JP7176364B2 - 距離情報取得装置および距離情報取得方法 - Google Patents

距離情報取得装置および距離情報取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、距離情報取得装置および距離情報取得方法に関する。
従来、対象物までの往復の距離を測定するTOF(Time of Flight)法を用いた距離測定装置が、車両などのセンシングやモーションキャプチャ技術、測距計などの産業分野などで広く用いられている。この方式の距離測定装置は、発光素子と受光素子と各駆動回路から構成され、発光素子からの発光ビームを測距対象物へ照射して、測距対象物からの反射光を受光素子により検知する。距離は、発光と受光との信号間の時間差、位相遅れを信号処理部により信号処理して検出する。
距離測定装置の一例として航空機や、鉄道や、車載などに広く使用されているレーザレーダがある。レーザレーダは、例えば、光源から出射されたレーザ光が物体で反射もしくは散乱された光を光検出器で検出し、物体の有無やその物体までの距離を取得する方式のものである(例えば特許文献1~特許文献4参照)。この他に、レーザレーダの技術として、検出信号とノイズとを区別する技術(例えば特許文献5参照)や、レーザレーダ以外にカメラを用いて距離を測定する技術(例えば特許文献6~特許文献11参照)が知られている。カメラを用いて距離を測定する技術では、例えばカメラを2台並べた際に生じる視差から距離を計算するステレオマッチング方式、複数地点のカメラ画像の特徴点を合わせることで距離計算を行うStructure From Motion等の技術が知られている。
しかし、レーザレーダを使用して測距する装置においては、測距対象の物体からの反射光の検出に使用する閾値がノイズとの分離のために十分高く設定される。このため測距対象の物体からの反射光が微弱であると検出は困難になる。例えば測距対象の物体が遠方にあると、受光できる反射光が微弱になり検出が困難になる。昨今では、測距を行うことが可能な検知可能距離の拡大が求められている。従来技術において、レーザ送信前に閾値を超える信号が有った場合に受信信号の周波数特性からノイズの有無を判断するものもあるが、その場合はADコンバータ及び振幅検出手段が必要で、回路の大型化やコストアップを伴ってしまう。
請求項1にかかる全天球型距離情報取得装置は、パルス光を対象物に向けて投光する投光部と、前記パルス光を偏向する偏向部と、前記対象物で反射もしくは散乱された前記パルス光を検出する検出部と、を有する光学ユニットと、前記光学ユニットを軸回転させる回転部と、前記光学ユニットが前記回転部により回転する回転方向において、所定の回転角ごとに、前記パルス光を前記各回転角に対応する画角の一軸方向に偏向させる一次元走査を行う制御部と、前記パルス光を投光してから検出するまでの時間を計測することにより前記対象物までの距離を示す情報を取得する取得部と、を有する距離情報取得装置を有し、前記回転部により前記光学ユニットと共に軸回転させられる全天球撮像装置を、さらに有し、前記取得部は、対象物までの距離を示す情報と前記撮像装置によって得られた色情報とから色情報付きの三次元復元画像を生成することを特徴とし、前記光学ユニットの走査方向をθ、物体までの距離をr、前記光学ユニットの正面の向きをφとすると、次の(式1)により、X、Y、Z座標が求まり、
Figure 0007176364000001
前記光学ユニットにより構成される3次元座標の点X=(XL、YL、ZL)に対し、前記全天球撮像装置の原点とのずれをD=(dx、dy、dz)としたとき、前記全天球撮像装置を原点としたときに得られた点群座標(Xr、Yr、Zr)は次の(式2)で表現できる場合、
Figure 0007176364000002
三次元空間上の点のXr、Yr、Zrに対する、2次元平面上の点、u,vは、u,vが球面座標系にマッピングし、角度に対応させて、(式3)と(式4)とで求め、距離測定装置で取得可能な任意の三次元座標に対して、全天球画像のピクセルの位置に割り当てることを特徴とする全天球型距離情報取得装置であり、
Figure 0007176364000003
Figure 0007176364000004
このとき、arctan2は(式5)で表されたものとし、
Figure 0007176364000005
(wは画像の幅、hは画像の高さを表す)
前記制御部は、前記同一回転角ごとに前記一次元走査を複数回行い、前記取得部は、前記複数回の前記一次元走査により前記検出部が検出した検出信号の中から前記対象物の前記パルス光の信号を判別する、ことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一実施の形態の距離情報取得装置は、パルス光を対象物に向けて投光する投光部と、前記パルス光を偏向する偏向部と、前記対象物で反射もしくは散乱された前記パルス光を検出する検出部と、を有する光学ユニットと、前記光学ユニットを軸回転させる回転部と、前記光学ユニットが前記回転部により回転する回転方向において、所定の回転角ごとに、前記パルス光を前記各回転角に対応する画角の一軸方向に偏向させる一次元走査を行う制御部と、前記パルス光を投光してから検出するまでの時間を計測することにより対象物までの距離を示す情報を取得する取得部と、を有し、前記制御部は、前記回転角ごとに前記一次元走査を複数回行い、前記取得部は、前記複数回の前記一次元走査により前記検出部が検出した検出信号の中から前記対象物の前記パルス光の信号を判別する、ことを特徴とする。
本発明によれば、回路を大型化することなく安価な構成で検知可能距離を拡大することが可能になるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態にかかる距離情報取得装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、距離測定装置の距離測定を行うための光学系の構成を説明するための図である。 図3は、距離測定装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図4は、測定制御部が出力するLD駆動信号の信号パターンの一例を示す図である。 図5は、出射光パルスと反射光パルスの説明図である。 図6は、反射光パルスとノイズとの関係を説明する図である。 図7は、物体との距離が近い場合における、ショットノイズとターゲットピークとの関係を示す図である。 図8は、物体との距離が遠い場合における、ショットノイズとターゲットピークとの関係を示す図である。 図9は、図6~図8の検討結果と閾値との関係を一つにまとめた図である。 図10は、雨と物体とが検出された検出信号の出力波形の一例を示す図である。 図11は、時間計測用PDの出力波形の一例を示す図である。 図12は、時間計測部の処理部が閾値を超えた信号をカウントするためのデータ構成の一例を示す図である。 図13は、時間計測部の処理部が行う判別処理の一例を示すフロー図である。 図14は、距離測定装置の測距範囲について詳しく説明する図である。 図15は、距離情報取得装置により全天球型空間測距を行って得た測距画像の一例を示す図である。 図16は、式1の変換を示す図である。 図17は、距離測定装置に全天球型撮像装置を取り付けた場合の略図である。 図18は、全天球型撮像装置と距離測定装置の位置の合わせ込みについて説明する図である。 図19は、色付きの三次元復元画像の一例を示す図である。 図20は、図10の部分拡大図である。 図21は、ショットノイズがほぼ除去された色付きの三次元復元画像の一例を示す図である。 図22は、図21の部分拡大図である。
