JP7172400B2 - 地質評価システム、地質評価方法及び地質評価プログラム - Google Patents
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Description
撮影装置10は、例えばカメラ等であって、被写体を撮影した画像を生成する。この撮影装置10は、RTK-GPS(リアルタイム・キネマティックGPS)等の位置特定機能を備え、撮影位置を特定する。更に、撮影装置10は、撮影条件を取得し、撮影位置及び撮影画像と関連付けて記憶する。この撮影条件は、撮影時の向き、角度、焦点深度等である。この撮影条件と撮影位置を用いることにより、被写体位置(本実施形態では、緯度、経度、高度)を特定することができる。
打撃応答管理部212は、岩検ハンマーを用いた打撃検査における打撃応答を管理する処理を実行する。
被写体位置データ領域には、撮影された画像に含まれる被写体の位置(座標)に関するデータが記録される。この被写体位置は、撮影位置及び撮影条件に基づいて特定される。
撮影画像データ領域には、この撮影位置において被写体を撮影した撮影画像(フルカラー画像)データが記録される。
岩級区分図データは、学習対象領域について、岩級が区分されて表示されたマップである。岩級としては、A級岩盤、B級岩盤、CH級岩盤、CM級岩盤、CL級岩盤、D級岩盤等がある。
割れ目区分図データは、学習対象領域について、割れ目(クラック、節理、断層)、割れ目の形状及び走行・傾斜が表示されたマップである。
線分情報は、分割画像において抽出された線分の空間的配置(座標)を特定するための情報である。分割画像から、複数本の線分が抽出できた場合には、すべてを線分情報として記録する。
区画範囲座標は、各区画の範囲を特定するための座標である。
画像解析結果は、この区画の画像を解析したデータである。この画像解析結果には、例えば、画像の色彩分布、色度分布、濃度(光沢)分布及び陰影等の情報が含まれる。
打撃位置は、この区画内に含まれる打撃による応答を測定した位置(座標)である。
打撃応答解析結果は、この打撃位置において取得した打撃応答情報の解析結果である。この打撃応答解析結果には、例えば、打撃応答情報の打撃音、振動及び加速度を周波数解析した値やグラフ(分布図)等が含まれる。
<学習工程>
学習工程においては、まず、学習対象領域を撮影する撮影工程(ステップSA1)、学習対象領域について岩検ハンマーを用いた打撃検査工程(ステップSA2)を行なう。そして、地質評価装置20は、撮影画像、打撃応答情報及び地質図情報を用いて教師データ作成処理(ステップSA3)を実行し、教師情報を用いた学習処理(ステップSA4)を実行する。以下、撮影工程、打撃検査工程、教師データ作成処理及び学習処理の詳細について説明する。
まず、図4に示すように、撮影装置10を用いて、柔らかい土や硬い岩盤等を含む地盤の対象領域を撮影し、撮影画像を生成する。この場合、撮影装置10は、撮影条件(角度や向き等)と、RTK-GPS機能に基づく撮影位置(座標)とを、撮影画像に関連付けてメモリに記憶する。
更に、図4に示すように、打撃解析装置15を用いて、岩検ハンマーによる打撃処理を実行する。この場合、撮影工程において撮影した対象領域における岩盤の所定の位置を、作業者が岩検ハンマーで打撃する。そして、打撃解析装置15は、打撃応答情報を取得した場合、打撃位置と関連付けて打撃応答情報を地質評価装置20に送信する。なお、本実施形態では、対象領域において所定の位置が偏らずに、まんべんなく打撃するものとする。
次に、図5を用いて、教師データ作成処理を説明する。
まず、地質評価装置20の制御部21は、画像の分割処理を実行する(ステップS1-1)。具体的には、制御部21の解析部213は、画像情報記憶部22に記憶されている画像管理データ220を取得する。そして、解析部213は、画像管理データ220の撮影条件から撮影画像の大きさを特定し、記憶している分割基準サイズに近いサイズで等分となるように、撮影画像を分割して分割画像を生成する。次に、解析部213は、撮影画像における分割画像の位置と被写体位置及び撮影条件に基づいて、分割画像の空間的配置(座標)を特定し、この座標(分割位置)を、分割画像と関連付けてメモリに記憶する。
