<概要>
本開示の実施形態に係る軸出し装置の概要について説明する。なお、本開示において符号に付されるL及びRは、それぞれ左用及び右用を示すものである。また、本開示における同一、平行、垂直、等は、それぞれ略同一、略平行、略垂直、等の状態を含む。また、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。
なお、本開示の技術においては、軸出し装置を例に挙げて説明するが、本開示の技術の少なくとも一部は、軸出し装置に適用される場合に限定されない。例えば、本開示の技術の少なくとも一部は、眼鏡レンズがレンズ保持手段によって保持される前の工程においてレンズを加工するために用いられるレンズ加工用装置において適用可能である。
例えば、軸出し装置としては、眼鏡レンズを載置するためのレンズ支持手段(例えば、レンズ支持機構10)と、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段(例えば、レンズ保持ユニット100)の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段であって、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズの軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段と、を備える軸出し装置であってもよい。また、例えば、軸出し装置としては、レンズ保持手段に眼鏡レンズを保持するためのカップを、軸出し位置設定手段によって設定された軸出し位置に基づいて眼鏡レンズに取り付けるカップ取付手段であって、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズの表面にカップを取り付けるためのカップ取付手段(例えば、カップ取付機構30)を備えるカップ取付装置(例えば、カップ取付装置1)であってもよい。
例えば、軸出し装置は、軸出し位置設定手段(例えば、レンズ情報測定機構40)を備える。軸出し位置設定手段は、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する。例えば、軸出し位置は、眼鏡レンズの光学中心位置、幾何学中心位置、等の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、軸出し装置は、屈折率取得手段(例えば、制御部70)を備える。屈折率取得手段は、眼鏡レンズの屈折率を取得する。例えば、屈折率取得手段は、軸出し装置とは異なる別の装置が測定した眼鏡レンズの屈折率を取得してもよい。この場合には、操作者が操作手段(例えば、入力ボタン3)を操作することによって、眼鏡レンズの屈折率を入力する構成であってもよい。また、例えば、屈折率取得手段は、眼鏡レンズの屈折率を測定するための屈折率測定手段を備えていてもよい。この場合には、屈折率測定手段が眼鏡レンズの屈折率を測定することによって、眼鏡レンズの屈折率が取得される。
例えば、軸出し装置は、玉型形状取得手段(例えば、フレーム形状測定機構20)を備えていてもよい。玉型形状取得手段は、眼鏡レンズにおける玉型形状を取得する。例えば、眼鏡レンズの玉型形状としては、眼鏡フレームの内周形状、デモレンズの外周形状、等の少なくともいずれかであってもよい。
<画像データ取得手段>
例えば、軸出し装置は、画像データ取得手段(例えば、画像データ取得機構60)を備える。画像データ取得手段は、眼鏡レンズの前面における前面像データと、眼鏡レンズの後面における後面像データと、を含む断面画像データを取得する。例えば、本実施形態において、画像データ取得手段は、眼鏡レンズの玉型形状に基づいた断面画像データを取得してもよい。この場合、断面画像データは、眼鏡レンズの玉型形状の全周(各動径角において玉型が形成されるすべての部分)のうち、少なくとも一部の領域において取得されてもよい。この場合、断面画像データは、眼鏡レンズの玉型形状の全周において取得されるようにしてもよい。また、この場合、断面画像データは、眼鏡レンズの玉型形状の全周において、複数の領域(例えば、所定の動径角毎の点、等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、断面画像データは、眼鏡レンズの玉型形状の全周において、一部分の領域で取得されるようにしてもよい。なお、例えば、断面画像データは、画像(画像データ)であってもよい。また、例えば、断面画像データは、信号(信号データ)であってもよい。
<投光光学系>
例えば、画像データ取得手段は、投光光学系(例えば、投光光学系64)を備える。投光光学系は、眼鏡レンズの前面または後面に向けて測定光束を投光する。例えば、投光光学系は、測定光束を眼鏡レンズのレンズ面に対して垂直に照射してもよい。この場合には、測定光束を眼鏡レンズのレンズ面で乱反射させてもよい。また、例えば、投光光学系は、測定光束を眼鏡レンズのレンズ面に対して所定の傾斜角度で照射してもよい。
例えば、投光光学系は、光源(例えば、光源65)を備えていてもよい。光源は、眼鏡レンズに向けて点状の測定光束を照射する構成であってもよい。この場合、光源としては点光源を用いてもよい。点光源は、1つを配置して1点の測定光束を照射する構成であってもよい。点光源は、複数を並べて配置することによって幅を有する測定光束を照射する構成であってもよい。また、光源は、眼鏡レンズに向けてスリット状の測定光束を照射する構成であってもよい。例えば、この場合には、光源から眼鏡レンズのレンズ面(すなわち、眼鏡レンズの前面または後面)までの間の光路に、スリット板とレンズとを設けてもよい。これによっても、眼鏡レンズに向けて幅を有する測定光束を照射することができる。
例えば、投光光学系は、光学部材を有してもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。この場合には、例えば、光源から出射した測定光束が、各光学部材を介して眼鏡レンズのレンズ面に向けて照射されるようにしてもよい。もちろん、光学部材としては、上記の光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
<受光光学系>
例えば、画像データ取得手段は、受光光学系(例えば、受光光学系66)を備える。受光光学系は、受光素子(例えば、撮像素子69)を備えていてもよい。受光光学系は、測定光束が眼鏡レンズの前面で反射された第1反射光束と、測定光束が眼鏡レンズの後面で反射された第2反射光束と、を受光素子によって受光する。例えば、受光光学系は、眼鏡レンズのレンズ面にて反射される反射光束(例えば、正反射光、散乱光、等)を受光素子によって受光するようにしてもよい。
例えば、本実施形態においては、画像データ取得手段が、第1反射光束により形成された前面像データと、第2反射光束により形成された後面像データと、を含む断面画像データ(例えば、断面画像データ75)を取得する。例えば、これによって、画像データ取得手段は、測定光束により非接触で断面画像データを取得することができる。従って、操作者は、眼鏡レンズのコバ情報を効率的に取得することができる。また、これによって、画像データ取得手段は、断面画像データを容易な構成で取得することができる。
例えば、受光光学系は、光学部材を有してもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。この場合には、眼鏡レンズのレンズ面により反射された反射光束が、各光学部材を介して受光素子に受光されるようにしてもよい。もちろん、光学部材としては、上記の光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
<コバ情報取得手段>
例えば、軸出し装置は、コバ情報取得手段(例えば、制御部70)を備える。コバ情報取得手段は、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得する。例えば、コバ情報は、眼鏡レンズの前面位置、眼鏡レンズの後面位値、眼鏡レンズのコバ厚、等の少なくともいずれかであってもよい。また、例えば、コバ情報は、眼鏡レンズの前面カーブ値、眼鏡レンズの後面カーブ値、の少なくともいずれかであってもよい。これによって、従来はレンズ周縁加工装置を用いて取得していたコバ情報を、軸出し装置を用いて取得することができるようになる。従って、レンズ周縁加工装置の使用時間が短くなり、眼鏡の作製にかかる時間を相対的に短縮することができる。
例えば、コバ情報取得手段は、コバ測定手段を有していてもよい。コバ測定手段は、眼鏡レンズのコバ情報を取得するために用いられる。例えば、本実施形態では、画像データ取得手段が備える測定光学系(例えば、測定光学系61)が、コバ測定手段を兼ねる。また、例えば、本実施形態では、コバ測定手段が、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズのコバ情報を取得する。なお、コバ測定手段は、眼鏡レンズのコバ情報を非接触式で取得する構成であってもよい。もちろん、コバ測定手段は、眼鏡レンズのコバ情報を接触式で取得する構成であってもよい。この場合には、眼鏡レンズに測定子等を接触させることで、コバ情報を取得してもよい。例えば、コバ情報取得手段は、コバ測定手段を制御することによって眼鏡レンズを測定し、コバ情報を取得する。これによって、軸出し装置を用いて眼鏡レンズのコバ情報を測定することが可能となり、レンズ周縁加工装置の使用時間を短くすることができる。
例えば、コバ情報取得手段は、眼鏡レンズの玉型形状に基づいて、コバ測定手段を制御して、コバ情報を取得するようにしてもよい。これによって、眼鏡レンズの玉型形状に基づいた位置(例えば、玉型形状と一致する位置、各動径角におけるヤゲンの位置、各動径角における面取りの位置、等の少なくともいずれか)のコバ情報が取得される。すなわち、眼鏡レンズの玉型形状の周縁と周辺の少なくともいずれかのコバ情報が取得される。なお、例えば、眼鏡レンズの玉型形状に基づいた位置として、眼鏡レンズの玉型形状の全周における複数の領域(例えば、所定の動径角毎の点、等)のコバ情報を取得した場合には、周辺の動径角におけるコバ情報を用いて補間することで、その位置のコバ情報を取得するようにしてもよい。
例えば、コバ情報取得手段は、眼鏡レンズの屈折率及び断面画像データに基づいて、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得してもよい。これによって、眼鏡レンズがもつ屈折率により変化した断面画像データを用いて、眼鏡レンズのコバ情報を効率よく取得することができる。なお、コバ情報取得手段は、眼鏡レンズの屈折率及び断面画像データに基づいて、眼鏡レンズのコバ情報を補正するようにしてもよい。この場合、コバ情報取得手段は、屈折率に基づいて断面画像データを補正し、補正した断面画像データに基づいて、コバ情報を取得する構成であってもよい。また、この場合、コバ情報取得手段は、断面画像データに基づいて取得したコバ情報を屈折率に基づいて補正することで、コバ情報を取得する構成であってもよい。
<仕上げ加工位置設定手段>
例えば、軸出し装置は、仕上げ加工位置設定手段(例えば、制御部70)を備える。仕上げ加工位置設定手段は、眼鏡レンズのコバ情報に基づいて、コバの仕上げ加工位置を設定する。例えば、コバの仕上げ加工位置とは、眼鏡レンズのコバに形成するヤゲンの位置、溝の位置、面取りの位置、等の少なくともいずれかであってもよい。これによって、従来はレンズ周縁加工装置を用いて設定していた仕上げ加工位置を、軸出し装置を用いて設定することができる。従って、レンズ周縁加工装置の使用時間が短くなるとともに、レンズ周縁加工装置の待ち時間が緩和され、眼鏡の作製にかかる時間をさらに短縮することができる。
