JP7170362B1 - 低糖質パンおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常時は勿論のこと、長期保存が可能で災害時等に利用可能な低糖質パンを提供する。【解決手段】少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする低糖質パンおよびその製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、低糖質パンおよびその製造方法に関する。
通常、パンは小麦を原料とし、砂糖も多く使用されているため糖質を多く含んでいる。しかし、糖尿病等のような糖質の摂取を制限しなければならない人やダイエットをしている人は糖質の制限を行っているため低糖質なパンについても需要がある。
ところで、災害時には、パンを缶詰にした、いわゆるパンの缶詰が利用されているが、これはカロリーの摂取が目的とされているため糖質を大量に使用していて、そのことによりカビや細菌を繁殖させる要因である水分を抱え込み長期保存が可能となっている(特許文献1~2)。
しかしながら、パンの缶詰を低糖質のパンで作ろうとすると、低糖質のパンは基本的に糖質の量が少ないためすぐに雑菌が繁殖してしまい長期保存が不可能であった。そのため、低糖質パンは災害時の保存食として利用することができずに、糖質の摂取を制限しなければならない人はパンを食べることもできず、生活の質(QOL)が低下していた。
特開平10-72021号公報 特開2020-130095号公報
従って、本発明は通常時は勿論のこと、長期保存が可能で災害時等に利用可能な低糖質パンを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、低糖質パンに、少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有させることにより、長期保存が可能な低糖質パンが製造できることを見出した。
すなわち、本発明は以下のものである。
(1)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする低糖質パン。
(2)上記低糖質パンを袋に入れたことを特徴とする袋入り低糖質パン。
(3)上記低糖質パンを缶に入れたことを特徴とする缶入り低糖質パン。
(4)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有する低糖質パン生地を、焼成することを特徴とする低糖質パンの製造方法。
(5)本発明は、以下の方法(a)~(c)
(a)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有する低糖質パン生地を、焼成する工程
(b)焼成した低糖質パンを急冷する工程
(c)低糖質パンを袋に入れ、袋中に少なくとも窒素ガスを充填して密封する工程
を含むことを特徴とする袋入り低糖質パンの製造方法。
(6)以下の方法(g)~(j)
(g)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有する低糖質パン生地を、缶に入れ焼成する工程
(h)焼成した缶入り低糖質パンを急冷する工程
(i)缶入り低糖質パンの缶に蓋をする工程
(j)缶入り低糖質パンを加圧加熱殺菌する工程
を含むことを特徴とする缶入り低糖質パンの製造方法。
本発明の低糖質パンは風味が良好で従来の低糖質パンと比べて長期保存が可能である。また、本発明の低糖質パンは特に袋や缶に入れることにより、より長期保存が可能となるため、災害時の保存食(備蓄食)として優れたものである。
常温保存1ヶ月後の加圧加熱殺菌を行った実施例1の組成1(酢酸ナトリウムおよびグリシンなし)の缶入り低糖質パンの外観を示す。 常温保存4ヶ月後の非塩素系ガスバリア性袋に窒素と二酸化炭素を充填した実施例3および実施例4の袋入り低糖質パンの外観を示す(左が実施例4、右が実施例3)。
本発明の低糖質パンは少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有するものである。ここで低糖質とは、焼成後のパンにおいて、糖質を15質量%(以下、単に「%」という)以下、好ましくは1~15%で含むものである。なお、焼成後のパンの糖質量は差し引き法等で測定することができる。
