〔実施形態1〕
<通知システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る通知システム100の構成を示すブロック図である。通知システム100は、乗客搬送装置を利用するユーザに対して通知を行うシステムである。乗客搬送装置とは、乗客であるユーザを移動させる装置であり、例えばエレベータまたはマンコンベヤ等の装置である。マンコンベヤとは、エスカレータ、または動く歩道(ムービングウォーク)等の装置である。図1に示すように、本実施形態に係る通知システム100は、複数の端末装置1、エレベータ制御装置2(通信管理装置)、およびエレベータ3(乗客搬送装置)を備える。
図1に示すように、本実施形態では、通知システム100が、複数の端末装置1として第1端末装置1Aおよび第2端末装置1Bの2つの端末装置を備える場合を例に挙げて説明する。なお、通知システム100に含まれる端末装置1の数は2台に限られず、3台以上の端末装置1が含まれていてもよい。また、本実施形態では、通知システム100に含まれるエレベータ3は、複数のかご31を備え、複数のかご31のそれぞれが複数の階床に移動可能である。
通知システム100は、エレベータ3を利用する意志を示した複数のユーザがそれぞれ所持する第1端末装置1Aおよび第2端末装置1B間の距離を特定し、当該距離に応じて通知を行う。「エレベータ3を利用する意志を示す」とは、例えばユーザが、第1端末装置1Aまたは第2端末装置1Bを操作し、エレベータ制御装置2にエレベータ3の呼び登録を行わせることを指示するための入力を行うことである。
一例として、通知システム100では、エレベータ3を利用する意志を示した複数のユーザがそれぞれ所持する複数の端末装置1間の距離が特定される。また、通知システム100は、当該距離が予め設定された所定の距離よりも短い場合、それぞれの端末装置1を所持するユーザ同士の距離が近づきすぎていることを示す接近情報を、複数のユーザそれぞれに対して通知する。以下、通知システム100が備える各装置の詳細について説明する。なお、第2端末装置1Bは第1端末装置1Aと同様の構成を有し、同様の処理を行うため、説明を省略する。
<第1端末装置1A>
第1端末装置1Aは、エレベータ3を利用するユーザが所持する携帯端末装置であり、例えばスマートフォン等の情報処理端末である。第1端末装置1Aは、エレベータ制御装置2に対してエレベータ3の呼び登録を行うための信号を送信し、当該呼び登録の内容に応じた識別情報を受信する。また、第1端末装置1Aは、受信した識別情報に基づき、付近の別の端末装置、例えば第2端末装置1Bと通信を行い、第2端末装置1Bとの間の距離を特定し、ユーザに対して当該距離に応じた通知を行う。
図1に示すように、第1端末装置1Aは、入力部11、制御部12、通知部13、記憶部14、第1通信部15、および第2通信部16を備える。また、図1に示すように、第1端末装置1Aは、通知部13の一例として、振動部13Aを備える。
入力部11は、ユーザによる入力操作を受け付ける。一例として、入力部11は、第1端末装置1Aとしてのスマートフォンに設けられるタッチパネル等である。入力部11は、受け付けた入力の内容に応じた信号を受付部121に出力する。
制御部12は、第1端末装置1Aにおいて行われる各種処理を実行する。制御部12は、受付部121、取得部122、切替部123、発信部124、受信部125、照合部126、特定部127、通知制御部128、および到着情報取得部129を備える。制御部12が備える各部が行う処理の詳細については後述する。
通知部13は、通知制御部128の制御に従って動作し、ユーザに対して通知を行う。振動部13Aは、通知部13の一例である。振動部13Aは、通知制御部128の制御に従って、複数の端末装置1間の距離に応じて振動する。一例として、振動部13Aは、複数の端末装置1間の距離が所定値以下である場合に振動し、当該所定値以下の距離の中で、複数の端末装置1間の距離がより接近している場合はより強く、より離れている場合はより弱く振動してもよい。
記憶部14は、第1端末装置1Aにおいて用いられる各種情報を記憶している。例えば、記憶部14には、通知システム100において第1端末装置1Aが行う処理を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されていてもよい。
第1通信部15は、第1端末装置1Aがエレベータ制御装置2と通信を行うための通信モジュールである。第1端末装置1Aとエレベータ制御装置2との間で行われる通信の方式は、例えば携帯電話通信網を介したインターネット接続などが挙げられるが、特に限定されない。
第2通信部16は、第1端末装置1Aが第2端末装置1Bと通信を行うための通信モジュールである。第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間において行われる通信は、例えばBluetooth(登録商標)通信等の近距離無線通信である。
受付部121は、入力部11から、ユーザによる入力に応じた信号を取得し、当該入力の内容を特定する。具体的には、受付部121は、当該信号に基づき、ユーザが利用するエレベータ3の出発階および行先階を特定する。受付部121は、特定した出発階および行先階を示す情報を、第1通信部15を介してエレベータ制御装置2に送信する。
取得部122は、エレベータ制御装置2から、第1通信部15を介して識別情報を受信する。識別情報は、受付部121からエレベータ制御装置2に送信された、出発階および行先階を示す情報、および当該情報に基づき割り当てられたかご31に応じて付与される情報である。以下、第1端末装置1Aに付与される識別情報を第1識別情報、第2端末装置1Bに付与される識別情報を第2識別情報と称する。取得部122は、第1識別情報を受信すると、第1識別情報を記憶部14に記憶させる。また、取得部122は、第1識別情報を受信したことを示す情報を切替部123に出力する。また、取得部122は、不図示の表示部に、エレベータの呼び登録が完了したこと、および/または割り当てられたエレベータ3のかご31を示す情報を表示させてもよい。
切替部123は、発信部124および受信部125に対して第1端末装置1Aの状態を切り替えさせる指示を行う。具体的には、切替部123は、第1識別情報を受信したことを示す情報を取得部122から取得すると、発信部124に対して、第1端末装置1Aの状態を送信待機状態とさせる旨の指示である送信待機指示を出力する。また、切替部123は、送信待機指示を出力してから所定時間が経過すると、発信部124に送信待機状態を解除させる旨の指示である送信待機解除指示を出力する。
切替部123は、送信待機解除指示を出力すると同時に、受信部125に対して、第1端末装置1Aの状態を受信待機状態とさせる旨の指示である受信待機指示を出力する。受信待機指示を出力してからさらに所定時間が経過すると、切替部123は、受信部125に、受信待機状態を解除させる旨の指示である受信待機解除指示を出力する。送信待機状態および受信待機状態の説明については後述する。切替部123は、到着情報を受信するまで、所定時間ごとに上述の指示を繰り返す。これにより、第1端末装置1Aの状態が所定時間ごとに切り替わる。切替部123は、到着情報取得部129から到着情報を取得すると、発信部124または受信部125に、送信待機解除指示または受信待機解除指示を出力する。これにより、第1端末装置1Aにおける識別情報の送受信が停止する。
