JP7170061B2 - 水素製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素製造方法に関する。
水の電気分解による水素製造として、電解槽に電力を供給し、電解槽内の電極で水素を製造する方法が従来から行われている。このような電気分解において、電解槽への電力の供給が停止した際、逆電流が流れることが知られている。
逆電流が流れると、電解槽中の電解液の汚染、電解装置の腐蝕、電解槽中の電極の劣化等の問題が生じる。これらの問題を解決する方法として、電源からの電力の供給が止まった際に、逆電流の発生を防止できる程度の微弱電流を流す方法が知られている(特許文献1~3)。
特開平10-99861号公報 特公昭63-11430号公報 特開昭62-13589号公報
水素の製造方法についての検討を進めたところ、電源からの電力の供給が止まった際に、水の理論分解電圧以上の電圧を印加し、逆電流を防止できる微弱な電流を流した場合でも、電極で発生するガスの発生量が少ないため、得られるガス中の不純物ガス率が増加し、得られるガスの品質が相対的に低下するという問題があることを、本発明者らは見出した。また、電源からの電力の供給が止まった場合に限らず、電力の供給が低下した場合でも、ガスの品質が低下する場合があることを見出した。
特許文献1には、逆電流の発生を防止し、陽極室内の酸性水や陰極室内のアルカリ水等の電解液の汚染を防止する観点から、電解を生じさせるには不十分で、逆電流の発生を完全に又はほぼ完全に防止できる程度の微弱な電圧及び/又は電流を、電源遮断時に、陽極及び陰極間に加えることが記載されている。
特許文献2には、電解槽の腐蝕の防止を目的として、防蝕に必要な電位を保つに必要な程度に小さい電流を、主電解電流の停止時に、供給する方法が記載されている。
特許文献3には、通電をしないままの状態で陽極を電解液中に浸漬しておくと、陽極単独での腐蝕や、陽極と陰極との電位差によって生じる逆電流のために酸化物金属の還元が起り、電極消耗量を増大させる等の問題への対応を目的として、電解用直流電圧が遮断されたときに、陽極および陰極間に微小直流電圧を印加して、陽極から陰極に微小電流を流すことにより、陰極から陽極へ流れる逆電流を防止する、逆電流の防止方法が記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載の方法は、逆電流の防止のみを目的とし、得られるガスの品質を安定に保つことが出来なかった。
また、水電解で得られるガス中への不純物ガスの混入による電極の劣化等の問題への対策として、電解停止時に電解槽内を不活性ガスで置換することも考えられる。しかしながら、不活性ガスで置換をすると、電解槽中の不活性ガス濃度が高くなり、電力の供給を再開した際に、不活性ガスを含むガスを一度大気などに排気する必要があり、高品質のガスの安定供給できなかった。
従って、本発明の目的は、供給電源からの電力の供給が低下する場合でも、効率的に、品質に優れる水素ガスを得る水素製造方法を提供することにある。
[1]
電解槽と、前記電解槽に電力を供給する電源と、を含む水電解システムにより、アルカリを含有する水を水電解し、水素を製造する水素製造方法であって、
前記電解槽に供給する電力が低下した時、電流密度が隔膜の投影面積換算で10Am-2以上1500Am-2未満であり、印加する電流密度の積分値が2000Ch-1-2以上54000kCh-1-2以下である電力を電解槽に供給し、
前記電解槽に供給する電力の低下時の電流密度が、低下前に供給する電力の0.15~50%である、
ことを特徴とする、水素製造方法。
[2]
前記電解槽に供給する電力の前記低下が、24時間のうち少なくとも1時間以上であることを特徴とする、[1]に記載の水素製造方法。
[3]
前記電解槽に供給する電力の低下が、
少なくとも60秒間連続して100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;
電力が10Ws-1-2Cell-1以上の割合で減少し、且つ減少後に100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;
及び60秒間の積分値が6000Wsm-2Cell-1未満である電力を電解槽に供給する状態
からなる群から選択される少なくとも一つを満たす状態である、[1]又は[2]に記載の水素製造方法。
[4]
前記電解槽に供給する電力の低下時の電力が、
低下前に供給する電力の0.15~25%であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の水素製造方法。
[5]
前記低下の前に供給する電力が、電流密度が隔膜の投影面積換算で100Am-2以上であり、印加する電流密度の積分値が3600kCh-1-2以上の電力である、[1]~[4]の何れかに記載の水素製造方法。
[6]
前記電源として、少なくとも2つの電源を含み、前記低下の時に、電解槽に電力を供給する電源を変更する、[1]~[5]の何れかに記載の水素製造方法。
[7]
前記低下した時に電力を供給する電源からの出力が一定電流である、[1]~[6]の何れかに記載の水素製造方法。
[8]
前記低下した時に電力を供給する電源からの出力波形が矩形波である、[1]~[6]の何れかに記載の水素製造方法。
[9]
前記低下した時に電力を供給する電源からの出力波形が正弦波である、[1]~[6]の何れかに記載の水素製造方法。
[10]
前記低下した時に電力を供給する電源が、太陽光出力由来の電源である、[1]~[6][9]の何れかに記載の水素製造方法。
[11]
前記低下した時に電力を供給する電源が、風力出力由来の電源である[1]~[6][9]の何れかに記載の水素製造方法。
[12]
前記低下の前の電力を供給する電源が、風力、太陽光、水力、潮力、波力、海流、及び地熱からなる群から選ばれる少なくとも一つの再生可能エネルギー出力由来の電源である、[1]~[11]の何れかに記載の水素製造方法。
本発明の水素製造方法は、上記構成を有するため、供給電源からの電力の供給が低下する場合でも、効率的に、品質に優れる水素ガスを得る水素製造方法を提供することができる。
図1は、水電解システムの一例を示す模式図である。 図2は、水電解システムにおける電解槽の一例を示す模式図である。 図3は、図2の破線四角枠の部分の電解セル構造の断面を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[水素製造方法]
本実施形態の水素製造方法は、電解槽と、前記電解槽に電力を供給する電源と、を含む水電解システムにより、アルカリを含有する水を水電解し、水素を製造する水素製造方法であって、前記電解槽に供給する電力が低下した時、電流密度が隔膜の投影面積換算で10Am-2以上1500Am-2未満であり、印加する電流密度の積分値が2000Ch-1-2以上54000kCh-1-2以下である電力を電解槽に供給することを特徴とする。
