JP7170007B2 - 宝飾用ガラス - Google Patents

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本発明は、乳白色の外観を持ち、透過光や反射光を着色光とした宝飾用ガラスに関するものである。
乳白色の外観を持つ宝飾用ガラスは、オパールガラスとして古くから知られている。通常のガラスは透明体であるが、オパールガラスは造核剤を添加することにより、冷却時にガラス中に少量の結晶相を析出させて半透明としたガラスである。40年以上前に公開された特許文献1には、フッ化ナトリウム(NaF)、およびフッ化ストロンチウム(SrF2)の結晶により不透明相を生じさせたオパールガラスが記載されている。このように、従来の乳白色の外観を持つガラスは、造核剤(核形成剤)により結晶を生じさせたものである。また、透過光や反射光を着色光としたものではない。
また、オパールガラスではないが、ガラス中に多量の結晶を析出させた結晶化ガラス(ガラスセラミックス)も古くから知られており、例えば特許文献2には、LiO2とTiO2を造核剤としたアルミノケイ酸リチウムガラス系の結晶化ガラスが開示されている。しかしこれは調理プレートのカバーガラスや防火ガラスとして使用されることを目的とし、耐熱性と透明性を重視した無色の結晶化ガラスである。
特許文献3には、ガラスの分相を利用した白色オパールガラスが記載されている。分相は基礎ガラスを熱処理し、ガラス中にイオン結合が支配的な極性相と共有結合が支配的なシリカ相を生じさせたもので、微細な粒界により光が散乱し白濁したオパールガラスとなる。ただし特許文献3の白色オパールガラスは添加物として金を加えて基礎ガラスを金コロイドによる赤色ガラスとし、透過光を赤色としたものである。このように分相だけでは透過光や反射光を着色光とすることはできない。
上記したように、造核剤を用いずに透過光や反射光を着色光としたオパールガラスはこれまで知られていなかった。
特開昭53-125418号公報 特開2007-254279号公報 特開平6-24793号公報
従って本発明の目的は、造核剤を用いずにオパール状の外観を生じさせ、透過光や反射光を着色光とした宝飾用ガラスを提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明の宝飾用ガラスは、10~18モル%のAl2O3を含むアルミノボロシリケートガラスに、0.5~10モル%のLa2O3を加え加えた組成を有し、CIE標準D65光源、視野2度、厚み10mm換算して測定した当該ガラスのスペクトルが350~450nm付近をピーク中心とする反射光を有し、かつ透過光が380nmで40%以下、780nmで40%以上の透過率を示すことを特徴とするものである。
前記アルミノボロシリケートガラスは、モル%で、SiO2:45~62%、Al2O3:10~18%、B2O3:1~20%、Na2O+K2O:10~20%、CaO+MgO:0~7%、La2O3:0.5~10%の組成を持つことが好ましい。なお、La2O3を1~7%とすることが好ましく、La2O3を1~5%とすることがより好ましい。本明細書において%は全てモル%である。
本発明の宝飾用ガラスは、10~18%のAl2O3を含むアルミノボロシリケートガラスに、0.5~10%のLa2O3を加えた組成を有し、造核剤を用いずに微結晶を析出させたものである。そしてレーリー散乱を生じさせ、半透明で青みがかった美しいオパール状の外観を得ることができる。このアルミノボロシリケートガラスは、反射光の中心波長が青色領域にあり、透過光は黄色から赤色である。
波長と透過率との関係を示すグラフである。 波長と反射率との間兼を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態を説明する。
本発明の宝飾用ガラスは、10~18%のAl2O3を含むアルミノボロシリケートガラスをベースとし、La2O3を加えたものである。アルミノボロシリケートガラスの好ましい組成は、モル%で、SiO2:45~62%、Al2O3:10~18%、B2O3:1~20%、Na2O+K2O:10~20%、CaO+MgO:0~7%である。各成分について説明する。
SiO2はガラスのネットワークを形成する基礎成分であり、45~62%の範囲が好ましい。SiO2が45%未満であるとガラス化しにくく、ガラス化しても強度や耐久性が低下するので、宝飾用ガラスとして好ましくない。逆にSiO2が62%を超えるとガラス化は容易であるが融点が高くなり、溶融し難くなるのでやはり好ましくない。