例えば、仕上げ加工位置設定手段は、コバ情報に基づいた仕上げ加工位置を表示手段(例えば、ディスプレイ2)に表示する。例えば、仕上げ加工位置設定手段は、コバ情報に基づいて、コバの仕上げ加工位置を自動で設定する構成であってもよい。また、例えば、仕上げ加工位置設定手段は、操作者によって、コバの仕上げ加工位置を手動で設定する構成であってもよい。この場合、仕上げ加工位置設定手段は、表示手段上で仕上げ加工位置を調整するための操作手段からの操作信号に基づいて、仕上げ加工位置を設定する。これによって、操作者は、眼鏡レンズに形成される仕上げ加工位置を把握しやすくなる。また、操作者は、眼鏡レンズに形成される仕上げ加工位置を調整しやすくなる。
なお、仕上げ加工位置設定手段は、左眼鏡レンズのコバ情報に基づいた仕上げ加工位置と、右眼鏡レンズのコバ情報に基づいた仕上げ加工位置と、を表示手段に比較可能に表示してもよい。また、仕上げ加工位置設定手段は、操作手段からの操作信号に基づいて、左眼鏡レンズと右眼鏡レンズとの少なくとも一方の仕上げ加工位置を設定するようにしてもよい。例えば、この場合には、表示手段に操作手段が設けられた構成であってもよい。また、例えば、この場合には、表示手段と操作手段とが別々に設けられた構成であってもよい。これによって、操作者は、左眼鏡レンズ及び右眼鏡レンズにおける仕上げ加工位置のバランスを把握しやすくなる。また、操作者は、仕上げ加工位置のバランスを考慮して、左眼鏡レンズ及び右眼鏡レンズに対して設定された仕上げ加工位置をそれぞれ調整することができる。従って、操作者は、見栄えのよい眼鏡を作製しやすくなる。
なお、本実施形態においては、眼鏡レンズを載置するためのレンズ支持手段と、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段(例えば、レンズ保持ユニット100)の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段であって、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズの軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段と、を備える軸出し装置を、レンズ形状測定装置として用いるようにしてもよい。また、本実施形態においては、レンズ保持手段に眼鏡レンズを保持するためのカップを、軸出し位置設定手段によって設定された軸出し位置に基づいて、眼鏡レンズに取り付けるカップ取付手段であって、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズの表面にカップを取り付けるためのカップ取付手段を備えるカップ取付装置を、レンズ形状測定装置として用いるようにしてもよい。また、本実施形態においては、レンズ保持手段により保持された眼鏡レンズの周縁を加工するための加工具(例えば、加工ユニット300)を備えるレンズ周縁加工装置(例えば、レンズ周縁加工装置90)を、レンズ形状測定装置として用いるようにしてもよい。例えば、これらの軸出し装置、カップ取付装置、及びレンズ周縁加工装置、の少なくともいずれかにおいて、眼鏡レンズのコバ情報を非接触式で取得することによって、操作者は眼鏡レンズのコバ情報を効率的に取得することができるようになる。
なお、本実施形態においては、上記のような軸出し装置(またはカップ取付装置)を用いて、眼鏡レンズを加工するための眼鏡レンズ加工システムを構築してもよい。例えば、この場合には、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段(例えば、レンズ保持ユニット100)の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段を備える軸出し装置と、加工具と、眼鏡レンズを保持するレンズ保持手段と、眼鏡レンズの周縁を加工するための加工制御データを取得する加工制御データ取得手段(例えば、制御部95)と、を有し、加工制御データ取得手段によって取得された加工制御データに基づいて、加工具を制御してレンズ保持手段に保持された眼鏡レンズを加工するレンズ周縁加工装置と、を用いた眼鏡レンズ加工システムが構築されてもよい。
また、例えば、この場合には、眼鏡レンズの表面にカップを取り付けるカップ取付手段を有するカップ取付装置と、加工具と、カップが取り付けられた眼鏡レンズを保持するレンズ保持手段と、眼鏡レンズの周縁を加工するための加工制御データを取得する加工制御データ取得手段と、を有し、加工制御データ取得手段によって取得された加工制御データに基づいて、加工具を制御して保持手段に保持された眼鏡レンズを加工するレンズ周縁加工装置と、を用いた眼鏡レンズ加工システムが構築されてもよい。なお、このような眼鏡レンズ加工システムでは、カップ取付装置において、眼鏡レンズの第1コバ情報が取得されてもよい。また、このような眼鏡レンズ加工システムでは、眼鏡レンズの第1コバ情報に基づいて、コバの仕上げ加工位置が設定されてもよい。また、このような眼鏡レンズ加工システムでは、レンズ周縁加工装置において、眼鏡レンズの少なくとも1つの動径角における第2コバ情報が取得されてもよい。例えば、第2コバ情報としては、眼鏡レンズの1点のコバ情報が取得されてもよい。また、例えば、第2コバ情報としては、眼鏡レンズの複数の点のコバ情報が取得されてもよい。なお、第2コバ情報として複数の点のコバ情報を取得する場合には、眼鏡レンズがレンズ保持手段によって保持されたことで生じる眼鏡レンズの変形や傾き等の少なくともいずれかを予測するようにしてもよい。これによって、加工制御データ取得手段は、第1コバ情報と、第2コバ情報と、仕上げ加工位置と、に基づいて、加工制御データを取得するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上記のような軸出し装置(またはカップ取付装置)を用いて、眼鏡レンズの周縁を加工するための眼鏡レンズ加工方法を実施してもよい。例えば、この場合には、眼鏡レンズの第1コバ情報を取得する第1コバ情報取得ステップと、眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定ステップと、第1コバ情報取得ステップと軸出し位置設定ステップとが実施された後、設定された軸出し位置に基づいて、眼鏡レンズをレンズ周縁加工装置のレンズ保持手段に保持する保持ステップと、第1コバ情報取得ステップと軸出し位置設定ステップとが実施された後、第1コバ情報に基づいて加工制御データを取得する加工制御データ取得ステップと、加工制御データに基づいて、加工具を制御してレンズ保持手段に保持された眼鏡レンズを加工する加工ステップと、を行う方法が実施されてもよい。
また、例えば、この場合には、眼鏡レンズの第1コバ情報を取得する第1コバ情報取得ステップと、眼鏡レンズにカップを取り付けるカップ取付ステップと、第1コバ情報取得ステップとカップ取付ステップとが実施された後、カップが取り付けられた眼鏡レンズをレンズ周縁加工装置のレンズ保持手段に保持する保持ステップと、第1コバ情報取得ステップとカップ取付ステップとが実施された後、第1コバ情報に基づいて加工制御データを取得する加工制御データ取得ステップと、加工制御データに基づいて、加工具を制御してレンズ保持手段に保持された眼鏡レンズを加工する加工ステップと、を行う方法が実施されてもよい。
なお、このような眼鏡レンズ加工方法においては、眼鏡レンズの第1コバ情報に基づいて、コバの仕上げ加工位置を設定する仕上げ加工位置設定ステップが行われてもよい。この場合、保持ステップは、加工位置設定ステップとカップ取付ステップとが実施された後、カップが取り付けられた眼鏡レンズをレンズ周縁加工装置のレンズ保持手段に保持し、加工制御データ取得ステップは、加工位置設定ステップとカップ取付ステップとが実施された後、仕上げ加工位置に基づいて加工制御データを取得してもよい。
また、このような眼鏡レンズ加工方法においては、保持ステップが実施された後、眼鏡レンズの少なくとも1つの動径角における第2コバ情報を取得する第2コバ情報取得ステップが行われてもよい。この場合、加工制御データ取得ステップは、第1コバ情報と、第2コバ情報と、仕上げ加工位置と、に基づいて、加工制御データを取得してもよい。
なお、本開示の技術は、軸出し装置の他、眼鏡レンズを加工するためのレンズ加工用装置において適用されてもよい。この場合、眼鏡レンズを加工するためのレンズ周縁加工装置とは異なるレンズ加工用装置であって、眼鏡レンズがレンズ周縁加工装置に設けられたレンズ保持手段に保持される前の加工工程を実施するためのレンズ加工用装置において、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得するコバ情報取得手段を備えていてもよい。例えば、このようなレンズ加工用装置は、レンズメータであってもよい。また、このようなレンズ加工用装置は、眼鏡枠形状測定装置であってもよい。
<実施例>
本開示の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、軸出し装置として、レンズチャック軸が装着されるカップCuをレンズLEに取付けるカップ取付装置を例示する。しかし、本実施例で例示する技術の少なくとも一部は、カップ取付装置以外の装置にも適用できる。例えば、軸出し装置としては、設定された軸出し位置において、カップCuを介さずにレンズチャック軸にてレンズLEを保持する装置等にも、本実施例で例示する技術の少なくとも一部を適用できる。
なお、本実施例において、上記の軸出し装置を例に挙げて説明するが、本実施例で例示した技術の少なくとも一部は、軸出し装置に適用される場合に限定されない。例えば、本実施例で例示した技術の少なくとも一部は、レンズがレンズ保持手段によって保持される前の工程において、レンズを加工するために用いられるレンズ加工用装置において適用可能である。この場合、眼鏡レンズを加工するためのレンズ周縁加工装置とは異なるレンズ加工用装置であって、眼鏡レンズがレンズ周縁加工装置に設けられたレンズ保持手段に保持される前の加工工程を実施するためのレンズ加工用装置において、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得するコバ情報取得手段を備えていてもよい。例えば、このようなレンズ加工用装置としては、レンズメータであってもよい。また、このようなレンズ加工用装置としては、眼鏡枠形状測定装置であってもよい。もちろん、レンズ加工用装置において、仕上げ加工位置が設定される仕上げ加工位置設定手段が設けられるようにしてもよい。
図1はカップ取付装置1の外観図である。カップ取付装置1は、ディスプレイ(モニタ)2、入力ボタン3、レンズ支持機構10、フレーム形状測定機構20、カップ取付機構30、レンズ情報測定機構40、画像データ取得機構60、等を備える。例えば、ディスプレイ2は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、等の少なくともいずれかであってもよい。例えば、ディスプレイ2はタッチパネルである。すなわち、ディスプレイ2は、カップ取付装置1に各種の処理を実行させる信号やパラメータ等を入力するための操作部(入力ボタン3)と、各種の情報(例えば、入力したパラメータ、レンズLEの光学特性、レンズLEのコバ情報、等)を表示するための表示部と、を兼ねる。なお、ディスプレイ2と操作部とは、別に設けられた構成であってもよい。この場合には、マウス、ジョイスティック、キーボード、携帯端末、等の少なくともいずれかを操作部として用いてもよい。
<レンズ支持機構>
図2はレンズ支持機構10の概略構成図である。レンズ支持機構10は、レンズLEの表面(前面)を上方向にしてレンズLEを載置するために用いる。例えば、レンズ支持機構10は、円筒ベース11、リング部材12、保護カバー13、支持ピン14、回転軸15、アーム16、等を備える。円筒ベース11の上部には、リング部材12に取付けられた保護カバー13が設置されている。円筒ベース11の内部には、後述する視標板46等が配置されている。円筒ベース11の外周部には、回転軸15が配置されている。回転軸15の上端には、それぞれアーム16が取付けられている。アーム16の先端には、それぞれ支持ピン14が配置されている。なお、本実施例においては、支持ピン14が、光軸L1に対して等距離かつ等角度で配置される。支持ピン14は、レンズLEの裏面(後面)に当接することによってレンズを保持する。