(水電解システム)
上記水電解システムは、電解槽と上記電解槽の陽極及び陰極に接続された電源とを含む。上記電解システムは、さらに、整流器、検知器、補助電源制御器、電解液循環ポンプ、気液分離タンク、電流測定器、電解液制御器、ガス精製装置等を含んでいてもよい。
図1に、上記水電解システムの一例を示す。
水電解システム70は、電解槽50、供給電源741、補助電源742を含む。供給電源741及び補助電源742は、何れも電解槽50の陽極及び陰極と電気的に接続していることが好ましい。
水電解システム70は、さらに、検知器743、補助電源制御器744、電流測定器745、電解液循環ポンプ71、気液分離タンク72(72h、72o)、電解液制御器73等を含むことが好ましい。上記以外にも、濃度計75、76、流量計77、圧力計78、熱交換器79、圧力制御弁80等を備えてよい。
なお、図1中の矢印は、電解液又は気体が流れる方向である。
(電源)
上記水電解システムに含まれる電源の数は、2つ以上であることが好ましく、供給電源と、供給電源から電解槽に供給する電力が低下した際に電力を供給する補助電源とを含むことがより好ましい。
なお、電解槽に供給する電力の低下の前の電力を供給する電源は、供給電源として良い。
上記供給電源、及び上記補助電源は、一個の電源であってもよいし、複数個の電源から構成されていてもよく、例えば、一個の供給電源と、一個の補助電源とから構成されていてもよい。また、上記供給電源及び上記補助電源は、一種の電源から構成されていてもよいし、複数の異なる種類の電源から構成されていてもよい。
上記供給電源及び上記補助電源は、直流電源であることが好ましい。また、前記電源が複数ある場合、各電源は直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。上記供給電源と上記補助電源とは、電気的に独立した回路で、電解槽と接続していることが好ましい。
上記供給電源は、再生エネルギー等の出力が変動するエネルギー源による発電で得られた電力を用いた電源(変動電源)であってもよいし、出力がほぼ一定の電源(一定電源)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。中でも、電力の供給停止に伴う逆電流が起こり易く、本発明の効果が得られやすいという観点から、変動電源であることが好ましく、風力、太陽光、水力、潮力、波力、海流、及び地熱からなる群から選ばれる少なくとも一つの再生可能エネルギー出力由来の電源であることがより好ましく、太陽光出力由来の電源、又は風力出力由来の電源であることがさらに好ましい。なお、停電時や電源停止時等の供給電源からの電力の供給が止まった際等に逆電流が発生することがあるため、本実施形態の水素製造方法は上記供給電源として一定電源を用いる場合でも有効である。上記一定電源としては、グリッドを通して供給される電力の電力源、蓄電池電源等が挙げられる。グリッドを通して供給される電力源は、火力、原子力等の安定な電力源由来の電源であってもよいし、再生可能エネルギー出力由来等の変動電源と安定な電源由来の電源との組み合わせであってもよい。
なお、上記供給電源が、一定電源と変動電源との組み合わせである場合、一定電源と変動電源とからの電力の供給が低下し、電解槽へ供給される総電力が低下した場合に、補助電源から電力を供給することが好ましい。
上記補助電源は、供給電源からの電力の供給が低下した際に、電流密度が隔膜の投影面積換算で10Am-2以上1500Am-2未満であり、電流密度の積分値が2000Ch-1-2以上54000kCh-1-2以下である電力を供給できる電源であれば特に限定されない。
上記補助電源としては、例えば、再生エネルギー等の出力が変動するエネルギー源による発電で得られた電力を用いた電源(変動電源)であってもよいし、出力がほぼ一定の電源(一定電源)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。上記変動電源としては、風力、太陽光、水力、潮力、波力、海流、及び地熱からなる群から選ばれる少なくとも一つの再生可能エネルギー出力由来の電源であることが好ましく、太陽光出力由来の電源、又は風力出力由来の電源であることがより好ましい。上記一定電源としては、グリッドを通して供給される電力の電源、蓄電池電源等が挙げられる。グリッドを通して供給される電力源は、火力、原子力等の安定な電力源由来の電源であってもよいし、再生可能エネルギー出力由来等の変動電源と安定な電源由来の電源との組み合わせであってもよい。
上記補助電源から供給する電力の出力は、一定電流であってもよいし、出力波形が矩形波、正弦波であってもよい。
矩形波や正弦波などを用いることで、一定電源を用いるよりも、不純物ガスの起因となるリーク電流の総量が低減する為、不純物ガスの発生量が低減することがある。
上記電源から供給される電力は、電解槽へ供給される前に、整流器で直流に変換してもよい。上記整流器は、電解槽の直前に1つ設けられていてもよいし、各電源と電解槽との間に設けられていてもよい。
(電解槽)
上記電解槽は、特に限定されず、適宜定められてよく、1つの電極エレメントからなる単極式であってもよいし、多数の電極エレメントからなる複極式であってもよい。例えば、複極式は、多数の電極エレメントを電源に接続する方法の1つであり、片面が陽極2a、片面が陰極2cとなる複数の複極式エレメント60を、隔膜を挟んで同じ向きに並べて直列に接続し、両端のみを電源に接続する方法である。上記電解槽としては、例えば、隣り合う2つのエレメント(例えば、陽極ターミナルエレメント、複極式エレメント、陰極ターミナルエレメント等)において、隔膜を挟んで一方のエレメントの陽極と他方のエレメントの陰極とを並べる構造を少なくとも1つ有する電解槽が挙げられる。隔膜は、電解槽内の全ての隣り合う2つのエレメント間に設けられていることが好ましい。
複極式電解槽は、電源の電流を小さくできるという特徴を持ち、電解により化合物や所定の物質等を短時間で大量に製造することができる。電源設備は出力が同じであれば、低電流、高電圧の方が安価でコンパクトになるため、工業的には単極式よりも複極式の方が好ましい。また、複極式の方が、供給電源の電力供給停止時に逆電流が発生しやすく、不純物ガスが発生しやすいため、本発明の効果が得られやすい。
図2に電解槽50の一例を示す。