発信部124は、第1端末装置1Aから別の端末装置1へ第1識別情報を発信する。具体的には、発信部124は、切替部123から発信待機指示を取得すると、第1端末装置1Aの状態を、別の端末装置1に第1識別情報を送信可能な送信待機状態、換言すると別の端末装置1への第1識別情報の送信を待機している状態とする。第1端末装置1Aと通信可能な範囲内に第2端末装置1Bが存在し、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間に通信が確立した場合、発信部124は、記憶部14を参照し、第1識別情報を取得する。また、発信部124は、第2通信部16を介して、第1識別情報を第2端末装置1Bに送信する。また、発信部124は、切替部123から送信待機解除指示を取得すると、送信待機状態を解除し、第1識別情報の送信を停止する。
受信部125は、別の端末装置1から送信された第2識別情報を受信する。具体的には、受信部125は、切替部123から受信待機指示を取得すると、第1端末装置1Aの状態を、別の端末装置1から識別情報を受信可能な受信待機状態、換言すると、別の端末装置1からの識別情報の受信を待機している状態とする。第1端末装置1Aと通信可能な範囲内に第2端末装置1Bが存在し、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間に通信が確立した場合、受信部125は第2通信部16を介して、第2端末装置1Bから第2識別情報を受信する。受信部125は、第2端末装置1Bから第2識別情報を受信すると、第2識別情報を照合部126に出力する。また、受信部125は、切替部123から受信待機解除指示を取得すると、受信待機状態を解除し、第2識別情報の受信を停止する。
以上のように、第1端末装置1Aでは、取得部122においてエレベータ制御装置2から第1識別情報を受信すると、切替部123の指示に従い、発信部124と受信部125とが交互に処理を実行する。すなわち、第1端末装置1Aでは、送信待機状態と受信待機状態とが所定時間ごとに交互に切り替わる。また、別の端末装置1である第2端末装置1Bにおいても同様の処理が行われる。
第1端末装置1Aが送信状態であるタイミングと第2端末装置1Bが受信待機状態であるタイミングとが一致し、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間に通信が確立した場合、複数の端末装置1間において識別情報の送受信が行われる。また、第1端末装置1Aが受信待機状態となり、第2端末装置1Bが送信待機状態となり、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間に通信が確立した場合にも、識別情報の送受信が行われる。これにより、複数の端末装置1のそれぞれが付近に存在する別の端末装置1の識別情報を受信することが可能となる。
照合部126は、受信部125から第2識別情報を取得すると、記憶部14の第1識別情報を取得し、これらの識別情報が一致するか否かを判定する。換言すると、照合部126は、2つの識別情報を照合する。当該照合の結果、2つの識別情報が一致していた場合、照合部126は、特定部127に判定結果を出力する。
特定部127は、照合部126から、2つの識別情報が一致することを示す判定結果を取得すると、複数の端末装置1間の距離を特定する。具体的には、特定部127は、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間において行われる無線通信の通信強度に基づき、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離を特定する。以下、本明細書において、「通信強度」は、通信において用いられる電波の強度を示す。特定部127は、特定した第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離を通知制御部128に出力する。
「2つの識別情報が一致する」ことは、2つの端末装置1(1A・1B)をそれぞれ所持するユーザの出発階および割り当てられたかご31に対応する識別情報の少なくとも一部が一致することを示す。2つの端末装置1に付与された識別情報が一致すると照合部126が判定した場合、2つの端末装置1をそれぞれ所持する複数のユーザは同じ乗場でかご31を待機している。または、当該複数のユーザは、同じかご31を利用予定、あるいは同じかご31に乗車中である。複数のユーザがこのような状態である場合に特定部127が複数の端末装置1間の距離を特定することで、同じ乗場、または同じかご31内に位置し、互いに接近する可能性が高いユーザ間の距離を推定することができる。
なお、照合部126は、2つの識別情報が完全に一致した場合、換言すると、第1端末装置1Aを所持するユーザおよび第2端末装置1Bを所持するユーザの出発階およびかご31が完全に一致する場合に、2つの識別情報が一致したと判定してもよい。同じかご31が割り当てられたユーザは、乗場において近い位置でかご31を待機する可能性が高く、さらに同じかご31に乗車する。そのため、出発階および割り当てられたかご31が一致するユーザ間の距離は接近する可能性が高く、このようなユーザ間の距離を特定することで、より適切にユーザに対して通知を行うことができる。
通知制御部128は、特定部127から第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離を示す情報を取得する。第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離が所定値以下である場合、通知制御部128は、振動部13Aを制御し、特定部127によって特定された距離に応じてユーザに対して複数のユーザ同士が接近しすぎていることを示す接近情報を通知させる。所定値とは、複数の端末装置1のいずれかを所持する複数のユーザのそれぞれが、互いに接近しすぎていると感じる程度の距離である。例えば、所定値は、1m程度の距離であってもよい。また、所定値は、ユーザによって任意の数値が設定されてもよい。
例えば、複数の端末装置1間の距離が所定値以下である場合、通知制御部128は、振動部13Aを制御することで、複数の端末装置1間の距離、すなわち複数のユーザ間の距離が近づきすぎていることを通知する。また、通知制御部128は、複数の端末装置1間の距離に応じて振動部13Aの振動の強度の段階を変更してもよい。具体的には、通知制御部128は、複数の端末装置1同士の距離が所定値以下である場合において、複数の端末装置1同士がより近づいている場合には振動部13Aを強く、より離れている場合には弱く振動させてもよい。さらに、通知制御部128は、複数の端末装置1間の距離に応じて、振動部13Aの振動の強度を無段階で変動させてもよい。また、通知制御部128は、振動部13Aを制御し、複数の端末装置1間の距離に応じ、振動の強弱以外に振動の頻度、または振動のパターンを変更させてもよい。
第1端末装置1Aに対する距離が所定値以下である他の端末装置1が複数存在する場合、第1端末装置1Aの通知制御部128は、第1端末装置1Aから最も近い端末装置1との距離に応じて振動部13Aによる振動を制御してもよい。また、第1端末装置1Aに対する距離が所定値以下である他の端末装置1が複数存在する場合、第1端末装置1Aの通知制御部128は、第1端末装置1Aからの距離が所定値以下である他の端末装置1の台数に応じて振動部13Aによる振動を制御してもよい。
到着情報取得部129は、エレベータ制御装置2から第1通信部15を介して到着情報(後述)を受信し、切替部123に出力する。
<エレベータ制御装置2>
エレベータ制御装置2は、複数の端末装置1から、エレベータの出発階および行先階を示す情報を受信し、当該情報に基づき、エレベータ3の呼び登録を行う装置である。図1に示すように、エレベータ制御装置2は、制御部21および通信部22を備える。エレベータ制御装置2は、少なくとも乗場領域(エレベータ3のかご31内、および/または乗場等)内に存在する端末装置1と通信可能である。
制御部21は、エレベータ制御装置2において行われる各種処理を実行する。また、通信部22は、エレベータ制御装置2が第1端末装置1Aおよび第2端末装置1Bと通信を行うための通信モジュールである。
