JP7175587B2 - ポリエステルの分子量を高めるための方法 - Google Patents

ポリエステルの分子量を高めるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステルの分子量を高めるための方法に関する。特に、本発明は、エチレン-2,5-フランジカルボキシレート単位を含む半結晶性出発ポリエステルの分子量を高めるための方法に関する。
2,5-フランジカルボン酸(FDCA)は、炭水化物等の天然源から生成することができる二酸である。Co及びMnを含む触媒を用いる、5-ヒドロキシメチルフルフラール又はそのエーテル等の2,5-二置換フランの空気酸化を使用するその調製のための経路は、例えば、WO2010/132740、WO2011/043660及びWO2011/043661において開示されている。
US2551731は、グリコールをジカルボン酸と反応させることによる、ポリエステル及びポリエステル-アミドの調製であって、ジカルボン酸の少なくとも1種がヘテロ環式環を含有する、例えば、2,5-FDCAである、調製について記述している。溶融重合条件下、ナトリウム-及びマグネシウムメトキシドを触媒として使用して、FDCA又はFDCAジメチルエステル及び1.6当量のエチレングリコールを、それぞれエステル化工程又はエステル交換工程において、周囲圧力にて、160から220℃の間で反応させ、その後、重縮合を、190から220℃の間、数mmHgの圧力下で行った。生成物は、205~210℃の報告融点を有し、溶融物からフィラメントを容易に産出した。
US2009/0124763において、ポリマー骨格内に2,5-フランジカルボキシレート部分を有し、185以上600以下の重合度を有するポリエステルについて記述されている。これらのポリマーは、2,5-FDCAのエステル化又はそのジエステルのジオールによるエステル交換、及び重縮合を伴う第2の工程、続いて、第3の工程としての固相重合を伴う、3工程プロセスで為される。
第1の工程は、周囲圧力にて、150から180℃の範囲内の温度で行われるのに対し、重縮合工程は、真空下、180から230℃の範囲内の温度で行われる。次いで、生成物をヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、再沈殿及び乾燥させ、続いて、第3の工程である、140から180℃の範囲内の温度での固相重合によって、これを精製する。ポリ(エチレンフランジカルボキシレート)の調製では、最初の2つの工程に11時間超を要した。ポリマーは、170℃の融点を有すると報告されている。一例において、固相重合の工程にもかかわらず、例えばポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)の分子量は依然としてかなり低いことが示されている。
WO2010/077133において、フランジカルボキシレート含有ポリエステルを調製するための方法が記述されており、ここでは、FDCAのジエステルをジオールとエステル交換し、このようにして得られたエステル組成物を重縮合に供する。次いで、重縮合物を固相重合に供してよい。一例において、固相重合を60時間行う。得られたポリエステルの分子量は適度に高いが、固相重合の持続時間は長すぎるとみなされる。改善点はWO2013/062408において記述されており、ここでは、FDCAのジメチルエステルがエチレングリコールとエステル交換されるか、又はビス(2-ヒドロキシエチル)-2,5-フランジカルボキシレートが出発材料として使用される。次いで、エステル交換生成物又はこの出発材料を、重縮合に供し、乾燥/結晶化工程の後、重縮合物を固相重合に供して、重縮合物の分子量を高める。一例において、重縮合物を粉砕し、篩にかけ、粒径0,6~1.4mmの画分を、110℃で終夜結晶化した。この画分を固相重合に供し、これには2日間を要した。
WO2013/120989において、ポリ(エチレンフランジカルボキシレート)の調製のための連続プロセスが記述されており、ここでは、FDCA又はそのジエステルを、昇温でエチレングリコールと混合して、ペースト又は均一溶液を得て、このペースト又は溶液を、FDCA及びエチレングリコールのエステル化生成物に変換し、エステル化生成物を減圧下で重縮合し、ここで、重縮合は2段階で実施される。一例によれば、FDCAのジメチルエステルを、エチレングリコールと、1:1.7のモル比で反応させた。この例において、エステル化生成物の生成の後の段階には、5時間を要した。重縮合生成物を、所望ならば、固相化重合に供することができる。しかしながら、詳細は提供されていない。一例において、重縮合生成物は、1.05dL/gの固有粘度を有することが報告された。
KR20140003167は、バイオマス起源のフランジカルボキシレートエステル化合物をエチレングリコールとともに使用することによって製造される、優れた透明度を持つポリエステルポリマーについて記述している。比較例においては、フランジカルボン酸も使用した。フランジカルボキシレートエステルのエチレングリコールに対するモル比は、1:1.1から1:4であってよい。フランジカルボン酸のエチレングリコールに対する比は、1:1.2から1:2の間で変動する。この文書は、固相重合工程を開示していない。
WO2010/132740 WO2011/043660 WO2011/043661 US2551731 US2009/0124763 WO2010/077133 WO2013/062408 WO2013/120989 KR20140003167 US6569479 US4340721
A.T Jackson及びD.F. Robertson「Molecular Characterization and Analysis of Polymers」(J.M. Chalmers en R.J. Meier (編.)、「Comprehensive Analytical Chemistry」の第53巻、B. Barcelo (編)、(2008) Elsevier、171~203頁 Modern Polyesters: Chemistry and Technology of Polyesters and Copolyesters、J. Scheirs及びT.E. Long (編)、Wiley、2003
そのようなポリエステルの分子量のより高速な高まりが得られるように方法を変更できれば有益であることが明らかである。今回、驚くべきことに、特定の構造を有する半結晶性ポリエステルを固相重合に供すると、固相重合は、上記で言及した特許明細書において報告されているよりも高速に進行することが分かった
したがって、本発明は、融点Tmを有する半結晶性出発ポリエステルを(Tm -40℃)からTmの範囲内の温度で加熱して固相状態のポリエステルを得ることにより、エチレン2,5-フランジカルボキシレート単位を含む半結晶性出発ポリエステルの分子量を高めるための方法であって、半結晶性出発ポリエステルが、少なくとも0.45dl/gの固有粘度及び15から122meq/kgの範囲内の量のカルボン酸末端基を有する、方法を提供する。好ましくは、半結晶性出発ポリエステルは、1.0dL/g以下の固有粘度を有する。
