本出願は、その全ての内容がここに引用される、「ガス流を使用して、医薬用部品の転換中の穿孔によるSHRを最小にするためのシステムおよび方法」と題する、2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/592631号、および「ガス流を使用して、医薬用部品の転換中の穿孔によるSHRを最小にするためのシステムおよび方法」と題する、2018年11月20日に出願された米国特許出願第16/197187号の米国法典第35編第120条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
ここで、その例が添付図面に示されている、ガラス管をガラス物品に転換するための転換過程から製造されたガラス物品の表面加水分解反応(SHR)を減少させるためのシステムおよび方法の実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を指すために、図面に亘り、同じ参照番号が使用される。ガラス管は、ガラス物品、特に、制限なく、バイアル、注射器、アンプル、カートリッジおよび他のガラス物品を含む、医薬品用途に使用するためのガラス物品に転換されることがある。そのガラス管は、複数の加工ステーションを含むコンバータを使用して、これらのガラス物品に転換されることがある。その加工ステーションは、様々なタイプの加工ステーションの中でも、加熱ステーション、成形ステーション、熱分離ステーション、および穿孔ステーションを含むことがある。
例えば、加熱ステーション、分離ステーション、および穿孔ステーションなどの特定の加工ステーションは、ガラスが、1500℃を超える温度など、ガラスの軟化および/または溶融温度を超える温度に加熱される、火炎作業を含むことがある。ガラス管が加熱されるこれらの高温は、ガラスの1種類以上の揮発性成分を蒸発させるのに十分なことがある。この揮発性成分は、内面内で蒸発することがあり、転換過程中のガラス管の内部容積に運ばれることもある。ガラス管をバイアルに転換するためのバイアル転換装置において、穿孔ステーションが要求される。従来のバイアルコンバータにおいて、穿孔ステーションは、典型的に、作業中のガラス管の閉じた端部(メニスカス)を再び開けるために穿孔バーナを必要とする。このメニスカスは、先行する熱分解工程中に形成されている。従来のバイアル転換装置に使用される典型的な穿孔バーナにより、ガラスのメニスカスを開けるために、非常に高いガラス温度と外圧が生じる。これらの高温により、ガラスの内面から管の内部に揮発性物質が放出される。さらに、メニスカスが開いたときに、ある濃度の揮発性物質を含有する気体が、ガラス管の内部容積中に注入され、メニスカスが開く前に放出された揮発性物質に加わる。この転換過程中ずっと、圧力差を誘発し、それゆえ、下降または上昇方向いずれかの、ガラス管の内部容積内にある気体の流れを誘発する様々な相互作用がある。例えば、ガラス管はその底で最も熱いので、浮力誘発効果(煙突効果)が、ガラス管の内部容積内にある気体の上昇流を促進する傾向にある。バーナはベンチュリ効果を生じ得、これにより、ガラス管の内部容積中に下降流、上昇流、または中性流が誘発され得る。それに加え、排気フードの位置、設計、および操作が、ガラス管の内部容積内で誘発された流れ方向に大きく影響を及ぼし得る。さらに、冷却ガス噴射が転換過程に配備されることがあり、これが、ガラス管内の流れを誘発し得る、または時々、作業中のガラス管の内部容積を完全にパージし得る。
蒸発した揮発性成分がガラス管の内部容積内に存在する期間中、気体の揮発性成分は、一般に、より冷たい、ガラス管の内面上に凝結する。ガラスのこれらの揮発性成分の、ガラス管の内面上の凝結により、ガラス管の内面の界面化学が変わり、このことが、ガラス管から製造されるガラス物品のSHR性能に悪影響を与えることがある。SHRは、ガラス表面の化学的耐久性の尺度であり、様々な試験溶液中のガラス成分の溶解度に関連する。医薬包装の低SHR要件の目的は、医薬組成物中へのガラス成分の低い溶解度を維持することである。USP<660>によれば、タイプIガラスと分類されるガラスは、それらを、ほとんどの非経口および経口組成物を収容するのに適するものとする高い加水分解抵抗を有する。蒸発した揮発性成分の凝結により生じるガラス物品の内面上の揮発性成分の堆積物は、そのガラス物品のSHRを、タイプIの分類に許容できないレベルまで上昇させることがある。ホウケイ酸塩組成物について、同様に蒸発/堆積の物理的過程も、ガラス剥離を生じる条件を誘発し、このガラス剥離は、ホウケイ酸塩転換部品内の重大な新たな懸念であることに留意のこと。
従来の医薬用部品製造業者は、行政機関により制定されたSHR性能要件および他の非行政規制機関からのSHR推奨を満たすように挑まれている。これらのSHR性能要件および推奨を満たすために、揮発性物質の生成を最小にするために速度および設定に制限を課すこと;内部流れ方向を制御するための排気システムの設計および設定を実行すること;穿孔中の揮発性蒸気の注入を最小にするために穿孔バーナの設計および設定を変えること;および/または表面の揮発性堆積物を除去するまたは再取り込みするために、ガラス物品を下流の徐冷過程または他の転換後の処理に渡すことを含む、様々な戦略が開発されてきた。しかしながら、SHR規制を満たすためのこれらの手法は、転換過程のプロセスウィンドウを実質的に制限し、例えば、ガラス強度および欠陥防止に好ましくない方向にその過程を動かし得る。特に、これらの従来の手法は、所定の転換過程により達成できる生産速度を制限し、コンバータの効率の低下およびガラス物品の製品品質の低下をもたらす。
医薬用ガラスからの揮発性成分およびその発生速度がガラス組成に強く依存することを認識することが重要である。さらに、ガラスからの揮発性成分の拡散速度が、温度との指数関係(典型的に、アレニウスの式)にしたがうことがよく理解されている。これは、ガラスからの拡散速度は、ピーク温度に強く依存することを意味する。最高温度の区域が、揮発性物質の最高速度を生じる。温度に対する拡散速度のこの関係は、揮発性物質の生成のプロセス源の重大な推進力である。例えば、ホウ素およびソーダは、比較的急な速度でタイプ1Bのホウケイ酸ガラスから蒸発する。アルミノケイ酸塩ガラスは主にソーダを蒸発する-しかしながら、その蒸発速度は、同等の粘度で、タイプ1Bのガラスよりもずっと低い。ホウケイ酸塩拡散曲線は、より急勾配のアルミノケイ酸塩拡散曲線に対して、比較的平らであり、このことは、アルミノケイ酸塩ガラスについて、揮発性成分がガラスから放出されるその過程における地点は、一般に、熱分解工程および穿孔工程など、転換過程における最高温度区域のみを含むことを意味する。ホウケイ酸塩拡散曲線はより平らであるので、ホウケイ酸塩の転換過程は、ホウケイ酸塩の転換過程中ずっと揮発性成分のより高い生成速度を示す。
本出願は、バイラル転換のための製剤過程に焦点を当てる。バイアルコンバータは、バイアルの底部を作る熱分解工程を利用する。望ましくないが必要な推測されることは、上部のガラス管の作業端部は、ガラスのメニスカスにより同時に閉じられることである。フランジの形成を促進させるために、メニスカスは穿孔され、端部が再び開けられる。この穿孔過程のモデル化および測定は、1700℃までと、それを超える非常に高い温度に、短期間(約0.1秒)で到達し得ることを示す。これらの高温は、メニスカスが開く前に、ホウケイ酸ガラスからの揮発性成分の内面からの非常に速い拡散速度を生じる。メニスカスの開口が内側に一旦生じたら、ガラス管の内部容積中に、追加の揮発性物質を含む気体が注入される。特に大きいバイアルについて、バイアル転換は、穿孔に必要な高温および穿孔バーナでの注入のために、揮発性物質の生成において最も敏感である(カートリッジおよび注射器の転換過程に対して)と、当該産業においてよく知られている。バイアル、特に、最高温度が必要とされる、大きいバイアルは、この理由のために、ホウケイ酸ガラスにおいて、SHRおよび剥離について、最も困難である。より大きいガラス管について、メニスカスを開くための圧力は、より小さいガラス管のメニスカスを開くための圧力よりも小さく、よって、穿孔前のガラス管102の熱い内面146から生じる揮発性物質の寄与は、穿孔ガス注入によりガラス管102の内部容積中に注入される揮発性物質と比べて優勢であることを留意すべきである。
しかしながら、SHR軽減についてバイアルコンバータで実証されたこれらの戦略は、カートリッジ、注射器、アンプル等のものなど、他の転換過程に適用できることを理解すべきである。カートリッジおよび注射器の転換過程は、典型的に、刻みおよび分割切断(熱分離に対して)を利用し、よって、バイアル分離および穿孔による高温および穿孔揮発性物質注入は、検討事項ではない。しかしながら、それらの過程において、本開示におけるパージ手法は、最高の蒸発(温度)区域の後または最中に生じるように容易に拡張できることは、当業者に明白なはずである。
本開示は、ガラス管の内面上のガラスの揮発性成分の堆積物を減少させるおよび/または防ぐためのシステムおよび方法に関する。具体的には、ここに開示されたシステムおよび方法は、ガラス管の近接端部に隣接してガス流を発生させる。そのガス流は、ガラス管の内部の雰囲気の少なくとも一部を除去するように機能する。例えば、そのガス流は、煙突効果に反対に作用するのに十分なことがあり、これにより、ガラス管を通る上方(すなわち、図面における座標軸の+Z方向)への蒸発した揮発性成分の移動およびガラス管の内面上の揮発性成分の凝結が減少するまたは防がれることがある。ガラス管の近接端部に隣接するガス流は、1つまたは複数の転換操作中にガラス管から放出されるアルカリによるガラス管の内面の汚染を減少させる。ガラス管の内面上のガラスの揮発性成分の堆積物を減少させると、そのガラス管から製造されたガラス物品のSHR性能が改善されるであろう。
それに加え、いくつかの実施の形態において、そのシステムおよび方法は、分離中にガラス管の近接端部上に形成されるメニスカスを開けるのに十分なガスパルスまたは負圧パルスを導入することがあり、これにより、コンバータから穿孔バーナの排除が可能になることがある。穿孔バーナが排除されると、コンバータ上へのガラスの成分を蒸発させる最大の原因がなくなるであろうし、SHRが改善されるであろう。
ガラス管から物品を製造するためのシステムの実施の形態が、図5に示されている。図5に示された実施の形態において、ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムは、少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、および分離ステーションを含む複数の加工ステーションを有するコンバータ100を備える。コンバータ100は、複数の加工ステーションを通じてガラス管102を割り出すように機能する。このシステムは、ガラス管102の近接端部152に隣接してガス流を発生させるように機能するガス流システム500も備えることがある。ガラス管102の近接端部152でガス流を発生させることは、ガラス管102の内部から雰囲気の少なくとも一部を除去し、ガラス管102から放出されるアルカリによるガラス管102の内面の汚染を減少させるように機能する。内面を有するガラス管102から物品を製造する方法であって、少なくとも1つの加熱ステーションおよび少なくとも1つの成形ステーションを含む複数の加工ステーションを有するコンバータ100にガラス管102を導入する工程、その少なくとも1つの加熱ステーションでガラス管102の近接端部152を加熱する工程であって、加熱の最中に、ガラス管102からアルカリが放出される工程、少なくとも1つの成形ステーションにおいてガラス管102の近接端部152でその物品の少なくとも1つの特徴を成形する工程、分離ステーションでガラス管102の近接端部152から物品を分離する工程、およびガラス管102の近接端部152に隣接してガス流を発生させる工程を少なくとも有してなる方法も本開示に含まれる。そのガス流は、ガラス管102の内部の雰囲気の少なくとも一部を除去するように機能する。ここに開示されたシステムおよび方法は、ガラス管102の内面上のガラスの揮発性成分の堆積物の減少をもたらすことがあり、これにより、それから製造されたガラス物品のSHR性能が改善されることがある。図5の実施の形態、並びにその転換過程を使用して製造されたガラス物品のSHRを減少させるためのシステムおよび方法の様々な他の実施の形態が、添付図面を具体的に参照して、ここに記載される。
ここに用いられている方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部-は、描かれた図面およびそれにより与えられた座標軸に関してのみ使用され、絶対的な向きを暗示する意図はない。
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とする、または任意の装置について、特定の向きが要求されると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または装置の請求項が、個々の構成要素に関する順序または向きを実際に列挙していない場合、もしくは請求項または記載に、工程が特定の順序に限定されること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていない場合、どの点に関しても、順序または向きが暗示されることは決して意図されていない。このことは、工程の配列、操作の流れ、構成要素の順序、または構成要素の向き;文法構成または句読法に由来する明白な意味;および明細書に記載された実施の形態の数またはタイプに関する論理事項を含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
ここに用いられているように、名詞は、内容が明白に他に示していない限り、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、成分に対する言及は、内容が明白に他に示していない限り、そのような成分を2つ以上有する態様を含む。
ここに用いられているように、ガラス管の「近接端部」は、ホルダに対してコンバータの加工ステーションに向けられたガラス管の端部であり、ガラス管の「遠位端部」は、加工ステーションから離れて向けられたガラス管の端部である。
ここで図1を参照すると、ガラス管102からガラス物品を製造するためのコンバータ100が概略示されている。コンバータ100は、ガラス管102を、以下に限られないが、バイアル、注射器、カートリッジ、アンプル、または他のガラス物品など、複数のガラス物品に転換するために使用されることがある。コンバータ100は、複数の加工ステーション106を有する基部104、基部104の上に位置付けられ、中心軸Aの周りに基部104に対して回転可能な主要タレット108、およびガラス管102を主要タレット108に供給するための、主要タレット108の上に位置付けられたガラス管装填タレット110を備える。コンバータ100は、基部104上の複数の補助加工ステーション112および基部104に対して回転可能な、補助タレット114も備えることがある。
図1に概略示されるように、コンバータ100の基部104は静止しており、加工ステーション106は、基部104の上部105に連結されることがある。複数の加工ステーション106は、互いから間隔が空けられており、主要サーキット116内に配列されている。1つ以上の実施の形態において、主要サーキット116は、中心軸Aの周りの主要タレット108の回転により、主要タレット108がガラス管102を複数の加工ステーション106を通じて割り出せるように円形であることがある。あるいは、他の実施の形態において、主要サーキット116は、直線状であることがある。加工ステーション106の円形レイアウトを参照してここに記載されているが、ここに開示された主題は、加工ステーション106の他の配列を有するコンバータにも同様にうまく適用できることが理解されよう。
ガラス管102から製造されるべき物品のタイプおよび/または形状は、基部104に連結された加工ステーション106の数に影響することがある。主要タレット108の加工ステーション106の数は、14から32の加工ステーション106であることがある。コンバータ100および転換過程は、主要サーキット116内に16の加工ステーション106を有するコンバータ100に関してここに記載されているが、コンバータ100は、主要サーキット116内に16より多いか少ない加工ステーション106を有してもよいことが理解されよう。加工ステーション106は、例として、制限なく、1つ以上の加熱、成形、研磨、冷却、分離、穿孔、測定、供給、または排出ステーション、もしくはガラス管102からガラス物品を製造するための他の加工ステーションを含んでよい。ガラス管102から製造すべき物品のタイプおよび/または形状は、コンバータ100の加工ステーション106のタイプおよび/または加工ステーション106の順序にも影響することがある。
主要タレット108は、基部104の上に位置付けられることがあり、主要タレット108が基部104に対して中心軸Aの周りに回転可能であるように基部104に回転可能に連結されることがある。基部104に対して主要タレット108を回転させるために、駆動モータ(図示せず)が利用されることがある。主要タレット108は、複数のホルダ130を備え、これらのホルダは、主要タレット108に各ガラス管102を取り外し可能に固定するように作られている。ホルダ130は、クランプ、チャック、または他の保持器具、もしくは保持器具の組合せであってよい。ホルダ130は、ガラス管102が主要タレット108の中心軸Aに対して略平行であり、基部104の上部105に対して略垂直であるように、ガラス管102を方向付けることがある。コンバータ100は、本明細書において、垂直に向けられたコンバータ100に関して記載されているが、コンバータ100は、水平にまたはある角度に向けられてもよいことを理解すべきである。ホルダ130の各々は、主要タレット108の底部109から基部104に向かう方向に(すなわち、図1の座標軸に対して-Z方向に)延在し、各ホルダ130は、主要タレット108が中心軸Aの周りに割り出されるときに、基部104の主要サーキット116の連続した加工ステーション106の各々の中またはそれに近接してガラス管102を位置付けるように向けられている。ガラス管102の垂直配向により、各ガラス管102の下方に突出する部分を、主要サーキット116の加工ステーション106を通じて漸次、循環させることができる。いくつかの実施の形態において、コンバータ100は、複数の加工ステーション106を通じて漸次、複数のホルダ130の各々を割り出すように機能することがある。あるいは、他の実施の形態において、コンバータ100は、転換過程を通じて連続的に複数のホルダ130を平行移動させるように機能することがある。各ホルダ130は、ホルダ軸Dの周りに主要タレット108に対して個々に回転可能であることがあり、このホルダ軸は、主要タレット108の中心軸Aに対して略平行であることがある。ホルダ130の各々は、モータ(図示せず)、連続駆動ベルト、または主要タレット108に対するホルダ130の各々の回転のための他の駆動機構に動作可能に連結されることがある。ホルダ130を回転させることにより、静止バーナ、成形器具、冷却ノズル、または加工ステーション106の他の特徴に対してガラス管102を回転させることができる。
図1および2を参照すると、コンバータ100は、これも間隔が空けられ、補助サーキット118(図2)に配列された、複数の補助加工ステーション112、およびその複数の補助加工ステーション112を通じて、ガラス管102から隔てられた、物品103(図1)を割り出すための補助タレット114(図1)を有することがある。補助タレット114は、基部104に対して第2の軸Bの周りに回転可能であることがある。第2の軸Bは、主要タレット108の中心軸Aに対して略平行であることがある。補助タレット114は、ガラス物品103を保持し、連続して補助加工ステーション112の各々に係合するようにガラス物品103を位置付けるための複数のホルダ130も備える。補助タレット114は、主要タレット108の分離ステーション206(図2)から物品103を受け取り、補助タレット114の回転により、複数の補助加工ステーション112を通じて物品103を割り出し、完成物品をコンバータ100から排出することがある。
ガラス管装填タレット110が、主要タレット108の上に位置付けられることがある。実施の形態において、ガラス管装填タレット110は、主要タレット108の中心軸Aからずれていることがある。ガラス管装填タレット110は軸Cの周りに回転可能であることがあり、この軸は主要タレット108の中心軸Aに対して略平行であることがある。ガラス管装填タレット110は、主要タレット108に対して静止位置に独立して支持されることがあり、ガラス管装填タレット110の回転は、主要タレット108の回転から独立していることがある。図1および2を参照すると、いくつかの実施の形態において、ガラス管装填タレット110は、円形サーキット134内に配列され、ガラス管102を保持するように作られた複数の装填チャンネル132を含むことがある。ガラス管装填タレット110は、装填チャンネル132の内の1つを、コンバータ100の主要サーキット116の加工ステーション106および主要サーキット116の加工ステーション106を通じて割り出された主要タレット108上の対応するホルダ130と垂直に揃えて(すなわち、主要タレット108の中心軸Aに対して平行、および/または図1のZ軸に平行な方向に揃えられて)向けるように位置付けられることがある。1つ以上の実施の形態において、ガラス管装填タレット110に揃えられた加工ステーション106は、管装填ステーション214(図2)であることがある。コンバータ100が、特定のホルダ位置136でガラス管102の全てまたは少なくとも一部を1つ以上の物品に転換したときに、ガラス管装填タレット110は、ホルダ位置136が主要サーキット116の管装填ステーション214と揃うように割り出されたときに、新たな長さのガラス管102を、主要タレット108の上部を通じて、ホルダ位置136にあるホルダ130に送達することがある。代わりの実施の形態において、コンバータ100は、主要タレット108とガラス管装填タレット110との間で可動なアーム(図示せず)を備えることがある。コンバータ100が特定のホルダ位置136でガラス管102の全てまたは一部を転換させたときに、そのアームは、ガラス管装填タレット110または他のガラス管ステージング器具から新たな長さのガラス管102を掴み、その新たな長さのガラス管102を、特定のホルダ位置136で主要タレット108に送達することがある。新たな長さのガラス管102を主要タレット108に送達するための他の方法および装置が考えられる。
図2を参照すると、先に記載したように、コンバータ100の複数の加工ステーション106は、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、冷却ステーション210、穿孔ステーション212、管装填ステーション214、排出ステーション216、測定ステーション218、管長さ落下ステーション220、または他のステーションおよび/またはこれらのステーションの組合せを含むことがある。図2は、16の加工ステーション106を持つ主要サーキット116、および8の補助加工ステーション112を持つ補助サーキット118を有するコンバータ100に関する加工ステーション106の配列を概略示している。記載されているように、主要サーキット116の加工ステーション106は、等間隔が空けられ、円形サーキットの周りに均等に分布しており、補助サーキット118の補助加工ステーション112も、等間隔が空けられ、円形サーキットの周りに均等に分布している。図2は、複数の装填チャンネル132を有するガラス管装填タレット110も概略示している。図2において、ガラス管装填タレット110は、説明目的のために、主要サーキット116から間隔が空けられた位置に示されている。ガラス管装填タレット110は、24の装填チャンネル132を有すると示されているが、ガラス管装填タレットは、24より多いか少ない装填チャンネル132を有してもよいことが理解されよう。
図2に概略示されたコンバータの主要サーキット116は、1つ以上の加熱ステーション202、分離ステーション206、穿孔ステーション212、1つ以上の成形ステーション204、1つ以上の冷却ステーション210、測定ステーション218、管長さ落下ステーション220、および管装填ステーション214を備えることがある。図2は、主要サーキット116を、先に述べたように、加工ステーション106の円形配列を有すると示しているが、主要サーキット116は、直線状、多角形、または他の配列など、他の形状の配列で位置付けられた加工ステーション106を有してもよい。主要タレット108の割出方向222に関して、加熱ステーション202は、ガラス管102の目標領域を、ガラス管102の目標領域が粘性かつ変形可能になり、効果的に造形または伸張され、分離される目標温度に予熱するために、分離ステーション206および成形ステーション204の各々の前に位置付けられることがある。分離ステーション206では、成形されたガラス物品103(図1)は、その底部で同時に成形されるときに、ガラス管102(図1)から分離されることがある。分離ステーション206は、部分的に成形されたガラス物品103が、一旦分離されたら、補助加工ステーション112の補助サーキット118を通じて割り出されるように、補助タレット114(図1)に移送される加工ステーション106でもあることがある。穿孔ステーション212は、主要タレット108の割出方向222に分離ステーション206の下流の主要サーキット116上に位置付けられることがある。穿孔ステーション212では、分離ステーション206において先に形成されたガラス管102のメニスカス350が穿孔され、それによって、ガラス管102の近接端部150が再び開けられる。
