JP7170970B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents
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Description
高圧燃料ポンプは、ポンプカムを有するカム軸と、ポンプカムによって往復移動されるプランジャ等を備え、カム軸が、エンジンのシリンダヘッドに配設されたカムシャフトにより回転駆動される。それ故、通常、高圧燃料ポンプは、カムシャフトに近いエンジン上部に配設されている。
特許文献2のハイブリッド車両は、燃料タンクが、フロアパネルの下方で且つ前後方向及び幅方向中央部に形成された燃料タンク収容部に配置され、バッテリモジュール、インバータユニット、及びDC/DCコンバータユニットをユニット化したIPUが、燃料タンク収容部よりも後側に位置するリヤフロア上部に形成されたIPU収容部に配置されている。そして、電装配線(高電圧ハーネス)は、フロアパネルの下方であるトンネル部の内側に沿って配索されている。
高圧燃料ポンプの衝突安全性を考慮したとき、高圧燃料ポンプは、エンジン下部に相当するシリンダブロックの側壁部に装着することが望ましい。
しかし、高圧燃料ポンプをシリンダブロックに装着した場合、高圧燃料ポンプの安全性を確保できるものの、新たな問題を招く虞がある。
即ち、燃料ポンプと燃料供給管を含めた燃料系の衝突安全性には改善の余地が存在する。
前記高電圧ハーネスが、前記燃料供給管と前記下部車体メンバとの間において前記燃料供給管の一部と平面視にて重複するように配索されたため、車両衝突時、高電圧ハーネスによって燃料供給管と下部車体メンバとの干渉を回避することができる。
この構成によれば、燃料供給管の下方に配置された電気部品の高電圧ハーネスを利用して燃料供給管の安全性を確保することができる。
この構成によれば、電気部品を利用して燃料供給管の安全性を確保することができる。
この構成によれば、インバータとコンバータの少なくとも一方を利用して燃料供給管の安全性を確保することができる。
この構成によれば、下部車体メンバと電動モータとの間隔に拘らず電動モータと高電圧ハーネスとを接続することができる。
以下の説明は、本発明をハイブリッド車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
まず、本発明に係るエンジンの燃料供給装置が適用される車両Vの全体構成について、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、この車両Vは、例えば、第1動力源として直列6気筒ディーゼルエンジン1と、このエンジン1の下流側位置に配設された第2動力源としてのモータジェネレータ(以下、モータと略す。)2と、このモータ2の下流側位置に配設された自動変速機(以下、ATと略す。)3と、駆動力を左右1対の後輪8に対して分配するデファレンシャルギヤ機構(以下、デフ機構と略す。)4と、電力供給機構Eと、燃料供給機構F等を備えたハイブリッド車両である。
トンネル部9aの左右両側端部には、フロアパネル9と協働して前後に延びる断面略矩形状の閉断面を形成する左右1対のトンネルサイドフレーム10が夫々設けられている。1対のトンネルサイドフレーム10の左右両側部分には、フロアパネル9と協働して前後に延びる断面略矩形状の閉断面を形成する左右1対のフロアフレーム11が夫々設けられている。トンネル部9aの前端部下方には、車幅方向に延びると共に左右1対の前輪のサスペンションを支持するためのサスペンションクロスメンバ(以下、サスクロスと略す。)12が配設されている。以下、矢印F方向を前方、矢印L方向を左方、矢印U方向を上方として説明する。
図2~図4に示すように、モータ2は、トンネル部9aとサスクロス12との間において、エンジン1の後端部に同軸上且つ直列的に連結されている。
このモータ2は、電力供給機構Eから供給される電力を動力源として駆動される。モータ2の回転軸とAT3の回転軸とは、断続可能な第2クラッチ6を介して連結されている。
AT3はトンネル部9aに略収容されている。デフ機構4は、AT3の出力軸を介して駆動力が入力され、操舵状態に応じて左右の後輪8に夫々対応した駆動軸7への駆動力分配率を変更可能に構成されている。
図1~図4に示すように、電力供給機構Eは、バッテリ21と、このバッテリに電気的に接続されたインバータ22と、このインバータ22に電気的に接続されたDC/DCコンバータ(以下、コンバータと略す。)23と、モータ2に電気的に接続された端子台24と、インバータ22と端子台24とを電気的に接続する高電圧ハーネス(以下、ハーネスと略す。)25等を備えている。
このバッテリ21は、例えば、48V、3.5kWhのリチウムイオンバッテリが使用され、トンネル部9aの内部に適宜配置されている。
図2~図4に示すように、短冊状のインバータ22は、パネル状のブラケット26に固定され、トンネル部9aの左側領域において、その長手方向が前後に向かう状態で車体に取り付けられている。インバータ22を載置したブラケット26は、左側部分が、フロアフレーム11にボルトを介して締結固定され、右側部分が、トンネルサイドフレーム10にボルトを介して締結固定されている。
図2に示すように、短冊状のコンバータ23は、その前端部がインバータ22の後端部から離間した状態で直列的に接続されると共に、トンネル部9aの左側領域において、その長手方向が前後に向かう状態で車体に取り付けられている。このコンバータ23は、左側部分から突出した固定部がフロアフレーム11にボルトを介して締結固定され、前側部分から突出した固定部がブラケット26の後端部にボルトを介して締結固定されている。
