JPH09170913A - 光電センサ - Google Patents

光電センサ

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JPH09170913A
JPH09170913A JP28906396A JP28906396A JPH09170913A JP H09170913 A JPH09170913 A JP H09170913A JP 28906396 A JP28906396 A JP 28906396A JP 28906396 A JP28906396 A JP 28906396A JP H09170913 A JPH09170913 A JP H09170913A
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JP
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light
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signal
pulse
scanning
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Application number
JP28906396A
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English (en)
Inventor
Kiyotoshi Okura
清俊 大倉
Hiroshi Goto
博史 後藤
Koichi Imanaka
行一 今仲
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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  • Switches Operated By Changes In Physical Conditions (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CCDカメラのように外部照明を必要とせ
ず、安価、小型、情報処理が極めて簡単、かつ所定の物
体の認識も可能な光電センサを提供すること 【解決手段】 光を一次元方向に走査して出射する投光
部Aと、投光部から出射された光の物体20からの反射
光を受光する受光部Bと、受光部からの受光信号(受光
強度に応じた信号をしきい値処理して二値化して得られ
たパルス列)から特徴量を抽出し、その抽出した特徴量
と、予め格納した基準データとを比較して検出対象物か
否かの判別処理を行い、判別結果を出力する信号処理部
Cとから構成される。特徴量としては、パルス幅の最大
/最小値や、パルス数さらには、各パルスの幅をしきい
値処理して各パルスを「狭い/広い」に弁別して得られ
るコードデータを用いることにより、簡単な処理で合致
/不合致の判定が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電センサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、光電センサ
は、光源から出射した光を物体に照射し、その反射光を
検出することにより、光電センサの検出領域内での物体
の有無等を判断するようになっている。
【0003】そして、例えば図1に示すように、上記光
電センサ1a〜cを複数設置(図示の例では平行に配列
する)し、各光電センサ1a〜cの検出領域を一部オー
バーラップさせると、少ないセンサで大まかな物体の存
在位置を検出することができる。図示の例では、各光電
センサ1a〜cがそれぞれ単独で検出する領域a,b,
cと、隣接する光電センサ1の両方の検出領域に重なっ
ている領域d,eの5つに区分することができる。そし
て、例えば右端の光電センサ1cのみが物体2を検出し
た場合には、その物体2は領域cに存在していると判断
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この複数の光
電センサを用いた検出システムでは、a〜eのいずれか
の領域に物体2が位置しているかを検出するものにすぎ
ず、大まかな物体位置情報しか得ることが出来なかっ
た。ましてや、物体の形状判別を行うことは不可能であ
った。
【0005】ところで、ファクトリ・オートメーション
の分野においては組み立て検査が最も重要な要素のひと
つとなっており、例えば、回路組み立て工場において
は、ICリードフレームがまっすぐで曲がっていないこ
とを検査する必要がある。また、印刷パターンが所定の
位置にきているか否かのチェックを行ったり、物体(製
品,部品)の形状が所望の状態であるか否かのチェック
を行うこともある。
【0006】そして、上記検査を行うに際し、通常は、
CCDカメラを使った画像センサに基づいてコンピュー
タによる画像認識処理を用いて対象物体を認識するシス
テムが主流となっている。
【0007】しかし、CCDカメラを用いた画像センサ
は外部に特別な光源(外部照明)が必要となるととも
に、認識アルゴリズムは複雑で高速な処理を要求するた
め、システムが大型化し、また高価なものとなる。そし
て、実際の使用にあたっては上記したように、外部照明
が必要となり、設置場所における照明方法の違い、例え
ば照度の違いや照明光の入射方向の違い等により読取誤
差等が発生するおそれもある。
【0008】そこで、構成が簡易で安価な光電センサを
用いて上記した判定処理を行うことができれば好ましい
が、従来の光電センサでは、上記したように大まかな物
体位置情報しか得ることができず、判定処理までは行う
ことができなかった。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、CCDカメラのように外部照明を必要とせず、安
価、小型、情報処理が極めて簡単、かつ所定の物体の認
識も可能な光電センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る光電センサでは、光を少なくとも
一次元方向に走査して出射する投光部と、前記投光部か
ら出射された光の反射光を受光する受光部と、前記受光
部から与えられる受光信号から特徴量を抽出し、その抽
出した特徴量と、予め格納した基準データを比較して検
出対象物か否かの判別処理を行い、判別結果を出力する
信号処理部とを備えて構成した(請求項1)。
【0011】そして好ましくは、前記投光部が、発光素
子と、その発光素子から出力された光を一次元方向に走
査する光走査手段とを備え、その光走査手段が、少なく
とも1つの弾性変形モードを有する弾性変形部とその弾
性変形部の一瑞に設けられた振動入力部とで構成される