図1に示すように、制御部21は、割当部211、付与部212、および動作制御部213を備える。割当部211は、通信部22を介して第1端末装置1Aからユーザの出発階および行先階を示す情報を含む信号を受信する。また、割当部211は、受信した情報に基づき割当てられるかご31を決定する。そして、割当部211は、ユーザの出発階および行先階を示す情報および割り当てられたかご31を示す情報を付与部212に出力する。
付与部212は、ユーザの出発階および行先階を示す情報および当該情報に基づき割当てられたかご31を示す情報を割当部211から取得する。また、付与部212は、これらの情報に基づき、第1端末装置1Aに付与する第1識別情報を決定する。付与部212は、決定した第1識別情報を、通信部22を介して第1端末装置1Aに送信する。また、付与部212は、ユーザの出発階および行先階を示す情報および当該情報に基づき割当てられたかご31を示す情報を動作制御部213に出力する。なお、付与部212は、複数の端末装置1から同じ出発階を示す情報を受信しない状態が所定時間以上(例えば、1時間以上)継続した場合、端末装置1に付与する識別情報をランダムに変更してもよい。
動作制御部213は、付与部212から、ユーザの出発階および行先階を示す情報および当該情報に基づき割当てられたかご31を示す情報を取得する。動作制御部213は、これらの情報に基づき、エレベータ3のかご31を制御する。すなわち、動作制御部213は、エレベータ3の呼び登録を行い、割り当てられたかご31を出発階へ移動させ、その後行先階へ移動させる制御を行う。また、割り当てられたかご31が行先階に到着した後、動作制御部213は、ユーザによって指示されたエレベータ3の制御が完了し、かご31が行先階に到着したことを示す到着情報を、通信部22を介して第1端末装置1Aに送信する。
<通知システム100における処理の流れの一例>
図2は、通知システム100において行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図2を用いて通知システム100において行われる処理の流れについて説明する。なお、以下の例では、第1端末装置1Aを所持するユーザおよび第2端末装置1Bを所持するユーザの出発階、行先階、および割り当てられたかご31が同じである場合を例に挙げて説明する。
まず、第1端末装置1Aにおいて、ユーザによって入力部11に対して出発階および行先階を指定する操作が行われると、入力部11は、当該操作に応じた信号を受付部121に出力する。受付部121は、当該信号を受け付けると(S1)、ユーザが利用することを希望する出発階および行先階を特定し、特定した出発階および行先階を示す情報を、第1通信部15を介してエレベータ制御装置2に送信する。
エレベータ制御装置2の割当部211は、通信部22を介して、第1端末装置1Aを所持するユーザが利用することを希望する出発階および行先階を示す情報を受信する。割当部211は、当該情報に基づき、割り当てるかご31を決定し(S21)、割り当てられたかご31を示す情報、並びに出発階および行先階を示す情報を付与部212に出力する。
付与部212は、割り当てられたかご31を示す情報、並びに出発階および行先階を示す情報を取得すると、これらの情報に対応する識別情報を、第1端末装置1Aに付与する第1識別情報として決定する(S22)。また、付与部212は、決定した第1識別情報を、通信部22を介して第1端末装置1Aに送信する。
第1端末装置1Aの取得部122は、第1通信部15を介して第1識別情報を受信すると、第1識別情報を記憶部14に記憶させ、第1識別情報を受信したことを示す情報を切替部123に出力する。これにより、第1端末装置1Aにおいて第1識別情報の送受信が開始される(S2)。すなわち、切替部123は、発信部124に送信待機指示を出力する。発信部124は、送信待機指示を取得すると、第1端末装置1Aの状態を送信待機状態とする。当該送信待機状態を所定時間継続させた後、切替部123は、発信部124に送信待機解除指示を出力し、受信部125に受信待機指示を出力する。受信部125は、受信待機指示を取得すると、第1端末装置1Aの状態を受信待機状態とする。
一方、第2端末装置1Bにおいて、S11~12の処理が行われ、エレベータ制御装置2においてS23~24の処理が行われる。S11~12の処理は、S1~S2の処理と同様であり、S23~S24の処理はS21~S22の処理と同様であるため、説明を省略する。なお、S24において、付与部212は、第1識別情報に代えて第2識別情報を第2端末装置1Bに付与する。
S2およびS12の後、第1端末装置1Aが受信待機状態であり(S3)、第2端末装置1Bが送信待機状態である場合、第2端末装置1Bから第1端末装置1Aへ第2識別情報の送信が行われる。なお、第1端末装置1Aにおいて受信待機状態を所定時間継続させた後、第2識別情報を受信しなかった場合(S3でNO)、切替部123は、受信部125に受信待機解除指示を出力し、発信部124に送信待機指示を出力する。これにより、第1端末装置1Aは、発信部124によって再度送信待機状態となる。従って、第1端末装置1Aでは、第2識別情報を受信するまで送信待機状態と受信待機状態とが交互に切り替わる。
第1端末装置1Aの受信部125は、第2通信部16を介して第2識別情報を受信すると(S3でYES)、第2識別情報を照合部126に出力する。照合部126は、第2識別情報を取得すると、記憶部14の第1識別情報を参照し、これらの識別情報の少なくとも一部、例えば出発階、または割り当てられたかご31のいずれかに対応する識別情報の部分が一致するか否かを判定する(S4)。第1識別情報および第2識別情報の少なくとも一部が一致する場合(S4でYES)、照合部126は、2つの識別情報が一致することを示す判定結果を特定部127に出力する。
特定部127は、2つの識別情報が一致することを示す判定結果を取得すると、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間で行われる通信の通信強度を特定する。また、特定部127は、当該通信強度に基づき、第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離を特定する(S5:特定ステップ)。特定部127は、特定した当該距離を示す情報を通知制御部128に出力する。
通知制御部128は、特定部127から第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離を示す情報を取得する。第1端末装置1Aと第2端末装置1Bとの間の距離が所定値以下である場合(S6でYES)、通知制御部128は、当該距離に応じて振動部13Aを振動させ、ユーザに対して接近情報を通知する(S7:通知ステップ)。
S7の後第1端末装置1Aが到着情報を受信していない場合(S8でNO)、発信部124および受信部125による識別情報の送受信を待機する状態が継続される。すなわちS3の処理に戻る。また、特定部127によって特定された端末装置1間の距離が所定値よりも多い場合(S6でNO)、および照合部126によって照合された識別情報が一致しなかった場合(S4でNO)も同様にS3の処理に戻る。
一方、エレベータ制御装置2において、付与部212は、各端末装置1に識別情報を付与した後、動作制御部213に、割り当てられたかご31並びに出発階および行先階を示す情報を出力する。動作制御部213は、これらの情報に基づきエレベータ3を制御し、かご31を動作させる(S25)。かご31が第1端末装置1Aによって指定された行先階に到着した場合(S26でYES)、動作制御部213は、通信部22を介して第1端末装置1Aに、かご31が行先階に到着したことを示す到着情報を送信する。また、第1端末装置1Aによって指定された行先階と同じ階床を行先階として指定した第2端末装置1Bに対しても、動作制御部213は到着情報を送信する。
