以下、本発明の一側面に係る媒体排出装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体排出装置100を示す斜視図である。媒体排出装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。媒体排出装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体排出装置100はプリンタ等でもよい。
媒体排出装置100は、筐体101、載置台102、排出台110及びストッパユニット120等を備える。図1において矢印A1は媒体排出方向を示す。以下では、上流とは媒体排出方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体排出方向A1の下流のことをいう。
筐体101は、媒体排出装置100内部に配置された各部品を覆う。筐体101は、不図示の搬送ローラ、排出ローラ及び撮像装置を有し、載置台102に載置された媒体を搬送しながら読み取って画像を生成するとともに、搬送された用紙を排出台110に排出する。
載置台102は、複数の媒体を載置し、且つ、載置された各媒体を連続して筐体101に供給するように、筐体101に係合している。
排出台110は、排出口から排出された媒体を積載するように、筐体101の媒体の排出口の下方に係合している。排出台110は、媒体排出装置100の設置面に対して傾くように設けられている。排出台110は、媒体排出方向A1に向けて次第に上方に向かうように傾斜している。また、排出台110は、下方に張り出すように、即ち円弧状に形成されている。なお、排出台110は、フラットに形成されてもよい。
排出台110は、第1トレイ111及び第2トレイ112を含む。第1トレイ111は、媒体排出装置100が使用されないときには筐体101内部に収納され、媒体排出装置100が使用されるときに筐体101から媒体排出方向A1に引き出され、排出口から排出された用紙を積載する。第2トレイ112は、サイズが大きい媒体が排出台110に載置されるように、第1トレイ111から媒体排出方向A1に引き出し可能に設けられる。第1トレイ111は、排出される媒体を載置する第1載置面111aを有し、第2トレイ112は、排出される媒体を載置する第2載置面112aを有する。
ストッパユニット120は、第2トレイ112上に、媒体排出方向A1に移動可能(スライド可能)に設けられる。ストッパユニット120は、排出される媒体の先端を揃えるように、ストッパユニット120が配置された位置に、排出された媒体の先端を停止させる。
図2、図3A及び図3Bは、排出台110及びストッパユニット120の構造について説明するための模式図である。
図2は、排出台110及びストッパユニット120の斜視図であり、図3Aは、排出台110及びストッパユニット120の平面図であり、図3Bは、排出台110及びストッパユニット120の側面図である。図2、図3A及び図3Bは、筐体101から分離された状態の第1トレイ111を示す。図2、図3A及び図3Bでは、第2トレイ112は、第1トレイ111から引き出され、ストッパユニット120は、第2トレイ112の下流側の端部に配置されている。
図2、図3A及び図3Bに示すように、第1トレイ111には、第1載置面111a又は第2載置面112aと平行であり且つ媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、媒体排出方向A1に延伸する第1ガイド部111bが設けられる。筐体101には、排出台110を収納する収納部(不図示)が設けられ、収納部には、第1ガイド部111bと係合するレール部(不図示)が設けられる。第1ガイド部111bがレール部に沿って移動することにより、第1トレイ111は収納部に対してスライド移動する。また、第1載置面111aには、媒体排出方向と直交する方向A2の中央部に、第2トレイ112を収納する第1凹部111cが形成されている。第1凹部111cには、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、媒体排出方向A1に延伸する第1レール部111dが設けられる。
第2トレイ112には、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、媒体排出方向A1に延伸する第2ガイド部112bが設けられる。第2ガイド部112bが第1レール部111dに沿って移動することにより、第2トレイ112は第1トレイ111の第1凹部111cに対してスライド移動する。
ストッパユニット120は、第2トレイ112上に設けられ、ストッパ121と、支持部材122と、抑制部材123とを有する。ストッパユニット120は、排出台110とともに筐体101に収納できるように、第2トレイ112上に折り畳み可能に設けられてもよい。
図4A、図4B及び図4Cは、第2トレイ112及びストッパユニット120の構造について説明するための模式図である。
図4Aは第2トレイ112及びストッパユニット120を上方から見た模式図であり、図4Bは第2トレイ112及びストッパユニット120を側方から見た模式図であり、図4Cは第2トレイ112及びストッパユニット120を下流側から見た模式図である。図4A、図4B及び図4Cは、第1トレイ111から分離された状態の第2トレイ112を示す。図4A、図4B及び図4Cでは、ストッパユニット120は、第2トレイ112の下流側の端部に配置されている。
図2、図4A、図4B及び図4Cに示すように、第2トレイ112の第2載置面112aには、媒体排出方向と直交する方向A2の中央部に、第2凹部112cが形成されている。図4A及び図4Cに示すように、第2凹部112cには、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、媒体排出方向A1に延伸する第2レール部112dが設けられる。
図2、図4A、図4B及び図4Cに示すように、ストッパ121は、第2トレイ112に設けられている。ストッパ121は、媒体排出方向A1と直交するように板状に形成されている。図4A及び図4Cに示すように、ストッパ121の下端には、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、ストッパガイド部121aが設けられる。ストッパガイド部121aが第2レール部112dに沿って移動することにより、ストッパ121は、第2トレイ112において第2凹部112cに対応する範囲内でスライド移動する。このように、ストッパ121は、媒体排出装置100から排出される媒体により、第2トレイ112の第2載置面112a上を媒体排出方向A1に移動可能に設けられている。但し、ストッパ121は、第2載置面112aと直交する方向A3には移動しない。
また、図4A及び図4Bに示すように、ストッパ121と、第2凹部112cの上流側の端部との間には、引っ張りばね又はゼンマイばね等の第1ばね121bが設けられる。第1ばね121bは、第2荷重部材の一例であり、ストッパ121に、媒体排出方向A1と反対方向に、即ち上流側に向けて力を加える。第1ばね121bによりストッパ121に加えられる力は、排出される媒体によりストッパユニット120に加えられる力からストッパ121の摺動負荷を減算した値より小さくなるように設定される。これにより、媒体排出装置100は、第1ばね121bによる力に逆らって、排出される媒体によりストッパユニット120を媒体排出方向A1に移動させることができる。また、第1ばね121bによりストッパ121に加えられる力は、ストッパ121の摺動負荷より大きくなるように設定される。これにより、媒体排出装置100は、媒体が排出されていないときに、第1ばね121bによりストッパ121を媒体排出前の状態に戻すことができる。なお、第1ばね121bの代わりに、ゴム等の他の荷重部材が使用されてもよい。
図2、図4A及び図4Bに示すように、ストッパ121の上端には、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、支持部材122が設けられている。支持部材122は、ストッパ121及び第2載置面112aのそれぞれと直交するように板状に形成されている。図4Bに示すように、支持部材122の中央部には、カム形状を有する開口部122aが形成されている。本実施形態では、開口部122aは、直角をなす二辺が媒体排出方向A1及び第2載置面112aと直交する方向A3にそれぞれ延伸し、直角である角が下流側且つ上方に配置された略直角三角形の形状を有している。
ストッパ121と支持部材122は、一体に形成されている。なお、ストッパ121と支持部材122は、別個に形成されてもよい。
図2、図4A、図4B及び図4Cに示すように、抑制部材123は、第2トレイ112上に、ストッパ121と対向するように設けられている。抑制部材123は、ストッパ121と略平行に配置されるように、板状に形成されている。抑制部材123の上端には、媒体排出方向と直交する方向A2の両端に、媒体排出方向と直交する方向A2の外側に向かって突出する突出部123aが設けられている。各突出部123aは、各開口部122aの端部と当接可能に、各開口部122aに係合される。
後述するように、支持部材122は、突出部123aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の端部123bを、開口部122aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の端部122bに当接させて、抑制部材123を支持する(図4Bを参照)。以下では、突出部123aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の端部123bを被当接部と称する場合がある。また、被当接部123bと当接する、開口部122aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の端部122bを当接部と称する場合がある。
抑制部材123は、媒体排出装置100から排出される媒体により、ストッパ121とともに、媒体排出方向A1に移動可能に設けられている。但し、抑制部材123は、カム形状を有する開口部122aを介してストッパ121と係合しているため、第2載置面112aと直交する方向A3にも移動可能である。
図4A、図4B及び図4Cに示すように、第2凹部112cには、溝部材113が設けられる。図4A及び図4Cに示すように、溝部材113には、それぞれ媒体排出方向と直交する方向A2に延伸する複数の溝部113aが設けられる。各溝部113aは、媒体排出方向A1に間隔を空けて並べて配置される。このように、第2載置面112aには、溝部113aが複数設けられる。但し、第2凹部112cの上流側の端部付近には、溝部113aは形成されていない。図4Bに示すように、各溝部113aの少なくとも一つの側面は、第2載置面112aと直交する方向A3に対して傾斜するように形成されている。特に、図4Bに示す例では、各溝部113aの下流側の側面は、下流側に向けて次第に上方に向かうように傾斜している。なお、各溝部113aの上流側の側面が、上流側に向けて次第に上方に向かうように傾斜するように形成されてもよい。
また、図4B及び図4Cに示すように、溝部材113と、第2トレイ112の底部との間には、第2ばね113bが設けられる。第2ばね113bは、溝部材113に上方に向かう力を加え、溝部材113を所定の高さに保持する。また、図4A、図4B及び図4Cに示すように、溝部材113には、第2トレイ112の下流側の端部から突出するレバー113cが設けられる。レバー113cは、解除部材の一例であり、利用者の操作に従って、溝部材113を押し下げる。
図4Cに示すように、ストッパ121は、溝部材113と対向しないように設けられている。一方、抑制部材123は、突出部123aの上端が開口部122aの上端と当接している場合、溝部材113と当接せず、突出部123aの下端が開口部122aの下端と当接している場合、溝部材113の溝部113aと篏合するように設けられている。但し、抑制部材123は、突出部123aの下端が開口部122aの下端と当接している場合でも、レバー113cによって溝部材113が押し下げられているときは、溝部材113と当接しないように設けられている。
図5A、図5B、図5C、図6A及び図6Bは、媒体排出時のストッパユニット120の動作について説明するための模式図である。
図5Aは、媒体排出前のストッパユニット120を示す。
図5Aに示すように、媒体排出前には、ストッパ121は、第1ばね121bにより媒体排出方向A1と反対方向に加えられた力によって、第2凹部112cの上流側の端部付近に配置される。また、第2トレイ112が媒体排出方向A1に向けて次第に上方に向かうように傾斜しているため、抑制部材123には、自重により媒体排出方向A1と反対方向に向かう力が加えられる。また、第2凹部112cの上流側の端部付近において、溝部材113には溝部113aは形成されていない。これにより、抑制部材123は、突出部123aの上流側且つ上側の端部123cが開口部122aの上流側且つ上側の端部122cと当接する位置で停止する。
図5Bは、最初に排出された媒体Dの先端が当接したストッパユニット120を示す。
図5Bに示すように、媒体排出装置100の排出ローラによって最初に排出された媒体Dの先端が抑制部材123に当接すると、抑制部材123には、媒体Dにより媒体排出方向A1に向かう力が加えられる。これにより、抑制部材123は、突出部123aの下流側且つ上側の端部である被当接部123bが、開口部122aの下流側且つ上側の端部である当接部122bと当接する位置に移動する。この状態では、媒体Dが、抑制部材123を媒体排出方向A1に押し、支持部材122が、被当接部123bを当接部122bに当接させて抑制部材123を支持する。即ち、抑制部材123は、支持部材122及び媒体Dに挟持されて支持される。
図5Cは、媒体排出中のストッパユニット120を示す。
図5Cに示すように、媒体Dが排出されている間、抑制部材123には、媒体Dにより、媒体排出方向A1に向かう力が加えられ続けている。この力によって、媒体Dは、抑制部材123を媒体排出方向A1に押し続け、支持部材122は、被当接部123bを当接部122bに当接させて抑制部材123を支持し続ける。抑制部材123は、支持部材122及び媒体Dに挟持されて支持され、溝部113aに落下することなく、媒体排出方向A1に向かって移動する。ストッパ121には、媒体Dに押された抑制部材123により、媒体排出方向A1に向かう力が加えられ、ストッパ121は、第1ばね121bによる力に逆らって、抑制部材123とともに媒体排出方向A1に向かって移動する。
このように、抑制部材123は、被当接部123bを有し、支持部材122は、ストッパ121が第2トレイ112の第2載置面112a上を移動している間、被当接部123bと当接する当接部122bを有する。支持部材122は、ストッパ121が第2トレイ112の第2載置面112a上を移動している間は、被当接部123bを当接部122bに当接させて、溝部113aに嵌合しないように抑制部材123を支持する。
図6Aは、媒体排出完了直後のストッパユニット120を示す。
図6Aに示すように、媒体Dの排出が完了して媒体Dが停止すると、ストッパ121は停止する。また、抑制部材123も一旦停止する。図6Aに示す状態では、抑制部材123は、被当接部123bが当接部122bと当接する位置で停止している。
図6Bは、図6Aに示す状態から所定時間経過後のストッパユニット120を示す。
図6Bに示すように、媒体Dが停止すると、抑制部材123には、媒体Dによる媒体排出方向A1に向かう力は加えられない。したがって、媒体Dは、抑制部材123を媒体排出方向A1に押さえ付けない。これにより、抑制部材123は、支持部材122及び媒体Dによって挟持されず支持されなくなる。このように、ストッパ121が停止すると、支持部材122は、抑制部材123の支持を解除する。抑制部材123は、支持部材122による支持が解除されると、自重によって落下することにより、対応する位置に存在する溝部113aに篏合する。
第2トレイ112は、媒体排出方向A1に向けて次第に上方に向かうように傾斜しているため、抑制部材123が溝部113aと対向しない位置に停止した場合でも、抑制部材123は、第2載置面112aに沿って溝部113aと対向する位置まで移動する。また、各溝部113aの下流側の側面は、下流側に向けて次第に上方に向かうように傾斜しているため、抑制部材123は、その傾斜している側面に沿ってスムーズに落下する。
抑制部材123は、溝部113aに篏合することにより固定される。抑制部材123は、突出部123aの下側の端部123dが開口部122aの下側の端部122dと当接する位置で停止する。開口部122aの下側の端部122dが、固定された抑制部材123の突出部123aの下側の端部123dと当接することにより、ストッパ121も固定される。これにより、抑制部材123は、ストッパ121の移動を抑制し、ストッパ121は、媒体のサイズに応じた位置に停止する。したがって、以降、新たな媒体が排出されたときに、ストッパ121は固定されて移動せず、排出される媒体の先端は、ストッパユニット120が停止している位置で揃えられる。また、ストッパ121により、排出される媒体が排出台110の先端を越えて排出台110から落下することも防止される。
図7A及び図7Bは、排出台110から媒体が取り出された後に、ストッパユニット120を媒体排出前の状態に戻すときの動作について説明するための模式図である。
図7Aは、レバー113cが利用者により操作されたときのストッパユニット120を示す。
図7Aに示すように、レバー113cが利用者により操作されて下方に押し下げられると、レバー113cと連動して、溝部材113全体が、第2ばね113bによる力に逆らって下方に押し下げられる。上記したように、抑制部材123は、突出部123aの下側の端部123dが開口部122aの下側の端部122dと当接している場合でも、レバー113cによって溝部材113が押し下げられているときは、溝部材113と当接しないように設けられている。そのため、抑制部材123と溝部113aの篏合が解除される。このように、レバー113cは、利用者の操作に従って、溝部材113を押し下げて、抑制部材123と溝部113aの篏合を解除する。
図7Bは、図7Aに示す状態から所定時間経過後のストッパユニット120を示す。
図7Bに示すように、抑制部材123と溝部113aの篏合が解除されると、ストッパ121は、第1ばね121bにより媒体排出方向A1と反対方向に加えられた力によって、抑制部材123とともに媒体排出方向A1と反対方向に向かって移動する。このように、ストッパ121は、利用者によりレバー113cが操作された場合、第1ばね121bにより媒体排出方向A1と反対方向に移動する。その後、ストッパユニット120は、第2凹部112cの上流側の端部付近まで移動して停止する。これにより、抑制部材123は、図5Aに示した抑制部材123の位置に戻る。
利用者は、媒体排出装置100を収納する場合、又は、サイズが異なる媒体を新たに搬送させる場合等に、レバー113cを押し下げるだけで、容易にストッパユニット120を初期位置に戻すことができる。したがって、媒体排出装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
なお、ストッパユニット120は、第2トレイ112が第1トレイ111の第1凹部111cに収納されている場合も、第2トレイ112が第1トレイ111から引き出されている場合と同様に動作する。
また、排出台110(第1トレイ111及び第2トレイ112)は、媒体排出装置100の設置面に対して傾くように設けられるのでなく、媒体排出装置100の設置面に対して水平に設けられてもよい。その場合、図6Aに示すように、抑制部材123が溝部113aと対向しない位置に媒体Dが停止すると、抑制部材123が自重によって溝部113aに落下せず、溝部113aに篏合しない可能性がある。しかしながら、その場合も、ストッパユニット120は、媒体のサイズに応じた位置に停止しており、排出される媒体の先端は、ストッパユニット120が停止している位置で揃えられる。また、その後、新たな媒体が排出されて、抑制部材123が溝部113aと対向する位置に停止すると、抑制部材123は自重により落下して溝部113aに篏合し、ストッパ121は固定される。その場合、それ以降に排出される媒体の先端は、ストッパユニット120が固定された位置で揃えられる。
同様に、各溝部113aの側面は、第2載置面112aと直交する方向A3に対して傾斜するように形成されず、第2載置面112aと直交する方向A3に対して平行に形成されていてもよい。この場合も、抑制部材123が溝部113aと対向しない位置に媒体Dが停止すると、抑制部材123が溝部113aに篏合しない可能性がある。しかしながら、排出される媒体の先端は、ストッパユニット120が停止している位置で揃えられる。また、その後、新たな媒体が排出されて抑制部材123が溝部113aと対向する位置に停止すると、抑制部材123は溝部113aに篏合する。
以上詳述したように、媒体排出装置100は、ストッパ121を排出中の媒体により移動させる。媒体排出装置100は、溝部113aに嵌合してストッパ121の移動を抑制する抑制部材123を設けておき、ストッパ121の移動中には溝部113aに篏合しないように抑制部材123を支持して、媒体のサイズに応じた位置にストッパ121を移動させる。これにより、媒体排出装置100は、利用者の手を煩わせることなく、媒体のサイズに応じた位置にストッパ121を移動させることが可能となり、排出される媒体の先端を良好に揃えることが可能となった。したがって、媒体排出装置100は、利用者の利便性を向上させるとともに、利用者による媒体読取作業の作業時間を短縮させることが可能となった。
図8A、図8B及び図8Cは、他の実施形態に係るストッパユニット220について説明するための模式図である。
この実施形態では、ストッパユニット120の代わりに、ストッパユニット220が使用される。ストッパユニット220は、ストッパ221、支持部材222及び抑制部材223を有する。
支持部材222の中央部には、L字形状を有する開口部222aが形成されている。この実施形態では、開口部222aは、二辺が媒体排出方向A1及び第2載置面112aと直交する方向A3にそれぞれ延伸し、二辺が交わる角が下流側且つ上方に配置されたL字形状を有している。支持部材222は、抑制部材223の突出部223aを、開口部222aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の領域222bに係止させることにより抑制部材223を支持する。突出部223aは、被係止部の一例である。また、以下では、突出部223aを係止させる、開口部222aの媒体排出方向A1の下流側且つ上側の領域222bを係止部と称する場合がある。
ストッパ221と抑制部材223の間には、第3ばね223bが設けられる。第3ばね223bは、第1荷重部材の一例であり、抑制部材223に、ストッパ221から離間するように、即ち突出部223aが係止部222bから離間するように力を加える。なお、第3ばね223bの代わりに、ゴム等の他の荷重部材が使用されてもよい。
図8Aに示すように、媒体排出前には、ストッパユニット220は、第2凹部112cの上流側の端部付近に配置される。抑制部材223には、第3ばね223bにより媒体排出方向A1と反対方向に向かう力が加えられる。また、第2凹部112cの上流側の端部付近において、溝部材113には溝部113aは形成されていない。これにより、抑制部材223は、突出部223aが開口部222aの上流側且つ上側の端部222cと当接する位置で停止する。
図8Bに示すように、媒体Dが排出されている間、抑制部材223には、媒体Dにより、媒体排出方向A1に向かう力が加えられる。これにより、抑制部材223は、第3ばね223bによる力に逆らって、突出部223aが係止部222bによって係止される位置に移動する。この状態では、支持部材222が、突出部223aを係止部222bに係止させることにより、抑制部材223を保持して支持する。抑制部材223は、支持部材222に保持されて支持され、溝部113aに落下することなく、ストッパ221とともに、媒体排出方向A1に向かって移動する。
図8Cに示すように、媒体Dが停止すると、ストッパ221及び抑制部材223は停止する。媒体Dが停止すると、抑制部材223には、媒体Dによる媒体排出方向A1に向かう力は加えられない。したがって、媒体Dは、抑制部材223を媒体排出方向A1に押さえ付けない。これにより、抑制部材223は、再度、第3ばね223bにより、突出部223aが開口部222aの上流側且つ上側の端部222cと当接する位置に移動し、突出部223aは、係止部222bから離間する。このように、支持部材222は、第3ばね223bにより、突出部223aを係止部222bから離間させることにより、抑制部材123の保持及び支持を解除する。抑制部材223は、支持部材222による保持及び支持が解除されると、自重によって落下することにより、抑制部材223の上流側に位置する溝部113aに篏合する。
以上詳述したように、媒体排出装置は、ストッパユニット220を使用する場合も、利用者の手を煩わせることなく、排出される媒体の先端を良好に揃えることが可能となった。
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、第1トレイ111は、筐体101から引き出し可能に設けられるのでなく、筐体101に対して固定されるように設けられてもよい。同様に、第2トレイ112は、第1トレイ111から引き出し可能に設けられるのでなく、第1トレイ111に対して固定されるように設けられてもよい。また、第2トレイ112は省略され、ストッパユニットは、第1トレイ111に設けられてもよい。また、第2トレイ112からさらに引き出し可能に第3トレイが設けられ、ストッパユニットは、第3トレイに設けられてもよい。
また、抑制部材及び支持部材も、上記した例に限定されない。例えば、支持部材は、電磁石等により、抑制部材を支持してもよい。その場合、支持部材及び抑制部材の内の一方は、強磁性体である磁性部材及びコイルを有し、支持部材及び抑制部材の内の他方は、永久磁石である磁石部材を有する。媒体Dが排出されている間、CPU(不図示)による制御に従ってコイルに所定の電流が流れ、支持部材及び抑制部材は、磁性部材と磁石部材により結合する。一方、媒体Dの排出が完了したとき、CPU(不図示)による制御に従ってコイルに逆向きの電流が流れ、支持部材及び抑制部材は分離される。これにより、支持部材は、ストッパが移動している間は抑制部材を支持し、ストッパが停止すると抑制部材の支持を解除する。