本発明の低糖質パンに用いられる穀物粉は、低糖質となるものであれば特に限定されないが、例えば、大豆粉、小麦ふすま等が挙げられる。これら穀物粉は1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、大豆粉および/または小麦ふすまが好ましい。本発明の低糖質パンにおける穀物粉の含有量は特に限定されないが、例えば、吸水前のパン生地において10~40%、好ましくは20~30%である。
本発明の低糖質パンに用いられるグリシンは食品用途のものであれば特に限定されない。本発明の低糖質パンにおけるグリシンの含有量は特に限定されないが、例えば、吸水前のパン生地において0.2~1.5%、好ましくは0.7~1.3%である。
本発明の低糖質パンに用いられる酢酸ナトリウムは食品用途のものであれば特に限定されない。本発明の低糖質パンにおけるグリシンの含有量は特に限定されないが、例えば、吸水前のパン生地において0.1~1.5%、好ましくは0.5~1.0%である。
本発明の低糖質パンにおいては、グリシンと酢酸ナトリウムはどちらか一方を用いれば長期保存の効果が得られるが、好ましくはグリシンと酢酸ナトリウムの両方を用いることが好ましい。この場合、グリシンと酢酸ナトリウムの質量比は特に限定されないが、0.5~1.5:1、好ましくは0.75~1.25:1である。
本発明の低糖質パンにおいては、上記した低糖質の範囲を超えない限り、通常のパンに用いられる成分を用いれば良い。そのような成分としては、小麦粉、グルテン、ホエイパウダー等の乳タンパク、マーガリン、バター、ショートニング等の(植物性または動物性)油脂、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール、アーモンドパウダー、シナモンパウダー、クルミパウダー、卵、水、塩等が挙げられる。また、上記成分は製造するパンの種類に合わせて適宜選択できる。
本発明の低糖質パンにおいては、上記パンの製造に用いられる成分に加えて、本発明の効果を損なわない限りで、例えば、ゴマ、茶葉(緑茶や紅茶)、抹茶粉、ブラックペッパー、ハーブ類等の通常のパンに添加されるものの他、コオロギ等の昆虫の粉末、野菜の粉末等、ビールの絞りかす、ごまの皮、トウモロコシの芯等の食品加工時に廃棄される部分の粉末を加えてもよい。
本発明の低糖質パンを製造するための焼成前のパン生地の好ましい組成としては以下のものが挙げられる。
(大豆パン)
大豆粉 10~40%、好ましくは20~30%
グルテン 30~48%、好ましくは35~45%
卵 0~30%、好ましくは15~25%
油脂 0~20%、好ましくは10~15%
小麦粉 0~10%、好ましくは0~5%
酢酸ナトリウム 0.1~1.5%、好ましくは0.5~1.0%
グリシン 0.2~1.5%、好ましくは0.7~1.3%
イースト 2~5%、好ましくは3~5%
塩 0.5~2%、好ましくは1~2%
糖アルコール 1~3%、好ましくは2~3%
吸水 60~100%、好ましくは80~100%
※吸水は水以外の全成分に対する量
(ふすまパン)
ミックス粉 10~40%、好ましくは20~30%
(麦たんぱく、小麦ふすま、大豆粉等を含む)
卵 0~30%、好ましくは15~25%
油脂 0~20%、好ましくは10~15%
酢酸ナトリウム 0.1~1.5%、好ましくは0.5~1.0%
グリシン 0.2~1.5%、好ましくは0.7~1.3%
イースト 2~5%、好ましくは3~5%
糖アルコール 1~3%、好ましくは2~3%
吸水 60~150%、好ましくは125~135%
※吸水は水以外の全成分に対する量
本発明の低糖質パンは、まず、上記成分を吸水させ、イースト等を添加して常法に従ってパン生地を製造する。このパン生地は適宜発酵させればよい。
上記で得られたパン生地は、例えば、平釜(通常のオーブン)、コンベクションオーブン等で焼成する。焼成の条件は特に限定されないが、例えば、180~220℃で15~30分である。
焼成後は、放冷することにより本発明の低糖質パンが得られる。
このようにして製造される本発明の低糖質パンは、常温でも従来のものよりも長く保存可能である。
なお、本発明の低糖質パンは、上記の通り、常温でも従来のものよりも長く保存可能であるが、焼成後のパンを放冷ではなく急冷し、それをすぐに袋に入れ、袋入りとすることで長期保存が可能となる。急冷は空気中の一般細菌(芽胞菌含む)に触れる時間を短時間にし、袋内に細菌を持ち込ませないために重要である。
