JP7172861B2 - 排ガスセンサ - Google Patents
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Description
内燃機関(ENG)の排ガスに含まれる特定成分を検出する排ガスセンサ(S)であって、
排ガス管(101)に取り付けられるハウジング(11)の内側に、上記特定成分の検出部(2)を備えるセンサ素子(1)を保持するセンサ本体(S1)と、
上記センサ素子を内側に収容し、上記検出部に排ガスを導入又は導出するためのガス流通孔(31、32)を有する素子カバー(3)と、
通電により発熱して上記センサ素子を加熱するヒータ(4)と、
上記ヒータによる上記センサ素子の加熱を制御するヒータ制御部(5)と、
上記センサ素子の温度を検出するセンサ温度検出部(51)と、
上記センサ温度検出部により検出されるセンサ温度(Ts)に基づいて、上記排ガス管に対する上記センサ本体の搭載状態を診断するための搭載状態診断部(6)と、を有しており、
上記搭載状態診断部は、上記センサ温度の変動量(ΔTs)と排ガス温度(Tg)の変動量(ΔTg)とを算出する温度変動量算出部(61)と、上記センサ温度の変動量の積算値と上記排ガス温度の変動量の積算値とを算出すると共に、上記排ガス温度の変動量の積算値に対する上記センサ温度の変動量の積算値の比率を算出する温度変動量積算部(62)と、上記温度変動量積算部により算出される上記比率と、固定値として設定される診断閾値(TH2)とを比較して、搭載異常の有無の判定を行う、異常判定部(63)と、上記排ガス温度の変動量の積算値に基づいて、搭載状態診断が可能な状態か否かを判定する、診断可否判定部(64)とを有しており、
上記異常判定部は、上記比率が、上記診断閾値に満たないときに、搭載異常と判定する、排ガスセンサにある。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
排ガスセンサに係る実施形態の基本構成を示す参考形態について、図1~図12を参照して説明する。
図1~図3に示すように、排ガスセンサSは、センサ本体S1と制御装置S2とを備えて構成され、センサ本体S1は、検出部2を備えるセンサ素子1と、センサ素子1を内側に収容する素子カバー3と、通電により発熱してセンサ素子1を加熱するヒータ4とを有している。制御装置S2は、ヒータ4によるセンサ素子1の加熱を制御するヒータ制御部5と、センサ素子1の温度を検出するセンサ温度検出部51と、素子カバー3の状態を診断する搭載状態診断部6を有している。
温度変動量積算部62は、具体的には、センサ温度Tsの変動量積算情報として、センサ温度変動量ΔTsの積算値を算出する。異常判定部63は、センサ温度変動量ΔTsの積算値が、第1診断閾値TH1以上となったときに、搭載異常無と判定することができる。
このように、規定値T0に相当する積算量に到達後に、搭載状態診断を実施することで、より精度よい診断が可能になる。
図1において、排ガスセンサSのセンサ本体S1は、筒状のハウジング11の内側にセンサ素子1を収容すると共に、ハウジング11の軸方向Xの先端側に固定される容器状の素子カバー3と、他端側に固定される筒状の大気カバー12を備えている。ハウジング11は、例えば、図4に示す排ガス浄化装置100の排ガス管101に取り付けられて、素子カバー3によって覆われたセンサ素子1の先端側が、排ガス管101内に突出位置している。大気カバー12は、排ガス管101の外部に位置するセンサ素子1の基端側を覆っており、大気カバー12の基端側から取り出されるリード線13を介して、センサ素子1とセンサ制御部50とが電気的に接続されている。
PM検出制御部52によるPM検出情報は、主に、上述したECU60のDPF故障診断部16におけるDPF102の故障診断に用いられる。このとき、DPF102の故障を確実に検出するには、排ガスセンサSによるPM検出が正常に実施されることが必要であり、その前提として、センサ素子1を含むセンサ本体S1が、所定の位置に適切に搭載された状態にあることが重要となる。
