JP2006524340A - タンパク質の構造アイソフォームに特異的なリガンドを特定するための方法 - Google Patents

タンパク質の構造アイソフォームに特異的なリガンドを特定するための方法 Download PDF

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Abstract

タンパク質の構造アイソフォームに対して特異的なリガンドを特定する方法であって、構造アイソフォームを支持体上でリガンドに結合させるステップ、2以上の異なる固体もしくは半固体支持体間の構造アイソフォームおよび対照アイソフォームの直接位置的トランスファーのステップ、ならびにそれぞれの支持体上での少なくとも1種のアイソフォーム検出のステップにより行われ、それにより構造アイソフォームに対して特異的なリガンドのサブセットもしくは1種のリガンドを特定するのに用いるための減法的特定技術が可能になる、前記方法(図1)。

Description

本発明は、概して、タンパク質アイソフォームに対する結合特異性を有するリガンドを特定するための方法に関する。
通常は可溶性であるタンパク質の、コンホメーションが変化した不溶性凝集体への会合および誤会合は、種々の疾患の原因プロセスであると考えられている。いくつかの不溶性タンパク質およびそれらに関与する疾患の例としては、制限するものではないが、アルツハイマー病および脳アミロイドアンギオパチーでのβ−ペプチド;パーキンソン病のレビー小体でのα−シンクレイン沈着物;前側頭葉性痴呆およびピック病での神経原線維変化;筋萎縮性側索硬化症でのスーパーオキシドジスムターゼ;およびハンチントン病でのハンチンチンが挙げられる。ヒトトランスサイレチンのアミロイド線維への異常自己会合は、2種類のヒト疾患、すなわち老人性全身性アミロイドーシスおよび家族性アミロイドポリニューロパシーを引き起こす。プリオンタンパク質構造のコンホメーションの変化は、クロイツフェルト−ヤコブ病のような伝達性海綿状脳症(TSE)の神経変性プロセスに関与しているようである。
多くの場合、これらの高度に不溶性のタンパク質は、特徴的なβ−プリーツシート構造を有する原線維よりなる凝集体を形成する。中枢神経系(CNS)では、アミロイドは脳および髄膜血管中(脳血管沈着物)ならびに脳実質中(斑)に存在しうる。神経斑が形成される正確なメカニズムおよび凝集体形成と疾患関連神経変性プロセスとの関係はほとんど明らかになっていない。
天然の、すなわち細胞性プリオンタンパク質である「PrPc」は、哺乳類に広く分布し、きわめてよく保存されたアミノ酸配列およびタンパク質構造を有する。感染性プリオンは、正常な細胞性プリオンタンパク質(PrPc)の変型よりなると考えられており、「PrPsc」(該タンパク質のスクレイピー型を表す);「PrPcjd」(該タンパク質のCJD型を表す);および「PrPres」(該タンパク質のプロテイナーゼK(PK)耐性型を表す)と称されてきた。プリオンは、他の感染性病原体と共通するいくつかの性質を備えているが、核酸は含有していないものと見られる。その代わり、翻訳後コンホメーション変化が、非感染性PrPcから感染性PrPscへの変換(その間にα−ヘリックスがβ−シートに変化する)に関わっていることが提唱されて来ている。PrPcは3つのα−ヘリックスを含み、β−シート構造をほとんど有していないが、対照的に、PrPscはβ−シートに富む。PrPcからPrPscへの変換は、伝達性海綿状脳症(TSE)の進行(その間、PrPscが中枢神経系に蓄積し、神経病理学的変化および神経機能障害を伴う)につながると信じられている。感染型のプリオンタンパク質は、動物およびヒトのこれら伝達性神経変性疾患の伝達および発症に必要であり、ことによると十分であるかもしれないと考えられている(Prusiner 1991 Science 252: 1515-1522を参照のこと)。
動物を冒すTSE病の例としては、限定するものではないが、ヒツジのスクレイピー、ウシのウシ海綿状脳症(BSE)すなわち「狂牛病」、伝達性ミンク脳症(TME)、およびシカおよびエルクの慢性消耗病(CWD)が挙げられる。ヒトTSE病の範囲としては、限定するものではないが、クールー、クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン−シュトロイスラー−シァインカー(GSS)病および致死性家族性不眠症が含まれる。最近、BSEがヒトを含めた広範囲の他の哺乳類にも伝達しうるという事実が明らかになった。この病気のヒト型は、変異型CJD(vCJD)と呼ばれる。
あるタンパク質の2以上の異なるコンホメーション型(例えばPrPcとPrPsc)を容易に分離することができるかまたはそれらを区別することができる方法論が、変換プロセスを理解するために、かつ疾患関連型のものと特異的に相互作用する構造体を見出すために必要とされる。アイソフォーム同士を分離するかまたは区別するための現行の方法論としては、カオトロープ(例えば尿素)存在中でのポリアクリルアミドゲル(特に横軸尿素勾配(TUG)ゲル)中の移動度の差異;プロテアーゼ処理に対する感受性の差異(例えばPK処理、およびPrPresと呼ばれるPrPscのPK耐性消化産物の検出);リンタングステン酸ナトリウムによる沈殿の差異;温度安定性の差異;非イオン性界面活性剤に対する相対溶解度;およびある種の化学物質(例えばコンゴレッドおよびイソフラビンS)に結合する線維構造の能力が挙げられる。コンホメーション変化を起こしたタンパク質、特に疾患に関連する型に対して特異的な高親和性リガンドまたは試薬を特定する必要性が残されている。そのようなリガンドまたは試薬は種々の用途に対して有用であり、例えば、限定するものではないが、可能な診断キットの開発;異なる型のタンパク質の分離および精製;治療薬、生物学的製品、ワクチンおよび食品からの疾患感染型の除去、および治療のための利用が挙げられる。
本発明により、あるタンパク質の構造アイソフォーム(標的構造アイソフォームとも呼ばれる)に特異的なリガンドを特定する方法が提供される。これらのリガンドは、例えばサンプル、溶液もしくは複合体混合物中のタンパク質の構造アイソフォーム間および他の標的との間の分離、濃縮、もしくは識別のために用いられる。好ましい実施形態では、タンパク質はプリオンタンパク質であり、構造アイソフォームは感染性プリオンアイソフォームである。
本発明の特定の態様に従った方法の一実施形態によれば、1種以上の固定化リガンドを、リガンド−アイソフォーム複合体形成を引き起こすのに十分であるか、またはそれを可能にする条件下で、標的タンパク質アイソフォームを含有するサンプルと接触させる。リガンドまたはリガンド−アイソフォーム複合体は、第一支持体上もしくは第一支持体中に固定化される。
別の実施形態では、第一支持体上への固定化に先立って、テストリガンドのライブラリーを固相(限定するものではないが、例えばポリマービーズ)上に固定化し、結果として、それぞれ異なるリガンドを有する多数のビーズが得られ、その個々のビーズ表面には複数コピーの単一種の固有テストリガンドが存在している。これらのビーズは、次に第一支持体上もしくは第一支持体中に固定化される。このようにして、リガンドは間接的に第一支持体に固定化される。
あるいはまた、テストリガンドは、メンブレンやゲルのような第一支持体に直接結合により固定化される。例えば、リガンドライブラリーは2次元アレイのような第一支持体上に固定化され、ここでテストリガンドのそれぞれの種は、アレイ中の固有の位置に配置される。その結果、タンパク質アイソフォームは、特異的なテストリガンドとの相互作用に基づいて、アレイ中の固有の位置に捕捉される。
リガンド−アイソフォーム複合体は、第一支持体上への複合体の固定化に続いて検出される。検出は、オンビーズ検出(on-bead detection)のように、リガンド−アイソフォーム複合体が直接的に関わるか、またはX線フィルム上の化学発光シグナルの捕捉のように間接的に関わる。
その後アイソフォームを第二支持体にトランスファー(転送)し、第一支持体上での固定化の位置に対応する位置に来るように、第二支持体上に固定化する。好ましくは、アイソフォームはリガンドから分離され、その後第二支持体上に固定化されて、テストリガンドは第一支持体に結合したまま残る。そして、第二支持体上に固定化されたアイソフォームが検出される。好ましい実施形態では、標的アイソフォームと対照アイソフォーム(フォールディングパターンまたは他の二次もしくは三次構造において標的アイソフォームと異なる)の両者を第二支持体上に固定化し、標的アイソフォームを第二検出イベントに先立って変質させる。標的アイソフォームは、当業者に公知のいかなる方法で変質させてもよいが、好ましくは、標的アイソフォームと同一のタンパク質の異なるアイソフォームを形成するように、変性または酵素的切断によって変質させる。一実施形態では、変質した標的アイソフォームおよび対照アイソフォームの両者を、検出マーカーを用いて第二支持体上で検出する。