共振型の走査装置を用い、前記走査装置の振動入力部の
入力を変化させることで走査幅を可変にするように構成
することである(請求項2)。
【0012】また、前記受光部は、受光強度に基づく受
光信号をしきい値処理して二値化情報に変換し出力する
ようにすることができる(請求項3)。また、前記受光
部は、受光強度に基づく受光信号から、異なる条件でし
きい値処理し、複数種の二値化情報を生成し出力するよ
うにすることもできる(請求項4)。そして、係る場合
に前記特徴量が前記二値化情報に基づくパルスのパルス
幅,最大幅,最小パルス幅,パルス数,パルス幅合計の
中の少なくとも1つを含むようにするとよい(請求項
5)。さらに、前記特徴量として、前記二値化情報に基
づくパルス幅をしきい値処理して各パルスの配列情報を
コード化したコードデータを用いるようにするとなおよ
い(請求項6)。
【0013】一方、信号処理部の機能の一例を示すと、
例えば、学習モードとして検出対象が正常な状態に対
して走査し得られた受信信号に基づいて予め定めた特徴
量を抽出し、抽出した各特徴量の値のうち、ばらつきが
一定の範囲内のものを有効特徴量と決定するとともに、
その有効特徴量の正常範囲を求める機能を持たせる。
また、実際の判定処理を行う実動作モードとして、判定
対象に対して走査し得られた受信信号に基づいて前記学
習モードで決定した有効特徴量についてのデータを求め
るとともに、その求めたデータが前記正常範囲内か否か
を判定し、判定結果を出力するように構成することもで
きる(請求項7)。
【0014】さらに、検出対象が複数ある場合には、上
記学習モードとして、各検出対象が正常な状態に対して
走査し有効特徴量を求め、各検出対象について求められ
た有効特徴量と、他の検出対象について求められた有効
特徴量とを比較し、相互に弁別可能なときに正式な有効
特徴量とする機能をさらに付加することもできる(請求
項8)。
【0015】投光部から一次元方向に光を走査しながら
検出物体に対して出射し、その時の反射光を受光部で受
光する。そして、その時の受光強度は、物体の有無(境
界部分がわかる)や、物体表面の状態(色や反射率等)
により異なるので、物体上を走査した部分の状態が受信
した信号強度に現れる。従って、信号処理部によりその
信号強度に基づくデータから特徴量抽出を行い、予め検
出対象となる物体から得られた特徴量データ(基準デー
タとなる)と比較し、その一致度・類似度を求めること
により、処理対象の物体が検出対象物か否かが判断され
る。従って、簡易な形状判定や種別判定並びに印刷ミス
の有無などの良否判定等を行うことができる。
【0016】そして、外部照明などが不要となるので、
照明変動による誤認識のおそれは可及的に抑制され、簡
易で小型なセンサが構成できる。
【0017】特に、請求項2のようにすると、投光部を
より小型化することができセンサ全体がさらに小型化す
る。
【0018】また、請求項3のように受信信号を二値化
情報に変換することにより、出力信号は、パルス列とな
るので、特徴量抽出も簡単に行え、またそれに基づく比
較判定処理も、例えば実施の形態で示したように基準値
から一定の範囲内にあるか否かというようなしきい値処
理が可能となり、簡易なアルゴリズムで判定することが
できる。
【0019】また、請求項4で規定した「異なる条件で
しきい値処理する」とは、例えば実施の形態で示すよう
に、異なるしきい値で二値化処理したり(図14,図1
5で詳しく説明している)、しきい値は同じにするが、
そのしきい値処理する前に異なるフィルタ特性のフィル
タを通過させることにより、受信した信号から複数種類
の信号を生成し、係る生成した信号に対してしきい値処
理する(図16〜図18で詳しく説明している)ように
することができる。また、それらを組み合わせても良
く、さらには別の方式を採っても良い。このようにする
ことにより、より複雑な信号を生成することができるの
で、精度の良い判定を行うことができる。そして、請求
項5や請求項6を組み合わせることにより、より正確な
判定が行われる。
【0020】一方、請求項7,8のように構成すると、
実際の判定処理を行うために必要な基準データを自動的
に生成することができる。もちろんその後に調整するの
は構わない。そして、有効特徴量を決定する際の「ばら
つきが一定の範囲内」とは、ある絶対的な値よりも小さ
い場合や、相対的にばらつきが小さいものからa個を選
択するなど種々の方式を採ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図2は、本発明に係る光電センサ
の好適な実施の形態の一つを示している。同図に示すよ
うに、物体(検査対象物)に対して光を出射するための
投光部Aと、物体からの反射光を受光する受光部Bと、
その受光部Bから出力された受信信号に基づいて所定の
判定を行う信号処理部Cとから構成されている。
【0022】投光部Aは、半導体レーザー素子(レーザ
ーダイオード)からなる発光素子10と、発光素子10
から出射された光のビーム径を絞るレンズ等の光学素子
(実際には、コリメートレンズや、光路を変換する鏡等
の複数の光学素子を備えた光学系からなる)12と、そ
の光学素子12から出射された光ビームαを1次元状に
走査する1方向共振製スキャナ13と、その1方向共振
型スキャナ13を駆動する駆動回路14とを備えてい
る。
【0023】そして、共振型スキャナ13は、図3に示
すように、シリコン薄板やステンレス薄板等からなる平
面略L字型のプレート21と、そのプレート21を弾性
変形させる圧電素子22とを備えている。プレート21
は、弾性変形部(トーションバー)24と、その弾性変
形部24の両端に設けられた振動入力部25及び可動片
26と、可動片26の片袖に設けられた重り部27とか
らなり、上記振動入力部25に、圧電素子22が接合さ
れている。なお、プレート21に設けられた重り部27
は可動片26と一体で作ってもよいし、重りとして後か
ら張り付けてもよい。
【0024】そして、駆動部14から圧電素子22に駆
動電圧(交流電圧)Vdを入力して振動させると、駆動
入力部25から弾性変形部24に振動が伝達されて弾性
変形部24が共振振動し、可動片26が首振り運動を行
うようになっている。
【0025】例えば、弾性変形部24の捩り振動モード
の共振周波数に等しい駆動電圧Vdを圧電素子22に入
力した場合、可動片26は図4に示すようにP軸の回り
に首振り振動し、θT方向に往復振動する。この共振状
態で可動片26の表面に形成されているミラー面28に
光ビームLが入射させられると、ミラー面28で反射さ
れた光ビームLは、可動片26の回転速度の2倍の走査
速度で走査されるようになる。
【0026】一方、受光部Bは、フォトダイオード等の
