JP7180353B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7180353B2
JP7180353B2 JP2018234512A JP2018234512A JP7180353B2 JP 7180353 B2 JP7180353 B2 JP 7180353B2 JP 2018234512 A JP2018234512 A JP 2018234512A JP 2018234512 A JP2018234512 A JP 2018234512A JP 7180353 B2 JP7180353 B2 JP 7180353B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
kneading
rubber composition
mass
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018234512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020094157A (ja
Inventor
貴浩 河地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2018234512A priority Critical patent/JP7180353B2/ja
Publication of JP2020094157A publication Critical patent/JP2020094157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7180353B2 publication Critical patent/JP7180353B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、環境意識の高まりを受けて、自動車の燃費向上のため、タイヤの転がり抵抗低減が求められている。
一般的に、転がり抵抗を低減するためには、トレッドゴムにシリカを配合する手法が使用されるが、シリカを配合すると、混練後のムーニー粘度が高くなり、加工性が低下するという課題がある。シリカは、表面がシラノール基に覆われた親水性の素材であり、タイヤ用ゴム組成物に使用されるジエン系ゴムには混ざりにくいが、シランカップリング剤と併用することにより、シリカとシランカップリング剤が重縮合によって結合し、シリカの表面が疎水化されるため、ジエン系ゴムにも容易に分散させることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、最近では、各国でのタイヤラベリング制度の施行により、低燃費性のみならず、低燃費性と背反する性能である耐摩耗性やウェットグリップ性能を高次元で両立させることがトレッドゴムに求められているが、現在の技術ではこの要求の達成は不充分である。
特開2002-363346号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能の総合性能が改善されたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を投入して混練し、第一混練物を得る第一工程と、前記第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る第二工程と、前記第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る第三工程とを含み、前記第一工程において、130~140℃の範囲内で設定された反応温度を維持しながら、前記ゴム成分、前記シリカ及び前記シランカップリング剤を混練する反応処理を、下記式(1)及び(2)を満たすまで実施するタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
式(1) ΔG*t/ΔG*0×100<80
(式中、ΔG*0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差であり、ΔG*tは、ΔG*0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差である。)
式(2) Vt/V0×100<80
(式中、V0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の130℃におけるムーニー粘度であり、Vtは、V0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の130℃におけるムーニー粘度である。)
前記シランカップリング剤が下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤であることが好ましい。
Figure 0007180353000001
Figure 0007180353000002
(式中、xは0以上の整数、yは1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
前記タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、キャップトレッド用ゴム組成物を製造することが好ましい。
本発明によれば、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を所定の温度で混練する反応処理を、式(1)、(2)を満たすまで実施することにより、低燃費性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能の総合性能が改善されたタイヤ用ゴム組成物を製造することができる。
本発明は、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を投入して混練し、第一混練物を得る第一工程と、前記第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る第二工程と、前記第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る第三工程とを含み、前記第一工程において、130~140℃の範囲内で設定された反応温度を維持しながら、前記ゴム成分、前記シリカ及び前記シランカップリング剤を混練する反応処理を、下記式(1)及び(2)を満たすまで実施するタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
式(1) ΔG*t/ΔG*0×100<80
(式中、ΔG*0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差であり、ΔG*tは、ΔG*0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差である。)
式(2) Vt/V0×100<80
(式中、V0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の130℃におけるムーニー粘度であり、Vtは、V0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の130℃におけるムーニー粘度である。)
シリカとシランカップリング剤との重縮合反応が促進され、シリカの分散性が向上すると、低歪み領域のG*と高歪み領域のG*との差で定義されるΔG*(ペイン効果)や、ムーニー粘度が低下する。式(1)のΔG*t/ΔG*0×100は、反応処理を実施しなかった例のΔG*を基準として、反応処理を実施した例のΔG*がどれだけ低下したかを示す指標であり、式(2)のVt/V0×100は、反応処理を実施しなかった例のムーニー粘度を基準として、反応処理を実施した例のムーニー粘度がどれだけ低下したかを示す指標である。よって、これらの指標から、シリカの分散度合を判断することができる。これを利用して、上記製造方法では、第一工程において、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を混練する反応処理を、式(1)、(2)を満たすまで実施することにより、シリカが良好に分散させることができると考えられる。