同様に、センサ本体S1が、排ガス管101に対して適切に取り付けられておらず、あるいは、正しい搭載姿勢にないために、素子カバー6内に十分な排ガスが導入されない場合にも、センサ素子1から本来の出力が得られずに、PM検出が困難になる懸念がある。
なお、図7に示す搭載状態診断の処理手順(1)~(6)において、手順(3)は、温度変動量算出部61に相当し、手順(4)は、温度変動量積算部62に相当し、手順(6)は、異常判定部63に相当する。また、手順(1)、(5)は、診断可否判定部64に相当し、手順(2)では、センサ温度検出部51が用いられる。
ここで、センサ温度変動量ΔTsとは、単位時間当たりのセンサ温度Tsの変動量、例えば、一定周期で検出されるセンサ温度Tsの前回値と今回値の差分値(絶対値)とすることができる。あるいは、単位時間毎に検出されるセンサ温度Tsの変動量、例えば、一定周期で検出されるセンサ温度Tsと基準温度との差分値(絶対値)とすることもできる。
図9のステップS101~ステップS102は、図7の手順(1)に対応し、ステップS103~ステップS105は、図7の手順(2)~(4)にそれぞれ対応している。ステップS106は、図7の手順(5)に対応しており、ステップS107~ステップS108は、図7の手順(6)に対応している。
このように、ステップS101、102において、ヒータ状態に基づいて搭載状態診断の実施可否を予め判定することで、搭載状態診断の信頼性を高めることができる。
次いで、ステップS104へ進んで、センサ温度変動量ΔTs、排ガス温度変動量ΔTgを、それぞれ算出する。例えば、下記式に示すように、前回検出されたセンサ温度Ts、排ガス温度Tgと、今回検出されたセンサ温度Ts、排ガス温度Tgとから、その差分値の絶対値を算出して、センサ温度変動量ΔTs、排ガス温度変動量ΔTgとすることができる。
ΔTs=[前回のTs-今回のTs]の絶対値
ΔTg=[前回のTg-今回のTg]の絶対値
ΔTs積算値=ΔTs+[前回のΔTs積算値]
ΔTg積算値=ΔTg+[前回のΔTg積算値]
ここで、図10に示すように、エンジン回転数や排ガス流速が変動する運転状態において、排ガス温度Tgとセンサ温度Tsの関係は、搭載状態が正常か否かで異なる。すなわち、搭載状態が正常な場合には、センサ温度Tsは、センサ素子1の再生、冷却により、排ガス温度Tgまで低下し、その後、排ガス温度Tgの変動に追従するように、センサ温度Tsも変動する。一方、センサ本体S1が非搭載状態にある場合には、センサ温度Tsは、排ガス温度Tgより低い外気温程度まで低下し、その後の変化は小さい。
図14~図16を参照して、実施形態2の排ガスセンサSについて説明する。
本形態において、排ガスセンサSの基本構成及び基本動作は、上記参考形態1と同様であり、図14に示すように、搭載状態診断部6において実行される手順の概要において、診断可否判定部64にて実施される手順(1)、異常判定部63にて実施される手順(6)の一部が異なっている。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
上記参考形態1では、ΔTg積算値に基づいて可変値である第1診断閾値TH1を算出し、ΔTs積算値と比較したが、本形態では、下記式のように、ΔTs積算値とΔTg積算値との比率を算出する。
比率=ΔTs積算値/ΔTg積算値
算出された比率は、診断閾値として、予め設定された固定値である第2診断閾値TH2と比較される。このように、ΔTg積算値を基準とする比率を算出するようにしてもよく、搭載状態診断のための診断閾値を算出するためのマップ等を不要とすることができる。ΔTs積算値が、第2診断閾値TH2に達していれば、搭載正常と判定し、第2診断閾値TH2に満たなければ、搭載異常と判定することができる。
図15のステップS201~ステップS203は、図14の手順(1)に対応し、ステップS204~ステップS206は、図14の手順(2)~(4)にそれぞれ対応している。ステップS207は、図14の手順(5)に対応しており、ステップS208~ステップS209は、図14の手順(6)に対応している。
