JP7059466B2 - 予測座標変動算出システム - Google Patents

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本願発明は、衛星を用いて継続的に観測した結果を利用して、斜面の安定度判定を支援する技術に関するものであり、より具体的には、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用い大量の観測データを処理することによって斜面の安定度判定を支援するシステムに関するものである。
我が国の国土はその2/3が山地であるといわれており、その結果、斜面を背後とする土地に住居を構えることも多く、道路や線路などは必ずといっていいほど斜面脇を通過する区間がある。そして斜面は、崩壊や地すべりといった災害の可能性を備えており、これまでもたびたび甚大な被害を被ってきた。
そこで、崩壊のおそれがある斜面(自然斜面や、人工的なのり面を含む)、あるいは地すべりの兆候のある斜面では、その動きを監視するため計測が行われることがある。例えば、地すべり兆候のある斜面では、伸縮計や抜き板を利用した計測、孔内傾斜計による計測、地表面変位計測などが実施されていた。しかしながら、伸縮計や抜き板による計測では、地すべり境界(特に頭部)に亘って設置しなければ効果がなく、孔内伸縮計も地すべり深度を正確に推定しなければ効果がない上に、多数箇所設けるとコストがかかるという問題がある。
地表面変位計測は、斜面上に設置した多数の観測点の座標を求め、経時的な変化(つまり変位)を検出することで斜面の動きを監視することから、直接的に異常を把握することができるうえ、伸縮計や孔内傾斜計のようにその効果が計器設置場所に依存しないという特長がある。ただし従来では、トータルステーションなどを用いて人が観測点を測位していたため、大きな手間とコストを余儀なくされていた。
一方、軍事用としてのみ利用されていたGPS(Global Positioning System)が1990年代になると民生用として利用されるようになり、さらに2000年には「意図的に精度を落とす仕組み(Selective Availability:SA)」も撤廃され、容易かつ高精度に、しかもリアルタイムで現在位置を計測できるようになった。これに伴い、斜面における地表面変位計測でもGPSが活用されるようになり、特許文献1でもGPS計測によって斜面の変動を判定する発明を開示している。
特許第5915916号公報
平成22年には準天頂衛星初号機「みちびき」が上げられるなど、GPSのほか様々な衛星観測システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)が利用できるようになってきた。これは、24時間絶え間なく必要数の衛星が捉えられるようになったことを意味する。平成29年度には4機の準天頂衛星が整備されており、さらに今後順調に準天頂衛星が上がっていけば、我が国では安定的な衛星測位が確約されることとなり、GNSSによる斜面観測がより加速することが予想される。
ところで、斜面が崩壊や地すべりといった災害の可能性を備えていることから、道路や線路等のうち斜面脇を通過する区間では通行規制が行われることがある。災害が発生する前に、道路管理者が「通行止」といった規制を実施することで道路利用者の安全を図るわけである。
従来、道路管理者による通行規制の判断は、大雨や台風あるいは地震による災害を想定し、事前に設定された基準値と計測された雨量や震度を照らし合わせることで行われていた。具体的には、「連続雨量200mm」や「時間雨量50mm」、あるいは「震度5強」のように基準値を設け、これを超える雨量や震度が計測されたときに「通行止」などの判断を行う。
規制判断の基礎となる基準値は、道路利用者の安全確保という面はもちろん、サービスの提供という面でも極めて重要である。基準値を過小に設定すると道路利用者が災害に遭遇する危険が高まり、基準値を過大に設定すると十分なサービス(道路利用)を提供することができなくなる。このように基準値が与える影響は顕著であることから慎重かつ綿密に設定すべきところ、実際には経験雨量と災害事例の関係などを参考にいわば経験的に設定している。