例えば、回転軸15は、モータ等の回転を伝達する図示なき回転伝達機構を介して、中心軸K1を中心とした軸回りに回転する。例えば、回転軸15の回転に連動して、アーム16及び支持ピン14は、実線で示す退避位置から点線で示す支持位置に移動する。これによって、光軸L1から支持ピン14までの距離と、各支持ピン14の間隔と、を調節し、支持ピン14が支持可能な領域の大きさを変更することができる。
また、例えば、円筒ベース11は、モータ17及び図示なきギア機構等により構成される回転伝達機構を介して、光軸L1を中心とした軸回りに回転する。例えば、モータ17の回転が、図示なきギア機構により円筒ベース11に伝達される。例えば、円筒ベース11の回転に連動して、回転軸15と、回転軸15に取付けられたアーム16と、アーム16に配置された支持ピン14と、が一体的にリング部材12の周囲を移動する。これによって、支持ピン14に載置したレンズLEを回転させることができる。
<フレーム形状測定機構>
例えば、フレーム形状測定機構20は、眼鏡フレーム(以下、フレーム)の形状をトレースする際に用いる。これによって、フレームの内周形状(言い換えると、後述するレンズLEの玉型形状)等を取得することができる。なお、フレーム形状測定機構20の構成については、例えば特開2015-31847号公報を参照されたい。
<カップ取付機構>
図3はカップ取付機構30の概略構成図である。カップ取付機構30は、レンズLEの表面(前面)にカップCuを取付けるために用いる。すなわち、カップ取付機構30は、レンズLEの表面にカップCuを固定(軸打ち)するために用いる。なお、本実施例では、カップの固定位置をレンズLEの表面としたがこれに限定されない。カップの固定位置は、レンズの裏面(後面)であってもよい。
例えば、本実施例において、カップ取付機構30は、レンズLEの周縁を加工するためにレンズLEを挟み込んで保持するレンズ保持ユニット100(図11参照)の、レンズLEに対する取付け位置である軸出し位置を設定する。例えば、カップ取付機構30は、後述する装着部31に装着されたカップCuと、レンズ支持機構10によって支持されたレンズLEと、の位置とを相対的に変化させることで、レンズLEの表面における適切な位置にカップCuを取付ける。その結果、レンズLEにおける適切な位置(カップCuを取り付けた位置)を、レンズ周縁加工装置90のレンズチャック軸102L及び102R(図11参照)にて挟持することができる。なお、軸出し位置は、レンズLEの光学中心位置O(図6参照)に設定されてもよいし、幾何学中心位置に設定されてもよい。もちろん、上記と異なる位置が軸出し位置として設定されるようにしてもよい。例えば、本実施例では、軸出し位置としては、レンズLEの光学中心位置Oに設定される。
例えば、カップ取付機構30は、装着部31、アーム32、アーム保持ベース33、X方向移動機構35、Y方向移動機構36、Z方向移動機構37、等を備える。例えば、装着部31はアーム32に固定されている。例えば、装着部31は、カップCuに形成された凹凸部と嵌合する。例えば、アーム32は、装着部31の水平方向における回転角度を可変に保持するための図示なき回転伝達機構を備える。例えば、アーム32は、アーム保持ベース33に取付けられている。例えば、アーム保持ベース33は、モータ34を備える。例えば、モータ34の回転は、アーム32が備える図示なき回転伝達機構を介して、装着部31へと伝達される。すなわち、装着部31は、モータ34が回転することで、カップCuの中心軸K1の軸回りに回転する。これによって、カップCuの水平方向における回転角度を変更することが可能である。
例えば、X方向移動機構35は、カップ取付装置1の左右方向(X方向)に移動する。例えば、X方向移動機構35の上部には、Y方向移動機構36が設置される。例えば、Y方向移動機構36は、カップ取付装置1の上下方向(Y方向)に移動する。例えば、Y方向移動機構36の上部には、Z方向移動機構37が設置される。例えば、Z方向移動機構37は、カップ取付装置1の前後方向(Z方向)に移動する。例えば、Z方向移動機構37は、アーム32、アーム保持ベース33、及びモータ34を保持する。例えば、本実施例においては、X方向移動機構35が移動されることによって、Y方向移動機構36、Z方向移動機構37、アーム32等が、カップ取付装置1に対して左右方向に移動する。また、例えば、Z方向移動機構37が移動されることによって、アーム32等がカップ取付装置1に対して前後方向に移動する。これによって、アーム32に保持された装着部31が、レンズ支持機構10の上部まで移動する。さらに、例えば、Y方向移動機構36を移動させることによって、Z方向移動機構37及びアーム32等が、カップ取付装置1に対して上下方向に移動する。これによって、装着部31に装着されたカップCuは、支持ピン14上に載置されたレンズLEの前面に軸打ちされる。
<レンズ情報測定機構>
図4はカップ取付装置1が備えるレンズ情報測定機構40の概略構成図である。例えば、本実施例におけるレンズ情報測定機構40は、レンズの光学特性を取得するための測定光学系と、レンズの光学特性とは異なるレンズの情報(例えば、レンズの外形、レンズに付された印点、レンズに形成された隠しマーク、等)を取得するための測定光学系と、を兼ねている。なお、レンズの光学特性を取得するための測定光学系と、レンズの光学特性とは異なるレンズの情報を取得するための測定光学系と、はそれぞれが別に設けられた構成でもよい。
例えば、レンズ情報測定機構40は、照明光学系41、受光光学系45、撮像光学系48、等を備える。例えば、照明光学系41は、光源42、ハーフミラー43、凹面ミラー44、等を備える。例えば、光源42は測定光束をレンズに照射する。例えば、光源42はLED(Light Emitting Diode)であってもよい。例えば、光源42から出射された測定光束は、光軸L2上に配置されたハーフミラー43に反射されて、光軸L2に一致する。例えば、凹面ミラー44は、測定光束を光軸L1から光軸L2の方向へと反射するとともに、測定光束を光軸L1上に配置されたレンズLEよりも大きな径の平行光束(略平行光束)に整形する。なお、凹面ミラーに代えてレンズを用いることも可能であるが、装置を大型化させないために、凹面ミラーを用いると有利である。
例えば、受光光学系45は、視標板46、撮像素子47、等を備える。例えば、視標板46は、レンズLEの光学中心等を検出するために用いる。なお、視標板46についての詳細は後述する。例えば、撮像素子47は、光源42から照射されて、レンズLE及び視標板46を通過した測定光束を撮像する。例えば、撮像素子47は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、等であってもよい。なお、本実施例における受光光学系45は、視標板46と撮像素子47との間にレンズが配置された構成であってもよい。
例えば、撮像光学系48は、凹面ミラー44、絞り49、撮像レンズ50、撮像素子51、等を備える。例えば、撮像光学系48の撮像倍率は、撮像素子51によってレンズLEの全体が撮像される倍率となっている。例えば、撮像光学系48における凹面ミラー44は、照明光学系41における凹面ミラー44と共用される。例えば、絞り49は凹面ミラー44の焦点位置(略焦点位置)に配置される。例えば、絞り49は、光源42と共役(略共役)な位置関係である。例えば、撮像素子51は、光源42から照射され、後述する再帰性反射部材52により反射された反射光束を撮像する。例えば、撮像素子51は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、等であってもよい。例えば、撮像素子51のピント位置は、撮像レンズ50及び凹面ミラー44によって、レンズLEの表面付近に合わされている。これにより、レンズの表面に付された印点、レンズに形成された隠しマーク、等をほぼ焦点の合った状態で撮像することができる。
<視標板>
図5は視標板46の一例である。例えば、視標板46には、多数の開口(光束の通過口)55が所定のパターンにて形成されている。例えば、本実施例では、開口55以外の領域(すなわち、図5において斜線で示す領域)に、後述する再帰性反射部材52を貼り付けることによって、開口55が形成されている。また、例えば、本実施例では、円形状の開口55が等間隔に配置されている。なお、視標板46には、レンズLEの光学中心や光学特性を検出可能なパターンが形成されていればよく、開口55の形状や間隔は本実施例に限定されない。
例えば、開口55は、視標板46の中心に形成された中心孔56と、中心孔56の周辺に形成された周辺孔57と、からなる。例えば、中心孔56は光軸L1に一致する。例えば、本実施例における中心孔56は、周辺孔57とは異なる大きさであることによって、周辺孔57との区別が可能である。なお、中心孔56の大きさ、個数、形状、位置、等は本実施例とは異なっていてもよく、周辺孔57との区別が可能であればよい。これによって、撮像素子47が撮像する開口55の像(以下、開口像)が、レンズLEの光学特性で偏位した際に、各周辺孔57の対応関係を特定することができる。より詳細には、レンズLEが支持ピン14上に載置されていない状態で撮像される周辺孔57の像が、レンズLEを支持ピン14上に載置した状態で撮像される周辺孔57の像のいずれに該当するかを特定することができる。
例えば、再帰性反射部材52は、測定光束を入射方向と同一方向(略同一方向)に反射するために用いる。例えば、再帰性反射部材52は、視標板46の上面と、開口53を中央にもつ円盤部材54の上面と、にそれぞれ貼り付けられている。例えば、円盤部材54は、図示なき回転機構によって、光軸L1を中心とした軸回りに回転されてもよい。なお、例えば、再帰性反射部材52とその回転機構についての詳細は、特開2008-299140号公報を参照されたい。
<画像データ取得機構>
図6は画像データ取得機構60の概略構成図である。画像データ取得機構60は、レンズLEの前面における前面像データP1sと、レンズLEの後面における後面像データQ2sと、を含む断面画像データ75を取得する(図9参照)。例えば、本実施例においては、画像データ取得機構60が、測定光束をレンズLEの前面または後面に向けて投光する投光光学系64を備えてもよい。また、例えば、本実施例においては、画像データ取得機構60が、レンズLEの前面で反射された第1反射光束R1と、レンズLEの後面で反射された第2反射光束R2と、を受光する受光光学系66を備えてもよい。すなわち、本実施例における画像データ取得機構60は、第1反射光束R1により形成された前面像データP1sと、第2反射光束により形成された後面像データQ2sと、を含む断面画像データ75を取得することができる。
画像データ取得機構60は、測定光学系61、Y方向移動機構62、Z方向移動機構63、等を備える。例えば、本実施例における測定光学系61は、シャインプルークの原理に基づいた投光光学系64及び受光光学系66によって、レンズLEの断面画像データ75を取得する構成となっている。もちろん、測定光学系61は、シャインプルークの原理に基づいた光学系ではなく、異なる構成の光学系を用いてもよい。
投光光学系64は、測定光束をレンズLEの前面または後面に向けて投光する。例えば、投光光学系64は、測定光束をレンズLEに対して垂直に投光してもよい。この場合には、投光光学系64の光軸L3が、レンズLEに対して垂直となる。また、例えば、投光光学系64は、測定光束をレンズLEに対して所定の傾斜角度で投光してもよい。例えば、本実施例においては、投光光学系64が、測定光束をレンズLEの前面に向けて垂直に投光する構成を例に挙げる。なお、この場合には、レンズLEの前面で測定光束が乱反射するようにしてもよい。
