JP7179647B2 - 繊維シートおよび複合膜 - Google Patents
繊維シートおよび複合膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7179647B2 JP7179647B2 JP2019031704A JP2019031704A JP7179647B2 JP 7179647 B2 JP7179647 B2 JP 7179647B2 JP 2019031704 A JP2019031704 A JP 2019031704A JP 2019031704 A JP2019031704 A JP 2019031704A JP 7179647 B2 JP7179647 B2 JP 7179647B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pbi
- carboxylic acid
- fiber sheet
- molar equivalent
- spinning solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
そのため、ポリベンゾイミダゾール樹脂を含有した繊維を含んでいる繊維シートは、特開2014-234581号公報(特許文献1)にも例示されているように、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、水など液体の電気分解を行う際に用いる分離膜、医療用材料、イオン交換膜や透析膜、レドックスフロー電池や燃料電池の高分子電解質膜などといった様々な産業用途に使用可能な膜の支持体として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、プリプレグ、気体フィルタや液体フィルタなどといった、様々な産業用途に使用されている。
しかし、上述した従来技術にかかるようなポリベンゾイミダゾール樹脂からなる繊維シートは伸度に劣るものであるため、様々な産業用途に使用するには限界があった。
本発明は、ポリベンゾイミダゾール樹脂を含有した繊維を含んでいる伸度に優れた繊維シート、および、該繊維シートを含んでいる複合膜の提供を目的とする。
「(請求項1)ポリベンゾイミダゾール樹脂、および、カルボン酸化合物を含有した繊維を含んでいる、繊維シートであって、前記繊維に含有されている前記ポリベンゾイミダゾール樹脂と前記カルボン酸化合物のモル当量比において、前記ポリベンゾイミダゾール樹脂のモル当量比の値よりも前記カルボン酸化合物のモル当量比の値の方が小さい、繊維シート。
(請求項2)膜構成樹脂中に請求項1に記載の繊維シートを含んでいる、複合膜。」
である。
この理由は、完全に明らかとなっていないが、カルボン酸化合物が存在している(0モルより多く存在している)ことによって、ポリベンゾイミダゾール樹脂におけるイミダゾール環部分などの塩基性を示す部分の存在に起因した、ポリマー鎖同士のミクロな絡み合いが抑制され、その結果、繊維シートの伸度低下が防止されると考えられる。
また、繊維に含有されているポリベンゾイミダゾール樹脂とカルボン酸化合物のモル当量比において、ポリベンゾイミダゾール樹脂のモル当量比の値よりもカルボン酸化合物のモル当量比の値の方が小さい(具体例として、ポリベンゾイミダゾール樹脂のモル当量が100に対し、カルボン酸化合物のモル当量が100未満)ことによって、繊維シートを調製することが可能となり、伸度が向上した繊維シートを実現できる。
そのため、本発明によって、伸度が向上したポリベンゾイミダゾール樹脂を含有した繊維を含んでいる繊維シートを提供できる。
本発明でいうPBIは、下記式(I)または(II)で表される繰り返し単位の化学構造を骨格内に有する有機樹脂である。
また、Zは二価C1-C10アルカンジイル、二価C2-C10アルケンジイル、二価C6-C15アリール、二価C5-C15ヘテロアリール、二価C5-C15ヘテロシクリル、二価C6-C19アリールスルホン、及び二価C6-C19アリールエーテルからなる群より選択され、少なくとも1つの芳香環を有する2価の基が好ましい。例えば、下記式で表される基を持つ官能基が好ましい。
また、繊維シートの構成繊維に含有されているPBIの種類は、一種類であっても複数種類であってもよい。
カルボン酸化合物の種類は本発明にかかる繊維シートを提供できるよう、適宜選択できるものであるが、例えば、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、安息香酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸、ポリアクリル酸、フタル酸ジイソノニル、ギ酸、酢酸などを採用できる。カルボン酸化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。特に、無水フタル酸、無水マレイン酸、安息香酸などのモノマーのカルボン酸化合物を採用することで、より伸度が向上した繊維シートを提供でき好ましい。また、カルボン酸化合物がカルボン酸無水物であると、PBIの変性を招き難いことで紡糸液の安定性を向上して、より伸度が向上した繊維シートを提供でき好ましい。
なお、繊維シートの構成繊維に含有されているカルボン酸化合物の種類は、一種類でも複数種類であってもよい。
なお、PBIとカルボン酸化合物におけるモル当量比は、PBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量、および、カルボン酸化合物におけるカルボン酸部分のモル当量から求める。
(1)PBIの分子構造における繰り返し単位の分子量を求める。なお、カタログやMSDSなどの記載あるいは製造元の開示を参照し、該PBIの繰り返し単位の分子量を求めことができる。