一方、既述のとおりGNSSによる斜面観測がこれまで以上に実施しやすい環境になることを考えれば、GNSSの観測結果に応じて通行規制の判断を行うという手法が確立することも予測される。しかしながら現状では、GNSSによる斜面観測が十分に実施されているとはいえず、すなわちGNSSの観測結果と斜面崩壊等との因果関係が明確に把握されているわけではない。そのため、GNSSの観測結果に異常が検知されたとしても、その異常が通行規制や解除をすべき程度であるか判断することができず、つまりGNSS観測に基づいて直接的に通行規制の判断を行うことはできないのが実情である。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわちGNSSの観測結果に基づいて斜面の安定度判定を支援することで、ひいては通行規制の判断に寄与することができる斜面安定度判定支援システムを提供することである。
本願発明は、斜面の性状(地質や地形など)を考慮したうえで、AI(特に機械学習)を用いてGNSSの観測結果から今後の変動を予測する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、対象斜面上に設置された観測点を測位衛星によって測位した座標に基づいて、その対象斜面の安定度判定を支援することができるシステムであり、学習手段と予測手段を備えたものである。このうち学習手段は、多数の斜面の学習用斜面データセットを学習する手段であり、一方の予測手段は、入力された入力用斜面データセットに基づいて、対象斜面の今後の座標変化を予測する手段である。ここで学習用斜面データセットは、斜面ごとに用意されるものであって、地質情報と地形情報を含む斜面性状データと、一定期間に観測された観測点の座標変化である実績座標変動データからなるデータセットであり、また入力用斜面データセットは、対象斜面の斜面性状データと、観測期間に観測された座標変化である計測座標変動データからなるデータセットである。学習手段は、学習用斜面データセットに基づいて複数の変動モデルを生成する。そして予測手段は、入力用斜面データセットと変動モデルに基づいて対象斜面の今後の座標の変化である予測座標変動を算出する。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、学習用斜面データセットが斜面分類データ(斜面性状データに応じて設定される)をさらに含み、入力用斜面データセットが斜面分類データをさらに含むものとすることもできる。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、学習手段が、学習用斜面データセットの斜面分類及び実績座標変動データに基づいて斜面分類ごと、あるいは斜面分類に関わらず複数の変動テンプレートを生成する、ものとすることもできる。この場合の学習用斜面データセットは、斜面性状データと斜面分類データ、実績座標変動データからなり、またこの場合の予測手段は、入力用斜面データセットの斜面性状データに基づいて対象斜面をいずれかの斜面分類に分類するとともに、分類された斜面分類に係る複数の変動テンプレートの中から観測座標変動データに基づいて適当な変動テンプレートを抽出し、抽出されたこの変動テンプレート及び観測座標変動データに基づいて対象斜面の予測座標変動を算出する。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、測位衛星によって測位される3次元座標を処理するシステムとすることもできる。この場合の学習手段は、3次元座標を構成する成分ごとに変動モデルを生成し、予測手段は、3次元座標を構成する成分ごとに予測座標変動を算出する。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、変動モデルと対象斜面の計測座標変動データに基づいて算出した予測座標変動の確度を求めるシステムとすることもできる。
本願発明の斜面安定度判定支援システムには、次のような効果がある。
(1)GNSSの観測結果に基づいて対象斜面の今後の変動を算出することから、担当者の主観に頼ることなく客観的に予測することができ、またAIによって予測することから、担当者による誤判断(ヒューマンエラー)を排除することができ適切な結果を得ることが期待できる。
(2)また、AIを利用した計算であるため極めて短時間で予測することができ、その結果、迅速に通行規制等の措置を取ることができる。
(3)斜面の性状を考慮したうえで今後の変動を予測することから、その斜面に適したより現実的な結果を得ることが期待できる。
