JP7168594B2 - 水洗式便器 - Google Patents
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Description
また、前記便器本体の後部上面にカバーを備え、前記カバーは、前記後側受け部を覆うように配設されていてもよい。
図1乃至図10は本発明の実施形態による水洗式便器1を示すものである。本明細書において、水洗式便器1を取り付けるトイレ空間の壁面側または背面側を後部、後方といい、これと反対側(人が小便をする際に立つ方)を前部、前方という。
図1及び図2に示す実施形態による水洗式便器1は、陶器製の便器本体2の上面後部に機能部3とベースプレート13を収納したカバー4が設置され、カバー4の前方側に便座5と便蓋カバー6が設置されている。機能部3を設置したベースプレート13とカバー4と便座5と便蓋カバー6を便座ユニット7という。
図2及び図3において、便器本体2の前方側には便鉢8が設置され、その後方上面に略半円状の凹部9が形成され、その周縁部に凹部9を仕切る略円弧状の突堤部(周壁部)9aが突出して形成されている。便器本体2の突堤部9aの後方は壁面等に固定する平坦な背面とされている。便鉢8と後述の第一穴部11、第二穴部12の間の凹部9は便鉢8の上面より低い領域に形成されている。
凹部9において、第一穴部11,第二穴部12の前方にはベース部としてのベースプレート13を固定するための前側受け部(受け部)15、16が離間して設置されている。ベースプレート13は凹部9内に納まるように形成されていることが好ましい。
前側受け部15、16は例えば略四角筒の有底筒状に形成され、前側に係止開口15a、16aがそれぞれ形成されている。図3に示す例では、前側受け部15と前側受け部16の位置が前後方向に少しずれている。
凹部9の後方側で第一穴部11,第二穴部12の間には後側受け部(受け部)18が形成されている。後側受け部18は断面略L字状に形成され、その平坦部18aが反転ナット17で前側受け部15,16と同様に便器本体2の裏面との間で固定されている。後側受け部18の起立部18bには後部方向に向けて爪受け部19が突出して形成されている。爪受け部19の上面にはテーパ部19aが形成されている。
そのため、凹部9内にベースプレート13を嵌合させて設置し、第一突出部22と第二突出部23を凹部9の第一穴部11と第二穴部12内に嵌合した状態で、残りの機能部品はベースプレート13の上面に設置されるが、その高さは従来の機能部よりも低く設置できる。
図7及び図8において、凹部9の後方の突堤部9a近傍に設けた後側受け部18にはベースプレート13に設けた後側スライド爪部27がスライド可能に設置されている。後側スライド爪部27は突堤部9aに沿って略円弧状に延びる爪部本体27aの中間部に爪受け部19に係合可能な爪部27bが略直角に突出して形成されている。爪部本体27aの一方の端部には例えば階段状の操作部27cが形成され、他方の端部には弾性部材として例えばコイルばね28が圧縮状態で他端の当接面29との間に保持されている。また、爪部本体27aの下面には後側スライド爪部27のスライド移動を規制するための係止片27dが形成されている。
また、後側スライド爪部27を外すには、ベースプレート13を持ち上げながら指で操作部27cを右方にスライドさせて爪部27bが爪受け部19を乗り越えることで係止を解除できる。
図10は便器本体2の上面前方に設置した便座5とその後方に設置したカバー4とを示すものである。凹部9の上部に設置された機能部3を有するベースプレート13は前方側に延びる両側の前側先端部13aが凹部9の突堤部9aの前側に位置している。その上部に設置されるカバー4には便座5の回転軸部36が左右に突出して形成され、回転軸部36を中心に便座5が上下方向に回動可能とされている。
カバー4の後端側の側面4aは略円筒状に形成されており、凹部9の略円弧状の突堤部9aに沿って突堤部9aを囲うように配設されて、側面4aで突堤部9aを覆っている。カバー4を突堤部9aに対して若干持ち上げると隙間が形成され、この隙間を通して指を挿入して後側スライド爪部27の操作部27cをスライド操作することで、爪受け部19と後側スライド爪部27を離脱できる。
従来のカバー4はベースプレート13の前側先端部13aまでしか延びておらず、ベースプレート13の前側先端部13aがカバー4の前端位置に設けられていた。そのため、便座5の傾斜部5aと便鉢8の上面8aとの間にはベースプレート13を覆うカバー4の側部先端との間に小さな隙間kが形成され、この隙間kを通して便鉢8の内部を目視可能であった。
これに対し、本実施形態による水洗式便器1では、カバー4の前方側の両側部先端4bがこの隙間kを埋めるようにベースプレート13の前側先端部13aより前方に延びて薄いテーパ状に形成されている。そのため、隙間kから便鉢8の内部が外部から目視されることを防止できる。
図2、図3及び図5に示すように、便器本体2に機能部3を備えたベースプレート13を設置する場合、ベースプレート13の下面に設けた第一突出部22と第二突出部23を便器本体2の凹部9に形成した第一穴部11と第二穴部12に位置合わせして途中まで挿入する。なお、図2及び図5では便座ユニット7が示されているが、ベースプレート13だけを取り付けるものとする。
更にベースプレート13の後部を降下させると爪受け部19のテーパ部19aにガイドされて後側スライド爪部27が図7で右方向にスライドしてコイルばね28を圧縮し、爪部27bが爪受け部19を乗り越えてその下面側に至るとコイルばね28の付勢力で爪部27bが爪受け部19の下面に移動して係合状態になる。
そして、その上にカバー4と便座5を設置し、便座5上に便蓋カバー6を設置することができる。なお、ベースプレート13を便器本体2の凹部9から取り外す場合には上述の手順と逆の手順で取り外し操作をすればよい。或いは便座ユニット7をまとめて取り外すことができる。
しかも、ベースプレート13は便器本体2の後部上面に形成した凹部9内に設置したため、この点でも水洗式便器1の高さを低くできる。また、後側受け部18の下方に便鉢8内の洗浄用の水を供給する通水部33を設けたため、この点でも便器本体2の高さを抑えてコンパクトにできる。
しかも、凹部9に対するベースプレート13の装着に際しては、前側受け部15,16に前側爪部24,25を係止させて後部を押し下げることで後側受け部18の爪受け部19に後側スライド爪部27を固定でき、離脱させるにはカバー4の後方の側面4aを持ち上げて後側スライド爪部27の操作部27cをスライドすることで取り外し可能であるため、上下方向の着脱操作が容易である。
更に前側受け部15,16と後側受け部18をベースプレート13を介して陶器製の便器本体2の底面に固定するために反転ナット17を用いたため、上面側からボルト操作するだけで固定することができる。そのため、狭いトイレ空間での修理や交換作業等に際し、反転ナット17の着脱操作が容易である。
更に、ベースプレート13の前側先端部13aと便座5の傾斜部5aとの隙間kを埋めるようにベースプレート13を覆うカバー4の側部先端4bを傾斜部5aの下面に沿ってテーパ状に延ばしたため、隙間kを封止して外側から便鉢8内を目視できないのでこの点でも外観の見栄えが良く意匠性が向上する。
また、第一及び第二突出部22,23に収納する機能部3はその一部部品に限定されることなく全部を収納してもよい。この場合には便座5の背面側のカバー4の高さは一層低くなり意匠性と見栄えを向上できる。
また、ベースプレート13は便器本体2の後部上面に形成した凹部9内に設置するものとしたが、必ずしも凹部9を設置することなく従来技術のように便器本体2の後部上面を平坦面に形成してもよい。
なお、本実施形態において、前側受け部15,16は第一の受け部であり、後側受け部18及び爪受け部19が第二の受け部であり、前側爪部24,25は第一の係合部、後側スライド爪部27が第二の係合部である。
また、これら受け部と係合部は平面視で略三角形の各頂点にそれぞれ3点設けたが、これに代えて2点、または略四角形の各頂点に4点またはそれ以上設けて構成してもよく、この場合にはベースプレート13の保持強度を一層高くできる。
2 便器本体
4 カバー
4b 側部先端
5 便座
5a 傾斜部
9 凹部
9a 突堤部(周壁部)
11 第一穴部
12 第二穴部
13 ベースプレート(ベース部)
15、16 前側受け部(受け部)
17 反転ナット
18 後側受け部(受け部)
19 爪受け部
22 第一突出部
23 第二突出部
24、25 前側爪部(被受け部)
27 後側スライド爪部
27b 爪部
28 コイルばね
33 通水部
Claims (4)
- 前部に形成された便鉢、後部上面の周縁部に設けられた周壁部、および該周壁部の内側に形成され前記周壁部に対して下方に向けて凹んだ凹部、を有する便器本体と、
前記凹部に配され、機能部を間接的に支持する前側受け部および後側受け部と、を備え、
前記後側受け部は、前記周壁部よりも内側かつ前記周壁部の上面より下方の前記凹部内で前記便器本体に支持されており、
前記後側受け部は、前記便器本体に支持される平坦部と、該平坦部から立ち上がる方向に延びる起立部と、を備え、
前記起立部は、前記凹部よりも後方の周壁部より上方に位置するように配設され、
前記前側受け部が前記便鉢の上面よりも低い領域に配置されており、かつ、前記機能部が支持されるベース部が前記前側受け部と係合され、
前記機能部の少なくとも一部が前記凹部内に配設されていることを特徴とする水洗式便器。 - 前記凹部が、前記便鉢の上面よりも低い領域に形成されている請求項1に記載の水洗式便器。
- 前記凹部よりも後方の周壁部は前記便器本体の後壁であり、前記便器本体の後壁より上方において前記起立部を介して前記ベース部が支持されている請求項1または2に記載の水洗式便器。
- 前記便器本体の後部上面にカバーを備え、
前記カバーは、前記後側受け部を覆うように配設されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水洗式便器。
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