以下に添付図面を参照して、距離情報取得装置および距離情報取得方法の実施の形態を詳細に説明する。距離情報取得装置は、全天球の距離情報を取得する装置のことである。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる距離情報取得装置1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、距離情報取得装置1は、距離測定装置100と、回転装置200と、制御装置300と、を備えている。ここで回転装置200は「回転部」の一例である。
また、図1には、XYZ3次元直交座標系を示している。XYZ3次元直交座標系は図2以下においても適宜示し、説明の際に使用する。
距離測定装置100は、光走査により物体の有無や物体までの距離等の距離情報を検出する走査型レーザレーダである。距離測定装置100の筐体の曲面(図1において+X側に向けられている曲面)101は例えばガラス製や樹脂製の光透過部材により構成された光透過窓(光透過窓を「ウィンドウ」とも言う)である。距離測定装置100は、筐体の一部(図1において+X側)が開口しており、その開口部がウィンドウ101により塞がれている。距離測定装置100は、内部にある光学系から開口部にあるウィンドウ101を介して外部を光走査する。例えば、距離測定装置100は、図1に示す+X方向側を一軸方向(Y軸方向)に一次元の光走査を行う。そして、距離測定装置100は、物体からの反射光を受光することにより、外部の光走査した範囲(画角)の物体の距離情報を取得する。
回転装置200は、距離測定装置100をXZ平面において360°方向に回転させる。図1に示す例では、回転装置200は回転ステージにより構成されている。距離測定装置100は、回転ステージの回転により、回転ステージの回転軸(図1に示すY軸と同じ向き)を中心に軸回転する。
制御装置300は、距離測定装置100の測定開始及び停止、回転装置200の回転などを制御する。例えば制御装置300はコンピュータ制御により距離測定装置100や回転装置200を制御する。
距離情報取得装置1は、制御装置300の制御により、距離測定装置100が一軸方向に一次元走査を繰り返し、さらに回転装置200が回転する。その際に、距離測定装置100が全天球の距離情報を取得する。本実施の形態に示す距離情報取得装置1は、一例として、取得した距離情報を用いて三次元空間の復元までを行う装置として説明するが、「距離情報取得装置」は、少なくとも全天球の距離情報を取得する構成を有していればよい。つまり三次元空間の復元は、距離情報取得装置1が取得した距離情報から外部装置が行ってもよい。
(光学系の構成)
図2は、距離測定装置100の距離測定(「測距」とも言う)を行うための光学系の構成を説明するための図である。ここで、光学系に含まれる投光光学系や同期系の光学系などが投光部の一例である。受光光学系は「検知部」に含まれる。投光光学系や同期系の光学系や受光光学系などが「光学ユニット」の一例である。図2(A)には、投光光学系と、同期系の光学系と、を模式的に示している。図2(B)には、受光光学系を模式的に示している。距離測定装置100(図1参照)の筐体は、投光光学系から出射する出射光の光路且つ受光光学系へ入射する入射光の光路が開口しており、その開口部分にウィンドウ101(図1参照)を備えている。
図2(A)に示す投光光学系20は、LD(レーザダイオード)11からの光の光路上に配置されたカップリングレンズ22と、カップリングレンズ22を介した光の光路上に配置された反射ミラー24と、反射ミラー24で反射された光の光路上に配置された偏向器としての回転ミラー26と、を含む。偏向器は「偏向部」の一例である。
ここで、LD11は光源として使用される端面発光レーザである。LD11から出射された光は、カップリングレンズ22により所定のビームプロファイルの光に整形された後、反射ミラー24で反射され、回転ミラー26により偏向される。回転ミラー26は、例えば図2(A)に矢印mで示す回転方向に回転し、反射ミラー24からの光を反射(偏向)する。回転ミラー26は周囲(回転ミラー26の回転軸周り)に複数の反射面を有し、回転ミラー26の回転に伴って反射面で反射ミラー24からの光を1軸方向(この例ではY軸方向)に1次元走査する。回転ミラー26で偏向された光は、偏向が可能な範囲(偏向範囲)のうちの有効走査領域の範囲の光が投光光学系20から投射される光としてウィンドウ101を介して外部に出射する。つまり、有効走査領域の範囲は、画角に相当する。
なお、ここでは光源の一例として端面発光レーザを使用すると説明したが、光源を端面発光レーザに限定するものではない。光源として例えばVCSEL(面発光レーザ)や、有機EL素子や、LED(発光ダイオード)など、他の発光素子を用いてもよい。
また、ここでは、距離測定装置100を小型化するために、カップリングレンズ22と回転ミラー26との間の光路上に反射ミラー24を設けて光路を折り返すようにした構成を示しているが、これは一例であり、これに限るものではない。
また、回転ミラー26の複数の反射面は、図2(A)には、光を反射している面と、その面に対向する面の2面を設けた例を示しているが、2面に限らず、1面や3面以上などに適宜変形してもよい。
また、回転ミラー26の反射面をY軸に対して角度をなすように傾けて配置することにより、有効走査領域をY軸方向に切り替えることも可能である。例えば回転ミラー26の複数の反射面のうちの少なくとも2つの反射面をY軸に対して異なる角度をなすように傾けて配置する。
また、ここでは偏向器の一例として回転ミラー26を示しているが、偏向器を回転ミラー26に限定するものではない。偏向器として他のミラー、例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)や、ガルバノミラーや、MEMSミラーなどを用いてもよい。
図2(A)において、同期レンズ52は同期系の光学系に含まれる。同期検知用PD54は同期系50(図3参照)に含まれる。同期系50については後述する。
同期レンズ52は、LD11から出射されカップリングレンズ22を介して反射ミラー24で反射された光であって回転ミラー26で偏向され反射ミラー24で再び反射された光の光路上に配置されている。同期検知用PD54は、同期レンズ52を介して入射する反射光の光路上に配置されている。反射ミラー24は、回転ミラー26により偏向された光のうち、有効走査領域外の一部の領域に偏向された光を再び反射する。このように反射ミラー24で再び反射された光が同期レンズ52を介して同期検知用PD54に入射する。
なお、反射ミラー24と回転ミラー26の配置は、図2(A)に示すような、回転ミラー26に対して反射ミラー24が+Y側に位置するようなものに限らない。例えば、回転ミラー26に対して反射ミラー24が-Y側に位置するように配置を変えてもよい。ただし、同期系50は、回転ミラー26で偏向され反射ミラー24で反射された光の光路上に配置するものとする。
また、同期系の光学系は、同期レンズ52に限らず、他の光学素子(例えば集光ミラー)を用いたものでもよい。
受光光学系は、投光光学系20から有効走査領域に投射されて有効走査領域内の物体で反射した光を受光する光学系である。図2(B)に示す受光光学系30は、回転ミラー26と、反射ミラー24と、結像光学系31と、を含む。有効走査領域内の物体から反射されてきた光がウィンドウ101に入射し、その光を回転ミラー26で反射して反射ミラー24で結像光学系31へと折り返す。結像光学系31は、反射ミラー24で折り返される光の光路上に配置され、折り返されてきた光を時間計測用PD42に結像させる。ここで時間計測用PD42は「受光部」の一例であり、検出系40(図3参照)に含まれる。検出系40については後述する。