出発ポリエステルは半結晶性である。ポリマーの結晶化度は、その密度及び溶融温度等、その物理的特性に影響を及ぼす傾向がある。ポリマー結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)を用い、ポリマーの溶融に関連する熱を定量化することによって、決定することができる。熱は、溶融熱を100%結晶性試料のものに対して正規化することにより、結晶化度の百分率として報告することができる。しかしながら、それらの試料は稀である。したがって、結晶化度は、多くの場合、正味のエンタルピーとして、DSC技術によって導出される1グラム当たりのジュール数で表される。溶融及び結晶化のエンタルピーは、ISO 11357-3に従って決定することができる。半結晶性出発ポリエステルは、好ましくは、DSCによって測定される、少なくとも25J/gの結晶化度を有する。1グラム当たりのジュール数で最大エンタルピーは、典型的には80J/gである。ある程度の結晶化度を有する半結晶性出発ポリエステルは、このとき、融点Tmも有する。ポリマーの融点はDSCによって簡単に決定され、吸熱ピークの頂点で測定される。ISO11357-3標準は、そのような融点決定について記述している。この決定に従い、出発ポリエステルは、好適には、少なくとも200℃のTmを有する。高度に結晶性のポリエステルにおいて、Tmは、230℃を超えてよく、245℃の高さであってもよい。本発明の方法中に、ポリエステルの融点及び結晶化度が増大することが観察される。出発ポリエステルの融点は、好ましくは、少なくとも210℃であり、プロセス中に増大し得るため、その終了時にはこの融点が220℃を超え得る。このとき、結晶化度は、好ましくは、40J/gより大きくなる。このとき、結晶化度は、有利には、40から90J/gの範囲内となる。
半結晶性出発ポリエステルは、好適には、少なくとも95モル%についてエチレンフランジカルボキシレート単位からなる。残りは、他のジオール及び二酸等の他のモノマー単位を含んでよい。他の好適なモノマージオールは、ジエチレングリコールを含み、他の好適な二酸は、テレフタル酸、アジピン酸、フタル酸及びイソフタル酸を含む。より好ましくは、ポリエステルは、ジエチレングリコール残基を更に含むポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)からなり、ここで、ジエチレングリコール残基の量は、2,5-フランジカルボキシレート1モル当たり0.045モル以下となる。
出発ポリエステルは、典型的には、FDCA及びエチレングリコールのエステル化、続いて、重縮合工程の生成物である。重縮合工程は、一般に、溶融条件下で行われる。WO2013/120989の教示に従い、重縮合は、2工程;減圧下における前重縮合及びその後の更に低減した真空下における重縮合で行ってよい。得られた重縮合物を、本発明による固相重合に供することができる。そのような重縮合物は、ある特定の比較的高い分子量を既に有する。重縮合物が、1.0dL/gより大きい初期IVを既に有するならば、固相重合のそのような追加工程の主目的は、追加の分子量増大に加えて、溶融重縮合中に形成し得るアセトアルデヒド等の揮発物の低減を実現することであってよい。
分子量は、固有粘度で表される。最初に、相対粘度(ηrel)を、フェノール及びテトラクロロエタンの60/40w/w混合物において、30℃及び0.4g/dLの濃度(c)で決定する。この手順は、ポリ(エチレンテレフタレート)についての固有粘度の決定のためのASTM D4603標準と同様である。次いで、ビルマイヤー(Billmyer)式:
固有粘度(IV) = {ηrel -1+3*ln(ηrel)}/(4*c)
を使用して、固有粘度を算出する。
固有粘度は、好適には0.45dL/gより大きく、より好ましくは0.45から1.0dL/gの範囲内である。出発ポリエステルは固相化の追加工程を経ることになるため、分子量は、好ましくは0.45から0.75dL/gの範囲内である。固相化により、分子量は、0.65から1.2dL/gまで、好ましくは少なくとも0.75dL/gの固有粘度まで、より好ましくは0.75dL/gから1.0dL/gの範囲内で等、増大する。
アセトアルデヒドは、溶融重縮合中に形成され得る。ポリエステルにおけるその含有量は、公知の方法を使用して決定することができる。好適な方法は、ASTM F 2013において記述されており、これはポリエチレンテレフタレートについて記述されているが、本発明において使用されているポリエステルにも使用することができる。出願人らは、重縮合物が、本明細書において記述されている固相重合の追加工程の前に、18mg/kg以上のアセトアルデヒド値を有し得ることを見出した。出願人らは、本明細書において記述されている固相重合プロセスが、アセトアルデヒドのレベルを、1mg/kg (ppm)未満に、好ましくは0.5mg/kg未満に、合理的に短い反応時間内で低減させることができることも見出した。
US6569479において教示される通り、アセトアルデヒドは、エチレングリコール結合を含有する任意のポリエステルの加工中に自然に形成される。この化合物は、2工程反応を介して形成され、第1の工程は、ビニル末端基及びカルボン酸末端基を発生させるポリマー鎖の切断である。第2の工程は、ポリマー鎖を再形成し、アセトアルデヒドを放出する、ビニル末端基のヒドロキシエチル末端基との反応である。ポリマーが飲料用コンテナ内で使用される場合、アセトアルデヒドは、コンテナ側壁から飲料へ経時的に移動し得る。典型的なコンテナの寿命中に、数百ppbのアセトアルデヒドが、コンテナ側壁から飲料へ移動することができる。水等の影響を受けやすい製品では、これらのレベルのアセトアルデヒドは味覚閾値を有意に上回る。US4340721において、ポリエチレンテレフタレートが1ppmを超えるアセトアルデヒドを含有する場合、ポリマーは、飲料コンテナ用の材料としての使用に不適切であることが示されている。したがって、エチレンフランジカルボキシレート単位を含むポリエステルにおけるアセトアルデヒドの量を、1ppm未満のレベル(ポリエステル1kg当たりのアセトアルデヒドmg)にも限定するという大きな願望がある。