袋入り低糖質パンの製造方法としては以下の方法(a)~(c)を含むものが好ましい。
(a)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有する低糖質パン生地を、焼成する工程
(b)焼成した低糖質パンを急冷する工程
(c)低糖質パンを袋に入れ、袋中に少なくとも窒素ガスを充填して密封する工程
工程(a)は、上記した低糖質パン生地の製造と焼成をすればよい。
工程(b)において、焼成した低糖質パンの急冷をする工程は、一般細菌(芽胞菌含む)の増殖を抑制するために行われる。この急冷は、焼成により死滅しきれなかった一般細菌(芽胞菌含む)が増殖しない条件であれば特に限定されないが、例えば、焼成したパンを冷蔵庫や冷凍庫に入れて、例えば、30~37℃、好ましくは30~35℃となるまで1~7分、好ましくは3~5分で行う条件が挙げられる。急冷後は直ちに工程(c)を行うことが好ましい。
工程(c)において、低糖質パンを入れる袋の素材は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ナイロン(PA)等の非塩素系ガスバリア性の素材の袋が好ましい。また、袋中には、少なくとも窒素ガスを充填することが好ましく、窒素と二酸化炭素の混合ガスを充填することがより好ましい。この充填は常法に従ってすることができる。低糖質パンを袋に入れ、袋中にガスを充填した後は、シーラー等で袋を密封すれば良い。
このようにして製造される袋入り低糖質パンは、常温で5ヶ月程度保存が可能となる。
また、本発明の低糖質パンは、低糖質パン生地を焼成の前に缶に入れ、それを焼成した後、急冷することにより、より長期保存が可能となる。この缶入りパンの製造方法においても焼成後の急冷が重要である。
缶入り低糖質パンの製造方法としては以下の方法(g)~(j)を含むものが好ましい。
(g)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび/または酢酸ナトリウムを含有する低糖質パン生地を、缶に入れ焼成する工程
(h)焼成した缶入り低糖質パンを急冷する工程
(i)缶入り低糖質パンの缶に蓋をする工程
(j)缶入り低糖質パンを加圧加熱殺菌する工程
工程(g)において、パン生地を入れる缶としては、焼成や保存に耐えうるものであれば特に限定されず、例えば、アルミ、ステンレス等で形成されたスチール缶、アルミ缶等が挙げられる。缶にはパン生地を入れる前にくっつき防止のためにシリコーン樹脂等で加工された耐熱紙等を入れてもよい。焼成は、上記と同様にすればよい。
工程(h)において、焼成した缶入り低糖質パンの急冷する工程は、一般細菌(芽胞菌含む)の増殖を抑制するために行われる。急冷は、上記と同様にすればよい。急冷後は直ちに工程(i)を行うことが好ましい。
工程(i)において、缶入り低糖質パンの缶に蓋をする工程は特に限定されず、アルミ等で形成された蓋を巻締め機等で締めればよい。缶に蓋をする際にはくっつき防止のためにパンの上にシリコーン樹脂等で加工された耐熱紙等を載せてもよい。
工程(j)において、缶入り低糖質パンを加圧加熱殺菌する工程は、特に限定されず、缶のまま、加圧加熱殺菌をすればよい。加圧加熱殺菌の条件はレトルト殺菌法に該当するものであれば特に限定されないが、例えば、0.75気圧の圧力を10~35分かける条件が挙げられる。また、加圧加熱殺菌は1日後にもう一度同じ条件で行うことが好ましい。加圧加熱殺菌後は、流水で常温になるまで冷却することが好ましい。
このようにして製造される缶入り低糖質パンは、常温で5年間程度保存が可能となる。
なお、本発明の低糖質パンやその製造方法は、コッペパン等の通常のパンだけでなく、例えば、クリームチーズ入り大豆パン、カスタード入り大豆パン、チョコクリーム入り大豆パン、コオロギパン、ふすまのクッキー、大豆のクッキー、大豆のデニッシュ、ふすまのデニッシュ、低糖質パン以外の商品、米粉パン、アレルギー対応パン等にも応用できる。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
缶入り低糖質パン(ふすまパン)の製造:
表1に記載の材料を混合して生地を調製した。この生地を1個45gに分割し、この3個をシリコーン樹脂加工の耐熱紙を敷いた3ピース缶(スチール製)に入れて発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させた。発酵後、オーブンにて焼成した(上180~200℃、下210℃、15~30分)。焼成後、缶ごと冷凍庫に入れて35℃になるまで5分程度急冷した。急冷後、直ちにシリコーン樹脂加工の耐熱紙を載せて巻締め機で缶蓋(アルミ製)を締めた。缶蓋を締めた後、1回目の加圧加熱殺菌(0.75気圧の圧力を10~35分かけた。その後、流水で常温になるまで冷却した)をして常温で24時間保管後2回目の加圧加熱殺菌(1回目と同じ条件)行い、缶入り低糖質パン(ふすまパン)を製造した。また、比較として加圧加熱殺菌を行わず、缶蓋を締める際に脱酸素剤を入れただけの缶入り低糖質パン(ふすまパン)も製造した。
Figure 0007170362000002
上記で製造した缶入り低糖質パンの常温での保存前後の状態を評価した。その結果を表2に示した。なお、細菌検査は組成1の缶入り低糖質パンについては東京食品技術研究所に外注し、組成2の缶入り低糖質パンについては日本化薬フードテクノ(株)に外注した。なお、東京食品技術研究所の基準値(食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第1食品D各条〇容器包装詰加圧加熱殺菌食品による)は0個/1gであった。また、日本化薬フードテクノ(株)の基準値は200個/1g以下であった。
Figure 0007170362000003
この結果より、本発明の缶入り低糖質パン(ふすまパン)は、グリシンおよび酢酸ナトリウムを用い、(急冷後に)加圧加熱殺菌することで長期保存時のカビを防げることがわかった。なお、組成2の加圧加熱殺菌をしたものを5年間常温保存した後、東京食品技術研究所で細菌検査を行ったところ陰性であった。この結果から本発明の缶入り低糖質パンは5年保存できることが分かった。
実 施 例 2
缶入り低糖質パン(大豆パン)の製造:
表3に記載の材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、缶入り低糖質パン(大豆パン)を製造した。
Figure 0007170362000004
上記で製造した缶入り低糖質パンを常温で保存し、開封したときの状態を評価したところ、実施例1と同様の結果であった。この結果より、本発明の低糖質パン(大豆パン)は、グリシンおよび酢酸ナトリウムを用い、(急冷後に)加圧加熱殺菌することで長期保存時のカビを防げることがわかった。
実 施 例 3
袋入り低糖質パン(ふすまパン)の製造:
表1に記載の材料(組成1または組成2)を混合して生地を調製した。この生地を45gに分割してコッペパン型に成形した後、発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させ、オーブンにて焼成した(上210℃、下210℃、13~15分)。焼成後にこのコッペパンを冷蔵庫で35℃程度となるまで5分ほど急冷した。これを直ちに表4に記載の袋あるいはガスを充填した袋に入れ、保存した。製造した袋入り低糖質パンの常温での保存前後の状態を目視で評価した。その結果を表4に示した。
Figure 0007170362000005
この結果より、本発明の低糖質パンは、グリシンおよび酢酸ナトリウムを用い、(急冷後に)PE(非塩素系ガスバリア性)袋に入れることでカビを防げることがわかった。また、充填するガスとして窒素だけより窒素と二酸化炭素を組み合わせることにより長期保存に有効であることが分かった。また、袋に入れない場合であっても、低糖質パンにグリシンと酢酸ナトリウムを含有させることにより保存日数が伸びることが分かった。常温保存4ヶ月後の非塩素系ガスバリア性袋に窒素と二酸化炭素を充填した袋入り低糖質パンの外観を図2の右に示した(カビが認められない)。
実 施 例 4
袋入り低糖質パン(大豆パン)の製造:
表3に記載の材料(組成3または組成4)を混合して生地を調製した。この生地を45gに分割してプチパン型に成形した後、発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させ、オーブンにて焼成した(上180℃、下180℃、15~17分)。焼成後にこのプチパンを冷蔵庫で35℃程度となるまで5分ほど急冷した。これを直ちに表5に記載の袋あるいはガスを充填した袋に入れ、保存した。製造した袋入り低糖質パンの常温での保存前後の状態を目視で評価した。その結果を表5に示した。
