JP7175143B2 - フィルタ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、環状のコアと、コアに挿通された棒状の導電体(導電バー)と、導電体に電気接続された回路基板と、を備えるフィルタ装置が開示されている。回路基板の主面には、コアと共にノイズを除去するための回路を構成するコンデンサ等の回路部品が搭載される。特許文献1のフィルタ装置では、コアが回路基板における回路部品の配置に影響を与えないように、導電体を、回路基板の主面に沿って回路基板の外側まで延ばし、回路基板の外側においてコアに挿通させている。
以下、図1~6を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
本実施形態に係るフィルタ装置は、電気配線に流れる電流から電磁気的なノイズを除去する装置である。図1~3に示すように、本実施形態のフィルタ装置1は、コア2と、導電体3と、回路基板4と、を備える。また、本実施形態のフィルタ装置1は、シールド板部5と、シールド用ケース6と、を備える。
導電体3は、例えば電源と負荷装置とを接続する配線として機能する。すなわち、導電体3の長手方向(X軸方向)の第一端部11は、例えば電源等に電気接続するための端子(入力側端子)として機能する。また、導電体3の長手方向の第二端部12は、例えば負荷装置等に電気接続するための端子(出力側端子)として機能する。
四つの導電体3は、例えばその長手方向に直交する方向(例えばY軸方向)に一列に並べられてよい。本実施形態において、導電体3は、図6に示すように、その長手方向に直交する第一方向(Y軸方向)に二つ配列されると共に、長手方向及び第一方向に直交する第二方向(Z軸方向)に二つ配列される。すなわち、四つの導電体3は、格子状に配列されている。言い換えれば、四つの導電体3は、導電体3の長手方向を軸とした周方向(コア2の周方向)に配列される。なお、本実施形態において、帯板状に形成された四つの導電体3は、いずれもその板厚方向が第一方向に向くように配されている。
具体的に、絶縁部7は、第一絶縁壁部21と、第二絶縁壁部22と、を含む。第一絶縁壁部21は、第一方向に配列された二つの導電体3の間で第二方向に延びている。第一絶縁壁部21は、第二方向に配列された二つの導電体3の両端よりも外側まで延びている。第二絶縁壁部22は、第二方向に配列された二つの導電体3の間で第一方向に延び、第一絶縁壁部21と交差する。第二絶縁壁部22は、第一方向に配列された二つの導電体3の両端よりも外側まで延びている。すなわち、絶縁部7は、図6に示すように、第一絶縁壁部21及び第二絶縁壁部22によって、導電体3の長手方向に直交する断面で十字状に形成されている。
以上のように構成される本実施形態の絶縁部7は、例えば1つ又は複数の絶縁シートに折り曲げ加工を施すことで構成することができる。
具体的に、四つの導電体3の第一端部11は、それぞれ折り曲げ加工されることで、導電体3の板厚方向(第二方向;Z軸方向)に互いに離れて位置する。一方、四つの導電体3の第二端部12に関しては、導電体3の板厚方向に配列された二つの導電体3のうち一方の導電体3の第二端部12だけが折り曲げ加工される。これにより、導電体3の板厚方向に並ぶ二つの導電体3の第二端部12が、導電体3の板厚方向において互いに離れて位置する。なお、図3に示すように、導電体3の幅方向(第一方向;Y軸方向)に並ぶ二つの導電体3の第二端部12は、導電体3の板厚方向において同じ位置に配される。
四つの導電体3の第二端部12同士の間隔を、第一端部11同士の間隔よりも小さくすることで、四つの導電体3を前述のコア2や後述する回路基板4、シールド板部5に対して容易に貫通させることができる。
本実施形態において、基板挿通孔32には、四つの導電体3の他に、前述した絶縁部7も挿通される。回路基板4の主面31側から見た基板挿通孔32の平面視形状は、任意であってよいが、本実施形態では図6に示すように絶縁部7の断面形状に対応する十字状に形成されている。
本実施形態のシールド板部5は、二つの回路基板4にそれぞれ含まれている。すなわち、本実施形態のフィルタ装置1は、二つのシールド板部5を備える。シールド板部5は、例えば回路基板4の内部にある配線層によって構成されてよい。シールド板部5のシールド挿通孔41は、回路基板4の基板挿通孔32に対応する位置に形成されている。