なお、図2(B)では、装置を小型化するために、回転ミラー26と結像光学系31との間に反射ミラー24を設けて光路を折り返しているが、これに限らず適宜設計してよい。
また、図2(B)では、結像光学系31として2枚のレンズ(結像レンズ)の構成のものを示しているが、1枚のレンズとしてもよいし、3枚以上のレンズとしてもよいし、ミラー光学系を用いてもよい。
図2(C)には、図2(A)に示す投光光学系20についてのLD11から反射ミラー24までの光路と、図2(B)に示す受光光学系30についての反射ミラー24から時間計測用PD42までの光路を示している。図2(A)の投光光学系20と図2(B)の受光光学系30とはZ軸方向から平面視すると重なり合うように見える。このように構成することにより、LD11が照射する範囲と時間計測用PD42が受光する範囲との相対的な位置ずれを小さくし、物体の検出を安定化させることができる。
図3は、距離測定装置100の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、距離測定装置100は、投光光学系20を有する投光系15と、受光光学系30と、検出系40と、同期系50と、時間計測部45と、測定制御部46と、物体認識部47と、を備えている。距離測定装置100は、制御装置300からの制御信号(測定開始信号や測定停止信号)を受けて測定制御部46が制御対象を制御することにより動作する。ここで、投光系15や同期系50などが「投光部」に相当する。受光光学系30や検出系40などが「検出部」に相当する。制御装置300や測定制御部46などが「制御部」に相当する。時間計測部45や、測定制御部46や、物体認識部47などが「取得部」に相当する。
(投光系)
投光系15は、投光光学系20と、LD11と、LD駆動部12と、を含む。LD駆動部12は、測定制御部46から出力されるLD駆動信号(矩形パルス信号)を用いてLD11を点灯(発光)させる。
例えばLD駆動部12は、LD11に電流を供給可能に接続されたコンデンサ、当該コンデンサとLD11との間の導通/非導通を切り替えるためのトランジスタ、当該コンデンサを充電可能な充電手段などを含む。LD駆動部12は、測定制御部46による測定開始の制御を受けてトランジスタが導通し、LD駆動信号の入力に基づきLD11を点灯させる。具体的に、LD駆動信号がLD駆動部12に入力されると、LD駆動部12からLD11に駆動電流が印加され、LD11から発光パルスが出力される。なお、LD11の安全性やLD11の耐久性の観点からLD11の発光のデューティが制限されるため、発光パルスはパルス幅が狭い方が望ましく、該パルス幅は、一般に10ns~数十ns程度に設定される。また、パルス間隔は一般に数十μ秒程度である。
(同期系)
同期系50は、同期検知用PD54とPD出力検出部56とを含む。同期検知用PD54は、図2(A)に示されるように、回転ミラー26で反射され反射ミラー24で折り返された光を同期レンズ52を介して受光する。回転ミラー26の回転により反射ミラー24から同期検知用PD54には定期的な間隔で繰り返し光の入射がある。PD出力検出部56は同期検知用PD54から出力された光電流(アナログ信号)に基づき光の入射を検出する。例えばPD出力検出部56は、同期検知用PD54からのアナログ信号を、閾値を基準に二値化し、その二値化信号を測定制御部46に出力する。PD出力検出部56から測定制御部46へは定期的な間隔で繰り返す光の入射を示す矩形パルス信号が出力されることになる。
測定制御部46は、PD出力検出部56からの矩形パルス信号を同期信号として利用する。具体的に、測定制御部46は、PD出力検出部56から出力される矩形パルス信号に基づいてLD駆動信号を生成し、LD駆動信号をLD駆動部12及び時間計測部45に出力する。LD駆動信号は、同期信号に対して遅延した発光制御信号(周期的なパルス信号)である。
そして、回転ミラー26からの光を同期検知用PD54に入射させるための同期点灯を行う。これにより、同期検知用PD54での受光タイミングから、回転ミラー26の回転タイミングを得ることが可能となる。
LD11を同期点灯してから所定時間経過後にLD11をパルス点灯すると有効走査領域を光走査することができる。すなわち、同期検知用PD54に光が入射するタイミングの前後期間にLD11をパルス点灯することで有効走査領域を光走査することができる。
図4は、測定制御部46が出力するLD駆動信号の信号パターンの一例を示す図である。測定制御部46は、図4に示すように同期信号の立ち上がりから次の同期信号の立ち上がりの期間内に、LD駆動信号として周期Tでパルス信号を出力する。図4には、一例として同期信号の立ち上がりから所定時間後に1点目のパルス信号を出力し、その後、周期Tでパルス信号を出力した例を示している。なお、図4には4点目までのパルス信号を示しており、その後は、図示が省略されている。このように同期信号から次の同期信号までの間、要するに同期検知用PD54に光が入射するタイミングの前後期間にLD11をパルス点灯することで有効走査領域を光走査する。
(検出系)
検出系40は、時間計測用PD42とPD出力検出部44とを含む。時間計測用PD42は、図2(B)に示されるように、有効走査領域内にある物体で反射されて戻ってきた出射光の光(反射光)を受光光学系30を介して受光し、受光量に応じた信号を出力する。PD出力検出部44は、時間計測用PD42の出力信号に基づいて検出信号を出力する。
ここで、時間計測や同期検知に用いる受光素子としては、上述したPD(Photo Diode)の他、APD(Avalanche Photo Diode)、ガイガーモードAPDであるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)等を用いることが可能である。APDやSPADは、PDに対して感度が高いため、検出精度や検出距離の点で有利である。
時間計測部45は、入力されたLD駆動信号の立ち上がりの発光タイミング(つまり出射光パルスが出射するタイミング)と、PD出力検出部44の検出信号のうち測距対象の物体からの反射光を検出した真の立ち上がりのタイミングとに基づいて、出射光パルスが測距対象の物体から反射光パルスとして戻るまでの往復時間を計測する。そして、時間計測部45は、時間計測結果を測定制御部46に出力する。
図5は、出射光パルスと反射光パルスの説明図である。なお、ここでは、時間計測用PD42に受光素子としてAPDを用いた例を示している。LD駆動部12は、LD11を駆動することにより、図5(A)に示されるような出射光パルスをLD11から出射させる。そして、出射光パルスが物体で反射(散乱)した光(反射光パルス)を時間計測用PD42の出力信号からPD出力検出部44が検出する。図5(A)の横軸は時間軸であり、LD11が出射光パルスを出射してから時間計測用PD42が反射光パルスを出力するまでの時間経過を示している。
出射光パルスと反射光パルスの時間(時間差)tの計測は時間計測部45が行う。例えば、時間計測用PD42が出力する出力信号(アナログ信号)からPD出力検出部44が閾値を基準に2値化し、2値化により得られた矩形パルス(反射光パルスに対応)を時間計測部45に出力する。時間計測部45は、測定制御部46が出力した出射光パルスのLD駆動信号(矩形パルス)と、反射光パルスの矩形パルスとの、それぞれの立ち上がりのタイミングの時間差を時間計測回路で時間tとして算出する。その他、出射光パルス、反射光パルスの波形をA/D変換してデジタルデータに変換し、LD11の出力信号とAPDの出力信号とを相関演算することで、時間tを計測することも可能である。