コンバータ23は、側面視にてインバータ22よりも下方に配置されている。
モータ2がトンネル部9aとサスクロス12との間に配設され、インバータ22がサスクロス12の後側に配設されているため、モータ2とインバータ22との間には、端子台24を設置するためのスペース確保が難しい。そこで、端子台24を、最後列の気筒のシリンダブロック51の左側壁部下部、具体的には、燃料ポンプ33の下側近傍位置に装着し、配線系統をモータ2まで左側壁部に沿って延設している。
また、このハーネス25は、サスクロス12の上方を所定距離離隔して横切るように配索されている。
燃料供給機構Fは、燃料である軽油を貯留可能な扁平状の燃料タンク31と、この燃料タンク31に第1燃料供給管34を介して接続された燃料フィルタ32と、この燃料フィルタ32に第2燃料供給管35を介して接続されると共に前後に延びる前後1対のコモンレール54a,54bに第3燃料供給管36a,36bを介して接続された燃料ポンプ33と、余剰燃料を燃料タンク31まで搬送する燃料還流管37等を主な構成要素としている。
それ故、第1,第2燃料供給管34,35には、燃料フィルタ32の上部近傍領域において、交差部分と並行部分とが夫々存在している。
クリップc1は、燃料フィルタ32の前部上方にて第2燃料供給管35(35a)と燃料還流管37と2本のブレーキ液パイプ14を連結している。クリップc2は、クリップc1の後方にて第1,第2燃料供給管34(34a),35(35a)と燃料還流管3を連結している。クリップc3は、クリップc2の後方にて第1燃料供給管34(34a)と燃料還流管37と2本のブレーキ液パイプ14を連結している。
図3,図4に示すように、第2燃料供給管35及び燃料還流管37は、燃料フィルタ32上からエンジン1付近までの領域において、インバータ22及びコンバータ23の上部を前後に延びるように並設された後、屈曲して上方に延びている。
インバータ22の上部には、クリップc4と、このクリップc4の後側のクリップc5とが設けられ、第2燃料供給管35及び燃料還流管37の途中部が固定されている。
具体的には、ハーネス25が、第2燃料供給管35及び燃料還流管37とサスクロス12との間において、第2燃料供給管35及び燃料還流管37の一部と平面視にて重複するように配設されている。これにより、車両側突時、サスクロス12が山折れ変形しても、ハーネス25が緩衝部材として介在し、第2燃料供給管35及び燃料還流管37とサスクロス12との直接的な干渉を回避している。
本実施形態によれば、第2燃料供給管35は、燃料タンク31からサスクロスメンバ12の上側を通って前方に延設された後、上方に延びて燃料ポンプ33に接続されているため、燃料ポンプ33をエンジン1下部に配置することができ、車両衝突時、燃料ポンプ33の損傷を抑制することができる。ハーネス25が、第2燃料供給管35とサスクロスメンバ12との間において第2燃料供給管35の一部と平面視にて重複するように配索されたため、車両衝突時、ハーネス25によって第2燃料供給管35とサスクロスメンバ12との干渉を回避することができる。
1〕前記実施形態においては、6気筒のディーゼル縦置きエンジンの例について説明したが、エンジン種類、気筒数、型式、配置形態等は任意に設定することが可能であり、例えば、4気筒ガソリンエンジンであっても良い。また、ハイブリッド車両の例について説明したが、少なくともエンジンと燃料タンクと燃料ポンプと電気部品を備えた車両であれば良く、ハイブリッド車両に限られない。
2 モータ
3 AT
12 サスクロスメンバ
22 インバータ
23 コンバータ
24 端子台
25 ハーネス
31 燃料タンク
33 燃料ポンプ
35 第2燃料供給管
V 車両
Claims (5)
- 車体前部に配置されたエンジンに固定された燃料ポンプと、前記エンジンの下方且つ後方に配置され車幅方向に延びる下部車体メンバと、車体後部に配置された燃料タンクと、前記燃料ポンプと燃料タンクを接続する燃料供給管と、前記燃料タンクと下部車体メンバとの間に配置された電気部品に接続された高電圧ハーネスとを備えた車両に搭載されたエンジンの燃料供給装置において、
前記燃料供給管は、前記燃料タンクから前記下部車体メンバの上側を通って車体前後方向前方に延設された後、上方に延びて前記燃料ポンプに接続され、
前記高電圧ハーネスが、前記燃料供給管と前記下部車体メンバとの間において前記燃料供給管の一部と平面視にて重複するように配索されたことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。 - 前記高電圧ハーネスが、前記燃料供給管の下方に配置された前記電気部品と前記燃料ポンプの近傍に配設された端子台を接続するワイヤハーネスであることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記燃料供給管の一部は、平面視にて前記電気部品の上方に配索されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記電気部品が、インバータとコンバータの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記エンジンの後側に配設されたトランスミッションと、
前記エンジンとトランスミッションとの間に配置された車両を駆動可能な電動モータとを有し、
前記端子台は、前記電動モータよりも前側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃料供給装置。
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