JP7170782B2 - 生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)抗体アイソタイプの濃度を決定するための方法および試薬 - Google Patents

生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)抗体アイソタイプの濃度を決定するための方法および試薬 Download PDF

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Description

相互参照
本出願は、その全体が参照により本出願に組み込まれる2017年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/447772号に対する優先権を主張する。
背景
タンパク質バイオ医薬品は、最も急成長している治療様式である。これらの薬物は通常、患者に投与されて疾患に関与する特定の生理学的プロセスを変化させるタンパク質(すなわち、IgG)分子である。タンパク質バイオ医薬品の商業的製造プロセスは、時間のかかる高価で困難なプロセスである。これは、殆どのタンパク質バイオ医薬品が、細菌、酵母、昆虫および哺乳動物の細胞など、生きた細胞株の中で製造されるためである。これらの細胞株は、典型的には、目的のタンパク質バイオ医薬品を産生して細胞外環境(細胞培養上清)に分泌するように遺伝子操作されている。バイオ医薬品が分泌されたら、それは、商業的利用のために回収および精製される。このプロセスには高額な費用がかかるため、非常に高レベルの目的のタンパク質を産生するように産生細胞株を操作することが望ましい。
発明の概要
一態様では、生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)抗体アイソタイプの濃度を決定するための方法であって、
(a)マイクロタイタープレート内の複数のウェルにおいて、IgG抗体を含む生物学的サンプルを検出試薬と共にインキュベートするステップであって、検出試薬は、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントとそのIgG抗体との均一な混合を促進して複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(b)複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合しており、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団に対する1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントおよびIgG抗体の結合を促進してIgGアイソタイプ特異的結合複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(c)IgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルを検出して、生物学的サンプル中に存在する1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定するステップであって、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプの量は、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例する、ステップと、
を含む方法が提供される。
一実施形態において、方法は、
(d)対照サンプルの段階希釈物を検出試薬と共にインキュベートして対照混合物を生成するステップであって、対照サンプルの段階希釈物の各希釈物は、マイクロタイタープレートの別々のウェルに存在し、対照サンプルは、検出試薬中の1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに対応する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、対照サンプル中の非標識IgGタンパク質アイソタイプと1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントとの混合を促進するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(e)対照混合物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、インキュベートは、1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉ビーズ集団に対する1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントおよび1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの競合的結合を促進して対照IgGアイソタイプ特異的結合複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(f)IgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルの分析によって各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成するステップであって、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される、ステップと、
をさらに含む。
別の態様では、生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)アイソタイプ抗体の濃度を決定するための方法であって、
(a)マイクロタイタープレート内の複数のウェルにおいて、IgG抗体を発現する複数の生物学的サンプルを1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合しており、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬に対するIgG抗体の結合を促進してIgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(b)IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を検出試薬と共にインキュベートするステップであって、検出試薬は、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体上の未占有部位に対する検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの結合を促進して検出可能なように標識された標的IgGタンパク質-IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(c)検出可能なように標識された標的IgGタンパク質-IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質からのシグナルを検出して1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定するステップであって、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプタンパク質の量は、検出されたシグナルに反比例する、ステップと、
を含む方法が提供される。
一実施形態において、方法は、
(d)対照サンプルの段階希釈物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートして対照混合物を生成するステップであって、対照サンプルの段階希釈物の各希釈物は、マイクロタイタープレートの別々のウェルに存在し、対照サンプルは、検出試薬中の1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに対応する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬に対する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプの結合を促進して対照複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(e)対照複合体を検出試薬と共にインキュベートするステップであって、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬上の未占有部位に対する1種以上の検出可能なように標識されたIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの結合を促進するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(f)IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団に結合した検出可能なように標識されたIgGアイソタイプからのシグナルの分析によって各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成するステップであって、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgGアイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される、ステップと、
をさらに含む。
いずれかの態様の様々な実施形態において、検出試薬は、規定比率の2種、3種、4種または5種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、2種、3種、4種または5種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度が各生物学的サンプルにおいて決定される。
さらなる実施形態では、検出試薬は、検出可能な細胞生存マーカーをさらに含んでよく、方法は、各生物学的サンプルにおいて細胞生存率および/または細胞数を測定することをさらに含む。別の実施形態では、結合分子が結合している表面は、ビーズを含んでよい。一実施形態において、各捕捉試薬集団は、別々に識別可能である。さらなる実施形態では、結合分子は、抗体、アフィマー(affimer)、アプタマーおよび/またはFc受容体を含む。別の実施形態では、方法は、各生物学的サンプルにおいて総IgG抗体濃度を決定することをさらに含む。さらなる実施形態では、生物学的サンプルは、細胞サンプルを含む。一実施形態において、生物学的サンプルは、未希釈サンプルである。別の実施形態では、方法は、いかなる洗浄ステップも含まない。
一実施形態において、生物学的サンプルは、マウスB細胞、または細胞を含むか含まないマウス細胞ハイブリドーマ上清、を含み、異なるIgGアイソタイプは、マウスのIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される。別の実施形態では、生物学的サンプルは、ヒト細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ヒトのIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される。さらなる実施形態では、生物学的サンプルは、ラット細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ラットのIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される。他の実施形態では、
(i)生物学的サンプルは、ウサギ細胞またはヒツジ細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ウサギまたはヒツジのIgGからなる群より選択される;
(ii)生物学的サンプルは、ヤギ細胞、ブタ細胞またはウシ細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ヤギ、ブタまたはウシのIgG1およびIgG2からなる群より選択される;
(iii)生物学的サンプルは、ウマ細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ウマのIgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される;または
(iv)生物学的サンプルは、サル細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、サルのIgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される。
別の態様では、
(a)規定比率の2種、3種、4種または5種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメント(antigenic fragment)を含む、検出試薬と、
(b)2種、3種、4種または5種以上の捕捉試薬集団であって、各捕捉試薬集団は、異なるIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各捕捉試薬集団中の結合分子は表面に結合している、2種、3種、4種または5種以上の捕捉試薬集団と、
を含むキットが提供される。
一実施形態において、表面は、ビーズを含む。別の実施形態では、各捕捉試薬集団は、別々に識別可能である。さらなる実施形態では、結合分子は、抗体を含む。別の実施形態では、キットは、検出試薬中の2種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントに対応する規定比率の2種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含む、対照サンプルをさらに含む。一実施形態において、対照サンプルは、検出試薬中の3種以上または4種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントに対応する規定比率の3種以上または4種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含む。