重縮合物はそのまま使用することができる。しかしながら、加熱して固相状態のポリエステルを得る前に、前処理に供することが好ましい。重縮合物が、重縮合工程から固体材料として回収される場合、重縮合物は、かなり非晶質の傾向があり、ある特定の程度まで半結晶性であるにすぎない。重縮合物をより結晶性の材料にするために、重縮合物を、好ましくは、90から200℃、より好ましくは140から180℃の範囲内の温度で結晶化する。ある特定の配置において、加熱工程は、最終ペレット温度が、結晶化が起こる範囲内であるように、ペレット化中のペレットの温度を制御することを必要とし得る。追加の加熱の任意の工程の前に、ペレット化工程からのあらゆる付着水が、好適には除去される。この手順は、好適には、冷却することによって、すなわち、重縮合物の温度を、90から200℃の範囲内の所望の温度にすることによって行われる。この冷却は、液体、例えば水を利用して為され得る。ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)について、最も急速な結晶化は、およそ170℃で起こることが分かった。粒子がおよそ1時間120℃で保持されるならば、その後の170℃での結晶化は高速になることも分かった。最適温度プログラムは、結晶化に使用される特定の配置によって決まることになる。典型的には、重縮合物を、80から140℃の範囲内の温度で0.2から3時間、好ましくは0.5から2.5時間の間保持し、続いて、1から48時間120から200℃の範囲内の温度で結晶化工程を行う。重縮合物中のポリエステル鎖は、これらの条件下で結晶化して、所望の半結晶性ポリエステルを産出することが分かった。粒子の、互いに付着して凝集を引き起こす傾向を低減させるために、前処理及び結晶化期間中にある程度のかき混ぜを使用することが有利となり得ることも分かった。また、80から95℃の水中での熱的前処理も、粒子の、その後の120から200℃の範囲内での結晶化中に互いに付着する傾向を低減させることができることが分かった。したがって、所望の結晶化度に達するためのいくつかの有利なプロトコールがあり、いずれも120から200℃での結晶化加熱工程によって完了する。1つの代替は、重縮合物を、80から140℃での0.2から3時間の間の加熱工程、続いて、結晶化加熱工程に供することである。第2の代替は、
そのような加熱工程を、80から140℃、液体、例えば水中で行うことである。溶融した重縮合物を、例えば水中ペレタイザーを使用することによって結晶化しながらペレット化してもよい。
重縮合物中のポリエステル鎖は、これらの条件下で結晶化して、半結晶性ポリエステルを産出することが分かった。このようにして得られたポリエステルは、好適には、DSCによって測定される、少なくとも25J/gの結晶化度を有する。このポリエステルは、好適には、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも215℃の融点を有する。
半結晶性出発ポリエステルは、一定量のカルボン酸末端基を有する。本発明に従い、半結晶性出発ポリエステルは、15から122meq/kgの量のカルボン酸末端基を有するべきである。カルボン酸末端基の量は、好ましくは、25から80meq/kgの範囲内である。加えて、出発ポリエステルは、ヒドロキシル末端基も含む。ヒドロキシル末端基の量は、広く変動し得る。好ましくは、ヒドロキシル末端基の量は、25から100meq/kgの範囲内である。
この文脈において、重縮合中に、いくつかのカルボン酸基は、それらが結合したフラン環から分割されて、脱炭酸末端基をもたらす場合があることが観察される。
一般に、ポリエステルにおける末端基を決定するための複数の方法がある。そのような方法は、滴定、赤外線及び核磁気共鳴(NMR)法を含む。多くの場合、別個の方法を使用して、四つの主要な末端基:カルボン酸末端基、ヒドロキシル末端基、メチルエステル末端基及び脱炭酸後に得られる末端基を定量化する。しかしながら、A.T Jackson及びD.F. Robertsonは、「Molecular Characterization and Analysis of Polymers」(J.M. Chalmers en R.J. Meier (編.)、「Comprehensive Analytical Chemistry」の第53巻、B. Barcelo (編)、(2008) Elsevier、171~203頁において、末端基決定のための1H-NMR法を公開した。この方法において、ヒドロキシル末端基は、ポリエチレンテレフタレート(PET)中、3-クロロフェノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、トリクロロ酢酸又はトリフルオロ酢酸等の刺激の強い溶媒の選択を使用することによって決定される。重水素化1,1,2,2-テトラクロロエタン(TCE-d2)を、ポリエステルのいかなる誘導体化もなく溶媒として使用することが好ましい。フランジカルボキシレート部分及びエチレングリコール残基を含むポリエステルに、同様の方法を行うことができる。後者ポリエステルについての末端基の測定は、室温で、溶液からのポリエステルの沈殿の過度のリスクなしに実施することができる。TCE-d2を使用するこの1H-NMR法は、ヒドロキシル末端基(HEG)、脱炭酸、及びジエチレングリコール(DEG)基の含有量を決定するために非常に好適である。ピーク割り当ては、TCEピークを使用して、6.04ppmの化学シフトに設定する。7.28ppmの化学シフトにおけるフランピークを積分し、積分をフラン環上の二つのプロトンについて2.000に設定する。HEGは、ヒドロキシル末端基の二つのメチレンプロトンから、4.0ppmで決定する。DEGの含有量は、四つのプロトンを表す3.82から3.92ppmのシフトの積分から決定する。脱炭酸末端基は、1つのプロトンを表す7.64~7.67ppmのシフトで見られる。ポリエステルがメチルエステル末端基も含む場合、3つのプロトンを表す3.97ppmでメチルシグナルが出現することになる。
カルボン酸末端基は、ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)に適しているASTM D7409に従う滴定法を使用することによって、決定される。このように修正されたその方法は、エタノール中の0.01M KOHをその当量点まで滴定剤として用い、0.1mlのエタノール中の0.5mgのブロモクレゾールグリーン(2,6-ジブロモ-4-[7-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-9,9-ジオキソ-8-オキサ-9λ6-チアビシクロ[4.3.0]ノナ-1,3,5-トリエン-7-イル]-3-メチル-フェノール)を指示薬として使用する、オルトクレゾール中のポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)の4%w/v溶液の滴定を伴う。
本出願の目的のために、HEG及び脱炭酸末端基についての値はTCE-d2を使用する1H-NMRによって得られるのに対し、CEGについての値は上記した滴定法によって決定される。
種々の末端基の含有量は、他の末端基と相対的に表され得る。末端基の量を、ポリエステルの質量単位当たりの絶対値として表すことも可能である。絶対的特長として表される、半結晶性出発ポリエステル中のカルボン酸末端基の量は、有利には、25から80meq/kgの範囲内である。カルボン酸末端基の絶対量の算出は、滴定から直接得られる。
