JP7169808B2 - ネガ型感光性ダイボンド剤、近紫外線硬化性の基板接着剤及びそれを用いたチップの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明で言うネガ型感光性樹脂とは、光硬化反応により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を言う。フォトマスクを通して光を照射されることで、露光部でのみ硬化反応が起こり、現像液へ不溶となる。その後、未露光部を現像液で溶解除去することで、露光部のみのパターン樹脂が形成される。この段階では、まだパターン樹脂は熱での硬化性を有しており、その後、加熱圧着する事でダイボンド用の接着剤として機能する。
本発明における感光性樹脂はアルカリ水溶液への可溶性を持つことにより、フォトリソグラフィによるパターン形成工程において、有機溶剤ではなくアルカリ水溶液の現像液を用いることができる。アルカリ水溶液への可溶性を発現するには、酸性基を含んでいる事が必要であり、例えば、前記感光性樹脂が下記式(X1)または(X2)で表される各構造、フェノール性水酸基およびカルボキシル基等が考えられる。耐熱性およびアルカリ現像によるパターンの膨潤を低減することができる観点から、式(X1)または(X2)で表される各構造であることが望ましい。
本発明で言うネガ型の感光性樹脂としては、耐熱性の観点から、カチオン重合性を有するネガ型の感光性樹脂を用い、その化合物の例として、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アルコキシリル基等のカチオン重合性官能基を有する樹脂が挙げられる。具体的には、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シクロヘキシルエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン(環状または鎖状)、グリシジル基含有ポリオルガノシロキサン(環状または鎖状)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’-ビス(4-グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-5,5-スピロ-(3,4-エポキシシクロヘキサン)-1,3-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2-シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、1,4-ビス{(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ}メチル}ベンゼン、ビス{1-エチル(3-オキセタニル)}メチルエーテル、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタンおよび3-エチル-3-(2-エチルへキシロキシメチル)オキセタン等が挙げられる。
本発明のネガ型の感光性樹脂の場合、アルカリ現像性とカチオン重合性の両方を有するものが通常の半導体などで用いられるフォトリソグラフィー工程に適合しやすいという観点で必要で、樹脂中にアルカリ水溶液への可溶性基とカチオン重合性基とが含有されているものであれば良い。アルカリ水溶液への可溶性を発現する酸性基およびカチオン重合性基の両方は、一分子中に有していても、別の分子中に有していても構わないが、優れたパターニング性を発現できる観点から、それら両方を一分子中に有していることが好ましい。また、感光性樹脂の中の酸性基量は、溶媒を除いた硬化性樹脂の1~90重量部であることが好ましく、パターニング時に適切な5~60重量部であることがより好ましい。感光性樹脂の中のカチオン重合性基は、溶媒を除いた硬化性樹脂の1~90重量部であることが好ましく、5~60重量部であることがより好ましい。
本発明における感光性樹脂は、透明性や耐熱性に優れる観点より、ポリシロキサン系化合物であることが好ましく、光重合性官能基を有するシロキサン化合物を適宜用いる事は出来るが、塗布による製膜性に優れ、ピンホールなどによるリーク電流、絶縁破壊が起こり難い観点より、光重合性官能基を有する変性シロキサン化合物であることが好ましい。
(α1)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合を1個以上有し、かつ、下記式(X1)、(X2)で表される各構造と、
化合物(α1)について説明する。化合物(α1)は、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合を1個以上有し、かつ、上記酸性基のうち少なくとも一種を同一分子内に有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(α1)はSiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個以上有すればよいが、得られる硬化物の架橋密度が高いため耐熱信頼性が高いという点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。化合物(α1)は上記酸性基のうち少なくとも一種を有するものであるが、当該酸性基は、前述の変性ポリオルガノシロキサン化合物の酸性基と同一であって、好ましい構造についても同様である。
化合物(α2)について説明する。化合物(α2)は、酸性基を有さない1分子中にSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合を1個以上有する有機化合物であれば特に限定されない。化合物(α2)における有機化合物、および、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合は、上記化合物(α1)と同様であって、好ましい態様についても上記化合物(α1)と同様である。