また、変性ゴムを第一工程で投入した場合、シリカと変性ゴムとの反応が起こることで、シリカとシランカップリング剤の反応が阻害されるため、第一工程で反応処理を実施しても、シリカとシランカップリング剤の反応を充分に促進することができず、式(1)、(2)を満たす第一混練物を得ることが困難となるおそれがある。これに対し、上記製造方法では、第一工程において、変性ゴムではなく、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴム(非変性SBR)を投入する。該非変性SBRは、変性ゴムと比較して、シリカとシランカップリング剤との反応を阻害しにくく、さらに、高分子量であることにより、第一工程における反応温度への到達が促進されるとともに、到達後の温度制御が容易となることで、シリカとシランカップリング剤との反応促進効果が向上する。その結果、シリカが良好に分散し、低燃費性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能の総合性能が改善されたタイヤ用ゴム組成物を製造することが可能となると考えられる。
なお、G*(せん断モードの複素弾性率)の測定は、通常、ゴムが加硫された状態で実施するが、上記製造方法では、ゴムが未加硫の状態で実施する。これにより、純粋なシリカの分散の影響を抽出することができるため、シリカの分散性を精度よく見積もることが可能となる。
まず、上記製造方法で使用する各成分について説明する。
(ゴム成分)
ゴム成分としては、重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴム(非変性SBR)を使用する。
上記非変性SBRの市販品としては、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
上記非変性SBRの重量平均分子量(Mw)は、80万以上であればよいが、好ましくは
100万以上、より好ましくは120万以上であり、また、好ましくは155万以下、より好ましくは145万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の上記非変性SBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記非変性SBR以外に使用できるゴム成分としては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。なお、上記非変性SBR以外のSBR(変性SBRや、Mw80万未満の非変性SBR)を使用することも可能である。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、高シス含量のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。また、BRは、変性BRであってもよい。市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
変性BRや変性SBRに導入される官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
BRのシス含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(シリカ)
シリカとしては、とくに制限されるわけではないが、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)や湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)などがあげられ、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。シリカは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリカの市販品としては、エボニック社製のウルトラシルVN3などが挙げられる。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上であり、また、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは70質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは90質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、第一工程における反応処理時の温度制御が容易であること、ゴム組成物の補強性改善効果に優れるなどの点から、下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤を好適に使用できる。
Figure 0007180353000003
Figure 0007180353000004
(式中、xは0以上の整数、yは1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
式(I)で示される結合単位Aと式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤は、ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC-S-C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは、結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Aの-C15部分が結合単位Bの-SH基を覆うため、ポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
上記構造のシランカップリング剤において、結合単位Aの含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは99モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。また、結合単位Bの含有量は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは65モル%以下、更に好ましくは55モル%以下である。また、結合単位A及びBの合計含有量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、特に好ましくは100モル%である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、結合単位A、Bの含有量は、結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位A、Bを示す式(I)、(II)と対応するユニットを形成していればよい。
のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などがあげられる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などがあげられる。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1~12である。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、1-オクテニル基などがあげられる。該アルケニル基の炭素数は、好ましくは2~12である。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基などがあげられる。該アルキニル基の炭素数は、好ましくは2~12である。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基などがあげられる。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~12である。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1-プロペニレン基、2-プロペニレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、1-ペンテニレン基、2-ペンテニレン基、1-ヘキセニレン基、2-ヘキセニレン基、1-オクテニレン基などがあげられる。該アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2~12である。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基などがあげられる。該アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2~12である。
式(I)で示される結合単位Aと式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3~300の範囲が好ましい。この範囲内であると、結合単位Bのメルカプトシランを、結合単位Aの-C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
