JP7169846B2 - 配線シートの製造方法 - Google Patents
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Description
[2] 前記基材シートを作製する工程(A1)を有し、前記工程(A1)において、凸部が形成された成形型に樹脂又は樹脂前駆体を含む非導電性樹脂材料を導入し、前記非導電性樹脂材料を硬化させて、前記成形型の凸部に対応する溝部が第一面に開口する前記基材シートを作製する、[1]に記載の配線シートの製造方法。
[3] 前記基材シートを作製する工程(A2)を有し、前記工程(A2)において、成形型に樹脂又は樹脂前駆体を含む非導電性樹脂材料を導入し、前記非導電性樹脂材料を硬化させてシートを作製し、前記シートの第一面に開口する溝部を形成し、前記基材シートを得る、[1]に記載の配線シートの製造方法。
[4] 前記基材シートがエラストマーによって形成されている、[1]~[3]の何れか一項に記載の配線シートの製造方法。
[5] 第一面に開口する溝部を有する基材シートと、前記基材シートの第一面に少なくとも一部が露出する導電性配線と、を備える配線シートであって、前記導電性配線は、前記溝部を充填する第一導電部と、前記第一面上に、前記第一導電部と一続きに一体化した第二導電部と、を有し、前記第一導電部及び前記第二導電部は、樹脂及び導電性粒子を含む同じ樹脂組成物によって形成されている、配線シート。
[6] 前記溝部の長さ方向に直交する前記第二導電部の幅が、前記第一導電部の幅よりも広い、[5]に記載の配線シート。
[7] 前記基材シートがエラストマーによって形成されている、[5]又は[6]に記載の配線シート。
本発明の配線シートは、導電性配線が有する第一導電部及び第二導電部のうち、第一導電部が基材シート1の第一面に設けられた溝部(凹部)に埋め込まれている。このため、外部からの応力を受けた場合にも、第一導電部が基材シート1に支持されるため、破損する恐れがない。また、第一導電部だけでなく、第二導電部を備えるので、配線シートの厚さ方向を長くすることができ、高アスペクト比で高精細な縦長の配線をとすることができる。また、第一面側に露出した第二導電部は、基材表面に埋め込まれた第一導電部と一続きに一体化しているので、導電性が高く、繰り返し受ける応力に対する耐性にも優れる。
本発明の第一態様は、基材シートと、前記基材シートの表面に露出する導電性配線と、を備える配線シートの製造方法である。本製造方法の一実施形態は、次の工程(B)を有する。工程(B)は、第一面に開口する溝部を有する前記基材シートを準備し、前記基材シートの前記第一面に、導電性粒子と樹脂又は樹脂前駆体とを含む導電性樹脂材料を塗布し、前記溝部の中に前記導電性樹脂材料の一部を注入するとともに、前記導電性樹脂材料の残部を前記第一面上に留め置き、前記溝部内に注入した前記導電性樹脂材料、及び前記第一面上に留め置いた前記導電性樹脂材料を硬化させることにより、前記溝部の中に第一導電部を形成するとともに、前記第一導電部と一続きの導電層を前記第一面上に形成し、さらに前記導電層の一部を除去することにより、前記第一導電部と一続きの第二導電部を前記第一面上に形成する工程である。前記基材シートは工程(B)以外の工程で作製される。以下、図面を参照して実施形態の一例を説明する。
図1、図2に示すように、本工程で用いる絶縁性の基材シート1は、平面視矩形であり、第一面1aに複数の溝部2が形成されている。溝部2は、基材シート1が構成する絶縁部6の表面に形成された凹構造である。各溝部2は、長さ方向(長手方向)が一方向に揃えられ、互いに平行である。基材シート1の第二面1bは平滑な平面であり、成形型を用いて基材シート1を製造した時に形成された残膜Rが第二面1bを形成している。平面視で第一面1aよりも第二面1bの面積の方が大きい。
第一樹脂材料L1を溝部2へ注入する方法は特に制限されず、例えば、毛細管現象を利用しつつ真空下で自然に流入させる方法、スキージにより強制的に押し込む方法等が挙げられる。
上記注入の完了後、溝部2内に注入されずに基材シート1の第一面1aに残った余分な第一樹脂材料L1を、そのまま、第一面1a上に留め置く。留め置く方法としては、例えば、不図示の枠を第一面1a上に置き、この枠内に第一樹脂材料L1を留める方法が挙げられる。