化合物(β)について説明する。化合物(β)については1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノポリシロキサン化合物であれば特に限定せず使用することができる。具体的なSiH化合物としては、特に限定せず使用することができ、ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にSiH基を有する環状、鎖状のポリもしくはオリゴシロキサン等が挙げられる。
化合物(γ)について説明する。化合物(γ)は、1分子中に光重合性官能基を少なくとも1個と、SiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合を1個以上とを有する化合物であれば特に限定されない。なお、ここでいう光重合性官能基は、前述の変性ポリオルガノシロキサン化合物が有する光重合性官能基と同一であって、好ましい態様も同様に好ましい。
化合物(α1)、(α2)、化合物(β)および化合物(γ)をヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金-オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金-ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金-ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金-ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金-炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金-オレフィン複合体も本発明において有用である。
上記感光性性樹脂は、光カチオン重合開始剤を含有している。光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることにより、感光性樹脂が有する光重合性官能基を架橋させることができる酸性活性物質を放出することができる化合物であれば良い。光カチオン重合開始剤により発生する酸のpKaは限定はされないが、好ましくは3未満、さらに好ましくは1未満である。
上記感光性樹脂は、残膜率および解像度の向上のため、塩基性化合物を含有してもよい。上記塩基性化合物はクエンチャーとして作用する。すなわち、上記塩基性化合物を適切な量にて上記感光性樹脂に配合することにより、上記光カチオン重合開始剤による架橋が未露光の部分にまで及ぶことを防ぐことができる。これにより、残膜率が向上するとともに、露光部分と未露光部分とのコントラストが明確になって解像度が向上する。
上記感光性樹脂は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤によれば、上記感光性樹脂において、可視光等への感度を向上させることができ、さらにg線(436nm)、h線(405nm)およびi線(365nm)等の高波長の光に感度を持たせることができる。
これらの増感剤を、上述の光カチオン重合開始剤と併用して使用することにより、上記感光性樹脂の硬化性の調整を行うことができる。上記増感剤としては、アントラセン系化合物およびチオキサントン系化合物等が挙げられる。
上記感光性樹脂は、接着性改良剤を含有していてもよい。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン-インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン-フェノール樹脂、α-メチルスチレン-ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレンおよび芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
上記感光性樹脂の特性を改質する等の目的で、上記感光性樹脂に種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体またはメチルメタクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック、もしくはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)およびブチルアクリレートの単独重合体またはブチルアクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック、もしくはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドとの共重合体等のオレフィン-マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TIPAS等)、ビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等)またはジオール類(ジエチレングリコール等)と、フタル酸類(テレフタル酸およびイソフタル酸等)または脂肪族ジカルボン酸類とを重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O-PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。
