JP7175683B2 - 耐火被覆下地、および、耐火被覆下地施工方法、並びに、耐火被覆施工方法 - Google Patents

耐火被覆下地、および、耐火被覆下地施工方法、並びに、耐火被覆施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械式駐車装置などの耐火建築物における主要構造部を構成する形鋼の凹部に設ける耐火被覆下地、および、該耐火被覆下地の形成に用いる耐火被覆下地施工方法、並びに、該耐火被覆下地施工方法を用いた耐火被覆施工方法に関するものである。
機械式駐車装置などに用いられる建築物の1つの形式として、複数の柱と、各柱に掛け渡された梁や桁とにより骨組みとなる構造体が形成され、この構造体を取り囲むように外壁が設けられた構成の鉄骨造の建築物がある。
この種の鉄骨造の建築物では、外壁を構築するための外壁材として、薄い鋼板製の波板状のパネルが用いられることがある。
このようなパネルを外壁材として用いる場合は、隣接する柱の外側に、横方向に延びる胴縁を、上下方向に設定された間隔で複数段に架け渡すように取り付ける。更に、所定の上下寸法および幅寸法を備えた前記パネルを、前記胴縁の側面に沿わせて横方向に並べて配置して、各パネルを胴縁に取付手段を介して固定した構成とされている(たとえば、特許文献1参照)。
建築基準法における耐火建築物には、学校、体育館、病院等の他、機械式駐車装置のような自動車車庫も含まれる。このため、機械式駐車装置は、建築基準法の耐火建築物の基準を満たすために、建築基準法上に規定されている主要構造部としての柱や梁、外壁などに耐火被覆を設けて、耐火構造にする必要がある。
前記機械式駐車装置のような鉄骨造の建築物における柱や梁、外壁などを耐火被覆する手法としては、吹付け方式の耐火被覆施工方法が多く採用されている。
ところで、鉄骨造の建築物における柱や梁は、H形鋼、I形鋼、溝形鋼のような凹部を有する形鋼が用いられる場合がある。この種の凹部を有する形鋼の耐火被覆は、柱や梁となる形鋼が所望する耐火性能に必要とされる厚さと密度の耐火被覆材で覆われる構造を形成できれば、形鋼における凹部の内側となる面には、必ずしも耐火被覆材を付着させる必要はない。
そのため、凹部を有する形鋼を対象とする吹き付け方式の耐火被覆施工は、耐火被覆材の使用量の削減化を図るために、形鋼の凹部に、以下のような耐火被覆下地を設ける場合がある。
すなわち、凹部を有する形鋼は、先ず、長手方向に設定された間隔で、凹部の開口部寄りとなる位置に、開口部を横切る方向に延びる力骨を配置して、各力骨の両端側を凹部の両側面に溶接等により取り付ける。次に、各力骨には、凹部の開口部に対応する形状とされたラスを沿わせて配置する。次いで、各力骨には、ラスの対応する個所を、番線のような針金を用いて括り付けることで取り付ける。
これにより、形鋼の凹部には、凹部の開口部の位置に凹部の内側と外部とを仕切るラスを備えた耐火被覆下地が形成される。
この状態で、形鋼には、凹部に形成された耐火被覆下地におけるラスの表面と、ラスが配置された凹部以外の形鋼の外面に対して耐火被覆材を吹き付けて施工することにより、形鋼を覆う耐火被覆が設けられる。
特許第2878006号公報
ところで、形鋼の凹部に耐火被覆下地を設ける従来の方法は、力骨にラスを取り付ける際に、ラスを力骨に沿わせて配置する工程と、この状態で、針金の長手方向の中間部を力骨に形鋼の凹部の奥側から掛けると共に、針金の長手方向の両端側をラスの異なる格子目を通してラスの表面側へ突出する状態に配置する工程と、その後、針金の両端部を捩じり合わせて、ラスを、針金を介して力骨に括り付ける工程とが必要とされる。
したがって、形鋼の凹部に耐火被覆下地を形成する従来の方法は、前記所定の経路に針金を通して配置する作業と、針金の両端部を捩じり合わせる作業とを、作業者が手作業で行う必要があり、力骨にラスを取り付ける作業に手間を要するというのが実状である。
しかも、作業者は、針金を前記所定の経路に配置する作業や、針金の両端部を捩じり合わせる作業を行う場合は、たとえば、長手方向の一端側を保持した針金の中間部の位置や他端側の位置がどこにあるかを把握するためには、目視により取得する情報が重要になる。
なお、機械式駐車装置の建屋を建設する場合、柱として用いる形鋼の凹部に対する力骨の取り付けは、溶接作業を要することから、通常は、柱を機械式駐車装置の建屋の建設現場に搬入する前に、工場などで行われることが多い。
これに対し、力骨に対するラスの取り付けは、機械式駐車装置の建屋の建設現場にて、柱を立設し、外壁を形成した後に行われる場合がある。
機械式駐車装置の建屋のコーナ部は、柱の2方向の側部に、それぞれ胴縁を介して外壁材となるパネルが取り付けられている。そのため、コーナ部は、外壁とその内側に配置された柱との間に、平面形状がL字状の空間部を備えているが、この空間部は、建築物の内外方向に沿う方向の幅寸法が、胴縁の太さに対応する寸法しかない。たとえば、この幅寸法は、100mm程度とされることがある。
したがって、この場合は、作業者は、耐火被覆下地の施工個所である柱の凹部に対して正対した姿勢を取ることはできず、また、作業者は、施工個所の側方の100mm程度の隙間を通して見る以外に施工個所を目視することができない。
よって、この場合は、作業者が、前記したように目視による情報の取得が制限される状況下で、100mm程度の幅の作業空間に手を入れて、力骨に沿い配置されたラスの位置を保持しながら、前記したような経路で針金を通す作業と、針金でラスを力骨に括り付ける作業を行う必要が生じる。そのため、耐火被覆下地の施工は、作業性が更に低下するというのが実状である。