B2O3はガラスの溶融性を高める融剤として作用し、ガラスの融点を大幅に低下させることができる必須成分である。このため少なくとも1%が必要である。しかし20%を超えて加えると好ましくない分相が過剰に進み、化学的耐久性が低下する。このためB2O3は1~20%とすることが好ましいが、1~15%とすることがより好ましく、1~10%とすることが最も好ましい。
Al2O3は上記したSiO2とB2O3との過剰な分相を防止する効果があるため、美しい外観とするためには少なくとも10%を加えることが望ましい。しかしAl2O3はガラスの融点を上昇させて溶融を困難化させるため、18%を超えて加えることは好ましくない。
Na2OとK2Oはアルカリ金属酸化物であり、SiO2が形成するガラスのネットワークを緩やかにして粘性を低下させ、ガラス化を容易化する。このため少なくとも10%を加えることが好ましい。しかし20%を超えて添加するとガラスの耐水性、耐化学性が低下するので、宝飾用ガラスとして好ましくない。よってNa2O+K2Oを10~20%とすることが好ましい。なお、K2Oは必須ではなく0%とすることも可能である。
CaOとMgOはアルカリ土類金属酸化物であり、ガラスの耐水性、耐化学性を高めるとともに、粘性を低下させて成形温度域を拡げることができる。しかし7%を超えて添加しても効果の向上は認められない。よってCaO+MgOの上限は7%とする。しかしこれらのアルカリ土類金属酸化物は必須成分ではなく、合計量を0%とすることもできる。
本発明では上記した組成を有するアルミノボロシリケートガラスに、0.5~10%のLa2O3を加えることにより、造核剤を用いずに微結晶を析出させる。ランタン(La)は希土類元素の一種であり、屈折率を向上させる成分として、光学ガラスには古くから用いられている。しかし本発明ではアルミノボロシリケートガラス中に1~10%のLa2O3を加え、微結晶を析出させる。
アルミノボロシリケートガラスにLa2O3を加えると、造核剤を用いずに微結晶を析出させることができる理論的理由は未だ明らかではないが、1N HCl溶液で処理したところ、結晶化している部分が優先的にエッチングされた。このことから、ガラスは分相しており、分相した部分にランタン由来の微結晶が析出していると考えられる。これにより半透明で青みがかった乳白色の美しいオパール状の外観を得ることができる。
得られた製品はCIE標準D65光源、視野2度、厚み10mm換算して測定した当該ガラスのスペクトルが350~450nm付近をピーク中心とする反射光を有し、かつ透過光が380nmで40%以下、780nmで40%以上の透過率を示す。このため反射光の中心波長が青色領域にあり、透過光は黄色から赤色となる。なお、CIE標準D65光源は国際照明委員会により定義された昼色光源である。またスペクトルの測定は分光光度計を用い、JIS K0115 2004の規定に準拠して行うことができる。
La2O3の添加量は0.5~10%とする。0.5%よりも少ないと微結晶の析出量が少なく、透明ガラスに近くなって宝飾用ガラスとしても価値が低下する。逆に10%を超えて添加しても外観の違いが認められなくなり、原料コストが高くなるので経済性が損なわれる。この理由から、La2O3の添加量の好ましい範囲は1~7%であり、より好ましくは1~5%である。
なお、La2O3は光学ガラスに古くから用いられており、人体に悪影響を与えたり環境を汚染するおそれはない。よって特許文献1のガラスのようにフッ素やストロンチウム等の環境汚染物質を用いる必要もなく、本発明の宝飾用ガラスはクリーンなガラスである。
(実施例1)
この実施例1は、アルミノボロシリケートガラスの組成を一定としたまま、La2O3の添加量を変化させたものである。なお、La2O3の添加量を増加させた分を、SiO2の組成を減らして調整した。
表1に示すガラス組成(モル%)となるようにガラス原料を調合し、粘土るつぼに入れて撹拌しながら、電気炉により1350℃で1.5時間溶融した。溶融したガラスを水中に投入して急冷粉砕したのち、白金るつぼに入れ、電気炉により1350℃で4時間、再溶融した。再溶融したガラスを炉から取り出し室温まで冷却した後、白金皿から取り出し徐冷を行った。その後研磨を行い、直径30mm、厚み10mmの円柱形のテストピースを得た。各テストピースを目視観察した。熱処理条件および目視観察の結果を表2に示す。