図2に示す一例では、複極式電解槽は、一端からファストヘッド51g、絶縁板51i、陽極ターミナルエレメント51aが順番に並べられ、更に、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7、複極式エレメント60が、この順番で並べて配置される。このとき、複極式エレメント60は陽極ターミナルエレメント51a側に陰極2cを向けるよう配置する。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までは、設計生産量に必要な数だけ繰り返し配置される。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までを必要数だけ繰り返し配置した後、再度、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7を並べて配置し、最後に陰極ターミナルエレメント51c、絶縁板51i、ルーズヘッド51gをこの順番で配置される。複極式電解槽は、全体をタイロッド方式51r(図2参照)や油圧シリンダー方式等の締め付け機構により締め付けることにより一体化され、複極式電解槽となる。
複極式エレメント60は、陽極2aと、陰極2cと、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1と、隔壁1を縁取る外枠3とを備えている。各複極式エレメント60は、隔膜4を挟んで重ね合わせられている。
複極式電解槽を構成する配置は、陽極2a側からでも陰極2c側からでも任意に選択でき、上述の順序に限定されるものではない。
上記電解槽において、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室5が画成されている(図3)。
本実施形態では、特に、複極式電解槽50における、隣接する2つの複極式エレメント60間の互いの隔壁1間における部分、及び、隣接する複極式エレメント60とターミナルエレメントとの間の互いの隔壁1間における部分を電解セル65と称する(図3)。電解セル65は、一方のエレメントの隔壁1、陽極室5a、陽極2a、及び、隔膜4、及び、他方のエレメントの陰極2c、陰極室5c、隔壁1を含む。
なお、陽極と陰極の剛性を高め、2つの電極を押しつけても変形が少ない構造とする観点から、電極は、整流板6(リブ)を設けてもよい(図3)。また、同様の理由から、整流板6(リブ)の先端に集電体2rを取り付け、その集電体2rの上面側、つまり、隔壁1側とは反対となる側に導電性弾性体2eを取り付け、さらに、その上面側、つまり、導電性弾性体2eに隣接して隔膜4側となる部分に電極2を重ねた少なくとも3層構造としてもよい。
上記電解槽において、電解セル65の数としては、1~300個であることが好ましく、より好ましくは50~250個、さらに好ましくは100~200個である。
電解槽に取り付けられるヘッダーの配設態様として、代表的には、内部ヘッダー型と外部ヘッダー型とがあるが、いずれの型を採用してもよい。
内部ヘッダー型とは、電解槽50とヘッダー(電解液を配液又は集液する管)とが一体化されている形式をいう。外部ヘッダー型とは、電解槽50とヘッダー(電解液を配液又は集液する管)とが独立している形式をいう。
上記電解槽における陽極2aの電気容量は、5000~500000C/mであることが好ましく、より好ましくは50000~300000C/mである。電気容量が上記下限値以上であると、陽極に保有される電気量が小さくなりすぎず、補助電源からの供給が矩形波や正弦波の場合に、陽極の保護を十分な時間維持することができ、一層優れた本発明の効果が得られる。電気容量が上記上限値以下であると、陽極が保護されるまで電極が充電する為の電気量が大きくなりすぎず、一層優れた本発明の効果が得られる。
陰極2cの電気容量は、200~20000C/mであることが好ましく、より好ましくは500~10000C/mである。電解槽中の全陽極の電気容量が、同一であることが好ましい。電気容量が上記下限値以上であると、陰極に保有される電気量が小さくなりすぎず、補助電源からの供給が矩形波や正弦波の場合に、陰極の保護を十分な時間維持することができ、一層優れた本発明の効果が得られる。電気容量が上記上限値以下であると、陰極が保護されるまで電極が充電する為の電気量が大きくなりすぎず、一層優れた本発明の効果が得られる。
上記電解槽の通電面の面積(S1)は、0.1~5mであることが好ましく、より好ましくは1~3mである。通電面の面積が上記範囲であると、電極当たりのリーク電流の相対的な寄与度が低下する為、逆電流からの電極の保護が一層容易となる。なお、電解槽の通電面の面積とは、例えば、複極式電解槽の場合は複極式エレメントの通電面をいい、単極式電解槽の場合は単極式エレメント60の通電面をいう。また、複極式電解槽において、複極式エレメントがない場合、陽極ターミナルエレメント、陰極ターミナルエレメントとしてもよい。
上記複極式エレメント60の通電面の面積S1とは、複極式エレメント60の電極(陽極2a及び陰極2c)の隔壁1に平行な面における面積をいう。なお、電解槽中の全陽極及び全陰極の上記面積が同一であってよく、陽極2aと陰極2cとにおいて上記面積が異なる場合には、その平均をいうものとする。
上記電解槽の厚さとしては、2~100mmであることが好ましく、より好ましくは5~50mmである。
上記電解槽の厚さとは、電解槽の端側の陽極と陰極との距離(端側の両電極を含む距離)であり、電極に垂直な方向の距離をいう。電解槽の厚さが上記範囲であると、槽内での電解液濃度、ガスの滞留状態が好適になり、局部的な腐食などの要因が生じにくくなる。
以下、電解槽の構成要素について詳細に説明する。
-隔壁-
隔壁1の材料としては、電力の均一な供給を実現する観点から、導電性を有する材料が好ましく、耐アルカリ性や耐熱性といった面から、ニッケル、ニッケル合金、軟鋼、ニッケル合金上にニッケルメッキを施したものが好ましい。
-電極-
アルカリ水電解において、電解電圧は、理論的に求められる水の電気分解に必要な電圧の他に、陽極反応(酸素発生)の過電圧、陰極反応(水素発生)の過電圧、陽極2aと陰極2cとの電極2間距離による電圧とに分けられる。ここで、過電圧とは、ある電流を流す際に、理論分解電位を越えて過剰に印加する必要のある電圧のことを言い、その値は電流値に依存する。同じ電流を流すとき、過電圧が低い電極2を使用することで消費電力を少なくすることができる。
低い過電圧を実現するために、電極2に求められる要件としては、導電性が高いこと、酸素発生能(或いは水素発生能)が高いこと、電極2表面で電解液の濡れ性が高いこと等が挙げられる。
上記電極2として、過電圧が低いこと以外に、再生可能エネルギーのような不安定な電流を用いても、電極2の基材及び触媒層の腐食、触媒層の脱落、電解液への溶解、隔膜4への含有物の付着等が起きにくいことが挙げられる。
上記電極2は、表面積を増加させるため、また、電解により発生するガスを効率的に電極表面から除去するため、多孔体であることが好ましい。多孔体の例としては、平織メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属発泡体等が挙げられる。