第1の実施形態における本願発明の斜面安定度判定支援システムの主な構成を示すブロック図。 (a)は過去の一定期間に観測された観測座標の時間変化を示すグラフ図、(b)は直近の観測期間に観測された観測座標の時間変化を示すグラフ図、(c)は今後予測される観測座標の時間変化を示すグラフ図。 学習用斜面データセットを説明するモデル図。 第3の実施形態における入力用斜面データセットを説明するモデル図。 斜面ごとに用意される学習用斜面データセットを説明するモデル図。 入力用斜面データセットを説明するモデル図。 (a)は3次元座標の3成分のうち南北方向の変動を示すグラフ図、(b)は3次元座標の3成分のうち東西方向の変動を示すグラフ図、(c)は3次元座標の3成分のうち鉛直方向の変動を示すグラフ図。 第2の実施形態における本願発明の斜面安定度判定支援システムの主な構成を示すブロック図。 1の斜面分類に対して複数の変動テンプレートが関連付けられて記憶されることを説明するモデル図。 観測座標変動と抽出した変動テンプレート、予測座標変動の関係を示すグラフ図。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、斜面の安定度判定を支援するものであり、より具体的には、判定しようとする対象の斜面(以下、「対象斜面」という。)に設置した観測点をGNSSによって測位し、その結果得られる座標(以下、「観測座標」という。)に基づいて当該対象斜面における今後の変動を算出するシステムである。なお、本願発明の斜面安定度判定支援システムは、斜面分類(後述する斜面性状に応じて設定される分類)にかかわらず推定する形態と、斜面分類ごとに推定する形態に大別することができる。そこで、これらを実施形態1~2としたうえで以下順に説明する。
1.第1の実施形態
本願発明の斜面安定度判定支援システムの第1の実施形態を、図に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態における本願発明の斜面安定度判定支援システム100の主な構成を示すブロック図である。また図2は、GNSSによる観測座標の時間変化(以下、時間変化のことを「変動」という。)を表すグラフ図であり、(a)は過去の一定期間に観測された観測座標の変動(以下、「実績座標変動」という。)を示すグラフ図、(b)は直近の観測期間に観測された観測座標の変動(以下、「観測座標変動」という。)を示すグラフ図、(c)は今後予測される観測座標の変動(以下、「予測座標変動」という。)を示すグラフ図である。
斜面安定度判定支援システム100は、図1に示すように学習手段111と予測手段121を備えたものであり、さらに学習用斜面データセット記憶手段112や、変動モデル記憶手段113、入力用斜面データセット記憶手段122、ディスプレイやプリンタといった出力手段131などを備えたものとすることもできる。そして、この斜面安定度判定支援システム100は、図2(a)に示す実績座標変動を含むデータを機械学習による学習を行い、図2(b)に示す観測座標変動を含むデータに基づいて、図2(c)に示す予測座標変動を算出するものであり、この予測座標変動が対象斜面の安定度の評価に寄与するわけである。以下、斜面安定度判定支援システム100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
(学習用斜面データセット記憶手段)
図1に示す学習用斜面データセット記憶手段112は、多数の学習用斜面データセット200を記憶する手段であり、この学習用斜面データセット200は、図3に示すように実績座標変動201と斜面性状データ202の組み合わせからなるものである。このうち実績座標変動201は、既述したとおり過去の一定期間(例えば、数ヶ月間~数年間)に観測された観測座標の変動(図2(a))の記録であり、一方の斜面性状データ202は、少なくとも地質情報と地形情報を含むものでその斜面の性状を表すものである。なお、ここでいう地質情報とは、当該斜面を構成する地質を示す情報であり、地形情報とは、数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)や数値表層モデル(DSM:Digital Surface Model)、等高線、あるいは横断図や縦断図などによって当該斜面の形状を表す情報である。斜面性状データ202は、地質情報と地形情報のほか、盛土や切土、構造物の有無といった当該斜面の構造を示す構造情報などを含むものとすることもできる。学習用斜面データセット200は、図4に示すように実績座標変動201と斜面性状データ202に加え斜面分類データ203の組み合わせからなるものとすることもできる。ここで斜面分類とは、斜面性状に応じて分けられる区分のことであり、具体的には地質情報と地形情報(あるいは、これに加えて構造情報)の傾向が近似しているものをグループ化するための分類(クラス)である。なおこの斜面分類は、専門技術者等が斜面性状データ202に基づいて判断することで付与することができる。