第一および第二支持体上での検出パターンは、その後アラインされ、比較される。まず、第二支持体上での標的アイソフォームの位置を決定する。一実施形態では、その位置は第二支持体上での検出シグナルの存在および第一支持体上での対応する検出シグナルの不在により示されるか、その逆である。したがって、第一検出はアイソフォームのサブセットまたはアイソフォームの全部のいずれかを特定し、かつ第二検出は第一ステップで検出されなかったアイソフォームのサブセットを特定するものであるか、その逆である。タンパク質アイソフォームに関して本明細書中で用いる「サブセット」の語は、タンパク質のアイソフォームの一群を意味する。サブセットは、タンパク質アイソフォームの0種類から全部までを含む。第一および第二支持体のアラインおよび検出結果の解析もしくは比較から、アイソフォームの様々なサブセットが当初結合していたリガンドが検出、特定および単離されうる。つまり、第二支持体上でのあるタンパク質の固有の位置が特定されれば、(そのタンパク質がリガンドにより捕捉された)第一支持体上での元の位置を決定することができ、その当初の捕捉に係るリガンドの特定および単離が可能になる。
本明細書中に記載した方法は、タンパク質構造アイソフォームの分離のためのリガンドの特定について、現在利用可能な方法に対して多くの利点を提供する。第一に、あるタンパク質およびその同族の(cognate)リガンドが、それらの解離後に特定されうる。タンパク質とそのリガンドの両者が、どちらについても先行する修飾を必要とすることなく特定される。修飾とは例えば、限定するものではないが、蛍光分子、放射性アミノ酸もしくは放射性分子、ビオチン化、および抗体誘導体化での標識によるものである。したがって、検出がトランスファー後に行われるときには、検出系の構成物とリガンド、支持体、または系の他の要素との間で、相互作用が完全に避けられる。第二に、検出方法同士が時間および場所に関して分離されうるので、それらが互いに邪魔しあうことはなく、複数のアイソフォームの異なる集団を検出するように設計することが可能である。第三に、変性または不活性化を必要とする方法を、生物学的活性を維持する方法と同一工程中に用いることができ、当初結合したリガンドを特定するタンパク質の能力を維持することもまた可能である。最後に、タンパク質の複数の型を区別するリガンドを特定することができ、それらをタンパク質の異なる構造型もしくはアイソフォームを分離、精製、濃縮、もしくは診断、またはそれらのあらゆる組み合わせに用いることができる。これらの利点のいずれも、現在利用可能な類似の技術により実現されるものではない。
あるタンパク質の構造アイソフォームに対して特異的であるか、またはそれに対する結合特異性を有するリガンドを特定する方法を、本明細書中に記載する。本方法は、概して、標的構造アイソフォームをテストリガンドに結合させてアイソフォーム−リガンド複合体を形成すること(ここで、リガンドまたは複合体は第一支持体上に固定化されている)、第一支持体上の結合したアイソフォームを検出すること、直接位置的トランスファーによってアイソフォームを第二支持体にトランスファーすること、および第二支持体上のアイソフォームを検出することを含み、それにより標的構造アイソフォームに対して特異的なリガンドを特定するのに用いるための減法的特定技術(subtractive identification technique)を可能にする。図1および図2は、1以上の支持体の間でアイソフォームをトランスファーする方法および減法的特定技術の典型的な非限定例を示す。
リガンドまたは複合体は、当業者に公知の種々の方法で第一支持体上に固定化される。例えば、リガンドは第一支持体上または第一支持体中に、直接的あるいは間接的に固定化される。「〜上に」の語は、支持体へのリガンドの連結に言及しているときには、リガンドの、支持体外部もしくは表面への連結、および支持体中へのリガンドの包埋を含む。一実施形態では、第一支持体はポリマー化により硬化もしくは固化する固体または半固体の物質、例えばゲルである。この実施形態では、第一支持体は、その内部に分散した固相(それに対してリガンドが連結される)を含有している。例えば、好ましい実施形態では、固相は粒子(例えばポリマービーズ)であり、結合されたリガンドによりコートされている。この方法では、より高濃度のリガンドを、支持体上の特定の位置に保持することが可能である。あるいはまた、リガンドを支持体(例えば、1次元または2次元アレイまたはマトリックス中)に、当業者に公知のカップリング手段により直接的に連結する。
リガンドは、リガンドが第一支持体上に固定化される前または後のいずれかに、目的の標的アイソフォームを含有するサンプルと接触させられ、それにより、アイソフォーム−リガンド複合体を作り出す。場合によっては、対照アイソフォームもまた第一支持体上に固定化される。本明細書中で用いる「対照アイソフォーム」の語は、標的アイソフォームと同じアミノ酸配列を有するが、そのフォールディングパターンまたは他の二次もしくは三次構造において異なっているタンパク質を指す。標的アイソフォーム、対照アイソフォーム、または標的アイソフォームと対照アイソフォームの両者が第一支持体上で検出されうる。
続いて、第一支持体から第二支持体へのアイソフォームの直接位置的トランスファーを実現するために、標的アイソフォーム、および場合によっては対照アイソフォームが、第二支持体(例えば、限定するものではないが、メンブレン)にトランスファーされる。標的アイソフォーム、対照アイソフォーム、または標的アイソフォームと対照アイソフォームの両者のいずれかが第二支持体上で検出され、それにより第一支持体と第二支持体のアライメント、および減法的特定方法を用いて、第一支持体上で標的アイソフォームに結合したリガンドの位置の決定が可能になる。好ましい実施形態では、標的アイソフォームを第二検出ステップの前に変質させる。
本明細書中に記載した標的および対照構造アイソフォームタンパク質は、1種より多くの構造アイソフォームを有するいずれのタンパク質のアイソフォームをも含み、それらとしては例えば、限定するものではないが、プリオンタンパク質アイソフォーム;アルツハイマー病および脳アミロイドアンギオパチーに関与するβ−ペプチドアイソフォーム;α−シンクレインアイソフォーム;前側頭葉痴呆およびピック病の神経原線維変化に関与するタウタンパク質アイソフォーム;スーパーオキシドジスムターゼアイソフォーム;ハンチンチンアイソフォーム;およびヒトトランスサイレチンアイソフォームタンパク質が挙げられる。一実施形態では、構造アイソフォームタンパク質は、感染性または病原性アイソフォームである。別の実施形態では、構造アイソフォームタンパク質は、限定するものではないが、PrPc、PrPscまたはPrPresのようなプリオンタンパク質である。
定義
本明細書中で用いる単数形の語は、「1以上」を意味し、文脈が不適当でなければ複数のものを含むものと定義される。
「タンパク質」、「ペプチド」、「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」は相互に交換可能に用いられ、本明細書中では、炭素がペプチド結合(一方のアミノ酸のカルボキシル基と他方のアミノ酸のアミノ基との縮合反応により形成される)を介して連結しているアミノ酸の鎖であると定義される。
「PrPc」の語は、天然(native)プリオンタンパク質分子を指し、これは哺乳類の身体中に生来的に、そして広く発現している。その構造は高度に保存されており、疾病の状態とは関連していない。
「PrPsc」の語は、PrPc分子のコンホメーションが変化した型を指し、当業者により、感染性で疾患に関与していると信じられており、そのような疾患としては例えば、限定するものではないがTSE/プリオン病、例えばvCJD、CJD、クールー、致死性不眠症、GSS、スクレイピー、BSE、CWD、および捕獲動物もしくは実験動物の他のTSEが挙げられる。PrPscは、正常の、細胞固有のPrPcと同じアミノ酸配列を有するが、α−ヘリックスのいくつかがβ−プリーツシートに変換しており、病態に関与している。したがって、「PrPsc」の語は、「PrPtse」および「PrPcjd」型と呼ばれるプリオンタンパク質の型を包含する。
「PrPres」の語は、27〜30kDaのPrPscタンパク質のプロテイナーゼ耐性誘導体を指し、これはPKを用いたPrPscの部分消化の後に残るものである。