陽極及び陰極の導電性基材の構造は、担体として比表面積を確保すること、及び、脱泡性を両立する観点で、メッシュ構造であることが好ましい。
上記電極2は、基材そのものとしてもよく、基材の表面に反応活性の高い触媒層を有するものとしてもよいが、基材の表面に反応活性の高い触媒層を有するものが好ましい。
基材の材料は、特に制限されないが、使用環境への耐性から、軟鋼、ステンレス、ニッケル、ニッケル基合金が好ましい。
陽極2aの触媒層は、酸素発生能が高いものであることが好ましく、ニッケルやコバルト、鉄もしくは白金族元素等を使用することができる。これらは、所望の活性や耐久性を実現するために、金属単体や、酸化物等の化合物、複数の金属元素からなる複合酸化物や合金、或いはそれらの混合物として、触媒層を形成できる。
陰極2cの触媒層は、水素発生能が高いものであることが好ましく、ニッケルやコバルト、鉄もしくは白金族元素等を使用することができる。
-隔膜-
上記隔膜4としては、イオンを導通しつつ、発生する水素ガスと酸素ガス等のガスを隔離するために、イオン透過性の隔膜4が使用される。このイオン透過性の隔膜4は、イオン交換能を有するイオン交換膜と、電解液を浸透することができる多孔膜が使用できる。このイオン透過性の隔膜4は、ガス透過性が低く、イオン伝導率が高く、電子電導度が小さく、強度が強いものが好ましい。
上記隔膜4の投影面積は、0.1~5mであることが好ましく、より好ましくは1~3mである。隔膜の投影面積が上記範囲であると、逆電流からの電流の保護が一層容易となり、供給電源からの電力の供給の低下時でも、より効率的に品質に優れる水素ガスを得ることができる。
上記隔膜4の投影面積とは、隔膜4を地面に対して水平に設置し、鉛直方向上側から平行な光で照らした場合に、地面にできる影の面積をいう。
(検知器)
上記検知器743は、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記検知器743により、供給電源741からの電力供給の停止や電力供給の低下を検知することができる。さらに、供給電源741の電力供給の起動を検知することが好ましい。
(補助電源制御器)
上記補助電源制御器744は、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記補助電源制御器744により、補助電源742を作動、又は停止することができる。また、補助電源の出力を制御することができる。例えば、供給電源741の電力供給が低下した際に補助電源742を起動し、供給電源741の電力供給が回復した際に補助電源742を停止してもよい。
(電流測定器)
上記電流測定器745は、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記電流測定器745により、水電解システム70に流れる電流値を測定することができる。上記電流測定装置745は、補助電源制御器744、電解液制御器73等と接続され、電流値に応じで、供給電源の出力、補助電源の出力、電解液の流量等が調整されてもよい。
上記電流測定器745は、上記供給電源741と電解槽50との間の回路、及び/又は上記補助電源742と電解槽50との間の回路に設けられていてもよい。
供給電源741の回路に設けられる電流測定器745は、供給電源741及び/又は検知器743と一体化していてもよい。また、補助電源742の回路に設けられる電流測定器745は、補助電源742及び/又は補助電源制御器744と一体化していてもよい。
(電解液循環ポンプ)
上記電解液循環ポンプ71としては、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記電解液循環ポンプ71により、電解槽50中及び配管81を流れる電解液を循環させることができる。
(電解液制御器)
上記電解液制御器73としては、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記電解液制御器73により、電解液の流量を調整することができる。上記電解液制御器73は、電解液循環ポンプ71と一体化していてもよい。
電解液の流量は、電流測定器745等により測定された電流値に応じて制御されることが好ましい。
(気液分離タンク)
上記気液分離タンク72は、電解液と電解槽で発生する気体とを分離するタンクであることが好ましく、電解槽の陽極で発生する気体と電解液とを分離する陽極側気液分離タンク72o及び電解槽の陰極で発生する気体と電解液とを分離する陰極側気液分離タンク72hであることが好ましい。
例えば、本実施形態の水素製造方法では、電解槽の陽極で酸素、陰極で水素が発生する。この場合、上記陽極側気液分離タンク72oは酸素分離タンクであり、上記陰極側気液分離タンク72hは水素分離タンクである。
(配管)
上記配管81としては、特に限定されず、適宜定められてよい。
上記配管81は、電解液を電解槽50外へ流す配管である。例えば、図1に示すように、電解槽50と気液分離タンク72、気液分離タンク72と電解液循環ポンプ71、電解液循環ポンプ71と電解槽50とをつなぐことができる。
なお、気液分離タンク72で分離した気体と圧力計78、圧力制御弁80、濃度計75、76は、気体用の管でつながれていることが好ましい。
上記水電解システムを用いて水電解を行うことができる。
[水素製造方法]
本実施形態の水素製造方法としては、上記水電解システムを用いた方法等が挙げられる。
本実施形態の水素製造方法において、「電解槽に供給する電力が低下した時」とは、上記供給電源から供給する電力が低下した時、又は下記(i)~(iii)の何れかを満たした時、としてもよい。
本実施形態の水素製造方法において、「電解槽に供給する電力が低下した時」の低下とは、(i)少なくとも60秒間連続して100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;(ii)電解槽に供給される電力が10Ws-1-2Cell-1以上の割合で減少し、且つ減少後に100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;及び(iii)60秒間の積分値が6000Wsm-2Cell-1未満である電力を電解槽に供給する状態、からなる群から選択される少なくとも一つを満たす状態であることが好ましい。なお、低下前とは上記(i)~(iii)の状態等の前をいう。
ここで、「Cell」とは、1個の電解セルを表す。