したがって、形鋼の凹部に耐火被覆下地を設ける作業については、作業性の向上化を図ることが望まれている。
そこで、本発明は、形鋼の凹部に耐火被覆下地を設ける作業について、作業性の向上化を図ることができる耐火被覆下地施工方法、および、該耐火被覆下地施工方法で形成される耐火被覆下地、並びに、前記耐火被覆下地施工方法を用いる耐火被覆施工方法を提供しようとするものである。
本発明は、課題を解決するために、耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる力骨を取り付ける力骨取付工程と、前記凹部の前記開口部に、前記力骨に沿わせてラスを配置するラス配置工程と、前記ラスの外側から、先端側が自由端となる一対の腕部を有するクリップの前記各腕部を、前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させて、前記ラスを、前記クリップを介して前記力骨に取り付けるラス取付工程と、を行い、前記形鋼の前記凹部に、前記凹部の前記開口部に配置された前記ラスが前記クリップを介して前記力骨に取り付けられた構成の耐火被覆下地を形成する耐火被覆下地施工方法とする。
前記力骨として異形棒鋼を用いる方法としてもよい。
前記形鋼は、建屋のコーナ部に立設された柱であり、前記凹部は、前記建屋の前記コーナ部の空間部に臨む配置とされている方法としてもよい。
前記ラス配置工程および前記ラス取付工程は、前記柱の外側に、前記空間部を挟んで前記建屋の前記コーナ部の外壁が形成された状態で行う方法としてもよい。
前記クリップは、前記一対の腕部と、前記各腕部の基端側同士を繋ぐ中間部と、前記各腕部の先端寄りに設けられた互いの間隔が前記力骨の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部と、前記各腕部における前記狭幅部よりも先端側に設けられた互いの間隔が先端側へ行くにつれて拡大するテーパ部と、を備えた構成のものを用いる方法としてもよい。
また、耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる姿勢で取り付けられた力骨と、前記凹部の前記開口部に前記力骨に沿わせて配置されたラスと、先端側が自由端となる一対の腕部を有して、前記ラスの外側から前記各腕部を前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させたクリップと、を備える構成を有する
耐火被覆下地とする。
耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる力骨を取り付ける力骨取付工程と、前記凹部の前記開口部に、前記力骨に沿わせてラスを配置するラス配置工程と、前記ラスの外側から、先端側が自由端となる一対の腕部を有するクリップの前記各腕部を、前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させて、前記ラスを、前記クリップを介して前記力骨に取り付けるラス取付工程と、を行い、前記形鋼の前記凹部に、前記凹部の前記開口部に配置された前記ラスが前記クリップを介して前記力骨に取り付けられた構成の耐火被覆下地を形成し、次いで、前記耐火被覆下地における前記ラスの外面を含む前記形鋼の外面に、耐火被覆材を吹き付けて耐火被覆を設ける耐火被覆施工方法とする。
本発明の耐火被覆下地、および、耐火被覆下地施工方法、並びに、耐火被覆施工方法によれば、耐火被覆の施工対象となる形鋼の凹部にラスを取り付ける作業について、作業性の向上化を図ることができる。
耐火被覆下地施工方法の適用対象となる機械式駐車装置の建屋を示す概略平面図である。 図1の建屋のコーナ部を示す図である。 図2のA-A方向矢視図である。 図3のB-B方向矢視図である。 耐火被覆下地施工方法の第1実施形態で使用するクリップ、力骨、ラスを示す図である。 力骨へ取り付ける前のクリップを示す図である。 ラスの格子目と力骨との隙間を示す模式図である。 耐火被覆下地施工方法の手順を示す図である。 耐火被覆施工方法にて、耐火被覆下地施工方法に続く手順を示す図である。 耐火被覆下地施工方法の第2実施形態で使用するクリップ、力骨、ラスを示す図である。 耐火被覆下地施工方法の第3実施形態で使用するクリップ、力骨、ラスを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1から図9(a)(b)は、本開示の耐火被覆下地施工方法の第1実施形態、および、該耐火被覆下地施工方法を用いた耐火被覆施工方法として、建築物としての機械式駐車装置の建屋のコーナ部の柱に適用する場合の例を示すものである。
図1は、機械式駐車装置の建屋を示すもので、屋根の部分の記載を省略した概略平面図である。図2は、図1の建屋のコーナ部を拡大して示す平面図である。図3は、図2のA-A方向矢視図である。図4は、図3のB-B方向矢視図である。
図5は、耐火被覆下地施工方法で使用するクリップと、力骨およびラスの一部を拡大して示すもので、図5(a)は、ラスを力骨に取り付けた状態のクリップを、ラスの外側から見た図、図5(b)は、図5(a)のC-C方向矢視図である。図6は、力骨へ取り付ける前のクリップを拡大して示す側面図である。図7は、ラスの格子目の長目方向の両端側に形成される力骨との隙間を示す模式図である。
図8は、耐火被覆下地施工方法の手順を示すもので、図8(a)は、凹部に力骨が取り付けられた柱が立設され、外壁が設けられた状態を示す図、図8(b)は、力骨に沿いラスが配置された状態を示す図、図8(c)は、力骨にラスの外側からクリップが取り付けられる状態を示す図である。