「PrPr」の語は、組換え技術により発現されたプリオンタンパク質を指す。
「PrP」の語は、プリオンタンパク質一般を指す。
「〜に対して特異的である」または「〜に対する結合特異性を有する」の語句は、「同族の」(cognate)の語と相互に交換可能に用いることができるものであり、リガンドについて言及しているときには、十分な親和性(affinity)および親和力(avidity)をもって標的タンパク質に結合し、それによりリガンド−標的タンパク質複合体の生成をもたらすリガンドを意味する。
「構造アイソフォーム」の語は、それらのフォールディングパターンまたは他の二次もしくは三次構造においてのみ異なるが、同一の一次アミノ酸配列を有するタンパク質の型を指す。
「3F4」の語は、PrPcの天然型に対して特異的であるが、天然PrPscもしくはPrPresに対して特異的でないモノクローナル抗体を指す。該抗体は、ハムスターおよびヒトPrPc、PrPscおよびPrPresの変性型に対する特異性を有する。
リガンド
「リガンド」の語は、タンパク質が結合する分子を指し、例えば、限定するものではないが、小分子、ペプチド、タンパク質、多糖または核酸を含む。好ましいテストリガンドはペプチド、特に1〜約15アミノ酸残基のペプチドである。ペプチドリガンドは、「split(分割)、couple(結合)、recombine(再結合)」法のような、コンビナトリアル・ライブラリーを作製するために用いられる技術によって、並びに同様に文献に記載された他のアプローチによって作製することができる。Furkaら, Int. J. Peptide Protein Res., 37, 487-493 (1991);K. S. Lamら, Nature, 354, 82-84 (1991);PCT公報WO 92/00091;米国特許第5,133,866号;同第5,010,175号;同第5,498,538号を参照のこと。ペプチドライブラリーの発現は、Devlinら, Science, 249, 404-406 (1990)により記載されている。リガンドの巨大なライブラリーは、当業者に公知の方法を用いて、直接ビーズ(後に第一固体支持体上に固定化されうる)上へ一連の結合反応によって合成することが可能であり、またビーズ上で合成し、切断し、その後第一固体支持体に連結することが可能であり、または第一固体支持体上に直接合成することが可能である。典型的には、単一リガンドの複数コピーが個々のビーズ上に合成されるように、ビーズ上にリガンドを合成する。当業者はまた、リガンドを共有結合によって、直接的に、またはリンカー分子を介してビーズもしくは第一固体支持体に連結しうることも理解するであろう。
支持体
上述したように、本明細書中に記載する方法は、2以上の支持体の間での標的アイソフォームの直接位置的トランスファーを包含し、これにより個々の支持体上でのアイソフォームの別々の検出、および、減法的特定技術を用いた、あるアイソフォームに対する結合特異性を有するリガンドの引き続く特定が可能になる。一実施形態では、第一支持体および第二支持体が用いられる。「支持体」の語は、その上または中に、リガンドもしくはアイソフォームが固定化されるあらゆる物質を指す。アイソフォームを支持体上に固定化されたリガンドに連結してもよく、またはアイソフォーム自身を支持体上に固定化してもよい。例えば、リガンドが第一支持体上に固定化され、そしてアイソフォームが該固定化リガンドに結合するが、アイソフォームのみ(リガンドはしない)が第二支持体にトランスファーされ、その上に固定化されることが好ましい。「固定化された」の語句は、支持体上の特定の位置での分子の一時的保持および半永久的保持の両者を指す。アイソフォームは別の支持体へのトランスファーまで支持体上に一時的に固定化され、リガンドは、アイソフォームのトランスファーがリガンドのトランスファーにまで影響しないように、好ましくは半永久的に支持体上に固定化される。
好ましい第一支持体は、固相物質(例えばポリマービーズ)を含有するゲル(例えばアガロースゲル)であるが、第一支持体はまた、リガンドがそれに直接的に結合してアレイを形成するいかなる物質も包含し得る。「アレイ」の語は、本明細書中では、固体支持体上の分子の配置のような空間的配置を意味するために用いられ、1次元配置、2次元配置、3次元配置、環状配置またはそれらのあらゆる改変もしくは変型を含む。種々の多孔性マトリックスが第一支持体物質として有用であり、そのようなものとして例えば、限定するものではないが、ポリアクリルアミド、ゼラチン、リポ多糖またはシリケートのような合成ポリマーが挙げられる。第一支持体はまたガラス、ニトロセルロース、シリコン、またはポリビニルジフルオリド・ナイロンより構成されていてもよい。
ビーズまたは粒子が第一支持体の構成要素として用いられるときには、リガンドは、上記のいずれかの方法によってビーズに連結される。ビーズは粒子を形成しうるいかなる物質により構成されていてもよく、そのような物質としては、限定するものではないが、アクリル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリスチレン、デキストラン、アガロース、セルロース類、多糖類、疎水性ビニルポリマー類、セライト(celite)、セファロース、これらのポリマー化誘導体、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいビーズ材料は、ポリヒドロキシ化メタクリレートポリマーであり、さらに好ましくはToyopearlTM650−Mアミノレジン(Tosoh BioScience, Montgomeryvill, PA)である。様々な他のメタクリレートポリマーレジンが市販されており、ビーズの形状で一般に用いられている。リガンド含有ビーズは、アイソフォームタンパク質含有サンプルと接触させる前、その間、またはその後に第一支持体上または支持体中に固定化してもよいことが理解されるべきである。また、リガンドは支持体に直接連結しても、支持体上で直接合成しても、および/または最初にビーズに連結するのではなく支持体中に直接包埋してもよいことが理解されるべきである。
本明細書中に記載の方法に従えば、アイソフォームは第一支持体から第二支持体にトランスファーされる。標的アイソフォーム、および場合によっては対照アイソフォームが、当業者に公知のいずれかの方法を用いて支持体間をトランスファーされ、該方法としては、限定するものではないが、毛細管現象が挙げられる。第二支持体にアイソフォームをトランスファーするための代表的な試薬としては、限定するものではないが、水、塩溶液、塩酸グアニジンのような変性剤を含む溶液、有機溶媒、少なくとも1種のアイソフォームのリガンドに対する結合と特異的に競合する化合物、および少なくとも1種のアイソフォームをリガンドから除去するのに十分な条件下で親和性リガンドからタンパク質を除去するための他の標準的な試薬が挙げられる。トランスファーの非限定的な例が、図1に模式的に描かれている。「第二支持体」の語は、第一支持体からの除去または溶出に引き続いて、アイソフォームタンパク質を固定化することができるあらゆる物質を指す。第二支持体材料としては、例えば、ニトロセルロース、ポリ二フッ化ビニル、ナイロンおよびセルロースメンブレン、ガラスならびにシリコンが挙げられる。標的および対照アイソフォームの一方または両方が、第二支持体上への固定化に引き続いて検出される。
変質(modification)
好ましい実施形態では、アイソフォームを、検出特性を変えるために、第一検出ステップと第二検出ステップとの間に変質させる。このような変質は、一方の支持体から他方へのアイソフォームのトランスファーの前、その間、またはその後に行われてもよい。好ましくは、アイソフォームの変質は、減法的特定技術に用いやすい異なる第一および第二検出セットを生じながら、第一および第二検出ステップ両方に際して単一の検出試薬を用いることを可能にする。