受光強度に対応した信号(本例では反射光の強度に応じ
た電流)を出力可能な受光素子15と、その受光素子1
5から出力される信号を次段の信号処理部Cで取り込み
やすい信号、例えば電圧などに変換する受光回路16と
から構成されている。さらにこの受光回路16では、変
換された電圧を予め設定されたしきい値に基いて2値化
処理し、その2値信号を出力するようになっている。す
なわち、対象物体の表面の色・濃度や、材質等に伴う反
射率の相違などの表面の状態を、反射光の強度に基いて
2値にコード化し、そのコード化したデータ(パルス
列)に基いて、以後の判定処理を行うようにしている。
【0027】信号処理部Cは、受光部Bから出力された
2値データを一時的に記憶保持するメモリ部17と、判
定基準となる知識を格納する基準データ記憶部18と、
前記メモリ部17と基準データ記憶部18からのデータ
を受けとり、それを比較して合致/不合致を判定し、判
定結果を外部に出力する判定部19とから構成されてい
る。
【0028】なお、信号処理部Cは、一般的なワンチッ
プ・マイコンやDSP(ディジタル・シグナル・プロセ
ッサ)で構成することができる。また、キーボード等の
入力部と液晶パネルやCRT等のディスプレイ或いはプ
リンタ等の出力を付帯させることもできる。さらに信号
処理部Cは、本発明の光電センサとしての主要な情報処
理を行うことになり、その情報処理としては、学習モー
ドと実動作モードがある。
【0029】ここで、本実施の形態で用いられる判定部
19の判定処理(アルゴリズム)について説明する。基
本的には、形状等の判定は最初に入力された正規(正
常)の物体を走査して得られた走査方向に対する時系列
の2値データの情報(学習モード)と、実際の検査対象
の物体を走査して得られた情報を比較し、それらが一致
する場合には正常と判定する(実動作モード)。ところ
で、物体の状態のばらつきや、信号処理での変動などに
より、例え正常な物体であっても、基本となる正規の物
体に基づく2値データとコード化したデータが完全に一
致することは少ない。そこで、以下のように所定の特徴
量を抽出し、特徴量同士を比較し、合致/不合致を判定
するようにしている。
【0030】すなわち、2値にコード化されたデータ
は、時系列に並べることによりパルス列とみなすことが
できる。そこで、その一連のパルス列における各パルス
のパルス幅やパルス数を特徴量として使用できる。そし
て、パルス幅,パルス数は、ともに2値データ(白/
黒)の両者について抽出することができる。さらに、パ
ルス幅に着目すると、白または黒のパルス幅の最大値や
最小値、同一色のパルス幅の合計等がある。また、位置
情報も加味し、例えば最大パルス幅の位置(何番目のパ
ルス)や、逆にN番目のパルスのパルス幅や、さらに
は、パルス幅をあるしきい値を基準に狭い/広いの2種
類(しきい値を複数設定し3種類以上にしても可)に各
パルスを分け、その各パルスの配置順等を特徴量として
使用することが可能となる。
【0031】すなわち、例えば、物体(例えばネジ)の
大きさの違いを判定する場合、走査することによって得
られる2値データは、物品の外形(輪郭)部分で変わる
ため、大きさが違う種類のネジに基づいて得られるパル
ス幅は異なる。その結果、ネジの大きさの違いは認識で
きる。
【0032】また、物体の表面に模様等が存在し、その
模様が反射光の強度の差に現れるような場合には、その
模様に基づくパルス列が構成されるので、パルス数や、
狭いパルスと広いパルスの配置順等を用いて判断でき
る。
【0033】また、物体がICのリードピンなどの場合
には、リードピンに相当する所定幅のパルスが、所定の
パルス数だけ(より正確に判断するためには、隣接する
リードピンの間隔に相当する所定幅のパルスに関する情
報も用いる)存在するか否かにより判断できる。
【0034】一方、実際の判定処理において上記した各
特徴量をすべて使用すると、メモリ部17に一時的に格
納された走査に基づくパルス列からの特徴量抽出処理、
並びに抽出した特徴量と、基準データ記憶部18に格納
された知識(基準データ)との比較判定に要する処理が
膨大となり、処理に時間がかかるばかりでなく、特徴量
の中には合致/不合致を判定するにの適しないものもあ
り、係る特徴量がかえって認識率を低下するおそれもあ
る。
【0035】そこで、実際の判定処理を行うに先立ち、
正規の検出対象(モデル)を実際に走査して得られた特
徴量データに基づいてその検出対象に適した特徴量(有
効特徴量)を選択するとともに、その選択された有効特
徴量における合致か否かの判定基準(しきい値)を決定
する学習処理を行う。
【0036】その学習の一例を示すと、例えば図5に示
すようなフローチャートに従って行われる。すなわちま
ず、最初に所定数(本例では15個)の正規の物体に対
して走査を行い、受光回路Bで得られた走査データ(パ
ルス列)を取得(サンプリング)する(ST1)。
【0037】次いで、サンプリングして得られた各パル
スデータに基づいて、それぞれ各種の特徴量を求める
(ST2)。この時求める特徴量は、最大パルス幅,最
小パル幅,全パルス数の合計等、上記したすべての特徴
量であり、白/黒(1/0)のそれぞれのパルスについ
て求める。
【0038】次に、これらの得られた各特徴量のばらつ
きを求める(ST3)。具体的には下記式(1)を用い
て変動係数を計算する。
【0039】
【数1】 CV=(σ/x)*100 [%] (1) ここで、σは特徴量の標準偏差、xは特徴量の平均値を
あらわす。通常この係数はこれは平均値に対するばらつ
きの相対的な大きさをあらわすのに用いられる。
【0040】すべての特徴量に対して変動係数を求めた
なら、この係数の値が30%以下の特徴量を抽出し、そ
れを有効特徴量として選択する(ST4)。そして標準
偏差Sの3倍の値をしきい値とする。
【0041】最後にバーコードのようなコードデータを
生成する(ST5)。各パルス幅と比較するしきい値T
1は下記式(2)によって計算される。
【0042】
【数2】 T1=(W Max+W Min)/2 (2) ここで、W Maxは最大パルス幅、W Minは最小
パルス幅である。そして、パルス列を構成する各パルス
はしきい値T1と比較され、その大小関係に基づいて
「広い」または「狭い」のいずれかに判別され、係るパ
ルス列を構成する各パルスを「広い/狭い」に弁別して
コード化したコードデータを作成する(ST5)。そし
て、上記有効特徴量としきい値を対にしたデータ及びコ
ードデータを基準データ(知識)として基準データ記憶
部18に格納する。
【0043】判定部19における実際の判定処理は、ま
ず、基準データ記憶部18に格納された有効特徴量の種
類及びそのしきい値並びにコードデータを取得する(S
T10)。これにより初期設定が完了する。