一実施形態において、検出試薬は、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的マウスIgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される異なるマウスIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。別の実施形態では、検出試薬は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的ヒトIgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される異なるヒトIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。さらに他の実施形態では、検出試薬は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的ラットIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される異なるラットIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。様々な他の実施形態において、
(A)検出試薬は、規定比率の、
(i)IgG1、IgG2からなる群より選択される2種の異なる検出可能なように標識された標的ヤギ、ブタまたはウシIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメント;
(ii)IgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される2種または3種の異なる検出可能なように標識された標的ウマIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメント;あるいは
(iii)IgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的サルIgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメント;
を含み、
(B)捕捉試薬は、
(i)各捕捉試薬集団が、IgG1、IgG2からなる群より選択される異なる標的ヤギ、ブタまたはウシIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種の捕捉試薬集団;
(ii)各捕捉試薬集団が、IgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される異なるウマIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種または3種の捕捉試薬集団;あるいは
(iii)各捕捉試薬集団が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される異なるサルIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種、3種または4種の捕捉試薬集団;
を含む。
別の態様では、免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
(a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、分析試薬が、
(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
(ii)(A)対照IgG抗体またはそのフラグメントと、(B)第1の検出可能部分と、を含む第1の検出分子、
を含む、ステップ;
(b)捕捉ビーズに対する標的IgG抗体および第1の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物をインキュベートするステップ;ならびに
(c)フローサイトメトリー分析によって複数の分析混合物の各分析混合物において標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
を含む方法が提供される。
一実施形態において、細胞培養物は、単一のクローンから増殖させる。別の実施形態では、捕捉ビーズは、共有結合でプロテインGまたはプロテインAと連結されている。さらなる実施形態では、捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである。別の実施形態では、複数のサンプルが移される前に、アッセイプレートは、凍結乾燥された分析試薬を含む。一実施形態において、分析試薬を複数のサンプルと混合することは、ウェル中の細胞サンプルに分析試薬を添加することを含む。別の実施形態では、アッセイプレートは、フローサイトメーターにおいてアッセイプレート内の複数の分析混合物を読み取る前に遠心分離される。さらなる実施形態では、混合は、複数の細胞サンプルと全ての分析試薬とを同時に混合することを含み、ここで、第1の検出分子は、捕捉ビーズへの結合に関して標的IgG抗体と競合し、各分析混合物における捕捉ビーズに結合した第1の検出分子の量は、所与の分析混合物における標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。別の実施形態では、混合は、捕捉ビーズと第1の検出分子の段階的添加を含み、ここで、段階的添加は、
まず、捕捉ビーズに対する標的IgG抗体の結合を促進して複数の第1の混合物を生成するような時間と条件下で複数の細胞サンプルを捕捉ビーズと混合してから、捕捉ビーズに対する第1の検出分子の結合を促進して複数の分析混合物を生成するような時間と条件下で複数の第1の混合物に第1の検出分子を添加すること
を含み、各分析混合物における捕捉ビーズに結合した第1の検出分子の量は、所与の分析混合物における標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。
別の態様では、免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
(a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、分析試薬が、
(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
(ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子、
を含む、ステップ;
(b)捕捉ビーズに対する標的IgG抗体および第1の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物をインキュベートするステップ;ならびに
(c)フローサイトメトリー分析によって複数の分析混合物の各分析混合物において標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
を含む方法が提供される。
一実施形態において、第1の検出分子は、免疫グロブリン軽鎖を欠いており、且つ捕捉ビーズに結合することが可能である。別の実施形態では、方法は、捕捉ビーズに結合した標的IgG抗体に対する第2の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物を第2の検出分子と接触させることをさらに含み、ここで、
第2の検出分子は、第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗IgG軽鎖抗体を含み、
各分析混合物における標的IgG抗体に結合した第2の検出分子の量は、所与の分析混合物におけるインタクトな標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。
別の実施形態では、標識された抗軽鎖抗体が添加される前に、複数の分析混合物は、遠心分離され、洗浄ステップに供される。さらなる実施形態では、分析試薬は、細胞生存染料(cell viability dye)、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含む。様々な実施形態において、方法は、
(i)各分析混合物における細胞の数;
(ii)各分析混合物における生存細胞のパーセンテージ;
(ii)各分析混合物における細胞あたりの標的IgG抗体の濃度;および/または
(iii)各分析混合物における生存細胞あたりの標的IgG抗体の濃度;
のうちの1つ以上を決定することをさらに含む。
別の態様では、
(a)アッセイプレート、および
(b)(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズと、(ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子と、を含む分析試薬、
を含むキットが提供される。
一実施形態において、第1の検出分子は、対照IgG抗体またはそのフラグメントを含む。別の実施形態では、キットは、第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗軽鎖抗体をさらに含む。さらなる実施形態では、分析試薬は、細胞生存染料、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含む。別の実施形態では、捕捉ビーズは、共有結合でプロテインGまたはプロテインAと連結されている。さらなる実施形態では、捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである。別の実施形態では、アッセイプレートは、凍結乾燥された分析試薬を含む。
図1は、4種の異なるIgGアイソタイプを捕捉するための4種の捕捉ビーズを用いたマルチプレックス競合アッセイフォーマットの図である。 図2は、マイクロタイタープレートにおける標準ウェルの例示的なセットアップの図である。
詳細な説明
引用される参考文献は全て、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
本出願で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、そうではないことを文脈が明らかに指示しない限り、複数の指示対象を包含する。「および(and)」は、本出願で使用される場合、そうではないことが明記されない限り、「または(or)」と同じ意味で使用される。
本発明の任意の態様の全ての実施形態は、そうではないことを文脈が明らかに指示しない限り、組み合わせて使用できる。
文脈上明らかに別段の要求がない限り、説明および特許請求の範囲の全体にわたって、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」等の単語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で(すなわち、「~を包含するがそれに限定されない(including, but not limited to)」という意味で)解釈されるべきである。単数形または複数形を用いる単語は、それぞれ複数形および単数形も包含する。さらに、単語「本出願で(herein)」、「上記(above)」および「以下(below)」ならびに同様の意味の単語は、本出願において使用される場合、本出願の特定の部分を指すのではなく、本出願全体を指すものとする。
本開示の実施形態の説明は、網羅的であることを意図するものでも、開示される形態そのものに開示を限定することを意図するものでもない。説明を目的として本開示の特定の実施形態と例が本出願で説明されているが、当業者であれば認識するように、本開示の範囲内で様々な同等の改変が可能である。
第1の態様では、生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)抗体アイソタイプの濃度を決定するための方法であって、
(a)マイクロタイタープレート内の複数のウェルにおいて、IgG抗体を含む生物学的サンプルを検出試薬と共にインキュベートするステップであって、検出試薬は、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントとそのIgG抗体との均一な混合を促進して複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(b)複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合しており、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団に対する1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントおよびIgG抗体の結合を促進してIgGアイソタイプ特異的結合複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(c)IgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルを検出して、生物学的サンプル中に存在する1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定するステップであって、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプの量は、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例する、ステップと、
を含む方法が提供される。
当該方法は、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプが、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例する、という逆相関に基づいて、生物学的サンプル中に存在する1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定することを可能にする。