図9は、耐火被覆施工方法にて、耐火被覆下地施工方法に続いて行われる手順を示す図である。
先ず、図1、図2、図3、図4を用いて、機械式駐車装置の建屋について、概略を説明する。
機械式駐車装置の建屋は、図1に示すように、建屋の四隅となる位置に立設された柱1と、柱1同士を繋ぐ梁2とにより構成された骨組構造体3を備えている。隣接する柱1には、建屋の外側に臨む配置となる側部に、横方向に延びる胴縁4が、設定された間隔で上下方向に複数段配置され、各胴縁4が各柱1に架け渡すように取り付けられている。この胴縁4の柱1への取り付けは、たとえば、図2、図3、図4に示すように、ブラケットのような取付部材5を介して行われている。
更に、外壁材として、所定の上下寸法および幅寸法を備えた薄い鋼板製の波板状のパネル6が、胴縁4の側面に沿わせて横方向に並べて配置され、各パネル6が胴縁4に図示しない取付手段を介して固定されている。これにより、建屋の外壁7は、骨組構造体3を取り囲むように配置されたパネル6の集合体として構築されている。
したがって、建屋のコーナ部8には、図2、図3、図4に示すように、コーナ部8に配置された柱1と、その外側に配置された外壁7との間で、且つ上下に隣接する胴縁4の間となる個所に、空間部9が形成されている。
空間部9は、その平面形状が、図2に示すように、柱1の2方向の側部に沿ってL字状に屈曲した形状となっている。
本実施形態では、建屋の柱1は、図2に示すように、H形鋼製とされている。そのため、柱1は、H形鋼における一対のフランジ10とウェブ11との内側に形成される2つの凹部12a,12bを備えている。柱1は、2つの凹部12a,12bのうちの一方、たとえば、凹部12aが、建屋のコーナ部8の空間部9に臨む配置とされている。なお、この空間部9は、後述する耐火被覆施工方法でコーナ部8に耐火被覆を設ける際に、耐火被覆材30(図9(a)参照)が吹き付けられて充填される空間である。
本実施形態の耐火被覆下地施工方法は、図2、図4に示すように、柱1の凹部12aを、耐火被覆下地13の施工対象とする場合の例について示す。
ここで、本実施形態の耐火被覆下地施工方法で用いる力骨14とラス15とクリップ16について説明する。
柱1の凹部12aには、図2、図3、図4に示すように、凹部12aの内側で開口部寄りとなる位置に、開口部を横切る方向に延びる力骨14が、柱1の長手方向としての上下方向に設定された間隔で配置される。更に、各力骨14は、両端側が、溶接などの固定手段により、柱1の各フランジ10の対向面となる凹部12aの内側面に取り付けられる。
力骨14は、図5(a)(b)に示すように、外面に、長手方向に設定された間隔で、周方向に延びる突起、いわゆる節17を備えることが好ましい。これは、後述するようにクリップ16を力骨14に取り付けるときに、クリップ16が力骨14の外面で滑って力骨14の軸心方向へずれることを抑制するのに有効なためである。
この種の節17を備えた力骨14は、たとえば、JISG3112で規定される鉄筋コンクリート用棒鋼のうちの異形棒鋼を材料として、力骨14に必要とされる長さ寸法に切断して製造するようにすればよい。このようにすれば、力骨14は、性状、構造などの品質がJIS規格で規定されたものとすることができて、品質の安定化を図ることができる。
力骨14を異形棒鋼製とする場合は、図5(a)(b)に示すように、力骨14が、外面における周方向の180度対向する2個所に、軸心方向に連続して延びる突起、いわゆるリブ18を備えた構成になることがある。その場合、力骨14は、リブ18を、図5(a)(b)に示すように、ラス15を沿わせて配置する側とその反対側、したがって、図2に示す柱1の凹部12aを基準とすると、凹部12aの外側と凹部12aの奥側に向けた姿勢とすることが好ましい。これは、クリップ16を力骨14に取り付けるときには、クリップ16の一対の腕部22,23の先端側が力骨14の外面に沿い周方向に移動するようになるので、その各腕部22,23の先端側の移動経路からリブ18をずらして配置するためである。
なお、力骨14は、長手方向に設定された間隔で節17を備えていれば、JISG3112で規定される異形棒鋼以外の材料を用いて形成してもよいことは勿論である。また、力骨14は、クリップ16の取り付けの際のずれを抑制するという観点から考えると、節17を備えた構成とすることが好ましいが、たとえば、JISG3112で規定される丸鋼を使用してもよいし、その他の断面が円形か、円形に近い形状の鋼棒を用いてもよいことは勿論である。
ラス15は、平ラスまたはリブラスを使用する。本実施形態では、ラス15としては、図4に示すように、平ラスを、長目方向が柱1の長手方向としての上下方向に沿う姿勢で使用する場合の例を示す。
ラス15は、柱1の凹部12aの開口部の内側に配置可能な幅寸法、すなわち、柱1のフランジ10同士の間の寸法よりもやや狭い幅寸法とされている。また、ラス15は、ラス15の上端部や下端部が、上下方向に複数段配置されている各胴縁4に掛からない配置となるように、上下方向の寸法が設定されている。したがって、ラス15は、上下方向に延びる帯板状の外形とされている。
これにより、ラス15は、柱1における各胴縁4と干渉しない位置で、凹部12aの開口部の内側に、対応する力骨14に沿わせた状態に配置することできる。
なお、ラス15は、説明の便宜上、図5(a)に示すように、線状の部分をストランド19といい、ストランド19同士が連結された部分をボンド20という。また、ストランド19とボンド20に囲まれた略ひし形の開口は、格子目21という。