上記(i)の状態において、少なくとも70秒(より好ましくは80秒、さらに好ましくは90秒、特に好ましくは100秒)間連続することが好ましい。また、少なくとも30秒間としてもよい。また、90Wm-2Cell-1以下(より好ましくは80Wm-2Cell-1以下、さらに好ましくは70Wm-2Cell-1以下、特に好ましくは60Wm-2Cell-1以下)の電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、150Wm-2Cell-1以下としてもよい。
上記(ii)の状態において、電力が11Ws-1-2Cell-1以上(より好ましくは15Ws-1-2Cell-1以上、さらに好ましくは20Ws-1-2Cell-1以上、特に好ましくは25Ws-1-2Cell-1以上)の割合で減少することが好ましく、減少後の電力が90Wm-2Cell-1以下(より好ましくは80Wm-2Cell-1以下、さらに好ましくは70Wm-2Cell-1以下、特に好ましくは60Wm-2Cell-1以下)の電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、150Wm-2Cell-1以下としてもよい。
上記(iii)の状態において、60秒間の積分値が5800Wsm-2Cell-1以下(より好ましくは5500Wsm-2Cell-1以下、さらに好ましくは5000Wsm-2Cell-1以下、特に好ましくは4500Wsm-2Cell-1以下)である電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、上記積分値は、30秒間の積分値としてもよい。
上記「電解槽に供給する電力が低下した時」の、上記(i)の状態において、電解槽に供給される電力は、少なくとも60秒間(より好ましくは70秒、さらに好ましくは80秒、さらに好ましくは90秒、特に好ましくは100秒)間連続することが好ましい。また、少なくとも30秒間としてもよい。また、また、100Wm-2未満(より好ましくは90Wm-2以下、さらに好ましくは80Wm-2、さらに好ましくは70Wm-2以下、特に好ましくは60Wm-2以下)の電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、150Wm-2以下としてもよい。
上記(ii)の状態において、電力が10Ws-1-2以上(より好ましくは11Ws-1-2以上、さらに好ましくは15Ws-1-2以上、さらに好ましくは20Ws-1-2以上、特に好ましくは25Ws-1-2以上)の割合で減少することが好ましく、減少後の電力が100Wm-2未満(より好ましくは90Wm-2以下、さらに好ましくは80Wm-2以下、さらに好ましくは70Wm-2以下、特に好ましくは60Wm-2以下)の電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、150Wm-2以下としてもよい。
上記(iii)の状態において、60秒間の積分値が6000Wsm-2以下(より好ましくは5800Wsm-2以下、さらに好ましくは5500Wsm-2以下、さらに好ましくは5000Wsm-2以下、特に好ましくは4500Wsm-2以下)である電力を電解槽に供給する状態であることが好ましい。また、上記積分値は、30秒間の積分値としてもよい。
上記低下時に電解槽に供給する電流密度は、隔膜の投影面積換算で10Am-2以上1500Am-2未満であり、好ましくは50Am-2以上1250Am-2以下、より好ましくは100Am-2以上1000Am-2以下である。上限値より低いことにより、上記低下時の電流を抑えることができ、コストおよび省エネの観点から好ましい。特に、再生可能エネルギー出力由来の電源等の変動電源を用いる場合、低下の状態が長くなることがあるため、この効果が得られやすい。また、下限値より高いことにより、効率的に品質に優れるガスを得ることができる。
また、上記低下時に電解槽に供給する電流密度は、隔膜の投影面積換算で10Am-2Cell-1以上1500Am-2Cell-1未満であることが好ましく、より好ましくは50Am-2Cell-1以上1250Am-2Cell-1以下、さらに好ましくは100Am-2Cell-1以上1000Am-2Cell-1以下である。
上記低下時に電解槽に供給する電流は、低下前に電解槽に供給する電流より低いことが好ましい。
上記低下時に電解槽に供給する電力は、印加する電流密度の積分値が2000Ch-1-2以上54000kCh-1-2以下であり、好ましくは4000Ch-1-2以上27000kCh-1-2以下、より好ましくは8000Ch-1-2以上5400kCh-1-2以下である。上限値より低いことにより、上記低下時の電流を抑えることができ、コストおよび省エネの観点から好ましい。特に、再生可能エネルギー出力由来の電源等の変動電源を用いる場合、低下の状態が長くなることがあるため、この効果が得られやすい。また、下限値より高いことにより、効率的に品質に優れるガスを得ることができる。
上記低下時に電解槽に供給する電力は、印加する電流密度の積分値が2000Ch-1-2Cell-1以上54000kCh-1-2Cell-1以下であることが好ましく、より好ましくは4000Ch-1-2Cell-1以上27000kCh-1-2Cell-1以下、さらに好ましくは8000Ch-1-2Cell-1以上5400kCh-1-2Cell-1以下である。
なお、本明細書において、電流密度の上記積分値における電流密度とは、隔膜の投影面積換算の電流密度をいう。また、電流密度の上記積分値は、単位時間あたりの積分値をいい、電力を供給する時間が1時間に満たない場合は1時間当たりに換算した値としてよい。
上記低下の前に電解槽に供給する電流密度は、隔膜の投影面積換算で100Am-2以上であることが好ましく、より好ましくは200Am-2以上、さらに好ましくは500Am-2以上、特に好ましくは1000Am-2以上である。なお、低下の前とは、上記(i)~(iii)の開始前として良い。
上記低下の前に電解槽に供給する印加する電流密度の積分値は、3600kCh-1-2以上であることが好ましく、より好ましくは5000kCh-1-2以上、さらに好ましくは7500kCh-1-2以上、特に好ましくは10000kCh-1-2以上である。
上記低下の前に電解槽に供給する電力密度は、0.5~40kW/mであることが好ましく、より好ましくは5~30kW/mである。
本実施形態の水素製造方法において、電力の供給の低下時に、電解槽に電力を供給する電源を変更することが好ましい。電源の変更には、上記低下前に電力を供給していた電源を他の電源に切り替えること、上記低下前に電力を供給していた電源に他の電源からの電力を追加すること、が含まれるものとする。例えば、供給電源からの電力の供給の低下時に、供給電源を停止して補助電源のみから電力を供給してもよいし、供給電源からの電力に加え補助電源からの電力を供給してもよい。