単離されたIgG抗体分泌細胞、IgG抗体分泌細胞の集団、そのような細胞の上清、それらの細胞抽出物、血清、血清抽出物、体液(血液を包含するがこれに限定されない)および体液抽出物(血液抽出物を包含するがこれに限定されない)を包含するがこれらに限定されない、IgG抗体を含む任意の好適な生物学的サンプルが使用されてよい。非限定的な実施形態において、生物学的サンプルは、抗体分泌B細胞、ハイブリドーマ細胞、その上清(すなわち、細胞成分を含むか含まない、細胞またはハイブリドーマが培養された細胞培養培地)、またはその細胞抽出物を含んでよい。特定の実施形態では、生物学的サンプルは、単一のクローンから増殖させた細胞を含む。他の実施形態では、生物学的サンプルは、未定義の細胞集団を含む。一実施形態において、生物学的サンプルは、細胞/ハイブリドーマ培養物からの未希釈サンプルなど、未希釈サンプルである。本発明の方法は、細胞/ハイブリドーマ培養物サンプルの希釈を伴わないIgG抗体アイソタイプの定量化を可能にするが、これは、以前の抗体濃度検出技術を用いては不可能であり、希釈係数の主観的推測を必要とする可能性がある中間のサンプル希釈ステップを除外することによってアッセイのワークフローを大幅に単純化する。
生物学的サンプルは、ヒト、げっ歯類(すなわち、マウス、ラット、ハムスター等)、ウサギ、ブタ、ヤギ、サル、ヒツジ、ウマ、ウシ等を包含するがこれらに限定されない、任意の起源のものであってよい。
本出願で使用される場合、生物学的サンプル中のIgG抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であってよい。特定の実施形態では、生物学的サンプル中のIgG抗体は、モノクローナル抗体、そのフラグメント、またはその免疫学的結合等価物(immunological binding equivalent)である。そのような抗体には、細胞が発現し得るか発現するように操作され得る任意のタイプの抗体が包含され、当該任意のタイプの抗体は、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト化抗体またはキメラ抗体、単鎖抗体(scFv)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド連結型Fv(disulfide-linked Fv)(sdFv)フラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、細胞内抗体(intra-body)、合成抗体、上記のいずれかのエピトープ結合フラグメント、およびIgGのFc領域に相当する領域を含む融合タンパク質を包含するが、これらに限定されない。
検出試薬は、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプ、または対応するIgG抗体アイソタイプに結合する能力を保持するそのフラグメント、を含む。様々な実施形態において、検出試薬は、2種、3種、4種、5種または6種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。そのようなIgGタンパク質は、BD Biosciences、Sigma Chemical Company、MilliporeおよびThermoFisher Scientificを含むいくつかの業者から商業的に入手可能である。各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、特定のIgG抗体アイソタイプに結合する能力を有する。非限定的な一実施形態において、生物学的サンプルは、マウスB細胞またはマウス細胞ハイブリドーマ上清(細胞を含むか含まない)を含み、異なるIgGアイソタイプは、マウスのIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される。この実施形態では、検出試薬は、1種、2種、3種または4種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプ(すなわち、IgG1、IgG2a、IgG2bおよび/またはIgG3)またはそのフラグメントを含む。別の非限定的な実施形態では、生物学的サンプルは、ヒト抗体分泌細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ヒトのIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される。この実施形態では、検出試薬は、1種、2種、3種または4種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。さらなる非限定的な実施形態では、生物学的サンプルは、ラット抗体分泌細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ラットのIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される。この実施形態では、検出試薬は、1種、2種、3種または4種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。様々なさらなる実施形態では、
(i)生物学的サンプルは、ウサギまたはヒツジの抗体を分泌する細胞を含み、唯一のIgGアイソタイプは、ウサギまたはヒツジのIgGである;
(ii)生物学的サンプルは、ヤギ、ブタまたはウシの抗体を分泌する細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ヤギ、ブタまたはウシのIgG1およびIgG2からなる群より選択される。この実施形態では、検出試薬は、1種または2種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む;
(iii)生物学的サンプルは、ウマの抗体を分泌する細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、ウマのIgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される。これらの実施形態では、検出試薬は、1種、2種または3種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む;あるいは
(iv)生物学的サンプルは、抗体を分泌するサル細胞を含み、異なるIgGアイソタイプは、サルのIgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される。この実施形態では、検出試薬は、1種、2種、3種または4種の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。
様々な実施形態において、検出試薬は、規定比率の2種、3種、4種または5種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。この実施形態は、生物学的サンプルにおける2種、3種、4種または5種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度の、より迅速な定量化を可能にする。その比率が分かっている限り、任意の規定比率の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントが使用されてよい。非限定的な一実施形態において、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの各々は、ほぼ同じ濃度で存在する。別の非限定的な実施形態では、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの各々は、ほぼ同じ量(すなわち、3種の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントが存在する場合には約1:1:1)で存在する。
任意の好適な濃度の標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントがアッセイで使用されてよい。非限定的な一実施形態において、検出試薬中の各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、約1ng/ml~約10mg/mlで存在する。様々な他の実施形態では、検出試薬中の各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、約10ng/ml~約1mg/ml、約100ng/ml~約750μg/ml、約500ng/ml~約500μg/ml、約1μg/ml~約250μg/ml、または少なくとも125μg/mlで存在する。
蛍光標識、ハプテン、比色標識(colorimetric label)、様々な放射性標識、酵素、補欠分子族(prosthetic group)、蛍光マーカー、発光マーカー、生物発光マーカー、標識された粒子(シリコン、ガラスまたは金属の粒子)、タンパク質-タンパク質結合ペア、タンパク質-抗体結合ペア等を包含するがこれらに限定されない、任意の好適な検出可能標識が使用されてよい。蛍光標識の例としては、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン(dichlorotriazinylamine fluorescein)、シアニン、塩化ダンシル、フィコシアニン、アロフィコシアニン(APC)、ブリリアントバイオレット染料(brilliant violet dye)、ブリリアントウルトラバイオレット染料(brilliant ultraviolet dye)およびフィコエリトリンが挙げられるが、これらに限定されない。生物発光マーカーの例としては、ルシフェラーゼ(例えば、細菌のもの、ホタルのもの、コメツキムシ(click beetle)のもの等)、ルシフェリン、エクオリン等が挙げられるが、これらに限定されない。視覚的に検出可能なシグナルを有する酵素システムの例としては、ガラクトシダーゼ、グルコリニダーゼ(glucorinidase)、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、コリンエステラーゼ等が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能標識は、様々な供給元から商業的に入手可能である。特定の実施形態では、検出標識は、フルオロフォアまたは蛍光タンパク質を含む。検出試薬が、2種、3種、4種または5種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む場合、異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの集団の各々は、目的の検出アッセイに応じて、同じ標識または区別可能な標識を有してよい。
さらなる実施形態では、検出試薬は、検出可能な細胞生存マーカーをさらに含み、方法は、各生物学的サンプルにおいて細胞生存率および/または細胞数を測定することをさらに含む。任意の好適な細胞生存マーカーが使用されてよい。細胞生存染料は、サンプルにおける非生存細胞の検出を可能にし得る。例えば、細胞生存染料は、細胞内の標的について細胞調製物がフローサイトメトリーによって分析されている場合でさえ、死細胞を恒久的に標識して分析からそれらを除外することを可能にし得る(例えば、Fixable Viability Dye eFlour(登録商標)、ヨウ化プロピジウム(PI)は、一般的に生存細胞から排除される膜不透過性染料である)。細胞生存染料はまた、生細胞を標識することもできる。例えば、非蛍光化合物は、生細胞に自由に侵入し、細胞内のエステラーゼがそれを蛍光色素に変換する。そのような例では、固定または透過処理の後に当該色素が細胞内に保持されず、従って、細胞内染色プロトコルには有用でない。一部の実施形態において、分析試薬は、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーをさらに含む。当業者であれば、細胞表面マーカーが、細胞の表面上に発現されるタンパク質であり、しばしば特定の細胞型のマーカーとして便利に役立ち得る、ということを認識するであろう。例えば、T細胞およびB細胞の表面マーカーは、分化プロセスにおけるそれらの系列と段階を特定する。
インキュベートは、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントとそのIgG抗体との均一な混合を促進して複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を生成するような時間と条件下で行われる。そのような均一な混合を促進する任意の好適な条件が用いられてよく、温度、湿度レベル、インキュベートの長さ、撹拌または他の混合の力の適用、使用される培地等などの適切な条件を決定することは十分に当技術分野における通常の知識のレベルの範囲内である。
方法は、複数のウェルの各ウェルにおいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートすることを含み、ここで、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。各捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに対して特異的であり、従って、IgGアイソタイプに基づいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を分離するために使用することができる。特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する任意の好適な結合分子が使用されてよい。様々な非限定的な実施形態において、結合分子は、抗体、アフィマー、アプタマー、Fc受容体もしくは他のタンパク質/糖/脂質または組み合わせ分子を含む。特定の一実施形態では、結合分子は、IgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する抗体を含む。そのようなIgGアイソタイプ選択的抗体は、BD Biosciences、Sigma Chemical Company、MilliporeおよびThermoFisher Scientificを含むいくつかの業者から商業的に入手可能である。