クリップ16は、図5(a)(b)、図6に示すように、先端側が自由端となる一対の腕部22,23と、各腕部22,23の基端側同士を繋ぐ中間部24とを備えた構成とされている。
ここで、クリップ16の使用方法について概説する。クリップ16は、力骨14に取り付けるときには、図6に示すように、先ず、第1の腕部22の先端側と、第2の腕部23の先端側を、共にラス15の格子目21(図5(a)参照)を通して力骨14の外面に接触させる。次に、クリップ16は、ラス15の外側にて、中間部24を、図6に矢印Xで示すように、力骨14に近付く方向に押す操作を行うことで、各腕部22,23を力骨14の外周に嵌めて係止させる。
そこで、クリップ16の構成を説明する便宜上、クリップ16については、図5(b)、図6に示すように、力骨14に取り付ける際に中間部24を押す方向、すなわち、図6の矢印Xに対応する方向を、x方向といい、各腕部22,23が配置された平面内でx方向に直交する方向をy方向という。
本実施形態におけるクリップ16は、図6に示すように、力骨14に取り付けられていない状態では、第1の腕部22と第2の腕部23が、共に略x方向に延びる形状とされ、中間部24は、略y方向に延びる形状とされている。
クリップ16は、各腕部22,23の先端寄りに、互いのy方向に対峙する間隔が力骨14の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部25a,25bを備えている。
更に、各腕部22,23は、狭幅部25a,25bよりも先端側に、各腕部22,23の先端側へ行くにつれて互いのy方向の間隔が拡大するテーパ部26a,26bを備えている。
本実施形態におけるクリップ16は、たとえば、第1の腕部22、中間部24、第2の腕部23が、一連のばね鋼のような線材を曲げ加工することで形成されている。
第1の腕部22は、線材の一方の端部側を、図6に示すようにy方向の内側に略楕円形状に曲げることにより、狭幅部25aとテーパ部26aとを形成している。
第2の腕部23は、線材の他方の端部側を、図6に示すようにy方向の内側に鋭角に屈曲させることで、狭幅部25bとテーパ部26bとを形成している。
クリップ16は、更に、中間部24に、x方向にほぼ垂直な平面に沿って或る面積を有する略平坦な部分を備えることが好ましい。これは、前記したように、クリップ16を力骨14へ取り付ける際には、中間部24を図6における矢印X方向に押す操作を行うことから、中間部24が矢印X方向の力を受ける面積について拡大化を図るためである。このようにすれば、矢印X方向に押す力を、中間部24を介してクリップ16全体に効率よく付与することができる。
この考えに基づき、本実施形態におけるクリップ16は、図5(a)(b)、図6に示すように、中間部24に、線材を、x方向を軸心方向とし、x方向にほぼ垂直な平面に沿いループ形状に巻いたループ部27を備えた構成とされている。
更に、クリップ16は、部分的、あるいは、全体的に弾性変形することで、図6に二点鎖線で示すように、各腕部22,23の狭幅部25a,25b同士の間隔を、力骨14の直径よりも大となる寸法まで開くことができる機能を備えている。
これにより、クリップ16は、図6に示すように、各腕部22,23のテーパ部26a,26bを、共に力骨14の外面に接触させた状態から、中間部24を矢印X方向に押すと、クリップ16に弾性変形が生じて各腕部22,23のテーパ部26a,26bが力骨14の外面に周方向に沿い移動して、図6に二点鎖線で示すように、各腕部22,23の狭幅部25a,25bが、力骨14の直径に対応する寸法まで開く。この状態から、クリップ16の中間部24を更に矢印X方向へ押すと、クリップ16は、弾性変形状態からの復元力により、図5(b)に示すように、各腕部22,23の狭幅部25a,25b同士の間隔が、力骨14の直径よりも小さい寸法になる。したがって、この状態で、クリップ16は、各腕部22,23の先端側が力骨14に係止されることで、力骨14に取り付けられる。
また、クリップ16は、図5(b)に示すように、各腕部22,23の先端側が力骨14に係止された状態のときに、中間部24と力骨14の外面との間に、ラス15のボンド20を収容可能な隙間が形成されるように、各腕部22,23の狭幅部25a,25bから、中間部24までのx方向に離隔する寸法が設定されている。
なお、ラス15のストランド19は、断面形状がボンド20よりも小さい。よって、クリップ16は、図5(b)に示したように各腕部22,23の先端側が力骨14に係止された状態のときに、中間部24と力骨14の外面との間の隙間に、ラス15のボンド20に代えてストランド19を収容することは可能である。
これにより、クリップ16は、柱1の凹部12aの開口部に力骨14に沿わせて配置されたラス15の外側から、各腕部22,23の間にラス15のボンド20とストランド19の少なくとも一方を配置した状態で、各腕部22,23の先端側を力骨14に係止させることができる。よって、この状態で、クリップ16は、ラス15のボンド20やストランド19を力骨14に取り付ける機能を発揮することができる。
ところで、本実施形態では、ラス15は、長目方向が柱1の上下方向に沿う姿勢とされた平ラスである。
そのため、図7に模式図を示すように、ラス15における長目方向に隣接するボンド20の中心間距離Rに比して、力骨14の直径αが小さい場合は、力骨14の軸心位置に、ラス15における短目方向に配列されたボンド20の中心位置が揃う配置になると、ラス15の一つの格子目21における長目方向の両端側に、力骨14と重ならない略三角形状の隙間28a,28bが生じることがある。図示する便宜上、図7では、隙間28a,28bにドットのハッチングを付してある。