主要タレット108の成形ステーション204は、割出方向222に穿孔ステーション212の下流に位置付けられることがある。成形ステーション204では、ガラス管102は、完成ガラス物品の所望の形状に反復して造形される。先に述べたように、1つ以上の加熱ステーション202は、ガラス管102の目標領域を、ガラス管102を成形できる温度に予熱するために、成形ステーション204の各々の前に位置付けられることがある。主要タレット108の成形ステーション204は、ガラス管102の近接端部150(図3A)を造形して、ガラス物品103の一端を成形し、補助タレット114の成形ステーション204は、ガラス物品103がガラス管102から分離された後に、ガラス物品103の他端を造形する。1つ以上の実施の形態において、コンバータ100は、ガラス管102からバイアルを製造するために使用されることがあり、コンバータ100の成形ステーション204は、1つ以上の肩成形ステーション、1つ以上のフランジ成形ステーション、および1つ以上のフランジ仕上げステーションを備えることがあり、1つ以上の加熱ステーション202が、成形ステーション204の各々の前と間に位置付けられている。主要サーキット116は測定ステーション218をさらに備えることがあり、そこで、例えば、直径および厚さなどのガラス管102の1つ以上の寸法、および成形ステーション204により成形された特徴の1つ以上の寸法を測定するために、計測システム(図示せず)が使用されることがある。特徴の寸法としては、フランジの厚さ、フランジの長さ、ネックの長さ、ネックの厚さ、物品の全長、他の特徴寸法、またはその組合せが挙げられるであろう。測定ステーション218は、ガラス管102がまだ高温である間に寸法が測定されるように、最後の成形ステーション204の直後に位置付けられることがある。あるいは、より低い温度でガラス管102および/またはガラス物品の寸法を測定するために、測定ステーション218は、1つ以上の冷却ステーション210の後に位置付けられることがある。
まだ図2を参照すると、1つ以上の冷却ステーション210が、主要タレット108の割出方向222に成形ステーション204の後に位置付けられることがある。部分的に成形されたガラス管102を下に落とし、それによって、分離ステーション206でガラス管102からガラス物品を分離するためにガラス管102を位置付けるために、管長さ落下ステーション220が、成形ステーション204の後であって、成形ステーション204と分離ステーション206との間に位置付けられることがある。主要サーキット116は、ガラス管装填タレット110から主要タレット108(図1)に新たな長さのガラス管102の原料を装填するための管装填ステーション214も備えることがある。1つ以上の実施の形態において、管装填ステーション214は、冷却ステーション210に組み込まれることがある。管装填ステーション214は、最後の成形ステーション204と分離ステーション206との間に位置付けられることがある。
主要タレット108の成形ステーション204は、ガラス物品103の第1の端部で特徴を形成する。例えば、成形ステーション204は、バイアルまたはカートリッジであるガラス物品103の上部(第1の端部)で肩142およびフランジ144を形成することがある。ガラス物品103が分離ステーション206でガラス管102から一旦分離されたら、ガラス物品103は、補助タレット114の補助加工ステーション112に移送される。補助加工ステーション112は、ガラス物品103の第2の端部を成形するための1つ以上の成形ステーション204を備えることがあり、この第2の端部は、ガラス物品103の第1の端部と反対にある。例えば、補助加工ステーション112の成形ステーション204は、ガラス物品103の底部(第2の端部)で1つ以上の特徴を形成することがある。
前記補助サーキットの補助加工ステーションは、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、研磨ステーション208、冷却ステーション210、排出ステーション216、または他のステーション、もしくは補助加工ステーション112の組合せを含むことがある。図2は、補助サーキットを、先に述べたような、補助加工ステーション112の円形配列を有するものと示しているが、補助サーキットは、直線状、多角形、または他の配列など、他の形状の配列で位置付けられた補助加工ステーション112を有してもよい。1つ以上の実施の形態において、補助サーキット118の補助加工ステーション112は、主要タレット108により成形された端部と反対にあるガラス物品103の端部で、例えば、バイアル、アンプル、カートリッジ、または注射器などのガラス物品103の1つ以上の特徴を成形するために使用されることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、ガラス物品103はバイアルであり、補助サーキット118の成形ステーション204はバイアルの底を形成することがある。アンプル、カートリッジ、注射器などに典型的なそれらの特徴など、他の特徴も考えられる。補助サーキット118は、ガラス物品の表面を仕上げるために、1つ以上の研磨ステーション208を備えることがある。補助サーキット118は、複数の冷却ステーション210および排出ステーション216をさらに備え、その排出ステーションで、完成したガラス物品103がコンバータ100から排出することができる。
主要サーキット116の加工ステーション106および補助サーキット118の補助加工ステーション112の先の記載は、ガラス管102からバイアルを製造するための典型的なコンバータ100を示すであろう。しかしながら、異なる形状を有するバイアル、もしくはカートリッジ、注射器、アンプル、または他のガラス物品など、他のガラス物品を製造するために、より多いか少ない加工ステーション106および補助加工ステーション112を使用してもよいことが理解されよう。それに加え、加工ステーション106および補助加工ステーション112は、異なる形状のガラス物品を製造するために、多くの異なる順序および/または配置のいずれで配列されてもよいことが理解されよう。
ここで図3Aを参照すると、コンバータ100の加熱ステーション202が概略示されている。加熱ステーション202の各々は、1つ以上の加熱素子301を備えることがある。図3Aに示されるように、実施の形態において、加熱素子301は1つ以上のバーナ302を備えることがあり、そのバーナは、成形ステーション204(図2)で行われる成形操作、または分離ステーション206(図2)で行われる分離操作の前に、ガラス管102の目標領域を加熱するために使用される。図3Aは1つのバーナ302を示しているが、1つの加熱ステーション202に複数のバーナ302を用いてよいことが理解されよう。各バーナ302は、燃料供給源304、酸素供給源306、および必要に応じて、空気供給源308に流体連結されることがある。バーナの燃料の例としては、以下に限られないが、水素、例えば、メタン、プロパン、およびブタンなどの炭化水素燃料ガス、他の燃料、またはこれらの組合せが挙げられるであろう。各バーナ302は、バーナ302への燃料ガスの流量を制御するための燃料制御弁310を備えることがある。各バーナ302は、バーナ302への酸素の質量流量を制御するための酸素制御弁312も備えることがある。各バーナ302は、バーナ302への空気の流量を必要に応じて制御するための空気制御弁314をさらに備えることがある。バーナ302は、酸素および/または空気の存在下で燃料ガスを燃焼させて、ガラス管102の少なくとも目標領域を加熱する火炎を生じる。コンバータ100の加熱ステーション202は、バーナを使用してガラス管102を加熱するものとここに記載されているが、バーナ以外の他の加熱素子または方法を使用して、ガラス管102を加熱してもよいことが理解されよう。
ここで図3Bおよび3Cを参照すると、コンバータ100の成形ステーション204の例が概略示されている。各成形ステーション204は、1つ以上の成形器具324を備えることがある。成形器具324は、器具軸Eの周りに基部104(図1)に対して回転可能であることがあり、この軸は、主要タレット108(図1)の中心軸A(図1)に対して略平行である。先の加熱ステーション202で加熱された、ガラス管102は、成形ステーション204に割り出されたときに、ホルダ130により回転させられる。成形器具324は、ガラス管102の外面140と係合する。加熱されたガラス管102の外面140との成形器具324の接触により、ガラス管102が所望の形状に成形される。接触時間が終了した際に、成形器具作動装置326が、成形器具324をガラス管102との係合から引き抜く。
図3Bは、ガラス管102から成形されたガラスバイアルの肩142を成形するための成形ステーション204の実施の形態を概略示している。図3Cは、ガラス管102から成形されたガラスバイアルのフランジ144を成形するための成形ステーション204’の例示の実施の形態を概略示している。フランジ144を成形するための成形ステーション204’は、3つの成形器具324a、324b、および324cを含む。成形器具324aおよび324bの2つは、ガラス管102の外面140と接触して、フランジ144の外面形状を形成する。第3の成形器具324cは、ガラス管102の内面とフランジ144の半径方向内側に接触して、フランジ144でのガラス管102の内径を形成する。第3の成形器具324cは、ガラス管102の軸方向端部とも接触して、フランジ144の軸方向表面を形成する。実施の形態において、第3の成形器具324cは静止していることがあり、ガラス管102は、ホルダ130により第3の成形器具324cの周りに回転させられる。実施の形態において、ガラス管102を第3の成形器具324cと接触しないように分離させるために、例えば、油などの潤滑剤の薄い層が、ガラス管102と第3の成形器具324cとの間に配置されることがある。
図3Dは、例えば、冷却空気または不活性ガスなどの冷却流体342をガラス管102に向けるために位置付けられた1つ以上の冷却ノズル340を有する冷却ステーション210を概略示している。冷却ノズル340の1つ以上は、冷却流体342をガラス管102の特定の領域に向けるように位置付けられることがある。1つ以上の冷却流体制御弁344が、冷却ノズル340への冷却流体342の質量流量を制御するために、冷却ノズル340に流体連結されることがあり、これにより、ガラス管102の冷却速度、並びにガラス管102の温度およびガラス管102内の温度勾配の制御が可能になる。
ここで図3Eを参照すると、コンバータ100の分離ステーション206が概略示されている。図3Eに示された分離ステーション206は、熱分離ステーションであり、主要タレット108の割出方向222に1つ以上の加熱ステーション202の後に位置付けられている。分離ステーション206の前に位置付けられた加熱ステーション202は、ガラス管102を加熱して、そのガラスを粘性変形性にする。分離ステーション206は分離バーナ348を備えることがある。先の加熱ステーション202により粘性変形性にされた、ガラス管102が、ホルダ軸Dの周りにホルダ130によって回転されている間に、分離バーナ348は、ガラス管102の外面140と関与合して、ガラス管102を目標長さに切断し、それによって、ガラス管102から物品103(図1)を分離することがある。物品103は、ガラス管102から一旦分離されたら、補助タレット114(図1)に移送されても、またはコンバータ100から排出されてもよい。分離ステーション206は、熱分離ステーションとして図3Eに示されているが、例えば、注射器およびカートリッジに使用されるような、刻みおよび分割技術を使用する分離ステーションなどの非熱的分離ステーションであってもよい。
ここで図3Fを参照すると、コンバータ100の典型的な穿孔ステーション212が概略示されている。穿孔ステーション212は、主要タレット108の割出方向222に分離ステーション206の後に位置付けられている。先に記載されたように、分離ステーション206におけるガラス管102からの物品103の熱分離により、ガラスのメニスカス350がガラス管102の近接端部150に亘り形成されることがある。穿孔ステーション212は穿孔バーナ352を備えることがある。穿孔バーナ352は、ガラス管102の近接端部150の下に位置付けられることがあり、ガラス管102の近接端部150に向けられることがある。穿孔バーナ352は、燃料ガス供給源304、酸素供給源306、空気供給源308、またはこれらの組合せに流体連結されることがある。燃料ガス供給源304、酸素供給源306、および空気供給源308は、図3Aのバーナ302に関して先に述べられている。主要タレット108がガラス管102を穿孔ステーション212に割り出すときに、穿孔バーナ352からの火炎が、ガラスのメニスカス350を加熱し、メニスカス350を溶融して、ガラスのメニスカス350を穿孔し、ガラス管102の近接端部150を再び開く。穿孔バーナ352からの熱により、ガラス管102の内部容積内に煙突効果が生じる。それに加え、穿孔バーナ352から出るガス流により、ガラス管102の内部容積内の上方への気体と蒸気の上昇気流が生じることもある。
図3A~3Fは、コンバータ100に利用されることがある加工ステーション106のいくつかの異なる例の概略図を含む。しかしながら、ガラス管102の1つ以上のガラス物品への所望の転換を達成するために、異なる構造、構造の組合せ、または機能を有する他の加工ステーション106を利用してもよいことを理解すべきである。
再び図2を参照すると、作動において、主要タレット108が、ホルダ130内に固定されている、ガラス管102を加工ステーション106に割り出している。加熱、成形、穿孔、分離、冷却、落下、供給などの特定の操作が、加工ステーション106の各々でガラス管102に行われる。ここに用いられているように、コンバータ100の「ドウェル時間」は、ガラス管102が、主要タレット108により次に続く加工ステーション106に割り出される前に、特定の加工ステーション106内で費やす時間を称する。コンバータ100は、加工ステーション106の全てがそのドウェル時間内にそれぞれの操作を完了するように調整されることがある。このドウェル時間の終わりに、主要タレット108は、ガラス管102を次の加工ステーション106に割り出す。ここに用いられているように、「割出時間」は、主要タレット108がガラス管102をある加工ステーション106から次の加工ステーション106に割り出すのにかかる時間を称し、時間の単位で測定される。本開示に使用されるような、ステーション当たりの部品当たりの合計時間は、ドウェル時間と割出時間の合計である。
ガラス管102をガラスバイアルに転換させるためのコンバータ100の例に、AMBEG Dr.J.Dichter GmbHにより製造された、Automatic Tube Feederを備えたVial Forming Machine Model RP16があり、これは、主要サーキット116にある16の加工ステーション106および8の補助加工ステーション112を備える。他の例に、主要サーキット116にある32の加工ステーション106および2つの補助サーキット118の各々にある8の補助加工ステーション112を有する、AMBEG Dr.J.Dichter GmbHにより製造された、Vial Forming Machine Model RP32、および36の加工ステーションを有する、Euromatic S.R.L.,により製造された、Zeta 098 Vial Forming Machineがある。別の例に、ガラス管をカートリッジに転換するためのコンバータである、Euromatic S.R.L.,により製造された、Zeta 103 Cartridge Forming Machineがあるであろう。このカートリッジコンバータは、先に記載されたバイアルコンバータ100と類似の特徴を有するが、バイアルではなくカートリッジ形状因子を有するガラス物品を製造するために利用される。
ガラス管102からガラスバイアルを製造するためのコンバータ100の脈絡で記載されているが、コンバータ100は、成形器具324および/または主要サーキット116内の加工ステーション106または1つ以上の補助サーキット118内の補助加工ステーション112の順序または配置を変えることによって、カートリッジ、注射器、アンプル、または他のガラス物品など、1種類以上の他の物品を製造するように作られてもよいことを理解すべきである。
転換過程中、ガラス管102は、1500℃以上であることがある温度に加熱されることがある。ガラス管102を1500℃以上の温度に加熱すると、ガラス管102のガラス組成物の1種類以上の揮発性成分が蒸発し、大気中またはガラス管102の内部容積中に拡散することがある。いくつかのアルミノケイ酸塩ガラス組成物について、転換過程中に蒸発した揮発性成分は、ナトリウムを含むことがある。ホウケイ酸ガラス組成物について、その揮発性成分は、ナトリウムに加え、ホウ素も含むことがある。転換中にガラス組成物から、他の揮発性成分も蒸発することがある。
これらの揮発性成分は、上昇する、ガラス管102内の加熱された気体により生じる「煙突効果」のために、ガラス管102を通って上方に移送されることがある。ガラス管102内部の気体を加熱すると、気体の密度が低下し、これにより、加熱された気体が、浮力により、ガラス管102の内部容積を通って上昇する。例えば、図3Fを参照すると、穿孔ステーション212で、分離ステーション206においてガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を加熱し、開くために、穿孔バーナ352が使用されることがある。穿孔バーナ352は、火炎が穿孔バーナ352から略垂直上方に延在して、ガラス管102のメニスカス350に当たるように、概して、垂直上方に(すなわち、図3Fの座標軸の+Z方向に)向けられることがある。穿孔バーナ352の垂直配向は、高温の燃焼ガスを、ガラス管102を通って上方に向けることによって、穿孔ステーション212での煙突効果を増すであろう。それゆえ、穿孔ステーション212において、穿孔バーナ352により生じる、高温の燃焼ガスのガラス管102を通る上方への上昇気流のために、煙突効果がさらに増すであろう。分離ステーション206、加熱ステーション202の内の1つ、および/または成形ステーション204の内の1つなど、他の加工ステーション106について、煙突効果は主に、ガラス管102内の加熱された気体の低下した密度により生じるであろう。穿孔バーナ352による上昇気流による穿孔ステーション212内の増加した煙突効果により、他の加工ステーション106と比べて、ガラス管102の内面146上に凝結する前に、蒸発した揮発性成分がガラス管102を通って、もっと上方に移動するであろう。
加熱された気体が、煙突効果のために、ガラス管102を通って上方に移動するので、その気体中の蒸発した揮発性成分は、冷め、ガラス管102の内面146(図4)上に凝結することがある。揮発性成分がガラス管102の内面146上に凝結するときに、揮発性成分は反応して、ガラス管102の内面146上に堆積物を形成することがある。例えば、ナトリウムを含むガラス組成物について、ガラス管102の内面146上に凝結するナトリウム蒸気はその内面146で反応して、ガラス管102の内面146上に堆積された1つまたは複数のナトリウム化合物を形成することがある。ガラス管102の内面146上の揮発性成分の凝結によるこれらの堆積物は、ガラス管102がコンバータ100の加工ステーション106を通じて多数回割り出されるときに、蓄積し続けるであろう。先に述べたように、ガラス管102の内面146上のこれらの堆積物の蓄積により、ガラス管102から製造されるガラス物品103のSHRが増すであろう。
ここに開示されたシステムおよび方法は、ガラス管102の遠位端部152から近接端部150へ(すなわち、図5の座標軸の-Z方向へ)のガラス管102を通るガス流を発生させることによって、ガラス管102の内面146上の堆積物の形成を減少させるまたはなくすことができる。ガラス管102の近接端部150に向けてガラス管102を通るガス流を発生させることは、ガラス管102の内部の気体を加熱することによって生じる煙突効果に反対に作用するであろうし、蒸発した揮発性成分が、ガラス管102を通って上方に移動し、ガラス管102の内面146上に凝結するのを減少させるまたは防ぐであろう。それに加え、またはそれに代えて、他の実施の形態において、ここに開示されたシステムおよび方法は、メニスカス350を穿孔する/開けるためにガス流を使用し、穿孔ステーション212での穿孔バーナ352をなくすことによって、ガラス管102の内面146上の堆積物の形成を減少させるまたはなくすことができる。
図5~7を参照すると、コンバータ100は、不連続の期間に亘りガラス管102の遠位端部152中にガス流を送達し、それによって、遠位端部152から近接端部150までガラス管102を通るガス流を生じさせるように作られたガス流システム500を備えることがある。ガス流システム500による発生させられたガラス管102を通るガス流は、ガラス管102内の煙突効果と反対に作用することができる。それに加え、またはそれに代えて、いくつかの実施の形態において、ガス流システム500は、分離ステーション206でのガラス管102からのガラス物品103の分離後に、ガラス管102の近接端部150に形成されたメニスカス350を穿孔するのに十分な、ガラス管102を通るガス流を発生させることがある。ガス流システム500は、少なくとも1つの加工ステーション106または主要タレット108の複数のホルダ130の各々に連結された少なくとも1つのガス送達アセンブリ502およびガス供給源504を備えることがある。ガス供給源504からのガスは、圧縮空気、不活性ガス、他の気体、または気体の組合せを含むことがある。いくつかの実施の形態において、そのガス供給源のガスは、例えば、アルゴンなどの不活性ガスであることがあり、これは、ガラス管102の内面146上に堆積物を形成する可能性をさらに減少させるであろう。
図5を参照すると、いくつかの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502は、ガス供給源504からのガスを、ガラス管102の遠位端部152中に送達するように位置付けられたノズル506を備えることがあり、このガラス管はホルダ130に固定されることがある。ガス送達アセンブリ502は、ノズル506に流体連結された弁508も備えることがある。弁508は、弁508が開放位置にあるときに、ガス供給源504からのガスが弁508を通ってノズル506に流れるように、ガス供給源504に流体連結されることがある。弁508は、可撓性導管512によりガス供給源504に流体連結されることがあり、これにより、ガス送達アセンブリ502の位置をガス供給源504に対して動かすことができる。ガス送達アセンブリ502は、ノズル506へのガス流を制御するために、弁508を開閉するように弁508に作動可能に連結された弁アクチュエータ510を備えることがある。弁アクチュエータ510は、空気圧式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータであってよい。いくつかの実施の形態において、弁アクチュエータ510は、ソレノイドであることがある。
ノズル506は、どの適切なタイプのノズルであってもよい。いくつかの実施の形態において、ノズル506は、ガラス管102の遠位端部152の中に収まるのに十分に小さいことがある。いくつかの実施の形態において、ノズル506は、ガラス管102の遠位端部152から分離されることがある。
ガス送達アセンブリ502は、ノズル506に連結され、ガラス管102の遠位端部152に対してノズル506を位置付けるように可動であるポジショナー520を備えることがある。先に述べたように、コンバータ100の各サイクルは、ガラス管102の長さからガラス物品103を取り外し、それによって、ガラス管102の長さが減少することを含む。ガラス管102の長さは、コンバータ100の加工ステーション106を通じて、ガラス管102の各サイクルで減少する。ガラス管102の長さが減少するにつれて、ガラス管102の遠位端部152の位置が変化する(すなわち、図5の座標軸の-Z方向に移動する)。
