JP7172459B2 - 記録媒体搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体搬送装置及び画像記録装置に関する。
従来、記録媒体に対して記録部からインクやトナーといった色材を付与して当該記録媒体上に画像を記録する画像記録装置において、所定の周回経路を周回移動する搬送ベルトや搬送ドラムといった環状の載置部材の外周面上に記録媒体を載置して搬送する記録媒体搬送装置が用いられている。この記録媒体搬送装置では、載置部材の内周面側に空気室を設け、載置部材に設けられた孔部及び空気室を介して載置部材の外周面側の空気を吸引することにより、外周面に記録媒体を吸着させて固定する技術がある。
さらに、載置部材の内周面に沿って多孔質体などの通気部材を設けて載置部材を支持することで、吸引により空気室が負圧となることに起因する載置部材のたわみを抑制する技術がある(例えば、特許文献1)。また、この技術では、筐体の一部等からなる側壁部材によって通気部材の側面の少なくとも一部を覆うことで、通気部材の側面から空気室に空気が流入して記録媒体の吸着力が低下するのを抑制したり、通気部材の位置ずれを抑制したりすることができる(例えば、特許文献2)。
特開2015-47798号公報 国際公開第2018/056245号
しかしながら、周回移動する載置部材と通気部材との摩擦等により通気部材の温度が上昇すると、側壁部材及び通気部材の材質の組み合わせによっては通気部材の膨張が側壁部材によって妨げられ、通気部材にたわみが生じて載置部材の表面の平坦性が損なわれてしまう。この結果、記録媒体がたわんだ状態で搬送されたり、記録媒体の吸着力が不均一となったりして、記録媒体を適正に搬送することができなくなるという課題がある。
この発明の目的は、記録媒体を適正に搬送することができる記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の記録媒体搬送装置の発明は、
外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
を備え、
前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ
前記緩衝領域は、前記通気部材と、前記一対の側壁面のうち少なくとも一方との間に設けられた第1の隙間を含み、
前記一対の側壁面の各々は、前記断面における前記第1の面に沿う方向についての当該一対の側壁面同士の間隔が、前記載置部材からの距離が増大するに従って増大するように前記第1の面の法線に対して傾斜しており、
前記通気部材の前記側面は、前記側壁面と平行となるように前記第1の面の法線に対して傾斜している
ことを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の記録媒体搬送装置において、
前記空気室は、所定の筐体及び前記通気部材により囲まれた空間内に設けられており、
前記第2の面のうち、前記第1の面に垂直な方向から見て前記空気室と重なる部分を除いた部分は、前記筐体の所定の面、又は当該面上に設けられた所定の部材に接しており、
前記断面において、前記第2の面のうち前記空気室と重なる部分の端から前記側面までの長さが前記通気部材の厚さより大きい
ことを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録媒体搬送装置において、
前記第1の隙間に弾性部材が設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録媒体搬送装置において、
前記第1の隙間には、弾性部材、及び当該弾性部材と前記通気部材との間に挟まれた気密性部材が設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置において、
前記第1の隙間のうち、所定の紫外線照射部から照射された紫外線が入射し得る範囲内には、紫外線に対して各々耐性を有する板部材及びばね部材が設けられており、
前記板部材は、前記通気部材の前記側面に当接しており、
前記ばね部材は、前記板部材及び前記側壁面に弾性力を及ぼし得る態様で設けられている
ことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項6に記載の記録媒体搬送装置の発明は、
外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
を備え、
前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ、
前記緩衝領域は、前記第1の面と交差する方向に前記通気部材に設けられた溝を含み、当該溝の内部に弾性部材が設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置において、
前記内周面の少なくとも一部に沿って設けられた複数の前記通気部材を備え、
前記緩衝領域は、隣り合う前記通気部材の間の第2の隙間を含み、
前記第2の隙間に弾性部材が設けられている
ことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項8に記載の記録媒体搬送装置の発明は、
外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
を備え、
前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ、
前記内周面の少なくとも一部に沿って設けられた複数の前記通気部材を備え、
前記緩衝領域は、隣り合う前記通気部材の間の第2の隙間を含み、
前記第2の隙間に弾性部材が設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項7又は8に記載の記録媒体搬送装置において、
前記第2の隙間は、前記第1の面に垂直な方向から見て、前記外周面上の記録媒体に対して所定の記録部から色材が付与される範囲と重ならない範囲内にあることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項3、4、6から8のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置において、
前記弾性部材は気密性を有することを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置において、
前記通気部材は、三次元方向への通気が可能であることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項12に記載の画像記録装置の発明は、
請求項1から11のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置と、
前記記録媒体搬送装置により搬送される記録媒体に対して色材を付与して画像を記録する記録部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に従うと、記録媒体を適正に搬送することができるという効果がある。
搬送部及びインクジェット記録装置の全体構成を示す図である。 インクジェット記録装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 支持吸引部の構成を示す分解斜視図である。 支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図である。 従来の構成の搬送部の問題点を説明する図である。 第2の実施形態の支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図である。 変形例1の支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体の側面近傍を拡大して示した図である。 変形例2の支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体の側面近傍を拡大して示した図である。 変形例3の支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体の側面近傍を拡大して示した図である。 変形例4の支持吸引部の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体153の側面近傍を拡大して示した図である。 第3の実施形態の持吸引部の幅方向に垂直な断面を示す図である。