学習用斜面データセット200は、斜面ごとに用意される。すなわち、斜面ごとに一定期間観測を行うことで実績座標変動201を取得し、地質情報と地形情報などを入手することで斜面性状データ202を作成して、当該斜面の学習用斜面データセット200を用意する。例えば図5では、斜面Aのものとして学習用斜面データセット200aが用意され、また斜面Bのものとして学習用斜面データセット200bが、・・・斜面Zのものとして学習用斜面データセット200zがそれぞれ用意されている。そしてこれらの学習用斜面データセット200zは、学習用斜面データセット記憶手段112によって記憶される。なお学習用斜面データセット200は、後述する学習手段111が機械学習(例えば、ディープラーニング等)を行うにあたって利用されるものであるから、その数はできる限り多いほうがよい。
(学習手段)
図1に示す学習手段111は、学習用斜面データセット200を学習する手段であり、多数の学習用斜面データセット200をもとに変動モデルを生成する手段である。より具体的には、多数の学習用斜面データセット200を学習(例えば、ディープラーニング等)することによって、実績座標変動201と斜面性状データ202をパラメータとして予測座標変動(図2(c))を算出するためのモデル(以下、「変動モデル」という。)を生成する。ここで生成された変動モデルは、図1に示すように変動モデル記憶手段113に記憶される。
(予測手段)
図1に示す予測手段121は、入力用斜面データセットに基づいて対象斜面の予測座標変動を算出する手段である。この入力用斜面データセット300は、図6に示すように観測座標変動301と斜面性状データ202の組み合わせからなるものであり、このうち観測座標変動301は、既述したとおり直近の観測期間(例えば、数日~数ヶ月)に観測された観測座標の変動(図2(b))の記録である。なお、当然ながら観測座標変動301と斜面性状データ202は対象斜面のものである。学習用斜面データセット200が斜面分類データ203を含む場合は、入力用斜面データセット300も観測座標変動301と斜面性状データ202に加え斜面分類データ203の組み合わせからなるものとするとよい。入力用斜面データセット300は、図1に示す入力用斜面データセット記憶手段122に記憶される。
図1に示すように予測手段121は、入力用斜面データセット記憶手段122から入力用斜面データセット300を読み出すとともに、変動モデル記憶手段113から変動モデルを読み出し、そしてこの変動モデルと入力用斜面データセット300に基づいて、今後の予測期間における座標変動である予測座標変動(図2(c))を新たに算出する。
(予測座標変動の種類)
通常、GNSSによって得られる観測座標は3次元座標であり、図7に示すように3次元座標を構成する成分ごとに座標変動を求めることが多い。例えば図7(a)では3成分のうち南北方向の変動を示しており、また図7(b)では東西方向の変動を、図7(c)では鉛直方向の変動をそれぞれ示している。したがって斜面安定度判定支援システム100においても、学習手段111が座標成分ごと(例えば、X軸,Y軸,Z軸ごと)に変動モデルを生成するとともに、予測手段121が座標成分ごとに予測座標変動を算出する仕様とすることができる。あるいは、斜面性状データ202と座標成分ごとの座標変動をすべて合わせて多次元のテンソルとして扱い、学習手段111が1の観測点に対して1の変動モデルを生成するとともに、予測手段121が1の観測点に対して1の予測座標変動を算出する仕様とすることもできる。
また、一般的には1の斜面に対して複数の観測点が設置される。そこで、斜面安定度判定支援システム100の学習手段111が観測点ごとに変動モデルを生成するとともに、予測手段121が観測点ごとに予測座標変動を算出する仕様としてもよい。先に学習用斜面データセット200は斜面ごとに用意されると説明したが、この場合は1の斜面に対して複数の(つまり、その斜面に設置された観測点の数だけ)学習用斜面データセット200が用意される。なお、1の斜面に対して複数の観測点が設置される場合であっても、斜面性状データ202と複数の観測点の座標変動をすべて合わせて多次元のテンソルとして扱い、学習手段111が1の斜面に対して1の変動モデルを生成するとともに、予測手段121が1の斜面に対して1の予測座標変動を算出する仕様としてもよい。
(予測座標変動の確度)
斜面安定度判定支援システム100は、予測手段121が算出した予測座標変動の確度(ロバスト性)を求めるものとすることもできる。この場合、入力用斜面データセット300と、変動モデル記憶手段113から読出した変動モデル、算出した予測座標変動との関係に基づいて、予測座標変動の確度を求めることができる。