図5を参照すると、ガラス管102の減少する長さおよび遠位端部152の変化する垂直位置に対処するために、位置決めシステム520は、ガラス管102の遠位端部152に対して垂直方向(すなわち、図5の座標軸の±Z方向)にノズル506を平行移動させように機能することがある。いくつかの実施の形態において、位置決めシステム520は、ガラス管102がホルダ130の水平面より下に消費されるまで、ガラス管102の遠位端部152に近接してノズル506を位置付けるように機能することがある。ガラス管102がホルダ130の水平面の下に一旦消費されると、ノズル506からのガス流の少量しかガラス管102の遠位端部152に入らないように、ホルダ130に、ノズル506からのガスの漏れが生じることがある。いくつかの実施の形態において、位置決めシステム520は、レール522およびレール522に沿って可動なブラケット524を備えることがある。いくつかの実施の形態において、レール522は、例えば、穿孔ステーション212または分離ステーション206などの、特定の加工ステーション106で、コンバータ100の基部104に連結されることがあり、よって、レール522は、静止しており、主要タレット108と共に回転しない、または加工ステーション106から加工ステーション106へとガラス管102と共に他の様式で移動しない。あるいは、他の実施の形態において、レール522は、複数の加工ステーション106を通じて主要タレット108と共に回転するために主要タレット108に連結されることがある。レール522は、ガラス管102に対して略平行に向けられることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、レール522は、略垂直に(すなわち、図5の座標軸の±Z方向に)向けられることがある。
位置決めシステム520は、ブラケット524に連結され、サーボモータ528によりレール522に沿ってブラケット524を動かせるようにレール522と可動に結合したサーボモータ528を備えることがある。レールおよびサーボモータ528によりレールに沿って可動なブラケットを備えると示され、記載されているが、ガラス管102に対して垂直方向(すなわち、図5の座標軸の±Z方向)にノズル506を平行移動させるために、他のタイプの位置決めシステムを使用してもよいことが理解されよう。
さらに図5を参照すると、ノズル506がブラケット524に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、ノズル506は、バネ懸架式連結などによって、ブラケット524に非剛体連結されることがある。ノズル506をブラケット524に非剛体連結すると、ガラス管102を加工ステーション106に出し入れするように割り出す間にノズル506がガラス管102と接触した場合、ガラス管102の破損が防がれるであろう。それに加え、いくつかの実施の形態において、弁508および/または弁アクチュエータ510も、ブラケット524に連結されることがある。ブラケット524は、ノズル506がガスを、ガラス管102の遠位端部152中に直接下方に(すなわち、図5の座標軸の-Z方向に)送達するように、ガラス管102の遠位端部152の垂直に上にノズル506を位置付けることがある。レール522に沿ったブラケット524の平行移動により、図5の座標軸の±Z方向にノズル506を動かして、ノズル506をガラス管102の遠位端部152に対して位置付けることができる。
位置決めシステム520は、ガラス管102の遠位端部152の垂直位置を検出するように位置付けられたセンサ526を備えることがある。いくつかの実施の形態において、センサ526は、ブラケット524に連結されることがある。あるいは、センサ526は、ポジショナー528、弁アクチュエータ510、弁508、ノズル506、またはガス送達アセンブリ502の他の構成要素に機械的に連結されることがある。センサ526は、ガラス管102に向けられることがあり、ノズル506がガラス管102の遠位端部152に対して適切に位置付けられているときを判定することがある。センサの例としては、以下に限られないが、近接センサ(フォトアイ)、遮光体、他のセンサ、またはセンサの組合せが挙げられるであろう。センサ526は、ポジショナー528に通信可能に連結されることがあり、このポジショナーは、センサ526からの信号に応答して、ガラス管102の遠位端部152に対してノズル506を位置付ける働きをすることができる。
位置決めシステム520は、ガラス管102の遠位端部152から距離G1にノズル506を位置付けることがある。ノズル506からガラス管102の遠位端部152までの距離G1は、ノズル506がガスをガラス管102中に、ガラス管102の外部へのガスの損失を最小にして、送達できるように、できるだけ小さいことがある。ノズル506からガラス管102の遠位端部152までの距離G1を減少させると、ガラス管102の内部容積から蒸発した揮発性成分を排出するのに、および/またはガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに、必要なガスの体積流量が減少するであろう。逆に、ノズル506からガラス管102の遠位端部152までの距離G1を増加させると、ガラス管102の内部容積から蒸発した揮発性成分を排出するのに、および/またはガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに、必要なガスの体積流量が増加するであろう。いくつかの実施の形態において、ノズル506からガラス管102の遠位端部152までの距離G1は、1ミリメートル(mm)から15mm以上であることがある。いくつかの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502は、ガス送達アセンブリ502が特定の加工ステーション106に位置付けられるように、コンバータ100の基部104または静止構造に連結されることがある。例えば、ガス送達アセンブリ502は、穿孔ステーション212、分離ステーション206、加熱ステーション202の内の1つ、および/または成形ステーション204の内の1つに位置付けられることがある。いくつかの実施の形態において、ガス流システム500は、各々が異なる加工ステーション106に位置付けられた、複数のガス送達アセンブリ502を備えることがある。例えば、ガス流システム500は、穿孔ステーション212に位置付けられたガス送達アセンブリ502および分離ステーション206に位置付けられた別のガス送達アセンブリを備えることがある。1つ以上の加熱ステーション202および/または成形ステーション204に、追加のガス送達アセンブリ502が位置付けられることがある。
図5は、コンバータ100の穿孔ステーション212に位置付けられたガス送達アセンブリ502を示す。作動中、コンバータ100は、ガラス管102を、ガス送達アセンブリ502を有する穿孔ステーション212(例えば、図5の穿孔ステーション212)中に割り出すことがある。ガラス管102が一旦、穿孔ステーション212内の適所に入ると、位置決めシステム520は、レール522に沿ってブラケット524を動かして、ノズル506をガラス管102の遠位端部152に近接して位置付けることができる。コンバータ100は、穿孔バーナ352を作動させて、先行する分離ステーション206内でガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を穿孔することができる。メニスカス350の穿孔の直後に、弁アクチュエータ510は、弁508を開けるように作動されることがあり、これにより、ガス供給源504からのガスを、弁508を通し、ノズル506を通し、ガラス管102の遠位端部152中に流すことができる。ガラス管102の遠位端部152中へのガス流により、そのガスは、ガラス管102を通って下方(すなわち、図5の座標軸の-Z)に流れて、煙突効果に反対に作用し、蒸発した揮発性成分がガラス管102を通って上方(すなわち、図5の座標軸の+Z方向)に移動して、ガラス管102の内面146上に堆積するのを防ぐことができる。規定の期間後、弁アクチュエータ510は、弁508を閉じるように作動し、これにより、ガラス管102中へのガス流を減少させる、および/または停止させることができる。弁アクチュエータ510は、弁508と共同して、ノズル506を通るガスの体積流量を制御するように使用されることがある。
ノズル506からガラス管102へのガスの体積流量は、煙突効果に反対に作用し、ガラス管102を通るガスの正味の下方(すなわち、図5の座標軸の-Z方向)流を生じるのに十分であることがある。ノズル506からのガスの流量および/または圧力は、ガラス管の内径ID(図4)などのガラス管102のサイズに依存するであろう。ガスの体積流量および/または圧力も、工程速度、コンバータの設定、またはガラスのタイプなど、コンバータ100の他の工程条件に依存するであろう。
弁アクチュエータ510は、ガラス管102を通るガスパルスを生じるために、不連続の期間に亘り弁508を開放位置に維持することがある。いくつかの実施の形態において、ガスパルスのパルス持続時間は、加工ステーション106の全てを通じて主要タレット108が一回循環するのに必要な時間よりも短いことがある。あるいは、他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100のドウェル時間より短いことがある。さらに他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100の割出時間より短いことがある。パルス持続時間は、ガラス管102の内径ID、工程速度、コンバータの設定、およびガラスのタイプにより影響を受けるであろう。
穿孔ステーション212に関して記載されているが、ガス送達アセンブリ502は、ガス送達アセンブリ502が、分離ステーション206、加熱ステーション202の内の1つ、または成形ステーション204の内の1つなど、他の加工ステーション106に連結されている場合、ガラス管102の内部容積を排気するのと同様の様式で作動されることがあることが理解されよう。あるいは、ガス送達アセンブリ502は、穿孔ステーション212または分離ステーション206でガラス管102のメニスカス350を穿孔するように作られることがある。例えば、ガス送達アセンブリ502が穿孔ステーション212に位置付けられているときに、ガス送達アセンブリ502は、メニスカス350を穿孔するのに十分なガス流を送達するように作られることがあり、これにより、穿孔ステーション212から穿孔バーナ352を除去することができるであろう。いくつかの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502は、分離ステーション206に位置付けられることがあり、ガラス管102からガラス物品103を分離した直後に、メニスカス350を穿孔するのに十分なガスのパルスを送達するように作られることがある。これらの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502の弁アクチュエータ510は、分離ステーション206におけるガラス管102のドウェル時間が終わる前に、メニスカス350を穿孔するために、ガラス管102から物品103を分離した直後に弁508を開くように作動することがある。ガス送達アセンブリ502で分離ステーション206においてメニスカス350を穿孔することにより、穿孔ステーション212は、コンバータ100から排除されることがある、または加熱ステーション202、成形ステーション204、冷却ステーション210、測定ステーション218、または他の加工ステーション106など、異なるタイプの加工ステーションに再構成されることがある。穿孔バーナ352が排除されると、ガラス管102から製造されるガラス物品103のSHR性能が相当改善されるであろう。いくつかの実施の形態において、穿孔ステーション212をすっかり排除すると、加工ステーション106の数が減少し、それによって、転換がより速くなり、処理量が増加することによって、コンバータ100の効率を改善することができる。
ガラス管102のメニスカス350を穿孔するために、ガス送達アセンブリ502が用いられる場合、ガスの体積流量は、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに十分であろう。しかしながら、ガラス管102を通るガスの体積流量が多すぎると、そのガス流により、メニスカス350が破滅的に穿孔されることがあり、それにより、ガラス管102の近接端部150から吐出される急冷されたガラス粒子が生じることがある。
いくつかの実施の形態において、ガス流システム500は、加工ステーション106の全てを通じてガラス管102がガス送達アセンブリ502に割り出されるように、ガス送達アセンブリ502の各々がホルダ130に連結されて、複数のガス送達アセンブリ502を備えることがある。これらの代わりに実施の形態において、可撓性導管512が、ガス送達アセンブリの各々をガスマニホールド560(図8)に連結することがある。ガスマニホールド560はガス供給源504に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、マニホールド560は、回転結合体564(図8)を通じてガス供給源504に連結されることがあり、これにより、ガスマニホールド560を主要タレット108およびそれに連結された複数のガス送達アセンブリ502と共に回転させることができるであろう。いくつかの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502は、ホルダ130の各々に対応する位置で主要タレット108に連結されることがある。
図6A、6B、および6Cを参照すると、ガス流システム500のガス送達アセンブリ502aの代わりの実施の形態が概略示されている。ガス送達アセンブリ502aは円筒形マウント530を備えることがあり、ノズル506が円筒形マウント530に連結されることがある。円筒形マウント530は、ガラス管102の遠位端部152に直接、取り外し可能に連結可能なことがある。例えば、図6Aおよび6Bに示されるように、円筒形マウント530は、円筒形マウント530をガラス管102の外面140とその周りに固定するように位置付けられたクランプ532を備えることがある。あるいは、図6Cに示されるように、円筒形マウント530は、円筒形マウント530をガラス管102の遠位端部152に固定するための止めねじ538を有することがある。ガラス管102の外面140に円筒形マウント530を取り外し可能に連結するための、当該技術分野において利用できる他の方法および構造も考えられる。円筒形マウント530は、ノズル506をガラス管102の遠位端部152に隣接して位置付けることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、円筒形マウント530は、図5に関して先に記載された距離G1だけ、ノズル506がガラス管102の遠位端部152から間隔が空けられるように、ノズル506を位置付けることがある。図6A、6B、および6Cに示されるように、円筒形マウント530は、1つまたは複数の開放穴534も備えることがある。開放穴534は、ガラス管102の内部容積をパージするためにガス流システム500を利用するときに、ガラス管102を過圧するのを防ぐことがある。
まだ図6A、6B、および6Cを参照すると、ノズル506は、スイベルコネクタ536により可撓性導管512に連結されることがある。スイベルコネクタ536により、可撓性導管512に対する円筒形マウント530およびノズル506の回転が可能になる。円筒形マウント530をガラス管102の遠位端部152に係合させることにより、ガス流システム500aは、ガラス管102がコンバータ100の複数の加工ステーション106を通じて割り出されるときに、ガラス管102と共に移動することがある。ガラス管102が、複数の加工ステーション106を通じて主要タレット108を複数回転させた後に消費されるときに、円筒形マウント530は、新たなガラス管102がホルダ130内に装填されるように、ガラス管102の遠位端部152から取り外されることがある。新たなガラス管102がホルダ130に一旦装填されたら、円筒形マウント530は、新たなガラス管102の遠位端部152に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、円筒形マウント530は、ガラス管102から手作業で取り外され、管装填中に新たなガラス管102に取り付けられることがある。ガス送達アセンブリ502の円筒形マウント530は、ガラス管102の遠位端部152に直接連結可能であるので、ガラス管102の減少した長さに対処するために、主要タレット108の各サイクル後に、円筒形マウント530は、ノズル506の位置を変える必要がなくなるであろう。
図7を参照すると、ガス流システム500aの別の実施の形態において、ガス送達アセンブリ502は、ホルダ130から延在するガラス管102の遠位端部152を囲むように位置付けられた外囲器540を備えることがある。外囲器540は、ホルダ130の上にあるガラス管102が外囲器540内に収容されるように、主要タレット108の上にあるガラス管102の遠位端部152を完全に取り囲むことがある。ガスパルスが、外囲器540の内部容積に導入されることがあり、ガラス管102を通じて垂直方向下方に(すなわち、図7の座標軸の-Z方向に)ガス流を生じることがある。ガラス管102を通るこの垂直下方のガス流は、ガラス管102内の煙突効果に反対に作用して、蒸発した揮発性成分が、ガラス管102を上方に通過し、ガラス管102の内面146上に凝結するのを減少させるまたはなくすことがある。外囲器540に導入されるガスパルスは、ガラス管102からの物品103の分離中に生じるガラス管102のメニスカス350を穿孔するのにも十分であることがある。それに加え、外囲器540は、ガラス管102の外部の蒸発した揮発性成分の上方流が、ガラス管102の外面と接触し、その上に凝結するのを防ぐことがある。それゆえ、外囲器540は、ガラス管102の外面上の揮発性成分の堆積物を防ぐことがある。
図7を参照すると、外囲器540は、ホルダ130に連結された近接端部550およびガラス管102の遠位端部152の上に延在する遠位端部552を有することがある。外囲器540の近接端部550をホルダ130に連結すると、外囲器540が、主要タレット108の回転により複数の加工ステーション106を通じてホルダ130と共に移動することができる。外囲器540の近接端部550は、近接端部550とホルダ130との間にシール(図示せず)を含むことがある。そのシールは、外囲器540に導入されたガスが、遠位端部152とホルダ130との間から漏れるのを防ぐ気密シールを作ることがある。外囲器540は、剛性材料から製造されることがある。実施の形態において、外囲器540の剛性材料は、ガス不透過性であり、耐熱性であることがある。剛性材料の例としては、以下に限られないが、金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、インコネル、もしくは他の金属または金属合金)、ガラス、耐熱性高分子材料、または他の材料が挙げられるであろう。いくつかの実施の形態において、外囲器540は、形状が略円筒形であることがある。外囲器540は、形状が円筒形と記載されているが、外囲器540がホルダ130に固定されたガラス管102を完全に取り囲む限り、どの他の都合のよい形状を有してもよい。
外囲器540は、外囲器540の遠位端部552に取り外し可能に連結可能なことがあるキャップ542を備えることがある。外囲器540は、外囲器540の遠位端部552とキャップ542との間に配置されたキャップシール(図示せず)を備えることがある。そのキャップシールは、ガスが外囲器540から漏れ出すのを防ぐために、外囲器540の遠位端部552とキャップ542との間に気密シールを生じることがある。キャップ542は、キャップ542を、外囲器540の遠位端部552との係合から離れるように動かし、管の装填中に交換できる、ヒンジ543、レバー、スイベル、または他の連結器により、外囲器540に結合されることがある。いくつかの実施の形態において、ガス流システム500aは、管の装填中に、外囲器540のキャップ542を開閉するための装置(図示せず)を備えることがある。キャップ542を開閉する装置は、キャップ542を外囲器540との係合に出入りするように動かすことのでる、どの機械式、電気機械式、空気式、磁気的、または他の装置であってもよい。例えば、いくつかの実施の形態において、キャップ542は、管の装填中に、分割キャップの2つの部分が、アームにより電気機械式に大きく広げられ、管の装填後に、バネが2つの部分を一緒に戻すように、バネで留められた2つの部分を含む分割キャップであることがある。いくつかの実施の形態において、キャップ542は、管の装填中に、外囲器540から手動で解放されることがある。
キャップ542は、キャップ542の中を垂直に(すなわち、図7の座標軸の±Z方向に)延在する中心穴を有することがある。キャップ542は、その中心穴内に配置され、可撓性導管512に流体連結されたスイベルコネクタ544をさらに備えることがある。外囲器540、キャップ542、およびホルダ130は、外囲器540の内部容積を画成することがある。外囲器540の内部容積は、ガラス管102が外囲器540の内部にあるときに、ガラス管102の遠位端部152と流体連通することがある。言い換えると、外囲器540は、ガラス管102の遠位端部152を完全に取り囲み、包囲することがある。
さらに図7を参照すると、ガス送達アセンブリ502は、弁508をさらに備えることがある。可撓性導管546が、キャップ542の中心穴を通じて弁508を外囲器540に流体連結するように弁508に連結されることがある。スイベルコネクタ544は、外囲器540が主要タレット108および/またはホルダ130と共に回転したときなど、外囲器540に対して可撓性導管546を回転させることができる。弁508は、ガス供給源504からのガスが、弁508を通り、可撓性導管546を通り、スイベルコネクタ544を通じて外囲器540に流入するように、ガス供給源504に流体連結されることがある。弁508は、可撓性導管512によりガス供給源504に流体連結されることがあり、これにより、ガス送達アセンブリ502の位置がガス供給源504に対して動くことができる。ガス送達アセンブリ502は、弁508を開閉して外囲器540へのガス流を制御するように弁508に作動可能に連結された、例えば、ソレノイドなどの弁アクチュエータ510を備えることがある。
ここで図8を参照すると、ガス流システム500aは、複数のガス送達アセンブリ502を備えることがある。ガス送達アセンブリ502の外囲器540は、ホルダ130に固定された各ガラス管102が外囲器540の内の1つの中に包囲されるように、主要タレット108上の全ての位置でホルダ130に連結されることがある。ガス流システム500aは、複数のガス接続部566を有するマニホールド560を備えることがある。いくつかの実施の形態において、マニホールド560は、主要タレット108に対してほぼ上に(すなわち、図8の座標軸の+Z方向に)位置付けられることがある。いくつかの実施の形態において、マニホールド560は、主要タレット108と共に回転するために、主要タレット108に連結されることがある。マニホールド560が図8に示され、形状が円形であるとここに記載されているが、マニホールド560は、非円形コンバータに使用される場合、非円形であることもある。例えば、直線コンバータについて、マニホールド560は直線であることがある。外囲器540の各々の弁508は、マニホールド560のガス接続部566の内の1つに流体連結されることがある。マニホールド560は、ガス供給導管562を通じてガス供給源504に流体連結されることがある。いくつかの実施の形態において、ガス供給導管562および/またはマニホールド560は、回転結合体564を通じてガス供給源504に流体連結されることがある。加工ステーション106が円形パターンに配列されている実施の形態について、回転結合体564は、マニホールド560を主要タレット108と共に回転させると同時に、ガス供給源504からのガスを受け入れ、そのガスをガス送達アセンブリ502に分配することができる。マニホールド560は、弁508の各々をマニホールド560に機械的に連結および/または流体連結するための複数の接続部(図示せず)を有することがある。
図7に戻ると、ガス流システム500aは、ガラス管102の内部容積を排気して、ガラス管102の内面146上に揮発性成分の堆積物が形成されるのを減少させるまたは防ぐために、1つ以上の加工ステーション106で外囲器540にガスパルスを送達するように機能することがある。図7は、コンバータ100の穿孔ステーション212内に位置付けられたホルダ130に連結されたガス送達アセンブリ502を示している。作動において、コンバータ100は、ガス送達アセンブリ502を有する穿孔ステーション212(例えば、図5の穿孔ステーション212)中にガラス管102を割り出すことがある。ガラス管102が穿孔ステーション212内で一旦適所に入ると、コンバータ100は、穿孔バーナ352を作動させて、先行する分離ステーション206内でガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を開くことがある。メニスカス350を開いた直後に、弁アクチュエータ510は、弁508を開くように作動されることがあり、これにより、ガスがマニホールド560から弁508を通り、可撓性導管546を通って、外囲器540に流入することができる。外囲器540に入るガス流により、ガスは、外囲器540からガラス管102の遠位端部152に流入することができる。ガラス管102中へのガス流により、そのガスがガラス管102を通って下方(すなわち、図5の座標軸の-Z方向)に流れて、煙突効果に反対に作用し、蒸発した揮発性成分がガラス管102を通って上方(すなわち、+Z方向)に移動し、ガラス管102の内面146上に堆積するのを防ぐことがある。規定の期間後、弁アクチュエータ510は、弁508を閉じるように作動し、これにより、ガラス管102中へのガス流を減少させる、および/または停止させることがある。弁アクチュエータ510は、弁508と共同して、ノズル506を通るガスの体積流量を制御するように使用されることがある。