各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合している。ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン支持体、磁気ビーズもしくは常磁性ビーズ、アガロースビーズおよび濾過媒体(NHS-activated SepharoseまたはCNBr-activated Sepharoseなど)を包含するがこれらに限定されない、任意の好適な表面が用いられてよい。特定の一実施形態では、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどのビーズに結合している。磁気捕捉ビーズまたは常磁性捕捉ビーズは、典型的には、直径約1mm以下であり、沈降または目詰まりを防ぐのに十分なほど、十分に小さい。好適なビーズは、当業者に知られており、種々の供給元から入手できる(例えば、Invitrogen Dynal(ノルウェー)のDynabeads My-One(商標)、またはMerck(フランス)のEstapore)。ビーズは、抗体または抗原の受動的または能動的なカップリングのために、結合分子と予めカップリングされてよいか結合分子でコーティングされてよい。他の実施形態では、捕捉ビーズは、アガロースビーズであってよい。典型的には、アガロースビーズは、直径約20μm~350μmである。別の特定の実施形態では、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、マイクロタイタープレートのウェル内のプリントされたアレイで存在する。
任意の好適な密度の捕捉試薬がアッセイにおいて使用されてよい。非限定的な一実施形態において、各捕捉試薬集団は、1ミリリットルあたり約1万個~約1億個の捕捉試薬という密度で存在する。様々なさらなる実施形態では、各捕捉試薬集団は、1ミリリットルあたり約10万個~約5000万個、約25万個~約2500万個、約50万個~約1000万個または約75万個~約500万個の捕捉試薬という密度で存在する。
インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団に対する1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質またはそのフラグメントおよびIgG抗体の結合を促進してIgGアイソタイプ特異的結合複合体を生成するような時間と条件下で行われる。そのような均一な混合を促進する任意の好適な条件が用いられてよく、温度、湿度レベル、インキュベートの長さ、撹拌または他の混合の力の適用、使用される培地等などの適切な条件を決定することは十分に当技術分野における通常の知識のレベルの範囲内である。
生物学的サンプル中に存在する1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定するためにIgGアイソタイプ特異的結合複合体からシグナル(すなわち、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントからのもの)が検出される。これは競合アッセイであるため、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプの量は、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例する。利用される検出可能な標識に応じて、IgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルを検出するための任意の好適な技術が用いられてよく、それらには、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、フローサイトメトリー、プレートリーダー、Meso Scale Discoveryプラットフォームおよび蛍光顕微鏡法が包含されるが、これらに限定されない。特定の一実施形態では、検出は、IgGアイソタイプ特異的結合複合体を流体の流れに懸濁させてそれらを電子的検出装置に通すことによるフローサイトメトリーを伴い、これは、1秒あたり最大数万個の複合体の物理的および化学的な特性を同時にマルチパラメータ分析することを可能にする。
一実施形態において、方法は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成することをさらに含み、ここで、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される。一つのそのような実施形態において、方法は、
(d)対照サンプルの段階希釈物を検出試薬と共にインキュベートして対照混合物を生成するステップであって、対照サンプルの段階希釈物の各希釈物は、マイクロタイタープレートの別々のウェルに存在し、対照サンプルは、検出試薬中の1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに対応する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、対照サンプル中の非標識IgGタンパク質アイソタイプと1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントとの混合を促進するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(e)対照混合物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、インキュベートは、1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉ビーズ集団に対する1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントおよび1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの競合的結合を促進して対照IgGアイソタイプ特異的結合複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(f)IgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルの分析によって各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成するステップであって、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される、ステップと、
をさらに含む。
この実施形態では、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントと1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団への結合に関して競合する。生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプの量は、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例し、IgGアイソタイプ固有の標準曲線から補間でき、非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの濃度がゼロである対照ウェルから算出されたベースライン量を超える正の量によって定量化できる。
第2の態様では、生物学的サンプルから免疫グロブリンγ(IgG)アイソタイプ抗体の濃度を決定するための方法であって、
(a)マイクロタイタープレート内の複数のウェルにおいて、IgG抗体を発現する複数の生物学的サンプルを1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートするステップであって、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合しており、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬に対するIgG抗体の結合を促進してIgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(b)IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を検出試薬と共にインキュベートするステップであって、検出試薬は、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体上の未占有部位に対する検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの結合を促進して検出可能なように標識された標的IgGタンパク質-IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(c)検出可能なように標識された標的IgGタンパク質-IgG抗体-IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬複合体上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質からのシグナルを検出して1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度を決定するステップであって、生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプタンパク質の量は、検出されたシグナルに反比例する、ステップと、
を含む方法が提供される。
この態様では、方法は、プレインキュベーションプロトコルに従う。
マウスハイブリドーマ培養物などのハイブリドーマ培養物の場合、完全競合アッセイプロトコルが好ましい可能性がある。このプロトコルは、マウスハイブリドーマ培養物で一般に見られるIgG範囲(1~50μg/mL)の定量化を処理できる。
B細胞培養物の場合、プレインキュベーションアッセイプロトコルが好ましい可能性がある。このプロトコルは、調整された競合のプロトコルである。IgGのレベルが低いサンプルの場合、検出/競合試薬の添加前の捕捉試薬と生物学的サンプルとのプレインキュベーションにより、サンプル中の低レベルのIgGがより良好に検出される可能性がある。このプロトコルは、例えばマウスB細胞培養物で一般に見られるマウスIgG範囲(0.1~2μg/mL)の定量化をより良好に処理できる。
本発明の第1の態様の全ての実施形態は、本発明の第2の態様における使用に適している。一実施形態において、方法は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成することをさらに含み、ここで、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される。一つのそのような実施形態において、方法は、
(d)対照サンプルの段階希釈物を1種以上のIgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団と共にインキュベートして対照混合物を生成するステップであって、対照サンプルの段階希釈物の各希釈物は、マイクロタイタープレートの別々のウェルに存在し、対照サンプルは、検出試薬中の1種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに対応する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬に対する1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプの結合を促進して対照複合体を生成するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(e)対照複合体を検出試薬と共にインキュベートするステップであって、インキュベートは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬上の未占有部位に対する1種以上の検出可能なように標識されたIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの結合を促進するような時間と条件下で行われる、ステップと、
(f)IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団に結合した検出可能なように標識されたIgGアイソタイプからのシグナルの分析によって各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を作成するステップであって、各生物学的サンプルにおける1種以上のIgGアイソタイプの濃度は、各IgGタンパク質アイソタイプについての標準曲線を参照することによって測定される、ステップと、
をさらに含む。
この実施形態では、1種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントと1種以上の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団への結合に関して競合する。生物学的サンプル中に存在するIgG抗体アイソタイプの量は、検出された関連するIgGアイソタイプ特異的結合複合体からのシグナルに反比例し、IgGアイソタイプ固有の標準曲線から補間でき、非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの濃度がゼロである対照ウェルから算出されたベースライン量を超える正の量によって定量化できる。
本発明の第1または第2の態様の一実施形態において、方法は、各生物学的サンプルにおける総IgG抗体濃度を決定することをさらに含む。総IgG抗体濃度を決定するための任意の好適な方法が使用されてよい。生物学的サンプル中に存在する各IgGアイソタイプの量が決定される実施形態では、この実施形態は、総IgG抗体濃度に到達するために個々のIgGアイソタイプの濃度の各々の量を加算することを単に必要とするだけである可能性がある。
本発明の第1または第2の態様の別の実施形態では、方法は、いかなる洗浄ステップも含まず、これは、労働集約的な処理時間を排除するとともに、細胞、ビーズまたはその両方のカウントなどの洗浄に関連した読み取りの変動を低減することによってデータの完全性を改善する。
第3の態様では、本開示は、免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
(a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、分析試薬が、
(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
(ii)(A)対照IgG抗体またはそのフラグメントと、(B)第1の検出可能部分と、を含む第1の検出分子、