投光光学系64は、光源65を備える。光源65は、測定光束をレンズLEに向けて照射する。例えば、光源65は、LED、レーザー、等であってもよい。なお、本実施例における投光光学系64は、光源65とレンズLEとの間にレンズを配置した構成であってもよい。また、本実施例における投光光学系64は、光源65とレンズLEとの間にピンホールを配置した構成であってもよい。
受光光学系66は、レンズLEの前面で反射された第1反射光束R1と、レンズLEの後面で反射された第2反射光束R2と、を受光する。例えば、受光光学系66の光軸L4は、投光光学系64の光軸L3に対して所定の傾斜角度で配置される。受光光学系66は、レンズ67、絞り68、撮像素子69、等を備える。レンズ67は、レンズLEの前面及び後面にて反射される反射光束(例えば、レンズLEの正反射光、レンズLEの散乱光、等)を絞り68の位置に集光させる。絞り68は、レンズ67の焦点距離に配置される。また、絞り68は、受光光学系66とレンズLEとの距離が変化しても、撮像素子69が撮像する第1反射光束R1及び第2反射光束R2の像の大きさが変化しない(すなわち、撮像倍率が一定となる)ように配置される。撮像素子69は、二次元撮像素子(例えば、CCD、CMOS等の少なくともいずれか)であってもよいし、一次元撮像素子(例えば、ラインセンサ等)であってもよい。撮像素子69は、レンズLEと共役な位置に配置される。撮像素子69は、その受光面が光軸L4に対して垂直となるように配置されてもよい。なお、レンズ67と撮像素子69とは、シャインプルークの原理に基づいて光軸L4上に配置されている。例えば、投光光学系64によりレンズLEに照射される測定光束と、レンズLE及びレンズ67を含むレンズ系と、撮像素子69の受光面(すなわち、撮像位置)と、がシャインプルークの関係にて配置される。
例えば、レンズLEに照射された測定光束は、レンズLEの前面にて反射される反射光束と、レンズLEの後面へと向かう測定光束と、に分岐する。レンズLEの前面では測定光束が様々な方向に反射されるが、光軸L4と平行に反射された反射光束(すなわち、第1反射光束R1)が、レンズ67及び絞り68を介して撮像素子69に到達する。レンズLEの後面へと向かった測定光束は、レンズLEの後面にて様々な方向に反射されるが、光軸L4と平行に反射された反射光束(すなわち、第2反射光束R2)が、レンズ67及び絞り68を介して撮像素子69に到達する。例えば、このようにして、撮像素子69は、レンズLEの前面と後面にて同じ角度で反射された第1反射光束と第2反射光束とを撮像することができる。
なお、本実施例においては、絞り68を用いて光軸L4と平行に反射された測定光束を撮像素子69へと導いているがこれに限定されない。例えば、絞り68は、光軸L4と平行に反射されていない測定光束を撮像素子69へと導いてもよい。
Y方向移動機構62は、測定光学系61の上下方向(Y方向)における位置を調整することによって、撮像素子69の撮像位置を調整する。例えば、Y方向移動機構62は、投光光学系64及び受光光学系66をY方向へ一体的に移動させる。例えば、Y方向移動機構62は、モータ及びスライド機構により構成されてもよい。Z方向移動機構63は、測定光学系61の前後方向(Z方向)における位置を調整することによって、光源65からレンズLEに向けて照射される測定光束の位置を調整する。例えば、Z方向移動機構63は、投光光学系64及び受光光学系66を前後方向(Z方向)へ一体的に移動させる。例えば、Z方向移動機構63は、モータ及びスライド機構により構成されてもよい。なお、実施例においては、投光光学系64と受光光学系66とが一体的に移動する構成を例に挙げたがこれに限定されない。例えば、投光光学系64と受光光学系66とを別々に移動させる構成であってもよい。
例えば、画像データ取得機構60は、Y方向移動機構62を備えることによって、様々なコバの厚みt(以下、コバ厚t)のレンズLEに対応した断面画像データ75(図9参照)を取得できるようになる。図12はレンズLEのコバ厚tが異なる場合のY方向移動機構62について説明する図である。図12(a)はレンズLEのコバが薄い場合の反射光束を示す図である。図12(b)はレンズLEのコバが厚い場合の反射光束を示す図である。図12(c)は、図12(b)に示す状態から撮像素子69の撮像位置を調整した場合の反射光束を示す図である。
例えば、レンズLEの前面で反射された第1反射光束R1と、レンズLEの後面で反射された第2反射光束R2と、の間隔Wは、レンズLEのコバ厚tにより変化する。例えば、コバが薄いレンズLEよりも、コバが厚いレンズLEのほうが、第1反射光束R1と第2反射光束R2との間隔Wが広くなる。例えば、図12(a)と図12(b)のように、測定光学系61が固定配置であると、レンズLEのコバ厚tによっては、第1反射光束R1と第2反射光束R2との双方が撮像素子69の受光面に到達しない場合がある。例えば、図12(b)では、第2反射光束R2が撮像素子69の受光面から外れている。そこで、第1反射光束R1と第2反射光束R2との双方が撮像素子69の受光面に到達するように、Y方向移動機構62を駆動して撮像素子69の撮像位置を調整する。例えば、本実施例においては、Y方向移動機構62が測定光学系61をレンズLEに近づく方向へと移動させる。これによって、第1反射光束R1と第2反射光束R2とは、図12(c)のように撮像素子69の受光面へと到達するようになる。また、これによって、画像データ取得機構60は、第1反射光束R1により形成された前面像データP1sと、第2反射光束により形成された後面像データQ2sと、を含む断面画像データ75(図9参照)を取得することができる。
なお、測定光学系61が固定配置である場合、レンズLEのコバが薄くても、レンズLEのカーブ値が大きいと、第1反射光束R1と第2反射光束R2との双方が撮像素子69の受光面に到達しないことがある。このような場合にも、Y方向移動機構62を駆動して撮像素子69の撮像位置を調整することで、前面像データP1sと後面像データQ2sとを含む断面画像データ75を取得することができるようになる。
また、例えば、画像データ取得機構60(図6参照)は、Z方向移動機構63を備えることによって、レンズLEの玉型形状TGに基づいた位置に向けて、投光光学系64からの測定光束を照射することができる。なお、レンズLEの玉型形状に基づいた位置は、玉型形状と一致する位置であってもよいし、玉型形状を基に演算した位置(例えば、各動径角におけるヤゲンの位置、各動径角における面取りの位置、等)であってもよい。例えば、本実施例においては、円筒ベース11(図2参照)の回転により支持ピン14上に載置されたレンズLEが水平方向に回転し、かつ、Z方向移動機構63が測定光学系61をレンズLEの動径長方向に移動させることによって、レンズLEの玉型形状TGに基づいた位置に測定光束が照射される。これによって、画像データ取得機構60は、レンズLEの玉型形状に基づいた断面画像データ75を取得することができる。
<制御系>
図7はカップ取付装置1が備える制御系の概略構成図である。制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。例えば、制御部70のCPUは、カップ取付装置1の制御を司る。制御部70のRAMは、各種の情報を一時的に記憶する。制御部70のROMには、CPUが実行する各種のプログラム等が記憶されている。
例えば、制御部70には、ディスプレイ2、入力ボタン3、モータ34、光源42、光源65、撮像素子47、撮像素子51、撮像素子69、不揮発性メモリ71(以下、メモリ71)、等が電気的に接続されている。また、例えば、制御部70には、カップ取付機構30が有するX方向移動機構35、Y方向移動機構36、Z方向移動機構37がそれぞれ備える図示なきモータ等が接続されている。また、例えば、制御部70には、画像データ取得機構60が有するY方向移動機構62とZ方向移動機構63とがそれぞれ備える図示なきモータ等が接続されている。
例えば、メモリ71には、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体が用いられてもよい。例えば、メモリ71としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、等を使用することができる。例えば、メモリ71には、レンズ情報測定機構40により測定したレンズLEの光学特性、測定光学系61により取得したレンズLEの断面画像データ、フレーム形状測定機構20を用いてトレースしたフレームの内周形状、等が記憶されてもよい。
<制御動作>
上記の構成を備えるカップ取付装置1の制御について説明する。操作者は、眼鏡を作製する際に、カップ取付装置1及びレンズ周縁加工装置を用いて、レンズLEを加工する。ここで、従来では、レンズLEの表面にカップCuを取付けるためにカップ取付装置1が用いられていた。また、従来では、レンズLEのコバ情報を取得するため、レンズLEのコバに形成する仕上げ加工位置(例えば、ヤゲンの位置、溝の位置、面取りの位置、等)を設定するため、及びレンズLEの周縁を加工するため、にレンズ周縁加工装置が用いられていた。このような一連の動作の中では、カップ取付装置1を使用する時間に比べて、レンズ周縁加工装置を使用する時間が圧倒的に長くなっていることがわかった。操作者は、作業を効率よく行いたい一方で、レンズLEへのカップCuの取付けが終了しても、レンズ周縁加工装置が使用中であるために、次の工程に進むことができない場合があった。
そこで、本実施例においては、操作者がレンズ周縁加工装置の空きを待つ状態が緩和されるように、カップ取付装置1を用いてレンズLEへのカップCuの取付け、コバ情報の取得、及び仕上げ加工位置の設定を行い、レンズ周縁加工装置を用いてレンズLEの周縁の加工を行うようにした。以下、図8に示すフローチャートに基づいて、ステップS1~S8を順に説明する。例えば、本実施例では、カップ取付装置1を用いてステップS1~ステップS7までのステップが行われ、レンズ周縁加工装置を用いてステップS8~ステップS12が行われる。
<カップ取付装置>
例えば、操作者はカップ取付装置1を起動して、以下で説明するステップを順に行う。
<玉型形状の取得(S1)>
まず、制御部70はレンズLEの玉型形状を取得する。レンズLEの玉型形状は、デモレンズの外周形状、フレームの内周形状、等であってもよい。例えば、デモレンズの外周形状を取得する場合には、レンズ情報測定機構40を用いてデモレンズの全体像を撮像することで、その外周形状を検出するようにしてもよい。また、例えば、フレームの内周形状を取得する場合には、フレーム形状測定機構20を用いてフレームをトレースすることで、その内周形状を検出するようにしてもよい。もちろん、別の装置を用いて取得したレンズLEの玉型形状を、カップ取付装置1に読み込ませてもよい。例えば、制御部70は、このように取得したレンズLEの玉型形状をメモリ71に記憶する。なお、レンズLEの玉型形状は、左レンズと右レンズの双方において、それぞれの玉型形状を取得してもよい。左レンズ及び右レンズのいずれか一方の玉型形状を取得し、これを左右反転することで、もう片方の玉型形状を取得してもよい。
<屈折率の取得(S2)>
続いて、制御部70はレンズLEの屈折率を取得する。レンズLEの屈折率は、操作者が入力ボタン3を操作することにより取得されてもよい。例えば、レンズLEの材質(例えば、プラスチック、ガラス、等)により屈折率は決まっている(つまり、加工するレンズLEによって屈折率が決まっている)ので、操作者は既知の屈折率を入力してもよい。また、操作者は、別の装置を用いて予め取得しておいたレンズLEの屈折率を入力してもよい。なお、カップ取付装置1がレンズLEの屈折率を測定可能な構成を備え、これを用いて屈折率を求めるようにしてもよい。例えば、制御部70は、このように取得したレンズLEの屈折率をメモリ71に記憶する。
<加工条件とレイアウトの設定(S3)>
