JP7176477B2 - 空調機能付コンソール装置 - Google Patents
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Description
このため、電気自動車に搭載される空調システムにおいては、電動モータの動力源である自動車用電池を電熱ヒータの動力源としても用いるのが一般的である。しかし、走行用の電動モータ及び暖房用の電熱ヒータの動力源として同じ自動車用電池を用いることで、例えば厳寒期等の暖房に必要なエネルギ量が大きい場合、大きなエネルギを空調システムに費やすことで車両の走行可能な距離が短くなる問題がある。この面において、電気自動車はエンジン車に比べて不利といい得る。エンジンと電動モータとを併用したハイブリッド車についても同様である。
特許文献1には、車両における座席の側方に配置されるコンソール装置において、コンソールボックスの側面部の上端側と蓋体の側端部との間に、座席に着座した乗員に対して空調空気を吹き出すための隙間を設ける技術が開示されている。
このように、車室内において乗員に近接した部分だけに空調を行うことで、車室全体の空調を行う場合に比べてエネルギの使用量を低減できる可能性がある。
以下、本明細書において、このように車室内において乗員に近接した部分に空調を行う技術を近接空調と称する場合がある。また、車室内の広範囲にわたって空調を行う技術を一般空調と称する場合がある。
例えば乗員の数が多い場合には、近接空調によって車室における一部の領域のみに空調を行うと、空調が行われない領域に搭乗する乗員が不快感を覚える可能性がある。このような面からも、車両用の空調システムとして、近接空調だけを行うものは充分でないと考えられる。
また、特許文献1には、他の例として、一般空調用の流路とは別に、近接空調用のダクト(専用ダクト34)を設ける旨も開示されている。
一般空調用の流路とは別に、近接空調用の専用ダクトを設ける場合には、少なくとも当該専用ダクトに関する形状や位置の自由度は向上するが、一般空調用の流路に由来する汎用性の問題は依然として解消しない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一般空調と近接空調とを同時に行うことができ、かつ汎用性の高い空調機能付コンソール装置を提供することを目的とする。
内部空間を有し車両の座席の側方に配置される筐体と、前記筐体に組付けられて前記内部空間に配置される筒状のダクトと、を有し、
前記筐体は、前記座席に向けて開口する第1吹出口と、前記座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口と、を有し、
前記ダクトは、車両用空調装置に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部と、前記流入流路部に連絡する分配流路部とを有し、
前記分配流路部は、前記第1吹出口に連絡する第1流路部と、前記第2吹出口に連絡する第2流路部と、の二つの独立した流路に分岐する、コンソール装置である。
一方、第2流路部は第2吹出口に連絡しているため、第2流路部内の空調空気は、第2吹出口を介して車両の後方に吹き出す。これにより、本発明の空調機能付コンソール装置によると、上記した近接空調に加えて、一般空調を行い得る。
このように、本発明の空調機能付コンソール装置は、省スペース化されたダクトを筐体の内部に配置することにより、車両用のコンソール装置として好適である。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
以下、必要に応じて、空調空気の流路上流側を単に上流側と称し、空調空気の流路下流側を単に下流側と称する場合がある。
このうち筐体は、ダクトを配置可能な内部空間を有し、車両における座席の側方に配置される。さらに、筐体は座席に向けて開口する第1吹出口と、座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口とを有する。
具体的には、当該第1吹出口は、座席の前後方向に沿って延びるのが好ましい。換言すると、第1吹出口における長手方向の一端部は、座席の前後方向において、長手方向の他端部よりも前側に位置するのが好ましい。この場合には、第1吹出口から吹き出す空調空気を乗員の脚部に吹きつけ得る。
または、当該第1吹出口は、座席の上下方向に沿って延びても良い。換言すると、第1吹出口における長手方向の一端部は、座席の上下方向において、長手方向の他端部よりも上側に位置するのが好ましい。この場合には、第1吹出口から吹き出す空調空気を乗員の胴体に吹きつけ得る。
その他、スリット状をなす当該第1吹出口の延びる方向は、種々の方向にすることができる。
背中に関しては、座席の背もたれに覆われ、場合によってはシートヒータで暖められる。このため乗員は、背中よりも大腿部において、より寒さや暖かさを知覚し易いと考えられる。
第1吹出口の長手方向の実際の長さは、150mm以上であるのが好ましく、170mm以上であるのがより好ましく、200mm以上であるのが特に好ましい。
上記した第1吹出口の上端と座面との上下方向の距離のより好ましい範囲として、70mm以上、100mm以上、150mm以上の各範囲を挙げることができる。当該第1吹出口の上端と座面との上下方向の距離に特に上限はないが、好ましい範囲として、250mm以下、230mm以下、200mm以下の各範囲を挙げることができる。
ダクトは内部に空調空気の流路すなわち上記の流入流路部および分配流路部を有する筒状をなせば良く、その形状や材料は特に限定しない。車両に搭載する都合上、ダクトは軽量であるのが好ましく、ダクトの材料としては樹脂やゴムを選択するのが好ましい。ダクトは、ブロー成形、射出ブロー成形、ウォーターアシスト成形等の方法でその全体が一体に成形されたものであっても良いし、或いは複数の分体として成形され当該分体が互いに組付けられて一体化されたものであっても良い。
ダクトの分配流路部は、第1流路部および第2流路部に分岐すれば良い。
第2分岐端部の流路断面積を第1分岐端部の流路断面積の2倍以上とすることで、流入流路部を経て分配流路部に流入した空調空気は、第2流路部に多く分配される。流入流路部を流通する空調空気の量が同じであれば、第2流路部に分配される空調空気の量が多い程、第1流路部に分配される空調空気の量が少なくなり、第1流路部における空調空気の流量が少なくなる。したがって、この場合、空調空気は第1吹出口から緩やかに吹き出す。