第1端末装置1Aの到着情報取得部129は、到着情報を受信すると(S8でYES)、当該情報を切替部123に出力する。切替部123は、当該情報を取得すると、送信待機解除指示または受信待機解除指示を発信部124または受信部125に出力する。これにより、第1端末装置1Aにおいて識別情報の送受信が終了する(S9)。また、到着情報を受信した第2端末装置1Bにおいても、S8~S9と同様の処理であるS13~S14の処理が行われる。
<通知システム100の効果>
以上のように、本実施形態に係る通知システム100は、エレベータ3を利用するユーザに対して通知を行う通知システムであって、複数のユーザがそれぞれ所持する複数の端末装置1(第1端末装置1A、第2端末装置1B)を備える。また、通知システム100は、複数の端末装置間の距離を特定する特定部127と、特定された距離に応じてユーザに通知を行う通知部13と、を備える。
当該構成によると、エレベータ3を利用するユーザが所持する端末装置1(第1端末装置1A)は、別の端末装置1(第2端末装置1B)との間の距離に応じて該ユーザに対して通知を行うことができる。ユーザは、当該通知により、自身が所持する第1端末装置1Aと、他の第2端末装置1Bとの間の距離に関する情報、すなわち当該ユーザの周囲の状況を認識することができる。
また、通知システム100は、エレベータ3のかご31内、または、エレベータ3の乗場領域内に存在する端末装置1と通信可能なエレベータ制御装置2をさらに備える。また、特定部127は、エレベータ制御装置2と所定の通信を行った複数の端末装置1間の距離を特定する。端末装置1を用いてエレベータ制御装置2と所定の通信を行うということは、エレベータ3の乗場領域内、すなわちエレベータ3に比較的近い位置にユーザが存在することを示す。当該構成によると、乗場領域において、エレベータ3を利用するユーザ間の距離を特定することができる。
また、特定部127は、複数の端末装置1間における無線通信の通信強度に基づき前記距離を特定する。当該構成によると、端末装置1間の通信強度に基づき、エレベータ制御装置2と通信を行った端末装置1を所持するユーザ間の距離を特定することができる。
また、特定部127は、端末装置1間の距離として、エレベータ制御装置2にエレベータ3の行先階を指定する情報を送信した複数の端末装置1間の距離を特定する。当該構成によると、乗場にたまたま通りかかった人物が所持する端末装置は距離を特定する対象にならず、エレベータを利用する意思を提示したユーザのみの間の距離を特定することができる。
特定部127は、前記距離として前記エレベータの同じかごを利用する複数のユーザがそれぞれ所持する複数の端末装置1間の距離を特定する。当該構成によると、同じかご31に乗車予定、および乗車中のユーザ間の距離を特定することができる。
また、特定部127は、複数の端末装置1間の距離として、エレベータ3の乗場(乗車待機領域)に存在する端末装置1であって、出発階または割り振られたかご31が同じである複数の端末装置1間の距離を特定する。出発階が同じユーザは乗場において近い位置で待機する可能性が高い。また、エレベータ3の呼び登録を行った結果同じかご31が割り当てられた複数のユーザも乗場において近い位置で待機する可能性が高い。上記構成によると、このように同じ出発階のユーザ間の距離、および同じかご31が割り当てられたユーザ間の距離を特定することができる。
また、通知部13は、複数の端末装置1間の距離が予め設定された所定の距離よりも短い場合、複数のユーザ同士が接近していることを示す接近情報を通知する。当該構成によると、端末装置1間の距離が近づいた場合、すなわち、ユーザ間の距離が近づいた場合、接近情報が通知される。これにより、ユーザは、自身の近くに別のユーザが存在することを認識することができる。
また、複数の端末装置1は、通知部13として、エレベータ3を利用する複数のユーザがそれぞれ所持する複数の端末装置1間の距離に応じて振動する振動部13Aを備える。当該構成によると、ユーザは、振動部13Aによる振動によって別のユーザとの間の距離を認識することができる。通知の方法を振動とすることで、通知システム100は、ユーザが視覚障がい者である場合等、周囲の状況を把握することが困難である場合であっても、該ユーザに別のユーザとの間の距離を知らせることができる。
<変形例>
通知システム100において、複数の端末装置1は、ユーザの位置に応じて距離を特定する対象を変更してもよい。例えば、第1端末装置1Aは、第1識別情報を受信してから出発階にかご31が到着するまでの間、同じ乗場に位置する第2端末装置1Bを所持するユーザとの間の距離を特定してもよい。すなわち第1端末装置1Aは、同じ出発階でかご31を待機している第2端末装置1Bとの間を特定してもよい。また、かご31が出発階に到着し戸が閉じた後、行先階に到着するまでの間、すなわちユーザがかご31に乗車中である場合、第1端末装置1Aは、同じかご31内に位置する第2端末装置1Bを所持するユーザとの間の距離を特定してもよい。
この場合、エレベータ制御装置2は、複数の端末装置1のそれぞれに対して、出発階にかご31が到着し、戸が開いたタイミング、戸が閉じたタイミング、到着階にかご31が到着し、戸が開いたタイミングを示す情報を送信してもよい。また、複数の端末装置1のそれぞれは、識別情報に加え当該端末装置1を所持するユーザの状態、例えば出発階でかご31を待機している状態、またはかご31内に入り行先階へ移動している状態等、を示す情報を送信してもよい。
以上のように、第1端末装置1Aは、ユーザの位置に応じて距離を特定する対象を切り替えてもよいし、いずれかの位置、例えばユーザがかご31内に位置している場合のみ距離を特定してもよい。また、第1端末装置1Aは、エレベータ制御装置2から、かご31内荷重が所定値以上である(すなわち、かご31に多数の人が乗車していることを示す)ことを示す情報を受信してもよく、当該情報を受信した場合のみ、他の端末装置1との間の距離を特定してもよい。
また、通知システム100において、出発階を特定するための情報は、第1端末装置1Aからエレベータ制御装置2に送信される構成に限られない。例えば、通知システム100では、エレベータ3の各乗場に第1端末装置1Aから送信される情報を受信可能な受信装置が設けられていてもよい。当該受信装置は、第1端末装置1Aから、行先階を指定する情報を受信し、エレベータ制御装置2に送信する。この場合、エレベータ制御装置2は、受信装置が設けられる階床に基づきユーザの出発階を特定することができる。そのため、当該構成によると、第1端末装置1Aにおいて出発階を特定する情報がユーザによって入力される必要がない。
また、通知システム100において、第1端末装置1Aからエレベータ制御装置2に呼び登録を行うための情報を提供する方法は、第1通信部15を介した通信に限られない。例えば、第1端末装置1Aは、呼び登録を行うための情報を含むQRコード(登録商標)を生成し、不図示の表示部に表示させてもよい。また、エレベータ3の各乗場には、QRコード(登録商標)を読み取り可能な読取装置が設けられていてもよい。この場合、第1端末装置1Aは、呼び登録を行うための情報を含むQRコード(登録商標)を生成し、ユーザが第1端末装置1Aを当該読取装置に翳す等の操作を行うことで、呼び登録を行うための情報を読み取らせる。当該読取装置は、当該情報を読取ると、エレベータ制御装置2に行先階および出発階を示す情報を送信する。
また、通知システム100において、切替部123は、発信待機状態と受信待機状態とを所定時間ごとに切り替えてもよいし、ランダムな時間ごとに切り替えてもよい。さらに、発信待機状態と受信待機状態とを切り替えるタイミングは、エレベータ制御装置2側で決定してもよい。具体的には、エレベータ制御装置2の制御部21は、端末装置1の状態を発信待機状態とする指示または受信待機状態とする指示を示す情報を端末装置1に送信する。切替部123は、第1通信部15を介して上述の情報を受信すると、発信部124または受信部125に当該情報を出力し、端末装置1の状態を発信待機状態または受信待機状態とする。