以下、本発明の記録媒体搬送装置及び画像記録装置に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である搬送部10(記録媒体搬送装置)、及び搬送部10を含むインクジェット記録装置1(画像記録装置)の全体構成を示す図である。
インクジェット記録装置1は、媒体供給部30と、搬送部10と、画像記録部20と、媒体排出部40と、紫外線照射部63などを備える。
媒体供給部30は、載置トレー31と媒体出力部32などを備える。
載置トレー31は、枚葉紙、厚紙、段ボール材や樹脂板などの各種個別の記録媒体M(搬送対象物)を重ねて載置可能な板状の部材であり、最上部に載置された記録媒体Mから順に搬送部10へと送出される。載置トレー31は、上下方向に移動可能であり、載置された記録媒体Mの全重量などに応じて最上の記録媒体Mが搬送部10へ送出される位置で保持される。載置トレー31の高さの変更度合いは、設定などにより記録媒体Mの種別に応じて調整可能であっても良い。本実施形態の載置トレー31は、図1の図面に垂直な方向(幅方向)についての幅が約800mm、幅方向に垂直な長さが約1000mmの大判の記録媒体Mを載置することができ、インクジェット記録装置1は、このような大きさの記録媒体Mを搬送可能に構成されている。
媒体出力部32は、例えば、送出する記録媒体Mを上下から挟持する回転自在なローラーを有し、記録媒体Mをここでは水平方向に送出する。記録媒体Mを挟持する2つのローラーは、記録媒体Mの厚さに応じて幅を可変に移動動作する。
また、媒体出力部32は、さらに、押さえローラー17の直近まで支持吸引部15の上面と同じ高さで記録媒体Mを載置して送出する無端状の送出ベルト及び当該送出ベルトが架け渡された2つのローラーなどを備えていても良い。
搬送部10は、記録媒体Mを媒体供給部30から受けて搬送し、媒体排出部40へ送出する。搬送部10は、駆動ローラー11と、従動ローラー12と、搬送ベルト13(載置部材)と、媒体検出部14と、支持吸引部15と、ガイドローラー16と、押さえローラー17と、テンションローラー18などを備える。
搬送ベルト13は、環状(無端状)の帯状部材であって、ここではスチールベルトが用いられる。スチールベルトとしては、例えば、厚さが約0.3mmのSUS304、SUS631といったステンレス鋼やアルミ合金などを用いることができる。また、スチールベルトには、直径約2mmの多数(複数)の円形の孔部13a(図3)が、開口率約50%となるように設けられており、空気が通過可能となっている。
搬送ベルト13は、駆動ローラー11及び従動ローラー12(以下ではまとめて搬送ローラー11、12とも記す)の間に架け渡され、搬送ローラー11、12の回りの周回経路に沿って移動可能に設けられている。すなわち、搬送ベルト13(及びその外周面)は、駆動ローラー11が搬送モーター111(駆動部)による回転駆動動作に応じて回転することで当該回転速度及び回転方向に従って搬送ローラー11、12の回りの周回経路を周回移動する。ここでは、駆動ローラー11が図1の面内において反時計回りすることで搬送ベルト13が通常の記録媒体Mの搬送方向(周回移動の移動方向)に移動する。搬送ベルト13の外周面には、媒体供給部30から送出された記録媒体Mが載置されて、当該記録媒体Mは、搬送ベルト13の移動に伴って搬送される。
媒体検出部14は、記録媒体Mの載置有無を検出する。媒体検出部14は、例えば、記録媒体Mの搬送経路について押さえローラー17とヘッドユニット21の間の位置において、搬送ベルト13の外周面に向けて所定の波長の光を照射する照射部と、搬送ベルト13上における記録媒体Mの有無に応じた照射光を検出する検出部とを有し、検出部により検出される反射強度の違いに応じて記録媒体Mの有無や、記録媒体Mの先頭位置の検出を行う。また、記録媒体Mの搬送面内と平行な面内で搬送方向に直交する幅方向について異なる2箇所に検出部が設けられることで、記録媒体Mの先頭側端部の傾きを検出することが可能であっても良い。媒体検出部14によるこれらの検出により、画像記録部20によるインク吐出タイミングの制御がなされる他、記録媒体Mの搬送異常による記録媒体Mの詰まりやインクの記録媒体M外(搬送ベルト13の外周面など)への付着などのトラブルを防止する。
支持吸引部15は、搬送ベルト13の2つの搬送ローラー11、12の間の区間において、搬送される記録媒体M、すなわち、搬送ベルト13の外周面がヘッドユニット21のインク吐出面と対向する部分を含む範囲で搬送ベルト13の内周面(搬送ローラー11、12と接触する側の面)を平面(ここでは水平面)(以下では支持面と記す)で支持する。また、支持吸引部15は、吸引ファン155(図2)により、搬送ベルト13の孔部13aを介して搬送ベルト13の外周面側の空気を吸引することで搬送ベルト13の外周面に載置されている記録媒体Mを当該外周面に吸着させる。支持吸引部15の詳細な構成については、後述する。
搬送ベルト13の移動方向(記録媒体Mの搬送方向)について、支持吸引部15の上流側及び下流側には、それぞれ、ガイドローラー16が設けられている。2つのガイドローラー16は、搬送ベルト13を支持面の両端外側で支持する。ガイドローラー16は、それぞれ支持吸引部15の支持面と略同一の高さで搬送ベルト13を支持し、搬送ベルト13の周回移動時の移動動作を誘導する。
押さえローラー17は、上流側のガイドローラー16と搬送ベルト13を挟んで対向する位置で回転可能に設けられたローラーである。押さえローラー17は、記録媒体Mに対するインクの吐出位置に対して搬送方向について上流側において、媒体供給部30から送出された記録媒体Mの搬送ベルト13からの浮き上がり、特に、先端部のカール(巻き上がり)などを抑制してより確実に吸着されるように、適宜な圧力で搬送ベルト13に対して押圧(押下)して搬送ベルト13に沿って誘導する。押さえローラー17は、搬送対象の記録媒体Mの厚さなどに応じて搬送ベルト13の搬送面からの距離が可変な構成とすることができる。
テンションローラー18は、搬送ベルト13のうち、2つの搬送ローラー11、12間において外周面がヘッドユニット21とは対向しない側、すなわち、駆動ローラー11から従動ローラー12へ搬送ベルト13が移動する途中の位置で当該搬送ベルト13を内周面の側から押圧することで適切な張力を与える。テンションローラー18は、幅方向について異なる2箇所、例えば、両端でそれぞれ鉛直方向に上下に位置を設定可能であり、支持吸引部15などにより搬送ベルト13が受ける張力の不均一に応じて生じる蛇行を補正して、搬送ベルト13及び記録媒体Mを正常に搬送方向へ移動させる。
画像記録部20は、インク(色材)を吐出する一又は複数、ここでは4つのヘッドユニット21(記録部)を備える。各ヘッドユニット21の支持吸引部15の支持面(記録媒体M)と対向する側の面は、ノズルの開口部が各々設けられたインク吐出面となっており、搬送ベルト13により支持吸引部15の支持面上を搬送される記録媒体Mに対してインクを吐出、着弾させる。ヘッドユニット21は、ノズル開口部が所定の配列で設けられて当該ノズル開口部からのインク吐出に係る動作を行う記録ヘッド22(図2)を一又は複数有する。ヘッドユニット21におけるノズルの幅方向の配置範囲は、記録媒体Mに対する幅方向の画像の記録範囲をカバーしている。ヘッドユニット21は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Mの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
4つのヘッドユニット21は、ここでは、各々シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒色(K)の各色のインクタンク(図示略)と接続され、これらCMYK各色のインクをそれぞれ吐出する。