例えば、制御部70は、レンズLEの玉型形状及び屈折率を取得すると、ディスプレイ2に玉型形状を表示させる。操作者は、入力ボタン3を操作して、左レンズ及び右レンズのそれぞれについて、レンズLEの加工条件を設定してもよい。例えば、レンズLEの加工条件は、レンズLEの種類(例えば、単焦点レンズ、二重焦点レンズ、累進レンズ、等)、レンズLEの材質、フレームの材質、各種加工(例えば、鏡面加工、面取り加工、溝掘り加工、等)の有無、レンズLEに対するカップCuの取付け位置(例えば、レンズLEの光学中心位置、玉型の幾何学中心位置、等)、等の少なくともいずれかであってもよい。また、操作者は、入力ボタン3を操作して、レンズLEのレイアウトを設定してもよい。例えば、レンズLEのレイアウトは、フレーム中心間距離、眼鏡装用者の瞳孔間距離、眼鏡装用者の乱視軸角度、等の少なくともいずれかであってもよい。
<軸打ち(S4)>
操作者は、レンズLEの加工条件及びレイアウトを設定し終えると、レンズLE(例えば、本実施例においては左レンズ)を支持ピン14上に載置し、カップCuを装着部31に取付ける。また、操作者は、図示なきモード選択ボタンを操作して、設定モードから軸打ちモードに切り換える。軸打ちモードが選択されると、制御部70は、レンズ情報測定機構40が備える光源42を点灯させる。また、ディスプレイ2には、支持ピン14上に載置したレンズLEの光学中心位置(すなわち、後述する光学中心マーク)を、光軸L1に位置合わせするための目標となるガイドマークが表示される。
例えば、制御部70は、撮像素子51が撮像した開口像の位置座標を求め、これに基づいてレンズLEの光学中心位置及び光学特性(例えば、球面度数、柱面度数、乱視軸角度、等)を検出する。なお、開口像を用いたレンズLEの光学中心位置及び光学特性の検出については、周知の技術を応用しているため、詳しくは特開2008-241694号公報を参照されたい。例えば、制御部70が検出したレンズLEの光学中心位置Oには、光学中心マークが表示される。
また、例えば、制御部70は、撮像素子51が撮像したレンズLEの像を画像処理することにより、レンズLEの外形を検出する。例えば、ディスプレイ2には、レンズLEの外形にレンズLEの玉型形状が重ねて表示される。このとき、レンズLEの玉型形状は、レンズLEの光学中心位置O、レンズLEのレイアウトデータ、撮像光学系48の撮像倍率、光軸L1に対する光軸L2の位置関係、等により、その表示位置と表示サイズが決定されてもよい。
例えば、操作者は、ディスプレイ2をみながら光学中心マークをガイドマークに一致させるようにレンズLEを移動させ、ディスプレイ2に表示された図示なき軸打ちボタンを操作する。制御部70は、操作信号に応じて、レンズLEの光学中心位置OにカップCuの中心軸K2が位置するように、カップ取付機構30のX方向移動機構35及びY方向移動機構36を駆動して、アーム32を移動させる。このとき、レンズLEが柱面度数をもつ場合には、検出した乱視軸角度に基づいて装着部31を中心軸K2の軸回りに回転させてもよい。制御部70は、カップCuの位置調整及び角度調整が完了すると、Z方向移動機構37を駆動してアーム32を下降させる。これによって、装着部31に装着されたカップCuは、設定された軸出し位置(すなわち、レンズLEの光学中心位置O)に基づいて、支持ピン14上に載置されたレンズLEの前面に軸打ちされる。
<断面画像データの取得(S5)>
例えば、操作者は、カップCuの軸打ちを終えると、図示なきモード選択ボタンを操作して、軸打ちモードからコバ情報測定モードに切り換える。例えば、これによって、本実施例では、レンズ支持機構10に載置されたレンズLEのコバ情報が測定される。コバ情報測定モードが選択されると、制御部70は、画像データ取得機構60が備える光源65を点灯させる。
例えば、制御部70は、Z方向移動機構63の駆動を制御して、レンズLEにおける玉型形状TG上の初期位置に光軸L3を一致させる。なお、例えば、初期位置は、レンズLEの光学中心位置Oを通りZ方向に伸びる仮想線V1上の位置であってもよいし、レンズLEの光学中心位置Oを通りX方向に伸びる仮想線V2上の位置であってもよい。もちろん、初期位置は任意の位置に設定できてもよい。例えば、本実施例においては、レンズLEの玉型形状TG上であり、かつ仮想線V1上の位置である点P1に、光軸L3が一致される。これによって、光源65から照射された測定光束は、レンズLEの前面における点P1で反射する第1反射光束R1と、レンズLEの後面における点Q1に到達して反射される第2反射光束R2と、に分岐する。
また、例えば、制御部70は、Y方向移動機構62の駆動を制御して、撮像素子69が第1反射光束R1と第2反射光束R2との双方を受光できるように、画像データ取得機構60とレンズLEとのY方向における距離を調整する。例えば、制御部70は、撮像素子69が撮像した断面画像データ75(図9参照)に対して画像処理(例えば、エッジ検出等)を行い、輝度の立ち上がりを検出する。また、例えば、制御部70は、輝度の立ち上がりが2回現れたときに、第1反射光束R1の像(すなわち、後述するレンズLEの前面像データP1s)と、第2反射光束R2の像(すなわち、後述するレンズLEの後面像データQ2s)と、の双方を検出したと判定し、Y方向移動機構62の駆動を終了する。これによって、制御部70は、レンズLEの玉型形状TGにおける点P1の位置の断面画像データ75を取得することができる。
図9は断面画像データ75の一例である。例えば、断面画像データ75には、第1反射光束R1により形成されたレンズLEの前面像データと、第2反射光束R2により形成されたレンズLEの後面像データと、が含まれる。例えば、本実施例においては、レンズLEの前面における点P1の像が、レンズLEの前面像データP1sとなる。また、例えば、本実施例においては、レンズLEの後面における点Q1の像ではなく、第2反射光束R2の延長線上(すなわち、図7に示す点線上)にある点Q2の像が、レンズLEの後面像データQ2sとなる。これは、レンズLEが所定の屈折率をもち、第2反射光束R2がレンズLEの前面にて折れ曲がって撮像素子69に到達するためである。撮像素子69には、レンズLEの後面における点Q1の位置が、点Q2の位置にあるようにみえている。
例えば、制御部70は、レンズLE上の初期位置(すなわち、点P1)における断面画像データ75を取得すると、モータ17を駆動して円筒ベース11を回転させ、支持ピン14上に載置したレンズLEを水平方向に1周回転させる。また、例えば、制御部70は、Y方向移動機構62を制御し、第1反射光束R1が撮像素子69の受光面に対して常に同じ位置に到達するように調整する。また、例えば、制御部70は、レンズLEの玉型形状TGに基づいてZ方向移動機構63を制御し、レンズLEの玉型形状に対応する点(例えば、図6に示す点P2、P3、P4、…、Pn)に光軸L3を一致させる。なお、例えば、玉型形状に対応する点は、光学中心位置Oを中心として所定の角度(例えば、0.5度、1度、等)の間隔を空けた点であってもよいし、任意の点の数(例えば、1000個の点、等)であってもよい。
例えば、制御部70は、レンズLEの玉型形状における動径角上の各点についての断面画像データ75を連続的に取得するために、レンズLEを回転させながらZ方向移動機構63を制御する。また、例えば、制御部70は、レンズLEの前面像データP1sが、断面画像データ75において所定の位置に表示されるように、レンズLEを回転させながらY方向移動機構62を制御する。図14は前面像データP1sを所定の位置に表示させるための制御について説明する図である。例えば、制御部70は、断面画像データ75について、レンズLEの前面像データP1sと、所定の位置Mと、の深さ方向(言い換えると、断面画像データ75の上下方向)におけるずれ量Δdを検出する。また、例えば、制御部70は、検出したずれ量Δdに基づいて、Y方向移動機構62の駆動量を算出し、測定光学系61を移動させる。これによって、撮像素子69の受光面に到達する第1反射光束R1の撮像位置が変更され、断面画像データ75の所定の位置Mに前面像データP1sが一致する。
例えば、制御部70は、レンズLEの玉型形状におけるすべての動径角についてずれ量Δdを検出し、これに基づいてY方向移動機構62を駆動する。すなわち、制御部70は、レンズLE上で断面画像データ75を取得する位置が変更される毎に、Y方向移動機構62を駆動して、断面画像データ75の所定の位置Mに前面像データP1sが表示されるようにする。また、例えば、制御部70は、ずれ量Δdに基づいてY方向移動機構62を駆動した駆動量から、レンズLEの玉型形状における各動径角の前面位置(例えば、位置座標等)を特定する。例えば、この場合には、Y方向移動機構62を構成するモータのパルス数等を取得することで、各動径角の前面位置を特定してもよい。例えば、制御部70は、レンズLEを水平方向に1周回転させ、レンズLEの玉型形状におけるすべての動径角上の点の断面画像データと、レンズLEの前面位置と、を取得して、これらをメモリ71に記憶する。
なお、本実施例では支持ピン14上に載置したレンズLEを1周回転させているが、何周回転させてもよい。例えば、支持ピン14上に載置したレンズLEを2周回転させ、レンズLEの玉型形状を基にして演算したヤゲンの位置と面取りの位置とにおける断面画像データをそれぞれ取得してもよい。例えば、この場合には、Z方向移動機構63を制御して、光軸L3がレンズLE上のヤゲンの位置に一致するようにレンズLEを1周させた後、光軸L3がレンズLE上の面取りの位置(例えば、ヤゲンの位置から所定の距離だけ内側の位置)に一致するように、さらにレンズを1周させてもよい。
<第1コバ情報の取得(S6)>
例えば、カップ取付装置1は、レンズLEのコバ情報を取得するためのコバ測定機構を有してもよい。例えば、制御部70は、コバ測定機構を制御することによってレンズLEを測定し、コバ情報を取得するようにしてもよい。この場合、制御部70は、レンズLEの玉型形状に基づいてコバ測定機構を制御し、コバ情報を取得するようにしてもよい。なお、本実施例では、このようなコバ測定機構を前述の画像データ取得機構60が兼ね、制御部70がコバ情報を取得する場合を例に挙げて説明する。
例えば、制御部70は、取得した各断面画像データ75について、レンズLEのコバに関する情報であるコバ情報(第1コバ情報)を取得する。例えば、本実施例においては、レンズLEの玉型形状に基づいた断面画像データ75を取得しているため、レンズLEの玉型形状に基づいたコバ情報を取得することが可能である。例えば、コバ情報としては、レンズLEにおけるコバの前面位置、コバの後面位置、コバ厚、等が取得されてもよい。もちろん、コバ情報としては、レンズLEの前面カーブ値や後面カーブ値を取得するようにしてもよい。なお、本実施例では、レンズLEのコバ情報として、コバ厚を取得する場合を例に挙げる。
例えば、制御部70は、断面画像データ75上において、前面像データP1sと後面像データQ2sの位置座標(例えば、ピクセル座標等)を取得する。また、例えば、制御部70は、前面像データP1sと後面像データQ2sのピクセル座標を用いて、レンズLEの前面像データP1sと、レンズLEの後面像データQ2sと、の間隔hを計算する。例えば、この場合、制御部70は、各ピクセル座標の差分を求めることで、間隔hのピクセル数を計算してもよい。また、例えば、この場合、制御部70は、撮像素子69の1ピクセル当たりの実距離を予め設定しておくことで、間隔hのピクセル数を実距離に変換することができる。
しかし、例えば、断面画像データ75は、前述のように第2反射光束がレンズLEの前面で折れ曲がっているので、レンズLEの前面像データP1sと後面像データQ2sとの間隔hは、必ずしもレンズLEのコバ厚tに一致しない。このため、例えば、制御部70は、レンズLEの屈折率及び断面画像データ75に基づいたレンズLEのコバ厚tを取得するようにしてもよい。例えば、本実施例においては、制御部70が、断面画像データ75に基づいて取得したレンズLEの前面像データP1sと後面像データQ2sとの間隔hの実距離を、レンズLEの屈折率に基づいて補正することで、レンズLEのコバ厚tを求める。すなわち、本実施例においては、断面画像データに基づいて取得したコバ厚を屈折率に基づいて補正することで、レンズLEのコバ厚を取得する。