(2)PBIの繰り返し単位の分子量を、該繰り返し単位中に含まれているイミダゾール環部分の総数で割り、その値を該PBIにおけるイミダゾール環部分の当量とする。なお、カタログやMSDSなどの記載あるいは製造元の開示を参照し、該繰り返し単位中に含まれているイミダゾール環部分の総数を求めことができる。
(3)PBIの質量を該PBIにおけるイミダゾール環部分の当量で割り、該PBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量とする。
(4)カルボン酸化合物の質量を該カルボン酸化合物におけるカルボン酸当量で割り、その値を該カルボン酸化合物におけるカルボン酸部分のモル当量とする。また、カルボン酸化合物としてカルボン酸無水物を採用した場合には、該カルボン酸無水物が完全に加水分解してカルボン酸化合物になると仮定した際の、当該カルボン酸無水物から形成されるカルボン酸化合物の質量を算出し、その算出値を該カルボン酸化合物におけるカルボン酸当量で割り、その値を該カルボン酸化合物におけるカルボン酸部分のモル当量とする。なお、カタログやMSDSなどの記載あるいは製造元の開示を参照し、該カルボン酸化合物の分子量や該カルボン酸化合物の化学構造中に含まれているカルボン酸部分の総数を求めことができる。
(5)PBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときの、カルボン酸化合物におけるカルボン酸部分のモル当量の値を算出することで、PBIとカルボン酸化合物におけるモル当量比を求める。
他の樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ乳酸、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、アラミド樹脂などの芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロスルホン酸樹脂など)、多糖類(デンプン、セルロース系樹脂、プルラン、アルギン酸、ヒアルロン酸など)、たんぱく質類(ゼラチン、コラーゲンなど)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなど)、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリビニルピロリドン、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の樹脂を挙げることができる。なお、他の樹脂の種類は複数種類であっても良く、これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でもよい。また、樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。
その平均繊維径が細いほど、分離性能、液体保持性能、払拭性能、隠蔽性能、絶縁性能、或いは柔軟性など、様々な性能に優れる繊維シートを提供できる。そのため、平均繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのが好ましく、800nm以下であるのが好ましい。なお、平均繊維系の下限値は適宜調整するものであるが、1nm以上であるのが現実的であり、100nm以上であるのが好ましい。ここでいう「平均繊維径」は、繊維を含む測定対象部分を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、50点の繊維における各繊維径の算術平均値をいう。繊維の断面形状が非円形である場合には、断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
例えば、厚さは0.5μm~1.5mmであることができ、1μm~1mmであることができ、2μm~100μmでき、5μm~50μmであることができる。なお、本発明の「厚さ」はシックネスゲージ((株)ミツトヨ製:コードNo.547-401:測定力3.5N以下)を用いて測定した値を意味する。
なお、繊維シートの伸度は、以下の測定方法へ繊維シートを供することで求めることができる。
(1)測定対象のMD方向(生産方向)と長辺方向が平行を成すようにして、測定対象から長方形の試料(短辺:5mm、長辺:50mm)を採取した。なお、測定対象のMD方向が不明である場合には、測定対象の主面上における様々な方向から複数の試料を採取し後述する(2)~(4)の工程へ供した結果、測定された伸度(%)の値が最大であった試料の長辺方向と平行をなす方向を、測定対象のMD方向とみなした。
(2)引張り試験機(サーチ株式会社製、卓上型引張試験機(型式:TSM-41-cre)を使用し、つかみ間隔20mm、引張り速度20mm/min.の条件で、試料が破断するまで試料を長辺方向へ引張った。
(3)試料が破断したときのつかみ間隔の長さを測定した。
(4)次の式から得られる値を測定対象の「伸度(単位:%)」とした。
L={(D-20)/20}×100
ここで、Lは伸度(単位:%)、Dは試料が破断した時のつかみ間隔の長さ(単位:mm)をそれぞれ意味する。
1.カルボン酸無水物に加水分解が生じることによって、および/または、
2.PBIにおけるイミダゾール環部分などの塩基性を示す部分の存在によって、カルボン酸無水物におけるオキソ酸2分子の脱水縮合した部分が反応することによって、
少なくとも2つのカルボン酸部分を含むカルボン酸化合物を含有した紡糸液となると考えられる。
また、カルボン酸無水物をPBI紡糸液中に添加することで、紡糸液の安定性を高めるという効果が発揮され好ましい。
そして、PBIにおけるイミダゾール環部分などの塩基性を示す部分と本発明にかかるカルボン酸化合物の相互作用が発揮されるためか、ポリマー鎖同士のミクロな絡み合いが抑制されることにより、繊維シートの伸度低下が防止されると考えられる。