を含む、ステップ;
(b)捕捉ビーズに対する標的IgG抗体および第1の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物をインキュベートするステップ;ならびに
(c)フローサイトメトリー分析によって複数の分析混合物の各分析混合物において標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
を含む方法を提供する。一部の実施形態において、分析試薬と複数のサンプルとの混合は、ウェル中の細胞サンプルに分析試薬を添加することを含む。他の実施形態では、混合は、複数の細胞サンプルと全ての分析試薬とを同時に混合することを含み、ここで、第1の検出分子は、捕捉ビーズへの結合に関して標的IgG抗体と競合し、各分析混合物における捕捉ビーズに結合した第1の検出分子の量は、所与の分析混合物における標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。さらに別の実施形態では、方法は、捕捉ビーズと第1の検出分子の段階的添加を含み、ここで、段階的添加は、
まず、捕捉ビーズに対する標的IgG抗体の結合を促進して複数の第1の混合物を生成するような時間と条件下で複数の細胞サンプルを捕捉ビーズと混合してから、捕捉ビーズに対する第1の検出分子の結合を促進して複数の分析混合物を生成するような時間と条件下で複数の第1の混合物に第1の検出分子を添加すること
を含み、各分析混合物における捕捉ビーズに結合した第1の検出分子の量は、所与の分析混合物における標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。
特定の実施形態では、細胞培養物は、単一のクローンから増殖させる。他の実施形態では、細胞集団は、定義されていない。典型的には、目的の遺伝子が、候補産生細胞の集団に導入される。宿主染色体への染色体組込みは稀な事象であり、従って、通常、安定にトランスフェクトされた細胞は、様々な方法で選択および培養されなければならない。例えば、安定にトランスフェクトされた細胞の選択のために、選択マーカーが、目的の遺伝子と共発現される。G418に対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼなどの抗生物質に対する耐性、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはグルタミンシンセターゼを含め、トランスフェクトされた細胞を選択するための様々な系が存在する。そのような系は、当業者に周知である。遺伝子導入の後、細胞は、選択剤を含む培地において培養される。薬物耐性遺伝子を含むプラスミドが組み込まれた細胞のみが生き残る。目的の遺伝子が組み込まれた細胞の集団は、各ウェルに1つの細胞のみが配置されるように、希釈されてマルチウェル「マイクロタイター」プレートのウェルに分配される。これを行うための方法は、当技術分野において十分に説明されており、当業者に知られている。1ウェルあたり1つの細胞は、実際には、達成が困難な目標である。殆どのウェルは、1つの細胞を含むが、細胞がゼロのウェルおよび複数の細胞を含むウェルが数多く存在する。一般に、高レベルのタンパク質を分泌する少数の細胞株を見つけるには何十万ものウェルをスクリーニングする必要がある。
この第3の態様で使用される場合、用語「捕捉ビーズ」は、目的のIgG分子またはタンパク質への結合のための支持体を提供することができる任意の分子を指す。特定の実施形態では、捕捉ビーズは、目的のIgG分子またはタンパク質に特異的に結合する分子と共有結合で連結されている。例えば、プロテインGおよびプロテインAは、Fab領域とFc領域を介して抗体に選択的に結合する。プロテインGもしくはプロテインAまたは他の免疫グロブリン結合性細菌タンパク質(プロテインA/GおよびプロテインLなど)を用いて免疫グロブリンを結合/検出することができる。他の実施形態では、捕捉ビーズは、IgG抗体を特異的に認識する抗体、または標的抗体が特異的に結合する分子、と共有結合で連結されてよい。一部の実施形態において、捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである。磁気捕捉ビーズまたは常磁性捕捉ビーズは、典型的には、直径約1mm以下であり、沈降または目詰まりを防ぐのに十分なほど、十分に小さい。好適なマイクロビーズは、当業者に知られており、種々の供給元から入手できる(例えば、Invitrogen Dynal(ノルウェー)のDynabeads My-One、またはMerck(フランス)のEstapore)。上記のように、ビーズは、抗体または抗原の受動的または能動的なカップリングのために、(プロテインGなどの特異的親和性試薬と)予めカップリングされてよいか種々の分子でコーティングされてよい。他の実施形態では、捕捉ビーズは、アガロースビーズであってよい。典型的には、アガロースビーズは、直径約350μm~20μmである。
この第3の態様で使用される場合、用語「検出分子」は、目的の標的IgG分子またはタンパク質の検出を可能にする任意の分子を指す。特定の実施形態では、検出分子は、フルオロフォアまたは蛍光タンパク質などの検出可能部分を含む。検出可能部分を用いて検出分子を標識することができる。検出可能部分には、例えば、蛍光部分、ハプテン、比色部分(colorimetric moiety)、様々な放射性部分、酵素、補欠分子族、蛍光マーカー、発光マーカー、生物発光マーカー、金属粒子、タンパク質-タンパク質結合ペア、タンパク質-抗体結合ペア等が包含されてよい。蛍光部分の例としては、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、シアニン、塩化ダンシル、フィコシアニン、フィコエリトリンが挙げられるが、これらに限定されない。生物発光マーカーの例としては、ルシフェラーゼ(例えば、細菌のもの、ホタルのもの、コメツキムシのもの等)、ルシフェリン、エクオリン等が挙げられるが、これらに限定されない。視覚的に検出可能なシグナルを有する酵素システムの例としては、ガラクトシダーゼ、グルコリニダーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、コリンエステラーゼ等が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能部分は、様々な供給元から商業的に入手可能である。
特定の実施形態では、アッセイプレートは、凍結乾燥された分析試薬を含む。凍結乾燥は、高真空下での凍結物の急速な凍結と脱水による物質の安定調製物の創製である。凍結乾燥された生物材料は、インタクトであるとともに活性を有するはずであり、さらには、溶解が迅速であり実験室プロセスの自動化に理想的に適していること、ならびに製品の保管、輸送および最終使用者による貯蔵に望ましい、周囲温度での長い貯蔵寿命という利点を有する。
第4の態様では、本開示は、免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
(a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、分析試薬が、
(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
(ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子、
を含む、ステップ;
(b)捕捉ビーズに対する標的IgG抗体および第1の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物をインキュベートするステップ;ならびに
(c)フローサイトメトリー分析によって複数の分析混合物の各分析混合物において標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
を含む方法を提供する。特定の実施形態では、第1の検出分子は、免疫グロブリン軽鎖を欠いており、且つ捕捉ビーズに結合することが可能である。一部の実施形態において、方法は、捕捉ビーズに結合した標的IgG抗体に対する第2の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で複数の分析混合物を第2の検出分子と接触させることをさらに含み、ここで、第2の検出分子は、第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗IgG軽鎖抗体を含み、各分析混合物における標的IgG抗体に結合した第2の検出分子の量は、所与の分析混合物におけるインタクトな標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する。特定の実施形態では、標識された抗軽鎖抗体が添加される前に、複数の分析混合物は、遠心分離され、洗浄ステップに供される。
一部の実施形態において、分析試薬は、細胞生存染料、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含む。細胞生存染料は、サンプルにおける非生存細胞の検出を可能にし得る。例えば、細胞生存染料は、細胞内の標的について細胞調製物がフローサイトメトリーによって分析されている場合でさえ、死細胞を恒久的に標識して分析からそれらを除外することを可能にし得る(例えば、Fixable Viability Dye eFlour(登録商標)、ヨウ化プロピジウム(PI)は、一般的に生存細胞から排除される膜不透過性染料である)。細胞生存染料はまた、生細胞を標識することもできる。例えば、非蛍光化合物は、生細胞に自由に侵入し、細胞内のエステラーゼがそれを蛍光色素に変換する。そのような例では、固定または透過処理の後に当該色素が細胞内に保持されず、従って、細胞内染色プロトコルには有用でない。一部の実施形態において、分析試薬は、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーをさらに含む。当業者であれば、細胞表面マーカーが、細胞の表面上に発現されるタンパク質であり、しばしば特定の細胞型のマーカーとして便利に役立ち得る、ということを認識するであろう。例えば、T細胞およびB細胞の表面マーカーは、分化プロセスにおけるそれらの系列と段階を特定する。
特定の実施形態では、方法は、各分析混合物における細胞の数、各分析混合物における生存細胞のパーセンテージ、各分析混合物における細胞あたりの標的IgG抗体の濃度、および/または各分析混合物における生存細胞あたりの標的IgG抗体の濃度のうちの1つ以上を決定することをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、既知のユーザー定義の標準品から濃度曲線をプロットし、それらのプロットを使用して、分泌タンパク質の濃度を決定する、分析ソフトウェアを伴ってよい。他の実施形態では、サンプル中に存在する産生細胞の数が決定される。ソフトウェアは、細胞数に対する分泌タンパク質の比率を自動的に決定し、細胞あたりの分泌タンパク質の濃度を算出し、細胞あたりの分泌タンパク質の値が最も高いウェルを特定する。ハイスループットフローサイトメトリーシステムがセルソーターと共に使用される場合、ソフトウェアはまた、高分泌細胞のウェルから個々の細胞を選別して所望の細胞株をさらに精製するようにシステムを制御する。
特定の実施形態では、本出願で開示される方法は、フローサイトメトリー分析に依存する。一部の実施形態において、フローサイトメトリー用のサンプルは、希釈されていない。他の例では、サンプルは、希釈されておらず、洗浄ステップを経ない。特定の実施形態では、サンプルは、フローサイトメーター(glow cytometer)で分析される前に洗浄されてよい。フローサイトメトリーは、細胞を流体の流れに懸濁させてそれらを電子的検出装置に通すことにより、細胞の計数、細胞選別、バイオマーカーの検出およびタンパク質工学において利用され得る。
第4の態様では、本発明は、
(a)規定比率の2種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含む、検出試薬と、
(b)2種以上の捕捉試薬集団であって、各捕捉試薬集団は、異なるIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含み、各捕捉試薬集団中の結合分子は表面に結合している、2種以上の捕捉試薬集団と、
を含むキットを提供する。
この態様のキットは、例えば、本出願で説明される方法を実施するために使用されてよい。第1および第2の態様の検出試薬と捕捉試薬の実施形態は全て、この態様のキットにおいて用いられてよい。検出試薬は、2種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプ、または対応するIgG抗体アイソタイプに結合する能力を保持するそのフラグメント、を含む。様々な実施形態において、検出試薬は、3種、4種、5種または6種以上の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、特定のIgG抗体アイソタイプに結合する能力を有する。検出試薬は、規定比率の2種、3種、4種または5種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含む。この実施形態は、生物学的サンプルにおける2種、3種、4種または5種以上のIgG抗体アイソタイプの濃度の、より迅速な定量化を可能にする。その比率が分かっている限り、任意の規定比率の検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントが使用されてよい。非限定的な一実施形態において、異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの各々は、ほぼ同じ濃度で存在する。別の非限定的な実施形態では、検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの各々は、ほぼ同じ量(すなわち、3種の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントが存在する場合には約1:1:1)で存在する。任意の好適な濃度の標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントが検出試薬中に存在してよい。非限定的な一実施形態において、検出試薬中の各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、約1ng/ml~約10mg/mlで存在する。様々な他の実施形態では、検出試薬中の各標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントは、約10ng/ml~約1mg/ml、約100ng/ml~約750μg/ml、約500ng/ml~約500μg/ml、約1μg/ml~約250μg/ml、または少なくとも125μg/mlで存在する。蛍光標識、ハプテン、比色標識、様々な放射性標識、酵素、補欠分子族、蛍光マーカー、発光マーカー、生物発光マーカー、金属粒子、タンパク質-タンパク質結合ペア、タンパク質-抗体結合ペア等を包含するがこれらに限定されない、任意の好適な検出可能標識が使用されてよい。蛍光標識の例としては、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、シアニン、塩化ダンシル、フィコシアニン、フィコエリトリンが挙げられるが、これらに限定されない。生物発光マーカーの例としては、ルシフェラーゼ(例えば、細菌のもの、ホタルのもの、コメツキムシのもの等)、ルシフェリン、エクオリン等が挙げられるが、これらに限定されない。視覚的に検出可能なシグナルを有する酵素システムの例としては、ガラクトシダーゼ、グルコリニダーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、コリンエステラーゼ等が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能標識は、様々な供給元から商業的に入手可能である。特定の実施形態では、検出標識は、フルオロフォアまたは蛍光タンパク質を含む。異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントの集団の各々は、目的の検出アッセイに応じて、同じ標識または区別可能な標識を有してよい。