【0044】次いで、検査対象の物品に対して光を照射
(走査)して得られるパルス列のデータを、メモリ部1
7から取得(サンプリング)し(ST11)、そのパル
ス列から有効特徴量を抽出する(ST12)。そして、
抽出された特徴量データが、有効特徴量について定めた
しきい値の範囲内に収まっているか否かを判断する(S
T13)。
【0045】具体的には、本例では、まずしきい値の範
囲内に収まっているか否かを判断し、すべての有効特徴
量の条件を満たす場合には、次にコードデータが一致す
るか否かを判断し、コードデータまで一致した場合に合
致と判定するようにしている。この様に2段階に分けて
判断を行うようにしており、最初の有効特徴量による判
定で不合致とされたものはコードデータの比較をするま
でもなく不合致と判定するようにしている。
【0046】なお、本発明では係るコードデータの比較
は必ずしも行わなくてもよく、また、本例のように2段
階に分けるのではなく、同時に比較判定するようにして
もよい。
【0047】そして、その判定結果(合致/不合致)を
出力する(ST14)。そして、上記処理を繰り返し行
うことにより、例えば連続して搬送されてくる検査対象
物に対して順次判定処理を行うことができる。
【0048】また、上記した判定出力は、例えば合致/
不合致に対応するそれぞれの信号を出力するようにして
もよく、或いは合致したときのみまたは不合致の時のみ
検出信号を出力するようにしてもよい。さらに、そのセ
ンサ出力をランプなどの表示手段やスピーカなどの音声
出力装置に連係して人間に判定結果を直接知らせるよう
にしたり、或いは、ファクトリーオートメーションその
他の装置の制御部に送り、不良品の廃棄や、良品の次工
程への搬送などの所定の処理を行うようにしてもよい。
【0049】次に、実際の検査対象物を用いて上記した
装置の作用について説明する。まず、第1の例として
は、図7(A)に示すように、初期状態では紙25の上
に3本の線31a,31b,31cが印刷されており、
真ん中の線31bの幅が広く、その両側の線31a,c
の幅が狭くなっている。そして、係る紙25に対して、
同図(B)に示すように両側の線31a,31cに沿っ
て、その内側にそれぞれ長方形のパターン32を印刷す
る処理を行い、その印刷が正常に行われたか否かを、本
発明の光電センサ33を用いて判定する。
【0050】この場合において、異常時の印刷ずれの一
例を示すと、同図(C)に示すように2つの長方形のパ
ターン32が、細い線からずれて印刷される。そして、
印刷ずれの態様としては、細い線と重なる場合(左端の
線31aとパターン32aの関係)と、細い線から離れ
る場合(右端の線31cとパターン32bの関係)等が
ある。
【0051】そして、各図の状態に対し、光電センサ3
3を所定距離を置いて対向配置し、投光部より一次元方
向に走査しながらレーザー光を検出物体である紙25に
対して出射し、そのときの反射光を受光部で受光し、受
光強度に応じた出力を2値化してパルス列データを生成
し、信号処理部内のメモリ部に格納する。
【0052】各サンプリングにより得られた2値化信号
(メモリ部に格納されるパルス列データ)の一例を示す
と、図8(A)〜(D)のようになる。同図中(A)
は、初期状態の長方形パターンが印刷されていない場合
を示している(図7(A)のサンプリング結果で、P
1′が左端の線31a,P2′が中央の線31b,P
3′が右端の線31cに対応する)。図8(B)は正常
値を示し2本の細い線に沿って長方形が印刷されている
場合を示している(図7(B)のサンプリング結果で、
P1が左側の長方形のパターン32,P2が中央の線3
1b,P3側の長方形のパターン32に対応する)。図
8(C)は異常値を示し、長方形のパターンがずれて印
刷された場合を示している(図7(C)のサンプリング
結果で、P10が長方形のパターン32a,P11が中央の
線31b,P12がどの線からも離れた長方形パターン3
2b,P13が右端の線31cに対応する)。さらに、図
8(D)は、同図(C)よりもさらに大きく印刷ずれを
した場合の結果を示している。そして、判定結果として
は、図8(B)に相当するパルス列を検出した場合を正
常とし、それ以外を異常と判定する(図8(A)も印刷
もれで異常)。
【0053】この場合において、使用する有効特徴量と
しては、印刷部分に対応するパルスのパルス数,最大パ
ルス幅,パルス幅合計であり、具体的な数値としてはパ
ルス数は3で、最大パルス幅は、長方形パターンに対応
するパルスP1(P3)の幅で、パルス幅合計は、3つ
のパルスP1,P2,P3の幅の合計となる。そして、
この例ではパルス数についてはマージンを取らず(実際
には、±3σのしきい値が1未満となり3以外は異
常)、パルス幅については正常な対象物を複数回走査し
て得られる平均値に対して±3倍の標準偏差の範囲内に
しきい値を設定する。さらにコードデータとしては、し
きい値T1がP1(P3)のパルス幅とP2のパルス幅
の平均となるので、「広い−狭い−広い」となる。
【0054】上記した基準データに基づいて、図8
(A)〜(D)の4つのデータについての判定を行う。
まず、図8(A)の場合には、パルス数は3個で基準デ
ータを満たすが、最大パルス幅はP2′の幅となり基準
データよりも小さく、また、パルス幅合計も基準データ
よりも小さいので、不合致(異常)と判定される。
【0055】図8(B)については、すべての有効特徴
が条件を満たし、さらにコードデータも一致するので合
致(正常)と判定される。図8(C),(D)について
は、パルス数が4個となり、基準データを満たさないの
でやはり不合致(異常)と判定される。
【0056】また、2つの長方形のパターンのうち、一
方のパターン(例えば右側)のみが印刷ずれをおこした
場合には、例えば図8(E)に示すようなパルス列が得
られる。すると、この例では、有効特徴量であるパルス
数,最大パルス幅並びにパルス幅の合計はともに基準デ
ータと一致する(しきい値による正常の範囲内に収ま
る)。但し、コードデータは、「広い−広い−狭い」と
なり、基準データと異なり、やはり異常と判定される。
【0057】図9は、第2の例を示しており、IC40
のリードピン41a〜eの検査に適用した例を示してい
る。正常のリードピン41a〜eが、すべて幅が等しい
とともに等間隔で配置されているとする。そして、図9
に示すように光電センサ33の走査方向をリードピン4
1a〜eの配置方向と平行で各ピンを交差するように設
定する。すると、正常であれば、図10(A)に示すよ
うに、リードピンに対応する各パルスのパルス幅は等し
く、等間隔で並ぶことになる。
【0058】一方、リードピンが曲がっている場合には
(図9中3番目のリードピン41c)、図10(B)に
示すように、各パルスが等間隔に並ばない。また、リー