約10mgのポリエステルを秤量し、8mLガラスバイアルに入れる。バイアルに、0.7mLのTCE-d2を添加し、バイアル内で混合物をかき混ぜながら、ポリエステルを室温で溶解する。溶解した混合物を1H-NMRに供し、一方で、TCE-d2のピークを6.04ppmに設定する。フランピークの中心は7.28ppmにあり、これを積分し、積分を2.000に設定して、フラン環上の2つのプロトンを表す。1H-NMRシグナルを積分し、末端基の量を下記の通りに算出する:
ヒドロキシル末端基(HEG) = 5494 * 4.0ppmでの積分/2;
脱炭酸末端基(DecarbEG) = 5494 * 7.65ppmでの積分。
ポリエステルがメチルエステル末端基も含む場合、メチルシグナルは3.97ppmで出現することになり、次いで、エステル末端基の含有量を:
エステル末端基(EEG) = 5494 * 3.97ppmでの積分/3
として算出する。
これらの算出結果は、meq/kgで表されるそれぞれの末端基の量である。カルボン酸末端基及びヒドロキシル末端基の和に対して、カルボン酸末端基の相対含有率を算出することも可能である。その目的のために、下記の式を使用する: CEG/(CEG + HEG)。
カルボン酸末端基に加えて一定量のヒドロキシル末端基を有する半結晶性出発ポリエステルは、好ましくは、カルボン酸末端基のモル量をヒドロキシル末端基及びカルボン酸末端基のモル量の和で割った割合として表される、0.10から0.7の範囲内のカルボン酸末端基の含有率を有する。より好ましくは、カルボン酸末端基の相対含有率は、ヒドロキシル及びカルボン酸末端基の和に対して、0.14から0.65の範囲内である。
固相重合後に、最終生成物中にレベルを低下させたカルボン酸末端基を有することが有利となり得る。出願人らは、高い速度及び程度の固相重合を実現するためには高レベルのCEGが所望されるが、固相状態のポリエステルにおいてはより低レベルを有することが望ましい場合があることを見出した。故に、好ましい実施形態において、固相状態のポリエステルのCEGの量は、30meq/kg未満、より好ましくは20meq/kg未満である。好適には、CEGの量は、5から30meq/kgの範囲内、より好ましくは7から20meq/kgの範囲内である。比較的少ない脱炭酸末端基を有することも有利であり、好ましい実施形態において、脱炭酸末端基含有量は、15meq/kg未満である。
上記で示した通り、本発明の方法は、低減したアセトアルデヒド含有量を有する固相状態のポリエステルの取得も可能にする。同時に、分子量が高まっている。好ましくは、この高まりは、少なくとも0.75dL/gの固有粘度に対応する分子量をもたらした。そのようなポリエステルは新規である。そのようなポリエステルは、長年の切望も満たす。したがって、本発明は、少なくとも0.75dl/gのIV及び1mg/kg以下、好ましくは0.5mg/kg未満のアセトアルデヒド含有量を有する、エチレン-2,5-フランジカルボキシレート単位を含むポリエステルを提供する。好適には、ポリエステルは、30meq/kg未満、好ましくは5から30、より好ましくは7から20meq/kgの量のカルボン酸末端基を有する。
固相重合中にも、結晶化度は増大する。故に、本発明による固相状態のポリエステルは、好ましくは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される、少なくとも50J/gの結晶化度も有する。好ましくは、結晶化度は、55から90J/gの範囲内である。
半結晶性出発ポリエステルは、好適には、FDCA及びエチレングリコールの混合物から、エステル化、続いて、重縮合によって、及び場合により、上記した通りの熱処理によって調製される。エステル化は、好ましくは、FDCA及びエチレングリコールの出発混合物から行われ、ここで、2,5-フランジカルボン酸のエチレングリコールに対するモル比は、1:1.01から1:1.15である。
フランジカルボン酸及びエチレングリコールのエステル化反応は、当技術分野において公知である。それ故、当業者であれば、エステル化触媒を使用する必要はないが、そのような触媒の使用が企図されていてよいことに気付くであろう。それ故、一実施形態において、2,5-フランジカルボン酸(furandicarboxyic acid)及びエチレングリコールは、エステル化触媒の存在下で好適に反応する。エステル化触媒は有利には酸性であり、反応物質の1つは酸であるため、エステル化触媒を使用する必要性に欠けている。しかしながら、そのような触媒が使用される場合、好適にはブレンステッド酸又はルイス酸である。ブレンステッド酸は、硫酸、硝酸又は塩酸等の強鉱酸であってよい。好適なルイス酸は、チタン、スズ、亜鉛、カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される金属の、塩化物、臭化物、トシレート、アルコキシド及びトリフレート等、金属の化合物を含む。チタン酸、スズ酸等のアルキルエステル等、金属酸の有機エステルを使用することも可能である。それ故、エステル化触媒は、好ましくは、チタン、スズ、カルシウム及びアンチモンからなる群から選択される1種又は複数の金属を含有する触媒から選択される。触媒は、使用されるならば、エステル化反応の開始から添加されてよい。しかしながら、エステル化は、エステル化触媒の使用なしに簡単に進行するため、エステル化は、好ましくは、エステル化反応専用のエステル化触媒の非存在下で行われる。
エステル化反応において、水が形成されている。2,5-フランジカルボン酸及びエチレングリコールの反応中に形成された水を除去することが有利であると分かった。このようにして、平衡反応であるエステル化反応は、完了に導かれ得る。エステル化混合物からの水の除去は、任意の公知の方式で行ってよい。蒸気相において形成されたあらゆる水を冷却器に通過させ、液化した水を含む縮合物を除去することが好適である。蒸気相は、いくらかのエチレングリコールも含み得る。したがって、蒸気相を、有利には、蒸留システムに通過させ、ここで、水及びエチレングリコールを分離する。エチレングリコールは、好適には、少なくとも部分的に、しかし好ましくは実質的に完全に、エステル化混合物に再生利用される。このようにして分離された水は、排出される。それ故、本発明による方法は、好ましくは、水が精留システムにおいて除去されるように行われ、ここで、水を用いて除去されたあらゆるエチレングリコールが水から分離され、少なくとも部分的に再生利用される。
形成された水の蒸気相にエチレングリコールが同伴している程度は、エステル化が行われる温度及び他の条件に依存することが明白になるであろう。先行技術において使用される条件は、約180から280℃の範囲内の温度及び約周囲圧力を含む。これらの条件を約4時間の間維持した。本発明による方法において、2,5-フランジカルボン酸及びアルキレンジオールの間のエステル化反応は、好ましくは、160から240℃の温度で行われる。圧力は、好適には、0.9から5barの範囲内であり、反応は、有利には、0.5から4時間の間続けられる。反応は、好都合なことに、窒素、ネオン、ヘリウム又はアルゴン下等の不活性雰囲気中で行われる。出発混合物は、水等の希釈剤を含んでよく、これは、好適には反応中に排出される。US2009/0124763において示されている通り、エステル化反応の終点は、反応混合物が透明になる時間、すなわち、いわゆる透明点によって確認される。したがって、本発明の方法におけるエステル化反応は、好適には、少なくとも形成されたエステル組成物が透明になるまで続行される。所望ならば、エステル化反応を更なる期間続けてよい。