なお、時間計測部45は処理部を含む。処理部は「記憶部」と「判別部」とを含む。この処理部で、測距対象とする物体の反射光パルスを検出したものであるかの真偽を判定する処理を行う。時間計測部45は、処理部で真の判定を得た測距対象の物体について上記往復時間を計測する。
当該処理部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのコンピュータ構成になっている。ROMなどに記憶されたプログラムに従ってCPUが動作することにより判定処理を実行する。当該処理部の処理についてはノイズの説明に含めて後述する。
測定制御部46は、時間計測部45が出力した時間計測結果から、時間を距離に換算し、求めた距離(物体までの往復距離)の半分を物体までの距離として取得する。
物体認識部47は、測定制御部46が取得した距離データ(測定制御部46が全天球を範囲に取得した距離を示すデータ)に基づいて、どこに物体があるかを認識する。そして、物体認識部47は物体の認識結果を測定制御部46に出力する。測定制御部46は、物体認識部47から得た物体認識結果を制御装置300に転送する。
(ノイズ)
続いて、時間計測部45(処理部)がPD出力検出部44の検出信号から測距対象の物体の反射光パルスを精度良く検出する方法について図6~図22を用いて具体的に説明する。反射率の低い物体や、より遠方の物体を測距の対象とする場合、その物体からの反射光パルスが有するピークは小さい。反射光パルスのピークが小さいと、反射光パルスのピークとノイズのピークとの差が小さくなったり、反射光パルスがノイズに埋もれたりするため、ターゲットピークの検出に使用する閾値(例えば上記二値化のための閾値)の設定が困難になる。距離測定装置100に求められる距離精度(検知可能距離)を上げるには、時間計測用PD42の出力信号からターゲットピークを正確に判別する必要がある。以下では、本発明者らがターゲットピークの判別を可能にするまでの検討内容と、その検討により得た検出方法について説明する。なお、測距対象のターゲットとする物体からの反射光パルスのピークを、ノイズなどの他のピークと区別するために「ターゲットピーク」と言う。
本実施の形態では、測距方式による検知可能距離として100m(メートル)オーダが求められているため、少なくともこのオーダを検知可能距離として含むように検討した。一般的に100m先の物体から反射されて戻ってくる光の光量は数nW(ナノワット)~数十nW程度である。つまり、受光系は数nWの受光量の信号(受光信号)をエラー無く検知できることが求められる。数nW程度の微弱光に対する受光信号は信号強度が小さい。このため、ランダムノイズの影響を受けやすく、距離計測精度や物体検出信頼性に影響が出る。
問題となるランダムノイズとしては、大きく分けて回路ノイズとショットノイズがあり、その中でも特に問題になるのはショットノイズである。回路ノイズは抵抗から生じる熱雑音や基板が放射ノイズを拾って生じるノイズであり、普通は数mV(ミリボルト)程度である。これに対してショットノイズは光量計測に伴う白色雑音であり、ショットノイズの大きさは光量の時間平均の平方根に比例し、感度が高いもしくは外乱光が強い場合には数十mV以上にもなり得る。このため、ショットノイズは回路ノイズよりも問題になりやすい。ノイズの大きさが光量の時間平均の平方根に比例することから分かるように、ショットノイズはDC光検出の際にも白色雑音として生じる。
図6は、反射光パルスとノイズとの関係を説明する図である。図6には、高輝度光が検出系40の受光素子に入った場合の時間計測用PDの出力波形の一例を示している。高輝度光は、例えば屋外で距離を計測する場合は太陽光であり、屋内で距離を計測する場合は照明光である。図6(A)には、比較のため、高輝度光が入らない場合の出力波形の一例を示している。図6(A)と図6(B)の比較から分かるように、高輝度光が入らない場合に比べて、高輝度光が入った場合は、DC成分が増大し、ランダムノイズ(ショットノイズ)も増大する。
図6(C)には高輝度光が入った場合にハイパスフィルタ等を通したときの出力波形を示している。図6(C)に示すように、ハイパスフィルタ等を通すことによりDC成分は除去されるがランダムノイズ(ショットノイズ)は除去されずに残ってしまう。つまりDC成分は、ハイパスフィルタ等で除去することができるが、ランダムノイズはハイパスフィルタ等では除去することができない。
図6(D)にはより強い高輝度光が入った場合の、図6(C)との比較図を示している。より強い高輝度光が受光素子に入ると、図6(D)に示されるように、ショットノイズが増大し、ショットノイズが反射光パルスの閾値(検出閾値)を超えてしまう。このような場合には、特に、パルス信号とノイズとを判別することができず、誤検出となる。
閾値を基準に反射光のパルス信号を検出する方式では、このようなノイズによる誤検出を防ぐために通常はショットノイズに比べて閾値を十分高く設定する必要があり、閾値はショットノイズが最大となる状況を想定して決定される。しかし、実際のショットノイズが比較的小さい場合にも閾値が過剰に大きく設定されることになるため、遠い位置からのピークの小さい反射光を検出することができず、検知可能距離が小さくなる。従って検知可能距離を大きくするためには、閾値を誤検出の起こらない範囲で最小限の高さに設定する必要がある。
図7は、物体との距離が近い場合における、ショットノイズとターゲットピークとの関係を示す図である。周囲の照度が非常に明るくショットノイズが大きくなる場合でも、図7に示すように物体との距離が近い場合はターゲットピークが大きくなる。この例では、物体との距離が10m、20m、30m、40mの場合のそれぞれのピークを示している。また、物体の反射率が大きい場合にも、ターゲットピークは大きくなる。これらに該当する物体は反射光のピークがショットノイズから突出するため、ターゲットピークとして判別が付きやすく、ターゲットピークを検知するための閾値(閾値電圧)の設定も容易となる。
図8は、物体との距離が遠い場合における、ショットノイズとターゲットピークとの関係を示す図である。物体との距離が遠い場合は、図8に示すようにターゲットピークが非常に小さくなる。また、物体の反射率が小さい場合にも、ターゲットピークは非常に小さくなる。これらに該当する物体は反射光のピークがショットノイズに近い範囲にあるため、ターゲットピークの判別が難しくなる。
図9は、図6~図8の検討結果と閾値との関係を一つにまとめた図である。図9には、距離測定装置100における、物体までの実距離と、物体からの反射光のターゲットピーク強度と、強い西日を想定した最大値を示すショットノイズとの関係を模式的に示している。ここでショットノイズはエラーバーで示している。0mVからエラーバーで示す範囲に閾値を設定するとショットノイズを誤検出することになる。
図9においてターゲットピーク強度の電圧は、近距離では(図9の例では25mまでは)飽和している。ショットノイズに起因する誤測距を避けて閾値を設定する場合、図9に示すように400mVに閾値を設定することになる。しかし、このように設定した場合、50m以上遠距離にある物体からの反射光はピーク強度が閾値よりも小さくなるので検出することができなくなる。つまり、ショットノイズの誤検出を避けて閾値をそれよりも高く設定しようとすると検知可能距離が小さくなる。このことから、より遠い距離の物体を測距するためには閾値をより低く設定し、ショットノイズとターゲットピークとを分離する技術が必要であることが言える。
しかし、物体からの反射光パルスを誤検出する要因は、それ例外にもある。屋外で距離を計測する際の雨や霧などである。雨や霧などから反射する光も物体からの反射光を検出する閾値を超える可能性が高い。この場合にも、ターゲットピーク(雨や霧などの反射を除く)を判別することができなくなる。