さらに、通知システム100において、端末装置1は、別の端末装置1との距離に応じた通知を無効としてもよい。この場合、通知を無効化している端末装置1は、発信部124による識別情報の送信のみを行い、受信部125による識別情報の受信を行わない。これにより、別のユーザとの距離に基づく通知を希望するユーザのみに接近情報が通知される。また、エレベータ制御装置2の制御部21は、接近情報の通知を有効化している端末装置1が存在するか否かを判定してもよい。エレベータ制御装置2と通信している端末装置1の中で、接近情報の通知を有効化している端末装置1が存在しない場合は、端末装置1間の距離を特定する必要がないため、識別情報の送受信を行う必要がない。そのため、このような場合、エレベータ制御装置2の制御部21は、通信が確立している各端末装置1に対して、識別情報の送信が不要であることを示す情報を送信してもよい。当該各端末装置1の切替部123は、当該情報を受信すると、識別情報の送受信を停止させる。
また、通知システム100において、端末装置1に付与される識別情報は、ランダムに生成された識別情報であってもよい。この場合、エレベータ制御装置2の付与部212は、端末装置1ごとに生成した識別情報を記憶し、識別情報と、端末装置1と、当該端末装置1によって指定された出発階または割り当てられたかご31と、を対応づけたリストを作成する。当該リストは、出発階またはかご31ごとに作成され、端末装置1には、当該端末装置1の識別情報が属するリストが送信される。付与部212は、端末装置1に識別情報を送信する際、当該リストも送信する。
照合部126は、当該リストおよび別の端末装置1から受信した識別情報に基づき照合を行う。具体的には、照合部126は、受信した識別情報が、リストに含まれるか否かを判定し、当該識別情報がリストに含まれる場合、識別情報が一致したと判定する。当該識別情報がリストに含まれる場合とは、すなわち端末装置1によって指定された出発階または割り当てられたかご31のいずれかが、別の端末装置1の出発階またはかご31と一致することを示す。従って、照合部126において上述のような判定を行うことで、特定部127は、同じ出発階または同じかご31を利用するユーザ間の距離を特定することができる。
なお、各端末装置1は、リストの最新版をエレベータ制御装置2から所定時間ごとに受信し、更新してもよい。この場合、第1端末装置1Aは、特定した距離および第1識別情報を第2端末装置1Bに送信してもよい。第2端末装置1Bは、受信した当該情報に基づき通知を行ってもよい。なお、各端末装置1では、該端末装置1同士の識別情報の照合は、より新しいリストを記憶する端末装置1側において行われてもよい。この場合、新しいリストを記憶する端末装置1から、古いリストを記憶する端末装置1に、端末装置1間の距離を示す情報を送信する。この場合、各端末装置1が常に最新版のリストを記憶せずともよい。
また、通知システム100において、端末装置1間の距離に基づく接近情報の通知を無効化している端末装置1は、識別情報の送信のみを行い、距離を示す情報を受信せずともよい。この場合、エレベータ制御装置2の付与部212は、接近情報の通知を有効化している端末装置1のみにリストを送信する。
さらに、通知システム100において、エレベータ制御装置2と通信可能な端末装置1が予め決定されていてもよい。このような通知システム100は、例えば、オフィスビルまたはマンション等、ユーザがある程度限定されるエレベータ3に対応する。この場合、エレベータ制御装置2は、通信可能な端末装置1を識別する端末装置IDを予め不図示の記憶部に記憶し、端末装置1は、出発階および行先階を示す情報と共に、当該端末装置の端末IDを送信する。エレベータ制御装置2の制御部は、端末IDを受信すると、当該端末IDが記憶部に記憶されているか否かを判定する。受信した端末IDが記憶部に記憶されていた場合、割当部211はかご31の割当を行い、付与部212は端末装置1に対して識別情報を付与する。
〔実施形態2〕
<通知システム100Aの概要>
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図3は、本発明の実施形態2に係る通知システム100Aの構成を示すブロック図である。図3に示すように、通知システム100Aは第1端末装置1A、第2端末装置1B、およびエレベータ制御装置2に代えて第1端末装置1D(端末装置1C)、第2端末装置1E(端末装置1C)、およびエレベータ制御装置2Aを備える。また、通知システム100Aは、さらにエレベータ3のかご31内に、第1端末装置1Dおよび第2端末装置1Eと通信可能な通信機器4を有する。本実施形態に係る通知システム100Aでは、通信機器4と通信を行った複数の端末装置1C間の距離が特定される。なお、第2端末装置1Eは第1端末装置1Dと同様の構成を有するため、説明を省略する。
図3に示すように、エレベータ制御装置2Aは、制御部21に代えて制御部21Aを備える。制御部21Aは、割当部211に代えて割当部211Aを備える。また、制御部21Aは付与部212を備えない。割当部211Aは、第1端末装置1Dから出発階および行先階を指定する情報を受信すると、かご31の割当を行う。割当部211Aは、かご31の割当を行うと、出発階、行先階、および割り当てられたかご31を示す情報を動作制御部213に出力する。また、割当部211Aは、割り当てられたかご31を示す情報および呼び登録が完了したことを示す情報を、通信部22を介して第1端末装置1Dに送信する。
図3に示すように、第1端末装置1Dは、制御部12に代えて制御部12Dを備える。さらに、第1端末装置1Dは、通信機器4と通信を行うための第3通信部17を備える。第1端末装置1Dの制御部12Dは、取得部122、切替部123、発信部124、受信部125、および照合部126に代えて取得部122D、切替部123D、発信部124D、受信部125D、および照合部126Dを備える。
取得部122Dは、エレベータ制御装置2Aから、第1通信部15を介してエレベータ3の呼び登録が完了したことを示す情報を受信する。また、取得部122Dは、第3通信部17を介して通信機器4と通信を行い、通信機器4と通信したことを示す情報およびエレベータ3の呼び登録が完了したことを示す情報を切替部123Dに出力する。なお、これらの情報には、呼び登録を行ったエレベータ3を示す情報および第1端末装置1Dと通信を行った通信機器4を示す情報が含まれていてもよい。
切替部123Dは、通信機器4と通信したことを示す情報およびエレベータ3の呼び登録が完了したことを示す情報を取得し、第1端末装置1Dと通信機器4との間に通信が確立したか否かを判定する。第1端末装置1Dと通信機器4との間に通信が確立した場合、すなわち第1端末装置1Dが通信機器4と通信を行っている状態である場合、切替部123Dは、発信部124Dに送信待機指示を出力する。これにより、発信部124Dは、通信機器4と通信を行っていることを示す通信機器情報を別の端末装置1Cに送信可能な状態となる。例えば、図3に示すように、発信部124Dは、これらの情報を、第2通信部16を介して第2端末装置1Eに送信可能となる。また、切替部123Dは、受信部125Dに受信待機指示を出力する。これにより、受信部125Dは、第2端末装置1Eから第2通信部16を介して通信機器情報を受信可能となる。切替部123Dは、実施形態1において説明した方法と同様の方法で、発信部124Dおよび受信部125Dに対して指示を行うことで、通信機器情報を送信可能な状態と受信可能な状態とを所定時間ごとに交互に切り替えさせる。