そして、地質評価装置20の制御部21は、線分を抽出して区画の特定処理を実行する(ステップS1-2)。具体的には、制御部21の解析部213は、エッジ抽出、線分判定のパターン認識を用いて、線分を抽出する。この線分は、クラック、節理、断層等の割れ目と判定される候補部分である。更に、解析部213は、分割画像の空間的配置及び分割画像における線分の位置から、抽出した線分の空間的配置(座標)を特定する。この場合、解析部213は、記憶している許容範囲を用いて、各座標に対する同一位置を特定して、各座標の特定を実行する。そして、制御部21は、特定した区画の範囲を特定する区画範囲座標を、分割位置と関連付けてメモリに記憶する。
そして、地質評価装置20の制御部21は、画像解析処理を実行する(ステップS1-3)。具体的には、制御部21の解析部213は、分割画像から区画範囲座標に応じて抽出した画像(区画画像)についての画像解析により、画像解析結果を取得し、区画範囲座標と関連付けてメモリに記憶する。
そして、地質評価装置20の制御部21は、上記ステップS1-3~S1-5の処理を、すべての区画について実行したか否かの判定処理を実行する(ステップS1-6)。ここで、まだ処理を実行していない区画がある場合(ステップS1-6において「NO」の場合)には、地質評価装置20の制御部21は、未処理の区画の1つを特定し、ステップS1-3以降の処理を実行する。なお、ステップS1-3~S1-5の処理は、この順番に実行する場合に限られず、順番を入れ替えて実行してもよい。
そして、地質評価装置20の制御部21は、学習対象の分割領域のすべてについて処理を実行したか否かの判定処理を実行する(ステップS1-8)。ここで、まだ処理を実行していない分割領域がある場合(ステップS1-8において「NO」の場合)には、未処理の分割領域の1つを特定し、ステップS1-2以降の処理を実行する。
一方、すべての分割領域について処理を実行した場合(ステップS1-8において「YES」の場合)には、教師データ作成処理を終了する。
図6を用いて、予測モデルを生成する学習処理(ステップSA4)を説明する。
まず、制御部21の学習部214は、教師情報記憶部25に記録されている教師情報を取得し、メモリに記憶する。
次に、評価対象領域において地質評価を行なう予測工程について説明する。
図3に示すように、予測工程においては、学習工程のステップSA1,SA2と同様に、評価対象領域を撮影する撮影工程(ステップSB1)、評価対象領域について岩検ハンマーを用いた打撃検査工程(ステップSB2)を行なう。
このデータ関連付け処理では、評価対象領域における画像情報と打撃応答情報とを関連付ける。ここでは、図5に示す教師データ作成処理において、ステップS1-5,S1-7の処理を除いた、画像の分割処理~打撃応答解析処理(ステップS1-1~ステップS1-4,S1-6,S1-8)を実行する。この場合、メモリには、評価対象領域における撮影画像を分割した領域を特定する分割位置、分割画像、線分情報、区画範囲座標、画像解析結果、打撃位置及び打撃応答解析結果が関連付けられた情報(関連付け情報)が記憶される。
次に、図7を用いて、予測処理(ステップSB4)について説明する。
制御部21の予測部215は、分割領域毎や区画毎に、メモリに記憶されている関連付け情報を取得し、地質情報の予測を実行する。
そして、評価対象領域に含まれるすべての分割画像についての予測を終了した場合、地質評価装置20の制御部21は、地質図作成処理(ステップSB5)を実行する。具体的には、制御部21の地質図作成部216は、メモリに記憶された地質情報(岩質、岩級、割れ目)を、地質情報に関連付けられた座標を用いて、マッピングし、予測岩質区分図、予測岩級区分図、予測割れ目区分図を生成する。ここで、岩質及び岩級においては、各種類の識別子に応じて同一種類を特定し、各種類の範囲(区分)を特定する。そして、制御部21の地質図作成部216は、作成した各区分図を、予測結果記憶部27に記録し、出力部32に表示する。