図10は、雨と物体とが検出された検出信号の出力波形の一例を示す図である。例えば時間t=0でパルス発光したとすると、図10に示すように出力波形に雨1、雨2、雨3のパルス信号が含まれてくる。物体のパルス信号を検出するために閾値を図10に示す破線レベルに設定していると、屋外で計測した場合に雨1、雨2、雨3、および物体のそれぞれが検出されることになる。このような場合に、検出結果を見ても、どれが雨でどれが物体かを判別することはできない。
これらを踏まえ、本発明者らは、同じ有効走査領域に対して測定を複数回繰り返し、複数回の測定にわたり閾値を超えた位置における閾値を超えた回数(検出回数)をカウントして、その結果からターゲットパルスを判別することを考えた。
図11および図12は、ターゲットパルスを判別するための方法について説明する図である。図11は、時間計測用PD42の出力波形の一例を示す図である。PD出力検出部44の閾値は一例として100mVとしている。この出力波形は、複数回の測定のうちの1回の出力波形であり、複数回の測定のうちの他の回の測定では、雨の反射パルスの位置が移動したり、ノイズの発生位置が変わったりするため、出力波形のパターンが変わる。
距離測定装置100は、同じ有効走査領域に対して複数回の光走査を行う、つまり同じ有効走査領域の全体の走査を複数回繰り返す。PD出力検出部44は、複数回の測定において1回の測定ごとに時間計測用PD42からの出力信号(図11に示すような出力波形の信号)から閾値を超える信号を検出して検出信号を出力する。時間計測部45は、1回の測定ごとに検出信号が検出された位置(位置は物理的な位置に限らず、後述する階級に相当するものとする)を記録し、複数回のすべての測定で得た各位置における検出数をカウントする。
ここでは一例として時間計測部45(処理部の記憶部)は、1回の測定ごとに内部メモリに検出位置を記憶する。複数回の測定のすべての記録を終えた後で、各位置の検出回数を集計するものとする。なお、記録や集計の処理は、これに限らず、別のところで行ってもよい。例えば時間計測部45の外部に記録や集計の処理を行う専用処理部を設けてもよい。その場合、時間計測部45は専用処理部との間でデータの受け渡しだけを行い、専用処理部から受け取った処理結果に基づき時間計測を行うようにしてもよい。
ここで、カウントは、検出位置を示す共通の分類を使用して行う。一例として、所定の距離(もしくは時間)ごとに区切って、検出された信号を振り分ける。区切る距離(もしくは時間)の幅は任意であってよい。以下において、所定の距離(もしくは時間)ごとに区切った一つ一つをヒストグラム階級と呼ぶ。
図12は、時間計測部45の処理部が閾値を超えた信号をカウントするためのデータ構成の一例を示す図である。図12には、ヒストグラム階級の一例として距離で区切った距離階級に測定結果を設定してカウントして記録したものを示している。図12(A)には、距離階級を2mの区切り幅(20(m)、22(m)、・・・)で設定したものを示している。この例では、同じ有効走査領域に対して光走査を行って測定する回数は合計で5回である。この測定する回数のことを以下において「フレーム数」とも言う。
図12(A)に示す1回目から5回目において距離階級毎に設定されている数値「1」は、信号(ショットノイズ信号またはターゲットピーク信号)が1つ検出されたことを示している。例えば、1回目の測定では、距離階級20(20m~22mの範囲)に信号が1つ検出され、距離階級30(30m~32mの範囲)に信号が1つ検出されたことを示している。また、2回目の測定では、距離階級22(22m~24mの範囲)に信号が1つ検出され、距離階級30(30m~32mの範囲)に信号が1つ検出されたことを示している。
図12(A)のデータが示すように、同じ有効走査領域を複数回測定した場合は、測定ごと(1回目、2回目、・・・)に信号の検出される距離階級にばらつきがでる。これはショットノイズがランダムに発生するために起こる。このため、測定回数を重ねることでショットノイズが検出される距離階級では合計個数(集計値)が小さな値となる。雨や霧などについても同様である。これに対し、ターゲットピークは、物体の位置が変わらない若しくは略変わらないため基本的には測定が行われる度に、同じ距離階級で検出され、その距離階級の合計個数が大きくなる。例えば、距離階級30には5回測定したうちの全て(1回目~5回目)において「1」が入り、合計個数が「5」で一番大きくなっている。従って、その合計個数から、距離階級30で検出された信号がターゲットピークであることが類推できる。そして、ターゲットピークとして類推された距離階級のデータだけの距離平均値を取れば、その物体の距離が求められるという考え方である。
次に、この手法でのいくつかの改善点について図12(B)で説明する。距離階級の間隔を狭くした場合と、フレーム数(測定回数)を少なくした場合とにおいて改善が必要となる。図12(B)では、距離階級を1mの区切り幅で設定し、フレーム数を「3」とした場合の結果を示している。このように距離階級の間隔を狭くすると、信号波形が階級区切りの近くで分散している場合に、本来の距離階級ではなく隣の距離階級に入ってしまう可能性がある。図12(B)には、2回目の測定で距離階級31から距離階級30に検出位置が変わってしまった例を示している。また、フレーム数が少ない場合は、他の階級で偶然ショットノイズがターゲットピークと同数入ってしまう可能性がある。図12(B)に示す例では距離階級27と距離階級31の合計個数が同じになり、合計個数からでもショットノイズとターゲットピークとの区別ができなくなる。
本発明者らは、そのような場合のために、信号波形幅であるパルス波形の幅(パルス幅)も算出し、その標準偏差σを以て真偽を特定することを考えた。なお、パルス幅は、閾値を超えるパルス波形であって、閾値の位置における波形幅のことを指す。例えば図11に示す出力波形では、閾値100mVを4つのパルス波形が超えている。図11では、各パルス波形の閾値の位置におけるそれぞれの幅、つまり3つのショットノイズの幅と、1つのターゲットピークの幅とが該当する。閾値を超えた信号波形の立ち上がり部と立ち下り部とを計測することでパルス幅を算出し、対応する距離階級に対応付けて記録する。
ショットノイズはランダムな大小の大きさで閾値を超えるため、そのパルス幅のσは大きいはずであり、逆にターゲットピークのパルス幅は安定しているためそのσは小さいことが考えられる。パルス幅σが小さい値を真の値(ターゲットピークのデータ)として処理するという考え方である。この考え方を用いれば、ターゲットピークは検出されず、ショットノイズだけがある階級の中に複数あったとしても、パルス幅σの値が大きければそれはショットノイズである、という誤測距検知にも使えるものである。
図12(C)にはパルス幅σが1.0以下を合格とした場合の例を示している。距離階級27と距離階級31の合計個数が「2」で同じであるが、距離階級27のパルス幅σが2.3>1.0で、距離階級31のパルス幅σが0.2<1.0であるため、距離階級31が合格となり、距離階級31のピークが真のターゲットピークと分かる。
なお、最終的にσ<1.0の階級が2個以上残った場合、σが最も小さな階級を真のターゲットピークのデータ階級とし、その階級のデータの平均値を以て測距データとする。
また、ここではターゲットパルスの真偽診断をパルス幅σにて行う例について示したが、パルス幅のばらつき、あるいは平均値でも同様の判定が下せる。すなわち所定の距離に物体があればほぼ同じパルス幅を示すため、距離とパルス幅にてそのピークがターゲットピークかノイズなのかを判断することができる。
