JP7016240B2 - 基板積層体、イメージセンサおよび基板積層体の製造方法 - Google Patents

基板積層体、イメージセンサおよび基板積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子や半導体基板の積層体、およびその製造方法に関する。
イメージセンサや加速度センサ、圧力センサ等のMEMSセンサでは、光透過性や機械部品の動きを確保するため、半導体パッケージに中空部を設け、ガラス、金属等の封止基板を、パッケージ周辺に配置された接着剤により接着する必要がある。従来はパッケージ1つずつに液状の接着剤を用いてディスペンス法により接着層パターンを形成し、ガラスを貼り合せることで1つの中空構造体を形成する方法で接着していた。しかしながら従来の1つずつ中空構造体を形成する方法では生産性に乏しいため、12インチφ等の大きな基板に数100~数1000個のセルパターンを、接着性を持った樹脂で形成し、それに同サイズのガラスを貼り合わせて基板積層体を作製した後、それをダイシングし個片化することで多数の中空構造体を簡便に得る手法が知られている。
上記多数のセルパターンは、従来の中空セル構造を1つずつ作成する方法と同様に、ディスペンス法やスクリーン印刷法により形成する方法が用いられるが、液状接着剤の染み出しのため、パターンの十分な位置精度や高さや幅の寸法精度が得られない。
このような課題を解決するために、フォトリソグラフィによるパターン化が可能な感光性接着剤が知られている。(特許文献1)
特開2011-116968号
12インチφ等の大きな基板同士で数100~数1000個の多数の中空セル構造を形成する場合、未接着箇所が無い基板積層体を得ることは難しい。
特許文献1はラジカル重合によりパターンを形成しているため、接着性が乏しい。また1つの基板積層体で数1000個の中空セル構造を形成する点までは検討されていない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、アルカリ現像可能なカチオン硬化性樹脂を接着層として用い、未接着箇所が無い数100~数1000個の中空構造体をもった基板積層体および基板積層体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明は、2つの基板をパターン化された樹脂で貼り合わせた積層体であり、パターン形状が個々に独立した中空セル構造を有することを特徴とする基板積層体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の構成をなす。
1).2つの基板をパターン化された樹脂で貼り合わせた積層体であって、
パターン化された樹脂がアルカリ可溶性およびカチオン重合性を有する硬化性樹脂を硬化したものであり、パターン形状が個々に独立した中空セル構造を有することを特徴とする基板積層体。
2).前記硬化性樹脂が光酸発生剤を含むことを特徴とする1)記載の積層体。
3).前記基板の少なくとも一方が透明基板であることを特徴とする1)または2)に記載の基板積層体。
4).前記透明基板がガラスであることを特徴とする3)に記載の基板積層体。
5).前記基板の少なくとも一方が半導体素子基板であることを特徴とする1)~4)のいずれか1項に記載の基板積層体。
6).前記硬化性樹脂がグリシジル基または脂環式エポキシ基を含むことを特徴とする1)~5)のいずれか1項に記載の基板積層体。
7).前記硬化性樹脂がポリシロキサン系化合物であることを特徴とする1)~6)のいずれか1項に記載の基板積層体。
8).前記硬化性樹脂がアルカリ可溶性基として下記式(X1)または(X2)
Figure 0007016240000001
で表される各構造、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むネガ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする1)~7)のいずれか1項に記載の基板積層体。
9).1)~8)のいずれか1項に記載の基板積層体を用いて得られるイメージセンサ。
10).アルカリ可溶性およびカチオン重合性を有する硬化性樹脂を基板(第一の基板)上に塗布乾燥し、露光後アルカリ性水溶液で現像して基板(第一の基板)上にパターン形状が個々に独立した中空セル構造に該当するパターンを形成する工程と、
前記パターンを介して、基板(第一の基板)とは別の面に別の基板(第二の基板)を貼り合わせる工程を有することを特徴とする基板積層体の製造方法。
本発明は、中空構造体を数100~数1000個もった基板積層体を形成する場合、個々が独立したセルパターンをアルカリ可溶性およびカチオン重合性を有する硬化性樹脂で形成し、それを接着層として用いることで、中空セル構造を未接着箇所なく形成できるという効果を奏する。また、本発明の基板積層体を用いれば、簡便な工程で多数の中空構造体を提供することが出来、特にCMOS・CCDセンサ用中空構造体、MEMSデバイス用中空構造体の製造に適している。
本発明の中空構造体を形成するためのパターンを形成した基板の模式図である。 本発明の中空構造体を形成するための基板積層体の断面の模式図である。 個々が独立したセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクである。 個々が独立したセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクである。 個々が独立していないセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクである。 個々が独立していないセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクである。
〔1.基板積層体〕
本発明における基板積層体は、アルカリ可溶性およびカチオン重合性を有する硬化性樹脂を基板上に塗布乾燥し、露光後アルカリ性水溶液で現像して基板(第一の基板)上にパターン形成する工程と、前記パターンを介して、基板(第一の基板)とは別の面に別の基板(第二の基板)を貼り合わせる工程を経ることによって得られる。