この状態で、図7に一点鎖線で示す如き仮想のクリップ16aの第1の腕部22が隙間28aに差し込まれ、第2の腕部23が隙間28bに差し込まれる状況を想定すると、この状況では、仮想のクリップ16aの両方の腕部22,23は、ラス15の同じ格子目21に通されていることになる。そのため、この仮想のクリップ16aは、たとえ両腕部22,23の先端側が力骨14に係止された状態になるとしても、仮想のクリップ16aの中間部24と力骨14の外面との間の隙間には、ラス15のボンド20とストランド19のいずれも配置されていないので、仮想のクリップ16aは、ラス15の力骨14への取り付けには何ら機能しないことになってしまう。
したがって、このような状況を回避するための対策として、本実施形態の耐火被覆下地施工方法で用いるクリップ16は、第1の腕部22と第2の腕部23を、図7に示した如きラス15の一つの格子目21における長目方向の両端側に形成される隙間28a,28bに同時に差し込むことができないように、第1の腕部22と第2の腕部23の先端側の形状やサイズが設定されている。
また、図示しないが、別の対策としては、クリップ16は、中間部に、ラス15の格子目21を通過し得ない形状やサイズを有するラス係止部(図示せず)を備えた構成としてもよい。この構成によれば、クリップ16は、たとえ両方の腕部22,23がラス15の同じ格子目21に通されたとしても、ラス係止部でラス15の格子目21の周囲のストランド19やボンド20を係止することができる。このため、クリップ16は、ラス係止部で係止したラス15を、各腕部22,23の先端側を係止させる力骨14へ取り付けることができる。
更に別の対策としては、図示しないが、クリップ16は、第1の腕部22と第2の腕部23を、ラス15の同じ格子目21を通して配置できないように、第1の腕部22と第2の腕部23の先端側の間隔や形状を設定した構成としてもよい。この構成によれば、クリップ16の第1の腕部22と第2の腕部23は、ラス15の異なる格子目を通るように配置されるので、この状態で、クリップ16の各腕部22,23の先端側を力骨14に係止させた状態にすると、クリップ16は、ラス15のボンド20またはストランド19を力骨14に取り付けることができる。
次に、以上の構成としてある力骨14、ラス15、クリップ16を用いて行う本実施形態の耐火被覆下地施工方法について説明する。
本実施形態の耐火被覆下地施工方法を実施する場合は、図8(a)に示すように、機械式駐車装置の建屋の建設現場にて、建屋の柱1を立設し、外壁7を形成する。この際、柱1は、凹部12aに前記所定の配置で力骨14を取り付けた状態で立設する。
なお、柱1の凹部12aに対する力骨14の取り付けは、工場で行うようにしてもよいし、建設現場で立設する前の柱1に対して行うようにしてもよい。
柱1の立設と、外壁7の形成を行う工程は、従来と同様であるため説明は省略する。
次に、柱1の凹部12aに、図8(b)(c)に示すように、帯板状の外形とされたラス15を取り付ける。
このラス15の取付作業は、図示しない作業者が手作業で行う。
先ず、作業者は、柱1と外壁7との隙間を通して凹部12aに取り付けられている力骨14の位置を目視して確認し、図3、図4に示すように、自身が位置する側のフランジ10の側面に、力骨14の位置を表示するマーク29を付す。このマーク29は、各力骨14が配置されている高さ位置が分かるようにしてあれば、形状やサイズは任意である。また、マーク29は、後の工程で行う力骨14へクリップ16を取り付ける作業時まで保持できればよく、永続的なものとする必要はないので、ペンなどを用いて簡易的なマーキングを行うようにすればよい。なお、各力骨14の配置を示すマーク29を付す工程は、柱1の凹部12aに力骨14が取り付けられた後であれば、柱1を立設する前に行ってもよいし、柱1を立設した後であって外壁7を形成する前に行ってもよいことは勿論である。
次に、作業者は、図8(b)に示すように、帯板状の外形とされているラス15を、柱1と外壁7との隙間から差し入れて、柱1の凹部12aの開口部に配置する。これにより、ラス15は、対応する力骨14に沿い配置される。
次いで、図8(c)に示すように、作業者は、たとえば、一方の手でラス15を力骨14に沿う位置に保持した状態で、他方の手で中間部24を保持した状態のクリップ16を、柱1と外壁7との隙間から差し入れてラス15の外側に配置した後、マーク29(図3、図4参照)を指標として、クリップ16の各腕部22,23がラス15の格子目21(図5(a)参照)を通って力骨14に当たるように配置する。
この際、クリップ16の各腕部22,23がラス15の格子目21にうまく通らない場合は、作業者は、クリップ16の角度姿勢を変えるか、クリップ16の位置を力骨14の軸心方向にずらすことで、クリップ16の各腕部22,23がラス15の格子目21を通って力骨14に当たる位置を、特に目視を必要とすることなく、手探りで求めることができる。
なお、本実施形態では、前述したように、クリップ16は、両方の腕部22,23がラス15の同じ格子目21に通して配置されない構成を備えているため、クリップ16の両方の腕部22,23が、力骨14に押し当てられた状態になれば、クリップ16の両方の腕部22,23と、中間部24との内側に、ラス15のボンド20とストランド19の少なくとも一方が配置された状態となっている。