受信部125Dが通信機器情報を受信可能な状態において、第2端末装置1Eから通信機器情報を受信すると、受信部125Dは、該通信機器情報を照合部126Dに出力する。発信部124Dおよび受信部125Dは、通信機器4との通信が確立している間、上述の処理を行う。発信部124Dおよび受信部125Dは、例えば第1端末装置1Dが通信機器4から離れる等の理由により通信機器4との通信が行われなくなってから所定時間経過すると、上述の処理を終了する。
照合部126Dは、これらの情報に基づき、第1端末装置1Dが通信を行った通信機器4と第2端末装置1Eが通信を行った通信機器4とが一致するか否かを判定する。第1端末装置1Dが通信を行った通信機器4と第2端末装置1Eが通信を行った通信機器4とが一致する場合、照合部126Dは、当該判定の結果を特定部127に出力する。特定部127は、当該判定の結果を取得すると、第1端末装置1Dと第2端末装置1Eとの間の通信強度に基づき、第1端末装置1Dと第2端末装置1Eとの間の距離を特定する。
なお、受信部125Dが受信する情報には、第2端末装置1Eが通信を行った通信機器4を示す情報が含まれていなくともよい。この場合、発信部124Dから送信される情報には、少なくとも通信機器4と通信を行ったことを示す情報が含まれればよい。また、照合部126Dは、複数の端末装置1Cのそれぞれが通信機器4と通信を行ったか否かのみを判定し、複数の端末装置1Cの両方が通信機器4と通信を行った場合にこれらの端末装置1C間の距離が特定されてもよい。
<通知システム100Aにおいて行われる処理の流れの一例>
図4は、通知システム100Aにおいて行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図4を用いて通知システム100Aにおいて行われる処理の流れについて説明する。
まず、第1端末装置1Dにおいて、ユーザによって入力部11に対して出発階および行先階を指定する操作が行われると、入力部11は、当該操作に応じた信号を受付部121に出力する。受付部121は、当該信号を受け付けると(S31)、ユーザが利用することを希望する出発階および行先階を特定し、特定した出発階および行先階を示す情報を、第1通信部15を介してエレベータ制御装置2Aに送信する。
エレベータ制御装置2Aの割当部211Aは、通信部22を介して、第1端末装置1Dを所持するユーザが利用することを希望する出発階および行先階を示す情報を受信する。割当部211Aは、当該情報に基づき、割り当てるかご31を決定し(S51)、割り当てられたかご31を示す情報およびかご31の呼び登録が行われたことを示す情報を、通信部22を介して第1端末装置1Dに送信する。
第1端末装置1Dの取得部122Dは、第1通信部15を介して割り当てられたかご31を示す情報およびかご31の呼び登録が行われたことを示す情報を受信する。また、取得部122Dは、第1端末装置1Dと通信機器4との間で通信が確立したか否か、すなわち第1端末装置1Dと通信機器4との間で通信が行われているか否かを判定する(S32)。第1端末装置1Dと通信機器4との間で通信が行われている場合、取得部122Dは、呼び登録が完了したことを示す情報および通信機器4と通信を行っていることを示す情報を発信部124Dに出力する。これにより、第1端末装置1Dにおいて通信機器4と通信を行っていることを示す通信機器情報の送受信が開始される(S33)。当該通信機器情報の送信を所定時間待機した後、発信部124Dは、送信を待機している状態を解除し、通信機器情報を受信部125Dに出力する。受信部125Dは、別の端末装置1Cからの通信機器情報を受信可能な状態となる。
一方、第2端末装置1Eにおいて、S41~43の処理が行われ、エレベータ制御装置2AにおいてS52の処理が行われる。S41~43の処理は、S31~S33の処理と同様であり、S52の処理はS51の処理と同様であるため、説明を省略する。
S33およびS43の後、第1端末装置1Dが通信機器情報の受信が可能な状態であり、第2端末装置1Eが通信機器情報を送信可能な状態である場合、第2端末装置1Eから第1端末装置1Dへ通信機器情報の送信が行われる(S34でYES)。なお、第1端末装置1Dにおいて受信部125Dが所定時間通信機器情報を受信しなかった場合(S32でNO)、S39の処理に進む。
受信部125Dは、第2端末装置1Eから通信機器情報を受信すると、第1端末装置1Dの通信機器情報および第2端末装置1Eの通信機器情報を照合部126Dに出力する。照合部126Dは、これらの通信機器情報が一致するか否かを判定する、すなわち、照合部126Dは、複数の端末装置1Cがそれぞれ通信を行った通信機器4が同じ通信機器4であるか否かを判定する(S35)。複数の端末装置1Cがそれぞれ通信を行った通信機器4が同じ通信機器4である場合(S35でYES)、照合部126Dは、当該判定の結果を特定部127に出力する。その後S36~S38の処理が行われる。S36~S38の処理は、図2に示すS5~S7の処理と同様であるため説明を省略する。
S38の後、すなわち通知部13によって接近情報が通知された後、またはS32においてNOである場合、発信部124Dおよび受信部125Dは、通信機器4との通信が行われていない状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(S39)。通信機器4との通信が行われていない状態が所定時間以上継続している場合(S39でYES)、発信部124Dおよび受信部125Dは通信機器情報を送受信する処理を終了する(S40)。通信機器4との通信が行われていない状態が所定時間以上継続している場合とは、例えばユーザがかご31から降り、第1端末装置1Dが通信機器4から離れた場合等である。
一方、通信機器4との通信が行われていない状態が所定時間以上継続していない場合(S39でNO)、発信部124Dおよび受信部125Dは通信機器情報を送受信する処理を継続し、S32の処理に戻る。また、第2端末装置1Eでも、第1端末装置1DにおけるS39~S40の処理と同様にS44~S45の処理が行われる。
<通知システム100Aの効果>
以上のように、本実施形態に係る通知システム100Aは、エレベータ3のかご31内に存在する端末装置1Cと無線による通信を行う通信機器4を備える。また、特定部127は、通信機器4と通信を行った複数の端末装置1C間の距離を特定する。当該構成によると、通信機器4と通信を行った端末装置1Cを所持するユーザ、すなわち通信機器4付近に位置する可能性が高いユーザ間の距離を特定することができる。
<変形例>
通知システム100Aは、複数の通信機器4を含んでいてもよい。例えば、通信機器4は、かご31内だけでなく、エレベータ3の乗場にも設けられていてもよい。通信機器4が複数設けられる場合、端末装置1Cは、最も近い位置の通信機器4と通信を行う。例えば、エレベータ3の乗場領域内に存在する端末装置1Cは、乗場に設けられる通信機器4と無線による通信を行う。
上述の構成によると、複数の端末装置1Cは、該端末装置1Cが乗場に存在しているときは該乗場に設けられた通信機器4と、端末装置1Cがかご31内に存在するときは該かご31に設けられた通信機器4と通信を行う。これにより、通知システム100Aは、同じ通信機器4と通信を行った複数の端末装置1C間の距離を特定することができる。
同じ通信機器4と通信を行った複数の端末装置1Cは互いに接近している可能性が高い。そのため、上述の構成によると、接近している可能性が高いユーザ間の距離を特定し、より適切な報知を行うことが可能である。
〔実施形態3〕
<通知システム100Bの概要>