検出特性は、アイソフォームの変性もしくは切断によって、標識もしくはリンカーによるアイソフォームの誘導体化によって、アイソフォームの酵素活性の改変もしくは不活性化によって、または当業者に公知のいずれかの他の方法によって変質しうる。好ましい実施形態では、標的アイソフォームはPrPscであり、変性剤を用いて変性される。代表的な変性剤としては、塩酸グアニジン;尿素;β−メルカプトエタノール;界面活性剤;チオール試薬(例えばチオ硫酸ナトリウムおよびジチオトレイトール(DTT));ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、Tween、およびサルコシル(Sarkosyl)が挙げられる。PrPscの変性は、市販の3F4モノクローナル抗体のような検出マーカーによる第二支持体上でのアイソフォームの検出を可能にする。この抗体は、PrPcの天然型および変性型の両者、およびPrPscの変性型に対して特異的に結合するが、天然の未変性PrPscには結合しない。第一支持体上に固定化されたアイソフォーム−リガンド複合体は3F4モノクローナル抗体によって検出されないが、変質アイソフォームは、第二支持体上に固定化された場合に、該抗体により検出される。第二支持体上に見られるが第一支持体上には存在しない検出シグナルは、第一支持体上の対応する位置でのPrPscアイソフォームの存在を示す。第一支持体上の対応する位置に固定化されたリガンドはPrPscアイソフォームに特異的に結合することを、結論として導き出すことができるであろう。
従って、好ましい実施形態では、あるタンパク質の構造アイソフォームに対して特異的なリガンドの特定は、以下のステップを行うことにより実現される:標的アイソフォームを含有するサンプルを、リガンド−アイソフォーム複合体の形成を引き起こすのに十分な条件下でテストリガンドと接触させるステップ;リガンド−アイソフォーム複合体および、場合によっては対照アイソフォームを第一支持体上に固定化するステップ;第一支持体上のアイソフォームを検出するステップ;アイソフォームを第二支持体上にトランスファーし、該支持体上にアイソフォームを固定化するステップ;第二支持体上のアイソフォームを検出するステップ、ここで、アイソフォームの検出能は検出に先立って改変されている;第一支持体および第二支持体をアラインし、第二支持体上での標的アイソフォームの位置を決定するステップ、ここで、該位置は、第二支持体上での検出シグナルの存在および第一支持体上での対応する検出シグナルの不在により示される;第一支持体上での標的アイソフォームの位置を決定するステップ;およびその位置のリガンドを特定するステップ。
別の実施形態では、第一支持体と第二支持体の間の示差的検出が、それぞれの支持体上に存在する種々のアイソフォームに対して異なる検出法を用いることにより実現される。α−1プロテアーゼインヒビター(API)のようなセルピン(serpin)の場合、活性アイソフォームおよび潜伏アイソフォームの両方が存在する。APIは、その構造が「反転」(flip)したときに、その活性を失う。それらのアイソフォームの一方に対して特異的なリガンドは、APIを含有する出発物質とそれらをインキュベートすることにより特定され得る。リガンドをその後ゲル中に固定化し、APIに対して活性を有する酵素(例えばブタエラスターゼ)と共にインキュベートする。活性APIアイソフォームと複合体化したリガンドは、発色アッセイにより特定する。続いてタンパク質アイソフォームを、非変性条件下でリガンドから第二固体支持体(例えばメンブレン)にトランスファーする。メンブレンをその後、全ての型のAPIを検出する抗体などの検出マーカーと共にインキュベートする。いくつかのリガンドがAPIの活性型および潜伏型の両者に結合し得る可能性はあるが、この方法では、該タンパク質の活性型のみに結合するリガンドが特定される。アミロイドタンパク質のある型のみに結合するリガンドの特定をはじめとする他の実施形態もまた、本方法の範囲内であることが意図されうる。
さらに他の実施形態では、第一支持体と第二支持体の間の示差的検出は、第一支持体上での対照および標的アイソフォームの両者の検出に引き続いて、標的アイソフォームまたは対照アイソフォームの一方のみが第二支持体上にトランスファーされ、該支持体上で検出される場合に実現される。例えば、PKは、第一支持体上で、対照プリオンアイソフォーム(PrPc)を消化するために、およびPrPsc標的アイソフォームを切断してPK耐性断片(PrPresともいう)にするために用いることができる。このような処理の結果、PrPresのみが第二支持体にトランスファーされる。そこで、検出マーカー(例えば市販の3F4抗体(Signet Laboratories, Inc., Dedham, MAより入手可能))を第二支持体上でPrPresを検出するのに用いることができる。第一支持体と第二支持体のアライメントは、PrPscアイソフォームに特異的な1種以上のテストリガンドの位置を示す。
検出
上記の検出法のうちいくつかでは、検出可能なリガンド、またはマーカーを、タンパク質アイソフォームの存在を決定するのに用いる。「検出(可能)マーカー」または「検出法」の語句は、あるタンパク質の存在を確認することができる因子、または方法を指す。検出マーカーを利用する場合、アイソフォームを検出するのに用いる特定の標識または検出可能な基は、それがアッセイの条件に適合する限り、決定的なものではない。検出可能な標識は、検出可能な物理的または化学的性質を有するいかなる物質であってもよい。そのような検出可能な標識は既に十分に開発されており、一般的に、このような方法に有用ないかなる標識も本方法に適用することができる。従って、標識は、分光学的手法、光化学的手法、生化学的手法、免疫化学的手法、電気的手法、光学的手法または化学的手法により検出可能ないずれかの組成物である。有用な標識としては、蛍光色素(例えばフルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミンなど)、放射標識(例えばH、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えばLacZ、CAT、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよび、酵素免疫法(EIA)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)のいずれかにおいて検出酵素として一般に用いられる他の酵素)、および呈色標識(例えば金コロイドまたは有色ガラスもしくはプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ)が挙げられる。標識は当該技術分野において周知の方法により、アッセイの所望の構成要素に直接的または間接的に結合することができる。上述のとおり、広範な標識を用いることができ、標識の選択は、必要とされる感度、化合物の複合体化の簡便さ、安定性の条件、利用可能な計器、アッセイへの適合性、および廃棄規定に応じて決定する。
非放射性標識はたいてい、間接的手法により連結される。一般に、二次リガンド分子(例えばビオチン)を一次リガンドに共有結合させる。二次リガンドはその後、三次リガンド(例えばストレプトアビジン)分子に結合し、三次リガンドは本来検出可能なものであるか、またはシグナル系(例えば検出可能な酵素、蛍光化合物、もしくは化学発光化合物)に共有結合される。多くの二次リガンドおよび三次リガンドが利用可能である。二次リガンドが天然の三次リガンドを有している場合(例えばビオチン、チロキシン、またはコルチゾール)、標識された、天然に存在する三次リガンドと組み合わせて用いることができる。あるいはまた、任意のハプテン性化合物または抗原性化合物を抗体と組み合わせて用いることができる。
二次リガンドはまた、例えば酵素または発蛍光団との複合体化により、シグナル発生化合物と直接的に複合体化することができる。標識として関心が持たれる酵素は、主として加水分解酵素(特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ)、または酸化還元酵素(特にペルオキシダーゼ)であろう。蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3−ジヒドロフタラジンジオン(例えばルミノール)が挙げられる。
標識を検出する方法は当業者に周知である。従って、例えば、標識が放射性標識である場合、検出方法としてはシンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーなどでの写真用フィルムが挙げられる。標識が蛍光標識の場合、適当な波長の光で蛍光色素を励起し、得られる蛍光を検出する(例えば顕微鏡観察によって、目視検査によって、写真用フィルムを用いて、電荷結合素子(CCD)または光電子増倍管のような電子検出器を用いて、など)ことにより検出することができる。同様に、酵素標識は、該酵素に対する適当な基質を与え、得られる反応産物を検出することにより検出される。最後に、簡素な呈色標識は、単に標識に伴う色を観察することにより検出することができる。