上記電解槽に供給される電力は、上記低下前に供給される電力が、上記低下時の電力より大きいことが好ましい。
上記電解槽に供給する電力の低下時の電流密度は、上記低下前に供給する電流密度の0.15%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上、特に好ましくは5%以上であり、また、50%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下である。
上記電解槽に供給する電力の上記低下は、連続する24時間のうち、少なくとも1時間以上であることが好ましく、より好ましくは5時間以上、さらに好ましくは10時間以上で、効果がより顕著に得られる。上記低下の時間は、連続する時間であってもよいし、24時間中に低下状態となる時間の合計であってもよい。上記低下が少なくとも1時間以上であることにより、1時間未満と比較すると再通電後のガス品質低下が抑制できる。
なお、電力の上記低下は、例えば、上記(i)~(iii)の何れかを満たした時から電力の供給源を供給電源に戻す(又は50kWm-2Cell-1以上(好ましくは100kWm-2Cell-1以上)の電力を電解槽に供給できる状態)まで、等として良い。
本実施形態の水素製造方法において、上記低下から脱した時(例えば、50kWm-2Cell-1以上(好ましくは100kWm-2Cell-1以上)の電力を電解槽に供給できる状態等)の任意のタイミングで、電力の供給源を供給電源に戻してもよい。
また、供給電源と補助電源とを組み合わせることで、上記低下から脱することができる場合は、任意のタイミングで、供給電源と補助電源とから電力を供給してもよい。
本実施形態の水素製造方法とは、アルカリを含有する水を電解槽内で水電解し、水素を製造する水素製造方法としてよい。上記アルカリを含有する水としては、アルカリ塩が溶解されたアルカリ性の水溶液としてよく、例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液等が挙げられる。
本実施形態の水素製造方法において、低下時に陰極から得られるガス中の水素の体積割合は、ガスの総量(100体積%)に対して、99.90体積%以上であることが好ましく、より好ましくは99.99体積%以上である。また、低下時に陽極から得られるガス中の酸素の体積割合は、ガスの総量(100体積%)に対して、99.90体積%以上であることが好ましく、より好ましくは99.99体積%以上である。
陰極から得られるガス中の水素の体積に対する酸素の体積割合は、ガスの総量(100体積%)に対して、99.90体積%以下であることが好ましく、より好ましくは99.99体積%以下である。また、陽極から得られるガス中の酸素の体積に対する水素の体積割合は、ガスの総量(100体積%)に対して、0.01体積%以下であることが好ましく、より好ましくは0.001体積%以下である。
上記陰極から得られるガス及び/又は陽極から得られるガス中の窒素ガスの体積割合は、1000体積ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100体積ppm以下であり、実質的に窒素ガスが含まれていないことがさらに好ましい。なお、実質的に含まれないとは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合はしないことをいう。
特に、上記低下中に得られるガスが上記範囲を満たしていることが好ましい。上記範囲を超える場合は、多くの場合製品品質上排気することになる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
-陽極-
酸化ニッケル粉末99.25質量部、酸化コバルト0.75質量部、アラビアゴム2.25質量部、カルボキシルメチルセルロース0.7質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.001質量部、及び水100質量部を混合・攪拌して、懸濁液を調製した。噴霧乾燥造粒機を用いて、懸濁液から、造粒物を調製した。
造粒物をプラズマ溶射法によってニッケル多孔基材の両面に吹き付けた。プラズマ溶射法では、プラズマガスとして、アルゴンと窒素とを1:0.8の割合で混合したガス用いた。この電極を、石英管中に設置した。この石英管を、管状炉内に差し込んで、石英管内を200℃に加熱し、石英管内へ水素気流を2時間供給し続けることにより、触媒層を還元した。以上の工程により、ニッケル多孔基材表面にコバルトを含むニッケル触媒層が形成された水電解用陽極を得た。
-陰極-
導電性基材として、直径0.15mmのニッケルの細線を40メッシュで編んだ平織メッシュ基材を用いた。重量平均粒径100μm以下のアルミナ粉を用いてブラストし、次に、6Nの塩酸中にて室温で5分間酸処理した後、水洗、乾燥した。
次に、硝酸パラジウム溶液(田中貴金属製、パラジウム濃度:100g/L)とジニトロジアンミン白金硝酸溶液(田中貴金属製、白金濃度:100g/L)とを、パラジウムと白金のモル比が1:1となるように混合し、第一塗布液を調製した。
塗布ロールの最下部に上記第一塗布液を入れたバットを設置し、EPDM製の塗布ロールに塗布液をしみこませ、その上部にロールと塗布液とが常に接するようにロールを設置し、さらにその上にPVC製のローラーを設置して、該導電性基材に塗布液を塗布した(ロール法)。塗布液が乾燥する前に手早く、2つのEPDM製スポンジロールの間にこの導電性基材を通過させて、導電性基材のメッシュの交点に溜まる塗布液を吸い取って除いた。その後、50℃で10分間乾燥させて塗布膜を形成した後、マッフル炉を用いて500℃で10分間の加熱焼成を行って該塗布膜を熱分解させた。このロール塗布、乾燥及び熱分解のサイクルを2回繰り返し、第一層を形成させた。
次に、塩化イリジウム酸溶液(田中貴金属製、イリジウム濃度:100g/L)とジニトロジアンミン白金硝酸溶液(田中貴金属製、白金濃度:100g/L)を、イリジウムと白金とのモル比が0.73:0.27となるように混合し、第二塗布液を調製した。第一層と同様にロール法にて第二塗布液を上記第一層が形成された基材上へ、塗布、乾燥及び熱分解を行った。乾燥温度は、50℃、熱分解温度は500℃で2回繰り返し、第二層を形成させた。さらに、空気雰囲気中500℃で1時間の後加熱を行い、試験陰極を作製した。
-隔壁、外枠-
複極式エレメントとして、陽極と陰極とを区画する隔壁と、隔壁を取り囲む外枠と、を備えたものを用いた。隔壁及び複極式エレメントのフレーム等の電解液に接液する部材の材料は、全てニッケルとした。
-導電性弾性体-
導電性弾性体は、ニッケル製ワイヤーを織ったものを、波付け加工したものを使用した。
-隔膜-