Figure 0007170362000006
この結果より、本発明の低糖質パンは、グリシンおよび酢酸ナトリウムを用い、(急冷後に)PE(非塩素系ガスバリア性)袋に入れることでカビを防げることがわかった。また、充填するガスとして窒素だけより窒素と二酸化炭素を組み合わせることにより長期保存に有効であることが分かった。また、袋に入れない場合であっても、低糖質パンにグリシンと酢酸ナトリウムを含有させることにより保存日数が伸びることが分かった。常温保存4ヶ月後の非塩素系ガスバリア性袋に窒素と二酸化炭素を充填した袋入り低糖質パンの外観を図2の左に示した(カビが認められない)。
実 施 例 5
袋入り低糖質パン(ふすまパン)の製造:
表1に記載の組成2から酢酸ナトリウムを抜いた材料(組成5)を混合して生地を調製した。この生地を45gに分割してコッペパン型に成形した後、発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させ、オーブンにて焼成した(上210℃、下210℃、13~15分)。焼成後にこのコッペパンを冷蔵庫で35℃程度となるまで5分ほど急冷した。これをすぐにPE袋に入れ、冷蔵保存したところ、2日を超えてからカビが発生した。
この結果より、グリシンでもカビを防げることがわかった。
実 施 例 6
低糖質パン(ふすまパン)の製造:
表1に記載の組成2の材料を混合して生地を調製した。この生地を45gに分割してコッペパン型に成形した後、発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させ、オーブンにて焼成した(上210℃、下210℃、13~15分)。焼成後にこのコッペパンを放冷した。この低糖質パン(ふすまパン)の風味は良好であった。
実 施 例 7
低糖質パン(大豆パン)の製造:
表3に記載の組成4の材料を混合して生地を調製した。この生地を45gに分割してプチパン型に成形した後、発酵(湿度80~85%、温度37~38℃、40~50分)させ、オーブンにて焼成した(上180℃、下180℃、15~17分)。焼成後にこのプチパンを放冷した。この低糖質パン(大豆パン)の風味は良好であった。
本発明の低糖質パンは通常時は勿論のこと、長期保存が可能で災害時等に利用可能である。

Claims (8)

  1. 少なくとも穀物粉と、グリシンおよび酢酸ナトリウムを含有し、吸水前のパン生地におけるグリシンおよび酢酸ナトリウムの質量比が0.5~1.5:1であることを特徴とする低糖質パン。
  2. 穀物粉が、小麦ふすまおよび/または大豆粉である請求項1記載の低糖質パン。
  3. 請求項1または2に記載の低糖質パンを袋に入れたことを特徴とする袋入り低糖質パン。
  4. 袋中に少なくとも窒素ガスを充填したものである請求項記載の袋入り低糖質パン。
  5. 請求項1または2に記載の低糖質パンを缶に入れたことを特徴とする缶入り低糖質パン。
  6. 少なくとも穀物粉と、グリシンおよび酢酸ナトリウムを含有し、吸水前のグリシンおよび酢酸ナトリウムの質量比が0.5~1.5:1である低糖質パン生地を、焼成することを特徴とする低糖質パンの製造方法。
  7. 以下の方法(a)~(c)
    (a)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび酢酸ナトリウムを含有し、吸水前のグリシンおよび酢酸ナトリウムの質量比が0.5~1.5:1である低糖質パン生地を、焼成する工程
    (b)焼成した低糖質パンを急冷する工程
    (c)低糖質パンを袋に入れ、袋中に少なくとも窒素ガスを充填して密封する工程
    を含むことを特徴とする袋入り低糖質パンの製造方法。
  8. 以下の方法(g)~(j)
    (g)少なくとも穀物粉と、グリシンおよび酢酸ナトリウムを含有し、吸水前のグリシンおよび酢酸ナトリウムの質量比が0.5~1.5:1である低糖質パン生地を、缶に入れ焼成する工程
    (h)焼成した缶入り低糖質パンを急冷する工程
    (i)缶入り低糖質パンの缶に蓋をする工程
    (j)缶入り低糖質パンを加圧加熱殺菌する工程
    を含むことを特徴とする缶入り低糖質パンの製造方法。
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