上記感光性樹脂には必要に応じて充填材を添加してもよい。充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、シリカ系充填材(石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカおよび超微粉無定型シリカ等)、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムおよび無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系充填材等の、従来の封止材の充填材として一般に使用または提案されている充填材等が挙げられる。
上記感光性樹脂には酸化防止剤を添加してもよい。使用できる酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤等の一般に用いられている酸化防止剤の他、クエン酸、リン酸および硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂において均一に塗布するために溶剤を使用することが好ましい。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく具体的に例示すれば、エチルシクロヘキサン、トリメチルペンタン等の炭化水素系溶剤、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、等のエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、イソ酪酸イソブチル、酪酸イソブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、トリフルオロトルエン等のハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。特に均一な膜が形成しやすい観点より、1,4-ジオキサン、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等が好ましい。
ダイボンド剤とは、様々なエレクトロニクス製品で用いられるチップを接着固定するための樹脂を意味する。接着させるチップは特に限定されず、例えば、センサチップ、ICチップ、LEDチップ、各種半導体チップなどが挙げられる。接着の態様の一例として、チップ付きウエハと、ダイボンド剤付きのガラスとを接着し固定する構成が考えられるが、この構成に限られない。
また微少なチップを接着させる為に、従来の液状ダイボンド剤の場合、塗布量や膜厚バラツキの制御が非常に困難となるが、本発明のダイボンド剤は、膜厚を均一に塗布でき接着性のバラツキなく、チップからの樹脂はみ出しや接着後のチップ平行性も確保しやすい。ダイボンド剤の好ましい膜厚としては、アウトガスが少ない観点より1~10μmであり、より好ましくは1~5μmである。
本発明のネガ型感光性ダイボンド剤によりチップを製造する方法は種々想定されるが、生産効率の観点より以下方法による接着が好ましい。
(a)接着層形成工程
用いる基材も特に限定されることはなく、接着対象となる基板や個片化する前のチップ母材基板にも適用する事ができ、半導体向けであれば、シリコンウェハ、ガラス基材、GaN基材、SiC基材、セラミック基材などが挙げられ、LED向けであればサファイア基材などが挙げられ、その他、ガラエポ基材、樹脂基材、着色樹脂膜がパターン化されたLCDまたはCCD用カラーフィルター基材、印刷用紙、印刷用繊維、金属板等の基材など、特に限定なく塗布することができる。塗布方法は、スピンコート法、ロールコート法、印刷法およびバーコート法等が挙げられる。塗布膜厚は、通常0.05~500μm、好ましくは0.1~200μm、より好ましくは1~50μmである。接着層は、後の工程で加熱圧着し接着する機能を奏するため、接着層がにじみ出ないように、且つ、密封できるよう面一の厚さとすることが好ましい。
上記感光性樹脂のパターン形成は、その後の工程で個片チップ化するチップ母材基板の裏面、もしくは、接着対象基板へ行う。
上記パターン形成されたチップ母材基板、もしくは、接着対象基板の個片化の方法については、特に限定されず、一般的なダイシングブレードやレーザーでの切削により個片化する。チップ母材基板を個片化する場合は、感光性樹脂付きチップが得られ、接着対象基板へのチップ接着後に個片化する場合には、チップ接合個片基板が得ることができる。
前記の感光性樹脂付きチップの場合は、チップの樹脂面を接着対象基板に、チップと基板両方もしくはチップ/基板の一方を加熱しながら加熱圧着させて接着させる。また、感光性樹脂が接着対象基板にパターン形成された場合には、チップを基板上のパターン化された樹脂部に、チップと基板両方もしくはチップ/基板の一方を加熱しながら加熱圧着させることで接着させる事ができる。
実施例および比較例で得られた感光性樹脂を用いて下記のパターニング性評価サンプルを作製した。まず、ガラス基板へ、実施例および比較例で得られた感光性樹脂をスピンコーティングした。得られた基板を、100℃に加熱したホットプレート上で10分間加熱した。さらに、露光装置(高圧水銀ランプ、手動露光機、大日本科研社製)を用い、50μmと100μmのラインアンドスペースパターンが刻まれたマスクを通して、それぞれの感光性樹脂に最適な積算光量で露光し(ソフトコンタクト露光)、露光後1分間放置した。その後、アルカリ性現像液(TMAH2.38%水溶液)に60秒間浸漬後、30秒間水洗して、圧縮空気または圧縮窒素で表面の水分を除去してパターンを形成した。
300μmのスクライブラインによる2mm角の格子状パターンマスクを用いて、上記パターニング性評価サンプルと同様の方法で、膜厚3μm狙いでダイボンド剤が塗布された基板密着性評価サンプルを得た。ホットプレート上で150℃に加熱した評価サンプル上に、スクライブライン上で2mm角に切断したシリコンウェハーを乗せ、その上から2kgの分銅を用いて10分間荷重をかけながら樹脂膜とシリコンウェハーの貼り合せを行うことで、ガラス、樹脂膜、シリコンウェハーの3層積層体を作製した。ダイシェア試験機(SERIES4000、DAGE社製)を下記条件で使用して、樹脂とシリコンウェハーが剥離した加重(kgf)から接着強度を評価した。2mm角のチップに対する接着強度としては、その後の加工工程や使用環境下でのチップ剥がれなどが無い観点から、20kgf以上である事が好ましい。