本実施形態で用いられるインクは、温度によってゲル状とゾル状との間で相変化する相変化インクであり、かつ紫外線の照射により硬化反応が進行して粘度が増大する紫外線硬化性インクである。本実施形態のインクは、70℃に加熱されることで吐出に適した粘度のゾル状となる。ヘッドユニット21のノズルからは、ヘッドユニット21内に設けられたヒーターにより加熱されてゾル状となったインクが吐出され、記録媒体Mに着弾したインクは、冷却されることで速やかにゲル状となる。
本実施形態で用いられるインクは、光重合性化合物(モノマー)、光重合開始剤、ゲル化剤及び着色剤を含む。このうち光重合性化合物は、紫外線が照射されることにより重合反応が進行して高分子化する化合物である。この高分子化により、インクが増粘して硬化する。光重合開始剤は、上記重合反応を開始させるための化合物である。ゲル化剤は、インクが加熱されてゾル化温度以上になるとインク中に溶解してインクをゾル化させ、インクが冷却されてゲル化温度以下になると架橋構造を形成したり繊維状会合体を形成したりすることによりインクをゲル化させる性質を有する化合物である。また、着色剤は、当該インクに係る色の顔料又は染料を含む。
紫外線照射部63は、搬送ベルト13の幅方向の幅に亘って配置された発光部を有し、搬送ベルト13の外周面に載置されて搬送される記録媒体Mに対して当該発光部から紫外線を照射して記録媒体M上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。紫外線照射部63の発光部は、搬送方向についてヘッドユニット21の下流側に搬送ベルト13と対向して配置される。
媒体排出部40は、搬送部10から送出された記録媒体Mが載置される板状の排出トレー41等を有し、画像記録後の記録媒体Mをユーザーにより取り出されるまで格納する。排出トレー41は、上下方向に移動可能に構成されて、支持吸引部15の支持面の高さからの記録媒体Mの落下量を適切な範囲内に調節しても良い。
搬送部10と媒体排出部40との間には、記録媒体Mをより安全かつ確実に媒体排出部40に送出するためのローラーやベルトなどを備えたデリバリー部が設けられていても良い。例えば、ガイドローラー16の上方を通過した記録媒体Mを排出トレー41上における最上の記録媒体Mのさらに上に導くように2つのローラー間に架け渡されたベルトが設けられていても良い。
図2は、インクジェット記録装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、制御部50と、吸引制御部61及び吸引ファン155を有する支持吸引部15と、ヘッド制御部62及び記録ヘッド22を有するヘッドユニット21と、紫外線照射部63と、搬送制御部64と、通信部65と、バス66などを備える。
制御部50は、インクジェット記録装置1の動作を統括制御するプロセッサーである。制御部50は、CPU51(Central Processing Unit)、RAM52(Random Access Memory)、ROM53(Read Only Memory)及び記憶部54を有する。
CPU51は、ROM53に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM52に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
RAM52は、CPU51に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM52は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。
ROM53は、CPU51により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM53に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。
記憶部54には、通信部65を介して外部機器から入力された、記録対象の画像データや当該画像データの記録動作に係る動作設定を含むジョブデータなどが記憶される。記憶部54としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
吸引制御部61は、制御部50からの制御信号に応じた回転速度で支持吸引部15の吸引ファン155を回転動作させる。
ヘッド制御部62は、制御部50からの制御信号に応じた適切なタイミングで、記録ヘッド22内のヘッド駆動部に対して各種制御信号や画像データを出力することで、記録ヘッド22のノズルの開口部からインクを吐出させる。
搬送制御部64は、制御部50から供給される制御信号に基づいて搬送モーター111の動作を制御して駆動ローラー11を回転させ、搬送ベルト13により記録媒体Mを適切な速度で搬送させる。また、搬送制御部64は、制御部50から供給される制御信号に基づいて媒体供給部30を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Mの搬送部10への供給を行わせる。
通信部65は、外部機器との間で通信を行って情報の送受信を行う。通信部65は、LANによる有線又は無線での通信に係る各種通信規格に対応した通信制御を行う。受信されるデータには、上述のジョブデータが含まれる。送信されるデータには、ジョブデータに応じた画像記録動作の進捗に係るステータス情報などが含まれる。
バス66は、制御部50と他の構成との間で信号の送受信を行うための経路である。
次に、支持吸引部15の構成について詳細に説明する。
図3は、支持吸引部15の構成を示す分解斜視図である。
図4は、支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図である。
支持吸引部15は、上側の面(搬送ベルト13側の一面)が開放された直方体形状の外形を有する筐体151と、筐体151の上側の面を塞ぐように重ねて配置された支持板152及び多孔質体(ポーラス)153(通気部材)と、筐体151の内部に設けられた空気室154の空気を吸引する吸引ファン155(吸引部)などを備える。
筐体151は、厚さが1mm~数mm程度のステンレス鋼やアルミ合金等の金属板により構成されている。筐体151は、底面を構成する底面板と、底面に繋がる4つの側面を構成する4つの側面板とが接合された形状を有している。なお、底面板及び4つの側面板のうち一部又は全部が単一の部材を変形させることで形成されていても良い。
図3では、筐体151の底面が略正方形である例が示されているが、筐体151の形状は、図3に示されるものに限られず、搬送部10による搬送対象となる記録媒体Mの大きさや形状などに応じて適宜変更することができる。
4つの側面板は、底面板から所定の距離範囲内の部分が筐体151の内側に張り出すように厚くなっており、当該張り出している部分(以下、張出部と記す)の上側の面が水平な棚状部1512をなしている。支持板152及び多孔質体153は、この棚状部1512に支持されている。このような構成により、筐体151の内部では、筐体151の底面、4つの張出部、及び多孔質体153により囲まれた空間内に空気室154が形成される。
4つの側面板のうち棚状部1512より上側(搬送ベルト13側)の部分は、張出部より薄くなっており、多孔質体153の側面153cを覆う側壁面1511aを有する側壁1511(側壁部材)をなしている。ここで、多孔質体153の側面153cは、多孔質体153の上面153a(搬送ベルト13と接する側の面)(第1の面)と下面153b(空気室154側の面)(第2の面)とを繋ぐ面をいう。
側壁1511は、搬送ベルト13と接触しないように、多孔質体153の高さよりも僅かに低い高さで設けられている。
また、多孔質体153の下面153bのうち、上面153aに垂直な方向(鉛直方向)から見て空気室154と重なる部分を除いた周縁部分は、支持板152のうち筐体151の棚状部1512上(所定の面上)に設けられた部分(所定の部材)に接している。換言すれば、多孔質体153の周縁部分は、支持板152を介して筐体151の棚状部1512により支持されている。