外囲器540からガラス管102中へのガスの体積流量は、煙突効果に反対に作用し、ガラス管102を通る正味の下方(すなわち、-Z方向)ガス流を生じるのに十分であることがある。それに加え、ガラス管102内の煙突効果に反対に作用するのに十分なガスの体積流量は、ガラス管102の内径ID(図4)に比例することがある。そのガスの体積流量は、ガラス管102の内径ID、外囲器540の寸法、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプの影響を受けるであろう。例えば、内径がより大きいガラス管102は、内径がより小さいガラス管102と比べて、煙突効果に反対に作用するためにガスのより大きい体積流量が必要であろう。
先に述べたように、コンバータ100の各サイクルは、ある長さのガラス管102からガラス物品103を除去して、ガラス管102の長さを減少させる工程を含む。ガラス管102の長さは、コンバータ100の加工ステーション106を通じて、ガラス管102の各サイクル毎に減少する。外囲器540と共にガス送達アセンブリ502を有するガス流システム500aは、ガラス管102の長さの減少に対処するために、主要タレット108の各サイクルについてガス送達アセンブリ502を再配置する必要がなくなるであろう。しかしながら、ガラス管102の長さが減少するにつれて、ガラス管102内の煙突効果に反対に作用するのに必要であろうマニホールド560から外囲器540へのガスの体積流量は、増加するであろう。それゆえ、いくつかの実施の形態において、弁アクチュエータ510は、ガラス管102の長さが減少するにつれて、ガスパルス中にガスの体積流量を増加させるために、弁508の開放位置を次第に増加させるように機能することがある。あるいは、他の実施の形態において、弁アクチュエータ510は、ガラス管102の最短の長さで要求されるガスの体積流量を提供するのに十分な開放位置に作動するように機能することがある。
弁アクチュエータ510は、ガラス管102を通じてガスパルスを生じるために不連続の期間に亘り弁508を開放位置に維持することがある。次に、弁508は、ガスパルスを終わらせるために完全に閉じられることがある。代わりの実施の形態において、弁508は、少ないガス流位置から多いガス流位置に移行することによって、ガスパルスを外囲器540に送達するように機能することがある。これらの実施の形態において、少ないガス流位置は、外囲器540内でわずかに正の圧力を維持するために、外囲器540に一定のガス流を提供することがある。ガスパルスが開始されるときに、弁508は、ガスパルスを発生させるパルスの持続時間に亘り外囲器540中へのガスの流量を増加させるようにさらに開かれることがある。次に、弁508は、ガスパルスを終わらせるために少ないガス流位置に戻るように部分的に閉じられることがある。いくつかの実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータの全サイクル時間よりも小さいことがある。ここに用いられている全サイクル時間は、1つのガラス管102を、補助加工ステーションを含まない、コンバータ100の加工ステーション106を通して動かすのに必要な全時間を称する。あるいは、他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100のドウェル時間より小さいことがある。さらに他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100の割出時間より小さいことがある。さらに他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータの割出時間およびドウェル時間の合計より小さいことがある。
穿孔ステーション212に関して記載されているが、ガス流システム500aは、分離ステーション206、または成形ステーション204の内の1つなど、他の加工ステーション106の1つ以上でガラス管102の内部容積を排気するために、外囲器540にガスパルスを送達するように機能することがあることが理解されよう。あるいは、ガス流システム500aは、穿孔ステーション212または分離ステーション206でガラス管102のメニスカス350を開けるのに十分なガスパルスを外囲器540に送達するように作られることがある。例えば、ガラス管102が穿孔ステーション212での位置に割り出されたときに、ガス流システム500aは、穿孔ステーション212でガラス管102を包囲するガス流を外囲器540に送達するように作られることがある。そのガス流は、メニスカス350を開けるのに十分であることがある。ガス流システム500aを使用してメニスカス350を開けると、穿孔ステーション212から穿孔バーナ352をなくすことができるであろう。
いくつかの実施の形態において、ガス流システム500aは、ガラス管102から物品103を分離した直後にメニスカス350を開けるために分離ステーション206で外囲器540にガスパルスを送達するように作られることがある。これらの実施の形態において、ガス送達アセンブリ502の弁アクチュエータ510は、分離ステーション206内のガラス管102のドウェル時間の終わる前に、メニスカス350を開けるために、ガラス管102から物品103を分離した直後に弁508を開くように機能することがある。分離ステーション206内でガス送達アセンブリ502によりメニスカス350を穿孔することによって、分離ステーション206の下流に位置付けられた穿孔ステーション212は、コンバータ100から排除されるか、または加熱ステーション202、成形ステーション204、冷却ステーション210、測定ステーション218、または他の加工ステーション106など、異なるタイプの加工ステーションに再構成されることがある。穿孔バーナ352が排除されると、ガラス管102から製造されるガラス物品103のSHR性能が相当改善されるであろう。
穿孔ステーション212または分離ステーション206でガラス管102のメニスカス350を穿孔する/開くために、ガス流システム500aが利用される場合、ガスの体積流量は、ガラス管102のメニスカス350を開けるのに十分であることがある。しかしながら、ガラス管102を通るガスの体積流量が大きくなりすぎると、そのガス流により、メニスカス350が破滅的に穿孔されることがあり、それにより、ガラス管102の近接端部150から溶融ガラスの液滴が分離されることがある。先に記載されたように、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するためにガスパルス中に要求されるであろうガスの体積流量は、ガラス管102が、コンバータ100の加工ステーション106を通じて多数回通過することで長さが減少するにつれて、増加することがある。
図1、2、および6を参照すると、ガラス管102が完全に消費されたときに、新たなガラス管102が管装填ステーション214(図2)でホルダ130に装填されることがある。ホルダ130中へのガラス管102の装填に対処するために、キャップ542が、外囲器540の遠位端部552から外され、ホルダ130にアクセスできるように遠位端部552から離れるように旋回されることがある。新たなガラス管102がホルダ130中に一旦装填されたら、キャップ542は、外囲器540の遠位端部552と係合されて、外囲器540が密閉される。キャップ542は、管装填ステーション214における管の装填中に外囲器540の遠位端部552と、手動でまたは自動的に、係合させたり、外したりすることができる。
代わりの実施の形態において、ガス流システム500aは、外囲器540を有する1つのガス送達アセンブリ502を備えることがある。その1つのガス送達アセンブリ502は、穿孔ステーション212、分離ステーション206、加熱ステーション202の内の1つ、または成形ステーション204の内の1つなど、特定の加工ステーション106に位置付けられることがある。作動中、外囲器540は、ホルダ130が加工ステーション106に割り出されたときに、ホルダ130内に固定されたガラス管102を包囲するようにホルダ130と係合されることがある。ガスパルスは、ガラス管102を包囲する外囲器540を通じて、ガス送達アセンブリ502によりガラス管102に施されることがある。ガスパルス後、外囲器540は、ホルダ130から外され、加工ステーション106から取り外されることがある。
図9A~15Bを参照すると、ここに開示された追加のシステムおよび方法は、ガラス管102の近接端部150に負圧(例えば、負圧パルスまたは連続吸引)を導入して、ガラス管102を通じて遠位端部152から近接端部150への(すなわち、図9Aの座標軸の-Z方向)ガスおよび/または蒸気の流れを生じさせることによって、ガラス管102の内面146上の堆積物の形成を減少させるか、またはなくすことがある。本開示に使用されるように、「負圧」という用語は、周囲圧力より低く、それによって、負圧の供給源に向けてガス流を誘発させる吸引力を生じる、局所圧力を称する。ガラス管102の近接端部150に負圧を印加することによって、ガラス管102の近接端部150に向けてガラス管102を通るガス流を生じることは、ガラス管102の内部の気体を加熱することによって生じる煙突効果に反対に作用し、蒸発した揮発性成分がガラス管102を通って上方(すなわち、図9Aの座標軸の+Z方向)に移動し、ガラス管102の内面146上に凝結するのを減少させるか、またはなくすことがある。それに加え、またはそれに代えて、他の実施の形態において、ここに開示されたシステムおよび方法は、負圧(すなわち、吸引)を使用してメニスカス350を開き、それによって、穿孔ステーション212での穿孔バーナ352をなくすことによって、ガラス管102の内面146上の堆積物の形成を減少させるか、またはなくすことがある。
図9A、9B、10、11、および12を参照すると、コンバータ100は、ガラス管102の近接端部150で負圧を生じるように機能できるガス流システムを備えることがある。いくつかの実施の形態において、そのガス流システムは、ガラス管102がコンバータ100の加工ステーション106の内の1つの中に位置付けられたとき、またはガラス管102が2つの加工ステーション106の間で割り出されているときに、ガラス管102の近接端部150に近接して位置付けられる吸引システム600であることがある。吸引システム600は、ガラス管102の遠位端部152から近接端部150にガラス管の内部容積内のガスおよび/または蒸気の流れ(例えば、ガス流は、図9Aの座標軸の-Z方向に垂直下方であることがある)を生じるために、ガラス管102の近接端部150で負圧を生じるように機能することがある。いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、穿孔ステーション212、分離ステーション206、加熱ステーション202の内の1つ、成形ステーション204の内の1つ、または他の加工ステーション106など、特定の加工ステーション106に位置付けられることがある。あるいは、他の実施の形態において、吸引システム600は、ガラス管102が2つの加工ステーション106の間で割り出されているときに、ガラス管102の近接端部150で負圧を生じるために、加工ステーション106の内の2つの間に位置付けられることがある。例えば、吸引システム600は、コンバータの分離ステーション206と穿孔ステーション212との間、および/または穿孔ステーション212と加熱ステーション202または穿孔ステーション212の下流にある他の加工ステーション106との間に、位置付けられることがある。
いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、ガラス管102の内部容積からガスおよび/または蒸気を排出することによって、ガラス管102から製造されるガラス物品103のSHRを減少させることがある。詳しくは、ガラス管102の近接端部150の近くに位置付けられた吸引管602を通じて吸引システム600により生じた負圧は、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服し、ガスおよび/または蒸気がガラス管102の近接端部150に向けて(すなわち、図9Aの座標軸の-Z方向に)流れ、ガラス管102から流れ出るのに十分であることがある。ガラス管102の内部容積からガスおよび蒸気を除去すると、ガラスの蒸発した揮発性成分がガラス管102の内面146上に凝結するのを減少させるか、またはなくし、それによって、ガラス管102およびそれから製造されたガラス物品103のSHRを減少させることがある。
他の実施の形態において、吸引システム600により生じる負圧は、分離ステーション206においてガラス管102からガラス物品103を分離する最中に形成されるガラス管102のメニスカス350を穿孔するために利用されることがある。メニスカス350を穿孔するために吸引システム600を使用すると、穿孔ステーション212内の穿孔バーナ352が排除されることがあり、これにより、ガラス管102から製造されたガラス物品103のSHRがさらに減少するであろうし、穿孔ステーション212を加工ステーション106の別のタイプに再構成することができるであろう。それに加え、いくつかの実施の形態において、吸引システム600を使用して、メニスカス350を開けると、穿孔ステーション212をすっかり排除することができ、それによって、転換がより速くなり、処理量が増加することによって、コンバータ100の効率を増加させることができる。
吸引システム600は、ガラス管102が、コンバータ100の加工ステーション106を通じて何回も循環するにつれて、ガラス管102が次第に短くなるのを調整する必要なく、ガラス管102のSHRを減少させることもできるであろう。吸引システム600は、ガラス管102の近接端部150に位置付けられており、これにより、ガラス管102が、加工ステーション106を通じてガラス管102の多数回の通過により消費されるにつれて、位置は変わらない。
図9Aおよび9Bを参照すると、吸引システム600は、吸引管602および導管606により吸引管602に流体連結された真空発生装置604を備えることがある。吸引システム600は、必要に応じて、真空発生装置604を導管606に流体連結する真空マニホールド607を備えることがある。いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、穿孔ステーション212、または他の加工ステーション106で、またはその組合せの間など、コンバータ100の異なる位置に配置された複数の吸引管602を備えることがある。これらの実施の形態において、随意的な真空マニホールド607は、真空発生装置604に、真空を複数の吸引管602に同時に供給させることができることがある。
いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、必要に応じて、吸引管602によりガラス管102の近接端部150に印加される負圧の量を制御するための制御弁614を備えることがある。ここに用いられているように、「制御弁」は、弁の位置を制御し、それによって、弁を通る流れを制御するように機能できるアクチュエータと弁の組合せを称する(例えば、図5に関して記載された弁508とアクチュエータ510の組合せが制御弁と考えられるであろう)。制御弁614は、吸引管602により印加される負圧の持続時間も制御することがある。例えば、制御弁614は、負圧パルス(すなわち、不連続の期間に亘り印加される負圧)をガラス管102の近接端部150に送達するために開閉するように操作されることがある。制御弁614は、空気圧式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータの内の1つ以上を含むことがある。いくつかの実施の形態において、制御弁614はソレノイドを含むことがある。
吸引管602は、吸引管602の近接端部610に配置された吸引口608(図9B)を備えることがある。近接端部610は、吸引管602に関して使用されるように、ガラス管102の近接端部150に向けられた吸引管602の端部である。吸引管602の遠位端部612は、導管606に連結されることがある。吸引管602の遠位端部612は、ガラス管102の近接端部150から離れるよう向けられた吸引管602の端部を称する。吸引管602は、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形、または任意の他の都合よい形状であることがある断面形状を持つ、形状が略円筒状であることがある。吸引管602は、ここでは、導管606とは別の構造であると記載されているが、吸引管602は、吸引管602および導管606が一体構造を形成するように導管606の端部部分であってもよいことが理解されよう。
吸引管602は、図9Aの座標軸の±Z方向に見たときに、吸引管602の吸引口608がガラス管102の近接端部150にある開口と少なくとも部分的に重複するように、吸引管602の近接端部610が垂直下方(すなわち、図9Aの座標軸の-Z方向)に、ガラス管102の近接端部150に向いて面する状態で、ガラス管102に対して平行に配向されることがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、吸引管602がガラス管102に垂直に揃えられ(すなわち、図9Aの座標軸の±Z方向)、吸引口608がガラス管102の近接端部150にある開口の下で中央に置かれるように、ガラス管102の回転軸D上で中心に置かれることがある。
吸引管602は、吸引管602の近接端部610が、図9Aの座標軸の±Z方向に距離G2だけガラス管102の近接端部150から間隔を置いた状態で位置付けられることがある。いくつかの実施の形態において、距離G2は、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服するのに十分な負圧を生じるのに十分に小さいことがある。他の実施の形態において、距離G2は、分離ステーション206においてガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を穿孔するのに十分な負圧を生じるのに十分に小さいことがある。距離G2は、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服し、ガラス管102の近接端部150に向かうガスおよび/または蒸気の流れを生じる、および/またはガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を穿孔するのに要求される真空の量を低下させるように減少されることがある。
しかしながら、ガラス管102の近接端部150は、ガラス管からガラス管への寸法のばらつきを示すことがあり、吸引管602をガラス管102の近接端部150のあまりに近くに位置付けると、ガラス管102を加工ステーション106中に、または複数の加工ステーション106の間に割り出す最中に、ガラス管102が吸引管602と接触することがある。それに加え、吸引管602が、穿孔ステーション212、分離ステーション206、または加熱ステーション202の内の1つに位置付けられているときに、吸引管602をガラス管102にあまりに近く位置付けると、バーナ(例えば、バーナ302、分離バーナ348、または穿孔バーナ352)の性能が影響を受けることがある。具体的には、加熱ステーション202、分離ステーション206、または穿孔ステーション212でのバーナに近接して負圧を生じると、火炎をガラス管102から離して吸引管602に向けて逸らすことにより、火炎が乱れることがある。さらに、吸引管602の近接端部610をガラス管102にあまりに近く位置付けると、吸引管602中に吸い込まれる室温空気の量が減少するまたはなくなることがあり、これは、吸引管602、導管606、真空マニホールド607、および/または真空発生装置604に損傷が生じることになる。例えば、ガラス管102の内部容積からの加熱されたガスおよび蒸気、並びに室温空気が、吸引管602中に吸い込まれることがある。ガラス管102の外部にある室温空気が、ガラス管102の内部から吸い込まれた加熱されたガスおよび蒸気と混ざり、その加熱されたガスおよび蒸気が冷却される。ガラス管102の内部容積からの加熱されたガスおよび蒸気は、1000℃超、1200℃超、またさらには1500℃ほど高い温度に到達することがある。これらのガスおよび蒸気と混ざり、それを冷却する室温空気がないと、吸引管602を通じて吸引システム600中にこれらの加熱されたガスおよび蒸気が吸い込まれると、吸引システム600に熱応力が生じることがあり、これにより、吸引管602、導管606、真空マニホールド607、制御弁614、および/または真空発生装置604に損傷が生じることになる。
図9Aを参照すると、いくつかの実施の形態において、吸引管602とガラス管102との間の距離G2は、25ミリメートル(mm)以下であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、吸引管602とガラス管102との間の距離G2は、20mm以下、15mm以下、10mm以下、または5mm以下であることがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602とガラス管102との間の距離G2は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプの影響を受けることがある。
先に記載されたように、吸引管602をガラス管102の近接端部150に近く位置付けると、吸引管602が、1000℃を超える、またさらには1200℃または1500℃を超える温度を有するガスおよび/または蒸気と接触することがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、加熱されたガスおよび蒸気により生じる吸引管602への損傷を最小にするために、金属、セラミック、他の耐火材料、またはその組合せなど、耐熱性材料から構築されることがある。例えば、吸引管602は、石英、溶融シリカ、アルミナ、インコネル、またはこれらの組合せの1つ以上から製造されることがある。導管606および/または真空マニホールド607も、金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、インコネル、もしくは他の金属または金属合金)、セラミック、他の耐火材料、耐熱性高分子、他の耐熱性材料、またはその組合せなど、耐熱性材料から製造されることがある。
真空発生装置604は、吸引管602の近接端部610で真空または吸引を生じるためのどの適切な装置であってもよい。いくつかの実施の形態において、真空発生装置604は、ガラス管102の内部容積から気体を排出するのに、および/またはガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに、十分な負圧を吸引管602の近接端部610に生じることができることがある。真空発生装置の例としては、以下に限られないが、真空ポンプ、ベンチュリ装置(例えば、真空排出装置)、圧縮空気真空発生装置、真空圧縮機、扇風機、十分な負圧を生じることのできる他の装置、またはこれらの組合せが挙げられるであろう。
いくつかの実施の形態において、導管606は、金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、インコネル、もしくは他の金属または金属合金)、ガラス、剛性耐熱性高分子、セラミック、または他の剛性材料から製造された導管など、剛性導管であることがある。あるいは、他の実施の形態において、導管606は、ゴムホース、可撓性プラスチック導管、または可撓性金属ホースなど、可撓性導管であることがある。導管606に可撓性導管を使用すると、本開示に続いて記載されるように、真空発生装置604および/または真空マニホールド607に対して吸引管602を動かすことができるであろう。いくつかの実施の形態において、導管606は、吸引管602を導管606に対してわずかに回転させられるように、スイベルコネクタ(図示せず)で吸引管602に連結されることがある。
図9Aおよび9Bは、ガラス管102が穿孔ステーション212と加熱ステーション202との間で割り出されているときに負圧を生じるために、穿孔ステーション212と、穿孔ステーション212の下流にある加熱ステーション202との間に位置付けられた吸引システム600を示している。穿孔ステーション212と加熱ステーション202との間に位置付けられているのが示されているが、吸引システム600は、分離ステーション206と穿孔ステーション212との間、またはコンバータ100のいずれか2つの他の加工ステーション106の間に位置付けられ得ることが理解されよう。