例えば、制御部70は、以下の数式を用いることによって、レンズLEの前面像データP1sと後面像データQ2sとの間隔hの実距離を補正し、レンズLEのコバ厚tを計算することができる。
ここで、nはレンズLEの屈折率、βは受光光学系66の撮像倍率、θはレンズLEの前面に対する光軸L4の傾斜角度、である。なお、撮影倍率βと傾斜角度θとは設計上既知の値である。例えば、制御部70は、ステップS2で予め取得した屈折率nをメモリ71から呼び出し、上記の数式を計算することによって、レンズLEのコバ厚tを求めることができる。例えば、制御部70は、各断面画像データ75においてこのようにレンズLEのコバ厚tを取得すると、これをレンズLEの玉型形状における動径角上の各点の位置に対応させてメモリ71に記憶する。
なお、レンズLEの前面及び後面は湾曲しているので、光源65から照射された測定光束は必ずしもレンズLEの前面とは垂直にならない。このため、レンズLEの前面に対して測定光束が傾斜して照射されることになり、レンズLEの前面から後面に向かって進む測定光束は、レンズLEの前面にて折れ曲がる。そこで、レンズLEの前面カーブ値を考慮して、取得したレンズLEのコバ厚tをさらに補正するようにしてもよい。
例えば、この場合には、メモリ71に予めレンズLEの屈折率nと前面カーブ値の関係を表すテーブル(換算表)を記憶させておき、制御部70が対応する係数をレンズLEのコバ厚tに乗算してもよい。なお、レンズLEの前面カーブ値は、予め別の装置を用いて取得しておき、これをカップ取付装置1に読み込ませてもよいし、操作者が入力するようにしてもよい。もちろん、レンズLEの前面カーブ値は、カップ取付装置1を用いて取得した断面画像データ75を画像処理することで求めてもよい。
なお、コバ厚tの計算に用いる数式は本実施例に限定されず、レンズLEの屈折率n、前面カーブ値、及び光学中心位置Oから各動径角の点(例えば、図6では点P1)までの距離D、の少なくともいずれかをパラメータとして含んだ数式であってもよい。
例えば、操作者は、左レンズについて、軸打ち(ステップS4)、断面画像データの取得(ステップS5)、及びコバ情報の取得(ステップS6)を終えると、右レンズについても同様にこれらのステップを順に行い、レンズLEの玉型形状の位置に対応したコバ厚tを取得する。
<仕上げ加工位置の設定(S7)>
例えば、制御部70はコバ厚tを取得すると、ディスプレイ2に表示される操作画面をシミュレーション画面に切り換え、仕上げ加工位置を設定する。例えば、制御部70は、取得したコバ情報(本実施例では、コバ厚t)に基づいて、コバの仕上げ加工位置を設定する。例えば、コバの仕上げ加工位置とは、コバに形成するヤゲンの位置、溝の位置、面取りの位置、等である。例えば、このような仕上げ加工位置は、取得したコバ厚tに基づいて自動的に設定(つまり、初期設定)されてもよいし、操作者が調整するようにしてもよい。なお、本実施例では、コバの仕上げ加工位置として、ヤゲンの位置を設定する場合を例に挙げる。
また、例えば、制御部70は、コバ厚に基づいた仕上げ加工位置をディスプレイ2に表示し、ディスプレイ上で仕上げ加工位置を調整するための入力ボタン3からの操作信号に基づいて、仕上げ加工位置を設定してもよい。この場合、制御部70は、左レンズのヤゲンの位置と右レンズのヤゲンの位置とを比較可能に表示してもよい。また、この場合、制御部70は、入力ボタン3からの操作信号に基づいて、左レンズと右レンズとの少なくとも一方の仕上げ加工位置を設定するようにしてもよい。これによって、左レンズと右レンズのコバ厚tの違いを考慮し、それぞれのコバ厚tに対してヤゲンの位置(ヤゲンの頂点位置)をバランスよく配置することができる。
図10はシミュレーション画面80の一例である。図10(a)はシミュレーション画面80の全体を示す図である。図10(b)はシミュレーション画面80の一部を拡大して示す図である。例えば、シミュレーション画面80には、レンズLEの玉型形状(左レンズの玉型形状TGR及び右レンズの玉型形状TGL)が表示される。また、シミュレーション画面80には、レンズLEにおけるヤゲン加工後のコバの形状(左レンズのコバの形状81L及び右レンズのコバの形状81R)が表示される。例えば、レンズLEの玉型形状上には、操作者の操作により玉型形状上を移動するカーソル(カーソル82L及びカーソル82R)が表示される。操作者は、カーソルを用いることによって、レンズLEのコバの観察方向を指定し、レンズLEのコバの形状を表示させることができる。また、例えば、シミュレーション画面80には、レンズLEのヤゲンカーブ(すなわち、レンズLEのコバにヤゲンを配置した軌跡)のカーブ値、ヤゲンカーブの前後方向の位置、ヤゲンカーブの傾斜、等を変更するための入力欄83(入力欄83L及び入力欄83R)が設けられている。なお、本実施例において、シミュレーション画面80には、ヤゲン位置84L及び84Rの表示位置に対応させて、フレームのリムの断面形状を示すようにしてもよい。
例えば、制御部70は、レンズLEに形成するヤゲンの仮位置を自動的に設定する。例えば、ヤゲンカーブは、レンズLEの前面カーブに沿ったカーブであってもよい。例えば、ヤゲンの頂点位置は、レンズLEのコバ厚tに基づいて、コバ厚tが最も薄い部分の半分の位置を通るように設定されてもよい。例えば、制御部70は、左レンズと右レンズとのそれぞれに対して、このようにヤゲンの仮位置を設定する。なお、このとき、制御部70は、左右レンズに形成するヤゲンの仮位置を、左レンズと右レンズのコバ厚tの違いを考慮して自動調整してもよい。例えば、この場合には、左レンズにおけるヤゲンの頂点位置からレンズLEの前面までの距離BLと、右レンズにおけるヤゲンの頂点位置からレンズLEの前面までの距離BRと、について、その距離が同じになるように自動調整されてもよい。また、例えば、この場合には、距離BLと距離BRとの差が所定の閾値以下となるように自動調整されてもよい。例えば、所定の閾値は、予め実験やシミュレーションにより設定されていてもよい。
例えば、操作者は、このように初期設定されたヤゲンの仮位置で問題がない場合には、図示なき決定ボタンを操作する。制御部70は、操作指示に応じて左レンズ及び右レンズのコバにヤゲンを形成するためのヤゲン形成データを作成し、これをメモリ71に記憶する。また、例えば、制御部70は、作成したヤゲン形成データを、レンズLEの前面位置とともに、レンズ周縁加工装置に転送する。
なお、例えば、操作者は、初期設定されたヤゲンの仮位置を手動で調整してもよい。例えば、操作者は、ディスプレイ2をタッチ操作してカーソル82Lを移動させ、左レンズの任意の動径角を指定する。これによって、操作者は、フレームとレンズLEのコバとの位置関係の見栄えを重視する観測点を定めることができる。また、これによって、操作者は、レンズLEの前面とヤゲンの頂点位置との位置関係を、左レンズと右レンズとで比較することができる。なお、カーソル82Rは、カーソル82Lに連動して左右対称な位置へと自動的に移動されてもよい。
例えば、操作者は、左レンズのコバの形状81L及び右レンズのコバの形状81Rを比較し、左レンズにおけるヤゲンの頂点位置からレンズLEの前面までの距離BLと、右レンズにおけるヤゲンの頂点位置からレンズLEの前面までの距離BRと、をそれぞれ変更する。例えば、ヤゲンの頂点位置は、操作者が入力欄83に任意の値を入力することによって移動させることができる。例えば、制御部70は、入力された値に対応して、ヤゲンの位置84R及び84Lの表示位置を変化させる。また、例えば、操作者は、入力欄83に任意の値を入力することによって、ヤゲンカーブのカーブ値や傾斜を変更してもよい。例えば、この場合、制御部70は、入力された値に対応してヤゲンの位置を再度計算し、ヤゲンの位置84L及び84Rの表示位置を変化させる。例えば、このように、制御部70は、操作者がディスプレイ2から入力した操作信号に基づいて、レンズLEのコバに形成するヤゲンの仮位置を設定することができる。例えば、操作者は、ヤゲンの仮位置を調整し終えると、図示なき決定ボタンを操作する。制御部70は、操作指示に応じて左レンズ及び右レンズのコバにヤゲンを形成するためのヤゲン形成データを作成し、これをメモリ71に記憶する。また、例えば、制御部70は、作成したヤゲン形成データを、レンズLEの前面位置とともに、レンズ周縁加工装置に転送する。
<レンズ周縁加工装置>
例えば、操作者は、カップ取付装置1を用いて上記の操作によりレンズLEのコバに形成するヤゲンの位置を設定すると、レンズ周縁加工装置を用いてレンズLEのコバを加工する。図11はレンズ周縁加工装置90の概略構成図である。例えば、操作者がレンズ周縁加工装置90を起動すると、レンズ周縁加工装置が備える制御部95は、前述のヤゲン形成データ及びレンズLEの前面位置を受信して、これを図示なきメモリに記憶してもよい。
例えば、本実施例におけるレンズ周縁加工装置90は、レンズLEをレンズチャック軸102により保持するレンズ保持ユニット100、レンズLEのコバ情報を取得するためのコバ情報取得ユニット200、レンズLEの周縁を加工するための加工ユニット300、等を備えている。レンズ保持ユニット100は、レンズLEを回転させるためのレンズ回転ユニット100a、レンズチャック軸102をX軸方向に移動させるためのチャック軸移動ユニット100b、レンズチャック軸102をY方向(レンズチャック軸と加工ユニット300における回転軸との軸間距離)に移動させるための軸間距離変動ユニット100c、を備える。なお、レンズ周縁加工装置90の詳細な構成については、例えば、特開2015-131374号公報を参照されたい。
<レンズの保持(S8)>
例えば、操作者は、レンズ保持ユニット100が備えるレンズチャック軸102L及び102Rにより左レンズを保持させる。例えば、レンズチャック軸102L及び102Rの回転中心軸K3と、カップCuの中心位置(言い換えると、レンズLEの光学中心位置O)と、が一致するように設計されている。また、例えば、カップCuは、回転中心軸K3に対して一定の方向となるように保持される。例えば、本実施例においては、レンズLEの仮想線V1がレンズ周縁加工装置90のY方向に一致し、レンズLEの仮想線V2がレンズ周縁加工装置90のZ方向に一致されるように、カップCuが保持される。このため、カップ取付装置1におけるX方向は、レンズ周縁加工装置90のZ方向に対応する。また、カップ取付装置1におけるY方向は、レンズ周縁加工装置90のX方向に対応する。また、カップ取付装置1におけるZ方向は、レンズ周縁加工装置90のY方向に対応する。
<第2コバ情報の取得(S9)>
また、例えば、操作者は、図示なき加工開始ボタンを操作して、レンズLEの周縁の加工を開始する。まず、レンズ周縁加工装置90の制御部95は、コバ情報取得ユニット200を制御して、レンズLEの前面における玉型形状に基づいた動径角の少なくとも1点のコバ情報(第2コバ情報)を取得する。例えば、本実施例においては、仮想線V1上における点P1のコバ情報が取得される。
例えば、制御部95は、コバ情報取得ユニット200が備える測定子201が、レンズLE上の点P1の位置に接触するように、レンズ回転ユニット100a、チャック軸移動ユニット100b、及び軸間距離変動ユニット100cを駆動し、レンズチャック軸102L及び102Rに保持されたレンズLEを移動させる。例えば、制御部95は、回転中心軸K3を基準として点P1のY方向とZ方向の位置を把握し、レンズ回転ユニット100aと軸間距離変動ユニット100cとを駆動する。また、例えば、制御部95は、チャック軸移動ユニット100bを駆動し、測定子201に設けられた図示なきセンサがレンズLEの接触を検知するまで、レンズLEをX方向に移動させる。例えば、このとき、制御部95は、レンズチャック軸102L及び102Rが初期位置からX方向に移動した移動量を検出する。これによって、レンズLEがレンズチャック軸方向(すなわち、X方向)のどこに位置しているかが把握される。すなわち、レンズLE上における点P1の位置(すなわち、位置座標)が把握される。なお、制御部95は、測定子201をレンズLE上で滑らせて、レンズLEの動径角上の1面におけるコバ情報を取得してもよい。