この状態で、作業者は、クリップ16の中間部24を力骨14の方向へ押すことにより、図8(c)に示すように、クリップ16の各腕部22,23の先端側を、力骨14に係止させる。
作業者は、前記したと同様の力骨14に対してラス15の外側からクリップ16を係止させる作業を、たとえば、各力骨14に対し、軸心方向の一端寄りと他端寄りの2個所ずつで行う。なお、各力骨14に対して係止させるクリップ16の数は、力骨14の長さや、ラス15の重量、力骨14に係止させた一つのクリップ16で支持可能な重量などを考慮して、適宜増減してもよいことは勿論である。また、各力骨14に係止させるクリップ16の数は均一でなくてもよいことは勿論である。
これにより、柱1の凹部12aには、凹部12aにおける開口部寄りに取り付けられた力骨14と、凹部12aの開口部に配置されたラス15とを備え、且つラス15がクリップ16を介して力骨14に取り付けられた構成の耐火被覆下地13が形成される。
このように、本実施形態の耐火被覆下地施工方法によれば、作業者は、柱1の凹部12aの開口部に配置されたラス15の外側から、クリップ16を力骨14に向けて押し付けて、クリップ16を力骨14に係止させるという一工程の操作により、力骨14にラス15を取り付ける作業を実施することができる。
したがって、本実施形態の耐火被覆下地施工方法によれば、従来行われていたラスを針金を介して力骨に括り付ける方法に比して、作業者が手作業で行う工数を削減することができて、作業性の向上化を図ることができる。
しかも、本実施形態の耐火被覆下地施工方法では、作業者は、力骨14の位置を予め確認しておけば、実際に力骨14にクリップ16を係止する作業を行う時点では、力骨14やクリップ16の目視は特に必要とされない。
よって、本実施形態の耐火被覆下地施工方法は、機械式駐車装置の建屋の建設現場にて、柱1を立設し、外壁7を形成した後に、柱1の凹部12aに設けられている力骨14にラス15を取り付ける場合のように、作業者の目視による施工個所の情報の取得が制限される状況下であっても、力骨14にラス15を取り付ける作業について作業性の向上化を図ることができる。
建屋のコーナ部8を対象とする耐火被覆施工方法では、本実施形態の耐火被覆下地施工方法により柱1の凹部12aに耐火被覆下地13が形成された後、図9に示すように、建屋のコーナ部8にて、外壁7と、その内側に配置された柱1のフランジ10、および、耐火被覆下地13におけるラス15との間に形成された空間部9に、ロックウールとセメントなどの硬化材とを含有する吹付け用の耐火被覆材30を吹き込んで、空間部9全体に耐火被覆材30を充填することで耐火被覆を行う。
この際、耐火被覆材30を吹き込む工程は、耐火被覆材30の吹き抜けを防ぐために、空間部9に仕切りを設けた状態で、耐火被覆材30の吹き込みを行うようにしてもよい。
また、耐火被覆材30を吹き込む工程は、空間部9に吹き込まれた耐火被覆材30の自重による流下を抑えるために、耐火被覆材30の吹き込みを複数回に分けて行うと共に、一回の吹き込みごとに、こてのような押さえ具を耐火被覆材30に押し付けて、耐火被覆材30の圧密を行うようにしてもよい。
これにより、建屋のコーナ部8には、外壁7と柱1との間の空間部9に耐火被覆材30が充填された耐火被覆が形成される。
その後は、図示しないが、建屋では、コーナ部8の空間部9以外の外壁7の内面や、柱1の表面に、吹き付け用の耐火被覆材30の吹き付け、あるいは、貼り付け用の耐火被覆材の貼り付けによる耐火被覆を行うようにすればよい。
ところで、本実施形態の耐火被覆下地施工方法で柱1の凹部12aに形成された耐火被覆下地13は、弾性変形可能なクリップ16のみを用いて力骨14にラス15を保持させている。
したがって、この構造では、ラス15やクリップ16に対して凹部12aの内側から外方に向かう方向の大きな力が作用すると、クリップ16が弾性変形して、力骨14からクリップ16と共にラス15が離脱する可能性はある。
よって、本実施形態における耐火被覆下地13は、それ自体では、ラス15を永続的に固定した構造体とすることは難しい。
しかし、耐火被覆下地13におけるラス15の表面を含む柱1の外面に耐火被覆材30を吹き付けると、吹き付けられた耐火被覆材30は、一部がラス15の格子目21(図5(a)参照)に入り込み、その状態で硬化して柱1の外周に吹き付けられて硬化する耐火被覆材30と一体化される。したがって、ラス15は、柱1の外周に耐火被覆が設けられた状態では、硬化した耐火被覆材30を介して柱1に対する永続的な固定を行うことができる。
[第2実施形態]
図10は、耐火被覆下地施工方法の第2実施形態を示すもので、クリップと、力骨およびラスの一部を拡大して示す図である。
なお、図10において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、第1実施形態と同様の構成において、ラス15として、長目方向が柱1の上下方向に沿う姿勢とした平ラスを使用する構成に代えて、ラス15aとして、平ラスを、短目方向が柱1の長手方向としての上下方向に沿う姿勢で使用する構成としたものである。
本実施形態で使用するクリップ16は、第1実施形態におけるクリップ16と同様の構成において、第1の腕部22と、第2の腕部23の先端部同士の間隔が、ラス15aにおける短目方向に隣接するボンド20の中心間距離Sよりも大となるように設定された構成を備えている。
これにより、本実施形態では、力骨14とラス15aとクリップ16とを用いて、第1実施形態と同様の手順で耐火被覆下地施工方法を実施すると、クリップ16は、ラス15aの外側から、各腕部22,23の先端側を、柱1の凹部12aに取り付けられた力骨14に係止させることができる。