式(I)で示される結合単位Aと式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT-Z30、NXT-Z45、NXT-Z60などを使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは6質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(加硫薬品)
加硫薬品としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤などが挙げられ、加硫剤、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫剤としては、有機過酸化物、硫黄系加硫剤などを使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどが挙げられる。市販品としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、硫黄系加硫剤が好ましく、硫黄がより好ましい。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系、アルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系が好ましく、スルフェンアミド系、グアニジン系の併用がより好ましい。
上記製造方法により得られるゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
(その他の成分)
上記製造方法により得られるゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、ワックス、オイル、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などを配合することができる。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは75m/g以上、より好ましくは95m/g以上、更に好ましくは110m/g以上であり、また、好ましくは160m/g以下、より好ましくは130m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217-2:2001に準拠して測定される値である。
上記製造方法により得られるゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物がワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物が老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物がステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記製造方法により得られるゴム組成物が酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
次に、上記製造方法における各混練工程について説明する。
(第一工程)
第一工程は、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を投入して混練し、第一混練物を得る工程である。
この工程では、130~140℃の範囲内で設定された反応温度を維持しながら、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を混練する反応処理を、下記式(1)及び(2)を満たすまで実施する。これにより、シリカとシランカップリング剤の反応を充分に促進させることができる。
式(1) ΔG*t/ΔG*0×100<80
(式中、ΔG*0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差であり、ΔG*tは、ΔG*0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差である。)
式(2) Vt/V0×100<80
(式中、V0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の130℃におけるムーニー粘度であり、Vtは、V0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の130℃におけるムーニー粘度である。)
反応温度が130℃以上であれば、シリカとシランカップリング剤の反応速度が速く、シリカを充分に疎水化することができるため、必要なシリカの分散やシリカとポリマーとの結合を確保することができる。また、反応温度が140℃以下であれば、シリカの分散を阻害するシランカップリング剤とポリマーとの反応を抑制することができる。
効果がより良好に得られるという理由から、式(1)、(2)の上限は、好ましくは70、より好ましくは60、更に好ましくは55である。
以下、第一工程の手順を説明する。例えば、反応温度を140℃に設定した場合、混練中にゴム温度が140℃に到達したら、140℃を維持するように、ミキサーの回転数、ラムの降下圧力、チャンバー内の温度などを調整しながら混練を行う(反応処理)。この反応処理を、第一混練物が式(1)、(2)を満たすまで、所定の時間実施する。そして、第一混練物が式(1)、(2)を満たすために必要な時間が経過すると、混練を終了し、第一混練物を混練機から排出する。このようにして得られた第一混練物のG*、ムーニー粘度を測定し、ΔG*t、Vtを算出する。
なお、この例において、ΔG*0、V0は、ゴム温度が140℃に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物(反応処理を実施せずに第一工程を終了して得られた混練物)の測定結果に基いて決定する。ΔG*0、V0は反応温度毎に異なるため、反応温度を変更する場合、変更した反応温度におけるΔG*0、V0を決定する必要がある。
第一混練物が式(1)、(2)を満たすために必要な反応処理の時間は、混練に用いる混練機の種類、第一混練物の配合内容、設定された反応温度などに応じて異なるが、通常、40~800秒が好ましく、60~750秒がより好ましい。
反応処理中のゴム温度(混練物の温度)は、シリカとシランカップリング剤との反応や、シランカップリング剤とゴム成分との反応に影響する。よって、得られるゴム組成物の品質安定化の観点から、反応処理中のゴム温度は、できる限り一定であることが好ましく、具体的には、設定された反応温度の±3℃の範囲であることが好ましい。
第一工程で使用する混練機としては、密閉型のバンバリーミキサーが好ましい。バンバリーミキサーのローターの形状は、接線式、噛合式のいずれであってもよい。
第一工程で投入するゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤は、全量であっても一部であってもよいが、全量であることが好ましい。ただし、ゴム成分として変性BR、変性SBRなどの変性ゴムを使用する場合、第一工程で変性ゴム以外のゴム成分を投入し、第二工程で変性ゴムを投入することが好ましい。
第一工程では、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤以外に、他の成分を投入して混練してもよい。他の成分としては、加硫薬品以外の成分であれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、オイル、老化防止剤、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛などが挙げられる。
(第二工程)
第二工程は、第一工程で得られた第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る工程である。第二工程を設けることで、シリカの分散が更に促進される。
なお、第二工程では、第一混練物のみを混練してもよいし、第一混練物とともに、他の成分を投入して混練してもよい。
第二工程の混練は、第一工程と同様の条件で実施することが好ましい。すなわち、第二工程においても、第一工程と同様の反応処理を実施することが好ましい。また、使用する混練機も、第一工程と同様、密閉型のバンバリーミキサーが好ましい。
(第三工程)
第三工程は、第二工程で得られた第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る工程である。
第三工程では、混練中のゴム温度の上昇によってスコーチが発生することを防止するため、ゴム温度が所定の温度(好ましくは60~120℃)に達した時点で混練を終了し、未加硫ゴム組成物を混練機から排出することが好ましい。また、第三工程の混練時間は特に限定されないが、1~15分程度が好ましい。