当該第1吹出口の長手方向の全体にわたって空調空気を均一に吹き出すためには、第1流路部のうち第1吹出口の上流側に位置する部分に、空調空気を整流するための機構を設けるのが有効である。
バッファー部は出口部の上流側に位置する。バッファー部と出口部とは、立壁によって部分的に隔てられ、立壁の突出端部側において連絡する。
なお、この場合、立壁を整流部における長手方向の全長に設けることで、より一層空調空気が立壁に当接する頻度を高めることが可能である。
車室内における実施例1の空調機能付コンソール装置を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置を側面視した様子を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図を図3に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図を図4に示す。実施例1の空調機能付コンソール装置におけるダクトを模式的に表す説明図を図5に示す。以下、上、下とは鉛直方向における上、下を指し、前、後、左、右とは車両進行方向における前、後、左、右を意味するものとする。左右方向は車幅方向であり、前後方向は車両進行方向である。
筐体2およびダクト3は樹脂製であり、ダクト3は筐体2と別体で成形され、筐体2に組付けられている。
図2および図5に示すように、第1吹出口21は、その長手方向を前後に向けたスリット状をなす。整流部44は第1吹出口21の長手方向すなわち前後方向に沿って延び、出口部45と、バッファー部46とを有する。
図5に示すように、導入部43はバッファー部46に連絡している。
立壁35の突出高さは、出口部45の左右方向の長さおよびバッファー部46の左右方向の長さよりも短い。したがって、立壁35の突出先端側には、出口部45とバッファー部46とを連絡する隙間47が形成されている。
内側開口部材84は、上下方向に延びるスリット状をなし前後方向に配列する内側開口(図略)を多数有する部材である。外側開口部材83は、内側開口よりも小径の貫通孔状をなす外側開口85を多数有する部材である。内側開口部材84および外側開口部材83によって第1吹出口21を覆うことで、第1吹出口21付近における空調空気の流路は、多数に分割され、かつ、段階的に狭められる。このため、第1吹出口21から吹き出す空調空気はさらに拡散される。このことによっても、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、第1吹出口21における長手方向の全体から、空調空気を緩やかに吹き出すことができる。
このため、実施例1の空調機能付コンソール装置1によると、近接空調と一般空調との一方だけを選択的に行うことが可能である。また、第1分岐端部41Eの流路断面積を第2分岐端部42Eの流路断面積よりも遙かに小さくしたことで、第2開閉ダンパ82によって第2吹出口22を閉じた時にも、第1流路部41に供給される空調空気の流量が過大となることが抑制され、第1吹出口21から空調空気を緩やかに吹き出すことができる。
実施例2の空調機能付コンソール装置は、第1流路部と第2流路部との位置関係、および、流入流路部の形状以外は、実施例1の空調機能付コンソール装置と概略同じものである。実施例2の空調機能付コンソール装置を上面視した様子を模式的に表す説明図を図6に示す。実施例2の空調機能付コンソール装置の断面を模式的に表す説明図を図7に示す。
22:第2吹出口 29:内部空間 30:流入流路部
35:立壁 40:分配流路部 41:第1流路部
42:第2流路部 41E:第1分岐端部 42E:第2分岐端部
43:導入部 44:整流部 45:出口部
46:バッファー部 81:第1開閉ダンパ 82:第2開閉ダンパ
91:座席(運転席) 92:座席(助手席) 96:乗員
97:車両用空調装置
Claims (5)
- 内部空間を有し車両の座席の側方に配置される筐体と、前記筐体に組付けられて前記内部空間に配置される筒状のダクトと、を有し、
前記筐体は、前記座席に向けて開口する第1吹出口と、前記座席よりも後方に向けて開口する第2吹出口と、を有し、
前記ダクトは、車両用空調装置に連絡して空調空気の流入端部となる流入流路部と、前記流入流路部に連絡する分配流路部とを有し、
前記分配流路部は、前記第1吹出口に連絡する第1流路部と、前記第2吹出口に連絡する第2流路部と、の二つの独立した流路に分岐し、
前記第1吹出口はスリット状をなし、
前記第1流路部は、前記空調空気の流路上流側に位置する導入部と、前記導入部よりも前記空調空気の流路下流側に位置し前記第1吹出口の長手方向に沿って延びる整流部とを有し、
前記整流部は、前記第1吹出口に連絡する出口部と、前記導入部に連絡するバッファー部とを有し、
前記出口部と前記バッファー部との境界には、前記ダクトにおける前記第1吹出口側の内壁面から突出し前記第1吹出口の長手方向に沿って延びる立壁が設けられ、
前記出口部と前記バッファー部とは、前記第1吹出口とは逆側の領域においては連絡し、前記第1吹出口側の領域においては前記立壁によって隔てられる、空調機能付コンソール装置。 - 前記第2流路部のうち前記第1流路部との境界となる第2分岐端部の流路断面積は、前記第1流路部のうち前記第2流路部との境界となる第1分岐端部の流路断面積の2倍以上である、請求項1に記載の空調機能付コンソール装置。
- 前記バッファー部の流路断面積は、前記出口部の流路断面積の2倍以上である、請求項1または請求項2に記載の空調機能付コンソール装置。
- 前記立壁は、前記整流部における前記長手方向の全長に設けられている、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の空調機能付コンソール装置。
- 前記第1流路部または前記第1吹出口を開閉する第1開閉ダンパと、前記第2流路部または前記第2吹出口を開閉する第2開閉ダンパと、の少なくとも一方を具備する、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の空調機能付コンソール装置。
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