異なる検出マーカーの組み合わせを、アイソフォームの区別を成し遂げるために本方法中で用いてもよいことが理解されるべきである。本発明の検出マーカーは、様々な方法で種々のアイソフォームと相互作用する、いかなる分子的因子または生物学的因子でもあり得る。例えば、マーカーは、1種類もしくは数種類のアイソフォームと特異的に相互作用する酵素または抗体、ハイブリダイゼーションによって1種類もしくは数種類のアイソフォームと結合する核酸配列、あるいは1種類もしくは数種類のアイソフォームの存在下に検出可能な化学反応を行う分子的因子であってもよい。同様に、マーカーは、他の生物学的因子(例えば補因子または酵素)と複合体を形成しているタンパク質に対して特異的であることも可能である。あるいはまた、タンパク質自身が、蛍光をはじめとする分光学的シグナルによって、または質量分析を介して分子量もしくはタンパク質配列から、または他の方法によって、直接的に検出されてもよい。
アイソフォームの検出はまた、該アイソフォーム自身の生物学的、生化学的、または化学的活性の検出により実現してもよい。タンパク質が、その生物学的活性を保持する条件を用いて別の支持体にトランスファーされ得ることは、本発明の利点である。例えば、あるアイソフォームが、別の異なるアイソフォームには存在しない活性を保持するかまたは獲得し、この活性が、アイソフォーム間を識別するリガンドを区別するために用いられてもよい。
サンプル
本明細書中に記載の方法に用いるためのタンパク質アイソフォームは、環境サンプルまたは生物学的サンプルをはじめとする、多数の異なるタイプのサンプル中に含まれていてもよい。アイソフォームは、サンプル中の精製された、半純粋な、または複合的な環境で共存していてもよい。環境サンプルとしては例えば、限定するものではないが、湖沼、海、川、河川、帯水層、井戸、水処理施設または保養水域のような供給源に由来する水が挙げられる。本発明の一部の実施形態では、サンプルは合成標的アイソフォームを含有し、そのようなものとしては、合成アイソフォームペプチド;組換えアイソフォームタンパク質;合成核酸アイソフォーム種;コンビナトリアル・アイソフォームライブラリー;有機溶媒;土壌、食物、大気および水供給源からの抽出物;環境表面の拭き取り標本(swab)などが挙げられる。
タンパク質アイソフォームを含有する可能性のある生物学的サンプルの例としては、限定するものではないが、全血、血液由来組成物もしくは成分、血清、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管液(ductal fluids)、涙液、精液が挙げられ、またはヒトもしくは動物由来の器官(例えば脳または脾臓)由来組成物、組織ホモジネート、細胞ホモジネート、馴化培地、発酵培養液、抗体調製物、植物ホモジネートおよび抽出物、ならびに食物(例えば栄養補助食品)であってもよい。他の生物学的サンプルとしては、コラーゲンまたは腺抽出物を含有するものが挙げられる。本明細書中で用いる「血液由来組成物」および「血液組成物」の語は、相互に交換可能に用いられ、全血、赤血球濃縮物、血漿、多血小板分画および乏血小板分画、血漿沈殿物、血漿上清、静脈内免疫グロブリン調製物(例えばIgA、IgE、IgGおよびIgM);精製凝固因子濃縮物;セルピン(serpin)(例えばα−1プロテアーゼインヒビター、抗トロンビンIII、α抗プラスミン);フィブリノーゲン濃縮物、およびアルブミン;またはヒトもしくは動物に由来する多様な他の組成物を含むものと意図される。この語はまた、当該技術分野で一般的な種々の方法のいずれかを用いて調製した精製血液由来タンパク質も含み、そのような方法としては、イオン交換、親和性、ゲル透過、および/もしくは親水性クロマトグラフィーまたは分別沈殿によるものが挙げられる。
本発明のアイソフォームを含有する生物学的サンプルとしてはさらに、動物またはヒトの消費のいずれかのための食品または栄養補助食品が挙げられる。例えば、生物学的サンプルはいかなる動物に由来する物質を含有していてもよく、動物としては、限定するものではないが、ウシ;ヒツジ;ブタ;ウマ;ネズミ(例えばマウスおよびハムスター);およびシカ科の動物(例えばシカ(deer)およびエルク(elk))が挙げられる。「動物由来物質」の語は、上述の物質、および動物の一部(例えば筋肉、結合組織および/または器官組織)を含有する物質を指す。動物由来材料としてはさらに、限定するものではないが、骨粉、牛肉、牛肉副生成物、ヒツジ、ヒツジ副生成物、エルク、エルク副生成物、豚肉、豚肉副生成物、ソーセージ、ハンバーガー、ベビー・フード、ゼラチン、ゼリー、乳、および粉ミルクが挙げられる。
PrPsc特異的リガンドの特定
プリオンアイソフォームPrPscに特異的でPrPcに特異的でないリガンドの特定のための好ましい方法は、図3を参照して本明細書中に記載されている。一実施形態では、PrPcおよびPrPscの両方を含有する複合サンプルを、コンビナトリアルに作製したリガンドのライブラリーと共にインキュベートするが、ここで、該ライブラリーは、個々のビーズが数百万コピーの単一の固有リガンドを含有し、個々のビーズは異なるリガンドを有するように、クロマトグラフィーレジンビーズ上で合成されたものである。好ましくは、サンプルはスクレイピーに感染しているハムスター由来の脳ホモジネートである。この脳ホモジネートは、正常細胞型のプリオンタンパク質であるPrPcおよび感染型であるPrPscの両方を含有する。あるいはまた、サンプルは散発性クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)に感染したヒト由来の脳ホモジネートまたは変異型CJD(vCJD)に感染した患者由来の脳ホモジネートである。
サンプルは、タンパク質アイソフォームが種々のリガンドに高度に特異的な親和性相互作用により結合するのに十分な時間、ビーズ上のライブラリーと共にインキュベートされる。非結合タンパク質および弱結合タンパク質は洗浄により除かれる。結合タンパク質は、PrPcに特異的な検出マーカーを用いて、第一検出法により検出される。好ましい検出マーカーは、3F4と名付けられたモノクローナル抗体(Signet Laboratories, Inc., Dedham, MA)である。この抗体は、天然かつ未変性型のPrPcを検出することができるが、PrPscはそれが変性したときにのみ検出することができる。リガンドに覆われたビーズ(その上でタンパク質が分画されている)を検出マーカーと共にインキュベートする。結合した検出マーカーは、第一の検出可能なマーカーに結合する検出可能な抗体のような二次検出マーカーを用いて検出される。好ましくは、二次検出マーカーはアルカリホスファターゼ(AP)とコンジュゲートした抗体であり、APは、AP基質との反応によって二次抗体被覆ビーズを赤く着色する、不溶性の有色沈殿物を形成する。従って、赤いビーズは、PrPcまたは検出マーカーまたは二次抗体が結合したリガンドの存在を示すものである。
一実施形態では、出発材料とインキュベートしたライブラリー全体を、その後PK(PrPcを優先的に消化する)と共にインキュベートする。これによりPrPcがビーズから取り除かれ、トランスファーおよび検出のためにはPrPresのみが残される。この実施形態および他の実施形態では、処理されたライブラリーはその後第一支持体(例えばゲル、好ましくはアガロースゲル)に固定化されてもよい。この第一支持体は、ビーズを薄い単層に固定する。一実施形態では、第一支持体およびビーズを、化学発光物質(例えば化学発光アルカリホスファターゼ基質)と共にインキュベートし、続いて放射線用フィルムに感光させ、PrPc−検出マーカー−二次マーカーが結合したビーズの位置にスポットを有するフィルム(フィルム1)を作成する。この実施形態および他の実施形態では、ビーズに結合したタンパク質はその後ビーズから離れ、例えば毛細管現象のようにトランスファーバッファーの拡散により一方向にゲルを通過し、ビーズを通過し、さらに第二支持体(例えばタンパク質結合メンブレン)を通過し、第二支持体上にビーズから離されたタンパク質が捕捉される。それらのタンパク質は、第二支持体上に、第一支持体中で固定化されていたのと同じ、対応する位置に捕捉される。一実施形態では、トランスファーバッファーは変質剤、好ましくは変性剤(例えば6MグアニジンHCl(GuHCl)、これはタンパク質を除去し、かつ変性する)であり、タンパク質をビーズから分離し、かつトランスファーの間それらを変性状態に保つものである。