これら底板部53(底面55)及び一対の側板部54(内側面56)によって囲まれた空間が、シールド用ケース6の収容領域51となる。これにより、シールド用ケース6は、その底面55からその上方に向かう一方向(Z軸正方向)に開口するように形成されている。また、シールド用ケース6は、底板部53の長手方向(X軸方向)の両側にも開口するように形成されている。
この状態においては、図1,4,5に示すように、導電体3の長手方向が底板部53の長手方向(X軸方向)に向いている。二つのシールド板部5は、それぞれシールド板部5の板厚方向が底板部53の長手方向に向くように配される。また、二つのシールド板部5は、底板部53の長手方向に間隔をあけて配される。各シールド板部5は、シールド板部5の縁とシールド用ケース6の内面(底面55、内側面56)との間に隙間が生じないように、あるいは、当該隙間が小さくなるように、配されるとよい。これにより、二つのシールド板部5は、シールド用ケース6の収容領域51を、底板部53の長手方向に配列された三つの区画領域52(52A,52B,52C)に区画することができる。
案内部材58の具体的な構成や形状は任意であってよい。本実施形態の案内部材58には、一方向に延びる溝部59が形成されている。この溝部59に、回路基板4(シールド板部5)の縁部が入り込むことで、案内部材58は、回路基板4(シールド板部5)をその板厚方向から保持することができる。また、回路基板4(シールド板部5)の縁部が溝部59に入り込んだ状態では、回路基板4を溝部59の長手方向(すなわち一方向)に案内することができる。
本実施形態のフィルタ装置1は、二つの回路基板4(シールド板部5)を備えるため、シールド用ケース6には、二つの案内部材58が二組設けられている。
蓋部材9は、シールド用ケース6の上方開口部に対して着脱可能に設けられるとよい。蓋部材9は、例えば、シールド用ケース6の上方開口部をなす一対の側板部54の先端に形成された鍔部60に重ねて配された上で、当該鍔部60に対してねじ止め等によって固定されてよい。蓋部材9の具体的な形状は、平板状など任意の形状であってよい。
また、蓋部材9のうちシールド用ケース6の収容領域51側に向く面には、例えば絶縁シートが配されてよい。この場合、絶縁シートによって蓋部材9と収容領域51に配された導電体3や回路基板4との間で電気的な短絡が生じることを防ぐことができる。
例えば、複数の導電体3の長手方向が互いに平行するように、かつ回路基板4の主面31に平行するように、複数の導電体3が回路基板4の主面31上に配される場合には、複数の導電体3を互いに近づけて配置すると、一の導電体3と回路基板4との接続部分が、他の導電体3によって覆われてしまう。このため、一部の導電体3と回路基板4との接続が難しくなる。
これに対し、本実施形態において、導電体3はその長手方向が回路基板4の主面31に対して直交するように配される。このため、複数の導電体3を互いに近づけて配置しても、一の導電体3と回路基板4との接続部分(例えば図4,5に示した導電体3や回路基板4と接続体8との接続部分)が、他の導電体3によって覆われることを防止できる。すなわち、複数の導電体3を互いに近くに配置することでフィルタ装置1の小型化を図りつつ、複数の導電体3を容易に回路基板4に接続することができる。
さらに、シールド用ケース6の上方開口部が、導電性を有する蓋部材9によって塞がれる場合には、上方開口部から周辺回路への電磁気的なノイズの伝播を遮蔽することができる。なお、周辺回路は、例えばシールド用ケース6(収容領域51)の外側に配されて電源や負荷装置などを構成する回路である。また、シールド板部5の周囲を回り込もうとする電磁気的なノイズを蓋部材9によっても遮蔽することができる。すなわち、フィルタ装置1におけるノイズの除去効果をさらに高めることができる。
また、本実施形態のフィルタ装置1では、複数の回路基板4(シールド板部5)がそれぞれ案内部材58によって位置決めされるため、複数の回路基板4(シールド板部5)の相対的な位置決めも容易に行うことができる。
次に、図7~9を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
コア2は、第一実施形態と同様である。本実施形態のフィルタ装置101は、コア2を三つ備える。三つのコア2は、コア2の軸方向(X軸方向)に配列されている。