吸引システム600は、ガラス管102が穿孔ステーション212から加熱ステーション202に割り出されているときに、ガラス管102に揃えられた吸引管602を維持するために、吸引管602を穿孔ステーション212と加熱ステーション202との間で動かすように機能できる並進システム620を備えることがある。いくつかの実施の形態において、並進システム620は、トラック622およびトラック622と係合し、トラック622に沿って並進可能な吸引管往復台624を備えることがある。トラック622は、ガラス管102が2つの加工ステーション106の間で割り出されているときに、ガラス管102の経路にしたがうような形状であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、トラック622は、円形パターンに配列された加工ステーション106を通じて割り出されるガラス管102の弓形経路にしたがうように形状が弓形であることがある。あるいは、他の実施の形態において、コンバータ100は、直線的配置の加工ステーション106を有することがあり、トラック622は直線的であることがある。コンバータ100の加工ステーション106の空間的配置に応じて、トラック622の他の形状が考えられる。吸引管602は、吸引管602がガラス管102の真下に位置付けられているときに、吸引管602の近接端部610が、先に記載された距離G2だけガラス管102の近接端部150から間隔が空けられるように吸引管往復台624に連結されることがある。吸引管往復台624をトラック622に沿って並進させるために、様々な装置が利用されることがある。これらの装置の例としては、以下に限られないが、サーボモータ、油圧シリンダ、または吸引管往復台624をトラック622に沿って動かせる他の装置が挙げられるであろう。
作動において、穿孔ステーション212内のガラス管102のドウェル時間の終わりに、並進システム620は、吸引管602を穿孔ステーション212に最も近いトラック622の端部に位置付けることがある。ドウェル時間が終わったときに、ガラス管102は、穿孔ステーション212から、穿孔ステーション212のすぐ下流にある(すなわち、主要タレット108の回転方向に)加熱ステーション202に割り出されることがある。ガラス管102が穿孔ステーション212から移動するにつれて、並進システム620は、吸引管602をガラス管102の近接端部150の下(すなわち、図9Aの座標軸の-Z方向)に位置付け、ガラス管102が加熱ステーション202に到達するまで、吸引管602をガラス管102と揃え、その下に維持するように、ガラス管102に合わせて吸引管602を動かすことがある。吸引管602をガラス管102の下で一緒に動かしている間、吸引管602は、ガラス管102の近接端部150に負圧を生じることがあり、これにより、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服し、穿孔ステーション212内で蒸発した揮発性成分を含む、ガラス管102の内部容積内で加熱されたガスおよび蒸気を、ガラス管102を通じて下方に(すなわち、図9Aの座標の-Z方向に)流し、ガラス管102の近接端部150から流出させることがある。ガラス管102を下方に通る加熱されたガスおよび蒸気の流れを生じさせると、ガラス管102の内面146上の揮発性成分の凝結が減少するまたは防がれることがある。吸引システム600が分離ステーション206と穿孔ステーション212との間に位置付けられているときに、吸引管602からの吸引は、分離ステーション206においてガラス管102の近接端部150に形成されたメニスカス350を穿孔するのに十分であることがある。
図9Aを参照すると、吸引システム600の制御弁614は、吸引管602がガラス管102の真下に位置付けられている間に、開閉して負圧パルスを送達するように作動することがある。例えば、いくつかの実施の形態において、制御弁614は、吸引管602がトラック622の分離ステーション206側の端部でガラス管102の下に位置付けられているときに開き、吸引管602がトラック622の穿孔ステーション212側の端部に到達するときに閉じることがある。あるいは、他の実施の形態において、制御弁614は、吸引管602を全トラック622に沿って動かす必要がある時間よりも短い持続時間に亘り開くように作動されることがある。割出時間の終わりに、ガラス管102がその後の加工ステーション(すなわち、図9Aおよび9Bの加熱ステーション202)において適所にあるときに、並進システム620は、吸引管602をトラック622に沿って上流の加工ステーション106(すなわち、図9Aおよび9Bにおける穿孔ステーション212)に戻すように動かして、2つの加工ステーション106の間に次のガラス管102を割り出すために吸引管602を位置付けることがある。
並進システム620は、トラック622および吸引管往復台624を備えると記載されているが、並進システム620は、ガラス管102の割り出し中に吸引管602をガラス管102に揃えた状態に維持するために、回転軸の周りで旋回するアーム、もしくは他の機械式、電気機械式、または磁気装置を備えることがある。
図10を参照すると、代わりの実施の形態において、吸引システム600は、図10に示された穿孔ステーション212など、特定の加工ステーション106に位置付けられ、並進システム620は、ガラス管102が穿孔ステーション212内に位置付けられているときに、コンバータ100のドウェル時間中に、吸引管602をガラス管102の近接端部150の下の位置に出入りして動かすように機能することがある。先に記載されたように、並進システム620は、吸引管602をガラス管102の下の位置に出入りするように動かすために、トラック622およびトラック622に沿って移動できる吸引管往復台624を備えることがある。吸引管602は、吸引管602がガラス管102の真下に位置付けられているときに、吸引管602の近接端部610が、先に記載された距離G2だけガラス管102の近接端部150から間隔が空けられるように吸引管往復台624に連結されることがある。
並進システム620は、吸引管往復台624をトラック622に沿って動かして、吸引管602をガラス管102の近接端部150の下の位置に出入りするように割り出すための吸引管アクチュエータ625も備えることがある。並進システム620は、穿孔バーナ352、もしくは他のバーナまたは成形工具に連結され、トラック622に沿って動かせるバーナ往復台626も備えることがある。並進システム620は、バーナ往復台626をトラック622に沿って動かして、穿孔バーナ352を穿孔ステーション212内の位置に出入りするように割り出すためのバーナアクチュエータ628を備えることがある。吸引管アクチュエータ625およびバーナアクチュエータ628は、トラック622に沿って、それぞれ、吸引管往復台624およびバーナ往復台626を並進させられるどのタイプのアクチュエータであってもよい。吸引管アクチュエータ625、バーナアクチュエータ628、またはその両方に適するであろうアクチュエータの例としては、以下に限られないが、空気式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、磁気アクチュエータ、サーボモータ、歯車装置、または他のアクチュエータが挙げられるであろう。
作動において、穿孔バーナ352は、ガラス管102が穿孔ステーション212内に割り出されたときに、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するために穿孔ステーション212内の位置に割り出されることがある。穿孔バーナ352がメニスカス350を一旦穿孔すると、バーナアクチュエータ628は、穿孔バーナ352を穿孔ステーション212の位置から出るように動かすように作動されることがあり、吸引管アクチュエータ625は、吸引管602をガラス管102の近接端部150の真下に位置であり、ガラス管102と揃うように動かすように作動することがある。吸引管602は、ガラス管102の近接端部150で負圧を生じて、加熱されたガスおよび蒸気をガラス管102の内部容積を通り下方に(すなわち、図10の座標軸の-Z方向に)、ガラス管102の近接端部150から引き出すことがある。いくつかの実施の形態において、制御弁614は、吸引管602がガラス管102の下にあるときに、吸引管602を開閉して、ガラス管102の近接端部150に負圧パルスを送達するように作動することがある。例えば、制御弁614は、吸引管602がガラス管102の下に最初に位置付けられたときに開き、ドウェル時間の終わりに閉じるように作動されることがある。あるいは、制御弁614は、吸引管602がガラス管102の下に最初に位置付けられたときに開き、ドウェル時間が終わる前、またはドウェル時間の終わった後に閉じるように作動されることがある。ドウェル時間の終わりに、コンバータ100は、ガラス管102を次の加工ステーション106に割り出す。次に、並進システム620は、吸引管602を穿孔ステーション212内の位置から出るように動かし、穿孔バーナ352を穿孔ステーション212内の位置に戻すように動かして、穿孔ステーション212中に割り出された次のガラス管102を穿孔するように作動することがある。
あるいは、いくつかの実施の形態において、吸引管アクチュエータ625は、吸引管602を垂直に(すなわち、図10座標軸の±Z方向に)並進させて、ガラス管102の近接端部150に近接した位置に出し入れするように機能することがある。
吸引システム600は、図10に、コンバータ100の穿孔ステーション212に位置付けられていると示されているが、吸引システム600は、コンバータ100の他の加工ステーション106のいずれに位置付けられてもよいことが理解されよう。例えば、吸引システム600は、コンバータ100の分離ステーション206に位置付けられることがあり、並進システム620は、分離バーナ348および吸引管602を動かして、分離ステーション206内の位置に出入りするように機能することがある。吸引システム600は、加熱ステーション202の内の1つ、成形ステーション204の内の1つ、またはコンバータ100の他の加工ステーション106の内の1つに位置付けられてもよい。
図11を参照すると、吸引管602は、ガラス管102が穿孔ステーション212中に割り出されたときに、吸引管602の近接端部610が距離G2だけガラス管102の近接端部150から間隔が空けられるように、コンバータ100の基部104に対して定位置で穿孔ステーション212または他の加工ステーション106に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、図11に示されるように、ガラス管102の中心線(すなわち、軸D)に対して角度αで定位置に取り付けられることがある。いくつかの実施の形態において、角度αは、ゼロより大きく、90°未満であることがある。あるいは、他の実施の形態において、吸引管602は、軸Dに対して実質的に平行に向けられ、吸引管602の中心線がガラス管102の軸Dからずれるように位置付けられることがある。これらの実施の形態において、吸引管602が軸Dに対して実質的に平行な場合、角度αは、5°以下、3°以下、1°以下、または約0°であることがある。図11には、コンバータ100の穿孔ステーション212に連結されていると示されているが、吸引管602は、例えば、分離ステーション206、加熱ステーション202、または成形ステーション204の内の1つなど、どの他の加工ステーション106に連結されてもよいことが理解されよう。
作動において、定位置で連結された吸引管602を有する吸引システム600は、吸引管602の近接端部610で連続負圧を提供するように機能することがある。あるいは、いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、ガラス管102の近接端部150で負圧パルスを生じるように機能することがある。例えば、制御弁614は、不連続の期間に亘り開いて負圧パルスを送達するように作動し、次いで、負圧パルスを終わらせるために閉じることがある。いくつかの実施の形態において、負圧パルスの持続時間は、コンバータ100のドウェル時間より短いことがある。例えば、いくつかの実施の形態において、吸引管602は穿孔ステーション212内に位置付けられることがあり、吸引システム600は、穿孔バーナ352でメニスカス350を穿孔した後、負圧パルスを生じてガラス管102の内部容積から加熱されたガスおよび蒸気を排出するために、制御弁614を開くように作られることがある。
図21Aおよび21Bを参照すると、いくつかの実施の形態において、穿孔ステーション212においてガラス管102のメニスカス350を穿孔するために、穿孔バーナ352の代わりに、吸引システム600が使用されることがある。これらの実施の形態において、吸引管602は、コンバータ100の穿孔ステーション212で基部104に連結されることがある。吸引管602は、吸引管602がガラス管102と垂直に(すなわち、図11の座標軸の±Z方向に)揃えられる(すなわち、吸引管602の中心線が、ガラス管102の軸Dと揃えられる)ように、定位置で連結されることがある。吸引システム600は、分離ステーション206においてガラス管102の近接端部150に形成されたメニスカス350を穿孔するのに十分な負圧パルスをガラス管102の近接端部150に送達するように機能することがある。
図21Aおよび21Bに示されるように、いくつかの実施の形態において、吸引管602の近接端部610は、ガラス管102の幅Wよりも大きい内径IDSを有することがある。吸引システム600は、ガラス管102の近接端部150に向かって垂直上方に(すなわち、図21Aの座標軸の+Z方向に)吸引管602を作動させるように機能できるアクチュエータ616を備えることがある。いくつかの実施の形態において、アクチュエータ616は、吸引管602を、吸引管602の近接端部610がガラス管102の近接端部150を取り囲む位置へと垂直上方に動かすことがある。アクチュエータ616は、機械式、電気機械式、空気式、油圧式、磁気のいずれかのタイプ、または吸引管602をガラス管102の近接端部150に向けて上方に割り出すことのできる他のタイプのアクチュエータであってよい。
図21Aおよび21Bにおける実施の形態を参照すると、作動において、主要タレット108は、ガラス管102を穿孔ステーション212中に割り出すことがある。ガラス管102が穿孔ステーション212において適所にあるときに、アクチュエータ616は、図21Aに示されるように、吸引管602の近接端部610がガラス管102の近接端部150を取り囲むように、吸引管602をガラス管102の近接端部150に向けて動かすように作動することがある。吸引管602は、ガラス管102の近接端部150でのメニスカス350に負圧を印加することがある。その負圧は、図21Bに示されるように、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに十分であることがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、メニスカス350を穿孔した後に負圧を生じ続けて、ガラス管102の内部容積からガスおよび蒸気をさらに排出することがある。次に、アクチュエータ616は、吸引管602をガラス管102から離すように垂直下方に(すなわち、図21の座標軸の-Z方向に)動かして、ガラス管102の近接端部150から吸引管602を外すように再び作動されることがある。コンバータ100のドウェル時間の終わりに、主要タレット108は、次いで、吸引管602により穿孔されたメニスカス350を有する、ガラス管102を穿孔ステーション212から下流にある加工ステーション106に割り出すことがある。
いくつかの実施の形態において、吸引システム600は複数の吸引管602を備えることがあり、吸引管602の各々は、吸引管602の各々が加工ステーション106の各々を通じてガラス管102に割り出されるように、ホルダ130の内の1つに連結されることがある。いくつかの実施の形態において、真空マニホールド607は、主要タレット108の上に位置付けられ、図8に示された回転結合体564など、回転結合体を通じて真空発生装置604に流体連結されることがある。いくつかの実施の形態において、吸引システム600は、転換過程中連続的にずっとガラス管102の近接端部150に吸引を送達するように作られることがある。あるいは、他の実施の形態において、吸引システム600は、加熱ステーション202の内の1つ、成形ステーション204、分離ステーション206、穿孔ステーション212、または他の加工ステーション106など、1つ以上の特定の加工ステーション106でガラス管102の近接端部150に負圧パルスを送達するように作られることがある。
図12Aおよび12Bを参照すると、いくつかの実施の形態において、コンバータ100の穿孔ステーション212は、ガラス管102のメニスカス350に亘りガス流を向けてメニスカス350を穿孔するように位置付けられた穿孔ジェット630を備えることがある。ガラス管102のメニスカス350に亘るガス流は、ベルヌーイ効果によりメニスカス350に対して真空または吸引力を生じることがある。その吸引力は、穿孔ステーション212でガラス管102のメニスカス350を開けるのに十分であることがある。ガラス管102のメニスカス350に亘るガス流の速度は、ガラス管102の内径ID、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプにより影響を受けることがある。穿孔ジェット630は、ガス噴射、バーナ、またはガラス管102のメニスカス350に亘り高速空気流を送達することのできるどの他の適切なタイプのノズルであってもよい。例えば、いくつかの実施の形態において、穿孔ジェット630は、多数オリフィス平面バーナであることがある。穿孔ジェット630は、燃料ガス、酸素、圧縮空気、窒素、不活性ガス、他の気体、または気体の組合せなど、1つ以上のガス供給源632に流体連結されることがある。制御弁636が、穿孔ジェット630の作動を制御するために、ガス供給源632と穿孔ジェット630の間に位置付けられることがある。例えば、制御弁636は、開閉して、ガラス管102の近接端部150でメニスカス350に亘りガス流の噴出(すなわち、ガスパルス)を送達するように作られることがある。制御弁636は、空気式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータの1つ以上を含むことがある。いくつかの実施の形態において、制御弁636は、ソレノイドを含むことがある。
図12Aおよび12Bに示されるように、穿孔ジェット630は、コンバータ100の基部104に連結されることがあり、ガラス管102の軸Dに対して略垂直であり、ガラス管102のメニスカス350に対して平行な(すなわち、概して、図12Aおよび12Bの座標軸のX-Y平面にある)ガス流を生じるように配向されることがある。図12Bにおける部分は、説明目的で誇張されている。図12Bを参照すると、穿孔ジェット630は、穿孔ジェット630の先端634が距離G3だけガラス管102の外面140から半径方向に間隔が空けられるように、ガラス管102から半径方向外側に間隔が空けられることがある。穿孔ジェット630の先端634とガラス管102の外面140との間の距離G3は、メニスカス350を開けることのできる吸引力を生じるのに十分な、メニスカス350の表面に亘るガス速度を有するガス流を提供するのに十分に小さいことがある。しかしながら、距離G3が小さすぎると、穿孔ジェット630の先端634は、ガラス管102が穿孔ステーション212に出入りすように割り出されるときに、ガラス管102と接触することがある。いくつかの実施の形態において、穿孔ジェット630は、穿孔ジェット630をガラス管102の近接端部150に対する位置に出入りするように動かすように機能することがあるアクチュエータ(図示せず)に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、穿孔ジェット630の先端634とガラス管102の外面140との間の距離G3は、10mm以下であることがある。しかしながら、いくつかの実施の形態において、距離G3は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプにより影響を受けることがある。
図12Bを参照すると、穿孔ジェット630は、穿孔ジェット630からのガス流がガラス管102のメニスカス350に亘り流れて、メニスカス350を開けるのに十分な真空がメニスカス350の表面に沿って生じるように、垂直に位置付けられる(すなわち、図12Bの座標軸の±Z方向)ことがある。いくつかの実施の形態において、穿孔ジェット630は、穿孔ジェット630の先端634の中心が、ガラス管102のメニスカス350により画成されるX-Y面に垂直に揃えられるように位置付けられることがある。あるいは、穿孔ジェット630は、穿孔ジェット630の先端634が距離G4だけ図12Bの座標軸の±Z方向にガラス管102の近接端部150から間隔が空けられるように、ガラス管102の近接端部150より垂直方向で下に(すなわち、図12Bの座標軸の-Z方向に)位置付けられることがある。距離G4は、穿孔ジェット630からのガス流が、メニスカス350を開けるようにメニスカス350に対して十分な吸引力/真空を生じることができるのに十分に小さいことがある。穿孔ジェット630がガラス管102のメニスカス350から垂直にあまりに離れて間隔が空けられるほど距離G4が大きすぎると、ひいては、穿孔ジェット630からの空気流が、メニスカス350を穿孔するのに必要な吸引量を生じるのに十分ではないことがある。距離G4は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプにより影響を受けることがある。
図12Aに戻ると、穿孔ステーション212は、ガラス管102の近接端部150の垂直下に位置付けられた吸引システム600の吸引管602も備えることがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、吸引管602の近接端部610をガラス管102の近接端部150の直接下に中心に置くように、ガラス管102の軸Dと垂直に揃えられる(すなわち、図12Aの座標軸の±Z方向)ことがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602の近接端部610は、本開示に先に記載された距離G2だけガラス管102の近接端部150から垂直に間隔が空けられることがある。あるいは、他の実施の形態において、吸引管602は、穿孔ジェット630がメニスカス350を穿孔した後、ガラス管102の近接端部150に向けて上方に割り出されることがある。
図12Aを参照すると、作動において、主要タレット108は、ガラス管102を分離ステーション206から穿孔ステーション212に割り出す。ガラス管102が一旦、穿孔ステーション212内の適所に入ったら、制御弁636は、ガラス管102の近接端部150にあるメニスカス350に亘りガス流を引き起こして、メニスカス350を開けるように開くことがある。メニスカス350が開けられたときに、制御弁636は、部分的または完全に閉じて、ガラス管102の近接端部150に亘りガス流を減少させるまたは停止させることがある。いくつかの実施の形態において、制御弁636は、開放または部分的開放位置に維持されて、ガラス管102の近接端部150で吸引を印加し続けることがある。いくつかの実施の形態において、穿孔ジェット630および制御弁636により生じるガスパルスは、コンバータ100のドウェル時間より短い持続時間を有することがある。さらに他の実施の形態において、ガスパルスは、コンバータ100のドウェル時間と割出時間の合計より短い持続時間を有することがある。穿孔ジェット630により生じるガスパルスの持続時間は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプに依存することがある。吸引システム600の制御弁614は、次に、吸引管602を通じてガラス管102の近接端部150に負圧パルスを送達するように作動することがある。いくつかの実施の形態において、吸引管602は、穿孔後であって、制御弁614が作動してガスパルスをガラス管102の近接端部150に送達する前に、適所に割り出されることがある。負圧パルスは、ガラス管102の内部容積内のガスおよび蒸気を下方(すなわち、図12Aの座標軸の-Z方向)に流して、ガラス管102の近接端部150を通じてガラス管102から流出させることがある。穿孔ジェット630を使用して、分離ステーション206において形成されたガラス管102のメニスカス350を開けると、穿孔ステーション212内の穿孔バーナ352をなくすことによって、ガラス管102の内面146上のガラスの蒸発した揮発性成分の堆積が減少するまたは防がれることがある。穿孔ジェット630でメニスカス350を穿孔した後に、ガラス管102の内部容積からガスおよび蒸気を排出するために吸引システム600を穿孔ジェット630と統合すると、ガラス管102の内面146上のガラスの蒸発した揮発性成分の堆積がさらに減少するであろう。ガラス管102の内面146上のガラスの蒸発した揮発性成分の堆積を減少させると、ガラス管102から製造されたガラス物品103のSHRが減少することがある。