第二支持体(これに対してタンパク質が結合する)は第一支持体から離され、処理される。一実施形態では、メンブレン上の、結合した変性PrPcおよびPrPsc(ライブラリーがPK処理されたならPrPres)を、3F4抗体のような検出マーカーを用いて検出する。上記の条件下では、PrPcおよびPrPscは両方とも変性しているので、3F4抗体はメンブレン上のそれら両方の検出を可能にする。結合した3F4抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートされた抗体のような二次抗体によって検出される。この酵素はその後、化学発光HRP基質により検出され、放射線用フィルムに感光される。このインキュベーションにより、PrPc、PrPsc/PrPresおよび3F4抗体の存在を示すスポットを有するフィルム(フィルム2)が得られる。フィルム1および2の重ね合わせは、3F4抗体のみに結合したビーズ(抗体結合体)、PrPcまたは3F4抗体、PrPcおよびPrPsc/PrPresに結合したビーズ(フィルム1および2に存在する重ね合わせ可能なスポット)、およびPrPsc/PrPresのみに結合したビーズ(フィルム2にのみ存在するスポット)を示す。ビーズを含有する第一支持体とフィルムのアライメントにより、所望の特性を有する特定のビーズを回収することができる。
構造アイソフォームを検出し、取り出すためのリガンドの使用
本明細書中に記載の方法を用いて特定されるリガンドは、抗体調製物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、炭水化物、糖、脂質、有機分子、ポリマー、および/または推定上の治療薬などである。好ましい実施形態では、リガンドはペプチドリガンドである。上述の方法を用いて特定される構造アイソフォームまたは構造アイソフォームの断片に特異的なリガンドは、様々な、分析的、調製的、および診断的適用に対して有用である。
一実施形態では、本発明で提供される方法を用いて特定されるリガンドを、生物学的流体中の構造アイソフォームの存在を検出するために用いる。生物学的流体(例えばテストサンプル)を、構造アイソフォームと1種以上のリガンドとの間の複合体形成を引き起こすのに十分な条件下で、本明細書中に記載の方法に従って、1種以上のリガンドと接触させる。その後、複合体を検出し、それにより該生物学的流体中の構造アイソフォームの存在が特定される。本明細書中に記載の方法により特定されたリガンドはまた、固体材料から溶液中に抽出されたアイソフォーム標的を検出するのにも用いることができる。例えば、固体サンプルを水性溶媒もしくは有機溶媒または臨界流体で抽出することができ、そして得られた上清をリガンドと接触させることが可能である。固体サンプルの例としては、植物生成物、特にプリオンを伝達する物質(例えばウシ供給源由来の骨粉)にさらしたもの;動物由来生成物、特にプリオンを伝達する物質(例えばウシ供給源由来の骨粉)にさらしたものが挙げられる。他の固体サンプルとしては、脳組織、角膜組織、糞便材料、骨粉、牛肉副生成物、ヒツジ、ヒツジ副生成物、シカおよびエルク、シカおよびエルク副生成物、ならびに他の動物および動物由来生成物が挙げられる。一部の実施形態では、リガンドは土壌中の構造アイソフォームの存在を検出するのに用いることができる。
別の実施形態では、構造アイソフォームに結合するリガンドを、支持体(例えばビーズまたはメンブレン)に固定化し、そして構造アイソフォームに結合させて、それらをサンプルから分離するために用いる。汚染物質(contaminant)を除去するために用いるビーズおよびメンブレンは、当該技術分野において周知であり、例えばBaumbachおよびHammond(1992)、Buettner(米国特許第5,834,318号)に記載されている。この実施形態では、生物学的サンプルを、構造アイソフォーム−リガンド合成物または複合体の形成を引き起こすのに十分な条件下で、本発明の構造アイソフォーム結合リガンドと接触させる。その後、複合体を生物学的サンプルから分離し、それにより構造アイソフォームを生物学的サンプルから分離してもよい。上記のとおり、生物学的サンプルの例としては、例えば血液、血液由来組成物、血漿または血清が挙げられる。さらなる生物学的流体としては、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管液、涙液または精液が挙げられる。他の生物学的流体は、コラーゲン、脳および腺抽出物を含有していてもよい。
本明細書中に記載の方法を用いて特定されるリガンドは、特定のアイソフォームに特異的であるので、リガンドはアイソフォームのうちの1種類の、他からの選択的濃縮または分離に用いてもよい。いくつかの実施形態では、リガンドは感染性および非感染性アイソフォームを区別し、そしてこれらのリガンドは感染性または病原性アイソフォームに関連するヒトまたは動物の疾患の診断および予後診断のために用いることができる。タンパク質の単一アイソフォームにより引き起こされると考えられている疾患の例はプリオン関連疾患であり、そのようなものとしては、限定するものではないが、TSE(例えばスクレイピー、ヒツジおよびヤギを冒す);BSE(ウシを冒す);伝達性ミンク脳症、ネコ海綿状脳症ならびにミュールジカ、オジロジカ、オグロジカ(black-tailed deer)およびエルクのCWD;クールー、CJD、GSS、致死性不眠症および(vCJD)(これらはヒトを冒す)が挙げられる。
以下、具体例により本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は例示的な目的のために示されるものであり、いかなる方法によっても本発明を限定または規定することを意図するものではない。
実施例1
スクレイピー感染ハムスター脳ホモジネートからの、PrPcおよびPrPscに結合するペプチドの特定
本明細書中に記載の方法の一使用は、正常型か感染型のプリオンタンパク質PrPcおよびPrPscに優先的に結合し、従ってそれらの検出および分離を可能にするリガンドの特定である。PrPcおよびPrPscの異なる生化学的性質ならびに抗体(すなわち3F4モノクローナル抗体(Signet Laboratories, Inc., Dedham, MA)の結合を、PrPscに選択的に結合するリガンドを見出すために利用した。モノクローナル抗体3F4は、未変性PrPscに対するよりも顕著に高い親和性をもって、変性PrPscおよびPrPcに結合する。
A. ペプチドライブラリー
モノマー、ダイマーおよびトリマーペプチドライブラリーは、Buettnerら(1996)により記載された方法に基づく標準的Fmoc化学を用いて、ToyopearlTM650−Mアミノレジン(Tosoh BioScience, Montgomeryville, PA)上に直接的に、Peptides International(Lexington, KY)により合成した。テトラマー、ペンタマーおよびヘキサマーペプチドライブラリーでは、アミノ基とライブラリーの前記世代の間にεアミノカプロン酸スペーサーを含めた。上記のスキームにより達成されたペプチド密度は、典型的には0.1〜0.5mmole/レジン乾燥重量グラムの範囲であった。
B. ハムスター脳ホモジネート(PrP含有材料)の調製のためのプロトコル
非感染およびスクレイピー感染ハムスター脳の10%(v/v)ホモジネートをリン酸緩衝生理食塩液、pH7.4(PBS)中に調製し、−80℃にて凍結した(Dr. Robert Rohwer, VA Medical Center, Baltimoreの好意による)。使用に先立って、ホモジネートを湿氷(wet ice)上にて解凍し、1.2ml(非感染)および0.5ml(感染)のホモジネートを、室温にて30分間穏やかに振盪しながら、0.5%サルコシルで可溶化した。サンプルを14,000rpmで5分間遠心分離し、そしてPrPc(非感染および感染)およびPrPsc(感染のみ)の両方の型を含有する上清を回収した。
1mlの正常ハムスター脳材料と0.33mlのスクレイピー感染脳材料および、3.67mlのTris緩衝生理食塩液(TBS)バッファー、pH7.2(1%カゼインブロッカー(Pierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL)および1%ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)含有)を混合することにより、5mlの脳材料を調製した。正常脳ホモジネートのスクレイピー感染脳ホモジネートに対する最終比率は3:1であり、これによりPrPcおよびPrPscが概ね等量となった。
C. ペプチドライブラリー結合スクリーニングのプロトコル