図5は、本発明の実施形態3に係る通知システム100Bの構成を示すブロック図である。図5に示すように、通知システム100Bは第1端末装置1A、第2端末装置1B、およびエレベータ制御装置2に代えて第1端末装置1G(端末装置1F)、第2端末装置1H(端末装置1F)、およびエレベータ制御装置2Aを備える。また、通知システム100Bは、さらにエレベータ3のかご31内に、第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hと通信可能な通信機器4Aを有する。本実施形態に係る通知システム100Bでは、複数の端末装置1Fと通信機器4Aとの間の通信強度に基づき当該端末装置1F間の距離が特定される。なお、第2端末装置1Hは第1端末装置1Gと同様の構成を有するため、説明を省略する。
図5に示すように、通信機器4Aは、制御部41および通信部42を備える。制御部41は特定部411および判定部412を備える。通信部42は端末装置1Fと通信を行うための通信モジュールである。通信部42は、1つのかご31に対して複数設けられていてもよい。また、通信機器4Aは、かご31内以外にエレベータ3の乗場にも設けられてもよい。端末装置1Fは、該端末装置1Fから最も近い通信機器4Aの通信部42と通信を行う。
特定部411は、通信機器4Aと通信を行った複数の端末装置1Fのかご31内における位置を特定し、当該位置に基づき複数の端末装置1F間の距離を特定する。具体的には、特定部411は、第1端末装置1Gと通信機器4Aとの間において行われる無線通信の通信強度に基づきかご31内における第1端末装置1Gの位置を特定する。
なお、かご31内または乗場にそれぞれ複数の通信部42が設けられる場合、複数の通信部42のそれぞれが第1端末装置1Gと通信を行い、当該通信の通信強度を示す情報を特定部411に出力する。この場合、特定部411は、複数の通信部42と第1端末装置1Gとの間において行われるそれぞれの通信の通信強度に基づき第1端末装置1Gの位置を特定する。これにより特定部411は、より正確に第1端末装置1Gの位置を特定することができる。
また、特定部411は、第2端末装置1Hと通信機器4Aとの間の通信強度に基づき、かご31内における第2端末装置1Hの位置を特定する。また、特定部411は、第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hの位置に基づき第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離を特定し、特定した距離を示す情報を判定部412に出力する。
判定部412は、第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離が所定の距離以下であるか否か、すなわち第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとが接近しているか否かを判定する。第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離が所定の距離以下であると判定した場合、判定部412は、第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとが接近していることを示す接近情報を第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hに出力する。
第1端末装置1Gは、制御部12Gを備える。制御部12Gは、受付部121、取得部122G、および通知制御部128Gを備える。取得部122Gは、第1通信部15を介してエレベータ制御装置2Aから、エレベータ3の呼び登録が完了したことを示す情報を受信する。取得部122Gは、当該情報を受信すると、第3通信部17を介して、通信可能な通信機器4Aのうち第1端末装置1Gに最も近い通信機器4Aと通信を行う。複数の端末装置1Fにおいて同様に取得部122Gと通信機器4Aとの通信が行われることで、通信機器4Aにおいて端末装置1F間の距離が特定される。
通知制御部128Gは、第3通信部17を介して通信機器4Aと通信を行い、接近情報を受信する。通知制御部128Gは、接近情報を受信すると、振動部13Aを制御し、接近情報をユーザに対して通知する。
<通知システム100Bにおいて行われる処理の流れの一例>
図6は、通知システム100Bにおいて行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図6を用いて通知システム100Bにおいて行われる処理の流れについて説明する。
まず、第1端末装置1G、第2端末装置1H、およびエレベータ制御装置2AにおいてS61、S71、およびS81~S82の処理が行われる。S61、S71、およびS81~S82の処理は、図4に示すS31、S41、およびS51~S52の処理と同様であるため説明を省略する。
第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hは、エレベータ制御装置2Aから呼び登録を行ったことを示す情報を受信すると、第3通信部17を介して通信機器4Aと通信を行う。通信機器4Aの特定部411は、第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hのそれぞれと通信を行うと(S91でYES)、当該通信の通信強度に基づき第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hの位置をそれぞれ特定する(S92)。
具体的には、特定部411は、第1端末装置1Gと通信機器4Aとの間で行われた通信における通信強度に基づき、かご31内における第1端末装置1Gの位置を特定する。通信機器4Aが複数の通信部42を備える場合、特定部411は、複数の通信部42と第1端末装置1Gとの間においてそれぞれ行われる通信の通信強度に基づき第1端末装置1Gの位置を特定する。また、特定部411は、第1端末装置1Gの位置を特定した方法と同様の方法で第2端末装置1Hの位置を特定する。特定部411は、特定した第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hの位置に基づき、第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離を特定し(S93)、特定した該距離を判定部412に出力する。
判定部412は、第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離が所定値以下であるか否かを判定する(S94)。第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離が所定値よりも長い場合(S94においてNO)、すなわち第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hを所持するそれぞれのユーザ同士がある程度以上離れている場合、特定部411は処理を終了する。
第1端末装置1Gと第2端末装置1Hとの間の距離が所定値以下である場合(S94においてYES)、特定部411は、複数の端末装置1F同士が接近していることを示す情報を第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hに送信する。第1端末装置1Gおよび第2端末装置1Hのそれぞれの通知制御部128Gは、複数の端末装置1F同士が接近していることを示す情報を受信すると、振動部13Aを振動させ、ユーザに対して接近情報を通知する(S62、S72)。
なお、かご31が第1端末装置1Gによって指定された行先階に到着した場合、動作制御部213は、通信部22を介して第1端末装置1Gに、かご31が行先階に到着したことを示す到着情報を送信してもよい。また、第1端末装置1Gは、到着情報を受信するまで通信機器4Aとの通信を継続していてもよい。この場合、通信機器4Aは、S91~S94を繰り返してもよい。第1端末装置1Gが到着情報を受信した場合、第1端末装置1Gは通信機器4Aとの通信を終了する。これにより、通信機器4Aは処理を終了する。