本実施形態のフィルタ装置101は、導電体103を二つ備える。二つの導電体103は、これらの長手方向が互いに平行するように、導電体103の長手方向に直交する方向に互いに間隔をあけて位置する。本実施形態において、二つの導電体103は、その板厚方向(Z軸方向)に間隔をあけて配列されている。
コア2に挿入された回路基板104は、その主面131が導電体103の長手方向に平行するように配される。回路基板104は、例えばその板厚方向が二つの導電体103の配列方向に対して傾斜又は直交するように配されてよい。本実施形態の回路基板104は、その板厚方向が二つの導電体103の配列方向に一致するように配される。また、本実施形態において、回路基板104は二つの導電体103の間に配される。
回路基板104と各導電体103との間に上記した接続体108が介在することで、回路基板104と各導電体103との間隔が保持される。すなわち、接続体108はスペーサの機能も有する。これにより、回路基板104と各導電体103との間で不要な電気的な短絡が生じることを防止できる。
コア2、導電体103及び回路基板104は、導電体103及び回路基板104をコア2に挿入又は挿通させた状態で、ベース部109の載置面109aに配される。この状態において、コア2の軸方向や導電体103の長手方向は、ベース部109の載置面109aに平行する。また、第一導電体103A、回路基板104、第二導電体103Bが、この順番でベース部109の載置面109aから離れる方向に配列される。
ベース部109が導電性を有する場合、第三スペーサ173は、例えば、導電性を有し、回路基板104の接地配線をベース部109に電気接続する接続体として構成されてよい。また、第三スペーサ173は、例えば回路基板104とベース部109とを電気的に絶縁するように設けられてもよい。この場合、第三スペーサ173は、例えば電気的な絶縁性を有するとよい。
2,2A,2B コア
3,103,103A,103B 導電体
4,4A,4B,104,104A,104B 回路基板
5 シールド板部
6 シールド用ケース
31,31a,31b,131,131a,131b 主面
32 基板挿通孔
51 収容領域
52,52A,52B,52C 区画領域
55 底面
56 内側面
58 案内部材
Claims (6)
- 環状のコアと、前記コアに挿通される棒状の導電体と、前記導電体に電気接続される回路基板と、を備え、
前記回路基板は、その主面が前記導電体の長手方向において前記コアに対向するように、前記コアに対して前記導電体の長手方向に並べて配され、
電磁気的なノイズを遮蔽するシールド板部を備え、
前記導電体は、前記シールド板部をその板厚方向に貫通し、
前記シールド板部は、前記回路基板に含まれるフィルタ装置。 - 前記コア、前記導電体、前記回路基板、及び、前記シールド板部を収容し、電磁気的なノイズを遮蔽するシールド用ケースを備え、
前記シールド板部は、前記シールド用ケースの収容領域を、板厚方向における前記シールド板部の両側に位置する二つの区画領域に区画する請求項1に記載のフィルタ装置。 - 環状のコアと、前記コアに挿通される棒状の導電体と、前記導電体に電気接続される回路基板と、を備え、
前記回路基板は、その主面が前記導電体の長手方向において前記コアに対向するように、前記コアに対して前記導電体の長手方向に並べて配され、
電磁気的なノイズを遮蔽するシールド板部を備え、
前記導電体は、前記シールド板部をその板厚方向に貫通し、
前記コア、前記導電体、前記回路基板、及び、前記シールド板部を収容し、電磁気的なノイズを遮蔽するシールド用ケースを備え、
前記シールド板部は、前記シールド用ケースの収容領域を、板厚方向における前記シールド板部の両側に位置する二つの区画領域に区画するフィルタ装置。 - 前記シールド用ケースが、少なくとも前記シールド用ケースの底面から上方に向かう一方向に開口するように形成され、
前記一方向に延びる前記シールド用ケースの内側面には、前記シールド板部をその板厚方向から保持すると共に、前記シールド板部を前記一方向に案内する案内部材が設けられている請求項2又は請求項3に記載のフィルタ装置。 - 前記導電体は、前記回路基板をその板厚方向に貫通する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
- 前記導電体を複数備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
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