ペプチドライブラリーから5mgの乾燥ビーズをBioSpinTMディスポーザブル・クロマトグラフィーカラム(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)中に移し、予測される不純物およびペプチド合成で用いられた有機溶媒を除去するために、20倍カラム容量(CV)の20%メタノール(水中)で洗浄した。その後ビーズを洗浄し、20CVの1×TBS、pH7.6(1×TBSは10×TBS(BioSource International, Camarillo, CA)の10倍希釈により調製した)を用いて平衡化した。液流を停止させ、ビーズを1mlの新たな1×TBSに懸濁し、そしてさらに15分間膨潤させた。TBSを排出させ、カラムを再び閉じた。非特異的結合を防ぐために、0.5%BSA(Sigma-Aldrich)を添加した1mlのBlockerTMCasein(TBS中、Pierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL)溶液をビーズに加えた。カラムの両端を塞いでから、穏やかに振盪しながら、4℃にて一晩、ブロッキングを行った。ブロッキング溶液を排出させ、上で調製したハムスター脳ホモジネート1mlをレジンに加えた。カラムを両端でしっかりと閉じ、水平にして1〜3時間、室温にて穏やかに振盪した。脳ホモジネートを排出させ、ビーズを10mlの0.05%Tween20含有TBS(T−TBS)、さらに10mlのTBSで洗浄した。
D. 結合PrPcの検出のためのプロトコル
正常PrPcの発色検出は、1%カゼイン含有TBSにて1:8,000に希釈したマウスモノクローナル抗体3F4(Signet, Dedham, MA)を用いて行った。該モノクローナル抗体は天然haPrPcに結合するが、天然haPrPscに対しては親和性をほとんどまたは全く有しない;しかしながら、変性haPrPscおよびhaPrPcには結合する。1mlの希釈3F4抗体を、あらかじめ曝露したビーズに加えた。カラムを室温にて1時間、穏やかに振盪した。抗体含有溶液を排出させ、ビーズを10mlのTBSおよび10mlのT−TBSで洗浄した。その後ビーズを、0.5%カゼイン/0.5%BSA(TBS中)中で1:2,000に希釈したアルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マウス二次抗体(KPL, Gaithersburg, MD)1ml中でインキュベートした。インキュベーションは、穏やかに振盪しながら、室温にて1時間行った。二次抗体の溶液を排出させ、ビーズを10mlのTBSおよび10mlのT−TBSで洗浄した。1mlのImmunoPure Fast RedTMアルカリホスファターゼ基質(Pierce Biotechnology, Rockford, IL)を、製造業者により記載されたとおりに調製し、ビーズに加えた。インキュベーションを、室温にて約15分間、またはビーズが薄いピンク色に変わり始め、いくつかの濃い赤色のビーズが現れるまで続けた。基質溶液を排出させ、ビーズを10mlのTBSで洗浄した。カラムを両端で閉じ、一晩4℃に保った。
E. アガロース中に包埋したPrP結合ビーズの検出のためのプロトコル
簡潔には、上述の、ハムスター脳ホモジネートとインキュベートしたビーズをアガロースに包埋した。まず、49cmトレイ(Bio-RadTM Laboratories, Hercules, CA)の表面を、水に溶解した9mlの1%アガロース(Invitrogen, Carlsbad, CA)(あらかじめ解かして約40℃に冷却した)で覆うことにより、アガロースの基層を調製した。アガロースを少し固まらせた。90μlの懸濁ビーズ溶液(1.923mg/ml)を、水に溶解し、解かして約40℃に冷却した800μlの0.5%低融点アガロース(SeePlaque GTG AgaroseTM, FMC BioProducts(現在はCambrex Bioscience, Inc, Baltimore, MD))に加えた。混合物を軽くボルテックスにかけ、基層の表面全体に広げた。PrP含有材料の液滴を、ゲル中の角に置き、次の工程のための陽性対照とした。PrP結合ビーズの化学発光検出を行う前に、ゲルを4℃にて固まらせた。
F. アガロースに包埋したPrP結合ビーズの化学発光検出のためのプロトコル
ビーズをゲル中に包埋した後、十分な容量の化学発光アルカリホスファターゼ基質CDP−Star(Tropix Inc. (Applied Biosystems), Bedford, MA)を、ゲルの表面を覆うように加え、製造業者により推奨されたとおりに、室温にて5分間インキュベートした。余分な基質を除き、ゲルを透明プラスチックフィルム上に置き、プラスチック袋中に密閉し、オートラジオグラフィー用フィルムに30分間感光させた。該フィルム(フィルム1)は天然PrPcのみ、ならびに3F4および二次抗体に結合したビーズを特定し、続いて、ニトロセルロースメンブレンへのタンパク質のトランスファーの後に得られるフィルムとアラインするのに用いた。
G. 包埋されたビーズからニトロセルロースメンブレンへのタンパク質トランスファーのためのプロトコル
この方法では、タンパク質をビーズから溶出し、それらを毛細管現象によりニトロセルロースまたはPVDFメンブレン上にトランスファーする。1枚の3MM濾紙(Schleicher and Schuell, Keene, NH)が、タンクからトランスファーバッファー(本実験の固有の要求に合うものであればいかなるバッファーでもよい)を、ビーズが固定化されているゲルにしみ通らせるための役割を果たす。従って、3MM紙の芯(wick)をトランスファー溶液であらかじめ濡らし、紙の端をバッファータンクに浸して、表面に置いた。6M塩酸グアニジン(GuHCl)をトランスファー溶液として用い、これはトランスファーの間に、ビーズから結合タンパク質を解離させ、それらを変性させるのに十分であった。ゲルを、ビーズ側を上にして濡らした3MM紙上に置き、紙とゲルの間に気泡がないことを確かめた。ゲルの大きさに切った1枚のメンブレン(ECLスタンダードニトロセルロースHybondTM(Amersham Biosciences Corp, Piscataway, NJ))をトランスファーバッファー中で濡らし、ゲルの上に置いた。気泡を除くために、ピペットをメンブレンの上で転がした。2枚のあらかじめ濡らした3MM紙をメンブレン上に置き、気泡を除くためにピペットを転がした。乾いたペーパータオルまたは他の吸収紙の束を最上部に置き、300gのおもりを載せた。トランスファーを室温にて16時間行い、それにより、ビーズに結合したタンパク質の、捕捉メンブレン上へのトランスファーおよび固定化に至った。
H. ECL(化学発光)検出のためのプロトコル
タンパク質がトランスファーされたメンブレンを、T−TBS中に再懸濁した5%(w/v)乾燥ウシ脱脂乳10mlの入ったプラスチック容器中に移した(3F4はウシ乳中に存在するウシPrPcを認識しない)。メンブレンへの抗体の非特異的結合を防ぐために、メンブレンを、穏やかに振盪しながら4℃にて16時間インキュベートした。ブロッキング後、メンブレンを1:4,000倍希釈の一次抗体(3F4(Signet)、5%ミルク(TBS中)中)10mlと共に、穏やかに振盪しながら、室温にて1.5時間インキュベートした。一次抗体溶液を捨て、メンブレンをT−TBSで2回リンスし、T−TBS中で15分間洗浄し、それから新しいT−TBS中で5分間、2回洗浄した。全ての洗浄工程は、穏やかに振盪しながら行った。メンブレンをその後、1:10,000倍希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マウス二次抗体(KPL)(5%ミルク(TBS中)中)10mlと共に、穏やかに振盪しながら室温にて1.5時間インキュベートした。二次抗体溶液を捨て、メンブレンを上記と同様にリンスし、洗浄した。
化学発光検出は、HRP化学発光基質ECL−Plus(Pierce)を、製造業者の説明書に従って調製することにより行った。10mlの混合液を、タンパク質側を上にしたそれぞれのメンブレンに加えた。基質を1分間、手で穏やかに回し、基質に浸されたメンブレンを取り出して3MM濾紙上に置き、素早く液を除いてから、シートプロテクター(Boise Cascade Office Products, Boise, IL)で包んだ。メンブレンのタンパク質側を、様々な時間、オートラジオグラフィー用フィルムに接触させ、フィルムを感光した(フィルム2)。
I. スクレイピーハムスター脳由来の、PrPscに対して特異的なトリマー結合体の検出