なお、膜構成樹脂は用途に合わせ周知の樹脂(例えば、他の樹脂として上述した樹脂など)を採用できる。特に、燃料電池用電解質膜を調製する場合には、燃料電池用電解質膜の構成樹脂として使用可能であることが知られている(例えば、特開2004-119223などに開示されている)、パーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂、スルホン化芳香族炭化水素系樹脂、アルキルスルホン化芳香族炭化水素系樹脂や、特開2018-018684や特開2017-195087などに開示されている無機-有機複合系樹脂などを採用するのが好ましい。
下記式で表される繰り返し単位の化学構造を骨格内に有するPBI(PBIの分子構造における繰り返し単位の分子量:308、繰り返し単位中に含まれているイミダゾール環部分の総数:2)1.000gをジメチルアセトアミドに溶解させ、固形分濃度が22質量%のPBI紡糸液を調製した。
PBI紡糸液へ無水フタル酸を添加して、紡糸液Aを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、無水フタル酸由来のカルボン酸化合物(オルト‐フタル酸)におけるカルボン酸部分のモル当量の値が33となるように、無水フタル酸の添加量を調整した。
PBI紡糸液へシクロヘキサンジカルボン酸無水物を添加して、紡糸液Bを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、シクロヘキサンジカルボン酸無水物由来のカルボン酸化合物(オルト‐シクロヘキサンジカルボン酸)におけるカルボン酸部分のモル当量の値が33となるように、シクロヘキサンジカルボン酸無水物の添加量を調整した。
PBI紡糸液へ安息香酸を添加して、紡糸液Cを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、安息香酸におけるカルボン酸部分のモル当量の値が33となるように、安息香酸の添加量を調整した。
内径が0.33mmの金属製のノズルに、アース処理されたパワーサプライを接続した。ノズル先端部の開口と対面するように、アース処理された捕集体(金属板)を設けた。この時、ノズル先端部と捕集体との最短距離が、4~8cmとなるように調整した。ノズルをパワーサプライにより8~15kVとなるように印加して、ノズルと捕集体の間に電界を形成した。
ノズルの開口から紡糸液を吐出量が0.7~1cc/時間となるようにして吐出させ、紡糸液を電界に導いて、紡糸液をノズル先端部の開口から捕集体へと飛翔させると共に細径化させ、繊維化して捕集体上に捕集し繊維ウェブを調製することを試みた。なお、本工程における紡糸環境は、温度25℃、湿度20%RHに調整した。
上述した紡糸方法へPBI紡糸液を供することで、捕集体の主面上に繊維ウェブを調製した。そして、調製した繊維ウェブを捕集体から剥がし、180℃で30分間加熱処理することで構成繊維中に残留している溶媒を揮発させて除去した後、400℃で30分加熱処理することでPBIを不溶化処理し、PBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:0であった。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Aを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:33であった。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Bを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:33であった。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Cを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:33であった。
また、不織布を調製できず測定できなかった項目については-印を記載した。
PBI紡糸液へ無水フタル酸を添加して、紡糸液Dを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、無水フタル酸由来のカルボン酸化合物(オルト‐フタル酸)におけるカルボン酸部分のモル当量の値が5となるように、無水フタル酸の添加量を調整した。
PBI紡糸液へりん酸を添加して、紡糸液Eを調製した。このとき、紡糸液D中に存在する無水フタル酸の濃度(mol/ml)と、紡糸液E中に存在するりん酸の濃度(mol/ml)が同一となるように、りん酸の添加量を調整した。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Dを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:5であった。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Eを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布の調製を試みた。しかし、紡糸液に含有されているPBIに意図しない変性が発生したためか、紡糸液の粘度が意図せず上昇して紡糸が行えず不織布を調製できなかった。
また、不織布を調製できず測定できなかった項目については-印を記載した。
PBI紡糸液へ無水フタル酸を添加して、紡糸液Fを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、無水フタル酸由来のカルボン酸化合物(オルト‐フタル酸)におけるカルボン酸部分のモル当量の値が66となるように、無水フタル酸の添加量を調整した。