<位置座標の対応付け(S10)>
ここで、例えば、制御部95は、レンズ周縁加工装置90において取得したレンズLEの点P1におけるX方向の位置座標に対して、カップ取付装置1において取得したレンズLEにおける各点の前面位置(すなわち、各点の位置座標)を対応付ける。例えば、これによって、レンズLE上の点P2以降について、レンズ周縁加工装置90のX方向の位置座標が取得される。なお、レンズLE上の点P1については、レンズ周縁加工装置90のX方向の位置座標がステップS9で取得されている。以下、点P2以降の位置座標の対応付けについて説明する。
例えば、制御部95は、レンズLEの玉型形状における各動径角の前面位置(位置座標)を図示なきメモリから呼び出し、レンズLE上の点P1の位置座標に基づいて、レンズLEの動径角毎に位置座標を対応付けていく。より詳細には、例えば、レンズ周縁加工装置90におけるレンズLE上の点P2の位置座標は、レンズ周縁加工装置90を用いて取得した点P1の位置座標と、カップ取付装置1において取得された点P2の位置座標と、を加算することにより求められる。また、例えば、レンズ周縁加工装置90におけるレンズLE上の点P3の位置座標は、レンズLE周縁加工装置90を用いて上記のように取得した点P1の位置座標と、カップ取付装置1において取得された点P3の位置座標と、を加算することにより求められる。例えば、制御部95は、このようにして、レンズ周縁加工装置90が備えるコバ情報取得ユニット200を用いて取得したレンズLE上の1点の位置座標と、カップ取付装置1が備える画像データ取得機構60を用いて取得したレンズLEの各動径角上の点の位置座標と、を対応付ける。これにより、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEに対して、カップ取付装置1にて作成されたヤゲン形成データを対応させることができる。
<加工制御データの取得(S11)>
例えば、制御部95は、取得したレンズLE上の1点のコバ情報(すなわち、第2コバ情報)と、ヤゲン形成データ(すなわち、第1コバ情報と仕上げ加工位置とから作成したヤゲン形成データ)と、に基づいて、レンズLEの周縁を加工するための加工制御データを取得する。例えば、加工制御データとしては、レンズ回転ユニット100a、チャック軸移動ユニット100b、及び軸間距離変動ユニット100cの少なくともいずれかを駆動させるための駆動量が算出される。なお、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEは、測定子201にその点P1が接触した状態である。このため、本実施例では、レンズLEが測定子201に接触した位置からの駆動量が、加工制御データとして算出される。もちろん、制御部95は、レンズチャック軸102を初期位置に戻し、初期位置からの駆動量を加工制御データとして算出してもよい。
<コバの加工(S12)>
例えば、制御部95は、加工制御データに基づいてレンズチャック軸102をX方向、Y方向、及びZ方向の少なくともいずれかに移動させ、加工ユニット300の砥石310上にレンズLEを位置させる。また、例えば、制御部95は、加工制御データに基づいてレンズチャック軸102をX方向、Y方向、及びZ方向の少なくともいずれかに移動させ、砥石310に対するレンズLEの相対的な位置関係を調整する。例えば、これによって、レンズLEの周縁が加工(例えば、粗加工、ヤゲン加工、等)される。例えば、操作者は、左レンズについてこのようにレンズLEの周縁を加工すると、右レンズをレンズチャック軸102により保持させ、上記と同様にしてレンズLEの周縁を加工する。
以上説明したように、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段と、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得するコバ情報取得手段と、を備える。これにより、従来はレンズ周縁加工装置を用いて取得していたコバ情報を、軸出し装置を用いて取得することができるようになる。従って、レンズ周縁加工装置の使用時間が短くなり、眼鏡の作製にかかる時間を相対的に短縮することができる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズのコバ情報を取得するためのコバ測定手段を有し、コバ測定手段を制御することによって眼鏡レンズを測定し、コバ情報を取得する。これによって、軸出し装置を用いて眼鏡レンズのコバ情報を測定することが可能となり、レンズ周縁加工装置の使用時間を短くすることができる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズにおける玉型形状を取得する玉型形状取得手段を備える。これによって、軸出し装置が備えるコバ情報取得手段は、眼鏡レンズの玉型形状に基づいてコバ測定手段を制御することができ、玉型形状に基づいた位置のコバ情報を取得することができる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズのコバ情報に基づいて、コバの仕上げ加工位置を設定する仕上げ加工位置設定手段を備える。これによって、従来はレンズ周縁加工装置を用いて設定していた仕上げ加工位置を、軸出し装置を用いて設定することができる。従って、レンズ周縁加工装置の使用時間が短くなるとともに、レンズ周縁加工装置の待ち時間が緩和され、眼鏡の作製にかかる時間をさらに短縮することができる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、コバ情報に基づいた仕上げ加工位置を表示手段に表示し、表示手段上で仕上げ加工位置を調整するための操作手段からの操作信号に基づいて、仕上げ加工位置を設定する。これによって、操作者は、眼鏡レンズに形成される仕上げ加工位置を把握しやすくなる。また、操作者は、眼鏡レンズに形成される仕上げ加工位置を調整しやすくなる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、左眼鏡レンズの仕上げ加工位置と右眼鏡レンズの仕上げ加工位置とを表示手段に比較可能に表示し、操作手段からの操作信号に基づいて、左眼鏡レンズと右眼鏡レンズとの少なくとも一方の仕上げ加工位置を設定する。これによって、操作者は、左眼鏡レンズ及び右眼鏡レンズにおける仕上げ加工位置のバランスを把握しやすくなる。また、操作者は、仕上げ加工位置のバランスを考慮して、左眼鏡レンズ及び右眼鏡レンズに対して設定された仕上げ加工位置をそれぞれ調整することができる。従って、操作者は、見栄えのよい眼鏡を作製しやすくなる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズの屈折率を取得する屈折率取得手段と、眼鏡レンズの前面における前面像データと、眼鏡レンズの後面における後面像データと、を含む断面画像データを取得する画像データ取得手段と、屈折率及び断面画像データに基づいて、眼鏡レンズのコバに関する情報であるコバ情報を取得するコバ情報取得手段と、を備えてもよい。これによって、眼鏡レンズがもつ屈折率により変化した断面画像データを用いて、眼鏡レンズのコバ情報を効率よく取得することができる。
また、例えば、本実施例における軸出し装置は、眼鏡レンズの前面または後面に向けて測定光束を投光する投光光学系と、測定光束が眼鏡レンズの前面で反射された第1反射光束と、測定光束が眼鏡レンズの後面で反射された第2反射光束と、を受光素子によって受光する受光光学系と、を備える。これによって、画像データ取得手段は、第1反射光束により形成された前面像データと、第2反射光束により形成された後面像データと、を含む断面画像データを容易な構成で取得することができる。また、画像データ取得手段は、測定光束により非接触で断面画像データを取得することができる。従って、眼鏡レンズのコバ情報を効率的に取得することができる。
なお、本実施例においては、眼鏡レンズを載置するためのレンズ支持手段と、眼鏡レンズの周縁を加工するために眼鏡レンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段の、眼鏡レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段であって、レンズ支持手段に載置された眼鏡レンズの軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段と、を備える軸出し装置が、レンズ形状測定装置としての役割を兼ねる。例えば、操作者は、軸出し装置を用いて眼鏡レンズのコバ情報を非接触で測定することができるため、眼鏡レンズのコバ情報を効率的に取得することができるようになる。
また、本実施例においては、レンズ保持手段により保持された眼鏡レンズの周縁を加工するための加工具を備えるレンズ周縁加工装置が、レンズ形状測定装置としての役割を兼ねる。例えば、操作者は、レンズ周縁加工装置を用いて眼鏡レンズのコバ情報を非接触で測定することができるため、眼鏡レンズのコバ情報を効率的に取得することができるようになる。
<変容例>
なお、本実施例においては、レンズLEを保持する構成として、支持ピン14にレンズLEを載置する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLEを保持する構成としては、レンズLEを挟持する構成でもよい。この場合には、レンズLEの側面(周縁)を挟持する構成、レンズLEの前面と後面を挟持する構成、等が挙げられる。
また、本実施例においては、円筒ベース11を回転させることによって(言い換えると、支持ピン14を回転させることによって)支持ピン14に載置したレンズLEを回転させる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLEの表面にカップCuを軸打ちした際に、カップCuと装着部31とを離さず、装着部31を中心軸K2の軸回りに回転させる構成としてもよい。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が、撮像素子69により撮像されたレンズLEの断面画像を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、画像データ取得機構60は、断面画像を取得する前の信号データを取得する構成であってもよい。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が、断面画像データ75に基づいて取得したコバ情報をレンズLEの屈折率に基づいて補正することで、コバ情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、画像データ取得機構60は、レンズLEの屈折率に基づいて断面画像データ75を補正し、補正した断面画像データに基づいて、レンズLEのコバ情報を取得する構成としてもよい。もちろん、この場合にも、画像データ取得機構60は、レンズLEの前面カーブ値を考慮して、取得したレンズLEのコバ厚tをさらに補正するようにしてもよい。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が、レンズLEの水平方向における回転とZ方向移動機構63とによって、測定光束の照射位置をレンズLEの玉型形状TGに基づいた位置に調整する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、画像データ取得機構60は、測定光学系61の左右方向(X方向)における位置を調整するためのX方向移動機構をさらに備え、X方向移動機構とZ方向移動機構63とによって、測定光束の照射位置を調整してもよい。この場合には、レンズLEを水平方向に回転させなくても、測定光束の照射位置をレンズLEの玉型形状TGに基づいた位置に調整することができる。