(1)本実施形態では、地質評価装置20の制御部21は、教師情報の画像解析結果、線分情報及び打撃応答解析結果、地質専門技術者が作成した地質図情報を用いて深層学習を行なうことにより、各地質情報についての学習結果を生成する。制御部21は、関連付け情報及び学習結果を用いて、各区画における地質情報を予測する。これにより、地質専門技術者の負担を軽減し、効率的に地質評価を行なうことができる。
・上記実施形態においては、地質評価装置20の制御部21は、教師データ作成処理(ステップSA3)及びデータ関連付け処理(ステップSB3)において、分割基準サイズに近いサイズで等分となるように撮影画像を分割した。撮影画像の分割方法は、これに限定されない。例えば、撮影画像の画像状況に応じて分割サイズを変更するようにしてもよい。ここでは、画像の色彩分布や濃度の変化が大きい領域には小さい分割サイズを用い、変化が小さい領域には大きな分割サイズを用いる。
・上記実施形態において、地質評価装置20の制御部21は、地盤を撮影した画像情報や打撃応答情報を用いて地質を評価した。地質を評価するために用いる情報は、画像情報や打撃応答情報に限られない。例えば、温度情報を用いて地質を評価してもよい。具体的には、サーモグラフィを用いて、地盤表面から地盤(地質)の温度を計測し、計測した低温度領域を(温度の違いから)湧水箇所(湧水の位置)を判定する。そして、湧水箇所の大きさや位置から、又は湧水箇所を地質図に含めて、地質を評価してもよい。
・上記実施形態において、地質評価装置20の制御部21は、CNNを用いた深層学習によって、地質予測モデルを算出する。制御部21が用いる機械学習は、これに限定されない。例えば、撮影画像、打撃応答情報、地質情報に含まれる多様な情報を、重み付けしながら相互に結び付けたネットワークを構成した地質予測モデルを算出してもよい。この場合、撮影画像、打撃応答情報から地質情報を予測するための雛形予測モデル(例えば、雛形ネットワーク)を準備する。例えば、この雛形予測モデルとしては、汎用的に利用可能なように、各ノード間を統計的な重み付け値で結合したネットワークを用いる。そして、学習対象領域の複数の位置の撮影画像、打撃応答情報を雛形予測モデルに入力し、雛形予測モデルからの出力値と、地質専門技術者によって作成された地質図の値と比較して、両者が近くなるように重み付けの調整するフィードバックを繰り返す。そして、複数の位置における両者の差分が許容範囲に含まれる場合に、この調整された予測モデル(ネットワーク)を地質予測モデルとして用いる。
Claims (6)
- 地盤を撮影した撮影画像を、被写体位置に関連付けて記憶した画像情報記憶部と、
岩盤を打撃したときの打撃応答情報を、打撃位置に関連付けて記憶した打撃応答情報記憶部と、
地質情報を地質位置に関連付けて記憶した地質情報記憶部と、
出力部とに接続された制御部を備えて、地質の評価を実行する地質評価システムであって、
前記制御部が、
学習対象領域の被写体位置の撮影画像を前記画像情報記憶部から取得し、
前記撮影画像における線分を特定し、
前記線分を用いて、前記撮影画像を、複数の区画に区分けし、
前記学習対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報を前記打撃応答情報記憶部から取得し、
前記学習対象領域に対応する地質位置の地質情報を前記地質情報記憶部から取得し、
前記取得した学習対象領域の前記区画毎の撮影画像、打撃応答情報及び地質情報を関連付けて教師情報を生成し、
前記教師情報を用いて、撮影画像及び打撃応答情報に基づいて、前記区画毎に、前記区画に含まれる地質情報を予測するための予測モデルを生成し、
評価対象領域の撮影画像を、前記撮影画像において特定した線分を用いて、複数の区画に区分けし、
前記評価対象領域の前記区画毎の被写体位置の撮影画像と、前記評価対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報と、前記予測モデルとを用いて、前記区画毎に、前記評価対象領域における前記区画に含まれる地質位置の地質情報を予測して、前記出力部に出力することを特徴とする地質評価システム。 - 前記制御部は、
前記予測した地質情報を、前記区画の位置に応じてマッピングすることにより、地質図を作成し、
前記作成した地質図を、前記出力部に出力することを特徴とする請求項1に記載の地質評価システム。 - 前記制御部は、