第三工程で使用する混練機は、第一工程と同様、密閉型のバンバリーミキサーであってもよいし、オープンロールであってもよい。
(その他の工程)
第三工程で得られた未加硫ゴム組成物を、タイヤ部材(好ましくはキャップトレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧する(加硫工程)ことで、タイヤを製造することができる。加硫温度は、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。加硫時間は、通常5~15分である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1:日本ゼオン(株)製のNS616(非変性SBR、Mw:53万)
SBR2:TRINSEO社製のSLR6430(非変性SBR、Mw:145万、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
変性SBR:下記製造例1で合成した変性SBR(Mw:88万)
BR:日本ゼオン(株)製のBR1220(シス含量:96質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220(NSA:114m/g)
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3(平均一次粒子径:15nm、NSA:175m/g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX-140
シランカップリング剤:Momentive社製のNXT-Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン)
(製造例1)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3-ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n-ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で1,3-ブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて反応を行った。重合反応終了後、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性SBRを得た。
(実施例及び比較例)
(第一工程)
表1に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料をバンバリーミキサーに投入して混練し、第一混練物又は未反応処理混練物を得た。なお、表2~6の例は配合Bを、表7の例は配合Aを、表8の例は配合Cを使用した。混練は、設定された反応温度にゴム温度が到達してから、ゴム温度が反応温度の±3℃となるように調整しながら実施し、所定の時間(反応時間)が経過した時点で終了した。各例の反応温度、反応時間は表2~8に示したとおりである。
(第二工程)
得られた第一混練物又は未反応処理混練物を、バンバリーミキサーに投入して更に混練し、第二混練物を得た。混練の条件は第一工程と同様である。
(第三工程)
得られた第二混練物、硫黄及び加硫促進剤をオープンロールに投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。混練は、ゴム温度が110℃になった時点で終了した。混練時間は2分であった。
(加硫工程)
得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で12分間加硫して試験用タイヤを得た。
上記で得られた第一混練物、未反応処理混練物、未加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表2~8に示す。
(ムーニー粘度)
JIS K6300に従い、130℃で、上記第一混練物又は未反応処理混練物のムーニー粘度を測定した。結果は、比較例1を100として指数表示した(第一工程後のVIS指数)。指数が小さいほど加工性に優れることを示す。
また、設定された反応温度ごとに、式(2)のVt/V0×100を算出した(VIS低下率)。
(ペイン効果)
RPA2000(アルファテクノロジーズ社製)を使用し、上記第一混練物又は未反応処理混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*とを測定し、ΔG*を算出した。結果は、比較例1を100として指数表示した(第一工程後のΔG*指数)。
また、設定された反応温度ごとに、式(1)のΔG*t/ΔG*0×100を算出した(ΔG*低下率)。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、上記試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(耐摩耗性)
上記試験用タイヤのキャップトレッドから切り出してサンプルを作製し、LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、サンプルの容積損失量を測定した。結果は、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど容積損失量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能)
上記試験用タイヤを車両に装着し、湿潤アスファルト路面にて、初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
Figure 0007180353000005
Figure 0007180353000006
Figure 0007180353000007
Figure 0007180353000008
Figure 0007180353000009
Figure 0007180353000010
Figure 0007180353000011
Figure 0007180353000012
第一工程において、Mw80万以上の非変性SBRを投入し、反応温度を130~140℃の範囲内で設定し、式(1)、(2)を満たすまで反応処理を実施した表2~4の実施例は、配合内容や反応温度は同一であるが、式(1)、(2)を満たすまで反応処理を実施しなかった同表の比較例と比較して、低燃費性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能の総合性能が顕著に改善された。
実施例と配合内容が同一で、反応温度を130~140℃の範囲外で設定した表5~6の比較例では、反応時間を長くしても式(1)、(2)を満たすことはできず、充分な性能の改善は見られなかった。
これらの結果から、配合薬品の種類を変更しなくても、式(1)、(2)を指標として混練方法を調整するという簡便な手法により、シリカの分散性を向上できることが明らかとなった。
Mw80万以上の非変性SBR以外のSBR(SBR1、変性SBR)を第一工程で投入した表7~8の比較例は、表2~4の実施例よりも改善効果が劣っていた。

Claims (3)

  1. 重量平均分子量80万以上の非変性スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を投入して混練し、第一混練物を得る第一工程と、
    前記第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る第二工程と、
    前記第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る第三工程とを含み、
    前記第一工程において、130~140℃の範囲内で設定された反応温度を維持しながら、前記ゴム成分、前記シリカ及び前記シランカップリング剤を混練する反応処理を、下記式(1)及び(2)を満たすまで実施するタイヤ用ゴム組成物(ポリエチレングリコールを含むゴム組成物と、素練り促進剤を含むゴム組成物とを除く)の製造方法。
    式(1) ΔG*t/ΔG*0×100<80
    (式中、ΔG*0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差であり、ΔG*tは、ΔG*0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の100℃、0.5%歪みのG*と100℃、64%歪みのG*との差である。)
    式(2) Vt/V0×100<80
    (式中、V0は、反応温度に到達した時点で混練を終了して得られた未反応処理混練物の130℃におけるムーニー粘度であり、Vtは、V0と同じ反応温度に到達後、所定の時間混練して得られた第一混練物の130℃におけるムーニー粘度である。)