各捕捉試薬集団は、異なる特定のIgGタンパク質アイソタイプに対して特異的であり、従って、IgGアイソタイプに基づいてIgG抗体-標的IgGタンパク質混合物を分離するために使用することができる。特定のIgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する任意の好適な結合分子が使用されてよい。様々な非限定的な実施形態において、結合分子は、抗体、アフィマー、アプタマー、Fc受容体もしくは他のタンパク質/糖/脂質または組み合わせ分子を含む。特定の一実施形態では、結合分子は、IgGタンパク質アイソタイプに選択的に結合する抗体を含む。
各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、表面に結合している。ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン支持体、磁気ビーズもしくは常磁性ビーズ、アガロースビーズおよび濾過媒体(NHS-activated SepharoseまたはCNBr-activated Sepharoseなど)を包含するがこれらに限定されない、任意の好適な表面が用いられてよい。特定の一実施形態では、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどのビーズに結合している。磁気捕捉ビーズまたは常磁性捕捉ビーズは、典型的には、直径約1mm以下であり、沈降または目詰まりを防ぐのに十分なほど、十分に小さい。好適なビーズは、当業者に知られており、種々の供給元から入手できる(例えば、Invitrogen Dynal(ノルウェー)のDynabeads My-One(商標)、またはMerck(フランス)のEstapore)。ビーズは、抗体または抗原の受動的または能動的なカップリングのために、結合分子と予めカップリングされてよいか結合分子でコーティングされてよい。他の実施形態では、捕捉ビーズは、アガロースビーズであってよい。典型的には、アガロースビーズは、直径約350μm~20μmである。別の特定の実施形態では、各IgGアイソタイプ特異的捕捉試薬集団中の結合分子は、マイクロタイタープレートのウェル内のプリントされたアレイで存在する。
任意の好適な密度の捕捉試薬がキット中に存在してよい。非限定的な一実施形態において、各捕捉試薬集団は、1ミリリットルあたり約1万個~約1億個の捕捉試薬という密度で存在する。様々なさらなる実施形態では、各捕捉試薬集団は、1ミリリットルあたり約10万個~約5000万個、約25万個~約2500万個、約50万個~約1000万個または約75万個~約500万個の捕捉試薬という密度で存在する。一実施形態において、異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントの数は、捕捉試薬の数と同じである。
特定の一実施形態では、検出試薬は、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的マウスIgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3からなる群より選択される異なるマウスIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。
別の特定の実施形態では、検出試薬は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的ヒトIgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択される異なるヒトIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。
さらなる特定の実施形態では、検出試薬は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される規定比率の2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的ラットIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントを含み、捕捉試薬は、2種、3種または4種の捕捉試薬集団を含み、各捕捉試薬集団は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cからなる群より選択される異なるラットIgG抗体アイソタイプに選択的に結合する結合分子を含む。
様々なさらなる特定の実施形態において、
(A)検出試薬は、規定比率の、
(i)IgG1、IgG2からなる群より選択される2種の異なる検出可能なように標識された標的ヤギ、ブタまたはウシIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメント;
(ii)IgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される2種または3種の異なる検出可能なように標識された標的ウマIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメント;あるいは
(iii)IgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される2種、3種または4種の異なる検出可能なように標識された標的サルIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメント;
を含み、
(B)捕捉試薬は、
(i)各捕捉試薬集団が、IgG1、IgG2からなる群より選択される異なる標的ヤギ、ブタまたはウシIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種の捕捉試薬集団;
(ii)各捕捉試薬集団が、IgGa、IgGb、IgGtからなる群より選択される異なるウマIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種または3種の捕捉試薬集団;あるいは
(iii)各捕捉試薬集団が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4からなる群より選択される異なるサルIgGタンパク質アイソタイプまたはそのフラグメントに選択的に結合する結合分子を含む、2種、3種または4種の捕捉試薬集団;
を含む。これらの実施形態では、捕捉試薬は、検出試薬中に存在するIgGタンパク質アイソタイプの種類に結合する結合分子を含む。
別の実施形態では、キットは、検出試薬中の2種以上の異なる検出可能なように標識された標的IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントに対応する規定比率の2種以上(2種、3種、4種または5種以上)の異なる非標識IgGタンパク質アイソタイプまたはその抗原性フラグメントを含む、対照サンプルをさらに含む。第1および第2の態様において開示されるような対照の実施形態は全て、この態様のキットにおいて用いられてよい。
キットは、意図される用途に適切である任意の追加的な構成要素をさらに含んでよい。一実施形態において、キットは、検出可能な細胞生存マーカーをさらに含む。
第5の態様では、
(a)アッセイプレート、および
(b)(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズと、(ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子と、を含む分析試薬、
を含むキットが提供される。
第3の態様において開示される実施形態は全て、この第5の態様において用いられてよい。一部の実施形態において、第1の検出分子は、対照IgG抗体またはそのフラグメントを含む。他の実施形態では、キットは、第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗軽鎖抗体をさらに含む。キットはまた、細胞生存染料、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含んでもよい。一実施形態において、捕捉ビーズは、共有結合でプロテインGまたはプロテインAと連結されている。別の実施形態では、捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである。特定の態様では、キットは、凍結乾燥された分析試薬を含むアッセイプレートを含む。
例示的な方法と系が本出願で説明される。単語「例(example)」、「例示的(exemplary)」および「例示的(illustrative)」は、本出願では、「例、実例、または例証として役立つこと」を意味するために使用される、ということが理解されるべきである。本出願において「例(example)」、「例示的(exemplary)」または「例示的(illustrative)」であると説明される実施形態または特徴はいずれも、他の実施形態または特徴よりも好ましいか有利であると解釈されるべきであるというわけではない。本出願で説明される例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。本出願において一般的に説明されるような、および図面において示されるような、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置する、置換する、組み合わせる、分離する、および設計することができ、それらの全てが、本出願において明示的に企図される、ということが容易に理解されるであろう。
実施例1
例示的な試薬の調製
(1)検出試薬混合物の調製:同じチューブ/リザーバーにおいて、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)の十分量にフルオレセインイソチオシアネート(FITC)-マウスIgG1、FITC-マウスIgG2a、FITC-マウスIgG2bおよびFITC-マウスIgG3ならびに赤色蛍光細胞膜完全性染料(red fluorescent cell membrane integrity dye)を加えて混合する。この混合物において、最終的なFITC-マウスIgGの濃度は、各アイソタイプ(IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3)について125μg/mLであってよい。この混合物中の最終的な赤色蛍光FL4細胞膜完全性染料(IntelliCyt Corporation)は、当該チューブ/リザーバーにおいて1:200で希釈されていてよい。
(2)マウスIgG標準品混合物の調製:予め混合したマウスIgG標準品ストックのバイアルを用意する:同じバイアルに、標識されていないマウスのIgG1タンパク質、IgG2aタンパク質、IgG2bタンパク質およびIgG3タンパク質を加えて混合する。この混合物において、各アイソタイプは、例えば200μg/mLの濃度を有してよい。予め混合されたマウスIgGの連続的タイトレーション(serial titration)は、新鮮な細胞培養培地(生物学的サンプルが由来する培養プレートまたは培養フラスコで使用されているのと同じ培地)を用いて実施されてよい。これらの段階希釈された標準品をアッセイのセットアップにおいて後で使用して4つの標準曲線(各マウスIgGアイソタイプについて1つの標準曲線)を作成してよい。
(3)捕捉試薬混合物の調製:同じチューブ/リザーバーにおいて、PBS中の0.1%BSAの十分量にマウスIgG1捕捉ビーズ、マウスIgG2a捕捉ビーズ、マウスIgG2b捕捉ビーズおよびマウスIgG3捕捉ビーズを加えて混合する。最終的なマウスIgG捕捉ビーズの密度は、各アイソタイプ(IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3)について1mLあたり100万個の捕捉ビーズである。
これで、ユーザーは、例えば、完全競合プロトコルまたはプレインキュベーションプロトコルのいずれかに従ってマウスIgGの定量化/アイソタイプ決定アッセイを実行することができる。
マウスIgGの定量化/アイソタイプ決定アッセイ(完全競合プロトコル)
完全競合プロトコルのためのアッセイのセットアップ:
このアッセイは、洗浄なしのワークフローを使用し、IgGの濃度(例えば、μg/mL)に関して結果を提供し得る。それは、4種のマウスIgGアイソタイプについて濃度を決定するために使用される4つの標準曲線を作成するために基準タンパク質混合物の段階希釈物を調製することを伴う。捕捉ビーズ上のFITC検出シグナルは、マウスIgGの濃度と逆相関を有する。4種の捕捉ビーズがアッセイにおいて使用されてよく、各ビーズは、単一のマウスIgGアイソタイプに対して特異的である。4種のマウスIgGアイソタイプの濃度を合計することによってForeCyt(商標)(Intellicyt)ソフトウェアにより各ウェルにおいて総マウスIgG濃度が算出されてよい。サンプルが、マウスIgG上清に加えて細胞を有する場合、細胞数と細胞生存率も分析されてよい。
一つの例示的なプロトコルでは:
(1)検出試薬混合物(マウスFITC-IgGおよびFL4膜完全性染料)を加える(マイクロタイタープレートのウェル1つあたり5μL);
(2)IgGサンプル/IgG標準品を加える(20μL/ウェル);クイックスピン(500g、5秒)。混合(2,000rpm、20秒)。
(3)調製された4種混合(4-plex)捕捉ビーズを加える(5μL/ウェル);クイックスピン(500g、5秒)。混合(2,000rpm、20秒)。室温60分。
これで、プレートは、iQue(商標) Screenerフローサイトメトリープラットフォーム上でのサンプリングなどによるシグナル検出の準備が整っている。
プレインキュベーションプロトコルのマウスIgGの定量化/アイソタイプ決定アッセイ:
プレインキュベーションプロトコルのためのアッセイのセットアップ:
このアッセイは、洗浄なしのワークフローを使用し、IgGの濃度(例えば、μg/mL)に関して結果を提供し得る。それは、4種のマウスIgGアイソタイプについて濃度を決定するために使用される4つの標準曲線を作成するために基準タンパク質混合物の段階希釈物を調製することを伴う。捕捉ビーズ上のFITC検出シグナルは、マウスIgGの濃度と逆相関を有する。4種の捕捉ビーズがアッセイにおいて使用されてよく、各ビーズは、単一のマウスIgGアイソタイプに対して特異的である。4種のマウスIgGアイソタイプの濃度を合計することによって、例えばForeCyt(商標)ソフトウェアにより、各ウェルにおいて総マウスIgG濃度が算出されてよい。サンプルが、マウスIgG上清に加えて細胞を有する場合、細胞数と細胞生存率も分析されてよい。
一つの例示的なプロトコルでは:
(1)調製された4種混合捕捉ビーズを加える(5μL/ウェル);
(2)IgGサンプル/IgG標準品を加える(20μL/ウェル);クイックスピン(500g、5秒)。混合(2,000rpm、20秒)。室温30分。
(3)検出試薬混合物(マウスFITC-IgGおよびFL4膜完全性染料)を加える(5μL/ウェル);クイックスピン(500g、5秒)。混合(2,000rpm、20秒)。暗所で室温60分。
これで、プレートは、iQue(商標) Screenerフローサイトメトリープラットフォーム上でのサンプリングなどによるシグナル検出の準備が整っている。
捕捉ビーズの1つのタイプが特定のマウスIgGアイソタイプを特異的に捕捉する、マルチプレックスの4種の捕捉ビーズは、一般的な抗マウスIgG抗体でコーティングされた従来のシングルプレックスの捕捉ビーズにおける一貫性のない定量化を解決するであろう。4種の異なるマウスIgGアイソタイプは、ビーズ上にコーティングされた一般的な抗マウスIgGに対する僅かに異なる結合親和性を生じさせた僅かに異なるタンパク質構造を有する。マウスハイブリドーマまたはB細胞の培養物のスクリーニングプレートにおいて、異なるウェルが、4種のアイソタイプのうちの1つを有してよい。プレートの各ウェルにおいてマウスIgGを捕捉するためにシングルプレックスの抗マウスIgG捕捉ビーズを使用したのであれば、同じ量ではあるが異なるウェルにおいてアイソタイプの異なるマウスIgGは、IgGアイソタイプに依存した結合親和性の違いに起因して、異なる結合シグナルをビーズ上で生じさせる可能性があり、標準品として精製マウスIgG(天然の、4種のアイソタイプの混合物)を用いた標準曲線に基づく定量化は、異なるマウスIgG量を外挿することになる。これは、不正確な量を導入することになる。4種の異なる捕捉ビーズ(各アイソタイプについて1種)を用いたマルチプレックスアッセイは、この問題を解決することになる。例えば、マイクロタイタープレート内のA1のウェルがマウスIgG1を有する場合、マウスIgG1は、混合された4種の捕捉ビーズ中のマウスIgG1捕捉ビーズ上にのみ捕捉されることになる。蛍光シグナルは、マウスIgG1の標準曲線を用いることによってマウスIgG1の量に外挿されることになる。A2のウェルがマウスIgG2aを有する場合、マウスIgG2aは、混合された4種の捕捉ビーズ中のマウスIgG2a捕捉ビーズ上にのみ捕捉されることになり、マウスIgG2a捕捉ビーズ上の蛍光シグナルは、マウスIgG2aの標準曲線を用いることによってマウスIgG2aの量に外挿されることになる。
ここで、我々は、4種の異なるアイソタイプを捕捉するための4種の捕捉ビーズと、4種のFITC-マウスIgGアイソタイプと、を反応において用いるマルチプレックス競合アッセイフォーマットを確立した(図1を参照のこと)。細胞を含むか含まない、アイソタイプが不明であるサンプルが、正しい順序で反応に加えられると、不明であり且つ標識されていないマウスIgGアイソタイプが、4種の捕捉ビーズのうちの1種のみに対して4種のFITC-マウスIgGアイソタイプのうちの1種と競合することになる。マウスIgGのアイソタイプと量の測定において、このようなアッセイは存在しないようである。このアッセイは、洗浄および希釈を必要とせず、通常は1~50μg/mLのマウスIgG濃度を有するハイブリドーマ上清からマウスIgGの量/アイソタイプを測定できる。
当該アッセイはまた、ユーザーが、同じマルチプレックスアッセイにおいて細胞数と細胞生存率を測定することも可能にし得る。ユーザーは、サンプル上清または細胞を含むサンプルのいずれかを用いることができる。後者の場合、細胞数および細胞生存率ならびにマルチプレックスビーズは、ハイスループットフローサイトメトリーで同時に測定されるであろう。
当該アッセイは、捕捉ビーズ上のアイソタイプ特異的捕捉抗体および検出試薬および標準タンパク質をマウス種から他の種(ヒトまたはラット等など)に変更することによって、マウス種に加えて異なる種について同じ評価項目(IgGのアイソタイプ、各アイソタイプについてのIgG量、細胞数および細胞の健康状態)を測定するように拡張/改変できる。
図2は、マイクロタイタープレートにおける標準ウェルの例示的なセットアップを示す。ここでは、96ウェルマイクロタイタープレートにおけるIgG標準ウェルの例示的なデザインが示されている。特定のウェルの各々は、4種のアイソタイプタンパク質を有し、ここで、各マウスIgGアイソタイプ(マウスのIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3)は同じ量である。右側(A12とB12)の最高濃度のウェル(2連のウェル)は、各アイソタイプについて50μg/mLという最高濃度を有する。1:2の連続的タイトレーションを右から左に適用した。例えば、A11とB11のウェルは、各アイソタイプについて25μg/mLを有することになる。A1とB1のウェルは、新鮮/ブランク培地を含むがいかなるマウスIgGタンパク質標準品も含まない、陰性対照として使用される。ユーザーは、新しい最高濃度もしくは希釈係数または希釈ステップの回数を決定することについて柔軟性を有する。例えば、ユーザーは、最高濃度についてアイソタイプ1種あたり100μg/mLを用いることができ、1:3の連続的タイトレーションを用いることができ、図2の標準品デザインにおいて示されるような11回の希釈ステップではなく6回の希釈ステップを用いることができる。ユーザーは、384ウェルプレートなどの他のプレートのタイプで同じ標準品デザインを用いることができる。標準品を伴わない同じプレート(例えば、図2の列C~H)に関して、ユーザーは、細胞を含むか含まない未知のマウスIgGサンプルを実行できる。
1つの例示的な技術では、細胞およびビーズは、サイズ(前方散乱、FSC)および/または粒度(側方散乱、SSC)に基づいて、2D散乱プロットにおける分離によって検出できる。2Dプロット(FSC-Height対FSC-Area)を用いることによって、ダブレットのビーズではなくシングレットのビーズをゲーティングすることができる。シングレットのビーズは、2Dプロット(FSC-Height対FSC-Area)において45度で右側の集団となる。ダブレットまたは凝集物は、左側となる。シングレットのビーズは、2Dプロット(赤色蛍光チャネルRL1-Height対FSC-Height)において4種の捕捉ビーズ集団へとさらに分離することができる。生細胞は、赤色蛍光チャネルRL1-Heightの1Dヒストグラムにおいて全細胞からゲーティングすることができる。生細胞は、蛍光染色の少ない左側の集団となる。死細胞または死にかけの細胞は、より多くの染料を吸収し、右側の細胞集団となる(ゲーティングされない)。
4種のマウスIgGアイソタイプについて、プロトコルごとにアイソタイプ1種あたり1つの標準曲線が作成されてよい。検出のダイナミックレンジと線形検出レンジを表1にまとめる。試験される濃度の各々について、二連のウェルで実行した。ForeCyt(商標)ソフトウェア(Intellicyt)の使用により、各点が平均±標準偏差を表す標準曲線が自動的に作成される。検出のダイナミックレンジと線形検出レンジを表1に示す(mIgG1はマウスIgG1であり、mIgG2aはマウスIgG2aであり、他も同様である)。
Figure 0007170782000001
標準曲線において試験される最高濃度は、アイソタイプ1種あたり100μg/mLであった。このアッセイでは、100μg/mL超は試験されなかった。標準品は、10%ウシ胎仔血清を含むDMEM培養培地で希釈された。試験では、19ポイントの1:2の連続的タイトレーションが実行された。
曲線の当てはめに関して:線形レンジを自動的に検出して線形レンジを提示する、重みをフィッティングするための1/Y平方での4PLフィッティング方法を伴うForeCyt(商標)ソフトウェア(Intellicyt)を用いた。線形レンジは、それについて電子増幅器が入力信号の直接的な線形関数である出力信号を生成した入力値または出力値の範囲である。すなわち、出力は、式:出力=入力×ゲインで表すことができる。線形レンジは、未知のサンプルのシグナルがこの範囲に入る場合、正確/高感度な定量化をもたらす。
使用される検出レンジは、下限検出限界(IgGが0μg/mLであるブランクの標準偏差の3倍であるシグナルを伴う最小濃度)と上限検出限界(ForeCyt(商標)ソフトウェアによって決定された飽和シグナルの標準偏差の3倍であるシグナルを伴う最大濃度)との間の範囲を意味する。標準曲線が飽和に達しないのであれば、最も高い試験濃度(ここでは100μg/mL)が使用される。
ハイブリドーマ培養物からのサンプルについては、完全競合プロトコルが推奨される可能性がある。マウスB細胞培養物からのサンプルについては、プレインキュベーションプロトコルが推奨される可能性がある。
実施例2
以下では、高レベルの分泌タンパク質またはIgG抗体を産生する細胞を特定するための特定の態様のアッセイの例示的なプロトコルが説明される。
(1)各ウェルに1つの細胞のみが配置されるように、候補産生細胞を希釈してマルチウェル「マイクロタイター」プレートのウェルに分配する。これを行うための方法は、当技術分野において十分に説明されている。1ウェルあたり1つの細胞は、実際には、達成が困難な目標である。殆どのウェルは、1つの細胞を含むが、細胞がゼロのウェルおよび複数の細胞を含むウェルが数多く存在する。一般に、高レベルのタンパク質を分泌する少数の細胞株を見つけるには何十万ものウェルをスクリーニングする必要がある。
(2)細胞を増殖させて各ウェルの細胞数を増加させる。増殖は、有糸分裂を介して起こっているため、各ウェルの娘細胞は、そのウェルに配置された元の細胞(複数可)の正確なコピーとなる。
(3)細胞が増殖するにつれて、それらはタンパク質バイオ医薬品(すなわち、IgG抗体)を産生し、それを培養上清中に分泌する。
(4)代表的量の分泌タンパク質と産生細胞とを含む、各ウェルの未希釈アリコートを、凍結乾燥されたアッセイプレートの新しいウェルに移す。凍結乾燥されたアッセイプレートの各ウェルは、凍結乾燥された試薬を含み、当該試薬は、存在する分泌タンパク質の量を定量化するために使用されると同時に、サンプル中に存在する産生細胞の数をアッセイするために使用され得る。試薬キットから凍結乾燥されていない形態に調製された定量化試薬が分析のために使用される可能性もある。凍結乾燥されたアッセイプレートまたは当該試薬キットは、以下のアイテムを含んでよい:
(a)捕捉ビーズ-例えば、分泌タンパク質上の特定の部位に結合して分泌タンパク質をミクロスフェアの表面上に捕捉する分子でコーティングされた蛍光ミクロスフェア。
(b)蛍光プローブで標識されている検出分子であって、ミクロスフェア表面上に捕捉された分泌タンパク質上の異なる領域に結合する検出分子。そのため、各ミクロスフェアに関連する蛍光の強度は、サンプル中に存在する捕捉された分泌タンパク質分子の数と直接相関する。
(5)インキュベーション時間の後、サンプルをハイスループットフローサイトメトリーによって分析する。ハイスループットフローサイトメトリーシステムの一例は、数千のサンプルを数分で分析できるフローサイトメーターと組み合わせたHyperCyt(商標) HTFCシステムである。
(6)ハイスループットフローサイトメトリー検出システムは、標準曲線から分泌タンパク質の濃度を算出するために使用される、ビーズと結合した検出分子の蛍光強度を報告するようにセットアップされる。さらに、サンプル中に存在する産生細胞の数を同時に決定できる。専売のソフトウェア解析パッケージが、細胞数に対する分泌タンパク質の比率を自動的に決定し、細胞あたりの分泌タンパク質の濃度を算出する。ハイスループットフローサイトメトリーシステムがセルソーターと共に使用される場合、ソフトウェアはまた、高分泌細胞のウェルから個々の細胞を選別して所望の細胞株をさらに精製するようにシステムを制御する。
第1のプロトコル---IgG定量アッセイ-段階的プロトコル(例示):
(1)プロテインGでコーティングされたビーズ(6~8μmのサイズ、0.5%v/v)をボルテックスする。ビーズをリン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)で1:15希釈する。希釈したビーズを混合し、マイクロタイターアッセイプレート(96ウェルプレートまたは384ウェルプレートのいずれか)の各ウェルにビーズを5μL/ウェルで加える。