図12Cを参照すると、代わりの実施の形態において、穿孔ジェット630は、コンバータ100の分離ステーション206に位置付けられることがある。穿孔ジェット630は、ガラス管102からのガラス物品103の分離およびガラス管102の近接端部150に亘るメニスカス350の形成の直後に、メニスカス350に亘りガスパルスを送達するように作られることがある。穿孔ジェット630は、図12Aおよび12Bに関して先に記載されたように、ガラス管102の近接端部150に対して位置付けられ、配向されることがある。
図12Cを参照すると、作動において、コンバータ100は、ガラス管102を分離ステーション206中に割り出す。ガラス管102が分離ステーション206内の適所にあるときに、分離バーナ348は、ガラス管102を加熱し、ガラス管102の近接端部150からガラス物品103を分離するように作動する。ガラス物品103がガラス管102から一旦分離されたら、分離中に、制御弁636が開いて、穿孔ジェット630により、ガラス管102の近接端部150で形成されたメニスカス350に亘りガスパルスを送達することがある。そのガスパルスは、メニスカス350に亘り流れ、メニスカス350上に吸引力を生じることがある。メニスカス350上の吸引力は、メニスカス350を穿孔して、ガラス管102の近接端部150を開けるのに十分であることがある。先に述べたように、分離ステーション206においてメニスカス350を開けるために分離ステーション206に穿孔ジェット630を組み込むと、穿孔バーナ352をなくすことによって、ガラス管102の内面146上へのガラスの蒸発した揮発性成分の堆積が減少するであろう。穿孔バーナ352をなくすと、コンバータ100の穿孔ステーション212を、例えば、加熱ステーション202などの異なるタイプの加工ステーション106に再構成することができるであろう。追加の加工ステーション106のために穿孔ステーション212を利用する能力は、加工時間が減少し、処理量が増加することによって、コンバータ100の効率を改善することができる。
ここで図13Aおよび13Bを参照すると、吸引システム600は、環状バーナ640、燃焼ガス供給源642、および制御弁646を備えることがある。環状バーナ640は、ガラス管102の近接端部150の周りに下向き(すなわち、図13Aの座標軸の-Z方向)の円錐火炎を生じるように作られることがある。下方に向けられた円錐火炎は、ガラス管102の近接端部150に負圧を生じる下降気流を生じることがある。いくつかの実施の形態において、環状バーナ640により生じる負圧は、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服して、ガラス管102を下方に通り、ガラス管102の近接端部150から出るガスおよび/または蒸気の流れを生じるのに十分なことがある。それに代えて、またはそれに加え、他の実施の形態において、環状バーナ640により生じた負圧は、分離ステーション206においてガラス管102の近接端部150に形成されたメニスカス350を穿孔するのに十分であることがある。
図13Bは、図13Aにおける基準線13Bの視点からとられた環状バーナ640の例示の実施の形態の底面図を示す。図13Bを参照すると、環状バーナ640は、バーナマニホールド648の半径方向内壁652内に画成された複数のジェット650を有する環状またはU字形バーナマニホールド648を備えることがある。いくつかの実施の形態において、ジェット650は、半径方向内壁652内に開口を含むことがある。あるいは、他の実施の形態において、ジェット650は、半径方向内壁652内の開口の各々に連結されたノズルをさらに備えることがある。複数のジェット650は、ガラス管102の近接端部150から離れる方向に配向されることがある。例えば、ジェット650の各々は、わずかに下方に(すなわち、図13の座標軸の-Z方向に)配向されることがある。図13Cを参照すると、各ジェット650は、ジェット650から下方に、ガラス管102の軸Dに向かって延在する中心線656を有することがある。ジェット650の中心線656は、ガラス管102の軸Dと交差して、中心線656と軸Dとの間に角度βを形成することがある。いくつかの実施の形態において、角度βは、10°から80°、20°から70°、または30°から60°など、0°超かつ90°未満であることがある。いくつかの実施の形態において、環状バーナ640のジェット650は、ガラス管102の近接端部150から離れる方向で垂直下方に向けられた略円錐火炎を生じることがある。
図13Bに示されるように、環状バーナ640は、環状バーナ640がガラス管102の近接端部150を取り囲むように、ガラス管102の軸Dを中心として位置付けられることがある。バーナマニホールド648は、底面図で見たときに(すなわち、図13Aの座標軸の+Z方向で見たときに)、バーナマニホールド648の半径方向内壁652が、半径方向距離Rだけガラス管102の外面140から半径方向に間隔が空けられるように、ガラス管102の幅W(すなわち、ガラス管102の外径)より大きい内径IDRを有することがある。
図13Aに戻ると、環状バーナ640は、ガラス管102の近接端部150の垂直に(すなわち、図13Aの座標軸の±Z方向)下に位置付けられることがある。環状バーナ640のバーナマニホールド648は、垂直方向(すなわち、図13Aの座標軸の±Z方向)の距離Fだけガラス管102の近接端部150から間隔が空けられることがある。いくつかの実施の形態において、距離Fは、環状バーナ640に、ガラス管102内の煙突効果を克服するのに、および/またはガラス管102の近接端部150上に形成されたメニスカス350を開けるのに、十分な負圧を生じさせるのに十分に小さいことがある。しかしながら、環状バーナ640とガラス管102の近接端部150との間の距離Fは、環状バーナ640がガラス管102の近接端部150と接触するほど小さいべきではなく、そのように接触すると、ガラス管102が複数のステーションの間で割り出されたときに、管から管へと寸法がばらつくであろう。いくつかの実施の形態において、距離Fは、25mm以下であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、距離Fは、20mm以下、15mm以下、10mm以下、またさらには5mm以下であることがある。距離Fは、ガラス管102の内径ID、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスのタイプにより影響を受けることがある。
いくつかの実施の形態において、環状バーナ640は、ガラス管102の近接端部150に対して、垂直方向(すなわち、図13Aの座標軸の±Z方向)に、または水平方向(すなわち、図13Aの座標軸のX-Y平面)に並進可能であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、環状バーナ640は、ガラス管102に対して加工ステーション106内の位置に出入りするように動かされることがある。
燃焼ガス供給源642は、導管654により環状バーナ640に流体連結されることがある。燃焼ガス供給源642は、燃料ガス、酸素、圧縮空気、酸素の豊富な空気、他の気体または気体の混合物の1つ以上を含むことがある。図13Aは、1つのガス供給源として燃焼ガス供給源642を示しているが、燃焼ガス供給源642は、燃料ガス供給源、酸素供給源、および燃焼用空気供給源(例えば、図3Aにおけるバーナ302に関して記載された燃料ガス供給源304、酸素供給源306、および燃焼用空気供給源308を参照のこと)などの多数のガス供給源を含むことがあることが理解されよう。図13Aを参照すると、制御弁646は、環状バーナ640の作動を制御するように、ガス供給源642と環状バーナ640との間に位置付けられることがある。制御弁646は、空気式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータの1つ以上を含むことがある。いくつかの実施の形態において、制御弁646はソレノイドを含むことがある。図13Aは、1つの制御弁646を示しているが、ガス供給源642が多数のガス供給源を含む場合、吸引システム600に多数の制御弁646が利用されることもあることが理解されよう。例えば、ガス供給源642が、燃料ガス供給源、酸素供給源、および燃焼用空気供給源を含む場合、吸引システム600は、燃料ガス、酸素、および燃焼用空気の各々に1つずつ、多数の制御弁646(例えば、図3Aにおけるバーナ302について記載された燃料ガス制御弁310、酸素制御弁312、および空気制御弁314と類似の)を備えることがある。他の構成も考えられる。制御弁646の位置は、待機モードと吸引モードとの間(すなわち、口火モードと完全火炎モードとの間)で環状バーナ640を移行させるように操作されることがある。
環状バーナ640を有する吸引システム600は、分離ステーション206、穿孔ステーション212、加熱ステーション202の内の1つ、成形ステーション204の内の1つ、または別の加工ステーション106など、特定の加工ステーション106での定位置に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、吸引システム600の環状バーナ640は、コンバータ100の穿孔ステーション212内に位置付けられることがある。環状バーナ640は、穿孔ステーション212においてガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに、ガラス管102の近接端部150に十分な負圧を生じることがある。ガラス管102のメニスカス350を穿孔するのに環状バーナ640を使用すると、穿孔ステーション212から穿孔バーナ352を排除することができる。穿孔バーナ352を排除すると、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を減少させることによって、ガラス管102の内面146上の蒸発した揮発性成分の堆積が減少するであろう。環状バーナ640は、メニスカス350を穿孔するために使用される場合、メニスカス350が穿孔された後に作動されて、負圧を生成し続けて、下方に(すなわち、図13Aの座標軸の-Z方向に)ガラス管102の内部容積を通じ、ガラス管102の近接端部150から出るガスおよび蒸気の流れを生じる。
あるいは、他の実施の形態において、穿孔ステーション212は、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するための穿孔バーナ352を備えることがある。これらの実施の形態の作動において、主要タレット108は、ガラス管102を穿孔ステーション212中に割り出す。ガラス管102が穿孔ステーション212内の適所にあるときに、穿孔バーナ352は、ガラス管102のメニスカス350を穿孔するように作動することができる。メニスカス350が穿孔された後、穿孔バーナ352は止められ、吸引システム600の環状バーナ640は、ガラス管102の近接端部150に負圧を生じるように機能することがある。その負圧は、下方に(すなわち、図13Aの座標軸の-Z方向にガラス管102の近接端部150に向かって)ガラス管102の内部容積を通じ、ガラス管102の近接端部150から出るガスおよび蒸気の流れを生じることがある。ガラス管102のメニスカス350を穿孔した直後にガラス管102の内部容積からガスおよび蒸気を環状バーナ640で排出すると、ガラス管102の内面146上のガラスの蒸発した揮発性成分の堆積が減少するであろう。
ここで図14Aおよび14Bを参照すると、吸引システム600は、ダクト676により空気処理装置674に流体連結された少なくとも1つの吸気口672を備えることがある排気システム670を含むことがある。空気処理装置674は、空気を吸気口672中に吸い込んでダクト676に通すことができることがある。吸気口672を通じて空気を吸い込むと、ガラス管102の近接端部150の区域に局所負圧が生じることがある。この負圧は、穿孔ステーション212における穿孔バーナ352または加熱ステーション202の内の1つにおけるバーナ302の内の1つにより生じる煙突効果を克服するのに十分であることがある。その負圧は、煙突効果を克服することにより、ガラス管102の近接端部150に向かい、ガラス管102から出るガラス管102の内部容積内のガスおよび蒸気の流れを生じ、それによって、ガラス管102の内部容積からそのガスおよび/または蒸気を排出することがある。先に述べたように、そのガスおよび/または蒸気を排出すると、ガラス管102の内面146上のガラスの蒸発した揮発性成分の凝結が減少するかまたはなくなり、それによって、ガラス管102またはそれから製造されたガラス物品103のSHRが減少することがある。
図14Aおよび14Bを参照すると、吸気口672は、ガラス管102の近接端部150でガラス管102の外面140から距離Mに位置付けられることがある入口開口678を有することがある。いくつかの実施の形態において、吸気口672は、加工ステーション106と主要タレット108との間に位置付けられ、吸気口672の入口開口678が距離Mだけ加工ステーション106内にあるガラス管102から半径方向に間隔が空けられるように配向されることがある。あるいは、他の実施の形態(図示せず)において、吸気口672は、ガラス管102の近接端部150の直接下に位置付けられ、入口開口678が垂直上方(すなわち、図14Aおよび14Bの座標軸の+Z方向)に面するように、配向されることがある。これらの実施の形態において、吸気口672は、距離Mだけガラス管102の近接端部150から軸方向に間隔が空けられることがある。
距離Mは、排気システム670が、ガラス管102の内部容積内の煙突効果を克服するのに十分な負圧をガラス管102の近接端部150に生じるのに十分に小さいことがある。しかしながら、距離Mが小さすぎると、吸気口672は、ガラス管102および/またはコンバータ100におけるわずかな寸法のばらつきのために、ガラス管102が加工ステーション106に出入りするように割り出されたときに、ガラス管102の近接端部150に接触するかもしれない。それに加え、距離Mが小さすぎると、吸気口672は、穿孔ステーション212の穿孔バーナ352または加熱ステーション202の内の1つのバーナ302などのバーナの性能を低下させることがある。いくつかの実施の形態において、距離Mは、25mm以下であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、距離Mは、20mm以下、15mm以下、10mm以下、または5mm以下であることがある。他の実施の形態において、距離Mは、2mmから25mm、2mmから20mm、2mmから15mm、2mmから10mm、2mmから5mm、5mmから25mm、5mmから20mm、5mmから15mm、または5mmから10mmであることがある。
空気処理装置674は、以下に限られないが、送風機、扇風機、ポンプ、真空ポンプ、他の真空装置または空気処理装置、もしくはこれらの組合せの1つ以上を含むことがある。空気処理装置674を吸気口672に連結するダクト676としては、剛性ダクト、可撓性ダクト、またはその両方の組合せが挙げられるであろう。可撓性ダクトは、ガラス管102の近接端部150に対する吸気口672の位置を調整することができる。いくつかの実施の形態において、加工ステーション106への吸気口672およびダクト676の近接性のために、吸気口672およびダクト676は、加工ステーション106におけるガラス管102の近傍に生じる加熱されたガスおよび蒸気の温度に耐えられる耐熱性材料から作製されることがある。耐熱性材料の例としては、金属、セラミック、耐火材料、耐熱性プラスチック、他の耐熱性材料、またはこれらの組合せが挙げられるであろう。
いくつかの実施の形態において、排気システム670は、必要に応じて、ダクト676内、ダクト676と空気処理装置674との間、またはダクト676と吸気口672との間に配置された調整弁680を備えることがある。調整弁680は、排気システム670を通る気流を調整し、それによって、ガラス管102の近接端部150で排気システム670により生成された負圧を制御するように調節可能なことがある。調整弁680は、空気式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータの1つ以上を含むことがある。いくつかの実施の形態において、調整弁680はソレノイドを含むことがある。
図14Aおよび14Bを参照すると、吸気口672は、分離ステーション206、穿孔ステーション212、加熱ステーション202の内の1つ、成形ステーション204の内の1つ、またはこれらの組合せなどの加工ステーション106に位置付けられることがある。いくつかの実施の形態において、吸引システム600は複数の吸気口672を含むことがあり、吸気口672の各々は、加工ステーション106の内の1つに位置付けられている。作動において、吸気口672は、先に記載したように、ガラス管102の近接端部150の隣またはその下に位置付けられることがある。空気処理装置674は、吸気口672から空気処理装置674に向かってダクト676を通じて気流を生じることがある。ガラス管102の近接端部150の近傍からの空気は、ダクト676を通じた空気の流れにより吸気口672に吸い込まれ、それによって、ガラス管102の近接端部150の近傍に負圧が生じる。その負圧は、煙突効果を克服し、ガラス管102の内部のガスおよび蒸気が、ガラス管102の近接端部150に向かって流れ、ガラス管102から流出することがある。
図15Aおよび15Bを参照すると、いくつかの実施の形態において、吸気口672は、例えば、分離ステーション206と穿孔ステーション212との間、または穿孔ステーション212と下流の加工ステーション106との間など、複数の加工ステーション106の間に位置付けられることがある。図15Aは、穿孔ステーション212および穿孔ステーション212の下流にある加熱ステーション202の間に位置付けられた吸気口672を示している。吸気口672は、ガラス管102が2つの加工ステーション106の間に割り出されたときに、ガラス管102がとる経路を映すような形状であることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、吸気口672は、それらの加工ステーション106の間に割り出されたときに、ガラス管102の弓状の進行路と一致するように細長く湾曲していることがある。図15Aおよび15Bに示されるように、吸気口672は、開口678が、ガラス管102の近接端部150に面して垂直上方(すなわち、図15Aの座標軸の+Z方向)に配向された、細長い弓状の漏斗のような形状であることがある。あるいは、他の実施の形態において、コンバータ100は、直線状配列の加工ステーション106を有することがあり、吸気口672は、それらの加工ステーション106の間のガラス管102の直線状経路にしたがうように、上面図で見たときに、長方形であることがある。吸気口672は、先に記載された距離Mだけ、ガラス管102の近接端部150から垂直に(すなわち、図15Aの座標軸の±Z方向に)間隔が空けられることがある。
図15Bを参照すると、作動において、ドウェル時間の終わりに、コンバータ100は、穿孔ステーション212から穿孔ステーション212の下流にある加熱ステーション202へとガラス管102を割り出すことがある。排気システム670は、吸気口672の上の区域に連続的な負圧を生じるように連続的に作動することがある。割出時間中にガラス管102が穿孔ステーション212から排出されるときに、ガラス管102の近接端部150は、排気システム670の吸気口672の上をそれに沿って移動し、それによってガラス管102の近接端部150を吸気口672の上の負圧に曝すことがある。先に述べたように、ガラス管102が吸気口672に沿って移動するときに、排気システム670により生じた負圧は、ガラス管102内の煙突効果を克服し、ガラス管102中のガスおよび蒸気を、ガラス管102の近接端部150に向けて流し、ガラス管102から流出させることがある。ガラス管102が、回転の最後の部分中に分離ステーション206に入るときに、ガラス管102は、吸気口672を越えて通過し、吸気口672の上で生じた負圧領域から出ることがある。
図5~8を参照すると、内面146を有するガラス管102から物品103を製造する方法は、ガラス管102を、少なくとも1つの加熱ステーション202および少なくとも1つの成形ステーション204を含む複数の加工ステーション106を有するコンバータ100に導入する工程、および少なくとも1つの加熱ステーション202でガラス管102の近接端部150を加熱する工程であって、その加熱中にガラス管102からアルカリが放出される工程を含むことがある。この方法は、少なくとも1つの成形ステーション204においてガラス管102の近接端部150で物品103の少なくとも1つの特徴を形成する工程、分離ステーション206でガラス管102の近接端部150から物品103を分離する工程、およびガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程をさらに含む。そのガス流は、ガラス管102の内部の雰囲気の少なくとも一部を除去するように機能する。いくつかの実施の形態において、ガラス管102から放出されるアルカリによる内面146の汚染は、少なくとも減少している。
いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102の遠位端部152から近接端部150に向かってガス流を発生させる工程を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102から物品103を分離する工程は、熱分離中にガラス管102の近接端部150上にガラスのメニスカス350が形成されるように、ガラス管102から物品103を熱分離する工程を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラスのメニスカス350を開くことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102の近接端部150に隣接してガラス管102の縦軸に対して垂直な正のガス流を発生させる工程を含むことがある。それに代えて、またはそれに加え、いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102の外部で、ガラス管102の縦軸に関して非ゼロ角度で正のガス流を発生させる工程を含むことがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102の遠位端部152にガスパルスを導入する工程を含むことがある。これらの実施の形態のいくつかにおいて、ガラス管102から物品103を分離する工程は、ガラス管102から物品103を熱分離し、ガラス管102の近接端部150に亘りガラスのメニスカス350を形成する工程を含むことがある。そのガスパルスは、ガラス管102のメニスカス350を開けるのに十分であることがある。いくつかの実施の形態において、そのガスパルスは、コンバータ100のドウェル時間と割出時間の合計よりも短い持続時間を有することがある。いくつかの実施の形態において、前記方法は、ガラス管102の長さの変化に応答して、ガスパルスの流量または体積を調節する工程をさらに含むことがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102の近接端部150で負圧を生じる工程を含むことがある。ガラス管102の近接端部150で負圧を生じる工程は、ガラス管102の近接端部150に隣接して負圧パルスを生じる工程を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その負圧パルスは、熱分離中に、ガラス管102の近接端部150で形成されたメニスカス350を開けるのに十分であることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流を発生させる工程は、ガラス管102から物品103を熱分離する最中に、そのガラス管上に形成されたガラスのメニスカス350の表面に半径方向に亘りガス流を発生させる工程を含み、そのガス流は、メニスカス350を開けるのに十分な負圧を生じる。いくつかの実施の形態において、ガラス管102の近接端部150に隣接したガス流は、ガラス管102が複数の加工ステーション106の内の少なくとも1つに位置付けられているときに、生じることがある。あるいは、他の実施の形態において、その方法は、複数の加工ステーション106の内の2つの間にガラス管102を割り出す工程をさらに含むことがあり、ガラス管102の近接端部150に隣接したガス流は、ガラス管102を複数の加工ステーション106の内の2つの間に割り出している間に生じることがある。