時間計測部45の処理部が複数回の測定にわたりデータを記録し、その記録データからターゲットピークを判別する処理フローについて説明する。ここでは、複数回の測定にわたりデータが記録されているものとして、その記録データからターゲットピークを判別する処理フローについて説明する。
図13は、時間計測部45の処理部が行う判別処理の一例を示すフロー図である。なお、ここでは、パルス幅σをσpwと標記する。先ず、処理部は、記録データの合計個数においてデータ個数が2個以上の階級があるかを判定する(ステップS1)。
データ個数が2個以上の階級がある場合(ステップS1:Yes)、処理部は、それらのうちの最も個数の多い階級を探す(ステップS2)。
なお、データ個数が2個以上の階級がない場合は(ステップS1:No)、ターゲットピークの判別が困難なため測距不可とする(ステップS3)。
次に、処理部は、最も個数の多い全ての階級のσpwを計算する(ステップS4)。
次に、処理部は、σpwが1.0以下の階級が1つ以上あるかを判定する(ステップS5)。
σpwが1.0以下の階級がある場合(ステップS5:Yes)、処理部はσpw<1.0の階級をA階級と名付ける(ステップS6)。
なお、σpwが1.0以下の階級がない場合(ステップS5:No)、処理部は、ステップS2で探した階級のデータを偽のデータ階級とし、偽階級を除外する(ステップS7)。そして、処理部は、ステップS1から処理を繰り返す。
ステップS6の後、処理部は、A階級が1つのみかを判定する(ステップS8)。A階級が1つのみの場合(ステップS8:Yes)、処理部は、真のデータ階級と認定する(ステップS9)。
A階級が1つのみでない場合には(ステップS8:No)、処理部は、σpwが最も小さい階級を真のデータ階級と認定する(ステップS10)。
そして、処理部は、認定した真のデータ階級の距離平均値を算出する(ステップS11)。
図14は、距離測定装置100の画角について詳しく説明する図である。図14に示されるように、距離測定装置100は、その走査方向が回転ステージの回転面に対して垂直な方向となるように設置されている。この構成において、距離測定装置100が走査する走査角度(スキャン角度)が180°であれば1周のステージ回転により完全な全天球型空間測距を行うことができる。しかし、距離測定装置100は、構造上、また設置されるステージによる蹴られにより、180°のスキャン範囲を実現することは困難である。本発明者らは距離測定装置100として145°のスキャン範囲で、走査方向の両端にそれぞれ35°ずつ死角がある準全天球型空間測距を行う装置にした。本明細書では、このような準全天球型も全天球型として説明する。
ここでは回転ステージの回転方向に対して垂直なベクトルになるように距離測定装置100を設置した例を示したが、垂直方向から傾けた設置も用途によっては有効である。例えば、ある角度分解能の距離測定装置100を用いる場合において、より角度分解能を向上させたい要求があるとする。その際は、回転ステージの回転方向に対して45°の傾きで距離測定装置を設置することでその角度分解能が倍になる。ただし、全天球型空間測距における上下の死角となる角度は大きくなるため、用途と要求項目とのバランスを考えた上での適用となる。このように構成したものも、準全天球型空間測距を行う装置であり、本明細書では、全天球型に含まれる。
本実施の形態において、距離情報取得装置1は、制御装置300や測定制御部46の制御により、回転ステージを所定の回転角(一例として0.1°とする)ずつ回転させ、回転角ごとに、それぞれの位置の画角の一軸方向にパルス光を偏向して一次元走査する制御を行う。距離情報取得装置1は、この制御を回転ステージが360°回転するまで繰り返す。
図15は、距離情報取得装置1により全天球型空間測距を行って得た測距画像の一例を示す図である。この測距画像は、画角145°、角度分解能0.1°の距離測定装置100(図14参照)を使用して体育館内でスキャン1走査ごとに0.1°ずつ回転ステージを回転させることを、回転ステージが360°回転するまで繰り返した場合のものである。照明によるショットノイズが発生しないように、体育館内の照明は消灯した。
距離測定装置100からは走査方向(この場合の走査方向は、回転ミラー26から出射する光の光軸の方向である)とその方向の物体までの距離がセットで出力される。また、回転ステージの駆動をモニタすることによりその時に距離測定装置100がどちらを向いているかがわかる。例えば、距離測定装置100の走査方向をθ、物体までの距離をr、距離測定装置100の正面(ウィンドウ101側)の向きをφとすると、次の(式1)により、x、y、z座標が求まる。なお、ここでは図1および図2に示すXYZ3次元直交座標系とは異なるXYZ3次元直交座標系で示している。
x=rsinθcosφ
y=rsinθsinφ ・・・(式1)
z=rcosθ
図16は、式1の変換を示す図である。式1で求めたx、y、z座標の組を所定のフォーマットで並べたものが点群データとなる。
ここでの例ではスキャン中心を水平方向に向けているとして挙げたが、測距する目的によって、上側でも下側でも傾けて構わない。また、回転方向と垂直なベクトルだけではなく、任意に傾いた角度を持たせて設置してもよい。
更に、本発明者らは本距離測定装置の略同一位置で撮影できるようにカメラなど撮像装置を設置することで、上記で得られた空間測距情報をあたかも写真のように表現する方法を可能にした。すなわち、撮像装置から得られる画像(1色、またはRGB等の複数色の画像)の任意の点を、距離測定装置で取得できる空間座標から撮像装置の投影中心に向かってきた光線で形成されたものであるとみなし、空間座標と、画像の任意の点に対する投影角度に基づいて、空間座標の同一角度に対応する画素の色情報を付加することで、色情報付きの画像とすることができた。
特に、撮像装置として全天球画像を撮影できる機器を用いることで、上記で得られた全天球型空間測距情報をあたかも全天球型写真のように表現する方法を可能にした。すなわち、画像の投影方式と3次元球面空間の対応から、画像の各画素における3次元球面空間における緯度経度情報を計算し、距離測定装置の空間座標の点を球面空間に転写した際に得られる緯度経度を用いて、空間座標の各点の色情報とすることで、距離測定装置の空間座標に色情報を付加することで、色情報付きの画像とすることができた。
図17は、距離測定装置100に全天球型撮像装置400を取り付けた場合の略図である。全天球型撮像装置400の光軸中心が距離測定装置100の回転ミラー26(図2参照)の回転軸と略同一位置に治具によって取り付けられていることが望ましい。それにより、距離測定装置100による測距結果と全天球型撮像装置400の位置関係とがほぼ一致し、高さ方向(Y軸方向)のみのオフセットを調整すればよいことになり、写真色情報との簡便な合わせ込みを実現できる。
全天球型撮像装置400は、撮像範囲の光を魚眼レンズなどを介して内部の撮像素子に結像する。魚眼レンズで集めた光は、プリズムやレンズなど光学系を介して撮像素子に結像される。撮像素子は、2次元解像度のイメージセンサ(エリアセンサ)である。撮像素子には、2次元方向に各画素の受光素子(フォトダイオード)が多数配列され、R(Red)とG(Green)とB(Blue)のカラーフィルタをベイヤ配列等で有する。ここでは、撮像方向を正面とする周囲180度の半天球の範囲を撮像する。撮像素子からは画素回路で電気信号に変換されたRGB画像が制御装置300に出力される。RGB画像を利用した処理は、制御装置300などで行われる。
全天球型撮像装置400と距離測定装置100の位置の合わせ込みについて説明する。まず、全天球型撮像装置400の画像フォーマットは、一般的に正距円筒図と呼ばれるフォーマットで出力される。これは、全天球型撮像装置400のレンズ位置を中心とした球面座標系において、図18に示すように、水平方向角度θ、垂直方向角度φに対して、経度、緯度を直行するように2次元平面にマッピングするフォーマットである。