(2)アッセイプレートの各ウェルに、20μLのIgGサンプル(IgGの標準曲線を作成するためのIgG標準品または懸濁CHO細胞培養物/分泌IgG混合物もしくは懸濁CHO細胞培養物からのIgG上清のみのいずれか)を加える。
(3)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルをウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(4)アッセイプレートを室温で30分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(5)混合検出試薬を調製する:同じチューブ内においてPBS中の0.1%BSAで20μg/mLのFITC-Fcフラグメント(Jackson ImmunoResearch Laboratory Inc.)と20nMのFL4膜完全性染料(IntelliCyt Corporation)を作製する。
(6)アッセイプレートの各ウェルに5μLの混合検出試薬を加える。
(7)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルをウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(8)アッセイプレートを室温で30分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(9)IntelliCyt iQue(商標) Screenerプラットフォームなどのハイスループットフローサイトメーターによってアッセイプレートからサンプルを取得する。
実施例2:第2のプロトコル---IgG定量アッセイ-同時プロトコル:
(1)混合検出試薬を調製する:同じチューブ内においてPBS中の0.1%BSAで20μg/mLのFITC-Fcフラグメント(Jackson ImmunoResearch Laboratory Inc.)と20nMのFL4膜完全性染料(IntelliCyt Corporation)を作製する。
(2)マイクロタイターアッセイプレート(96ウェルプレートまたは384ウェルプレートのいずれか)の各ウェルに5μLの混合検出試薬を加える。
(3)アッセイプレートの各ウェルに、20μLのIgGサンプル(IgGの標準曲線を作成するためのIgG標準品または懸濁CHO細胞培養物/分泌IgG混合物もしくは懸濁CHO細胞培養物からのIgG上清のみのいずれか)を加える。
(4)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルと混合検出試薬混合物をウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(5)プロテインGでコーティングされたビーズ(6~8μmのサイズ、0.5%v/v)をボルテックスする。ビーズをリン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)で1:15希釈する。希釈したビーズを混合し、サンプル/検出混合物を伴うアッセイプレートの各ウェルにビーズを5μL/ウェルで加える。
(6)アッセイプレートを短時間スピンして液体をウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(7)アッセイプレートを室温で60分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(8)IntelliCyt iQue(商標) Screenerプラットフォームなどのハイスループットフローサイトメーターによってアッセイプレートからサンプルを取得する。
第3のプロトコル---IgG定量と軽鎖検出のアッセイ-段階的プロトコル(例示):
(1)プロテインGでコーティングされたビーズ(6~8μmのサイズ、0.5%v/v)をボルテックスする。ビーズをリン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)で1:15希釈する。希釈したビーズを混合し、マイクロタイターアッセイプレート(96ウェルプレートまたは384ウェルプレートのいずれか)の各ウェルにビーズを5μL/ウェルで加える。
(2)アッセイプレートの各ウェルに、20μLのIgGサンプル(IgGの標準曲線を作成するためのIgG標準品または懸濁CHO細胞培養物/分泌IgG混合物もしくは懸濁CHO細胞培養物からのIgG上清のみのいずれか)を加える。
(3)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルをウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(4)アッセイプレートを室温で30分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(5)混合検出試薬を調製する:同じチューブ内においてPBS中の0.1%BSAで20μg/mLのFITC-Fcフラグメント(Jackson ImmunoResearch Laboratory Inc.)と10μg/mLのPE-F(ab’)2抗ヒトIgκ軽鎖(ThermoFisher)と20nMのFL4膜完全性染料(IntelliCyt Corporation)を作製する。
(6)アッセイプレートの各ウェルに5μLの混合検出試薬を加える。
(7)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルをウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(8)アッセイプレートを室温で30分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(9)IntelliCyt iQue Screenerプラットフォームなどのハイスループットフローサイトメーターによってアッセイプレートからサンプルを取得する。
実施例4:第4のプロトコル---IgG定量と軽鎖検出のアッセイ-同時プロトコル:
(1)混合検出試薬を調製する:同じチューブ内においてPBS中の0.1%BSAで20μg/mLのFITC-Fcフラグメント(Jackson ImmunoResearch Laboratory Inc.)と10μg/mLのPE-F(ab’)2抗ヒトIgκ軽鎖(ThermoFisher)と20nMのFL4膜完全性染料(IntelliCyt Corporation)を作製する。
(2)マイクロタイターアッセイプレート(96ウェルプレートまたは384ウェルプレートのいずれか)の各ウェルに5μLの混合検出試薬を加える。
(3)アッセイプレートの各ウェルに、20μLのIgGサンプル(IgGの標準曲線を作成するためのIgG標準品または懸濁CHO細胞培養物/分泌IgG混合物もしくは懸濁CHO細胞培養物からのIgG上清のみのいずれか)を加える。
(4)アッセイプレートを短時間スピンしてサンプルと混合検出試薬混合物をウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(5)プロテインGでコーティングされたビーズ(6~8μmのサイズ、0.5%v/v)をボルテックスする。ビーズをリン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)で1:15希釈する。希釈したビーズを混合し、サンプル/検出混合物を伴うアッセイプレートの各ウェルにビーズを5μL/ウェルで加える。
(6)アッセイプレートを短時間スピンして液体をウェルの底に沈める(500g×8秒)。プレートシェーカー上でプレート内のサンプルを混合する(2000rpm×20秒)。
(7)アッセイプレートを室温で60分間インキュベートする。光からプレートを保護する。
(8)IntelliCyt iQue Screenerプラットフォームなどのハイスループットフローサイトメーターによってアッセイプレートからサンプルを取得する。

Claims (16)

  1. 免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
    前記方法は、
    (a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および前記複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、前記分析試薬が、
    (i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
    (ii)(A)対照IgG抗体またはそのフラグメントと、(B)第1の検出可能部分と、を含む第1の検出分子、
    を含む、ステップ;
    を含み、
    (b)前記混合は、前記捕捉ビーズと前記第1の検出分子の段階的添加を含み、前記段階的添加は、
    まず、前記捕捉ビーズに対する前記標的IgG抗体の結合を促進して複数の第1の混合物を生成するような時間と条件下で前記複数の細胞サンプルを前記捕捉ビーズと混合してから、前記捕捉ビーズに対する前記第1の検出分子の結合を促進して前記複数の分析混合物を生成するような時間と条件下で前記複数の第1の混合物に前記第1の検出分子を添加すること
    を含み、
    前記方法は、
    (c)フローサイトメトリー分析によって前記複数の分析混合物の各分析混合物において前記標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
    を含み、
    各分析混合物における前記捕捉ビーズに結合した第1の検出分子の量が、所与の分析混合物における前記標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する、
    方法。
  2. 前記細胞培養物は、単一のクローンから増殖させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記捕捉ビーズは、共有結合でプロテインGプロテインA、プロテインA/G、またはプロテインLと連結されている、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記アッセイプレートは、フローサイトメーターにおいて前記アッセイプレート内の複数の分析混合物を読み取る前に遠心分離される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  6. 免疫グロブリンγ(IgG)抗体の産生について複数の細胞サンプルを分析するための方法であって、
    (a)複数のサンプルウェルを有するアッセイプレートに複数の細胞サンプルを移すステップであって、各サンプルウェルが、標的IgG抗体を発現する未希釈の細胞培養物である細胞サンプルを含む、ステップ、および前記複数の細胞サンプルを分析試薬と混合して複数の分析混合物を生成するステップであって、前記分析試薬が、
    (i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズ、および
    (ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子、
    を含み、前記第1の検出分子は、免疫グロブリン軽鎖を欠いており且つ前記捕捉ビーズに結合することが可能である、ステップ;
    (b)前記捕捉ビーズに対する前記標的IgG抗体および前記第1の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で前記複数の分析混合物をインキュベートするステップ;ならびに
    (c)フローサイトメトリー分析によって前記複数の分析混合物の各分析混合物において前記標的IgG抗体の濃度を決定するステップ;
    を含む方法。
  7. 前記捕捉ビーズに結合した標的IgG抗体に対する第2の検出分子の結合を促進するような時間と条件下で前記複数の分析混合物を前記第2の検出分子と接触させることをさらに含む、請求項に記載の方法であって、
    前記第2の検出分子は、前記第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗IgG軽鎖抗体を含み、
    各分析混合物における前記標的IgG抗体に結合した第2の検出分子の量が、所与の分析混合物におけるインタクトな標的IgG抗体の濃度の尺度を提供する、
    方法。
  8. 前記標識された抗軽鎖抗体が添加される前に、前記複数の分析混合物が、遠心分離され、洗浄ステップに供される、請求項に記載の方法。
  9. 前記分析試薬は、細胞生存染料、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
  10. (i)各分析混合物における細胞の数;
    (ii)各分析混合物における生存細胞のパーセンテージ;
    (ii)各分析混合物における細胞あたりの標的IgG抗体の濃度;および/または
    (iii)各分析混合物における生存細胞あたりの標的IgG抗体の濃度;
    のうちの1つ以上を決定することをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  11. (a)アッセイプレート
    (b)(i)IgG抗体に結合する捕捉ビーズと、(ii)第1の検出可能部分を含む第1の検出分子と、を含む分析試薬、および
    (c)前記第1の検出分子と光学的に区別できる検出可能なように標識された抗軽鎖抗体、
    を含むキット。
  12. 前記第1の検出分子は、対照IgG抗体またはそのフラグメントを含む、請求項11に記載のキット。
  13. 前記分析試薬は、細胞生存染料、細胞表面バイオマーカーまたはアポトーシスのマーカーのうちの1つ以上をさらに含む、請求項11~12のいずれか1項に記載のキット。
  14. 前記捕捉ビーズは、共有結合でプロテインGプロテインA、プロテインA/G、またはプロテインLと連結されている、請求項11~13のいずれか1項に記載のキット。
  15. 前記捕捉ビーズは、磁気ビーズまたはアガロースビーズである、請求項11~14のいずれか1項に記載のキット。
  16. 前記アッセイプレートは、凍結乾燥された分析試薬を含む、請求項11~15のいずれか1項に記載のキット。
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