上記切断前の樹脂サンプルが塗布された基板サンプルを接触式膜厚測定装置を用いて、膜厚測定を行った。
ジアリルイソシアヌル酸40gおよびジアリルモノメチルイソシアヌル酸29gをジオキサン264gに溶解させ、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金を3重量%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt-VTSC-3X)143μLを加えた。このようにして得られた溶液を、酸素を3%含有する窒素雰囲気下、105℃に加熱した1,3,5,7-テトラハイドロジェン-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン88gをトルエン176gに溶解させた溶液に3時間かけて滴下した。
ジアリルイソシアヌル酸40gおよびジアリルモノメチルイソシアヌル酸29gをジオキサン264gに溶解させ、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金を3重量%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt-VTSC-3X)143μLを加えた。このようにして得られた溶液を、酸素を3%含有する窒素雰囲気下、105℃に加熱した1,3,5,7-テトラハイドロジェン-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン88gをトルエン176gに溶解させた溶液に3時間かけて滴下した。
ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸50gおよびモノアリルイソシアヌル酸30gをジオキサン264gに溶解させ、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金を3重量%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt-VTSC-3X)143μLを加えた。このようにして得られた溶液を、酸素を3%含有する窒素雰囲気下、105℃に加熱した1,3,5,7-テトラハイドロジェン-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン88gをトルエン176gに溶解させた溶液に3時間かけて滴下した。
実施例1~6、比較例1、2で得られた感光性樹脂に対し、前述の評価を行った。実施例1~6に示す樹脂組成物はパターン形成が可能であり、基材との優れた接着性を示すのに対し、比較例1、2の組成物は耐熱性が低くアウトガス発生による接着不良が発生するなど満足する接着性が得られなかった。
Claims (9)
- アルカリ現像性感光性樹脂からなるネガ型感光性ダイボンド剤であって、
前記感光性樹脂は光カチオン重合開始剤を含有し且つカチオン重合性を有し、
前記感光性樹脂がポリシロキサン系化合物を主成分とし、
前記ポリシロキサン系化合物が、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸由来のグリシジル基と、アリルグリシジルエーテル由来のグリシジル基とを有し、
半導体チップへの接着強度が20kgf以上であることを特徴とするネガ型感光性ダイボンド剤。 - 前記感光性樹脂がエポキシ架橋剤を更に含む、請求項1又は2に記載のネガ型感光性ダイボンド剤。
- 近紫外線硬化性の基板接着剤であって、
ポリシロキサン系化合物を主成分とするネガ型感光性樹脂を含み、
前記感光性樹脂は光カチオン重合開始剤を含有し且つカチオン重合性を有し、
前記ポリシロキサン系化合物が、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸由来のグリシジル基と、アリルグリシジルエーテル由来のグリシジル基とを有する近紫外線硬化性の基板接着剤。 - 前記感光性樹脂がエポキシ架橋剤を更に含む、請求項4に記載の近紫外線硬化性の基板接着剤。
- ガラス基板とシリコン基板とを接着する請求項4又は5に記載の近紫外線硬化性の基板接着剤。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載のダイボンド剤を用いたチップの製造方法であって、
(1)前記ダイボンド剤をチップ付き母材基板に塗布し、乾燥させる接着層形成工程と、
(2)前記接着層を露光後、アルカリ性水溶液で現像してパターンを形成する工程と、
(3)前記パターン付き母材基板をダイシングする個片化工程と、
(4)前記個片化されパターン化されたチップ付き基板と、接着対象の基板とを、前記パターンを介して加熱圧着し接着する工程と、をこの順に含むチップの製造方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のダイボンド剤を用いたチップの製造方法であって、
(1)前記ダイボンド剤を接着対象基板上に塗布し、乾燥させる接着層形成工程と、
(2)前記接着層を露光後、アルカリ性水溶液で現像してパターンを形成する工程と、
(3)前記パターンが形成された基板と、チップ付き母材基板とを、前記パターンを介して加熱圧着し接着する工程と、
(4)前記接着された基板をダイシングする個片化工程と、をこの順に含むチップの製造方法。 - 前記パターンを介して前記基板を加熱圧着する工程の後に、前記パターンを硬化させる工程を含む請求項7又は8に記載のチップの製造方法。
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