<通知システム100Bの効果>
以上のように、通知システム100Bでは、エレベータのかご31内、または、エレベータの乗場領域内に存在する端末装置1Fと無線による通信を行う通信機器4Aを備える。また、特定部411は、複数の通信機器4Aと端末装置1Fとの間の無線による通信強度に基づき該端末装置1Fの位置を特定し、当該位置に基づき複数の端末装置1F間の距離を特定する。
上記構成によると、端末装置1Fと通信機器4Aとの間の通信強度に基づき、通信機器4Aと通信を行った端末装置1Fを所持するユーザ間の距離を特定することができる。端末装置1Fは、該端末装置1Fの通信部42が乗場に存在しているときは該乗場に設けられた通信部42と、該端末装置1Fがかご31内に存在するときは該かご31に設けられた通信部42と通信を行う。これにより、通知システム100Bは、同じ通信機器4Aと通信を行った端末装置1F間の距離を特定することができる。
<変形例>
上述した実施形態2および3に係る通知システム100Aおよび100Bでは、ユーザが端末装置1Cまたは1Fを用いてエレベータ3の呼び登録を行った場合に通信機器4または4Aとの通信が行われた。しかしながら、通知システム100Aにおいて、端末装置1Cは、エレベータ3の呼び登録を行わず、通信機器4と通信を行ってもよい。この場合、端末装置1Cは、通信機器4との通信が確立した時点で、通信機器情報の送受信を開始してもよい。また、通知システム100Bにおいても同様に、端末装置1Fは、エレベータ3の呼び登録を行わずに通信機器4Aと通信を行ってもよい。
また、上述した各実施形態において、通知システム100、100Aおよび100Bは、所定の条件下において接近情報の通知機能を停止させてもよい。例えば、エレベータ3のかご31が戸開中または停止中である場合、あるいはかご31内荷重が所定値以下である場合、エレベータ制御装置2はかご31の状態を示す情報を端末装置1に送信してもよい。端末装置1は、上述のようなかご31の状態を示す情報を受信した場合、端末装置1間の距離の特定、および当該距離に応じた通知を行わなくともよい。
また、上述した実施形態3に係る通知システム100Bにおいて、特定部411は、複数の通信機器4Aと端末装置1Fとの間の無線による通信強度に基づき該端末装置1Fの位置を特定し、当該位置に基づき複数の端末装置1F間の距離を特定した。しかしながら、端末装置1Fの位置を特定する方法は、これに限られない。例えば、特定部411は、通信機器4Aと端末装置1Fとの間の無線による通信において特定部411が端末装置1Fから電波を受信したときの受信角度(AoA(Angle of Arrival))を特定してもよい。または、特定部411は、通信機器4Aと端末装置1Fとの間の無線による通信において特定部411が通信部42を介して端末装置1Fに対して送信した電波の放射角度(AoD(Angle of Departure))を特定してもよい。特定部411は、当該受信角度または当該放射角度に基づき端末装置の位置を特定し、当該位置に基づき複数の端末装置1F間の距離を特定する。当該構成によると、特定部411は、より正確に複数の端末装置1Fの位置および複数の端末装置1F間の距離を特定することができる。また、特定部411は、通信機器4Aと端末装置1Fとの間の無線による通信における通信強度に加え、上述の受信角度または放射角度を用いて端末装置1Fの位置を特定してもよい。
〔実施形態4〕
図7は、本発明の実施形態4に係る通知システム100Cの構成を示すブロック図である。図7に示すように、通知システム100Cは、複数の端末装置1Jとしての第1端末装置1K、第2端末装置1L、およびエスカレータ5を備える。本実施形態に係る通知システム100Cでは、乗客搬送装置としてのエスカレータ5を利用するユーザが所持する端末装置1C間の距離に応じて通知が行われる。
図7に示すように、第1端末装置1Kは、通知制御部128Kを有する制御部12K、通知部13としての振動部13A、記憶部14、および第3通信部17を備える。通知制御部128Kは、第3通信部17を介して通信機器4Bと通信を行う。また、通信機器4Bにおいて第1端末装置1Kと第2端末装置1Lとの間が接近していると判定された場合、通知制御部128Kは通信機器4Bから接近情報を受信する。接近情報を受信すると、通知制御部128Kは振動部13Aを制御し、接近情報をユーザに通知する。
通信機器4Bは、エスカレータ5を利用するユーザが所持する端末装置1Jと通信を行う。通信部42は、エスカレータ5を利用中、またはエスカレータ5付近に存在するユーザが所持する端末装置1Jと通信可能な位置に設けられる。通信機器4Bでは、エスカレータ5を利用する複数のユーザの端末装置1Jと通信を行う以外は通信機器4Aと同様の処理を行うため、説明を省略する。
以上のように、通知システム100Cでは、通信機器4Bは、乗客搬送装置としてのエスカレータ5を利用する複数のユーザがそれぞれ所持する端末装置1Jと通信を行う。また、複数の端末装置1Jは、該端末装置1J間の距離に応じて通知を行うことができる。
なお、通知システム100Cにおいて、乗客搬送装置は乗客を搬送可能なマンコンベヤであればよく、エスカレータ5に限られない。例えば、通知システム100Cは、乗客搬送装置として、エスカレータ5に代えて動く歩道を備えていてもよい。
<変形例>
上述した各実施形態において、端末装置1、1C、1Fおよび1Jは、ユーザが所持する携帯端末装置に限られない。例えば、端末装置1、1C、1Fおよび1Jは、エレベータ3またはエスカレータ5を利用して移動可能な自律走行ロボットであってもよい。当該ロボットとしては、例えば乗客搬送装置が設けられる建物内を清掃する掃除ロボットまたは荷物を搬送する搬送ロボット等が挙げられる。当該ロボットは、端末装置1、1C、1Fおよび1Jと同様の構成を有している。当該ロボットがエレベータ3の呼び登録を行った場合、または通信機器4、4A、または4Bに接近した場合、通知システム100、100A、100Bまたは100Cでは、当該ロボットと周囲の他の端末装置1、1C、1Fまたは1Jとの距離が特定される。
当該構成によると、端末装置1、1C、1Fまたは1Jを有するユーザは、自身に接近するロボットとの距離に応じた通知を受けることができるため、自身の付近に当該ロボットが存在することを認識できる。なお、上述のロボット側には距離に応じた通知を行う必要がないため、通知部13を備えずともよい。また、当該ロボットは、他の端末装置1、1C、1Fまたは1Jとの距離が所定値以下である場合、当該端末装置1、1C、1Fまたは1Jから離れるように移動してもよい。
また、上述した各実施形態において、端末装置1、1C、1Fおよび1Jが備える通知部13は、振動部13Aに限られない。例えば、上述の各実施形態において、通知部13は、複数の端末装置1、1C、1Fまたは1J間の距離に応じて特定の音声を出力して鳴動する報知部であってもよい。この場合、通知制御部128、128Gまたは128Kは、複数の端末装置1、1C、1Fまたは1J間の距離に応じて、当該報知部から出力される音声の内容、または大きさの段階等を変更してもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
通知システム100、100A~100C(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部12、12D、12G、12K、21、21A、および41に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記システムが備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記システムに供給されてもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。