実施形態B1は、第一面1aに形成した第二導電部8を研磨又はスライス等の方法を用いて、第一面から第二導電部8を研削することにより形成することができる。
実施形態B2は、第一面1aの上方から加工用のレーザを照射して、第一導電部5と重ならない部分の第二導電部8を除去することにより形成することができる。
本工程は、基材シートを作製する工程の一例である。まず、図7、図8に示す成形型Kを準備する。成形型Kの表面には、凹部Nと、凹部N内に配置された複数の直方体状の凸部Mが形成されている。
凹部Nの形状は、大まかには配線シート10の外形に相当する。図示例では上方に開口した扁平な直方体の空間である凹部Nが成形型K内の表面に形成されている。凹部Nは、配線シート10が有する絶縁部6を形成する空間であり、凹部Nの形状が反映された基材シート1を有する配線シート10を形成することができる。
凸部Mの各々の断面形状や配置は、配線シート10が有する第一導電部5の各々の断面形状や配置に相当する。
各凸部Mの高さは、凹部Nの深さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。つまり、凸部Mの先端の位置は、成形型Kの表面Kaと面一であってもよいし、表面Kaよりも低い位置(即ち、凹部Nの内部)にあってもよいし、表面Kaよりも高い位置(即ち、凹部Nの外部であって上方)にあってもよい。図示例では、各凸部Mの高さ位置は成形型Kの表面Kaと面一である。
続いて、成形型Kから基材シート1を脱型する。得られた基材シート1の第一面1aには、成形型Kの凸部Mに対応する複数の溝部2が形成されている(図1、図2)。
本工程は、基材シートを作製する工程の別の一例である。図10に示す成形型Wを準備する。成形型Wの表面Waには、作製する配線シート10の外形に対応する、上方に開口した扁平な直方体の空間である凹部Uが形成されている。
まず、図10に示すように、成形型Wの表面Waに、樹脂又は樹脂前駆体を含む液状の第二樹脂材料L2を塗布する。この際、凹部Uに入り切らない余剰の第二樹脂材料L2は成形型Wの表面Waに溢れる。
次に、図11に示すように、成形型Wの凹部U内に充填した第二樹脂材料L2を硬化させ、成形型W内にシートαを形成する。この際、凹部U内に入らずに溢れた第二樹脂材料L2が、シートαの第二面を覆う残膜Rになる。
続いて、成形型Wから脱型したシートαの第一面に、所望の形状の溝部2を任意の数で形成することにより、基材シート1を得る。溝部2の配置や形状は作製する配線シート10が有する第一導電部5の配置に対応している。溝部2を形成する方法は特に制限されず、例えば、ドリル掘削、レーザ加工等の樹脂シートの表面を加工する公知方法が適用される。
第一樹脂材料L1に含まれる樹脂又は樹脂前駆体は、導電性粒子同士が接触した状態を保持する材料である。
第二樹脂材料L2に含まれる樹脂又は樹脂前駆体は、基材シート1の絶縁部6を構成する主材料である。
樹脂前駆体は、樹脂を形成する化合物であり、例えば重合反応により樹脂を形成するモノマーが挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、光重合性樹脂、熱重合性樹脂、活性エネルギー線重合性樹脂、触媒重合性樹脂等の公知の硬化性樹脂が挙げられる。
前記エラストマーとしては、例えば、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらの中でも、成形型から取り出した後の寸法変化が小さく、成形型から取り出した後の反りが生じ難く、圧縮永久歪が小さく、耐熱性が高い、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムは、縮合型、付加型のいずれでもよい。
第一樹脂材料L1に含まれる前記樹脂は、エラストマーであることが好ましい。好適なエラストマーの具体例は、第二樹脂材料L2の例示と同じである。
各実施形態で用いられる第一樹脂材料には、前述した導電性粒子並びに樹脂又は樹脂前駆体の他に、例えば、導電性粒子の分散性を向上させるための界面活性剤、樹脂前駆体の重合を促す触媒、樹脂同士の架橋を促す架橋剤、抗酸化剤、染料、顔料、充填剤、レベリング剤等が添加されても構わない。これらの添加剤は、第一樹脂材料の総質量に対して例えば0~5質量%程度で含有され得る。また、基材シートに対する第一樹脂材料の塗工性を向上させるために、第一樹脂材料に希釈溶剤を添加してもよい。