酸化ジルコニウム(商品名「EP酸化ジルコニウム」、第一稀元素化学工業社製)とN-メチル-2-ピロリドン(和光純薬工業社製)とを、粒径0.5mmのSUSボールが入った容量1000mLのボールミルポットに投入した。これらを回転数70rpmで3時間攪拌して、分散させて混合物を得た。得られた混合物を、ステンレス製のざる(網目30メッシュ)により濾過し、混合物からボールを分離した。ボールを分離した混合物にポリスルホン(「ユーデル」(登録商標)、ソルベイアドバンストポリマーズ社製)及びポリビニルピロリドン(重量平均分子量(Mw)900000、和光純薬工業社製)を加え、スリーワンモータを用いて12時間攪拌して溶解させ、以下の成分組成の塗工液を得た。
ポリスルホン :15質量部
ポリビニルピロリドン :6質量部
N-メチル-2-ピロリドン :70質量部
酸化ジルコニウム :45質量部
上記塗工液を、基材であるポリフェニレンサルファイドメッシュ(くればぁ社製、膜厚280μm、目開き358μm、繊維径150μm)の両表面に対して、コンマコータを用いて塗工厚みが各面150μmとなるよう塗工した。塗工後直ちに、塗工液を塗工した基材を、30℃の純水/イソプロパノール混合液(和光純薬工業社製、純水/イソプロパノール=50/50(v/v))を溜めた凝固浴の蒸気下へ晒した。その後直ちに、塗工液を塗工した基材を、凝固浴中へ浸漬した。そして、ポリスルホンを凝固させることで基材表面に塗膜を形成させた。その後、純水で塗膜を十分洗浄して多孔質膜を得た。
この多孔質膜の90℃の平均透水孔径で0.3μmであった。厚みは580μmであった。多孔質膜表面の平均孔径は2.3μmであった。
-ガスケット-
ガスケットは、厚み4.0mm、幅18mmの内寸504mm角の四角形状のもので、内側に平面視で電極室と同じ寸法の開口部を有し、隔膜を挿入することで保持するためのスリット構造を有するものを使用した。スリット構造は、開口部の内壁の厚み方向の中央部分に、隔壁を挿入することでこれを保持するための、0.4mmの隙間を設けた構造とした。このガスケットは、EPDMゴムを材質とし、100%変形時の引張応力が4.0MPaであった。
-ゼロギャップ型複極式エレメント-
外部ヘッダー型のゼロギャップ型セルユニット60は、540mm×620mmの長方形とし、陽極2aおよび陰極2cの通電面の面積は500mm×500mmとした。ゼロギャップ型複極式エレメント60の陰極側は、陰極2c、導電性弾性体2e、陰極集電体2rが積層され、陰極リブ6を介して隔壁1と接続され、電解液が流れる陰極室5cがある。また、陽極側は、陽極2aが陽極リブ6を介して隔壁1と接続され、電解液が流れる陽極室5aがある(図3)。
陽極室5aの深さ(陽極室深さ、図3における隔壁と陽極との距離)は25mm、陰極室5cの深さ(陰極室深さ、図3における隔壁と陰極集電体との距離)25mmとし、材質はニッケルとした。高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陽極リブ6と、高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陰極リブ6を溶接により取り付けたニッケル製の隔壁1の厚みは2mmとした。
陰極集電体2rとして、集電体として、あらかじめブラスト処理を施したニッケルエキスパンド基材を用いた。基材の厚みは1mmで、開口率は54%であった。導電性弾性体2eを、陰極集電体2r上にスポット溶接して固定した。このゼロギャップ型複極式エレメントを、隔膜を保持したガスケットを介してスタックさせることで、陽極2aと陰極2cとが隔膜4に押し付けられたゼロギャップ構造Zを形成することができる。
陰極入口ヘッダーを介して陰極室5cへ、陰極室5cから陰極出口ヘッダーを介して、電解液を流した。また、陽極入口ヘッダーを介して陽極室5aへ、陽極室5aから陽極出口ヘッダーを介して、電解液を流した。
陰極電解液入口は平面視で長方形の外枠の下辺の一方端側に、陰極電解液出口は平面視で長方形の外枠3の下辺の他方端側に繋がる側辺の上側に、それぞれ接続されている。ここでは、陰極電解液入口と陰極電解液出口とを、平面視で長方形の電解室5において電極室5の電極室5の中央部を挟んで向かい合うように、設けた。電解液は、鉛直方向に対して傾斜しながら下方から上方へ流れ、電極面に沿って上昇した。
この実施例の複極式電解槽50では、陽極室5aや陰極室5cの電解液入口から、陽極室5aや陰極室5cに、電解液が流入し、陽極室5aや陰極室5cの電解液出口から、電解液と生成ガスとが、電解槽50外へ流出する構造とした。
陰極室5cでは、電解により水素ガスが発生し、陽極室5aでは、電解により酸素ガスが発生するため、前述した、陰極出口ヘッダーでは、電解液と水素ガスとの混相流となり、陽極出口ヘッダーでは、電解液と酸素ガスとの混相流となった。
複極式電解槽は下記のとおりの手順で作製した。
上記陰極を陰極ターミナルフレームに取付けたものを、陰極ターミナルエレメントとした。上記陽極を陽極ターミナルフレームに取付けたものを、陽極ターミナルエレメントとした。
上記複極式エレメントを9個用意した。また、上記陰極ターミナルエレメント、上記陽極ターミナルエレメントを、1個ずつ用意した。
全ての複極式エレメントと、陰極ターミナルエレメントと、陽極ターミナルエレメントの、金属フレーム部分にガスケットを貼付けた。
陽極ターミナルエレメントと、複極式エレメントの陰極側との間に、上記隔膜を1枚挟み込んだ。9個の複極式エレメントを、隣接する複極式エレメントのうちの一方の陽極側と他方の陰極側とが対向するように、直列に並べ、隣接する複極式エレメントの間に、8枚の隔膜を1枚ずつ挟み込み、陰極と陽極とが隔膜に押しつけられたゼロギャップ構造を形成した。更に、9個目の複極式エレメントの陽極側と、陰極ターミナルエレメントとの間に、隔膜を1枚挟み込んだ。これらを、ファストヘッド、絶縁板、ルーズヘッドを用いたうえで、プレス機で締付けたものを、複極式電解槽とした。
送液ポンプ、気液分離タンク等は、いずれも当該技術分野において通常使用されるものを用いて、図1に示すような水電解システムを作製した。電源は供給電源と補助電源との2つとし、各電源を、電解槽の陽極及び陰極に独立して電気的に接続させたものを用いた(図1)。
上記水電解システムを用いて、電流密度が隔膜の投影面積換算で6000A/m、電流密度の積分値が21.6MC/h/m/cellとなるように供給電源から通電し、水電解を行った。
2時間経過後、陰極側気液分離タンクから回収されるガスを分析したところ、ガスの総量(100体積%)に対する水素の体積割合が99.99体積%以上、ガスの総量(100体積%)に対する酸素の体積割合は0.001体積%以下、窒素ガスの体積割合は5体積ppm以下であった。
また、陽極側気液分離タンクから回収されるガスを分析したところ、ガスの総量(100体積%)に対する酸素の体積割合が99.99体積%以上、ガスの総量(100体積%)に対する水素の体積割合は0.001体積%以下、窒素ガスの体積割合は5体積ppm以下であった。
