を形成する手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する手段と、前記可視像を記録媒体に転写する手段と、被清掃部材である前記像担持体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する手段とを順次有する画像形成装置であって、
    前記クリーニングブレードは、前記被清掃部材の表面に当接して前記被清掃部材の表面に付着したトナーを除去する弾性部材を備え、
    前記弾性部材は、基材と、硬化性組成物の硬化物からなる表面層とを有し、
    前記表面層は、前記被清掃部材と当接する当接部よりも前記被清掃部材の進行方向下流側と対向する基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
    前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、前記マルテンス硬度HMは、表面近傍(荷重:1μN)から膜厚方向最深部(荷重:1000μN)の範囲で2.5~32.5N/mmであり、
    前記表面層は、シロキサン系化合物を含有し、前記表面層中の前記シロキサン系化合物の含有量は、8~15質量%であり、
    前記トナーは、円形度が0.950以上であり、下記条件に従う加振移送式流動性測定における総排出量が0.85g以上であり、かつ総排出量の1/10の量が排出されるまでの時間が150秒以上である
    ことを特徴とする画像形成装置。
    加振移送式流動性測定条件
    使用装置:加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)
    トナー投入量:1.00g
    加振周波数:30Hz
    測定温度:23℃
    測定湿度:50%RH
  6. 請求項に記載の画像形成装置を用いたプロセスカートリッジ。
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