各実施形態で用いられる第二樹脂材料には、前述した樹脂又は樹脂前駆体の他に、従来の配線シートの基材に添加される任意の物質、例えば樹脂前駆体の重合を促す触媒、樹脂同士の架橋を促す架橋剤、抗酸化剤、染料、顔料、充填剤、レベリング剤等が添加されてもよい。これらの添加剤は、第二樹脂材料の総質量に対して例えば0~5質量%程度で含有され得る。また、成形型に対する第二樹脂材料の塗工性を向上させるために、第二樹脂材料に希釈溶剤を添加してもよい。
本発明の配線シートは、第一面に開口する溝部を有する基材シートと、前記基材シートの第一面に少なくとも一部が露出する導電性配線と、を備える配線シートであって、前記導電性配線は、前記溝部を充填する第一導電部と、前記第一面上に、前記第一導電部と一続きに一体化した第二導電部と、を有し、前記第一導電部及び前記第二導電部は、樹脂及び導電性粒子を含む同じ樹脂組成物によって形成されている。
ここで、導電性配線の一部が第一面に「露出する」とは、その一部が他の部材で被覆されていないことを意味する。その一部は第一面から突出していてもよいし、第一面と面一でもよいし、第一面から陥没した位置にあってもよい。
配線シート10の平面視の形状は矩形に限定されず、円形、楕円形、多角形、その他の任意の形状が採用できる。
配線シート10の縦×横のサイズは特に限定されず、例えば、1mm×1mm~10cm×10cmとすることができる。
配線シート10を構成する基材シート1の厚さは、例えば、50μm以上500μm以下とすることができる。
配線シート10の形態、サイズ、厚さ等は、配線シート10の用途や目的に合わせて適宜設定される。
配線シート10の第一導電部5は、海島構造のうちの島部分であり、海部分によって互いに独立化された複数の直方体状の導電性部分である。各第一導電部5は基材シート1の第一面1aと面一の高さまでの領域であり、第二導電部8によって少なくとも一部が覆われている。第一導電部5の長さ方向の端部は、基材シート1の側面に露出していても構わない。各第一導電部5は、X方向又はY方向に沿って一定のピッチで配置されていてもよいし、特定の繰り返しパターンを有しない配置であってもよい。
第一面1aから第二面1bへ向けた、第一導電部5の中心軸の軸線は、第一面1a及び第二面1bの各々に対して、それぞれ独立に垂直でもよいし、傾いていてもよい。
前記幅S1は、測定顕微鏡等の公知の微細構造観察手段によって測定される。
上記範囲の下限値以上であると隣接する第一導電部5間のピッチを狭くしつつ、配線の長さ方向の抵抗を低減することができる。
上記範囲の上限値以下であると配線の機械的強度を高め、外部からの応力を受けた場合に断線することをより一層確実に防止できる。
前記高さZは、測定顕微鏡等の公知の微細構造観察手段によって測定される。
上記範囲の下限値以上であると、配線同士の短絡を防止し、配線を両側面から支持する絶縁部6の機械的強度を高めることができ、外部からの応力を受けた場合に断線することをより一層確実に防止できる。
上記範囲の上限値以下であると、高精細な配線を形成できる。
配線シート10の絶縁部6は、海島構造のうちの海部分であり、絶縁部分である。
絶縁部6のZ方向の長さは、基材シート1の厚さHと同様であり、例えば、25μm以上750μm以下が好ましく、50μm以上500μm以下がより好ましい。
前記下限値以上であれば、配線シート10の機械的強度がより高くなる。
前記上限値以下であれば、配線シート10の可撓性がより高くなり、薄型化が求められる電子機器の内部に容易に実装することができる。
前記含有量が70質量%以上であることにより、配線シート10の可撓性が充分に高まり、外部からの応力に対する耐性がより一層高まる。
配線シート10が有する個々の第二導電部8の平面視の形状は特に制限されず、任意の配線の形状が適用できる。例えば、直線部と屈曲部を任意に組み合わせた形状が挙げられる。個々の第二導電部8の平面視の形状は、互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