2,5-フランジカルボン酸のエステル化反応はかなり高速であり、結果として、ポリエステル中の不十分な量のカルボン酸末端基を「過エステル化」して残すことが最も一般的であることが分かった。エステル化反応のポテンシャル程度は、本明細書において定義されている無次元パラメーターを使用することにより、幾分制御することができる:
エステル化ポテンシャル(EsPo) = (MR-1)2 * PH20(T)、式中、MRは、エチレングリコールの2,5-フランジカルボン酸に対するモル比を表し、MRは1より大きく;
PH2O(T)は、温度Tにおける水の純粋成分蒸気圧(単位bar)を表し、この温度は、圧力が低減されて前重縮合段階に入る前のエステル化混合物における最終反応温度である。PH2Oは、純水の蒸気圧について確立された式に従って決定される。アントワン式
log10 P = A - B/(C + T)、式中、Tは、℃で表されるエステル化の終了時の温度であり、A = 5.2594、B = 1810.94及びC = 244.485は、純水の所要蒸気圧をbarで記す。重縮合物についての最良の結果は、エステル化ポテンシャルが、0.8以下、好ましくは0.05から0.5である場合に得られることが分かった。
この時点で、エステル組成物を前重縮合の工程に供する。それに加えて、圧力を低減させ、場合により、重縮合触媒を添加する。前重縮合工程を使用して、過剰の又は未反応のエチレングリコールを除去し、圧力を低減させて、過度の発泡又は真空ラインへのキャリーオーバーを回避しながら、他の揮発物のほとんどを除去する。温度が上昇し、重縮合反応が起こり始め、反応を介して発生するエチレングリコールの遊離及び除去が伴う。エステル化反応も水を発生させながら継続し、この水はまた、反応混合物から除去されることに留意することが重要である。非常に小さいバッチ機器において、反応の全段階に同じ反応器を使用してよい。反応がより大規模のバッチ機器で実施される場合、この段階はエステル化反応と同じ機器で完了させてよく、この段階の後、次いで、反応物質混合物を、良好な質量移動のために特別設計された容器に移して、重縮合反応を促進してよい。代替として、反応物質混合物を異なる容器に移動させた後、圧力降下及び前重縮合を開始し、次いで、単一容器内で重縮合を行う。重縮合触媒の添加はエステル化反応の開始時に既に行われている場合があるため、エステル化生成物への触媒のさらなる添加はこの時点では必要ない。
安定化剤等の他の化合物を、エステル化の前又は重縮合の前に添加してもよい。安定化剤は、抗酸化剤を含んでよい。好ましい抗酸化剤は、ホスファイト含有化合物、リン酸化合物、ホスホン酸化合物及びヒンダードフェノール系化合物である。抗酸化剤は、トリアルキルホスファイト、混合アルキル/アリールホスファイト、アルキル化アリールホスファイト、立体障害アリールホスファイト、脂肪族スピロ環式ホスファイト、立体障害フェニルスピロ環、立体障害ビスホスホナイト、アルキルホスフェート、アリールホスフェート、混合アルキル/アリールホスフェート、アルキルホスホノアセテート、ヒドロキシフェニルプロピオネート、ヒドロキシベンジル、アルキルフェノール、芳香族アミン、ヒンダードアミン、ハイドロキノン及びそれらの混合物等の化合物を含む。そのような他の化合物を、バッチ又は任意の他の種類の操作で添加してもよい。それ故、本発明によるポリエステルを含む組成物は、そのような化合物を含んでよい。
更なる連続操作において、前重縮合反応は、専用容器内で行われてよく、典型的には、塔頂蒸気は、エステル化段階中に発生した蒸気から別個に収集される。このプロセス段階中に、典型的には、圧力は、エステル化中に使用されるおよそ1bar以上から、約20から700mbarまで、より好ましくは約20から100mbarまで、低減される。前重縮合の持続時間は、好適には、0.5から2時間の範囲内である。
この時点で、エステル組成物を重縮合の工程に供する。先行技術から公知の通り、この工程における圧力は更に低減される。約5mbar未満、好ましくは約3mbar未満の圧力が印加されてよい。重縮合及びエステル化反応それぞれにおいて遊離されるエチレングリコール及び水の良好な質量移動及び除去のために、より低い圧力が好ましい。先行技術による重縮合温度は、約180から280℃を含む。本発明による重縮合は、好ましくは、245から270℃の温度及び好適には0.05から5mbarの圧力で行われる。これらの条件下で、エステル組成物及び形成された重縮合物が溶融段階にあることを確実にする。重縮合は、好適には、1から3時間の範囲の間続けられる。好ましくは、前重縮合及び重縮合段階を合わせた期間は、1.5から4時間の範囲内である。
重縮合は、所望の固有粘度に到達したら終了させてよい。これは、重縮合が行われている反応器内に設けられた攪拌子のトルクを測定することによって、モニターすることができる。これは、例えば、連続プロセス配置の反応器の出口における溶融粘度計によってモニターすることもできる。粘度が十分に高い場合、重縮合は停止され、生成物が排出されて、重縮合物を産出する。
上記で示した通り、重縮合は、好ましくは、重縮合触媒の存在下で行われる。多くの重縮合触媒が使用され得る。そのような触媒は、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、カルシウム、マンガン、コバルト、ハフニウム、鉛、マグネシウム、アルミニウム、セリウム、ジルコニウム及びそれらの混合物から選択される1種又は複数の元素を含む触媒を含む。これらの化合物は、これらの金属の酢酸塩又は炭酸塩であってよい。代替として、金属アルコキシド、アルキル金属化合物、又は他の有機金属化合物も可能である。他の好適な触媒は、言及されている元素の酸化物及びハロゲン化物を含む。好ましい触媒は、チタンアルコキシド、酢酸アンチモン、酸化アンチモン、及びグリコール酸アンチモン、すなわち、酸化アンチモン及びエチレングリコールの反応生成物を含む。重縮合触媒の量は、典型的には、出発混合物中の2,5-フランジカルボン酸のモル数に対して、0.005mol%から0.2mol%の範囲内、好ましくは、0.01から0.10mol%の範囲内である。