支持板152は、ステンレス鋼やアルミ合金等の金属板からなる板状部材であり、筐体151の底面と平行な状態で棚状部1512に載置されて固定されている。支持板152には、搬送ベルト13と同様に多数(複数)の円形の通気孔152aが、開口率約50%となるように設けられており、空気が通過可能となっている。なお、図4では、搬送ベルト13の孔部13a及び支持板152の通気孔152aの記載は省略されている。
支持板152の材料や厚さ(本実施形態では、3mm)は、支持板152の剛性が、多孔質体153の剛性よりも大きくなるように設定される。この場合における剛性は、支持板152や多孔質体153に対して厚さ方向の成分を有する外力を加えて変形(湾曲)させようとするときの変形のしづらさの程度である。これにより、吸引ファン155による空気の吸引時における多孔質体153のたわみが抑制される。
多孔質体153は、支持板152上に載置された厚さ約10mmの平板状かつ直方体形状の部材である。多孔質体153の上面153aは、搬送ベルト13を支持する支持面を構成する。多孔質体153の上面153aにより支持された搬送ベルト13は、媒体供給部30から水平方向に送出された記録媒体Mを鉛直方向について位置の変化を生じさせずに載置させながらこの多孔質体153上を摺動する。
多孔質体153(支持吸引部15)は、搬送方向に長い方が画像記録部20による画像記録時に記録媒体Mをより安定させやすいが、水平方向に占める面積が増大する。したがって、多孔質体153を含む支持吸引部15は、適切な長さ、例えば、記録媒体Mの搬送方向についての長さ(単一サイズであれば当該単一サイズに基づき、複数サイズの記録媒体Mに対して画像記録が可能な場合には、標準的な長さ又は最大の長さなどに基づく)程度に好ましく定められる。
多孔質体153としては、例えば、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂粒子を焼結させて生成された板状部材を用いることができる。このような多孔質体153は、その内部において立体的に繋がる網目状の通気経路を有し、三次元方向への通気、すなわち搬送方向、幅方向、及び鉛直方向(搬送方向及び幅方向に直交する方向)への通気が可能である。
したがって、多孔質体153の搬送ベルト13と接する側とは反対側に設けられた空気室154は、搬送ベルト13に設けられた孔部13a、多孔質体153、及び支持板152の通気孔152aを介して搬送ベルト13の外周面側との間の通気が可能となっている。
また、上記のような材料が用いられた多孔質体153は、搬送ベルト13との間の摩擦抵抗が支持板152よりも小さく、多孔質体153を用いずに支持板152上により直接搬送ベルト13を支持した場合と比較して搬送ベルト13の損傷を抑制できるとともに、搬送モーター111の負荷を軽減させることができる。また、このように摩擦抵抗が小さいことで、多孔質体153上を搬送ベルト13が摺動したときの摩耗粉の発生をごく僅かに抑えることができる。
筐体151の底面には、底面板を貫通する吸引孔151aが開けられており、吸引孔151aに接続されたダクトに吸引ファン155が取り付けられている。この吸引ファン155の回転動作は、吸引制御部61により制御される。吸引ファン155は、ダクトを介して接続された空気室154内の空気を吸引して外部に排出させ、空気室154内に負圧を発生させることで、搬送ベルト13の外周面側の空気を空気室154に取り込む。すなわち、吸引ファン155は、搬送ベルト13の孔部13a、多孔質体153、支持板152の通気孔152a、及び空気室154を介して搬送ベルト13の外周面側の空気を吸引し、搬送ベルト13に載置されている記録媒体Mを外周面に吸着させる。
図4に示されるように、支持吸引部15では、多孔質体153の側面153cと筐体151の側壁面1511aとの間に隙間156(第1の隙間)が設けられている。換言すれば、多孔質体153を挟む一対の側壁面1511aと交差し多孔質体153の上面153aに垂直な任意の断面(例えば図4の断面)における、多孔質体153の上面153a、下面153b、及び上記一対の側壁面1511aを通る直線により囲まれた矩形の通気部材配置領域R内には、多孔質体153が設けられていない緩衝領域Raとしての隙間156が含まれている。緩衝領域Raは、通気部材配置領域Rのうち、上記断面における多孔質体153の上面153aに沿う方向(図4では幅方向)についての一部の領域内に設けられている。
このように隙間156(緩衝領域Ra)が設けられていることで、多孔質体153が熱膨張した場合における多孔質体153のたわみが抑制される。以下、この作用について説明する。
上述したような材質の多孔質体153は、筐体151よりも熱膨張係数が大きく、多孔質体153の温度が上昇すると、筐体151よりも大きな膨張率で膨張する。多孔質体153の温度が上昇する主な要因としては、周回移動する搬送ベルト13との間の摩擦が挙げられる。この他にも、ヒーターを内蔵したヘッドユニット21の熱が多孔質体153に伝わることによっても多孔質体153の温度が上昇し得る。
筐体151よりも多孔質体153が膨張しやすいため、多孔質体153と筐体151の側壁面1511a(側壁1511)との間に隙間を設けない従来の構成では、図5に示されるように、多孔質体153の温度が上昇して膨張した場合に、水平方向への膨張が側壁面1511aによって妨げられ、多孔質体153に上に凸のたわみが生じて搬送ベルト13の表面の平坦性が損なわれてしまう。この結果、記録媒体Mの吸着力が不均一となったり、ヘッドユニット21と記録媒体Mとの距離が不適切となったりすることで記録画像の画質が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、図4に示されるように多孔質体153の側面153cと筐体151の側壁面1511aとの間に隙間156(緩衝領域Ra)を設けることで、多孔質体153の温度が上昇して膨張した場合においても多孔質体153が側壁面1511aに当接せず、多孔質体153の水平方向の膨張が妨げられないようになっている。これにより、多孔質体153がたわんで搬送ベルト13の平坦性が損なわれる不具合の発生が抑制される。
ところで、上述したように、側壁1511の上端と搬送ベルト13とは、互いに接触しないように僅かに離間しているため、隙間156には外部から空気が流入し得る。このため、吸引ファン155の吸引動作により空気室154に負圧が生じると、隙間156から多孔質体153の内部を通って水平方向に進む経路(図4の矢印A1で示される経路)で空気が空気室154に流入し得る。この経路での空気の流入量が多いと、空気室154の中央付近(搬送ベルト13の幅方向中央付近)における矢印A2の経路での空気の流入量が減少し、中央付近の吸引力が弱まって記録媒体Mの吸着不良の発生につながる。
そこで、本実施形態では、多孔質体153の側面153cから空気室154までの距離を十分に確保することで、多孔質体153の側面153cから空気室154に至る経路での圧力損失を大きくして、矢印A1の経路での空気の流入量を低く抑えている。より詳しくは、図4に示されるように、多孔質体153の下面153bのうち、上面153aに垂直な方向から見て空気室154と重なる部分の端から側面153cまでの長さL2を、多孔質体153の厚さL1より大きくすることで、矢印A1の経路での圧力損失を十分に大きくしている。これにより、矢印A1の経路での空気の流入量を低く抑えて、空気室154の中央付近における矢印A2の経路での空気の流入量を十分に確保し、記録媒体Mの吸着力が低減するのを抑制している。
ただし、側壁1511の上端と搬送ベルト13との間隔が十分に小さい場合や、多孔質体153が、矢印A1の経路での圧力損失が十分に大きくなる材質である場合などでは、長さL2を厚さL1以下とすることもできる。
なお、上記では幅方向についての多孔質体153の両側の側面153cと側壁面1511aとの間にそれぞれ隙間156を設けていたが、これに限られず、多孔質体153の一方の側面153cと側壁面1511aとの間に隙間156を設けても良い。