PBI紡糸液へ無水フタル酸を添加して、紡糸液Gを調製した。このとき、紡糸液中に存在するPBIにおけるイミダゾール環部分のモル当量を100としたときに、無水フタル酸由来のカルボン酸化合物(オルト‐フタル酸)におけるカルボン酸部分のモル当量の値が100となるように、無水フタル酸の添加量を調整した。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Fを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布を調製した。なお、本不織布の構成繊維が含有するPBIとカルボン酸化合物のモル当量比は、100:66であった。
PBI紡糸液の代わりに紡糸液Gを用いたこと以外は、比較例1と同様にしてPBIを含有した繊維を含んでいる不織布の調製を試みた。しかし、紡糸液に含有されているPBIに意図しない変性が発生したためか、紡糸液の粘度が意図せず上昇して紡糸が行えず不織布を調製できなかった。
また、不織布を調製できず測定できなかった項目については-印を記載した。
以上から、本発明によって、ポリベンゾイミダゾール樹脂を含有した繊維を含んでいる、伸度に優れた繊維シートを提供できる。
また、本発明の繊維シートを含んでいる複合膜は、様々な産業用途(例えば、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、医療用材料、イオン交換膜や透析膜、燃料電池の高分子電解質膜などといった様々な産業用途に使用可能な複合膜として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、プリプレグ、気体フィルタ膜や液体フィルタ膜など)に使用できる。
Claims (2)
- ポリベンゾイミダゾール樹脂、および、カルボン酸化合物を含有した繊維を含んでいる、繊維シートであって、
前記繊維に含有されている前記ポリベンゾイミダゾール樹脂と前記カルボン酸化合物のモル当量比において、前記ポリベンゾイミダゾール樹脂のモル当量比の値よりも前記カルボン酸化合物のモル当量比の値の方が小さい、繊維シート。 - 膜構成樹脂中に請求項1に記載の繊維シートを含んでいる、複合膜。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018205886 | 2018-10-31 | ||
JP2018205886 | 2018-10-31 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020070533A JP2020070533A (ja) | 2020-05-07 |
JP7179647B2 true JP7179647B2 (ja) | 2022-11-29 |
Family
ID=70547393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019031704A Active JP7179647B2 (ja) | 2018-10-31 | 2019-02-25 | 繊維シートおよび複合膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7179647B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015028850A (ja) | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 公立大学法人首都大学東京 | 複合膜及びその製造方法 |
WO2017141878A1 (ja) | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 東レ株式会社 | 複合高分子電解質膜およびそれを用いた膜電極複合体、固体高分子型燃料電池 |
JP2017216187A (ja) | 2016-06-01 | 2017-12-07 | 公立大学法人首都大学東京 | 複合ナノファイバーおよび該ナノファイバーを含む電解質膜 |
WO2018038049A1 (ja) | 2016-08-23 | 2018-03-01 | 公立大学法人首都大学東京 | 表面修飾ナノファイバー、電解質膜、電解質膜の製造方法、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2019099707A (ja) | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 日本バイリーン株式会社 | 有機樹脂溶液と紡糸液、および、該紡糸液を用いた繊維集合体の製造方法と該有機樹脂溶液を用いたフィルムならびに複合体の製造方法 |
JP2019173208A (ja) | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 旭化成株式会社 | 複合ナノファイバー不織布及びその製造方法 |
JP2020070505A (ja) | 2018-10-30 | 2020-05-07 | 日本バイリーン株式会社 | 繊維シートおよび複合膜 |
-
2019
- 2019-02-25 JP JP2019031704A patent/JP7179647B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015028850A (ja) | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 公立大学法人首都大学東京 | 複合膜及びその製造方法 |