エステル組成物が形成されたら、重縮合触媒をエステル組成物に添加してよい。場合によりエステル化触媒の存在下で、重縮合触媒を2,5-フランジカルボン酸及びエチレングリコールの出発混合物に添加することも可能である。エステル化触媒は、存在するならば、好適には、出発混合物中の2,5-フランジカルボン酸のモル数に対して、0.005mol%から0.2mol%、好ましくは0.02から0.15mol%の範囲内の量で存在する。重縮合触媒を出発混合物中に添加する場合、形成されたエステル組成物を、好適には単離しないが、エステル組成物の形成後、得られた生成物を、反応帯内に保ち、ここで、エステル化が起こり、生成物を、重縮合工程においてそのまま使用する。それ故、本発明の方法において使用される半結晶性出発ポリエステルは、好ましくは、1つ又は複数のエステル化及び/又は重縮合触媒を更に含む。触媒は、好適には上記した通りであり、エステル化及び/又は重縮合触媒は、好ましくは、チタン、スズ、カルシウム、アンチモン、ゲルマニウム、マンガン、コバルト、鉛、マグネシウム、アルミニウム、セリウム、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選択される金属を含むエステル化及び重縮合触媒から選択されたものである。
重縮合工程における温度を低下させて重縮合を終了させた場合、得られる重縮合物は凝固することになる。このようにして得られた重縮合物を、好適には、上記した通りに熱処理に供した後、(Tm -40℃)からTmの温度での固相重合において使用する。
ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)は、静止条件下でゆっくりと結晶化するポリエステルである。核形成剤をポリエステルに添加して、核生成密度を増大させ、それにより、静止条件下で全体的な結晶化速度を増大させることができる。
本発明の方法において使用されるポリエステルの結晶化のために、典型的にはSSPプロセスの前に、結晶化を、溶融物から(インサイチュ結晶化を用いる水中ペレタイザーで行われ得るものとして)又はガラス状態から(ポリマー顆粒の冷却後に)、行ってよい。この目的のために、重縮合後に、典型的には溶融相のままで、核形成剤をポリエステルに添加することが望ましい場合がある。典型的な添加レベルは、全ポリエステルに対して、0.05~2wt%、又はより好ましくは0.1から1wt%となる。無機鉱物を、所望ならば、最大5又は更には10wt%等のより高レベルで添加してよい。
核形成剤は、無機鉱物、有機塩、高溶融ワックス又は他のポリマーを含み得る。無機鉱物の例は、タルク、二酸化チタン、溶融石英、窒化ホウ素、マイカ及び炭酸カルシウムを含む。有機塩のいくつかの例は、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、他のステアリン酸塩、他の脂肪酸の塩、FDCA二ナトリウム塩、サッカリンのナトリウム塩、安息香酸の塩、芳香族ホスホン酸塩、イソフタル酸のスルホン酸エステル塩、並びに、Milliken Chemicals社からMillad(登録商標)NX88として入手可能なビス(4-プロピルベンジリデン)プロピルソルビトール及びMillad(登録商標)3988として入手可能な3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール、NA-11、メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム塩又はNA-21、アルミニウム-ヒドロキシ-ビス[2,2"-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル-フェニル)-ホスフェートとして入手可能なリン酸塩及びエステル等の、市販材料である。高溶融ワックスは、ステアラミド及びエルカミド、又はビス-アミド等の材料を含む。ポリマーは、アイオノマー、例えば、Du Pont社製サーリンアイオノマー、Rohm and Haas社製アキュリンアイオノマー、PEG2000(ポリエチレングリコール)、PET、PBT他等の材料を含み得る。核形成剤を、ポリマーの結晶化において異なる状況で使用してもよい。ポリマー結晶化は、様々な理由で行われてよく、そのそれぞれは、異なる条件下で実施されてよい。例えば、射出成形機における半結晶部分を作成するために、溶融から冷却中にポリマーの急速な結晶化を有することが必要とされるであろう。その一方で、再生屑の乾燥前の材料の結晶化のために、ポリマーをガラス状態から又は昇温時に(on the up-heat)急速に結晶化することが望ましいであろう。
そのようにして得られた重縮合物を、固体粒子が得られるようなペレット化工程で処理することが非常に有利であることが分かった。それに加えて、溶融物をダイス型に通過させてストランドを産出してよく、これを水中で冷却し、次いで、小粒子に切断する。そのような粒子は、典型的には、均一なサイズ及び円筒形状のものである。溶融物を、「水中ペレット化」又は「ダイス面切断」として公知のプロセスに供してもよく、ここで、水等の冷却媒体と片側で接触している、多数の穴を持つダイス型に溶融物を通過させ、カッターの回転ハブを使用して、新たに出現した溶融物を切断してペレットを形成する。そのような粒子は、典型的には、均一なサイズ及びほぼ球状のものである。他の方法を使用することもできる。例として、重縮合物の固体チップを小粒子に粉砕してよい。粒子は、好適には、1グラム当たりの粒子の平均数が1グラム当たり40から350個の粒子の範囲内であるようなものである。典型的には、そのような粒径を、2.8から28mgの質量を持つポリエステル粒子に煮詰める。
驚くべきことに、本発明の方法において使用される出発ポリエステルを用いると、固相重合はより高い速度で進行することが分かった。特に、本発明の主題外である出発ポリエステルは、粒径が非常に小さい場合には適度な速度で固相重合を経るが、約2mgより大きい、又は1グラム当たり500個の粒子より少ない粒径では、非常に低速の固相重合を有することが分かった。このような状況であれば、当業者は、最も実現可能な粒径のポリエステルを固相重合に供するために選択することが可能である。好適には、粒径は、1グラム当たり40から350個の粒子が存在するように選択される。典型的には、そのような粒径を、2.8から28mgの質量を持つポリエステル粒子に煮詰める。そのような粒子は、重縮合物から直接簡単に調製することができ、固相重合に供した場合に依然として良好な重合速度を提供することができる。そのような粒子は、空気輸送に好適であり、好都合なことにガス流で乾燥させることができ、例えば過度の粉塵による過度のリスクなしに、典型的なポリマー押出機器において好適に溶融することができる。上記した90から160℃の温度での熱処理は、好ましくは、重縮合物の粒子を用いて行われる。
出発ポリエステルを本発明の方法に供する場合、1時間当たりのdL/gでのIVの増大として決定される、0.0040dL/g時より大きい、より好ましくは0.0080dL/g時より大きい上昇速度を得ることが可能である。