ドピンが抜けている場合(例えば3番目のピンが折れて
損失している)には、図10(C)に示すように該当す
る部分にパルスが現れない。さらに、リードピンはすべ
てあるもののそのうちの一部に欠けがあり、幅が狭くな
っている場合には、図10(D)に示すように、該当す
るリードピンのパルス(図の例では2番目)のパルス幅
が短くなる。
【0059】そこで有効特徴量としては、パルス数(リ
ードピンの欠け(図10(C)を検出する)や、リード
ピンに対応するパルスの最小パルス幅P Min(リー
ドピンの一部欠け(図10(D)を検出する)や、リー
ドピンの間隔部分に対応するパルスの最大パルス幅P
Max(図10(B)〜(D)を検出する)など用いる
ことができる。なお、本例のように各パルスの幅が同じ
場合には、コードデータにより判別はあまり適さない。
【0060】図11は、第3の例を示しており、この例
では物体の形状の認識に適用した例を示している。すな
わち、コンベア43上を複数種の物品が混合状態で搬送
されてくる場合において、三角柱の物品44aを検出
し、所定の搬送路へ送るような場合に適用する。そし
て、混合される物品としては平面が正方形の四角柱44
bと、平面が長方形のものがある。
【0061】すると、検出対象の三角形の物品44aの
場合には、光電センサ33からは図12に示すようなパ
ルス幅からなるパルスが検出される。一方、四角形の物
品44bは、検出されるパルスのパルス幅が上記のもの
よりも長く、また、直方体の場合には検出されるパルス
幅が短くなる。そこで、有効特徴量として、パルス幅を
選択すると、パルス幅が所定の範囲内に入っているもの
を検出対象物と判定できる。
【0062】また、ある物品A,B,C,Dを所定回数
走査して得られた最大パルス幅MAX PWと、パルス
数PNに基づく平均値AV,変動係数CV,3倍の標準
偏差(3σ)SDが下記表に示すような値を取ったとす
る。なお、Aの場合には最大パルス幅及びパルス幅はと
もに変動係数が30%以下で有効特徴量として選択され
たものとする。
【0063】
【表1】 そして、その物品Aと、他の物品B,C,Dを比較する
場合を考えると以下のようになる。
【0064】*AとBの比較 AとBを比較する場合、有効特徴量の種別が一致しない
ため(Bの最大パルス幅の変動係数が30%よりも大き
いため、最大パルス幅は有効特徴量とならない)、両者
は異なるものと判断される。また、Bの最大パルス幅は
15であり、Aの物品のしきい値の範囲内(22〜2
4)に入っていないため、いずれにしても不合致とな
り、Aを正常な物品とすると、Bは不良品或いは異物と
なる。
【0065】*AとCの比較 AとCは、パルス数は一致するが、最大パルス幅が、A
の正常な範囲(22〜24)内に入らず、やはり両者は
異なるものと判定される。
【0066】*AとDの比較 A,Dの有効特徴量は、最大パルス幅とパルス数であ
り、パルス数はともに3で一致し、最大パルス幅も、D
の値22がAの正常な範囲(22〜24)内に入ってお
り、すべての有効特徴量が一致するので、両者は合致す
ると判定される。よってDは良品となる。
【0067】この様に、検出対象物の特徴に応じて適宜
有効特徴量を選択することにより、光電センサという比
較的簡単で小型なものを用いて各種の判定処理を行うこ
とができ、しかも光電センサの場合には、CCDセンサ
と異なり外部照明が不要で、照明の状態による変化もな
くなる。
【0068】上記した実施の形態では、検出対象物・状
態が1つで、本物(良品)か、偽物(不良品)かを弁別
するものに適用した例を示したが、本発明はこれに限る
ことはなく、2つ以上の状態(3種類以上を弁別する)
場合にも適用できる。つまり、仮に認識対象の正常な物
品・状態をA,Bの2種類あるとすると、実際の判定
(実動作モード)では、「A」と「B」と「それ以外」
の3つの状態を弁別することになる。従って、実動作モ
ードに先立って行われる学習処理(学習モード)では、
当然のことながら「A」と「B」とを区別できるような
特徴量を抽出・選択する必要がある。
【0069】そこで、本例では、図13に示すように、
まず検出する正常な物品(上記の例ではAとB)に対し
てそれぞれ光電センサで走査し、得られたパルス列から
有効特徴量データを取得する(ST20)。つまり、認
識すべき物品を所定数用意し、係る物品に対して順次走
査しパルスデータを取得する。そして、例えば図5に示
す学習処理を行い、有効特徴量やコードデータを取得す
る。この時、本例では認識すべき物品が複数種類あるた
め、どの種類についてのものかのデータも併せて取得・
格納する。そして、係るデータ取得は、すべての物品に
対して行なう(ST21)。
【0070】次に、各状態・物品について取得したデー
タの有効特徴量等を比較する(ST22)。すなわち、
取得した各々の有効特徴量の正常範囲(しきい値の範
囲)に重複する領域があるか否かを判断する。そして、
重複しない場合には、係る有効特徴量を用いて、各状態
を弁別できると判断できる。また、重複する場合には、
コードデータが一致するか否かも判断する。そして、コ
ードデータまで一致する場合には、状態判定不可能とな
る。
【0071】そこで、ステップ22の状態の比較を行っ
た結果、すべての状態を弁別できるか否かを判断し、特
徴量やコードデータが異なる場合には弁別可能とし、そ
のとき抽出された有効特徴量・コードデータを各状態を
検出するための基準データと決定し、基準データ記憶部
18に格納する(ST23,24)。一方、状態判定不
可能の場合には、ステップ25に戻り、異なる場所で有
効特徴量データを取り込み、前記処理を再度行う。
【0072】一方、実際の判定を行う実動作モードで
は、基本的な処理は図6に示したフローと同様である。
すなわち、まずステップ24の処理にて基準データ記憶
部18に格納された各検出・認識対象の各々の有効特徴
量の種類及びそのしきい値並びにコードデータを取得す
る(ST26)。これにより初期設定が完了する。次い
で、各々の検査対象の物品に対して走査し、得られるパ
ルス列のデータをメモリ部17から取得(サンプリン
グ)し(ST27)、そのパルス列から有効特徴量を抽
出する(ST28)。そして抽出された特徴量データが
有効特徴量について定めたしきい値の範囲に収まってい
るか否を判断する(ST29)。
【0073】具体的には、まず1つめの状態Aにおい
て、しきい値の範囲内に収まっているか否かを判断し、
すべての有効特徴量の条件を満たす場合には、次にコー
ドデータが一致するか否かを判断し、コードデータまで
一致した場合に合致と判定するようにしている。また、
合致しない場合には、2つめの状態Bにおいて同様に有
効特徴量の条件の判定とコードデータの判定を行う。こ
のようにして、順次各状態の比較を行い、一致するもの