例えば、上記実施形態では、排ガスセンサSをPMセンサに用いる場合について、説明したが、PMセンサに限らず、NOxセンサ等のガスセンサに用いることもできる。このようなガスセンサに用いた場合においても、搭載状態診断部6を備えることで、同様にして、センサ素子1の搭載状態を診断することができる。
1 センサ素子
2 検出部
3 素子カバー
31、32 ガス流通孔
4 ヒータ
5 ヒータ制御部
51 センサ温度検出部
6 搭載状態診断部
Claims (7)
- 内燃機関(ENG)の排ガスに含まれる特定成分を検出する排ガスセンサ(S)であって、
排ガス管(101)に取り付けられるハウジング(11)の内側に、上記特定成分の検出部(2)を備えるセンサ素子(1)を保持するセンサ本体(S1)と、
上記センサ素子を内側に収容し、上記検出部に排ガスを導入又は導出するためのガス流通孔(31、32)を有する素子カバー(3)と、
通電により発熱して上記センサ素子を加熱するヒータ(4)と、
上記ヒータによる上記センサ素子の加熱を制御するヒータ制御部(5)と、
上記センサ素子の温度を検出するセンサ温度検出部(51)と、
上記センサ温度検出部により検出されるセンサ温度(Ts)に基づいて、上記排ガス管に対する上記センサ本体の搭載状態を診断するための搭載状態診断部(6)と、を有しており、
上記搭載状態診断部は、上記センサ温度の変動量(ΔTs)と排ガス温度(Tg)の変動量(ΔTg)とを算出する温度変動量算出部(61)と、上記センサ温度の変動量の積算値と上記排ガス温度の変動量の積算値とを算出すると共に、上記排ガス温度の変動量の積算値に対する上記センサ温度の変動量の積算値の比率を算出する温度変動量積算部(62)と、上記温度変動量積算部により算出される上記比率と、固定値として設定される診断閾値(TH2)とを比較して、搭載異常の有無の判定を行う、異常判定部(63)と、上記排ガス温度の変動量の積算値に基づいて、搭載状態診断が可能な状態か否かを判定する、診断可否判定部(64)とを有しており、
上記異常判定部は、上記比率が、上記診断閾値に満たないときに、搭載異常と判定する、排ガスセンサ。 - 上記センサ温度の変動量又は上記排ガス温度の変動量は、周期的に検出される上記センサ温度又は上記排ガス温度の前回値と今回値の差分値の絶対値である、請求項1に記載の排ガスセンサ。
- 上記診断閾値は、搭載正常時の上記比率の下限値と、搭載異常時の上記比率の上限値との間の値となるように、予め設定され、
上記異常判定部は、上記比率が、上記診断閾値ないしそれ以上となったときに、搭載異常無と判定する、請求項1又は2に記載の排ガスセンサ。 - 上記診断可否判定部は、上記排ガス温度の変動量の積算値が、規定値(T0)以上となったときに、搭載状態診断可能と判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の排ガスセンサ。
- 上記診断可否判定部は、さらに、上記ヒータ制御部の制御状態、上記センサ温度検出部の状態、及び、上記内燃機関の運転状態のうちの少なくとも1つに基づいて、搭載状態診断が可能な状態か否かを判定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の排ガスセンサ。
- 上記診断可否判定部は、上記ヒータ制御部により上記ヒータによる加熱が停止された状態にあるときに、搭載状態診断が可能と判定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の排ガスセンサ。
- 上記特定成分は、粒子状物質であり、
上記ヒータ制御部は、上記検出部に粒子状物質を捕集する捕集モードと、上記検出部に堆積する粒子状物質を加熱燃焼させる再生モードとを備えており、
上記ヒータによる加熱が停止された状態は、上記ヒータ制御部により上記捕集モードが選択された状態である、請求項6に記載の排ガスセンサ。
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