第二導電部8の長さ方向に直交する平面で配線シート10を切断した断面において、第二導電部8の端子部の幅S2は接続性向上の観点から、第一導電部5の幅S1よりも広いことが好ましい。また、図13~20に示す配線シート20,30における領域Bの配線については、第二導電部8の幅S2は配線の狭ピッチ化の観点から第一導電部5の幅S1以下であることが好ましい。領域Bの第二導電部8は回路部になくてもよい。
第二導電部8の高さhは、図12に示すように、配線シート10の厚さ方向の断面を公知方法により撮像した画像から求められる。上述の第二導電部8の高さhは、例えば、10個以上、好ましくは30個以上の第二導電部8が写った断面の画像から、無作為に選択した5個以上、好ましくは10個以上の第二導電部8の高さを画像処理により得て算出した平均値であることが好ましい。
本発明の配線シートの用途としては、公知の配線や回路を備えた電子基板と同じ用途が挙げられる。例えば、電子デバイスの端子の導通試験を行う検査用途や、電子機器内に備えられる回路基板を構成する実装用途に適用できる。
配線シートの基材シートがエラストマーを含んでいる場合、配線シートは優れた柔軟性を有し、弾性変形するので、電子デバイスへの設置および取り外しが容易である。
配線シート40の領域Aにおける基材シート1の第一面1aには、第一導電部5よりも幅広で、第一面1aから突出した第二導電部8からなる第一接続部が形成されている。この第一接続部には別のデバイス等が電気的に接続可能とされている。
配線シート40の領域B1における基材シート1の第一面1aには、第二導電部8は無く、第一導電部5の表面が第一面1aと面一の位置にあり、第一導電部5の表面及び第一面1aは、レジストからなる絶縁層9によって被覆されている。
配線シート40の領域B2の平面視で、第一導電部5の真上のみに第二導電部8が備えられており、第二導電部8は第一面1aから突出しており、第二接続部を構成する。この第二接続部には別のデバイス等が電気的に接続可能とされている。
配線シート40の領域Aにおける配線同士のピッチよりも、領域B2における配線同士のピッチの方が狭ピッチである。
Claims (4)
- 基材シートと、前記基材シートの表面に露出する導電性配線と、を備える配線シートの製造方法であって、
第一面に開口する溝部を有する前記基材シートを準備し、
前記基材シートの前記第一面に、導電性粒子と樹脂又は樹脂前駆体とを含む導電性樹脂材料を塗布し、前記溝部の中に前記導電性樹脂材料の一部を注入するとともに、前記導電性樹脂材料の残部を前記第一面上に留め置き、
前記溝部内に注入した前記導電性樹脂材料、及び前記第一面上に留め置いた前記導電性樹脂材料を硬化させることにより、
前記溝部の中に第一導電部を形成するとともに、前記第一導電部と一続きの導電層を前記第一面上に形成し、
さらに前記導電層の一部をレーザー加工により除去することにより、前記第一導電部と一続きの第二導電部を、前記溝部の長さ方向に直交する前記第二導電部の幅が、前記第一導電部の幅よりも広くなるように、前記第一面上に形成する工程(B)を有する、配線シートの製造方法。 - 前記基材シートを作製する工程(A1)を有し、
前記工程(A1)において、凸部が形成された成形型に樹脂又は樹脂前駆体を含む非導電性樹脂材料を導入し、前記非導電性樹脂材料を硬化させて、前記成形型の凸部に対応する溝部が第一面に開口する前記基材シートを作製する、請求項1に記載の配線シートの製造方法。 - 前記基材シートを作製する工程(A2)を有し、
前記工程(A2)において、成形型に樹脂又は樹脂前駆体を含む非導電性樹脂材料を導入し、前記非導電性樹脂材料を硬化させてシートを作製し、前記シートの第一面に開口する溝部を形成し、前記基材シートを得る、請求項1に記載の配線シートの製造方法。 - 前記基材シートがエラストマーによって形成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の配線シートの製造方法。
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US20100000086A1 (en) | 2008-07-07 | 2010-01-07 | Cheng-Hung Yu | Method of making a molded interconnect device |
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