がない場合には、対応するものがないと判断する。
【0074】このように判定を2段階に分けて判断を行
うようにしており、最初の有効特徴量による判定が不合
致のものはコードデータの比較をするまでもなく不合致
と判定するようにしている。
【0075】これらの比較は、基準データを取得したす
べての状態において行い、その判定結果(合致/不合
致)を出力する(ST30)。そして、検査対象物がな
くなるまで(ステップ31の判断でY)上記処理を繰り
返し行うことにより、例えば、連続して搬送されてくる
検査対象物に対して順次判定処理を行うことができる。
なお、本発明では係るコードデータの比較は必ずしも行
わなくても良く、また本例のように2段階に分けるので
はなく、同時に比較判定するようにしても良い。図14
は、本発明の他の実施の形態を示している。上記した2
つの実施の形態では、いずれも2値化レベルは1つとし
ていたが、本形態では、複数の異なるレベルで2値化す
るようにしている。つまり、特徴量抽出の前に行う前処
理の改良である。同図に示すように、受光した信号をハ
イパスフィルタ45を通過させることにより低周波ノイ
ズを除去する。そして、このハイパスフィルタ45の後
段に、3つの2値化回路46a〜46cを並列に接続す
る。各2値化回路46a〜46cのしきい値はそれぞれ
異ならせている。これにより、同一の走査信号であって
も、各2値化回路46a〜46cから出力されるパルス
列は異なる。そして、係る各パルス列をデータサンプリ
ング回路47を介してメモリ部へ格納し、判定処理に使
用するようにする。係る構成にすることにより、1つの
しきい値では得られなかった特徴量を抽出することが可
能となり、より高精度な判断を行うことができる。
【0076】一例を示すと、ハイパスフィルタ45から
出力される信号が図15(a)に示すようになっている
とし、2値化回路46aが最も小さいしきい値(レベル
1)をとり、2値化回路46cが最も大きいしきい値
(レベル3)をとり、2値化回路46bがその中間のし
きい値(レベル2)をとるものとする。すると、各2値
化回路の出力は、正負それぞれ図15中(b)〜(d)
に示すようになり、それぞれ異なるパルス列となる。よ
って、例えばレベル2のみの場合に比べ、得られる情報
量は多岐に渡る。なお、図示の例では、正負両側の信号
を取得するようにしたが、片側だけでも良いのはもちろ
んである。
【0077】また、1つの走査データに基づいて複数種
のパルス列データを生成する機能として、上記した例で
は異なるしきい値で二値化するようにしたが、本発明は
これに限ることはなく、例えば図16に示すように、受
信した信号を異なるフィルタ特性の3つのバンドパスフ
ィルタ48a〜48cに並列に入力するようにしてい
る。そして、各フィルタは、図17に示すようなフィル
タ特性からなる低域バンドパスフィルタ48a,中域バ
ンドパスフィルタ48b及び高域バンドパスフィルタ4
8cとする。そして、各フィルタ48a〜48cの出力
に同一のしきい値で二値化処理する二値化回路46を接
続し、パルス列データを生成する。そして、その二値化
回路46の出力(パルス列データ)をデータサンプリン
グ回路47を介して図外のメモリ部へ与えるようにす
る。
【0078】すなわち、二値化処理する前の受信信号に
は、ノイズ以外にも様々な有効な情報が含まれている。
そこで、本例のように異なる周波数成分の信号を抽出
し、それを二値化することにより、情報量を増やすこと
ができ、より精度の良い判定を行うことができる。
【0079】一例を示すと、受光した元信号が図18
(a)に示すようになっているとすると、各フィルタ4
8a〜48cの出力はそれぞれ図18中(b)〜(d)
に示すようになる。従って、図から明らかなように、係
る各フィルタの出力信号に対し二値化処理をすると、そ
れぞれ異なるパルス列が生成される。
【0080】なお、上記した例において低域バンドパス
フィルタ及び高域バンドパスフィルタは、それぞれロー
パスフィルタ、ハイパスフィルタにしても良い。また、
使用するフィルタ数も3個に限ることはなく、2個或い
は4個以上にしてももちろん良い。
【0081】図19は、本発明のさらに別の実施の形態
を示している。本形態では、図2に示す実施の形態を基
本とし、マニュアルにより調整を行うための判定設定部
49をさらに設けている。この判定設定部49は、判定
部19の判定アルゴリズムを変更するもので、具体的に
は、有効特徴量や、正常範囲を規定するしきい値を変更
するものである。そして、判定部19に対して直接作用
し、そのときの判定処理アルゴリズムを変更する場合
と、基準データ記憶部18にアクセスし、学習により得
られたデータ自体を変更することがある。これにより、
センサの融通性が増す。なお、その他の構成並びに作用
効果は、上記した実施の形態と同様であるため、同一符
号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0082】図20は、本発明を適用したアプリケーシ
ョンの第4の例を示しており、この例では物体(材料)
の重なり位置の認識に適用した例を示している。具体的
には、ゴム材50の端部同士を重ね合わせた状態で接着
剤を塗布して接着一体化する工程に適用した例を示して
いる。そして、使用する光電センサとしては、図19に
示す判定設定部49を備えたセンサを用いるようにして
いる。
【0083】すなわち、予め正常に重ね合わされた製品
を用いて学習し、所定の有効特徴量やコードデータ等を
取得する。そして、自動的に有効特徴量及びその正常範
囲等の基準値が求められるが、係る基準値に対して判定
設定部49を用いて調整を行う。つまり、本例の場合に
は、重ね合わされた部分が厚くなり、センサとの距離が
短くなるので、表面の反射率が高いとその重なっている
部分の光強度が強く、しきい値を調整するとにより重な
った部分が白のパルスとして出現させることができる。
また、重なっている端部は陰になり、微小の黒のパルス
を出現させることができる。このように有効特徴量とな
るべき特徴量が既知の場合には、自動的に抽出した特徴
量を判定設定部49を用いて削除することにより、簡単
なアルゴリズムで正確な判定を行うことができるように
なる。また、重なり幅の許容範囲等がある場合には、そ
れに応じてしきい値(正常範囲)を調整することもでき
る。
【0084】そして、実動作モードに移行した実際の判
定処理では、まず2つのゴム材50を重ね合わせる。こ
の時は、まだ接着剤は塗布していない。その状態で光電
センサ33を用いて走査し、正常範囲にあるか否かを判
断し、その結果(合致/不合致)がライン制御装置51
に送られる。ライン制御装置51では、不合致の場合に
は、ゴム部材50を移動させて重なっている量を変更さ