本発明の基板積層体は、接着層の幅および高さを適切に選択することで、中空構造体を簡便に得ることができる。
使用し得る基板として、半導体素子基板、シリコンウェハ、透明基板(例:ガラス基板、透明樹脂基板)樹脂基板、セラミック基板などがあげられる。後述するイメージセンサの製造においては、第一の基板としてセンサ基板、第二の基板としてガラス基板、もしくは第一の基板としてガラス基板、第二の基板としてセンサ基板が用いられる。
基板の形状としては、丸型でも角型でも構わない。既存の半導体製造装置を用いることが出来る点から、4インチ~12インチの丸型基板を用いることが好ましく、一度に多数の中空構造体を形成できる点から12インチφやそれに近い大きさの基板が好ましい。また、第一の基板と第二の基板サイズは同じであっても異なっていても構わない。
〔2.個々が独立した中空構造体〕
個々が独立した中空構造体を形成するためのパターンを形成した基板は例えば図1のような形態を例示することができる。
図1の基板と別の基板を貼り合せることで図2の個々に独立した中空構造体が形成される。
1枚の基板上に多数個々に独立した中空セル同士の間隔は1μm以上であればよいが、良好なパターンを形成するために5μm以上空いているのが好ましい。中空セル構造を形成するためのパターンは四角形以外でもよく例えば三角形、六角形等の多角形でもよいし、円形など曲線を含む構造でもよい。
CMOS・CCDセンサ用中空構造体基板積層体を用いる場合は1辺1~50mmの長方形がよく、それを1枚の基板に可能なだけ敷き詰めてもよい。(例えば、4mm×5mmのセルサイズをセル間隔100μmで12インチφに敷き詰めた場合2000個以上の中空構造体が得られる。)
またCMOS・CCDセンサ用中空構造体基板積層体を用いる場合は接着層が低すぎると組み立て時にセンサ基板を傷つける可能性がある。また接着層が高すぎると良好なパターンが得られない。これらの点から接着層の高さとして1μm~200μmであり、好ましくは50~150μmである。接着層の幅としては、細すぎると十分な接着強度が得られない。また、接着層が太すぎるとセンサ基板を配置するスペースが無くなってしまう。これらの点から接着層の幅として1μm~1000μmであり、好ましくは100~250μmである。
個々が独立した中空構造体を形成するためのパターンを形成するためのネガ型フォトマスクの例としては、図3や図4を例示することができる。
〔3.アルカリ可溶性〕
本発明における硬化性樹脂はアルカリ可溶性を持つため、フォトリソグラフィによるパターン形成工程において、有機溶剤ではなくアルカリ水溶液の現像液を用いることができる。アルカリ可溶性を発現するアルカリ可溶性基としては、例えば前記硬化性樹脂がアルカリ可溶性基として下記式(X1)または(X2)
Figure 0007016240000002
で表される各構造、フェノール性水酸基およびカルボキシル基等が考えられる。耐熱性およびアルカリ現像によるパターンの膨潤を低減することができる観点から、式(X1)または(X2)で表される各構造であることが望ましい。
〔4.カチオン重合性〕
カチオン重合性を示す樹脂として、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性官能基を有する樹脂が考えられる。具体的には、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シクロヘキシルエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン(環状または鎖状)、グリシジル基含有ポリオルガノシロキサン(環状または鎖状)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’-ビス(4-グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-5,5-スピロ-(3,4-エポキシシクロヘキサン)-1,3-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2-シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、1,4-ビス{(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ}メチル}ベンゼン、ビス{1-エチル(3-オキセタニル)}メチルエーテル、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタンおよび3-エチル-3-(2-エチルへキシロキシメチル)オキセタン等が挙げられる。安定性の観点から、エポキシ基の中でも、脂環式エポキシ基またはグリシジル基が好ましく、特に光および熱によるカチオン重合性に優れる点では、脂環式エポキシ基が好ましい。カチオン重合性を示す樹脂として、カチオン重合性官能基を1分子中に少なくとも1個有していればよいが、2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましい。カチオン重合性官能基が3個以上であれば、架橋密度の高い硬化物が得られ、当該硬化物は耐熱性に優れるという利点がある。各カチオン重合性官能基は同一であってもよく、2種以上の異なる官能基であってもよい。
〔5.アルカリ可溶性およびカチオン重合性を有する硬化性樹脂〕
本発明における硬化性樹脂は光または光および熱により硬化する樹脂を示す。ネガ型感光性樹脂はフォトマスクを通して光を照射されることで、露光部でのみカチオン重合反応が起こる。その後、アルカリ水溶液に浸漬することで未露光部が除去され露光部のみパターン樹脂が形成される。パターン樹脂は光反応によるBステージ状態であり、完全に硬化していないため、基板積層体を構成する接着層として働くことができる。
本発明における硬化性樹脂は、硬化樹脂中にアルカリ可溶性基およびカチオン重合性基を有していれば特に限定されない。硬化性樹脂は、アルカリ可溶性基およびカチオン重合性基の両方を一分子中に有していても、別の分子として有していても構わないが、パターニング性の観点から、アルカリ可溶性基およびカチオン重合性基の両方を一分子中に有していることが好ましい。
硬化性樹脂の中のアルカリ可溶性基量は、溶媒を除いた硬化性樹脂の1~90重量部であることが好ましく、パターニング時に適切な5~60重量部であることがより好ましい。
硬化性樹脂の中のカチオン重合性基は、溶媒を除いた硬化性樹脂の1~90重量部であることが好ましく、5~60重量部であることがより好ましい。
〔6.ポリシロキサン系化合物〕
本発明における硬化性樹脂は、リフロー時の耐熱性およびアウトガス低減の観点から、ポリシロキサン系化合物を含有していることが望ましい。本発明において、ポリシロキサン系化合物とは、シロキサン単位Si-O-Siを有する化合物であれば、特に限定されない。ポリシロキサン系化合物中のシロキサン単位のうち、T単位(XSiO3/2)またはQ単位(SiO4/2)の含有率が高いほど、得られる硬化物は硬度が高く、より耐熱信頼性に優れる。また、ポリシロキサン系化合物中のシロキサン単位のうち、M単位(XSiO1/2)またはD単位(XSiO2/2)の含有率が高いほど、得られる硬化物はより柔軟で低応力である。
硬化性樹脂の中のポリシロキサン系化合物は、他成分との相溶性やパターニング性の観点からカチオン重合性基を分子内に有していることが好ましく、カチオン重合性基およびアルカリ可溶性基を分子内に有していることがさらに好ましい。
〔7.その他の添加剤〕
(架橋剤)
上記硬化性樹脂には、作業性、反応性、接着性および硬化物強度の調整のために、カチオン重合性官能基以外の光重合性官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤を添加することができる。上記架橋剤としては、硬化反応形式によって選択すれば特に限定されず、アルコキシシラン化合物および(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
(光酸発生剤)
上記硬化性樹脂は、光酸発生剤を含有することが好ましい。光酸発生剤は、活性エネルギー線を照射されることにより、硬化性樹脂が有する光重合性官能基を架橋させることができる酸性活性物質を放出することができる化合物であれば、特に限定されない。
光酸発生剤により発生する酸のpKaは、限定はされないが、好ましくは3未満、さらに好ましくは1未満である。
上記光酸発生剤としては、公知の光酸発生剤を使用することができる。例えば、光酸発生剤として、特開2000-1648号公報、特表2001-515533号公報および国際公開第2002/83764号において好適とされている各種の化合物が挙げられるが、特に限定されない。上記光酸発生剤は、スルホネートエステル類、カルボン酸エステル類またはオニウム塩類であることが好ましく、オニウム塩類であることがより好ましい。
上記スルホネートエステル類としては、種々のスルホン酸誘導体を使用することができ、例えば、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、トリフルオロメチルスルホネート誘導体等のイミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1-オキシ-2-ヒドロキシ-3-プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類およびベンジルスルホネート類が挙げられる。
上記スルホネートエステル類として、具体的には、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドメチルスルホネート、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドトシルスルホネート、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネート、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルホネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、シス-5-ノルボルネン-エンド-2,3-ジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイントシラート、1,2-ジフェニル-2-ヒドロキシプロピルトシラート、1,2-ジ(4-メチルメルカプトフェニル)-2-ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホネート、2,6-ジニトロフェニルメチルトシラート、オルト-ニトロフェニルメチルトシラートおよびパラ-ニトロフェニルトシラート等が挙げられる。
これらは、1種のみまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、光酸発生剤としてカルボン酸エステル類も同様に使用することができる。
一般に、スルホン酸エステルおよびカルボン酸エステルは、酸を遊離するために、加熱ステップ(50℃~100℃)を必要とする場合がある。
上記オニウム塩としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl )、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、フルオロアルキルフルオロホスフェート、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、フルオロスルホン酸イオン(FSO )、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸アニオンおよびトリニトロトルエンスルホン酸アニオン等のアニオンを有するスルホニウム塩およびヨードニウム塩が挙げられる。光酸発生剤は、吸収波長の観点から、芳香族系スルホニウム塩が好ましい。
光酸発生剤における陰イオンを酸強度が強いものから順に並べるとSbF 、B(C 、PF 、CFSO 、HSO となる。光酸発生剤の陰イオンの酸強度が強いものほど、残膜率が高くなる傾向にある。光酸発生剤から発生する酸のpKaは、好ましくは3未満、さらに好ましくは1未満である。
感光性組成物における光酸発生剤の含有量は、特に制限はない。硬化速度および硬化物の物性バランスの観点から、光酸発生材の含有量は、化合物(A)100重量部に対して0.1~20重量部が好ましく、0.5~10重量部がさらに好ましい。
光酸発生剤の量が少ないと、硬化に長時間を要したり、十分に硬化した硬化物が得られなかったりする場合がある。また、光酸発生剤が多いと、色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色または耐熱性もしくは耐光性を損なったりするため、好ましくない場合がある。
(塩基性化合物)
上記硬化性樹脂は、残膜率および解像度の向上のため、塩基性化合物を含有してもよい。上記塩基性化合物はクエンチャーとして作用する。すなわち、上記塩基性化合物を適切な量にて上記硬化性樹脂に配合することにより、上記光酸発生剤による架橋が未露光の部分にまで及ぶことを防ぐことができる。これにより、残膜率が向上するとともに、露光部分と未露光部分とのコントラストが明確になって解像度が向上する。
上記塩基性化合物の配合量は、カチオン重合性官能基を有する化合物100重量部に対して、好ましくは0.001~2.0重量部であり、より好ましくは0.01~1.0重量部である。上記塩基性化合物の配合量が0.001重量部以上であれば、クエンチャーとしての効果を十分に奏することができる。上記塩基性化合物の配合量が2.0重量部以下であれば、感度を向上させることができる。
(A)光酸発生剤に対する(B)塩基性化合物の重量比((B)/(A))は、0.001~0.2であり、好ましくは0.01~0.15である。当該重量比が0.001以上であれば、塩基性化合物がクエンチャーとしての効果を十分に奏することができる。当該重量比が0.2以下であれば、十分に架橋を行うことができる。
上記塩基性化合物としては、特に制限はないが、第一級、第二級および第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、アミド誘導体およびイミド誘導体等が挙げられる。この中でも芳香族アミン類および複素環アミン類が、塩基性化合物として好適に使用できる。
上記芳香族アミン類および上記複素環アミン類としては、アニリン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、フラザン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドール、イソインドール、1H-インダゾール、インドリン、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、1,10-フェナントロリン、アデニン、アデノシン、グアニン、グアノシン、ウラシルおよびウリジン、並びにそれらの誘導体等が例示される。また、上記複素環アミン類としては、2,6-ルチジンも挙げられる。
なかでも、塩基性化合物としてモルホリン誘導体が好適に使用できる。モルホリン誘導体としては、具体的にはビス(2-モルホリノエチル)エーテル、4,4’-カルボニルジモルホリン、4-[2-(エトキシカルボニル)エチル]モルホリンおよび4-(p-トリル)モルホリン等が例示される。
で表される。
上記塩基性化合物としては1種が用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(増感剤)
上記硬化性樹脂は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤によれば、上記硬化性樹脂において、可視光等への感度を向上させることができ、さらにg線(436nm)、h線(405nm)およびi線(365nm)等の高波長の光に感度を持たせることができる。これらの増感剤を、上述の光酸発生剤と併用して使用することにより、上記硬化性樹脂の硬化性の調整を行うことができる。
上記増感剤としては、アントラセン系化合物およびチオキサントン系化合物等が挙げられる。
上記アントラセン系化合物の具体例としては、アントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジメチルアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、1,4-ジメトキシアントラセン、9-メチルアントラセン、2-エチルアントラセン、2-tert-ブチルアントラセン、2,6-ジ-tert-ブチルアントラセン、9,10-ジフェニル-2,6-ジ-tert-ブチルアントラセン等が挙げられる。特に入手しやすい観点からは、上記アントラセン系化合物として、アントラセン、9,10-ジメチルアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセンおよび9,10-ジエトキシアントラセン等が好ましい。
上記アントラセン系化合物として、硬化物の透明性に優れる観点からはアントラセンが好ましく、感光性組成物との相溶性に優れる観点からは9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセンおよび9,10-ジエトキシアントラセン等が好ましい。
上記チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび2,5-ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
これらの増感剤としては、1種が使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記増感剤の含有量は、増感効果を発揮できる量であれば、特に限定されないが、添加した光酸発生剤1モルに対して、好ましくは0.01~300モルであり、より好ましくは0.01モル~100モルである。増感剤の量が少ないと、増感効果が得られず、硬化に長時間を要したり、現像性に好ましくない影響を及ぼしたりする場合がある。一方、増感剤の量が多いと、色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色したり、耐熱性または耐光性を損なったりするおそれがある。
(接着性改良剤)
上記硬化性樹脂は、接着性改良剤を含有していてもよい。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン-インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン-フェノール樹脂、α-メチルスチレン-ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレンおよび芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基およびカルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性および接着性の観点から、エポキシ基、メタクリル基またはアクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の観点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の観点からメトキシシリル基またはエトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランおよび2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシランおよびアクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類、トリス[3-(トリメトキシシリルプロピル)]イソシアヌレート、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。
シランカップリング剤の添加量は適宜設定され得るが、カチオン重合性官能基を有する化合物100重量部に対して、好ましくは0.1~20重量部、より好ましくは0.3~10重量部、さらに好ましくは0.5~5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤およびエポキシ化合物等としては、1種が使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(熱可塑性樹脂)
上記硬化性樹脂の特性を改質する等の目的で、上記硬化性樹脂に種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体またはメチルメタクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック、もしくはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)およびブチルアクリレートの単独重合体またはブチルアクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック、もしくはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドとの共重合体等のオレフィン-マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI-PAS等)、ビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等)またはジオール類(ジエチレングリコール等)と、フタル酸類(テレフタル酸およびイソフタル酸等)または脂肪族ジカルボン酸類とを重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O-PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。
上記熱可塑性樹脂は架橋性基を有していてもよい。上記架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基およびアルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという観点から、上記熱可塑性樹脂は、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
上記熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、ポリシロキサン系化合物との相溶性が良好となりやすいという観点からは、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。一方、得られる硬化物が強靭となりやすいという観点からは、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという観点からは、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
上記熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、上記硬化性樹脂全体に対して好ましくは5~50重量%、より好ましくは10~30重量%である。上記熱可塑性樹脂の添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなる場合がある。上記熱可塑性樹脂の添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は上記硬化性樹脂に溶解して均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、上記硬化性樹脂に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を上記硬化性樹脂に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態または混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、当該熱可塑性樹脂の平均粒子径は適宜設定され得るが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となり易いという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
上記硬化性樹脂には必要に応じて充填材を添加してもよい。
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、シリカ系充填材(石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカおよび超微粉無定型シリカ等)、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムおよび無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系充填材等の、従来の封止材の充填材として一般に使用または提案されている充填材等が挙げられる。
(老化防止剤)
上記硬化性樹脂には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系老化防止剤等の一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸、リン酸および硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
上記ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、BASF社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられ得る。
上記硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィド類(スルフィドカルボン酸エステル類およびヒンダードフェノール系スルフィド類等)、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類およびスルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤としては、1種が使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(ラジカル禁止剤)
上記硬化性樹脂にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-3-メチルフェノール(BHT)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)およびテトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤、並びにフェニル-β-ナフチルアミン、α-ナフチルアミン、N,N’-第二ブチル-p-フェニレンジアミン、フェノチアジンおよびN,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
また、これらのラジカル禁止剤としては、1種が使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(溶剤)
上記硬化性樹脂が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。上記溶剤は特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、ヘキサンおよびヘプタン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソランおよびジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン系溶媒;プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)およびエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤;クロロホルム、塩化メチレンおよび1,2-ジクロロエタン等のハロゲン系溶剤等が挙げられる。
溶剤の使用量は適宜設定され得るが、用いる上記硬化性樹脂1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。溶剤の使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくい場合がある。また、溶剤の使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する場合がある。
これらの溶剤としては、1種が使用されてもよく、2種類以上の混合溶媒として用いられてもよい。
(その他)
上記硬化性樹脂には、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤(アンチモン-ビスマス等)、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤および物性調整剤等を、本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
〔8.積層体の製造方法〕
(硬化性樹脂の調製方法)
上記硬化性樹脂の調製方法は特に限定されず、種々の方法によって調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製してもよく、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいてもよい。
(積層体1(基材1/硬化性樹脂):硬化性樹脂を基材上に塗布乾燥して膜状にする工程)
上記硬化性樹脂は液状でハンドリングすることができ、また、溶液塗布によって容易に膜を形成できる。そのため、上記硬化性樹脂を基材(基材1)上に層状塗布し、乾燥させることによって積層体(基材1/感光性樹脂組成物)を容易に形成することができる。
上記積層体は、具体的に例えば、以下の方法で作成されてもよい。まず、上記ネガ型感光性樹脂組成物を、基材上に塗布する。基材(基材1)としては、例えば、ガラス類、ポリカーボネート類、フィルム類、撮像素子の形成されたシリコンウェハ、LCDまたはCCD用カラーフィルターのパターン化された着色樹脂膜、印刷用紙、印刷用繊維、セラミック基板および金属板等が挙げられる。塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、印刷法およびバーコート法等が挙げられる。塗布する膜厚は、通常0.05~1000μm、好ましくは0.1~500μm、より好ましくは1~300μmである。次に活性エネルギー線による露光を行うことで積層体を得ることができる。
このようにして得られた積層体は、次いで、後述するように、アルカリ現像液により現像処理することができる。
(アルカリ現像方法(パターン形成工程))
上記硬化性樹脂を基材(基材1)上に層状塗布し、乾燥させることによって得た積層体(基材1/感光性樹脂組成物)を、露光後、アルカリ性現像液によって現像することによって、パターンを形成することが出来る。
上記硬化性樹脂を光硬化(露光)させるための光源としては、使用する重合開始剤および増感剤の吸収波長を発光する光源を使用すればよく、通常200~450nmの範囲の波長を含む光源(例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプまたは発光ダイオード等)を使用できる。
上記硬化性樹脂を光硬化させるための露光量は特に制限されないが、好ましくは1~10000mJ/cm、より好ましくは1~4000mJ/cmである。露光量が少ないと上記ネガ型感光性樹脂組成物が硬化しない場合がある。露光量が多いと急硬化のために変色する場合がある。硬化時間の範囲は好ましくは1~600秒、より好ましくは1~150秒である。硬化時間が長いと、光硬化が有する速硬化という特徴が生かされない。
また光反応を促進させる目的で、光照射した後、現像する前に熱を加えて、ポストエクスポージャーベイク(PEB)させてもよい。
また溶剤除去および硬化物の物性調節の目的で、パターン樹脂の接着性が低下しない程度に、光硬化前後に熱を加えプリベークおよびアフターベークさせてもよい。硬化温度は適宜設定され得るが、好ましくは40~300℃、より好ましくは40~150℃である。
アルカリ現像液によるパターニング形成について特に限定される方法はなく、一般的に行われる浸漬法、パドル法またはスプレー法等の現像方法により未露光部を溶解および除去して所望のパターンを形成することができる。
また、アルカリ現像において使用される現像液については、一般に使用されるものであれば特に限定なく使用することができる。上記現像液の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液およびコリン水溶液等の有機アルカリ水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液および炭酸リチウム水溶液等の無機アルカリ水溶液等が挙げられる。上記水溶液は、溶解速度等の調整のためにアルコールおよび界面活性剤等を含有していてもよい。
上記水溶液の濃度は、露光部と未露光部とのコントラストがつきやすいという観点から、25重量%以下であることが好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。
(積層体2(基材1/感光性樹脂組成物/基材2):基材を形成したパターンに圧着する工程) 前記パターン形成工程で、得られた積層体(基材1/感光性樹脂組成物)のパターンに基材(基材2)を圧着する。圧着温度としては、通常25℃~350℃、好ましくは、60℃~300℃、より好ましくは80℃~250℃である。圧着時の条件としては、接着面にかかる圧力が0~20MPa、好ましくは0~10MPaであり、より好ましくは0~5MPaである。
接着力を向上させるという観点から、圧着後、25℃~350℃で硬化することが好ましい。
〔9.用途〕
上記積層体は、種々の用途に用いることができる。
上記用途としては、CMOS・CCDセンサ用中空構造体、MEMSデバイス用中空構造体に本願発明の積層体を適用すれば、1つの基板積層体で数100~数1000のセンサデ、バイスが接着不良なく一度に得られるため、特にイメージセンサ用途に好適である。また壁材の薄型化が可能になり、構造体を小型化できるため好ましく、感光性樹脂組成物を接着層として利用することができるため、製造工程の簡略化という観点においても好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
ジアリルイソシアヌル酸40gおよびジアリルモノメチルイソシアヌル酸29gをジオキサン264gに溶解させ、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金を3重量%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt-VTSC-3X)143μLを加えた。このようにして得られた溶液を、酸素を3%含有する窒素雰囲気下、105℃に加熱した1,3,5,7-テトラハイドロジェン-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン88gをトルエン176gに溶解させた溶液に3時間かけて滴下した。
滴下終了から30分後にH-NMRでアルケニル基の反応率が95%以上であることを確認した。その後、上記溶液に対して、1-ビニル-3,4-エポキシシクロヘキサン62gをトルエン62gに溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了から30分後にH-NMRでアルケニル基の反応率が95%以上であることを確認した後、冷却により反応を終了した。溶媒のトルエンおよびジオキサンを減圧留去した後、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタートに置換し、無色透明の75重量%アルカリ可溶性及びカチオン硬化性を有した化合物溶液を得た。
上記化合物溶液100gに対し、光酸発生剤CPI210S(サンアプロ株式会社製)を0.7g、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル0.02gを加え、よく混合し、ネガ型のアルカリ現像可能なカチオン硬化性樹脂を得た。
(個々が独立なセルパターンの形成)
製造例1で得られた樹脂組成物を用いて下記の基板圧着性評価サンプルを作製した。まず、6、12インチφのガラス基板へ、製造例で得られた樹脂組成物を膜厚50μmになるようスピンコーティングした。得られた基板を、120℃に加熱したホットプレート上で10分間加熱した。さらに、露光装置(高圧水銀ランプ、手動露光機、大日本科研社製)を用い、図3~図6のフォトマスクを通して、積算光量1500mj/cmで露光し(ソフトコンタクト露光)、露光後1分間放置した。その後、アルカリ性現像液(TMAH2.38%水溶液)に300秒間浸漬後、30秒間水洗して、圧縮空気または圧縮窒素で表面の水分を除去してパターンを形成した。
(基板との貼りあわせによる中空セル構造をもった基板積相体の形成)
上記セル構造を形成した6インチ、12インチφのガラス基板の接着層の面に12インチφのシリコンウェハを重ね合わせた。精密プレス機の下盤に設置し、下盤を30℃、上盤を150℃に加熱した。接着層に2.5MPaの圧力がかかる様に荷重を設定しプレスを開始し、所定の荷重に達した状態で2分30秒保持した。
(結果)
得られた基板積層体を、顕微鏡で観察し未接着箇所の個数を数えた(表-1)。
Figure 0007016240000003
図3は、個々が独立したセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクであり、0.11mmの間隔があいたセルを12インチ基板上に描いた場合は、2000個(実施例1)、6インチ基板上に描いた場合は、335個(実施例2)描くことができる。 同様に図4の個々が独立したセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクを用いて、実施例3、4を実施した。
図5および図6は、個々が独立していないセルパターンを形成するためのネガ型フォトマスクであり、表1に示す通りのセル数の独立していないセルを形成し、比較例1~4を行った。
表1に示すように実施例1~6の個々が独立したセルパターンでは未接着箇所が発生せず、中空構造体を数100~数1000個もった基板積層体を得ることができる。
比較例1、2は個々が独立していないセルパターンの例であるが未接着箇所が発生している。
1.基板
2.パターン化された硬化性樹脂
3.基板

Claims (10)

  1. 2つの基板をパターン化された樹脂で貼り合わせた基板積層体であって、
    前記パターン化された樹脂が、カチオン重合性基およびアルカリ可溶性基を分子内に有するポリシロキサン系化合物を含む感光性樹脂組成物を硬化したものであり、
    パターン形状が個々に独立した中空セル構造を有することを特徴とする基板積層体。
  2. 前記感光性樹脂組成物が光酸発生剤およびモルホリン誘導体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の基板積層体。
  3. 前記基板の少なくとも一方が透明基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板積層体。
  4. 前記透明基板がガラスであることを特徴とする請求項3に記載の基板積層体。
  5. 前記基板の少なくとも一方が半導体素子基板であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板積層体。
  6. 前記ポリシロキサン系化合物がグリシジル基または脂環式エポキシ基を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の基板積層体。
  7. 前記ポリシロキサン系化合物がアルカリ可溶性基として下記式(X1)または(X2)
    Figure 0007016240000004
    で表される各構造、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の基板積層体。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の基板積層体を用いて得られるイメージセンサ。
  9. カチオン重合性基およびアルカリ可溶性基を分子内に有するポリシロキサン系化合物を含む感光性樹脂組成物を基板(第一の基板)上に塗布乾燥し、露光後アルカリ性水溶液で現像して基板(第一の基板)上にパターン形状が個々に独立した中空セル構造に該当するパターンを形成する工程と、
    前記パターンを介して、基板(第一の基板)とは別の面に別の基板(第二の基板)を貼り合わせる工程を有することを特徴とする基板積層体の製造方法。
  10. 前記感光性樹脂組成物が光酸発生剤およびモルホリン誘導体を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の基板積層体の製造方法。
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