また、隙間156は、幅方向についての端部のほか、搬送方向についての端部にも設けられる。これにより、多孔質体153の搬送方向についての膨張も妨げられないようになっている。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1における搬送部10は、外周面に記録媒体Mが載置される環状の搬送ベルト13と、搬送ベルト13を所定の周回経路で周回移動させる搬送モーター111と、搬送ベルト13の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた多孔質体153と、多孔質体153の搬送ベルト13と接する側とは反対側に設けられ、搬送ベルト13に設けられた孔部13a及び多孔質体153を介して搬送ベルト13の外周面側との間の通気が可能な空気室154と、空気室154の空気を吸引する吸引ファン155と、多孔質体153の側面153cの少なくとも一部を覆う側壁面1511aを有する側壁1511と、を備え、多孔質体153を挟む一対の側壁面1511aと交差し多孔質体153の上面153aに垂直な任意の断面における、多孔質体153の上面153a、下面153b、及び上記一対の側壁面1511aを通る直線により囲まれた通気部材配置領域R内には、多孔質体153が設けられていない緩衝領域Raが含まれている。
このような構成によれば、多孔質体153の温度が上昇して膨張した場合に、多孔質体153が、緩衝領域Raを埋めるように、水平方向(多孔質体153の上面153aに沿う方向)に膨張することができる。よって、多孔質体153の水平方向への膨張が妨げられないようにすることができるため、膨張した多孔質体153がたわんで搬送ベルト13の平坦性が損なわれる不具合の発生を抑制することができる。この結果、記録媒体Mがたわんだ状態で搬送されたり、記録媒体Mの吸着力が不均一となったりする不具合の発生が抑制され、記録媒体Mを適正に搬送することができる。また、ヘッドユニット21と記録媒体Mとの距離が不適切となったりすることで記録画像の画質が低下するのを抑制することができる。
また、緩衝領域Raは、多孔質体153と、上記一対の側壁面1511aのうち少なくとも一方との間に設けられた隙間156を含む。このような構成によれば、多孔質体153が膨張した場合において多孔質体153が側壁面1511aに当接しないようにしたり、側壁面1511aに当接しても多孔質体153をたわませるような大きさの抗力を側壁面1511aから受けないようにしたりすることができる。
また、空気室154は、筐体151及び多孔質体153により囲まれた空間内に設けられており、多孔質体153の下面153bのうち、上面153aに垂直な方向から見て空気室154と重なる部分を除いた部分は、支持板152のうち筐体151の棚状部1512上に設けられた部分に接しており、上記の断面において、多孔質体153の下面153bのうち空気室154と重なる部分の端から側面153cまでの長さが多孔質体153の厚さより大きい。このような構成によれば、多孔質体153の側面153cから多孔質体153の内部を水平方向に進む経路での空気室154への空気の流入量を低く抑えて、空気室154の中央付近における記録媒体Mの吸着に寄与する空気の流入量を十分に確保することができる。これにより、記録媒体Mの吸着力が低減するのを抑制することができる。
また、通気部材として三次元方向への通気が可能な多孔質体153を用いることで、搬送ベルト13の外周面側と空気室154との間の通気をより効率良く行うことができる。また、多孔質体153の側面153cを側壁1511で覆う構成とすることで、多孔質体153の側面153cから空気室154への空気の流入を抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、上記の搬送部10と、搬送部10により搬送される記録媒体Mに対してインクを付与して画像を記録するヘッドユニット21と、を備えるため、搬送部10における多孔質体153のたわみを抑えて記録媒体Mを適正に搬送することができる。また、多孔質体153のたわみに起因する画質の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、緩衝領域Raに弾性部材が設けられている点で第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、第2の実施形態の支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図である。
図6に示されるように、本実施形態の支持吸引部15では、多孔質体153の側面153cと筐体151の側壁面1511aとの間の隙間に、弾性部材1571が設けられている。本実施形態では、この弾性部材1571が設けられている領域が、緩衝領域Raに相当する。
弾性部材1571としては、多孔質体153よりも縦弾性係数が小さいもの(すなわち、外部から応力を受けたときの歪みやすさが多孔質体153よりも大きいもの)が用いられる。これにより、多孔質体153が水平方向に膨張した場合に、膨張した多孔質体153から受ける力により当該膨張を相殺する形で弾性部材1571が圧縮されるようになっている。
弾性部材1571は、常温において多孔質体153から応力がかからない状態で設けられていても良いし、常温において多孔質体153から応力を受け、多孔質体153と側壁面1511aとを互いに遠ざける方向に付勢するように圧縮された状態で設けられていても良い。
また、弾性部材1571としては、通気性を有するものを用いても良いが、気密性を有する材質で構成することがより望ましい。
このように、多孔質体153よりも縦弾性係数が小さく、かつ気密性を有する弾性部材1571の材質としては、ポリウレタンフォームといった樹脂や、ゴムなどを挙げることができる。
なお、図6では幅方向についての多孔質体153の両側の側面153cと側壁面1511aとの間にそれぞれ弾性部材1571が設けられているが、これに限られず、多孔質体153の一方の側面153cと側壁面1511aとの間に弾性部材1571を設けても良い。
また、多孔質体153の搬送方向についての側面153cと側壁面1511aとの間の隙間にも弾性部材1571を設けても良い。
以上のように、第2の実施形態のインクジェット記録装置1では、多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間に弾性部材1571が設けられている。これにより、搬送ベルト13との摩擦等により多孔質体153の温度が上昇して水平方向に膨張した場合に、膨張した多孔質体153から受ける力により当該膨張を相殺する形で弾性部材1571が圧縮されるため、多孔質体153の水平方向の膨張が妨げられないようにすることができる。この結果、膨張した多孔質体153がたわんで搬送ベルト13の平坦性が損なわれる不具合の発生が抑制される。また、多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間に弾性部材1571が設けられることで、多孔質体153の位置が所望の位置から水平方向にずれるのを抑制することができる。
また、弾性部材1571として気密性を有するものを用いることにより、緩衝領域Ra及び多孔質体153を通って空気室154に至る矢印A1の経路での空気の流入量を極めて低く抑えることができるため、空気室154の中央付近における矢印A2の経路での空気の流入量を十分に確保し、記録媒体Mの吸着力が低減するのを抑制することができる。
(変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。以下では、上記の第2の実施形態との相違点について説明し、第2の実施形態と共通する点については説明を省略する。
図7は、変形例1の支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体153の側面近傍を拡大して示した図である。
本変形例では、多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間(緩衝領域Ra)のうち、側壁面1511aと接する部分に弾性部材1572が設けられており、さらに弾性部材1572と多孔質体153の側面153cとの間に気密性部材1573が設けられている。