Figure 0007170007000001
Figure 0007170007000002
上記した通り、アルミノボロシリケートガラスに0.5~10%のLa2O3を加えて溶融したガラスは、半透明で青みがかった美しいオパール状の外観となった。外観が最も美しいのは、含有率が1~5モル%の範囲である。La2O3の濃度が高い場合は結晶が析出し易くなり、熱処理をしなくても溶融時の温度1350℃から室温に落ちる過程で着色に十分な結晶が析出する。しかし濃度が低い場合は冷却中では目に発色を感じるレベルで結晶が析出しておらず、追加の熱処理を加えると結晶が成長し発色する。なお、1350℃から室温に落ちる過程で発色させる場合は、肉厚が影響する。1350℃からの冷却速度がゆっくりになると高温域の熱処理時間が長くなりより結晶が析出し易くなるためである。肉厚が厚いものほどゆっくり冷えるので、同じ濃度であれば着色が濃くなる。よって肉厚に応じてLa2O3の含有量を調整することが好ましい。すなわち、薄い肉厚の場合にはLa2O3の含有量を高くし、厚い肉厚ではLa2O3の含有量を低くすることが好ましい。なお、後から熱処理で発色させるには1 モル%程度が最も好ましいと考えられる。
(実施例2)
実施例2は、La2O3の添加量を3.0モル%に固定し、アルミノボロシリケートガラスの組成を変化させたものである。なお、各成分の増減は主としてSiO2の増減により調整した。テストピースの製造方法、その評価方法は実施例1と同じである。組成を表3に示し、目視観察結果を表4に示した。
Figure 0007170007000003
Figure 0007170007000004
(実施例3)
実施例3は、La2O3の添加量を1.0モル%に固定し、アルミノボロシリケートガラスの熱処理条件を変化させたものである。テストピースの製造方法、その評価方法は実施例1と同じである。熱処理条件と目視観察結果を表5に示した。
Figure 0007170007000005
上記の表5に示されたNo.5とNo.6の熱処理条件により得られたガラスから直径30mm、厚み10mmの円柱形のテストピースを作成し、透過光と反射光のスペクトルを測定し、CIE標準D65光源換算した。その結果を図1と図2に示す。図1に示されるように、何れのテストピースも380nmで40%以下、780nmで40%以上の透過率を示したが、熱処理しない未処理のガラスは本発明の範囲を外れた。また未処理を除く何れのテストピースも、反射光のスペクトルは350~450nm付近をピークとするものであった。なおスペクトルの測定は分光光度計を用い、JIS K0115 2004の規定に準拠して行った。
このように、La2O3が1モル%の場合は、1cm程度のガラス厚みのサンプルを溶融して室温に冷却しても透明なままであり、熱処理を行うことによって結晶が析出する。これに対してLa2O3の含有率が2、3モル%の場合は熱処理をしなくても、冷却過程で結晶が析出する。このため含有量をコントロールすれば熱処理を行わなくても良いと考えられる。
上記した通り、アルミノボロシリケートガラスに0.5~10%のLa2O3を加えて溶融したガラスは、半透明で青みがかった乳白色の美しいオパール状の外観となった。外観が最も美しいのは、含有率が1~5%の範囲である。このように、本発明によれば美しいオパール状の外観を持つ宝飾用ガラスを、経済的に得ることができる。

Claims (4)

10~18モル%のAl2O3を含むアルミノボロシリケートガラスに、0.5~10モル%のLa2O3を加えた組成を有し、CIE標準D65光源、視野2度、厚み10mm換算して測定した当該ガラスのスペクトルが350~450nmをピーク中心とする反射光を有し、かつ透過光が380nmで40%以下、780nmで40%以上の透過率を示すことを特徴とする宝飾用ガラス。
前記アルミノボロシリケートガラスが、モル%で、SiO2:45~62%、Al2O3:10~18%、B2O3:1~20%、Na2O+K2O:10~20%、CaO+MgO:0~7%、La2O3:0.5~10%の組成を持つものであることを特徴とする請求項1に記載の宝飾用ガラス。
La2O3を1~7%とした請求項1または2に記載の宝飾用ガラス。
La2O3を1~5%とした請求項1または2に記載の宝飾用ガラス。
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