電力を10W/m/cellとし、60秒間連続して電解槽に供給し、供給する電力の低下時とした。
低下となった後に(60秒後に)、電源を切り替え、補助電源から、隔膜の投影面積換算の電流密度11A/m、電流密度の積分値39.6kC/h/m/cellの一定電流を、電解槽に1時間供給した。なお、水電解システム内に、窒素ガスは供給しなかった。また、低下となった後に、水電解システムの送液ポンプを停止した。
低下1時間後、陰極側気液分離タンクから回収されるガスを分析したところ、ガスの総量(100体積%)に対する水素の体積割合が99.99体積%以上、ガスの総量(100体積%)に対する酸素の体積割合は0.001体積%以下、窒素ガスの体積割合は4体積ppm以下であった。
また、陽極側気液分離タンクから回収されるガスを分析したところ、ガスの総量(100体積%)に対する酸素の体積割合が99.99体積%以上、ガスの総量(100体積%)に対する水素の体積割合は0.001体積%以下、窒素ガスの体積割合は4体積ppm以下であった。
(実施例2)
低下となった後に、補助電源から電解槽に供給する電力を、表1に記載の条件に変え、電解液温度を55℃としたこと以外は、実施例1と同様にして水素を製造した。
結果を表1に示す。
(比較例1)
低下となった後に、電解槽へ電力を供給しなかったこと以外は実施例1と同様にして水素を製造した。
結果を表1に示す。
(比較例2)
低下となった後に、補助電源から電解槽に供給する電力を、表1に記載の条件に変えたこと以外は、実施例1と同様にして水素を製造した。
結果を表1に示す。
(比較例3)
低下となった後に、電解槽に、窒素ガス(純度99%)をパージし、槽内Nガス純度でパージしたこと以外、比較例2と同様にして水素を製造した。
結果を表1に示す。
(比較例4)
電解液温度を20℃に調整し、水電解システムの送液ポンプを低下前と同条件で稼働させながら電力を供給したこと以外は、比較例1と同様にして水素を製造した。
結果を表1に示す。
Figure 0007170061000001
全ての実施例及び比較例で、実施例1と同様に、電力低下前のガスの品質を解析したところ、同じ純度のガスが得られた。なお、水電解は24時間行い、連続する1時間を上記の条件で補助電源から電力を供給した以外は、供給電源から一定電力を供給した。
また、低下時の電力の供給の後、再度低下前と同様の電力を供給し、10分経過後にガスの品質を解析したところ、実施例1、2では、電力低下前のガスと同じ純度のガスが得られた。比較例1~4は、陰極側のガス中の水素の体積割合、及び陽極側のガスの酸素の体積割合が低かった。また、比較例3は、陰極及び陽極ガス中に窒素ガスが残留していた。
1 隔壁
2 電極
2a 陽極
2c 陰極
2e 導電性弾性体
2r 集電体
3 外枠
4 隔膜
5 電極室
5a 陽極室
5c 陰極室
6 リブ
7 ガスケット
10 ヘッダー
50 電解槽
51g ファストヘッド、ルーズヘッド
51i 絶縁板
51a 陽極ターミナルエレメント
51c 陰極ターミナルエレメント
51r タイロッド
60 複極式エレメント
65 電解セル
70 水電解システム
71 電解液循環ポンプ
72 気液分離タンク
72h 陰極側気液分離タンク(水素分離タンク)
72o 陽極側気液分離タンク(酸素分離タンク)
73 電解液制御器
741 供給電源
742 補助電源
743 検知器
744 補助電源制御器
745 電流測定器
75 濃度計
76 濃度計
77 流量計
78 圧力計
79 熱交換器
80 圧力制御弁
81 配管

Claims (12)

  1. 電解槽と、前記電解槽に電力を供給する電源と、を含む水電解システムにより、アルカリを含有する水を水電解し、水素を製造する水素製造方法であって、
    前記電解槽に供給する電力が低下した時、電流密度が隔膜の投影面積換算で10Am-2以上1500Am-2未満であり、印加する電流密度の積分値が2000Ch-1-2以上54000kCh-1-2以下である電力を電解槽に供給し、
    前記電解槽に供給する電力の低下時の電流密度が、低下前に供給する電力の0.15~50%である、
    ことを特徴とする、水素製造方法。
  2. 前記電解槽に供給する電力の前記低下が、24時間のうち少なくとも1時間以上であることを特徴とする、請求項1に記載の水素製造方法。
  3. 前記電解槽に供給する電力の低下が、
    少なくとも60秒間連続して100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;
    電力が10Ws-1-2Cell-1以上の割合で減少し、且つ減少後に100Wm-2Cell-1未満の電力を電解槽に供給する状態;及び
    60秒間の積分値が6000Wsm-2Cell-1未満である電力を電解槽に供給する状態
    からなる群から選択される少なくとも一つを満たす状態である、請求項1又は2に記載の水素製造方法。
  4. 前記電解槽に供給する電力の低下時の電流密度が、
    低下前に供給する電力の0.15~25%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水素製造方法。
  5. 前記低下の前に供給する電力が、電流密度が隔膜の投影面積換算で100Am-2以上であり、印加する電流密度の積分値が3600kCh-1-2以上の電力である、請求項1~4の何れか一項に記載の水素製造方法。
  6. 前記電源として、少なくとも2つの電源を含み、前記低下の時に、電解槽に電力を供給する電源を変更する、請求項1~5の何れか一項に記載の水素製造方法。
  7. 前記低下した時に電力を供給する電源からの出力が一定電流である、請求項1~6の何れか一項に記載の水素製造方法。
  8. 前記低下した時に電力を供給する電源からの出力波形が矩形波である、請求項1~6の何れか一項に記載の水素製造方法。
  9. 前記低下した時に電力を供給する電源からの出力波形が正弦波である、請求項1~6の何れか一項に記載の水素製造方法。
  10. 前記低下した時に電力を供給する電源が、太陽光出力由来の電源である請求項1~6、9の何れか一項に記載の水素製造方法。
  11. 前記低下した時に電力を供給する電源が、風力出力由来の電源である請求項1~6、9の何れか一項に記載の水素製造方法。
  12. 前記低下の前の電力を供給する電源が、風力、太陽光、水力、潮力、波力、海流、及び地熱からなる群から選ばれる少なくとも一つの再生可能エネルギー出力由来の電源である、請求項1~11の何れか一項に記載の水素製造方法。
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