この際、クリップ16の両方の腕部22,23と、中間部24との内側には、図10に示すようにラス15aのボンド20が収容された状態、または、ストランド19が収容された状態にすることができる。
したがって、本実施形態の耐火被覆下地施工方法によっても、第1実施形態の図2、図4に示したと同様に、柱1の凹部12aには、凹部12aにおける開口部寄りに取り付けられた力骨14と、凹部12aの開口部に配置されたラス15とを備え、且つラス15がクリップ16を介して力骨14に取り付けられた構成の耐火被覆下地13を形成することができて、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
図11は、耐火被覆下地施工方法の第3実施形態を示すもので、クリップと、力骨およびラスの一部を拡大して示す図である。
なお、図11において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、第1実施形態と同様の構成において、ラス15として、平ラスを使用する構成に代えて、ラス15bとして、リブラスを、リブ31の延びる方向が、柱1の長手方向としての上下方向に沿う姿勢で使用する構成としたものである。
本実施形態で使用するクリップ16は、第1実施形態におけるクリップ16と同様の構成において、第1の腕部22と、第2の腕部23の先端部同士の間隔が、ラス15bにおけるリブ31の長手方向に配列されたストランド19のピッチよりも大となるように設定された構成を備えている。
これにより、本実施形態では、力骨14とラス15bとクリップ16とを用いて、第1実施形態と同様の手順で耐火被覆下地施工方法を実施すると、クリップ16は、ラス15bの外側から、各腕部22,23の先端側を、柱1の凹部12aに取り付けられた力骨14に係止させることができる。
この際、クリップ16の両方の腕部22,23と、中間部24との内側には、図11に示すようにラス15bのストランド19が収容された状態にすることができる。
したがって、本実施形態の耐火被覆下地施工方法によっても、第1実施形態の図2、図4に示したと同様に、柱1の凹部12aには、凹部12aにおける開口部寄りに取り付けられた力骨14と、凹部12aの開口部に配置されたラス15とを備え、且つラス15がクリップ16を介して力骨14に取り付けられた構成の耐火被覆下地13を形成することができて、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、前記各実施形態のみに限定されるものではない。
ラス15,15aとして用いる平ラスのメッシュのサイズと、力骨14の直径との比、および、ラス15bとして用いるリブラスのメッシュのサイズと、力骨14の直径との比は、図示するための便宜上のもので、実際のサイズの比を反映したものではない。
また、ラス15の厚みは、図示するための便宜上のもので、実際の厚みを反映したものではない。
クリップ16は、中間部24に力を付与しやすくするという観点から考えると、中間部24にループ部27を備える構成とすることが好ましいが、中間部24はループ部を有しない構成としてもよい。
クリップは、先端側が自由端となる第1の腕部および第2の腕部と、各腕部の基端側同士を繋ぐ中間部とを備え、且つ各腕部の先端寄りに、互いの間隔が力骨14の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部を備え、更に、各腕部における前記狭幅部よりも先端側に、各腕部の先端側へ行くにつれて互いの間隔が拡大するテーパ部を備えた構成としてあれば、各部の形状や寸法は、図示した構成に限定されない。また、前記各実施形態では、クリップ16は、線細工ばねの構成を有するものとして示したが、前記構成を備えていれば、薄板ばねにより構成されていてもよく、更には、各部が、一連の線材や薄板で形成された構成に限定されるものでもない。
なお、本開示の耐火被覆下地施工方法、および、耐火被覆下地、並びに、耐火被覆施工方法で使用するクリップは、前記構成を備えていて、ラスを力骨に取り付ける機能を発揮することができれば、専用品である必要はなく、他の機械装置で使用されている軸や、断面円形の棒状の部材、円管等に押し当てて装着する形式のクリップ状の部材を使用してもよいことは勿論である。
本開示の耐火被覆下地施工方法、および、耐火被覆下地、並びに、耐火被覆施工方法は、凹部を有する形鋼であれば、H形鋼に代えて、溝形鋼やI形鋼に適用してもよいことは勿論である。
また、本開示の耐火被覆下地施工方法、および、耐火被覆下地、並びに、耐火被覆施工方法の対象とする形鋼は、耐火建築物の主要構造部として使用される形鋼や、耐火被覆を設けることが必要とされる形鋼であれば、柱に使用される形鋼以外の形鋼に適用してもよいことは勿論である。
本開示の耐火被覆下地施工方法、および、耐火被覆下地、並びに、耐火被覆施工方法は、機械式駐車装置の建屋以外のいかなる建築物に適用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 柱(形鋼)
7 外壁
8 コーナ部
9 空間部
12a 凹部
13 耐火被覆下地
14 力骨
15,15a,15b ラス
16 クリップ
21 格子目
22 第1の腕部
23 第2の腕部
24 中間部
25a,25b 狭幅部
26a,26b テーパ部
30 耐火被覆材

Claims (6)

  1. 耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる力骨を取り付ける力骨取付工程と、