距離測定装置により構成される3次元座標の点X=(xL、yL、zL)に対し、撮像装置の原点とのずれをD=(dx、dy、dz)としたとき、撮像装置を原点としたときに得られた点群座標(xT、yT、zT)は次の(式2)で表現できる。
Figure 0007176364000006
以上から、撮像装置の中心から取得された三次元点群の位置が判明するため、それが画像上のどのピクセルと対応しているかを求めれば、三次元点群に対応する色が判明する。
三次元空間上の点のxT,yT、zTに対する、2次元平面上の点、u,vは、u,vが球面座標系にマッピングし、角度に対応していることから、次の(式3)と(式4)とで求まる。ここで、wは画像の幅、hは画像の高さを表すものとする。
Figure 0007176364000007
以上から、距離測定装置で取得可能な任意の三次元座標に対して、それを全天球画像のピクセルの位置に割り当てることが可能である。ピクセルの画素はそのまま三次元座標の点の色に当たるとすれば、三次元空間座標の全ての点に色情報を追加することが可能となる。
このような全天球型空間測距を行う場合、太陽や天井の照明など照度が大きな光源も直接入射することになり、ショットノイズも大きくなる。例えば図19のように体育館に照明を点灯して色情報付きの三次元復元画像を作成する。なお、図19には、実際には色が付されている。図19や、図20の部分拡大図において楕円で囲んで示すように、照明のある場所から本装置のある場所に向かってショットノイズに起因する点ノイズが多数散見されているのが分かる。これが晴天な屋外であればより顕著なノイズが空中に散らばっていることになる。
本実施の形態に係る距離情報取得装置1であれば、ショットノイズがほぼ除去された色情報付きの三次元復元画像を得ることが可能になる。本実施例では、回転ステージの回転0°で3回スキャンを行い、その後回転ステージを0.1°ずつ回転させて3回ずつスキャンを行うということを回転ステージが1回転するまで同様に繰り返した。その際に、回転ステージのそれぞれの角度において、1回のスキャン毎に閾値(この例では100mV)を超えるショットノイズおよびターゲットピークの検出と記録を、3スキャン分行った。記録は、1スキャンごとに、上述したヒストグラム階級(この例では1mの距離毎に区分けした階級)に検出結果を分類して記録し、これを3スキャン分繰り返した。さらに記録した3スキャン分のデータをヒストグラム階級毎にカウントし、合計個数が最大となる階級を求めた。合計個数が最大となる階級が複数ある場合は、パルス幅σが所定値(この例では0.5)以下のものをターゲットピークとした。
これにより、図21(図22はその部分拡大図)のようにショットノイズがほぼ除去された色情報付きの三次元復元画像を得ることが可能となった。
なお、フレーム数は多い方がより確実にノイズを除去できる。しかし、フレーム数が多いと、その分測定時間も長くなる。従って、どれほどのノイズに対してどれほど確実にノイズを除去しなければならないかということを考慮してフレーム数を決定することが望ましい。
また、室内および屋外において全天球型空間測距を行い、例えば街中や工事現場、工場内の空間測距座標を全天球にて取得する場合、もしくは全天球型撮像装置と全天球型空間測距とを合成する場合において、人や車などが通りかかる可能性がある。全天球型撮像装置と全天球型空間測距とを合成する場合において説明すると、全天球型撮像装置で撮像した時間と全天球型空間測距を行った時間とにずれが生じる。撮影は一瞬で終了するが、全天球型空間測距は回転ステージを回転させるため数十秒から数分かかる。その際、人や車が通りかかった場合に、全天球型写真には構造物が撮影されている場所に人や車の測距値が入力されてしまい、それが合成画像ではゴーストとなる。しかし、本技術を用いることで概ね解決することができるようになる。すなわち、複数回の測距のうち、1度の測距において通りがかった人や車が測距されても、それ以外でターゲットとする構造物の測距が複数回なされていれば、より合計個数の多い構造物の測距値が採用され、人や車などをノイズとして除外することができる。
また、上記の例では、1画角において3フレームの測定が終了した後、次の画角へ回転ステージを0.1°回転させて測定を行うことを繰り返した。ところで、本実施例で使用した距離測定装置の1スキャンに要する時間は60msであり、3スキャンでは180msである。1画角に対して3フレームを連続して行うと、1画角での3スキャンすべてで人や車が場合によっては測距されてしまう。すなわち、これらをノイズ成分として除去することはできなくなる。このように移動する物体をフレーム数3の処理でノイズとして除去する場合、1画角で3スキャン連続にて測定を行うのではなく、1画角1スキャンで次の画角へ移動し、回転ステージを3周させて同一画角で3スキャンを行うようにする。この手法を用いれば、回転ステージ1回転分の測定を行っている数秒から数十秒の間に移動物体がその画角の場所を去っている可能性が非常に高く、ほとんどの場合において移動物体をノイズ(ゴースト)として除去することが可能になる。
(実施の形態の効果)
以上のように、本実施の形態においては、できるだけ測距可能な限界距離を伸ばすために閾値を低く設定しても、回路を大型化することなく安価な構成で、対象物からの光信号とノイズとを精度良く判別することが可能になる。つまり回路を大型化することなく安価な構成で検知可能距離を拡大することが可能になる。特に閾値電圧を低く設定して大きなノイズに埋もれたターゲットからの信号を真として判別する成功率が大きく改善されるようになる。また、人や車の通行によるゴーストを除去することも期待することができる。
(本実施の形態の距離情報取得装置を利用した場合の効果の一例)
ネットワークの無線化が進み、オフィスには無線LANの機器が多数置かれている。これらの機器はワイヤレスで使えて場所を選ばずにネットワーク利用ができる反面、距離や位置によって電波の通りやすさに差が生じ、安定した通信をしにくい場合がある。また電波同士の干渉も考慮する必要が有り、遮蔽物が多い場合は通信が遮断されやすく、込み入ったオフィスなどでは場所により通信速度に差が生じやすい。そのため、企業向けの無線LAN設置サービスの場合には、綿密な図面調査、現地調査のもと、電波の届く範囲や他の無線LANのノイズチェックなどを行っている。これらの現地調査にはレーザ測量なども使われ、正確に居室の間取りを測定するのだが、多数の人と時間を要する作業である。本実施の形態の距離情報取得装置の利用により多数の人と時間を要することなく作業することが可能になる。
以上、実施の形態に示した構成は、次の(1)~(8)の構成にも対応する。
(1)
パルス光を対象物に向けて投光する投光手段と、対象物で反射もしくは散乱されたパルス光を受光する光検出器と、光の投光時から受光時までの時間を計測する時間計測部とを有し、時間計測部により計測された時間から対象物までの距離を求める手段と、パルス光はある回転中心からスキャンして出射する手段を有することを特徴とする距離測定装置において、距離測定装置は回転ステージの上に設置されており、その設置方法はステージ回転角方向とは別ベクトルとなるスキャン方向となるように、回転ステージ上に設置されており、回転ステージの1つの回転画角に対して複数回のスキャンによる測距を行うことを特徴とする距離情報取得装置。
(2)