本発明による方法における半結晶性出発ポリエステルを、(Tm -40℃)からTmの範囲内の温度にする。好適には、ポリエステルを、(Tm -40℃)からTmの範囲内の温度で、120時間以下、好ましくは2から60時間の間加熱する。これは、WO2010/077133及びWO2013/062408において例示されている固相重合と比較した、時間の有意な低減を表す。本発明による方法において適用される固相温度は、US2009/0124763において適用されるものよりも高い。US2009/0124763による固相重合の温度は140から180℃の範囲内であるが、本発明による方法における(Tm -40℃)からTmの範囲は、半結晶性出発ポリエステルを、好適には、180から220℃、より好ましくは185から210℃の範囲内の温度に加熱して、固相状態のポリエステルを得ることを意味することになる。上記で示した通り、Tmの値は、好ましくは200から220℃であり、更には245℃の高さであってもよい。
固相化は、好適には、不活性ガス流、特に、窒素、アルゴン、ヘリウム又はネオンの存在下、大気圧で行われる。代替として、固相化を、大気圧未満の圧力、例えば、100mbar未満、より好ましくは20mbar未満の圧力で行ってよい。
書籍Modern Polyesters: Chemistry and Technology of Polyesters and Copolyesters、J. Scheirs及びT.E. Long (編)、Wiley、2003において記述されているもの等のポリ(エチレンテレフタレート)の固相重合のための反応器、機器及び制御装置を使用して、本発明の固相重合に有利とすることもできる。不活性ガス流を用いる大気圧プロセスで行われる場合、不活性ガスを、好ましくは、効率的に再生利用するために、粒子に通過させた後にガス清浄化工程に供する。出願人らは、固相重合が非常に長時間で許容されない速度に減速することがあり、そのような場合において、所望の最終IVが未だ得られていなければ、プロセスを停止し、樹脂を押出及びペレット化に供し、次いで、結晶化及び固相重合を再び始めることが役立ち得ることを見出した。
下記の実施例を利用して、本発明を更に例証する。
第1の一連の実験において、FDCAのジエステルと比較して大過剰のエチレングリコールを有するFDCAのジメチルエステルから調製されたポリエステルを使用して、精製されたビス(2-ヒドロキシエチル)-2,5-フランジカルボキシレートを調製した。これを、重縮合触媒としての300ppmのアンチモンの存在下で重縮合に供して、0.42dl/gのIVに対応する約15,000の数平均分子量(Mn)を有するポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)を産出した。ポリエステルにおけるカルボン酸末端基(CEG)の量は10meq/kg未満であると評価され、ヒドロキシル末端基(HEG)の量は160meq/kg超であると評価された。CEG/(CEG+HEG)として表される相対含有率は、0.06未満であった。ポリエステルを、異なる粒径範囲の画分に分割した。画分を、約200℃の温度での最大8時間の間にわたる固相重合に供した。各画分について、重合中にMnを決定し、式IV (dL/g) = 1.62*10-4*Mn0.820を使用して同等物IVを決定した。結果を表1に示す。
第2の一連の実験において、約0.49dL/gのIVに対応する約17,000のMnを有するMEG及びFDCAから調製したポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)を、200℃の固相重合温度を含む、第1の一連の実験において適用されたものと同じ条件下で、固相重合に供した。この場合においても、異なる粒径の画分を使用した。ポリエステルは、66meq/kgのCEGの量及び87meq/kgのHEGの評価量を有した。CEG/(CEG+HEG)として表される相対含有率は、約0.43であった。結果を表2にも示す。
Figure 0007175587000001
Figure 0007175587000002
表1及び表2の結果の比較から、固相重合速度は最小の粒子(0.1~0.2mm画分)については同様であるが、粒径を増大させると、0.43のCEG/(CEG+HEG)及び66meq/kgのCEGを有するポリエステルの固相重合速度は、比較用ポリエステルよりもはるかに良好に機能することが明らかである。参考までに、1mmの直径を有する球状ペレットは、0.75mgの質量を有するか、又は1300個の粒子/グラムを含有するであろう。
エチレングリコール(MEG)及び2,5-フランジカルボン酸(FDCA)を、1.12のMEG:FDCAモル比で、触媒としてのSb2O3とともに、314ppmのアンチモンの存在下で混合した。反応混合物は、80ppm (0.09mmol/mol)の水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)を更に含有していた。混合物を、エステル化触媒の添加なしに、時間(te)の間昇温でエステル化に供した。形成された水を蒸発させ、蒸留カラムに入れた。凝縮水を除去し、同伴している又は蒸発したあらゆるMEGを、反応混合物に戻して再生利用した。フランジカルボン酸送給に対して理論水の80%が収集されるまで、反応を大気圧で続けた。そのときの温度は214℃であり、反応時間は175分であった。圧力を低減させ、前重縮合を開始し、圧力はおよそ80分で20mbarに到達した。蒸留カラムに通過させることなく、あらゆる追加のエチレングリコールを除去できるように、この時点で真空テイクオフ点(vacuum take-off point)を切り替えた。圧力を更に低減させて、5mbar未満とした。エステル組成物を触媒とともに、261℃の温度で150分間重縮合に供した。固有粘度(IV)は、約0.61dL/gであった。相対CEGをCEG/(CEG + HEG)として決定した。アセトアルデヒド含有量は、15ppmを優に上回っていた。反応条件及び結果を表3に示す。
Figure 0007175587000003
0.61dL/gのIV、0.30の相対CEG比及び25meq/kgの絶対CEG含有量を有する上記の重縮合物を、その温度を125℃に上昇させ、約1時間保持し、その後、材料を冷却し、あらゆる凝集体を破壊することによって結晶化した。次いで、材料を170℃に加熱し、約3時間保持し、続いて、195℃に(12.5℃/時の速度で)温度傾斜させ、約12時間保持した。このようにして得られた材料は、DSCによって決定される通り、204℃のピーク融点及び50J/gの結晶化度を呈した。材料を回転真空タンブル乾燥機に装填し、真空下で190~195℃に加熱することによって、固相重合に供した。チップを周期的にサンプリングし、結果を以下の表4に示した。表において、固有粘度(IV)、ピーク融点(Tピーク)及び結晶化度(dHm)が、タンブル乾燥機への装填時並びにタンブル乾燥機内で13及び50時間後でそれぞれ示されている。表は、dL/g時間で表されるIVの増大速度(上昇速度としても公知である)を更に示す。
Figure 0007175587000004