このうち気密性部材1573は、必ずしも弾性を有していなくても良い。気密性部材1573としては、例えば金属や、PET(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂を用いることができる。
また、弾性部材1572は、必ずしも気密性を有していなくても良い。よって、弾性部材1572としては、第2の実施形態における弾性部材1571と同様の材質のもののほか、ばね部材やスポンジなどを用いても良い。
以上のように、変形例1に係る搬送部10は、多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間に、弾性部材1572、及び当該弾性部材1572と多孔質体153との間に挟まれた気密性部材1573が設けられている。このような構成によれば、弾性部材1572により弾性を確保しつつ、気密性部材1573により多孔質体153の側面153cの気密性を確保することができる。すなわち、多孔質体153が水平方向に膨張した場合に弾性部材1572が圧縮されるため、多孔質体153の水平方向の膨張が妨げられないようにすることができる。また、気密性部材1573が設けられていることにより、緩衝領域Ra及び多孔質体153を通って空気室154に至る図7の矢印A1の経路での空気の流入量を極めて低く抑えることができるため、空気室154の中央付近における記録媒体Mの吸着に寄与する経路での空気の流入量を十分に確保し、記録媒体Mの吸着力が低減するのを抑制することができる。
(変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。以下では、第2の実施形態との相違点について説明し、第2の実施形態と共通する点については説明を省略する。
図8は、変形例2の支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体153の側面近傍を拡大して示した図である。
図8に示されるように、本変形例では、多孔質体153を挟む一対の側壁面1511aの各々は、多孔質体153の上面153aに沿う方向(図8では幅方向)についての当該一対の側壁面1511a同士の間隔が、搬送ベルト13からの距離が増大するに従って(すなわち、図8における下方ほど)増大するように、多孔質体153の上面153aの法線に対して傾斜している。換言すれば、各側壁面1511aは、その法線が水平方向より下方に向くように傾斜している。
また、多孔質体153の側面153cは、側壁面1511aと平行となるように多孔質体153の上面153aの法線に対して傾斜している。すなわち、側壁面1511aに対向する多孔質体153の側面153cは、その法線が水平方向より上方に向くように、かつ側壁面1511aに対向するように傾斜している。
このように傾斜した多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間には、第2の実施形態と同様の材質の弾性部材1571が設けられている。本変形例においても、通気部材配置領域Rのうち弾性部材1571が設けられている領域が緩衝領域Raに相当する。
なお、これに代えて、上記の変形例1のように、多孔質体153の側面153cと側壁面1511aとの間の隙間のうち側壁面1511aと接する部分に弾性部材1572を設け、さらに弾性部材1572と多孔質体153の側面153cとの間に気密性を有する気密性部材1573を設けても良い。
以上のように、変形例2の搬送部10では、一対の側壁面1511aの各々は、多孔質体153の上面153aに沿う方向についての当該一対の側壁面1511aの間隔が、搬送ベルト13からの距離が増大するに従って増大するように上面153aの法線に対して傾斜しており、多孔質体153の側面153cは、側壁面1511aと平行となるように上面153aの法線に対して傾斜している。このような構成によれば、多孔質体153が水平方向に膨張した場合に、多孔質体153の下面153bでの膨張量が、上面153aでの膨張量より大きくなるため、多孔質体153の両端の側面153cが抗力を受けて多孔質体153がたわむ場合には、下に凸の形状となりやすい。このため、多孔質体153が上に凸にたわんで搬送ベルト13を上方に押し上げ搬送ベルト13の表面の平坦性が損なわれる不具合をより生じにくくすることができる。
(変形例3)
次に、第2の実施形態の変形例3について説明する。
図9は、変形例3の支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体153の側面近傍を拡大して示した図である。
図9に示されるように、本変形例では、多孔質体153に、上面153aから下面153bに向かって延びる溝、及び下面153bから上面153aに向かって延びる溝が設けられており、これらの溝の内部に、上述した第2の実施形態と同様の材質の弾性部材1571が設けられている。各溝は、多孔質体153の側面153cに沿って多孔質体153の長さ全体に亘って設けられている。
本変形例では、上述した通気部材配置領域Rのうち、溝(弾性部材1571)が設けられている領域が緩衝領域Raに相当する。
溝の深さは、特には限られないが、上面153aから下面153bに向かって延びる溝、及び下面153bから上面153aに向かって延びる溝の各々を、多孔質体153の厚さの1/2以上の深さとすることが望ましい。これにより、多孔質体153が水平方向に膨張したときに、厚さ方向の各位置で多孔質体153の膨張を溝内の弾性部材1571の圧縮により吸収することができる。
また、溝の方向は、上面153a又は下面153bに垂直な方向に限られず、上面153a又は下面153bに交差する任意の方向とすることができる。
また、多孔質体153の溝は、上面153aに垂直な方向から見て空気室154と重ならない範囲内に設けることが望ましい。これにより、記録媒体Mの吸着に寄与する経路での空気室154への空気の流入を妨げないようにすることができる。
ただし、空気室154と重なる範囲内に溝を設けることもできる。これは、溝(弾性部材1571)が設けられた領域でも、厚さ方向の一部に多孔質体153が存在して通気機能を有するため、当該領域においても記録媒体Mを吸着させることができるためである。
以上のように、変形例3の搬送部10における緩衝領域Raは、上面153aと交差する方向に多孔質体153に設けられた溝を含み、当該溝の内部に弾性部材1571が設けられている。このような構成によれば、多孔質体153を分割することなく、通気部材配置領域Rに緩衝領域Raを設けることができる。よって、搬送部10の設計の自由度をより向上させることができる。また、弾性部材1571(溝)が設けられた領域でも、厚さ方向の一部に多孔質体153が存在して通気機能を有するため、多孔質体153の配置領域全体で記録媒体Mを吸着させることができる。
(変形例4)
次に、第2の実施形態の変形例4について説明する。
図10は、変形例4の支持吸引部15の搬送方向に垂直な断面を示す図であり、多孔質体153の側面近傍を拡大して示した図である。
本変形例では、多孔質体153と側壁面1511aとの間の隙間(緩衝領域Ra)のうち、紫外線照射部63から照射された紫外線が入射し得る範囲内においては、隙間に設けられる弾性部材が図10に示される構成となっている。すなわち、多孔質体153の側面153cに金属板1574(板部材)が当接しており、この金属板1574と側壁面1511aとの間に金属のばね部材1575が設けられている。ばね部材1575は、金属板1574及び側壁面1511aに弾性力を及ぼす態様で設けられた弾性部材である。
このように、本変形例では、多孔質体153と側壁面1511aとの間の隙間に設けられる部材が、紫外線により劣化しにくい金属で構成されている。
なお、金属板1574に代えて、紫外線に対する耐性を有する他の材質の板部材を用いても良い。また、金属のばね部材1575に代えて、紫外線に対する耐性を有する他の材質のばね部材を用いても良い。紫外線に対する耐性を有する材質の部材としては、例えば、樹脂等の表面を金属で被覆したものが挙げられる。