せ、その後再度光電センサ33による検査を行う。そし
て、合致信号が出力された場合には、接着剤を塗布し、
両ゴム部材50を接合一体化する。なお、図21は、実
動作モードで得られた走査データと合格ライン(基準
値)の関係を示しており、図示の例では合致信号が出力
される。なお、図中の「走査データ」は、重なり部分に
対応する白のパルスのみを示している。
【0085】図22は、本発明を適用したアプリケーシ
ョンの第5の例を示しており、この例では棒材52の両
端に、それぞれゴム管53を装着した状態で接着剤を塗
布して接着一体化する工程に適用した例を示している。
この例でも、上記した図20に示す例と同様に、ゴム管
53の挿入量(ゴム管53同士の間隔)が正常範囲内に
ある(合格)か否かを判断し、正常範囲内になるように
調整後接着剤を塗布する工程における正常範囲内外の判
定に利用している。
【0086】つまり、図23に示すように、走査データ
はゴム管53の部分が白のパルスとして出現するため、
そのパルスが合格範囲内にあるか否かにより、合致/不
合致信号が出力される。そして、不合致信号が出力され
た場合には、ライン制御装置51を動作させてゴム管5
3の挿入量を調整し、合致信号が出力された場合には接
着剤を塗布するようにしている。また、光電センサ33
における学習処理時には、上記と同様基準値をマニュア
ルで調整すると、短時間で精度の良い判定が行えるよう
になる。
【0087】図24は、さらに本発明の別の実施の形態
を示している。上記した各実施の形態は、投光部Aから
出射する光を走査させる機能として共振型スキャナ13
を用いたが、本例ではポリゴンモータ55を用いてい
る。なお、このポリゴンモータに替えて、ポリゴンミラ
ーをDCモータの回転軸に取り付け、DCモータの回転
よってポリゴンミラーを回転させることにより、ビーム
(走査光)を一次元に走査するようにしても良い。
【0088】具体的には、投光部Aは、発光素子10か
ら出射される光のビーム径を光学素子12で絞り込んだ
後ポリゴンモータ55に照射させる。そして、ポリゴン
モータ55を回転させることにより、ビームαを1次元
状に走査させるようになっている。さらに、投光部Aの
出射口側には、スリット56を設け、走査幅を調整する
ようになっている。そして、スリット56の内側に配置
されたフォトダイオード57により、ポリゴンモータ5
5で反射されたビームαが基準位置に来たことを検知
し、同期を取るようにしている。
【0089】また、受光部Bは、上記した実施の形態と
同様に、受光素子15と受光回路16′とから構成され
ている。そして、受光回路16′の内部構成は、受光強
度に対応した電気信号を二値化回路16′aにて二値化
処理した後、メモリ部17に送るようになっている。つ
まり、ここで示す二値化回路16′aが、上記した図1
4や図16等における二値化回路に対応するものであ
る。さらに投光部Aから出射されるビーム(走査)と同
期を取るため、フォトダイオード57からの検出信号を
受けたフェイズシフト回路16′bから、所定のタイミ
ングでタイマ16′cに対してパルスイネーブル信号と
して入力されるようになっている。そしてタイマ16′
cの出力が、サンプリング信号となり、係るサンプリン
グ信号に基づいて受光素子15からの信号が、所定のタ
イミングでサンプリングされ、メモリ部17に格納され
るようになっている。なお、タイマ16′cの可変抵抗
Rによりサンプリング信号は調整される。なおまた、信
号処理部C側は、上記した各実施の形態と同様である。
【0090】図25は、投光部Aとしてポリゴンを用い
た別の形態である。ポリゴンを利用した場合には、1回
の走査にかかる時間はポリゴンミラーの面数とモータの
回転数により一義的に決まる。従って、スリット56を
操作して走査幅を変えた場合、分解能を維持するために
は、サンプリング周波数を走査角に応じて変更する必要
がある。係る調整を容易に行えるようにしたのが、図示
する回路である。
【0091】すなわち、スリット56は、走査窓(ビー
ムαが出射可能な開口部)の両側から走査窓を覆うよう
に設置されているため、走査窓から出射され受光部Bに
て受光される受光信号は、図26(B)に示すように、
照射光がスリット(同図(A)中ハッチングで示す領
域)にあたっている部分では、受光量が落ちる。
【0092】そこで、図25に示すように、受光素子1
5の出力(本来は二値化回路16″aに与えられる)を
分岐させてコンパレータ16″dにも与え、そこにおい
て一定の受光量があるか否かを弁別する。これにより、
図26(C)に示すように、スリットで覆われている部
分に照射されているときは、コンパレータ16″dの出
力はLowとなり、走査光(ビームα)がスリットで遮
蔽されていないときにはコンパレータ16″dの出力は
Highとなる。
【0093】そして、コンパレータ16″dの出力をタ
イマ16″cと信号処理部C内のタイマ制御部56に与
えるようにする。すると、タイマ16″cは、図26
(D)に示すように、コンパレータ16″dの出力がH
ighの間だけ所定の周波数(サンプリング周波数)で
パルスを出力し、そのパルスに基づいてメモり部17に
二値化回路16″で二値化されたデータが格納される。
そして、タイマ16″cから出力されるパルスのサンプ
リング周波数は、タイマ制御部59からの制御信号によ
り決定され、タイマ制御部59は、コンパレータ16″
dから与えられるパルス幅に基づいて走査角を抽出し、
その走査角に応じた周波数を求め、それを制御信号とし
て出力するようになっている。
【0094】なお、判定部19を含む信号処理部Cは、
例えばワンチップ・マイコンやDSP(ディジタル・シ
グナル・プロセッサ)等により構成することができ、内
部CPUより上記した判定処理を行うことができる。し
たがって、上記した学習処理も上記CPUを用いて行う
こともでき、その場合には、図2に示すブロック図内の
判定部19が学習部を兼用することになり、その学習結
果を基準データ記憶部に格納することになる。また、そ
のように学習機能を兼用するのではなく、学習処理は外
部コンピュータを用いて行い、その学習結果を本発明の
光電センサに登録するようにしてももちろんよい。
【0095】また、判定アルゴリズムは有効特徴量を学
習し、走査コードを使う特徴をもち、有効特徴量はいく
つかの特徴量の中から選ばれ、自動的に計算され選択さ
れる。この有効特徴量を適宜に選ぶことにより、この光
電センサは広く他のアプリケーションに使うことができ
る。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る光電センサ
では、CCDカメラのように外部に光源を必要とせず構
成が簡易で、小型化,低価格化を図ることができる。し
たがって、工場の組み立てラインにおける簡単な形状判