ここで図16A~20を参照すると、転換過程中にガス流システム900を使用して、ガラス管102の内面146上の堆積物の形成を減少させるおよび/または防ぐためのガス流システム900および方法の実施の形態が開示されている。これらのシステムおよび方法は、ガラス管102を通じてガス流またはガスパルス(すなわち、限定された持続時間に亘るガス流)を導入して、分離ステーション206または穿孔ステーション212において、ガラス管102の近接端部150に形成されたガラスのメニスカス350を開けることによって、ガラス管102の内面146上のガラスの揮発性成分の堆積物の形成を減少させるおよび/または防ぐことがある。穿孔バーナ352を使用する代わりに、ガス流システム900により送達させるガス流またはガスパルスは、メニスカス350を開けるのに十分であることがある。ガス流システム900により導入されるガスパルスは、ガラス管102の遠位端部152から近接端部150に(すなわち、図16Aの座標軸の-Z方向に)ガラス管102を通過することがある。このように、ガス流システム900により、コンバータ100の穿孔バーナ352をなくす、および/または穿孔ステーション212をなくすことができるであろう。コンバータ100から穿孔バーナ352を排除すると、ガラス管102の内面146上のガラスの揮発性成分の堆積を生じることがある、煙突効果が低下することがある。それに加え、穿孔バーナ352を除去すると、穿孔ステーション212を、例えば、加熱ステーション202などの別のタイプの加工ステーション106に転換できるであろう。
図16A~16Bを参照すると、コンバータ100は、ガラス管102の遠位端部152中にガス流またはガスパルスを送達し、それによって、遠位端部152から近接端部150にガラス管102を通るガス流を生じるように機能するガス流システム900を備えることがある。いくつかの実施の形態において、ガス流システム900は、分離ステーション206においてガラス管102からガラス物品103を分離した直後に、ガラス管102を通じてガスパルスを導入するように機能することがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102を通るガス流またはバスパルスは、分離ステーション206でのガラス管102からのガラス物品103の分離後にガラス管102の近接端部150に形成されたメニスカス350を開けるのに十分であることがある。さらに他の実施の形態において、ガス流システム900は、ガラス管102内の煙突効果に反対に作用し、ガラス管102の内面146上のガラスの揮発性成分の堆積を減少させるまたは防ぐために、例えば、加熱ステーション202または成形ステーション204など、他の加工ステーション106でガラス管102を通るガスパルスを送達するように機能することがある。
図16Aおよび17を参照すると、コンバータ100のホルダ130の位置の各々について、ガス流システム900は、ガラス管102の遠位端部152と係合可能なガラス管コネクタ902を備えることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、例えば、ゴムなどの弾性材料から製造された栓であることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、ポリテトラフルオロエチレン(Chemoursにより市販されているテフロン(登録商標))、シリコーン、Viton、ニトリルゴム(Buna N)、他のフルオロポリマー、またはこれらの組合せの1つ以上を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、医薬組成物との接触に承認された弾性材料であることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、ガラス管102の内面146との締まり嵌めによりガラス管102の遠位端部152と係合可能であることがある。ガラス管コネクタ902の少なくとも一部はガラス管102内に配置され、ガラス管コネクタ902の外面の一部がガラス管102の内面146と接触して、ガラス管コネクタ902とガラス管102の内面146との間に気密シールを生成することがある。あるいは、ガラス管コネクタ902は、キャップの内面とガラス管102の内面146との間の締まり嵌めなどにより、ガラス管102の遠位端部152の外面と係合可能なキャップであることがある。
図17を参照すると、ガラス管コネクタ902は、ガラス管コネクタ902を通じて縦方向に(すなわち、図17の座標軸の±Z方向に)延在する中心穴914を備えることがある。スイベルコネクタ904が、ガラス管コネクタ902に連結され、可撓性導管906に連結されることがある。いくつかの実施の形態において、スイベルコネクタ904の一部は、ガラス管コネクタ902の中心穴914内に配置されることがある。スイベルコネクタ904は、ガラス管コネクタ902を可撓性導管906に対して回転させるように旋回または回転することがあり、これにより、ガラス管102が1つ以上の加工ステーション106内でホルダ130により回転されたときに、ガラス管コネクタ902がガラス管102と共に回転することができるであろう。
図16Aを参照すると、各可撓性導管906は、弁908に連結されて、弁908をガラス管コネクタ902およびガラス管102の遠位端部152に流体連結することがある。弁908は、ガス流を制御するのに適したどのタイプの弁であってもよい。弁908に適した弁の例としては、以下に限られないが、ボール弁、仕切弁、玉形弁、バタフライ弁、または他のタイプの弁が挙げられるであろう。弁908の各々は、弁908を開閉して、ガラス管コネクタ902へのガス流を制御するように作られた弁アクチュエータ910に動作可能に連結されることもある。弁アクチュエータ910は、空気式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータであってよい。いくつかの実施の形態において、弁アクチュエータ910はソレノイドであることがある。
図18および19を参照すると、ガラス管コネクタ902の各々に関する弁908は、マニホールド920に流体連結されることがある。いくつかの実施の形態において、マニホールド920は、コンバータ100の作動中に、主要タレット108と共に回転するために主要タレット108に機械的に連結されることがある。マニホールド920は、ガス供給導管922および回転結合体924を通じてガス供給源504に流体連結されることがある。マニホールド920は、図18および19において、円形を有すると示されているが、マニホールド920は他の形状を有してもよい。例えば、いくつかの実施の形態において、コンバータ100は、直線状配置の加工ステーション106を有することがあり、マニホールド920は、ガラス管102が加工ステーション106を通じて割り出されているときに、ガラス管102の直線経路に対応する直線状配置を有することがある。
図19を参照すると、いくつかの実施の形態において、ガス流システム900は、流量計918を備えることがある。流量計918は、質量流量計、質量流量調整器、または体積流量計であることがある。いくつかの実施の形態において、流量計918は、弁908とマニホールド920との間に配置されることがある。あるいは、他の実施の形態において、流量計918は、弁908とガラス管コネクタ902との間など、弁908の下流に位置付けられることがある。さらに他の実施の形態において、流量計918は、マニホールド920とガス供給源504との間など、マニホールド920の上流に位置付けられることがある。
図18および19を参照すると、マニホールド920は複数の分配ポート921を備えることがある。各分配ポート921は、複数の弁908の内の1つに取り外し可能に連結できるコネクタ923を備えることがある。あるいは、他の実施の形態において、弁908の各々は、分配ポート921の内の1つで、コネクタ923と分配ポート921との間に位置付けられることがある。これらの実施の形態において、各コネクタ923は、可撓性導管906の内の1つに直接連結されることがある。
ガス流システム900の作動中、ガスは、ガス供給源504からマニホールド920中に流れることがある。マニホールド920は、分配ポート921の各々にガス流を分配することがある。弁アクチュエータ910を始動させた際に、ガスは、弁908、可撓性導管906、およびガラス管コネクタ902を通って流れて、ガラス管102の遠位端部152中にガスパルスを送達する。ガス供給源504からのガスは、圧縮空気、窒素、不活性ガス、反応ガス、他の気体または気体の組合せを含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガス供給源のガスは、アルゴンなどの不活性ガスであることがあり、これにより、ガラス管102の内面146上に堆積物を形成する可能性がさらに低下するであろう。
いくつかの実施の形態において、ガスパルスは、加工ステーション106の全てを一回循環するのに主要タレットが要する時間よりも短いことがあるパルス持続時間を有することがある。あるいは、他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100のドウェル時間より短いことがある。さらに他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100の割出時間より短いことがある。さらに他の実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータのドウェル時間と割出時間の合計より短いことがある。いくつかの実施の形態において、パルス持続時間は、コンバータ100の割出時間とドウェル時間の合計より短いことがある。パルス持続時間は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスタイプに影響を受けることがある。
新たなガラス管102がコンバータ100のホルダ130の内の1つに装填されるときに、そのホルダの位置からのガラス管コネクタ902は、消費されたガラス管102の遠位端部152から取り外され、新たなガラス管102がホルダ130内に装填され、ガラス管コネクタ902は、新たなガラス管102の遠位端部152中に挿入されることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、1つのガラス管から取り外され、コンバータ100の操作者により手動で新たなガラス管中に挿入されることがある。他の実施の形態において、ガラス管コネクタ902を取り外し、ガラス管コネクタ902を新たなガラス管中に挿入するために、挿入装置960が使用されることがある。挿入装置960は、ガラス管コネクタ902を取り外し、ガラス管102の遠位端部152中に挿入することができる空気式、油圧式、電気機械式、または電磁装置であることがある。例えば、挿入装置960は、図18に示されたようなロボット式アームであることがある。他のタイプの挿入装置960が考えられる。
図16A~16Bを参照すると、分離ステーション206においてガラス管102からガラス物品103を分離した直後に、ガラス管102中にガスパルスを導入して、分離直後にメニスカス350を開けるために、ガス流システム900が利用されることがある。図16Aを参照すると、分離ステーション206において、分離バーナ348がガラス管102の分離領域346を加熱して、ガラス管102から物品103を分離する。図16Bを参照すると、物品103がガラス管102から分離された直後に、分離ステーション206において、分離ステーション206に対応する弁アクチュエータ910が起動して、弁908を部分的または完全に開いて、ガスを、ガス供給源504から、弁908に通し、ガラス管102の遠位端部152中に流すことができるであろう。ガラス管102を通るガス流は、ガラス管102の近接端部150の上に形成されたメニスカス350を開けるのに十分であることがある。いくつかの実施の形態において、弁アクチュエータ910は、メニスカス350の開放後にある期間に亘り開放または部分開放位置に弁908を維持して、ガラス管102の内部容積から蒸発した揮発性成分をさらに排出することがある。その期間が経過したときに、弁アクチュエータ910は、弁908を閉じて、ガラス管102の遠位端部152に入るガスパルスを終わらせるように作動することがある。
いくつかの実施の形態において、ガス流システム900は、分離ステーション206以外の1つ以上の加工ステーション106でガラス管102の遠位端部152にガスパルスを送達するように作られることがある。例えば、ガス流システム900は、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、冷却ステーション210、他の加工ステーション106、または加工ステーションの組合せで、ガラス管102の遠位端部152にガスパルスを送達するように作られることがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス管102の遠位端部152に導入されたガスパルスは、ガラス管102からのガラス物品103の分離後に、ガラス管102のメニスカス350を開けるのに十分なガスパルス中のガスの体積流量を有することがある。さらに他の実施の形態において、ガスパルス中のガスの体積流量は、ガラス管102の内部容積からガスおよび蒸気を排出するのに十分なことがある。しかしながら、ガスパルス中のガスの体積流量が多すぎると、ガラス管102の望ましくない冷却が行われるであろう。ガスパルス中のガスの体積流量は、ガラス管102の内径ID(図4)、工程速度、コンバータの設定、および/またはガラスタイプに影響を受けることがある。
コンバータ100の加工ステーション106を通じてガラス管102の多数のサイクル中、ガラス管102から各ガラス物品103が分離されるにつれて、ガラス管102の長さは減少し、これによりガラス管102の内部容積が減少する。ガラス管102の内部容積が減少するにつれて、メニスカス350の形成を防ぐのに、分離後にメニスカス350を穿孔するのに、またはガラス管102の内部容積から蒸気を排出するのに十分なガスの体積流量または質量流量も、減少するであろう。同様に、ガラス管102の内部容積が減少するにつれて、分離後にメニスカス350を開けるのに、またはガラス管102の内部容積から蒸気を排出するのに十分なガスパルスの圧力も減少するであろう。いくつかの実施の形態において、ガス流システム900を備えたコンバータ100の作動は、ガラス管102の長さの変化に応答して、ガスパルスの持続時間、ガスパルスの圧力、ガスパルスの体積流量(または質量流量)の少なくとも1つを変更することを含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガスパルス中のガスの体積流量および/または圧力は、ガラス管102の長さの減少毎に減少するであろう。ガラス管102に導入されるガスパルスの体積は、弁908が開いている期間を変えることによって変更されることがある。ガスパルスの体積または質量流量は、質量流量調整器または質量流量計を利用することによって変えられることもある。あるいは、他の実施の形態において、ガスパルス中のガスの体積流量および/または圧力は、分離後にメニスカス350を開けるのに、またはそこからガラス物品103を分離する前の最大長を有する新たなガラス管102について、ガラス管102の内部容積から蒸気を排出するのに十分な体積流量に設定されることがある。
ガラス管102からガラス物品103を熱分離した直後に分離ステーション206においてメニスカス350を開けることによって、ガス流システム900は、穿孔ステーション212から穿孔バーナ352を排除することがある。穿孔ステーション212から穿孔バーナ352を排除すると、ガラス管102の内面146上に堆積した蒸発した揮発性成分の量が減少することがあり、これにより、ガラス管102から製造されたガラス物品103のSHRが減少することがある。ガス流システム900は、ガラス管102の内部容積を排気するために、ガスパルスを、加熱ステーション202および成形ステーション204などの他の加工ステーション106中に導入するために利用されることもあり、これにより、ガラス管102の内面146上の蒸発した揮発性成分の堆積物がさらに減少するまたは防がれることがある。さらに、穿孔ステーション212から穿孔バーナ352を排除すると、穿孔ステーション212を、加熱ステーション202または成形ステーション204など、別のタイプの加工ステーション106に再構成することができるであろう。例えば、穿孔ステーション212は、下流の成形ステーション204の前に、ガラス管102の近接端部150の厚さをさらに増加させるために、成形ステーション204に再構成されることがある。いくつかの実施の形態において、穿孔ステーション212を完全に除去して、コンバータ100の加工ステーション106の数を減少させ、それによって、処理量を増加させることによって、コンバータ100の効率を増加させることがある。それに加え、ガスパルスは、分離もしくは他の加熱または成形操作の後、ガラス管102の内面146を冷却することがある。例えば、ガスパルスは、ガラス管102の内面146を冷却する期間に亘り、ガラス管102からガラス物品103を分離した後に継続し、それによって、ガラス管102が、ガラスの揮発性成分を蒸発させるのに十分な温度に暴露される時間を減少させることがある。
図18および19に関して先に記載されたように、ガス流システム900は、コンバータ100のホルダ130の各々に対応するガラス管コネクタ902の各々について、弁908および弁アクチュエータ910を備えることがある。あるいは、いくつかの実施の形態において、ガス流システム900は、図20に示されるように、1つの弁908aおよびその弁に作動可能に連結された1つのアクチュエータ910aを備えることがある。図20を参照すると、ガス流システム900は、内側リング930および内側リング930を取り囲むように位置付けられ、内側リング930に対して回転可能な外側リング940を有するマニホールド920aを備えることがある。ガス流システム900のマニホールド920aは、内側リング930および外側リング940をよりよく示すために分解図で図20に概略示されている。内側リング930は、取り付けられたときに、内側リング930の外面936が外側リング940の内面946と摺動自在に接触するように、外側リング940内に位置付けられることがある。内側リング930は、内側リング930の中央領域934から内側リング930の外面936まで延在するガス供給通路932を有することがある。ガス供給通路932は、入口連結器935に流体連結されることがある。入口連結器935は、ガス供給導管922を通じて、1つの弁908aと流体連通することがある。内側リング930は、内側リング930がコンバータ100の作動中に静止したままであり、主要タレット108と共に回転しないように、1つ以上の固定支点938に堅く連結されることがある。固定支点938は、例えば、壁、天井、床、またはコンバータの台などの静止物体に連結されることがある。
いくつかの実施の形態において、内側リング930は、1つのガス供給通路932を有することがある。内側リング930は、1つのガス供給通路932が特定の加工ステーション106に向けられるように配向されることがある。いくつかの実施の形態において、1つのガス供給通路932は、コンバータ100の分離ステーション206に対応するように位置付けられることがある。他の実施の形態において、1つのガス供給通路932は、穿孔ステーション212に対応するように位置付けられることがある。あるいは、いくつかの実施の形態において、内側リング930は、ガスが、加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、穿孔ステーション212、または加工ステーション106の組合せなど、複数の加工ステーション106に同時に導入されるように、複数のガス供給通路932を有することがある。
図20を参照すると、外側リング940は、外側リング940が主要タレット108と共に回転し、内側リング930に対して回転するように、1つ以上の外側リング支点948により主要タレット108に連結されることがある。外側リング940は、外側リング940の内面946から外面947まで外側リング940を通って延在する複数のガス送達通路942を有することがある。外側リング940は、外側リング940に連結された複数のコネクタ923を備えることがある。コネクタ923の各々は、ガス送達通路942の内の1つと流体連結されることがある。コネクタ923の各々は、可撓性導管906(図19)の内の1つを通じてガラス管コネクタ902(図19)の内の1つに流体連結されることがある。
図20を参照すると、主要タレット108を割り出すと、外側リング940が回転することがある。割出時間の終わりに、主要タレット108がガラス管102の各々を次の加工ステーション106に位置付けるときに、内側リング930のガス供給通路932は、外側リング940のガス送達通路942の内の1つと揃い、それによって、1つの弁908aとガス送達通路942との間の流体連通が確立されることがある。次に、弁アクチュエータ910が作動して、弁908を開いて、ガス供給源504からのガスをガス供給導管922、ガス供給通路932、およびガス送達通路942に通し、ガラス管102にガスパルスを送達することが望ましい加工ステーション106に対応する分配ポート921中に流すことができるであろう。そのガスパルスは、コネクタ923および可撓性導管906を通り、加工ステーション106内に位置付けられたガラス管102の遠位端部152中に通過する。ドウェル時間の終わりに、主要タレット108は回転して、ガラス管102を次の加工ステーション106に割り出すことがある。外側リング940は主要タレット108と共に回転するので、ガス送達通路942は、ガス供給通路932と揃った状態から外れるように回転し、続くガス送達通路942が、ガス供給通路932と揃う状態に回転する。
図16Aを参照すると、いくつかの実施の形態において、ガス流システム900は、分離ステーション206などの特定の加工ステーション106に位置付けられたただ1つのガラス管コネクタ902を備えることがある。可撓性導管906は、ガス供給源504から1つのガラス管コネクタ902へのガス流を制御するために、1つのガラス管コネクタ902を弁908に流体連結することがある。分離ステーション206では、ガラス管コネクタ902は、分離ステーション206中に割り出されたガラス管102の遠位端部152中に挿入されることがある。ガラス管コネクタ902が一旦挿入されたら、ガラス管102からのガラス物品103の分離が始められる。分離が完了し、メニスカス350が開けられた後、ガラス管コネクタ902はガラス管102から取り外され、ガラス管102は次の加工ステーション106に割り出されることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管コネクタ902は、コンバータ100の操作者によって手動でガラス管102から取り外されることがある。他の実施の形態において、ガラス管コネクタ902を取り外し、ガラス管コネクタ902を新たなガラス管102に挿入するために、挿入装置960(図18)が使用されることがある。この挿入装置は、ガラス管コネクタ902を取り外し、ガラス管102の遠位端部152の中に挿入することができる、空気式、油圧式、電気機械式、または電磁装置であることがある。例えば、ガラス管コネクタ902を取り外し、それをガラス管102中に挿入するために、ロボット式アームが使用されることがある。
図16A~20を参照すると、内面を有するガラス管102から物品103を製造する方法は、少なくとも1つの加熱ステーション202および少なくとも1つの成形ステーション204を含む複数の加工ステーション106を有するコンバータ100にガラス管102を導入する工程、および少なくとも1つの加熱ステーション202でガラス管102の近接端部150を加熱する工程を有してなることがある。加熱中に、ガラス管102からアルカリが放出される。この方法は、少なくとも1つの成形ステーション204においてガラス管102の近接端部150で物品103の少なくとも1つの特徴を成形する工程、分離ステーション206でガラス管102の近接端部150から物品103を分離する工程、およびガス流システム900によりガラス管102の遠位端部152にガス流を導入する工程をさらに含むことがある。ガス流システム900は、ガス供給源504および複数のガラス管コネクタ902に流体連結可能なマニホールド920を備えることがある。各ガラス管コネクタ902は、ガラス管102の遠位端部152に取り外し可能に連結可能であり、導管906によりマニホールド920に流体連結されることがある。ガラス管コネクタ902の少なくとも1つについて、ガス流システム900は、ガスをマニホールド920から導管906を通じ、ガラス管コネクタ902を通じ、ガラス管102の遠位端部152中に通過させるように機能することがある。ガスをガラス管102の遠位端部152中に通過させると、ガラス管102の近接端部150に隣接してガス流が生じることがある。そのガス流は、ガラス管102の内部から雰囲気の少なくとも一部を除去し、ガラス管102から放出されるアルカリによるガラス管102の内面146の汚染を減少させるように機能することがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス管102から物品103を分離する工程は、ガラス管102の近接端部150に亘りガラスのメニスカス350を生じる熱分離を含むことがあり、ガラス管102の近接端部150に隣接したガス流は、メニスカス350を開けるのに十分であることがある。いくつかの実施の形態において、ガス流を導入する工程は、ガラス管102の遠位端部152にガスパルスを導入する工程を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガスパルスは、コンバータのドウェル時間および割出時間の合計より短い持続時間を有することがある。いくつかの実施の形態において、ガスパルスは、ガラス管102からの物品103の熱分離中に形成されるメニスカス350を開けるのに十分であることがある。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、ガラス管102の遠位端部152に複数のガスパルスを導入する工程を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その方法は、ガラス管102の長さの変化に応答して、ガスパルスの持続時間、ガスパルスの圧力、またはガスパルスの体積流量の内の少なくとも1つを制御する工程をさらに含むことがある。ガラス管102が複数の加工ステーション106の内の1つに位置付けられているときに、ガラス管102の遠位端部152にガス流が導入されることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス管102がコンバータ100の分離ステーション206または穿孔ステーション212に位置付けられるときに、ガラス管102の遠位端部152にガス流が導入されることがある。