2.第2の実施形態
本願発明の観測システムの実施形態の第2の例を、図8~10に基づいて説明する。なお、第1の実施形態で説明した内容と重複する説明は避け、第2の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
(学習手段)
図8は、第2の実施形態における斜面安定度判定支援システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本実施形態の学習手段111は、斜面性状データと斜面分類の関係を表す「斜面分類相関モデル」を生成する。具体的には、多数の学習用斜面データセット200を学習することによって、斜面性状データ202をパラメータとして斜面分類を求めるためのモデルである「斜面分類相関モデル」を生成する。ここで生成された斜面分類相関モデルは、斜面分類相関モデル記憶手段114に記憶される。
また学習手段111は、図8に示すように変動テンプレートを生成する。具体的には、データマイニングの手法(例えば、クラスター分析など)を用いて多数の学習用斜面データセット200を解析することによって、斜面分類ごとに実績座標変動データの傾向が近似しているものをグループ化し、そのグループ(以下、「座標変動グループ」という。)を代表する座標変動データである「変動テンプレート」をデータマイニング手法、統計的手法(例えば、回帰分析など)やシミュレーションなどによって生成する。なお、同じ斜面分類であってもその斜面の挙動は多種多様であることから、通常は1の斜面分類に対して多数の座標変動グループ(すなわち、変動テンプレート)が生成される。ここで生成された変動テンプレートは、図9に示すように斜面分類と関連付けられたうえで変動テンプレート記憶手段115に記憶される。
(予測手段)
図8に示す予測手段121は、入力用斜面データセットに基づいて対象斜面の予測座標変動を算出する手段である。より具体的には、入力用斜面データセット記憶手段122から入力用斜面データセット300を読み出すとともに、斜面分類相関モデル記憶手段114から斜面分類相関モデルを読み出し、入力用斜面データセット300と斜面分類相関モデル記憶手段114に基づいて対象斜面に対して適当な斜面分類を付与する。そして、その斜面分類に関連付けられた変動テンプレート(図9)の中から、入力用斜面データセット300の観測座標変動301を参照しつつ適当な変動テンプレートを抽出し、その変動テンプレートに基づいて予測座標変動を算出する。このとき予測手段121は、入力用斜面データセット300と抽出した変動テンプレートとの関係に応じて、抽出した変動テンプレートを加工することで、あるいはそのまま用いることで予測座標変動を算出する。図10は、観測座標変動301と抽出した変動テンプレート、そして予測座標変動(この場合は変動テンプレートをそのまま用いている)の関係を示すグラフ図である。
本願発明の斜面安定度判定支援システムは、自然斜面や、切土のり面、盛土のり面のほか、ダムやビルなどの大規模構造物、埋立地や軟弱地盤地の変動を予測する際にも利用することができる。本願発明が、的確な通行規制判断に寄与し、すなわち道路利用者の安全を図りつつ適切な道路利用サービスを提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく、社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 斜面安定度判定支援システム
111 (斜面安定度判定支援システムの)学習手段
112 (斜面安定度判定支援システムの)学習用斜面データセット記憶手段
113 (斜面安定度判定支援システムの)変動モデル記憶手段
114 (斜面安定度判定支援システムの)斜面分類相関モデル記憶手段
115 変動テンプレート記憶手段
121 (斜面安定度判定支援システムの)予測手段
122 (斜面安定度判定支援システムの)入力用斜面データセット記憶手段
131 (斜面安定度判定支援システムの)出力手段
200 学習用斜面データセット
201 実績座標変動
202 斜面性状データ
203 斜面分類データ
300 入力用斜面データセット
301 観測座標変動

Claims (5)

  1. 対象斜面上に設置された観測点を測位衛星によって測位した座標に基づいて、該対象斜面の今後の座標の変化である「予測座標変動」を算出するシステムであって
    多数の斜面の「学習用斜面データセット」を機械学習することによって、前記予測座標変動を算出するための「変動モデル」を生成する学習手段と、