実験は、固相における熱処理が、固有粘度における増大によって示される通りの分子量の増大及びDSC測定におけるより高い値によって示される通りのより高い結晶化度をもたらすことを示す。ペレットは、40~350ペレット/グラムの範囲内のサイズを有していた。固相重合後のポリエステルのアセトアルデヒド含有量は、0.3mg/kg (ppm)のアセトアルデヒド含有量を有していた。ジエチレングリコール含有量は、0.044モル/モルFDCAであった。最終CEG含有量は、滴定によって決定される通り、11meq/kgであった。脱炭酸末端基含有量は、NMRによって決定される通り、14meq/kgであった。
比較実験1
フランジカルボキシレートベースのポリマーは、FDCAのジメチルエステル及びエチレングリコールを1:2.0のモル比で含む出発混合物から出発して、エステル交換触媒としての120ppmの亜鉛(アセテートとして添加される)及びエステル化のための300ppmのアンチモン(グリコレートとして添加される)の存在下で調製した。この実験は、WO2013/120989の教示による。エステル交換中に、形成されたメタノールを除去し、あらゆる蒸発したエチレングリコールを反応混合物に再生利用した。エステル交換を、最大210℃で2時間続けた。2時間後に得られた混合物を、減圧並びに390から530mbar及び210℃の温度での2時間にわたる前重縮合に、その後、2mbar未満の圧力及び240℃の温度での4時間の重縮合に供した。溶融重合後、材料は、0.33dL/gのIV、0.05未満の相対CEG比及び9meq/kgの絶対CEG含有量を有していた。メチルエステル含有量は、13meq/kgであった。HEG含有量は、200meq/kgより大きかった。アセトアルデヒド含有量は、15ppmを優に上回っていた。プロセスが比較的低分子量のポリエステルを得るには8時間超を要するように思われた。
有意な粉塵が存在していたため、材料を篩にかけて、粉塵及び長い粒子を除去した。次いで、材料を回転真空ドラム乾燥機内で加熱して、チップを乾燥させ、結晶化、固相化した。以下の表5は、進行を示す。材料を180~195℃に加熱したが、凝集が有意であったため、材料を頻繁に排出して凝集体を破壊する必要があった。
Figure 0007175587000005
表5は、所望量のカルボン酸末端基を有さないポリエステルが、ポリエステルを固相条件に非常に長時間曝露することによってのみ、所望の分子量に重合され、非常に低い上昇速度を呈することができることを示す。ペレットは、40~350ペレット/グラムの範囲内のサイズを有していた。972時間後にようやくアセトアルデヒド含有量が0.5ppmと測定され、最終CEG含有量は3meq/kgであった。

Claims (12)

  1. 融点Tmを有する半結晶性出発ポリエステルを、(Tm -40℃)からTmの範囲内の温度で、且つ、180から220℃の範囲内の温度で加熱して固相状態のポリエステルを得ることにより、エチレン2,5-フランジカルボキシレート単位を含む半結晶性出発ポリエステルの分子量を固相重合により高めるための方法であって、前記半結晶性出発ポリエステルが、少なくとも0.45dL/gの固有粘度、15から122meq/kgの範囲内の量のカルボン酸末端基及びカルボン酸末端基に加えて一定量のヒドロキシル末端基を有し、カルボン酸末端基のモル量をヒドロキシル末端基及びカルボン酸末端基のモル量の和で割った割合として表される、カルボン酸末端基の含有率が0.10から0.7の範囲内であり、固有粘度は、ASTM D4603に基づく測定で得られ、カルボン酸末端基の量は、ASTM D7409に基づく測定で得られ、ヒドロキシル末端基の量は、 1 H-NMR法に基づく測定で得られ、前記半結晶性出発ポリエステルが、1グラム当たり40から350個の粒子が存在するように選択された粒径を有するペレットの形態である、方法。
  2. 前記半結晶性出発ポリエステルの、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される結晶化度が、少なくとも25J/gである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記半結晶性出発ポリエステルの、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される最大結晶化度が、80J/g以下である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記半結晶性出発ポリエステルの、示差走査熱量測定(DSC)によって測定されるTmが、少なくとも200℃である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記半結晶性出発ポリエステルが、0.45から0.75dL/gの範囲内の固有粘度を有し、固有粘度は、本明細書に記載の通り測定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記半結晶性出発ポリエステルが、温度を90から200℃の範囲内に保った後、少なくとも(Tm -40℃)の温度に加熱することにより、結晶化させられた、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記半結晶性出発ポリエステルが、90から200℃の範囲内の温度に2から48時間の間保たれた、請求項6に記載の方法。
  8. カルボン酸末端基のモル量をヒドロキシル末端基及びカルボン酸末端基のモル量の和で割った割合として表される前記カルボン酸末端基の含有率が0.14から0.65の範囲内であり、カルボン酸末端基及びヒドロキシル末端基の含有率は、本明細書に記載の通り測定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記半結晶性出発ポリエステルが、1種又は複数のエステル化及び/又は重縮合触媒を更に含む組成物に含有される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記エステル化及び/又は重縮合触媒が、チタン、スズ、亜鉛、カルシウム、アンチモン、ゲルマニウム、マンガン、コバルト、鉛、マグネシウム、アルミニウム、セリウム、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選択される金属を含むエステル化及び重縮合触媒から選択されたものである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記半結晶性出発ポリエステルが、2.8から28mgの質量を有するペレットの形態である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記半結晶性出発ポリエステルを、(Tm -40℃)からTmの範囲内の温度で、120時間以下、好ましくは2から60時間の間加熱する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
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