前記学習対象領域の撮影画像を、複数に分割した分割領域を特定し、
前記分割領域の撮影画像と、前記分割領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報と、前記分割領域に含まれる地質位置の地質情報とを用いて、前記予測モデルを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の地質評価システム。 - 前記制御部は、撮影画像及び打撃応答情報を入力して地質情報を出力する雛形予測モデルに、前記教師情報の撮影画像、打撃応答情報を入力し、前記雛形予測モデルの出力が、前記教師情報の地質情報の許容範囲となるように、前記雛形予測モデルを調整することにより、前記予測モデルを生成することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の地質評価システム。
- 地盤を撮影した撮影画像を、被写体位置に関連付けて記憶した画像情報記憶部と、
岩盤を打撃したときの打撃応答情報を、打撃位置に関連付けて記憶した打撃応答情報記憶部と、
地質情報を地質位置に関連付けて記憶した地質情報記憶部と、
出力部とに接続された制御部を備えた地質評価システムを用いて、地質の評価を実行するための方法であって、
前記制御部が、
学習対象領域の被写体位置の撮影画像を前記画像情報記憶部から取得し、
前記撮影画像における線分を特定し、
前記線分を用いて、前記撮影画像を、複数の区画に区分けし、
前記学習対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報を前記打撃応答情報記憶部から取得し、
前記学習対象領域に対応する地質位置の地質情報を前記地質情報記憶部から取得し、
前記取得した学習対象領域の前記区画毎の撮影画像、打撃応答情報及び地質情報を関連付けて教師情報を生成し、
前記教師情報を用いて、撮影画像及び打撃応答情報に基づいて、前記区画毎に、前記区画に含まれる地質情報を予測するための予測モデルを生成し、
評価対象領域の撮影画像を、前記撮影画像において特定した線分を用いて、複数の区画に区分けし、
前記評価対象領域の前記区画毎の被写体位置の撮影画像と、前記評価対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報と、前記予測モデルとを用いて、前記区画毎に、前記評価対象領域における前記区画に含まれる地質位置の地質情報を予測して、前記出力部に出力することを特徴とする地質評価方法。 - 地盤を撮影した撮影画像を、被写体位置に関連付けて記憶した画像情報記憶部と、
岩盤を打撃したときの打撃応答情報を、打撃位置に関連付けて記憶した打撃応答情報記憶部と、
地質情報を地質位置に関連付けて記憶した地質情報記憶部と、
出力部とに接続された制御部を備えた地質評価システムを用いて、地質の評価を実行するためのプログラムであって、
前記制御部を、
学習対象領域の被写体位置の撮影画像を前記画像情報記憶部から取得し、
前記撮影画像における線分を特定し、
前記線分を用いて、前記撮影画像を、複数の区画に区分けし、
前記学習対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報を前記打撃応答情報記憶部から取得し、
前記学習対象領域に対応する地質位置の地質情報を前記地質情報記憶部から取得し、
前記取得した学習対象領域の前記区画毎の撮影画像、打撃応答情報及び地質情報を関連付けて教師情報を生成し、
前記教師情報を用いて、撮影画像及び打撃応答情報に基づいて、前記区画毎に、前記区画に含まれる地質情報を予測するための予測モデルを生成し、
評価対象領域の撮影画像を、前記撮影画像において特定した線分を用いて、複数の区画に区分けし、
前記評価対象領域の前記区画毎の被写体位置の撮影画像と、前記評価対象領域に含まれる打撃位置に関連付けられた打撃応答情報と、前記予測モデルとを用いて、前記区画毎に、前記評価対象領域における前記区画に含まれる地質位置の地質情報を予測して、前記出力部に出力する手段として機能させることを特徴とする地質評価プログラム。
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