    入力された「入力用斜面データセット」と、前記変動モデルと、に基づいて、前記対象斜面の前記予測座標変動を予測する予測手段と、を備え、
    斜面ごとに用意される前記学習用斜面データセットは、地質情報と地形情報を含む「斜面性状データ」と、一定期間に観測された観測点の座標変化である「実績座標変動データ」と、からなり、
    前記入力用斜面データセットは、前記対象斜面の前記斜面性状データと、観測期間に観測された該対象斜面上の前記観測点の座標変化である「観測座標変動データ」と、からなり、
    前記学習手段は、前記学習用斜面データセットに含まれる前記斜面性状データ、及び前記実績座標変動データを機械学習することによって前記変動モデルを生成し
    前記予測手段は、前記入力用斜面データセットに含まれる前記斜面性状データ、及び前記観測座標変動データに基づいて前記予測座標変動を予測する、
    ことを特徴とする予測座標変動算出システム
  2. 前記学習用斜面データセットが、前記斜面性状データに応じて設定される斜面分類データをさらに含み、
    前記入力用斜面データセットが、前記斜面分類データをさらに含み
    前記学習手段は、前記学習用斜面データセットに含まれる前記斜面性状データ、前記実績座標変動データ、及び前記斜面分類データを機械学習することによって前記変動モデルを生成し
    前記予測手段は、前記入力用斜面データセットに含まれる前記斜面性状データ、前記観測座標変動データ、及び前記斜面分類データに基づいて前記予測座標変動を予測する、
    ことを特徴とする請求項1記載の予測座標変動算出システム
  3. 測位衛星によって測位される座標は、3成分からなる3次元座標であり、
    前記学習手段は、3次元座標を構成する成分ごとに前記変動モデルを生成し、
    前記予測手段は、3次元座標を構成する成分ごとに前記予測座標変動を算出する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の予測座標変動算出システム
  4. 対象斜面上に設置された観測点を測位衛星によって測位した座標に基づいて、該対象斜面の今後の座標の変化である「予測座標変動」を算出するシステムであって、
    多数の斜面の「学習用斜面データセット」を機械学習することによって「斜面性状データ」と「斜面分類」の関係を表す「斜面分類相関モデル」を生成するとともに、「変動テンプレート」を生成する学習手段と、
    入力された「入力用斜面データセット」と、前記斜面分類相関モデルと、前記変動テンプレートと、に基づいて、前記対象斜面の前記予測座標変動を予測する予測手段と、を備え、
    斜面ごとに用意される前記学習用斜面データセットは、地質情報と地形情報を含む前記斜面性状データと、一定期間に観測された観測点の座標変化である「実績座標変動データ」と、からなり、
    前記入力用斜面データセットは、前記対象斜面の前記斜面性状データと、観測期間に観測された該対象斜面上の前記観測点の座標変化である「観測座標変動データ」と、からなり、
    前記学習手段は、前記学習用斜面データセットに含まれる前記斜面性状データを機械学習することによって前記斜面分類相関モデルを生成し
    また前記学習手段は、前記学習用斜面データセットを解析することによって、前記斜面分類ごとに前記実績座標変動データの傾向が近似している複数種類の「座標変動グループ」を設定するとともに該座標変動グループを代表する座標変動データである前記変動テンプレートを生成し、
    前記予測手段は、前記入力用斜面データセットの前記斜面性状データと前記斜面分類相関モデルに基づいて前記対象斜面をいずれかの前記斜面分類に分類するとともに、分類された該斜面分類に係る複数の前記変動テンプレートの中から前記観測座標変動データに基づいて変動テンプレートを抽出し、抽出された該変動テンプレート及び該観測座標変動データに基づいて該対象斜面の前記予測座標変動を算出する、
    ことを特徴とする予測座標変動算出システム
  5. 測位衛星によって測位される座標は、3成分からなる3次元座標であり、
    前記学習手段は、3次元座標を構成する成分ごとに前記斜面分類相関モデル、及び前記変動テンプレートを生成し、
    前記予測手段は、3次元座標を構成する成分ごとに前記予測座標変動を算出する、
    ことを特徴とする請求項4記載の予測座標変動算出システム
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