(1)の構成において、複数回のパルス光投光によって生じる対象物からのパルス光信号の受光およびそれらに含まれるノイズ信号が、設定された閾値を超えたかどうかで判別し、所定の時間もしくは距離にて分類された階級において、それら複数回のパルス信号およびノイズ信号が閾値を超えたと判断された信号の個数をそれぞれの階級ごとにカウントし、所定の時間もしくは距離の階級で最も信号数が多くカウントされた階級を対象物からの信号階級であると判断する手段を有することを特徴とする距離情報取得装置。
(3)
(2)の構成において、閾値を超えた信号波形の立ち上がり部と立ち下り部とを計測することで信号波形幅を計算し、これら信号波形幅と、各階級内の信号個数とを参考にしてノイズ信号と対象物からの光信号とを区別することを特徴とする距離情報取得装置。
(4)
(3)の構成において、各階級内で複数の信号がカウントされたそれぞれの信号波形幅のばらつきを計算し、所定のばらつき以下の値を持つ階級内の信号が対象物からのパルス光信号であると判断することを特徴とする距離情報取得装置。
(5)
(3)の構成において、各階級内で複数の信号がカウントされたそれぞれの信号波形幅の平均値を計算し、ある範囲の平均値の信号波形幅を持つ階級内の信号が対象物からのパルス光信号であると判断することを特徴とする距離情報取得装置。
(6)
(1)~(5)の構成において、対象物からのパルス光信号であると判断された階級内の複数の対象物からのパルス光信号を平均化処理して距離を求めることを特徴とする距離情報取得装置。
(7)
(1)~(6)の構成と、距離測定装置の略同一位置で撮影できるように設置した撮像装置を用いる構成において、撮像装置から得られる画像の任意の点を、距離測定装置で取得できる空間座標から撮像装置の投影中心に向かってきた光線で形成されたものであるとみなし、空間座標と、画像の任意の点に対する投影角度に基づいて、空間座標の同一角度に対応する画素の色情報を付加することを特徴とする、色情報付きの距離情報取得装置。
(8)
(7)の構成において、撮像装置として全天球画像を撮影できる機器を用いる装置で、画像の投影方式と3次元球面空間の対応から、画像の各画素における3次元球面空間における緯度経度情報を計算し、距離測定装置の空間座標の点を球面空間に転写した際に得られる緯度経度を用いて、空間座標の各点の色情報とすることで、距離測定装置の空間座標に色情報を付加することを特徴とする、色情報付きの距離情報取得装置。
15 投光系
20 投光光学系
30 受光光学系
40 検出系
42 時間計測用PD
44 PD出力検出部
45 時間計測部
46 測定制御部
47 物体認識部
50 同期系
100 距離測定装置
300 制御装置
特開2004-184333号公報 特開平11-038137号公報 特開平08-304535号公報 実開昭63-101880号公報 特開2012-220466号公報 特開2015-108539号公報 特許第3771346号公報 特許第6020547号公報 特許第5206297号公報 特許第5901004号公報 特開2015-155872号公報

Claims (7)

  1. パルス光を対象物に向けて投光する投光部と、
    前記パルス光を偏向する偏向部と、
    前記対象物で反射もしくは散乱された前記パルス光を検出する検出部と、
    を有する光学ユニットと、
    前記光学ユニットを軸回転させる回転部と、
    前記光学ユニットが前記回転部により回転する回転方向において、所定の回転角ごとに、前記パルス光を前記各回転角に対応する画角の一軸方向に偏向させる一次元走査を行う制御部と、
    前記パルス光を投光してから検出するまでの時間を計測することにより前記対象物までの距離を示す情報を取得する取得部と、
    を有する距離情報取得装置を有し、
    前記回転部により前記光学ユニットと共に軸回転させられる全天球撮像装置を、さらに有し、
    前記取得部は、対象物までの距離を示す情報と前記撮像装置によって得られた色情報とから色情報付きの三次元復元画像を生成することを特徴とし、
    前記光学ユニットの走査方向をθ、物体までの距離をr、前記光学ユニットの正面の向きをφとすると、次の(式1)により、X、Y、Z座標が求まり、
    Figure 0007176364000008
    前記光学ユニットにより構成される3次元座標の点X=(XL、YL、ZL)に対し、前記全天球撮像装置の原点とのずれをD=(dx、dy、dz)としたとき、前記全天球撮像装置を原点としたときに得られた点群座標(Xr、Yr、Zr)は次の(式2)で表現できる場合、
    Figure 0007176364000009
    三次元空間上の点のXr、Yr、Zrに対する、2次元平面上の点、u,vは、u,vが球面座標系にマッピングし、角度に対応させて、(式3)と(式4)とで求め、距離測定装置で取得可能な任意の三次元座標に対して、全天球画像のピクセルの位置に割り当てることを特徴とする全天球型距離情報取得装置であり、
    Figure 0007176364000010
    Figure 0007176364000011
    このとき、arctan2は(式5)で表されたものとし、
    Figure 0007176364000012
    (wは画像の幅、hは画像の高さを表す)
    前記制御部は、前記同一回転角ごとに前記一次元走査を複数回行い、
    前記取得部は、前記複数回の前記一次元走査により前記検出部が検出した検出信号の中から前記対象物の前記パルス光の信号を判別する、
    ことを特徴とする全天球型距離情報取得装置。
  2. 前記取得部が、同一回転角に対しn回の一次元走査を行うにあたり、n回転して同一回転角の一次元捜査情報をn回取得することを特徴とする第1項に記載の全天球型距離情報取得装置。
  3. 前記検出部は、前記検出信号として、前記パルス光を受光する受光部の出力信号から閾値を基準に検出した検出信号を出力し、
    前記取得部は、
    前記複数回の一次元走査において検出位置を示す共通の分類に前記一次元走査の1回ごとに前記検出部から出力される前記検出信号を振り分けて検出回数を記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する前記検出位置ごとの前記検出回数の集計値に基づいて該集計値が最大の検出位置の検出信号を前記パルス光の信号として判別する判別部と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の全天球型距離情報取得装置。
  4. 前記記憶部は、さらに、前記閾値を超える信号波形の信号波形幅を前記各検出位置に対応付けて記憶し、
    前記判別部は、さらに、前記信号波形幅に基づいて前記パルス光の信号を判別する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の全天球型距離情報取得装置。
  5. 前記判別部は、さらに、前記信号波形幅のばらつきに基づいて前記パルス光の信号を判別する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の全天球型距離情報取得装置。
  6. 前記判別部は、さらに、前記信号波形幅の平均値に基づいて前記パルス光の信号を判別する、
    ことを特徴とする請求項に記載の全天球型距離情報取得装置。
  7. 前記取得部は、前記判別部により前記対象物からのパルス光の信号であると判別された前記検出位置の複数の対象物からの前記パルス光の信号を平均化処理して距離を求める、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一項に記載の全天球型距離情報取得装置。
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