  2. 前記シランカップリング剤が下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0007180353000013
    Figure 0007180353000014
    (式中、xは0以上の整数、yは1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
  3. キャップトレッド用ゴム組成物を製造する請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
JP2018234512A 2018-12-14 2018-12-14 タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Active JP7180353B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018234512A JP7180353B2 (ja) 2018-12-14 2018-12-14 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018234512A JP7180353B2 (ja) 2018-12-14 2018-12-14 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020094157A JP2020094157A (ja) 2020-06-18
JP7180353B2 true JP7180353B2 (ja) 2022-11-30

Family

ID=71084066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018234512A Active JP7180353B2 (ja) 2018-12-14 2018-12-14 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7180353B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121327A (ja) 2000-10-16 2002-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッドゴム組成物およびその製造方法
JP2004263098A (ja) 2003-03-03 2004-09-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ用ゴム組成物
JP2014001339A (ja) 2012-06-20 2014-01-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2016009775A1 (ja) 2014-07-15 2016-01-21 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法および空気入りタイヤ
JP2018070756A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2018070755A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2018070752A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121327A (ja) 2000-10-16 2002-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッドゴム組成物およびその製造方法
JP2004263098A (ja) 2003-03-03 2004-09-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ用ゴム組成物
JP2014001339A (ja) 2012-06-20 2014-01-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2016009775A1 (ja) 2014-07-15 2016-01-21 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法および空気入りタイヤ
JP2018070756A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2018070755A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2018070752A (ja) 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020094157A (ja) 2020-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6838587B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6053495B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6939231B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2012122015A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5698050B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019116574A (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019182906A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP7331334B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2022075724A (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5643081B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ
JP2019182907A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2019182910A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP7020153B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5689730B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7180353B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2020143200A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP7435603B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018193478A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2018188566A (ja) タイヤトレッドおよびタイヤ
JP2018070756A (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
WO2020158516A1 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2021167401A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP5485651B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2019193888A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP7494447B2 (ja) ゴム組成物、トレッド、タイヤおよび製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7180353

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150