定の分野で適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光電センサを用いたシステムの一例を示
す図である。
【図2】本発明に係る光電センサの好適な実施の形態の
一例を示すブロック図である。
【図3】共振型スキャナの一例を示す図である。
【図4】共振型スキャナの動作を説明する図である。
【図5】学習処理の機能を説明するフローチャートであ
る。
【図6】判定部の機能を説明するフローチャートであ
る。
【図7】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図8】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図9】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図10】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図11】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図12】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図13】本発明の別の実施の形態における学習モード
と実動作モードの処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の別の実施の形態の要部を示すブロッ
ク図である。
【図15】その作用を説明する図である。
【図16】本発明の別の実施の形態の要部を示すブロッ
ク図である。
【図17】その作用を説明する図である。
【図18】その作用を説明する図である。
【図19】本発明の別の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図20】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図21】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図22】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図23】実際の使用状態の一例を示す図である。
【図24】本発明の別の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図25】本発明の別の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図26】その作用を説明する図である。
【符号の説明】
A 投光部 B 受光部 C 信号処理部 10 発光素子 13 共振型スキャナ 15 受光素子 16 受光回路 17 メモリ部 18 基準データ記憶部 19 判定部 46a〜46c 異なるしきい値を有する二値化回路 48a 低域バンドパスフィルタ 48d 中域バンドパスフィルタ 48c 高域バンドパスフィルタ 55 ポリゴンモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/105 G01V 9/04 A 10/10 H04B 9/00 R 10/22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を少なくとも一次元方向に走査して出
    射する投光部と、 前記投光部から出射された光の反射光を受光する受光部
    と、 前記受光部から与えられる受光信号から特徴量を抽出
    し、その抽出した特徴量と、予め格納した基準データを
    比較して検出対象物か否かの判別処理を行い、判別結果
    を出力する信号処理部とを備えた光電センサ。
  2. 【請求項2】 前記投光部が、発光素子と、その発光素
    子から出力された光を一次元方向に走査する光走査手段
    とを備え、 その光走査手段が、少なくとも1つの弾性変形モードを
    有する弾性変形部とその弾性変形部の一瑞に設けられた
    振動入力部とで構成される共振型の走査装置を用い、前
    記走査装置の振動入力部の入力を変化させることで走査
    幅を可変にするものである請求項1に記載の光電セン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記受光部は、受光強度に基づく受光信
    号をしきい値処理して二値化情報に変換し出力するもの
    である請求項1に記載の光電センサ。
  4. 【請求項4】 前記受光部は、受光強度に基づく受光信
    号から、異なる条件でしきい値処理し、複数種の二値化
    情報を生成し出力するものである請求項1に記載の光電
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記特徴量が前記二値化情報に基づくパ
    ルスのパルス幅,最大幅,最小パルス幅,パルス数,パ
    ルス幅合計の中の少なくとも1つを含むものである請求
    項3または4に記載の光電センサ。
  6. 【請求項6】 前記特徴量として、前記二値化情報に基
    づくパルス幅をしきい値処理して各パルスの配列情報を
    コード化したコードデータを用いるようにした請求項3
    〜5のいずれか1項に記載の光電センサ。
  7. 【請求項7】 前記信号処理部が、 検出対象が正常な状態に対して走査し得られた受信信号
    に基づいて予め定めた特徴量を抽出し、抽出した各特徴
    量の値のうち、ばらつきが一定の範囲内のものを有効特
    徴量と決定するとともに、その有効特徴量の正常範囲を
    求める学習モードと、 判定対象に対して走査し得られた受信信号に基づいて前
    記学習モードで決定した有効特徴量についてのデータを
    求めるとともに、その求めたデータが前記正常範囲内か
    否かを判定し、判定結果を出力する実動作モードとを備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、検出対象が複数ある
    場合に、 各検出対象が正常な状態に対して走査し有効特徴量を求
    め、 各検出対象について求められた有効特徴量と、他の検出
    対象について求められた有効特徴量とを比較し、相互に
    弁別可能なときに正式な有効特徴量とする機能をさらに
    有することを特徴とする光電センサ。
JP28906396A 1995-10-16 1996-10-14 光電センサ Withdrawn JPH09170913A (ja)

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