なお、本実施例においては、Y方向移動機構62を駆動して測定光学系61を移動させることで、レンズLEにおけるコバの前面位置を求める構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、Y方向移動機構62を駆動せずに測定光学系61を固定配置して、レンズLEにおけるコバの前面位置を求める構成であってもよい。例えば、この場合、制御部70は、各断面画像データ75に表示された前面像データP1sの位置から、レンズLEのコバの前面位置を特定するようにしてもよい。もちろん、Y方向移動機構62により測定光学系61が移動した移動量と、各断面画像データ75に表示された前面像データP1sの位置と、の双方に基づいて、レンズLEにおけるコバの前面位置を求める構成であってもよい。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が備える撮像素子69を、その受光面が光軸L4に対して垂直となるように配置する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、撮像素子69は傾斜可能に配置されてもよい。これによって、レンズLEの屈折率及び前面カーブ値によって、撮像素子69の焦点位置がレンズLEの前面と後面でずれてしまっても、撮像素子69の受光面の角度を変化させて、焦点位置を適切に合わせることができる。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が備える光源65から、点状の測定光束が照射される構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、光源65からスリット状の測定光束を照射する構成としてもよい。この場合には、光源65とレンズLEとの間にスリット板とレンズとを設け、光源65から照射された測定光束を細いスリット状に制限して、レンズLEに集光させもよい。これによって、レンズLEには所定の幅をもったスリット状の測定光束が照射されるので、撮像素子69はレンズLEの所定の幅の前面及び後面の像を撮像することができる。また、このように撮像された断面画像データ75を画像処理することで、レンズLEの前面カーブ値及び後面カーブ値を求めることもできる。
また、本実施例においては、画像データ取得機構60が備える光源65から、点状の測定光束をレンズLEの1点に向けて照射する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、光源65を移動可能に配置し、点状の測定光束をライン状に走査する構成としてもよい。これによっても、撮像素子69はレンズLEの所定の幅の前面及び後面の像を撮像することができる。従って、制御部70は、断面画像データ75を画像処理し、レンズLEの前面カーブ値及び後面カーブ値を求めることができる。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60がレンズLEの動径角毎に断面画像データ75を取得し、制御部70が断面画像データ75に基づいてコバ情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLEにおいて断面画像データ75を取得していない位置(例えば、玉型形状に対応する点と点の間の位置、等)については、周辺の動径角における断面画像データ75に基づいたコバ情報を用いて補間することで、その位置のコバ情報を取得するようにしてもよい。
なお、本実施例においては、画像データ取得機構60が備える光源65が、レンズLEの玉型形状に基づいた位置に測定光束を照射する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLE上におけるいずれかの位置で測定される構成であってもよい。一例として、例えば、光源65は、レンズLEのレンズ面に穴を開ける加工を施す場合等には、穴位置に測定光束を照射するようにしてもよい。これによって、レンズLEの穴位置におけるコバ情報(例えば、コバ厚等)や、前後面のカーブ値を取得することができる。
なお、例えば、画像データ取得機構60が備える撮像素子69は、レンズLEのカーブ値によっては、反射光束(例えば、第1反射光束R1または第2反射光束R2少なくともいずれか)の輝度レベルが良好でなく、レンズLEの断面画像データ75を精度よく取得できない場合がある。このため、例えば、制御部70は、光源65から照射される測定光束の投光光量を制御することによって、輝度レベルを制御してもよい。この場合、制御部70は、断面画像データ75から輝度レベル(輝度値)を検出し、検出した輝度レベルが所定の閾値を満たすか否かを判定してもよい。なお、所定の閾値は、実験やシミュレーション等によって、予め輝度レベルが良好であると判定されるような閾値が設定されていてもよい。
例えば、制御部70は、その判定結果に基づいて、光源65の投光光量を制御(変更)する。例えば、制御部70は、断面画像データ75の輝度レベルが所定の閾値を満たさない(例えば、所定の閾値より小さい)と判定した場合に、断面画像データ75の輝度レベルが所定の閾値を満たすように、光源65の投光光量を増加させる。また、例えば、制御部70は、断面画像データ75の輝度レベルが所定の閾値を満たす(例えば、所定の閾値以上である)と判定した場合に、輝度レベルの制御を行わず、光源65の投光光量を維持する。もちろん、制御部70は、断面画像データ75の輝度レベルが所定の閾値を満たすと判定した場合であっても、より適正な輝度レベルとなるように、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。これによって、様々なカーブ値のレンズLEに対応させて、レンズLEの断面画像データ75を精度よく取得できる。
なお、本実施例においては、断面画像データ75から取得されるレンズLEの前面像データP1sと後面像データQ2sとの間隔hを、レンズLEの屈折率に基づいて補正することによって、レンズLEのコバ厚tを求める構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、断面画像データ75をレンズLEの屈折率に基づいて補正し、補正した後の前面像データと後面像データの間隔hを算出することによって、レンズLEのコバ厚tを求めてもよい。なお、断面画像データ75は、レンズLEの屈折率と、レンズLEの前面カーブ値と、光学中心位置Oから各動径角の点までの距離Dと、の少なくともいずれかに基づいて補正されてもよい。
なお、本実施例においては、カップ取付装置1を用いて軸打ちを行った後に、断面画像データ75及びコバ情報(例えば、レンズLEのコバ厚t)を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。本実施例では、カップ取付装置1を用いて、軸打ち、断面画像データ75の取得、及びコバ情報の取得、が行われる構成であればよい。例えば、この場合には、断面画像データ75及びコバ情報を取得した後に、レンズLEへの軸打ちを行ってもよい。
なお、本実施例では、カップ取付装置1が測定光学系61を用いてレンズLEのコバ情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、カップ取付装置1は測定子を備え、レンズLEに測定子を当接させることによって、レンズLEのコバ情報を取得する構成であってもよい。
また、本実施例においては、カップ取付装置1を用いてレンズLEの仕上げ加工位置を設定する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLEの仕上げ加工位置は、レンズ周縁加工装置90を用いて設定されてもよい。この場合には、例えば、レンズ周縁加工装置90が備える図示なきディスプレイに、コバ厚に基づいた仕上げ加工位置が表示されてもよい。また、例えば、仕上げ加工位置を調整するための操作信号に基づいて、仕上げ加工位置が設定されるようにしてもよい。また、例えば、左レンズの仕上げ加工位置と右レンズの仕上げ加工位置とが比較可能に表示されてもよい。
なお、本実施例では、レンズ周縁加工装置90を用いて、レンズLEの前面における玉型形状に基づいた動径角の1点のコバ情報(第2コバ情報)を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズ周縁加工装置90を用いて、玉型形状に基づいた動径角の複数の点のコバ情報を取得する構成であってもよい。この場合には、例えば、仮想線V1上の2点(すなわち、図13における点P1と点P5)と、仮想線V2上の2点と、の合計4点、等のコバ情報が取得されてもよい。これによって、制御部95は、レンズLEをレンズチャック軸102L及び102Rにより保持したことで生じるレンズLEの変形や傾きを予測することができる。なお、以下ではレンズLEが傾いた場合を一例に挙げて説明する。
図13はレンズチャック軸102がレンズLEを保持した状態を示す図である。例えば、図13は仮想線V1による断面を表しており、レンズLEが傾いている。なお、図13では、点P1から回転中心軸K3と垂直な方向に伸びる辺g1と、点P5から回転中心軸K3と水平な方向に伸びる辺g2と、の交点を点P6として説明する。例えば、制御部95は、レンズ周縁加工装置90が備える測定子201にレンズLEの仮想線V1上の2点(すなわち、点P1と点P5)を接触させ、それぞれの点におけるX方向の位置座標を算出する。続いて、制御部95は、辺g1と辺g2の距離をそれぞれ算出する。例えば、制御部95は、点P1と点P5のX方向における座標位置の差分から、辺g2の距離を求める。また、例えば、制御部95は、レンズLEの玉型形状から、辺g1の距離を求める。例えば、本実施例では、回転中心軸K3から点P1までのY方向における距離と、回転中心軸K3から点P5までのY方向における距離と、が玉型形状によりそれぞれ既知であるため、これらに基づいて辺g1の距離を算出することができる。
例えば、制御部95は、辺g1及び辺g2を用いた三角関数により、辺g1と、点P1と点P5とを結ぶ線分と、がなす角度αを計算する。これによって、レンズLEがレンズチャック軸102L及び102Rに対して垂直方向に傾斜した角度を求めることができる。また、例えば、制御部95は、レンズ周縁加工装置90におけるレンズLEの仮想線V2上の2点についても位置座標を算出し、上記と同様にして、レンズLEがレンズチャック軸102L及び102Rに対して水平方向に傾斜した角度を求めることができる。例えば、制御部95は、これらの傾斜角度を考慮して、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEに対して、カップ取付装置1にて作成されたヤゲン形成データを対応させるようにしてもよい。
なお、本実施例においては、カップ取付装置1がコバ測定機構を有し、コバ測定機構を制御することによって、レンズLEを測定してコバ情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、カップ取付装置1はコバ測定機構を有さず、別の装置からコバ情報を取得する構成であってもよい。
なお、本実施例では、ステップS7の仕上げ加工位置の設定において、制御部70によるヤゲンの仮位置の初期設定及び自動調整と、操作者によるヤゲンの仮位置の手動調整と、をそれぞれ行う構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、これらの設定及び調整は、少なくともいずれかが行われる構成であればよい。もちろん、これらの設定及び調整は、組み合わせて行われる構成であってもよい。