また、多孔質体153と側壁面1511aとの間の隙間のうち、紫外線照射部63から照射された紫外線が入射しない範囲においては、上述の第2の実施形態のように樹脂などの弾性部材1571を設けても良いし、図10と同様に金属板1574及びばね部材1575を設けても良い。
以上のように、変形例4に係る搬送部10では、多孔質体153と側壁1511との間の隙間のうち、紫外線照射部63から照射された紫外線が入射し得る範囲内には、紫外線に対して各々耐性を有する金属板1574及びばね部材1575が設けられており、金属板1574は、多孔質体153の側面153cに当接しており、ばね部材1575は、金属板1574及び側壁面1511aに弾性力を及ぼし得る態様で設けられている。このように、多孔質体153と側壁1511との間の隙間に設けられる部材をすべて紫外線に対する耐性を有するもので構成することで、紫外線照射部63からの紫外線によりこれらの部材が劣化する不具合の発生を抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、多孔質体153が複数設けられている点で第2の実施形態と異なる。以下では、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
図11は、第3の実施形態の支持吸引部15の幅方向に垂直な断面を示す図である。
図11に示されるように、本実施形態では、搬送ベルト13の内周面に沿って複数の(ここでは3つの)多孔質体153が設けられている。図11の例では、直方体形状の3つの多孔質体153が搬送方向に沿って配列されている。多孔質体153の配列はこれに限られず、幅方向について複数の多孔質体153が配列されていても良いし、搬送方向及び幅方向について複数の多孔質体153がマトリクス状に配列されていても良い。
本実施形態では、隣り合う多孔質体153の間の隙間(第2の隙間)が緩衝領域Raに相当する。この隙間には、上述した第2の実施形態と同様の材質の弾性部材1571が埋め込まれている。
さらに、多孔質体153同士の隙間は、多孔質体153の上面153aに垂直な方向から見て、搬送ベルト13の外周面上の記録媒体Mに対してヘッドユニット21からインクが付与される範囲と重ならない範囲内に設けられている。図11の例では、多孔質体153の上面153aに垂直な方向から見て隣り合うヘッドユニット21同士の間の領域に、隣り合う多孔質体153の間の隙間及び弾性部材1571が設けられている。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態のように多孔質体153と側壁面1511aとの間に隙間を設けたり、第2の実施形態と同様に、多孔質体153と側壁面1511aとの間の隙間に弾性部材を設けたりしても良い。
以上のように、第3の実施形態に係る搬送部10は、搬送ベルト13の内周面に沿って設けられた複数の多孔質体153を備え、緩衝領域Raは、隣り合う前記通気部材の間の隙間を含み、当該隙間に弾性部材1571が設けられている。このような構成によれば、複数の多孔質体153が水平方向に膨張した場合に、多孔質体153同士の隙間に設けられた弾性部材1571が圧縮され、多孔質体153の水平方向の膨張が妨げられないようにすることができる。よって、大型の搬送部10が用いられる場合など、筐体151の上部開口を覆うために複数の多孔質体153が必要となる場合においても、多孔質体153がたわんで搬送ベルト13の平坦性が損なわれる不具合の発生が抑制される。
また、多孔質体153同士の隙間は、多孔質体153の上面153aに垂直な方向から見て、外周面上の記録媒体Mに対してヘッドユニット21からインクが付与される範囲と重ならない範囲内に設けられている。弾性部材1571が埋め込まれる上記の隙間の位置では、多孔質体153が配置された位置と同様の吸気を行うことができず記録媒体Mの吸着力が弱まるところ、弾性部材1571とインクが付与される範囲とが重ならないようにすることで、記録媒体Mのうちヘッドユニット21からのインクが着弾する部分において浮きや振動が生じて画質が低下するのを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態及び各変形例では、筐体151の側壁1511が多孔質体153の側面153cを全周にわたって覆っている例を挙げて説明したが、これに限られず、多孔質体153の側面153cの長手方向についての一部区間が側壁1511に覆われていない構成であっても良い。この場合においても、多孔質体153を挟む一対の側壁面1511aを通る任意の断面における通気部材配置領域R内に緩衝領域Raが含まれていれば、多孔質体153の水平方向の膨張を緩衝領域Raにおいて吸収して多孔質体153のたわみを抑制することができる。
また、上記実施形態及び各変形例では、多孔質体153が直方体形状である例を挙げて説明したが、これに限られない。すなわち、多孔質体153の形状は、板状であれば良く、上面153a及び下面153bの形状は矩形に限られない。例えば、上面153a及び下面153bが、矩形以外の多角形、円形、楕円形などであっても良い。
上記実施形態及び各変形例では、通気部材として多孔質体153(ポーラス)を用いる例を挙げて説明したが、多孔質体153に代えて、三次元方向への通気が可能な他の部材、例えば幅方向、搬送方向及び厚さ方向にそれぞれ延びる通気孔が設けられた板状部材を用いても良い。
また、通気部材として、厚さ方向の通気のみが可能なものを用いても良い。この場合には、通気部材の側面からの空気の流入は生じないが、通気部材の水平方向の位置ずれ防止のために筐体151に側壁1511が設けられる。
また、上記実施形態及び各変形例では、筐体151の一部である側壁1511により多孔質体153の側面153cが覆われている例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではなく、筐体151とは別個の側壁部材により多孔質体153の側面153cが覆われていても良い。
また、筐体151の内部を仕切板により複数の空気室に分割し、各空気室の空気を別個の吸引力で吸引しても良い。このような構成によれば、各空気室からの空気の吸引力を調節することで、所望の吸着力分布で記録媒体Mを外周面に吸着させることができる。例えば、記録媒体Mの端部の吸着力を大きくすることで記録媒体Mの端部の浮きをより確実に抑制することができる。
また、多孔質体153が、吸引ファン155による空気の吸引時においてたわまない程度の十分な剛性を有している場合には、支持板152を省略しても良い。
また、載置部材としての円筒状の搬送ドラムの回転により記録媒体Mを搬送する搬送部に対して本発明を適用しても良い。このような搬送部では、搬送ドラムの外周曲面の内側の曲面(内周曲面)に沿って支持吸引部15(多孔質体153や空気室154)が設けられる。この場合、支持吸引部15と搬送ドラムとを一体的に構成して支持吸引部15を搬送ドラムとともに回転させ、搬送ドラム上の支持吸引部15と対応する所定位置に記録媒体Mを載置する構成としても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、記録媒体Mとして枚葉紙(カット紙)を例に挙げて説明したが、これに限られず、ロールから巻き出される記録媒体や連帳用紙といった長尺の記録媒体が用いられても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、シングルパス方式のインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、ヘッドユニットや記録ヘッドを走査させながら画像の記録を行うインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、画像記録装置としてインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、感光体ドラム上に色材としてのトナー粒子による像を形成して記録媒体に転写する乾式電子写真方式の画像記録装置、トナー粒子に代えて液体トナーを用いる湿式電子写真方式の画像記録装置、ベルト上に形成されたインク薄膜を記録媒体に転写する方式といった種々の方式の画像記録装置に本発明を適用することができる。いずれの画像記録装置においても、色材が付与される記録媒体Mを載置、搬送する搬送部が設けられ、当該搬送部に対して本発明が適用され得る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 インクジェット記録装置