    前記凹部の前記開口部に、前記力骨に沿わせてラスを配置するラス配置工程と、
    前記ラスの外側から、先端側が自由端となる一対の腕部を有するクリップの前記各腕部を、前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させて、前記ラスを、前記クリップを介して前記力骨に取り付けるラス取付工程と、を行い、
    前記形鋼の前記凹部に、前記凹部の前記開口部に配置された前記ラスが前記クリップを介して前記力骨に取り付けられた構成の耐火被覆下地を形成し、
    前記クリップは、
    前記一対の腕部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ中間部と、
    前記各腕部の先端寄りに設けられた互いの間隔が前記力骨の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ方向をy方向とし、前記各腕部が配置された平面内で該y方向に直交する方向をx方向としたときの、前記各腕部における前記x方向において前記中間部からみて前記狭幅部よりも遠位端側に設けられた互いの間隔が前記遠位端側へ行くにつれて拡大するテーパ部と、を備えた構成のものを用い
    前記中間部は、前記一対の腕部の基端側から前記y方向に延びる一対の直線部と、前記x方向を軸心方向とする円環状に巻かれながら前記一対の直線部を繋ぐループ部と、を有し、
    一方の前記腕部の端部は、前記y方向の内側に鋭角に屈曲すること
    を特徴とする耐火被覆下地施工方法。
  2. 前記力骨として異形棒鋼を用いる
    請求項1に記載の耐火被覆下地施工方法。
  3. 前記形鋼は、建屋のコーナ部に立設された柱であり、
    前記凹部は、前記建屋の前記コーナ部の空間部に臨む配置とされている
    請求項1または2に記載の耐火被覆下地施工方法。
  4. 前記ラス配置工程および前記ラス取付工程は、
    前記柱の外側に、前記空間部を挟んで前記建屋の前記コーナ部の外壁が形成された状態で行う
    請求項3に記載の耐火被覆下地施工方法。
  5. 耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる姿勢で取り付けられた力骨と、
    前記凹部の前記開口部に前記力骨に沿わせて配置されたラスと、
    先端側が自由端となる一対の腕部を有して、前記ラスの外側から前記各腕部を前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させたクリップと、を備え、
    前記クリップは、
    前記一対の腕部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ中間部と、
    前記各腕部の先端寄りに設けられた互いの間隔が前記力骨の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ方向をy方向とし、前記各腕部が配置された平面内で該y方向に直交する方向をx方向としたときの、前記各腕部における前記x方向において前記中間部からみて前記狭幅部よりも遠位端側に設けられた互いの間隔が前記遠位端側へ行くにつれて拡大するテーパ部と、を備え
    前記中間部は、前記一対の腕部の基端側から前記y方向に延びる一対の直線部と、前記x方向を軸心方向とする円環状に巻かれながら前記一対の直線部を繋ぐループ部と、を有し、
    一方の前記腕部の端部は、前記y方向の内側に鋭角に屈曲すること
    を特徴とする耐火被覆下地。
  6. 耐火被覆の対象となるH形鋼またはI形鋼または溝形鋼のいずれかの形鋼の凹部の内側で開口部寄りとなる位置に、前記開口部を横切る方向に延びる力骨を取り付ける力骨取付工程と、
    前記凹部の前記開口部に、前記力骨に沿わせてラスを配置するラス配置工程と、
    前記ラスの外側から、先端側が自由端となる一対の腕部を有するクリップの前記各腕部を、前記ラスの格子目を通すと共に、前記各腕部の先端側を前記力骨に係止させて、前記ラスを、前記クリップを介して前記力骨に取り付けるラス取付工程と、を行い、
    前記形鋼の前記凹部に、前記凹部の前記開口部に配置された前記ラスが前記クリップを介して前記力骨に取り付けられた構成の耐火被覆下地を形成し、
    次いで、前記耐火被覆下地における前記ラスの外面を含む前記形鋼の外面に、耐火被覆材を吹き付けて耐火被覆を設け、
    前記クリップは、
    前記一対の腕部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ中間部と、
    前記各腕部の先端寄りに設けられた互いの間隔が前記力骨の直径の寸法よりも小さくなる狭幅部と、
    前記各腕部の基端側同士を繋ぐ方向をy方向とし、前記各腕部が配置された平面内で該y方向に直交する方向をx方向としたときの、前記各腕部における前記x方向において前記中間部からみて前記狭幅部よりも遠位端側に設けられた互いの間隔が前記遠位端側へ行くにつれて拡大するテーパ部と、を備えた構成のものを用い
    前記中間部は、前記一対の腕部の基端側から前記y方向に延びる一対の直線部と、前記x方向を軸心方向とする円環状に巻かれながら前記一対の直線部を繋ぐループ部と、を有し、
    一方の前記腕部の端部は、前記y方向の内側に鋭角に屈曲すること
    を特徴とする耐火被覆施工方法。
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