上記のプロトコルにより、ある割合の赤く染まったビーズ(それらが天然PrPcまたは二次抗体に結合したことを示す)を有するゲル、それらのビーズからのシグナルを有する第一フィルム、ならびに天然PrPcおよび/もしくは二次抗体(ゲル中で赤く染まった)と、変性PrPcおよびPrPsc、および/もしくは二次抗体の両者に結合したビーズからのシグナルを有する第二フィルムの作成に至った。前に染まったビーズとフィルム1および2上のスポットとのアライメントにより、ビーズの4つの集団が得られた:1)3F4に結合したものは、赤く染まり、フィルム1および2上にシグナルを生じる;2)PrPcおよびPrPscの両方に結合したビーズは、赤く染まり、フィルム1および2上にシグナルを生じる;3)PrPcのみに結合したビーズは、赤く染まり、フィルム1および2上にシグナルを生じる;および4)PrPscのみに、またはそれに優先的に結合したビーズは、フィルム2上にシグナルを生じるが、赤く染まらず、またフィルム1上でのシグナルも生じない。このアライメントおよび選別は、図2に概略を表してある。ビーズの4番目のグループを、PrPsc特異的ビーズとして選別した。第一化学発光検出(フィルム1、変性ステップ前)でシグナルを生じなかったが第二化学発光検出(フィルム2、変性ステップ後)でシグナルを生じた、トリマーライブラリーに由来する代表的なビーズを配列決定に供した。これらの実験および他の実験(PKが用いられた実験を含む)において特定したいくつかのリガンドアミノ酸配列を、以下の表1に列挙する。数グラムのDVRレジンを合成した。
Figure 2006524340
5mgのDVR(配列番号3)およびアミノ650−M(対照として)を1%spCJD脳ホモジネート(0.1%サルコシルで可溶化した)と共に、室温にて1時間インキュベートした。ビーズに結合したPrPcの存在を、前記と同様にファストレッドを用いて検出した。ビーズをその後アガロースゲル中に固定化し、第一支持体上で検出し、GuHClを用いてトランスファーし、そして第二支持体上で検出した。DVRビーズはオンビーズ検出の結果、顕微鏡下では白色であり、第一支持体上でのシグナルは弱く、このことはPrPcがほとんど結合していないことを示している。アミノビーズはピンク色を呈し、第一支持体上でのシグナルは強く、このことはアミノレジンがPrPcに結合することを示している。変性およびトランスファーの後では、DVR(配列番号3)ビーズからの第二支持体上でのシグナルは強かった。アミノビーズからのシグナルもまた強く、このことは、これがPrPcに結合し、PrPscにも結合するかもしれないことを示している。これらの結果は、DVR(配列番号3)がPrPscに優先的に結合することを示し、かつ本方法がタンパク質の異なるアイソフォームに優先的に結合するリガンドを特定することができることを立証するものである。
実施例2
プロテイナーゼK処理後の散発性CJD脳からの、PrPresに対して特異的な、トリマーライブラリー由来結合体の検出
この実施例では、トリマーライブラリーを、ヒト散発性CJDを伴う患者から調製した脳ホモジネートに由来するPrPsc結合体についてスクリーニングし、そしてビーズを、PrPsc特異的結合体の免疫検出の前にプロテイナーゼK(PK)で処理した。実験は、前記の実施例に記載した方法に従い、以下の改変を加えて行った:1)1カラムあたり10mgのレジンを、CPDバッファー(クエン酸、リン酸、デキストロース(Baxter Healthcare/Fenwal, Deerfield, IL)、0.05%サルコシル(Sigma-Aldrich)および0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF、Sigma-Aldrich)含有)中に希釈した1.0%脳ホモジネート1mlと共にインキュベートした。;2)ImmunoPure Fast RedTM基質を用いた検出に続いて、ビーズを1mlのPK(100μg/ml)と共に37℃にて1時間インキュベートした。PK処理の結果、トランスファーの前にPrPcが消化され、ビーズおよび次のメンブレン上にはPrPresのみが残された。これにより、フィルム2はPrPresを認識する3F4により生じたシグナルのみを有するようになる。ビーズを含有するゲルとフィルム2とのアライメントは、PrPscに特異的なそれらのビーズを示した。このスクリーニングから得られた配列は、FPK(配列番号19)、HWK(配列番号20)、WEE(配列番号21)、およびLLR(配列番号22)であった。
本明細書中に記載のものと同様かまたは等価な方法および材料を本発明の実施および試験に用いることができるが、好適な方法および材料は上述のものである。本明細書中で言及した全ての刊行物、特許出願、特許および他の引用文献は、その全体が参照により本明細書中に取り込まれる。さらに、材料、方法、および実施例は、単に例示的なものであり、限定を意図するものではない。
上述の説明は本発明に関するいくつかの実施形態を記載するために提供するものである。本発明の視野および精神から逸脱することなく、種々の改変、付加および削除をこれらの実施形態および/または構成に対して行うことができる。
アガロースゲル(第一支持体)中に包埋されたビーズからメンブレン(第二支持体)への標的および対照異性体のトランスファーを表す模式図である。 PrPsc特異的リガンドに対するスクリーニング法を表した模式図であり、ここで、未変性PrPc異性体が第一支持体上で検出され、変性PrPscおよびPrPcアイソフォームが第二支持体上で検出され、そして第二支持体検出結果はファストレッド染色ビーズ含有第一支持体アガロースゲルと比較される。 本発明のある好ましい実施形態に従いPrPscリガンドを特定する方法を概念的に表すフローチャートである。
【配列表】
Figure 2006524340
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Claims (10)

  1. サンプル中のタンパク質アイソフォームに対する結合特異性を有するリガンドを特定する方法であって、以下のステップ:
    a. 1種以上のリガンドと1種以上のタンパク質アイソフォームとの間の1種以上の複合体形成が可能な条件下で、該1種以上のリガンドを少なくとも2種類のタンパク質アイソフォームを含有するサンプルと接触させるステップ;
    b. 第一の検出可能なシグナルの生成が可能な条件下で、前記1種以上の複合体を第一の検出可能なマーカーと接触させ、そして第一の検出可能なシグナルの存在または不在を検出するステップ;
    c. 前記1種以上のタンパク質アイソフォームを第一支持体から第二支持体へとトランスファーするステップ;
    d. 第二の検出可能なシグナルの生成が可能な条件下で、トランスファーされたアイソフォームを第二の検出可能なマーカーと接触させ、そして第二の検出可能なシグナルの存在または不在を検出するステップ;
    e. 第一シグナルと第二シグナルとを比較するステップ、
    を含み、第一シグナルの存在または不在および第二シグナルの存在または不在が前記1種以上のタンパク質アイソフォームに対する結合特異性を有する1種以上のリガンドを特定するものである、前記方法。
  2. 前記1種以上のタンパク質アイソフォームがプリオンタンパク質のアイソフォームである、請求項1に記載の方法。
  3. 第一および第二の検出可能なマーカーが、同じタンパク質の異なるアイソフォームを検出する、請求項1に記載の方法。
  4. リガンドを、固体支持体上に直接的または間接的に固定化する、請求項1に記載の方法。
  5. リガンドを、固体支持体上に固定化された固相に結合させる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記1種以上のリガンドを少なくとも2種類のタンパク質アイソフォームを含有するサンプルと接触させる前または接触させた後に、該リガンドを第一支持体上に固定化する、請求項1に記載の方法。
  7. 第二支持体へトランスファーする前、その間または後に、前記1種以上のタンパク質アイソフォームを、異なるタンパク質アイソフォームを形成するように変質させ、そして該異なるタンパク質アイソフォームを第二の検出可能なマーカーと接触させる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記1種以上のタンパク質アイソフォームを、消化または変性によって変質させる、請求項7に記載の方法。
  9. 1種以上のタンパク質アイソフォームに対する結合特異性を有するとして特定されるリガンドが、配列番号1〜22からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項1に記載の方法。
  10. 1種以上のタンパク質アイソフォームに対する結合特異性を有するとして特定されるリガンドが、配列番号3のアミノ酸配列を有するペプチドまたはそのアナログである、請求項1に記載の方法。
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