10 搬送部
11 駆動ローラー
111 搬送モーター
12 従動ローラー
13 搬送ベルト
13a 孔部
14 媒体検出部
15 支持吸引部
151 筐体
151a 吸引孔
1511 側壁
1511a 側壁面
1512 棚状部
152 支持板
152a 通気孔
153 多孔質体
153a 上面
153b 下面
153c 側面
154 空気室
155 吸引ファン
156 隙間
1571、1572 弾性部材
1573 気密性部材
1574 金属板
1575 ばね部材
16 ガイドローラー
17 押さえローラー
18 テンションローラー
20 画像記録部
21 ヘッドユニット
22 記録ヘッド
30 媒体供給部
40 媒体排出部
50 制御部
63 紫外線照射部
M 記録媒体
R 通気部材配置領域
Ra 緩衝領域

Claims (12)

  1. 外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
    前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
    前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
    前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
    前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
    前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
    を備え、
    前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ
    前記緩衝領域は、前記通気部材と、前記一対の側壁面のうち少なくとも一方との間に設けられた第1の隙間を含み、
    前記一対の側壁面の各々は、前記断面における前記第1の面に沿う方向についての当該一対の側壁面同士の間隔が、前記載置部材からの距離が増大するに従って増大するように前記第1の面の法線に対して傾斜しており、
    前記通気部材の前記側面は、前記側壁面と平行となるように前記第1の面の法線に対して傾斜している
    ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
  2. 前記空気室は、所定の筐体及び前記通気部材により囲まれた空間内に設けられており、
    前記第2の面のうち、前記第1の面に垂直な方向から見て前記空気室と重なる部分を除いた部分は、前記筐体の所定の面、又は当該面上に設けられた所定の部材に接しており、
    前記断面において、前記第2の面のうち前記空気室と重なる部分の端から前記側面までの長さが前記通気部材の厚さより大きい
    ことを特徴とする請求項に記載の記録媒体搬送装置。
  3. 前記第1の隙間に弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体搬送装置。
  4. 前記第1の隙間には、弾性部材、及び当該弾性部材と前記通気部材との間に挟まれた気密性部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体搬送装置。
  5. 前記第1の隙間のうち、所定の紫外線照射部から照射された紫外線が入射し得る範囲内には、紫外線に対して各々耐性を有する板部材及びばね部材が設けられており、
    前記板部材は、前記通気部材の前記側面に当接しており、
    前記ばね部材は、前記板部材及び前記側壁面に弾性力を及ぼし得る態様で設けられている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置。
  6. 外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
    前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
    前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
    前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
    前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
    前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
    を備え、
    前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ、
    前記緩衝領域は、前記第1の面と交差する方向に前記通気部材に設けられた溝を含み、当該溝の内部に弾性部材が設けられていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  7. 前記内周面の少なくとも一部に沿って設けられた複数の前記通気部材を備え、
    前記緩衝領域は、隣り合う前記通気部材の間の第2の隙間を含み、
    前記第2の隙間に弾性部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置。
  8. 外周面に記録媒体が載置される環状の載置部材と
    前記載置部材を所定の周回経路で周回移動させる駆動部と、
    前記載置部材の内周面の少なくとも一部に沿って設けられた通気部材と、
    前記通気部材の前記載置部材と接する側とは反対側に設けられ、前記載置部材に設けられた孔部及び前記通気部材を介して前記載置部材の外周面側との間の通気が可能な空気室と、
    前記空気室の空気を吸引する吸引部と、
    前記通気部材の前記載置部材に接する側の第1の面と前記空気室側の第2の面とを繋ぐ側面の少なくとも一部を覆う側壁面を有する側壁部材と、
    を備え、
    前記通気部材を挟む一対の前記側壁面と交差し前記第1の面に垂直な任意の断面における、前記第1の面、前記第2の面及び前記一対の側壁面を通る直線により囲まれた通気部材配置領域内には、前記通気部材が設けられていない緩衝領域が含まれ、
    前記内周面の少なくとも一部に沿って設けられた複数の前記通気部材を備え、
    前記緩衝領域は、隣り合う前記通気部材の間の第2の隙間を含み、
    前記第2の隙間に弾性部材が設けられていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  9. 前記第2の隙間は、前記第1の面に垂直な方向から見て、前記外周面上の記録媒体に対して所定の記録部から色材が付与される範囲と重ならない範囲内にあることを特徴とする請求項7又は8に記載の記録媒体搬送装置。
  10. 前記弾性部材は気密性を有することを特徴とする請求項3、4、6から8のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置。
  11. 前記通気部材は、三次元方向への通気が可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の記録媒体搬送装置と、
    前記記録媒体搬送装置により搬送される記録媒体に対して色材を付与して画像を記録する記録部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
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