以下の実施例は、コンバータ内でガラス管から製造されたガラス物品のSHRを減少させるための開示のシステムおよび方法の作動を示す。以下の実施例は、Corning Incorporatedにより製造され市販されているVALOR(商標)ガラスなど、アルミノケイ酸塩ガラス管から製造されたガラス物品のSHRを減少させるための開示のシステムおよび方法の使用を示す。そのアルミノケイ酸塩ガラス管は、転換後にガラス管を徐冷および/またはイオン交換することによって、さらに加工されることがある。「VALOR」ガラスなどのいくつかのアルミノケイ酸塩ガラス組成物について、転換工程に続く、徐冷および/またはイオン交換工程は、ガラス物品のSHRを著しく減少させる。以下の実施例は、転換過程から得られるガラス管のSHRのみに対する開示のシステムおよび方法の効果を示し、その後の徐冷および/またはイオン交換過程の効果を含まない。それゆえ、以下の実施例に提示されたSHRデータは、転換過程からのSHRを反映し、最終的なガラス物品のSHRを示していない。開示のシステムおよび方法の作動により、医薬包装に従来使用されている、ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラスなどの異なるタイプのガラスについて異なる結果を生じることがある。ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラスの蒸発挙動は、アルミノケイ酸塩ガラスの蒸発挙動と異なる。徐冷過程におけるSHR相互作用も、アルミノケイ酸塩ガラスと比べて、ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラスについて異なるであろう。したがって、開示のシステムおよび方法により生じるSHR結果およびSHRの軽減が最も効果的なコンバータのプロセス区域は、アルミノケイ酸塩ガラス組成物と比べて、ホウケイ酸およびソーダ石灰ガラス組成物について、異なると予測されることを理解すべきである。
実施例1
アルミノケイ酸塩ガラス管を、コンバータを使用してガラスバイアルに転換した。このアルミノケイ酸塩ガラス管は、Corning Incorporatedにより製造された「VALOR」ガラス管であった。使用したコンバータは、AMBEG Dr.J.Dichter GmbHにより製造された、Automatic Tube Feederを備えたVial Forming Machine Model RP16であった。この装置は、主要サーキットに16の加工ステーションを、補助サーキットに8の補助加工ステーションを備えた。実施例1に使用されたコンバータの主要サーキットの加工ステーションの説明が、下記の表1に与えられている。
そのコンバータに、図5によるガス流システムが備えられていた。図5の装置は、コンバータ上の全ての管への連続ガス流を可能にする、またはガラス管にガス流パルスを送達するためにガス流を周期的にオン・オフするように設定可能であった。さらに、その装置は、コンバータ上の特定の位置でガス流を送達する効率を試験するために、ガスをただ1つの管に送達するように接続することができた。ガス流が送達されていない期間に、端部キャップが存在し、それゆえ、管の上部は、送達装置により事実上閉じられていることに留意のこと。この実施例において、31部毎分(ppm)のコンバータ速度で、外径16.75mm、壁厚1.1mmのガラス管を使用して、ISO 2Rとほぼ同じバイアルを製造するために、コンバータを設定した。
従来の加工手順に対するベースライン比較を与えるために、ガス流システムを取り付けないコンバータを使用して、対照群のバイアル(試料1A)を製造した。選択された加工ステーションでガラス管の遠位端部にガスパルスを導入するためにガス流システムを使用したコンバータで、追加のバイアル(試料1B、1C、1D、1E、および1G)を製造した。最後に、ガス流システムが選択された加工ステーションに取り付けられたが、ガラス管の遠位端部にガスパルスを送達するために利用されない(すなわち、管の上部は、工程の始めから終わりまで事実上キャップされていた)コンバータで、一群のバイアル(試料1F)を製造した。以下の表2は、試料番号およびガスパルスが送達された加工ステーションの相互参照表を与える。
実施例1の試料バイアルの各々を、USP<660>に記載されたSurface Glass TestにしたがってSHRについて評価した。SHR評価は、徐冷されなかったが、いずれの転換後加工の前の転換されたままの状態にある、試料バイアルについて行った。実施例1の試料の各々に関するSHR評価の結果が、100ミリリットルの分析物当たりHClのミリリットルの単位(ml/100ml分析物)で図22に与えられている。図22に示されるように、試料1Aは、ガラス管の遠位端部でガスパルスまたはパージを導入せずに製造された転換ガラスバイアルのベースラインSHRを表す。
1Fの場合、ガス流システムが取り付けられたが、転換過程中にガラス管の遠位端部にガスパルスを送達するために、ガス流は使用されなかった。その代わりに、ガス流システムは、ガラス管の1つの開放端部を遮断することによって、ガラス管の内部容積を上に通るガスおよび蒸気の流れを防ぐ栓として機能した。1Fの場合のこの手順は、一端が閉じられた(すなわち、ガラス管の遠位端部が閉じられた)ガラス管からガラス物品を製造する従来の転換技術と類似の例を与える。図22に示されるように、試料1Fにおけるようにガラス管の一端を遮断するまたは栓をすると、ガラスバイアルのSHRが約1.5ml/100ml分析物まで減少した。先に述べたように、蒸発した揮発性成分の最高レベルは、転換過程の最も熱い部分(すなわち、最高のガラス温度を生じる過程の部分)で生じ、これは、熱分離および穿孔操作を含む。理論で束縛する意図はないが、蒸発した揮発性成分は、一旦形成されたら、ガラス管が転換過程を進行するにつれて、ガラス管の内部容積内を上方または下方に運ばれるであろう。蒸発した揮発性成分が運ばれる方向(すなわち、上方または下方)は、以下に限られないが、排気管フードの位置付け;ガラス管内を上昇する高温ガスからの浮力煙突効果;ガラス管内の内部流を誘発する、バーナ加熱により生じるベンチュリタイプの流れ;またはこれらの組合せなどの環境要因の影響を受けるであろう。これらの効果は、転換環境の設計および作動により、幅広く変動し得ることが認識できる。この実施例1Fは、ガラス管の遠位端部を閉じることによって、ガラス管の内部容積を通る蒸発した揮発性成分の上方への輸送流を軽減することによる、このガラスについてのSHRの推測の実例である。
実施例1B~1Dに関して、穿孔工程後に、ガラス管にガスパルスが導入される。そのガラスは、穿孔工程において最高温度に到達し、これは、熱分離中に経験するガラス温度よりもわずかに高いだけである。先に述べたように、ガラスの温度を上昇させると、揮発性成分がガラスから蒸発する速度が増加する。それゆえ、揮発性成分の最大の蒸発速度は、穿孔および熱分離工程の最中に生じ、その最中に、ガラスの温度が最高であると理解される。実施例1B~1Eは、加工されているガラス管の内部容積内の蒸発した揮発性成分に運ばれるガスの排出またはパージのSHRの影響を示す。実施例1Fに対する実施例1Eおよび1Gの比較は、分離ステーションA5における管の分離中にガラス管の遠位端部にガスパルスを送達すると、実施例1Fにおけるようにガラス管の遠位端部にキャップを付けただけと比べて、バイアルのSHRがさらに減少することを示す。SHR性能に対する穿孔中のガラス管のガスパージの影響は、この工程で管内部に導入される揮発性物質の程度と量に影響するであろう穿孔の動力学など、登場し得る他の効果を超えていることが示される。
試料1Eおよび1Gに関して、分離ステーションA5でガスパルスを導入すると、ガラスバイアルのSHRがさらに減少したことに留意のこと。分離でのパージにより、約1.0のSHRが示されたことが分かる。これらの実施例は、熱分離および穿孔で生じる揮発性物質で運ばれたガスを排出する空気パルスの有益な効果を示す。実施例1Eにおいて、SHRの利益がパージパルスの効力に起因し得るように、穿孔バーナが基準として機能したことに留意のこと。これは、揮発性物質の管内部をパージする利益のさらなる証拠である。
実施例1Gは、興味深い予期せぬ結果を与える。実施例1Gにおいて、熱分離過程の工程中ずっと、ガス流のパルスが送達された。特定のパージ流(すなわち、ガスの体積流量)で、その流れが、分離後に残るガラスのメニスカスを開けると同時に、次の加工ステーションでの穿孔の必要性をなくすであろうことが分かった。バイアル転換過程における穿孔の要件をなくすことは、その過程の最高の温度区域をなくすことにより、SHRを減少させることに対する重大な利益であり得、その過程を単純化し、より速い部品製造速度を潜在的に可能にするであろう。この発見は、下記の実施例のいくつかにおいて網羅される、穿孔バーナへの依存性をなくすかまたは最小にするための他の手法へのさらなる研究を可能にした。
実施例2
実施例2に関して、AMBEG Dr.J.Dichter GmbHにより製造された、Automatic Tube Feederを備えたVial Forming Machine Model RP18を使用してガラスバイアルを製造した。この装置は、主要サーキットに18の加工ステーションを、補助サーキットに9の補助加工ステーションを備えた。図5によるガス流システムが、RP18コンバータの穿孔ステーションに備えられ、穿孔ステーションでだけガラス管の遠位端部にガス流のパルスを送達するように作られていた。31ppmの転換速度で、外径16.75mm、壁厚1.1mmの管を使用して、ほぼ同じISO 2Rバイアルを製造するために、コンバータを設定した。
ガスパルス流を2500立方フィート毎分(cfm)(約80.8m3毎分)に増加させた。これは、ガラス管の近接端部で形成された溶融ガラスのメニスカスを開けるのに十分であることが示され、それゆえ、先に述べた実施例1において最初に発見されたように、ガスパルスを使用してメニスカスを穿孔する実行可能性を示す。管の溶融端部を開けるのに必要な流れは、ガラス管と外部噴射装置との間の距離、噴射ノズルの特定形状、ガラスの温度、メニスカスの厚さ、および転換環境において異なると予測されるであろう他の工程条件に応じて変化することが認識できる。
実施例2において製造されたガラスバイアルを、USP<660>に記載されたSurface Glass TestにしたがってSHRについて評価した。SHR評価は、徐冷されなかったが、いずれの転換後加工の前の転換されたままの状態にある、試料バイアルについて行った。実施例2の無作為に選択されたバイアルに関するSHRの結果が、図23に与えられている。外部噴射空気バージ流を使用して得た、図23におけるSHR結果は、他のやり方で端部が閉じられた環境においてガスパージが送達された、図22に示された実施例1Eおよび1GのSHR結果に匹敵する。実施例2は、転換されたガラス物品のSHRに対する、転換中のガラス管の内部容積から蒸発した揮発性成分の排出の利益のさらなる証拠である。実施例2は、熱分離中にガラス管の近接端部に形成されたメニスカスを開けるために、空気流パルスを使用でき、これは、より実際的な外部噴射の実現に対して実施例1の密接に連結されたマニホールド以外に、実現できるという発見を示す。
実施例3
実施例3は、転換過程中にガラス管のSHRを減少させるために吸引装置を使用することにより、パージ流を誘発する効果を示す。実施例3に使用したコンバータは、AMBEG Dr.J.Dichter GmbHにより製造された、Automatic Tube Feederを備えたVial Forming Machine Model RP16であった。この装置は、主要サーキットに16の加工ステーションを、補助サーキットに8の補助加工ステーションを備えた。このコンバータは、図12Aと類似の、複数の吸引管を有する吸引システムを装備した。穿孔ステーションの下流の各加熱ステーションは、吸引管の内の1つを備えた。この構成を使用して、実施例1におけるように、ガラス管にガス流を正に導入するよりもむしろ、外部吸引により下方流を誘発することにより、内部空気パージを誘発する有効性を示した。先の表1を参照すると、吸引管を備えたステーションに、ステーションA7、A8、A9、A11、およびA13があった。この実施例3について、吸引管の近接端部を、7mmから10mmだけガラス管の近接端部から間隔を空けて、ガラス管の端部の下にアルミナ製吸引管を配置した。この実例について、流れをマニホールド配管システムに通して、吸引ポンプへと調整した。この実験のこの場合、実験の配管システムの温度限界を過熱しないように流動レベルを制限することが重要であったが、より高温の排気のエンジニアリング解は、製造タイプの環境において直接的に示せるであろう。
他の実施例に関するように、31ppmの転換速度で、外径16.75mm、壁厚1.1mmの管を使用して、ほぼ同じISO 2Rバイアルを製造するために、コンバータを設定した。実施例3の試料バイアルを、USP<660>に記載されたSurface Glass TestにしたがってSHRについて評価した。SHR評価は、徐冷されなかったが、いずれの転換後加工の前の転換されたままの状態にある、試料バイアルについて行った。ベースライン(すなわち、試料3A)として、加工ステーションのいずれにも吸引を適用しないコンバータを使用して、ガラス管から試料ガラスバイアルを製造した。試料3Bについて、試料バイアルをコンバータで製造し、穿孔ステーションの後の加熱ステーションの各々で、各ガラス管の近接端部を真空に引いた。
図24は、試料3Aおよび3Bに関するSHRの結果(100mlの溶液を滴定するのに要した0.1モル濃度のHClのml)を示す。SHRの軽減のない転換過程により製造された試料3Aに関する100ミリリットルの分析物当たりの4.44ミリリットルのベースラインSHR値は、穿孔バーナの後の位置に吸引管を適用することによる試料3Bの3.12に減少した。したがって、吸引管の適用により達成されたSHR結果は、全ての成形工程の全ての寄与において70%の減少を示す。この場合のベースラインSHRは、他のものよりこの実施例において著しい高いことに留意すべきである。理論で束縛する意図はないが、より高温のガラス加工条件および好ましくない排気流が、この実施例3におけるベースラインSHRを増加させたのであろうと考えられる。実施例3は、外部から適用した吸引誘発流によるガラス管の内部のパージにより生じたガラス物品のSHR性能に対する利益を示す。さらなる実験により、揮発性ガス雲は、主に割り出し中(すなわち、コンバータのタレットが加工ステーションの間でガラス管を移動させているときの時間)にガラス管の内部容積を通って上方に移動する傾向にあることが示されたことも留意すべきである。実施例3の結果から、本開示に記載されたものなどの吸引手法により、パージ流効果が生じ、正の空気流の実施の形態に関して実施例1および2に示されたものと類似のSHR性能の改善がもたらされるであろうことが予測される。
転換過程中にガラス管102のSHRを減少させるためのコンバータ100およびシステムおよび方法の様々な実施の形態がここに記載されてきたが、これらの実施の形態および技術の各々は、別々に使用しても、1つ以上の実施の形態および技術と共に使用してもよいと考えられることを理解すべきである。
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に、様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更、そのような改変および変更が、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に入るという条件で、包含することが意図される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムであって、
少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、および分離ステーションを含む複数の加工ステーションを有するコンバータであって、該複数の加工ステーションを通じてガラス管を割り出すように機能するコンバータ、および
ガス流システムであって、
ガス供給源に流体連結可能なマニホールドと、
各々が、前記ガラス管の遠位端部に取り外し可能に連結可能であり、導管によって前記マニホールドに流体連結されている、複数のガラス管コネクタと、
を備え、
前記ガラス管コネクタの少なくとも1つについて、前記ガス流システムは、ガスを前記マニホールドから、前記導管を通じ、該ガラス管コネクタを通じ、前記ガラス管の遠位端部中に通過させるように機能し、該ガラス管の遠位端部中に該ガスを通過させることにより、該ガラス管の近接端部に隣接してガス流が生じ、該ガス流は、該ガラス管の内部から雰囲気の少なくとも一部を除去し、該ガラス管から放出されたアルカリによる該ガラス管の内面の汚染を減少させるように機能する、ガス流システム、
を備えたシステム。
実施形態2
前記ガス流システムが、前記ガラス管の遠位端部にガスパルスを送達するように機能する、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3
前記ガスパルスが、前記コンバータの割出時間とドウェル時間の合計より短い持続時間を有する、実施形態2に記載のシステム。
実施形態4
前記分離ステーションが熱分離ステーションであり、前記ガスパルスが、該熱分離中に前記ガラス管の近接端部に形成されたガラスのメニスカスを開けるのに十分である、実施形態2または3に記載のシステム。
実施形態5
前記複数のガラス管コネクタの各々が、該ガラス管コネクタを軸方向に通って延在する中心穴、および該中心穴内に少なくとも部分的に配置されたスイベルコネクタを備える、実施形態1から4のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態6
前記複数のガラス管コネクタの各々が、前記ガラス管の遠位端部中に取り外し可能に挿入できる栓を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態7
前記複数のガラス管コネクタの各々が、前記ガラス管の外面に連結可能なキャップを含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態8
前記マニホールドが複数の弁を含み、該複数の弁の各々が、複数の可撓性導管の内の1つと流体連結されている、実施形態1から7のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態9
前記マニホールドが複数の弁アクチュエータを含み、該複数の弁アクチュエータの各々が前記複数の弁の内の1つに作動可能に連結されており、各弁アクチュエータが、関連する弁を開閉して、前記ガラス管の遠位端部に前記ガスパルスを送達するように機能する、実施形態8に記載のシステム。
実施形態10
前記マニホールドに流体連結され、前記ガラス管の遠位端部への前記ガスパルスの流量または全流量を測定するように機能する少なくとも1つの流量計をさらに備える、実施形態1から9のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態11
前記ガス流システムが、前記ガラス管の長さの変化に応答して、前記ガスの流量を変えるように機能する少なくとも1つの流量調整器をさらに含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態12
前記マニホールドが、
ガス供給通路を有する内側リング、および
前記内側リングを取り囲み、該内側リングに対して主要タレットと共に回転可能な外側リングであって、該外側リングは複数のガス送達通路を有し、該ガス送達通路の各々は、前記複数のガラス管コネクタの内の1つに流体連結されている、外側リング、
を含み、
前記マニホールドは、前記外側リングの複数のガス送達通路の内の1つを前記内側リングのガス供給通路と揃えて、前記複数のガラス管の内の1つを前記ガス供給源に流体連結するように機能する、実施形態1から11のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態13
内面を有するガラス管から物品を製造する方法において、
少なくとも1つの加熱ステーションおよび少なくとも1つの成形ステーションを含む複数の加工ステーションを有するコンバータに前記ガラス管を導入する工程、
前記少なくとも1つの加熱ステーションで前記ガラス管の近接端部を加熱する工程であって、その加熱中に、該ガラス管からアルカリが放出される、工程、
前記少なくとも1つの成形ステーションにおいて前記ガラス管の近接端部で前記物品の少なくとも1つの特徴を成形する工程、
分離ステーションで前記ガラス管の近接端部から前記物品を分離する工程、および
ガス供給源に流体連結可能なマニホールドと、
各々が、前記ガラス管の遠位端部に取り外し可能に連結可能であり、導管によって前記マニホールドに流体連結されている複数のガラス管コネクタと、
を備えるガス流システムにより該ガラス管の遠位端部に隣接してガス流を導入する工程であって、
前記ガラス管コネクタの少なくとも1つについて、該ガス流システムは、ガスを前記マニホールドから、前記導管を通じ、該ガラス管コネクタを通じ、前記ガラス管の遠位端部中に通過させるように機能し、該ガラス管の遠位端部中に該ガスを通過させることにより、該ガラス管の近接端部に隣接してガス流が生じ、該ガス流は、前記ガラス管の内部から雰囲気の少なくとも一部を除去し、該ガラス管から放出されたアルカリによる該ガラス管の内面の汚染を減少させるように機能する、工程、
を有してなる方法。
実施形態14
前記ガラス管から物品を分離する工程が、該ガラス管の近接端部に亘りガラスのメニスカスを生じる熱分離を含み、該ガラス管の近接端部に隣接した前記ガス流が、該メニスカスを開けるのに十分である、実施形態13に記載の方法。
実施形態15
前記ガス流を導入する工程が、前記ガラス管の遠位端部にガスパルスを導入する工程を含む、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態16
前記ガスパルスが、前記コンバータのドウェル時間と割出時間の合計より短い持続時間を有する、実施形態15に記載の方法。
実施形態17
前記ガラス管から物品を分離する工程が、前記ガラス管の近接端部に亘りガラスのメニスカスを生じる熱分離を含み、前記ガスパルスが該メニスカスを開けるのに十分である、実施形態15または16に記載の方法。
実施形態18
複数のガスパルスが前記ガラス管の遠位端部に導入される、実施形態15から17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19
前記ガラス管の長さの変化に応答して、前記ガスパルスの持続時間、該ガスパルスの圧力、または該ガスパルスの体積流量の内の少なくとも1つを制御する工程をさらに含む、実施形態15から18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20
管の直径、壁厚、ガラスのタイプ、コンバータの作動温度、またはこれらの組合せの変化に応答して、前記ガスパルスの持続時間、該ガスパルスの圧力、または該ガスパルスの体積流量の内の少なくとも1つを制御する工程をさらに含む、実施形態15から19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21
前記ガラス管が前記複数の加工ステーションの内の1つに位置付けられているときに、該ガラス管の遠位端部に前記ガス流を導入する工程を含む、実施形態13から20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22
前記ガラス管が、前記分離ステーションまたは前記コンバータの穿孔ステーションに位置付けられているときに、該ガラス管の遠位端部に前記ガス流を導入する工程を含む、実施形態13から21のいずれか1つに記載の方法。