WO2017141878A1 (ja) | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 東レ株式会社 | 複合高分子電解質膜およびそれを用いた膜電極複合体、固体高分子型燃料電池 |
JP2017216187A (ja) | 2016-06-01 | 2017-12-07 | 公立大学法人首都大学東京 | 複合ナノファイバーおよび該ナノファイバーを含む電解質膜 |
WO2018038049A1 (ja) | 2016-08-23 | 2018-03-01 | 公立大学法人首都大学東京 | 表面修飾ナノファイバー、電解質膜、電解質膜の製造方法、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2019099707A (ja) | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 日本バイリーン株式会社 | 有機樹脂溶液と紡糸液、および、該紡糸液を用いた繊維集合体の製造方法と該有機樹脂溶液を用いたフィルムならびに複合体の製造方法 |
JP2019173208A (ja) | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 旭化成株式会社 | 複合ナノファイバー不織布及びその製造方法 |
JP2020070505A (ja) | 2018-10-30 | 2020-05-07 | 日本バイリーン株式会社 | 繊維シートおよび複合膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020070533A (ja) | 2020-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Essalhi et al. | Self-sustained webs of polyvinylidene fluoride electrospun nanofibers at different electrospinning times: 1. Desalination by direct contact membrane distillation | |
TWI713443B (zh) | 雙軸拉伸多孔質膜 | |
JP5855093B2 (ja) | ポリイミド多孔性ウェブ、その製造方法、及びそれを含む電解質膜 | |
EP2484431A2 (en) | Nanofiber membrane for western blot and preparation method thereof | |
US20110180972A1 (en) | Method for manufacturing uniformly separated nanofilaments or microfibers | |
WO2014178454A1 (ko) | 수처리용 나노섬유-그래핀 분리막 제조방법 및 이에 의해 제조된 수처리용 나노섬유—그래핀 분리막 | |
JP2014525115A (ja) | 改善された複合ポリマー電解質膜 | |
JP2017510722A (ja) | 多孔性支持体、その製造方法及びそれを含む強化膜 | |
JP2015127413A (ja) | 多孔質体、高分子電解質膜、フィルター用濾材及びフィルターユニット | |
Kianfar et al. | Electrospinning of fluorinated polymers: current state of the art on processes and applications | |
KR101451567B1 (ko) | 다공성 지지체, 이의 제조방법, 및 이를 포함하는 강화막 | |
JP7179647B2 (ja) | 繊維シートおよび複合膜 | |
JP7313130B2 (ja) | 繊維シートおよび複合膜 | |
KR101971269B1 (ko) | 다공성 지지체, 이의 제조방법, 및 이를 포함하는 강화막 | |
JP6353917B2 (ja) | 多孔性支持体、その製造方法及びそれを含む強化膜 | |
JP7130367B2 (ja) | 有機樹脂溶液と紡糸液、および、該紡糸液を用いた繊維集合体の製造方法と該有機樹脂溶液を用いたフィルムならびに複合体の製造方法 | |
JP2008013864A (ja) | ナノファイバー不織布の製造方法 | |
JP2020084379A (ja) | 繊維シートおよび複合膜 | |
KR101731802B1 (ko) | 폴리이미드 다공성 나노섬유 웹 및 그 제조방법 | |
JP7107770B2 (ja) | 構造体 | |
JP7365885B2 (ja) | 繊維シートおよびその製造方法 | |
JP2008238134A (ja) | イオン交換性フィルタおよびその製造方法 | |
Valipouri et al. | Porosity characterization of biodegradable porous poly (L-lactic acid) electrospun nanofibers | |
JP7323353B2 (ja) | 繊維集合体とその製造方法、および、前記繊維集合体を備えた複合体 | |
JP7365831B2 (ja) | 電解質膜用支持体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221111 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221116 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7179647 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |