JP7168228B2 - 脳神経疾患に対するペプチドワクチン及びペプチドワクチン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、脳神経疾患に対するペプチドワクチン及びペプチドワクチン組成物に関する。本願は、2017年5月19日に、日本に出願された特願2017-100361号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
脳神経疾患には、神経線維腫症II型(NF2)、脳腫瘍、脳血管疾患、自己免疫疾患、眼科疾患等が存在する。例えば、NF2は、第22番染色体長腕22q12に存在する腫瘍抑制因子merlinの遺伝子異常により発症する常染色体優性の遺伝性疾患である。NF2は、左右両側に聴神経腫瘍(正確には前庭神経鞘腫)が発生することを指標として診断が確定される。NF2では多数の腫瘍が発生する。具体的には、脳神経、脊髄神経、末梢神経に神経鞘腫が発生し、更に、頭蓋内や脊髄に髄膜腫、上衣腫、神経膠腫等が発生する。NF2の発症は、10~20歳代で多く、進行が速く、難聴、半身麻痺等をきたし、頭蓋内腫瘍の成長を制御できない場合には生命の危険性も高い。
現在、NF2の治療は、手術による腫瘍摘出と定位放射線治療により行われている。しかしながら、NF2患者の神経鞘腫は出血性腫瘍であるため、手術では周囲神経が損傷される可能性が高く、特に多発腫瘍に対しては積極的に手術を行うことができない。また小さい腫瘍に対しては放射線治療も有効であるが、長期制御は困難なことが多く、悪性転化のリスクもある。
ところで、Vascular Endothelial Growth Factor Receptor(VEGFR)は、受容体型チロシンキナーゼの一種であり、リガンドであるVEGFの作用発現に関与することが知られている。
VEGFRには、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3の3種類に加えて、可溶性VEGFR(soluble VEGFR)として、sVEGFR-1、sVEGFR-2、sVEGFR-3が知られている。これらのうち、VEGFR-1及びVEGFR-2は、血管内皮細胞に発現し、血管新生において中心的な役割を担っていることが知られている。
これまでに、VEGFR-1発現細胞に対する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドや、VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドが開発されてきた(例えば、特許文献1、2を参照。)。
特許第4931154号 特許第3971769号
特許文献1、2等に記載されたVEGFRの部分ペプチドを、ペプチドワクチンとして癌の治療に応用する研究が行われている。しかしながら、例えば、VEGFR-2の部分ペプチドの、再発の膵臓癌を対象とした第III相臨床試験では、その有効性が確認されなかった。癌は成長速度が速く、ほとんどの場合、抗癌剤投与により免疫が抑制されているなど、ペプチドワクチンを癌治療に応用することは容易ではない。
このような状況のもと、本発明は、脳神経疾患を効果的に治療することができるペプチドワクチン及びペプチドワクチン組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]VEGFR-1発現細胞に対する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチド、又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドからなる、脳神経疾患に対するペプチドワクチン。
[2]VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*24:02結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[3]VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、[2]に記載のペプチドワクチン。
[4]VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*02:01結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[5]VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、配列番号2~4のいずれかに記載のアミノ酸配列、又は配列番号2~4のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、[4]に記載のペプチドワクチン。
[6]VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*02:06結合性又はHLA-A*02:07結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[7]VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*24:02結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[8]VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、配列番号5~10のいずれかに記載のアミノ酸配列、又は配列番号5~10のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、[7]に記載のペプチドワクチン。
[9]VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*02:01結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[10]VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、配列番号11~16のいずれかに記載のアミノ酸配列、又は配列番号11~16のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、[9]に記載のペプチドワクチン。
[11]VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導する前記ペプチドが、HLA-A*02:06結合性又はHLA-A*02:07結合性である、[1]に記載のペプチドワクチン。
[12]前記脳神経疾患が神経線維腫症II型である、[1]~[11]のいずれかに記載のペプチドワクチン。
[13][1]~[12]のいずれかに記載のペプチドワクチンと、薬学的に許容される担体とを含有する、NF2患者に発生する腫瘍に対するペプチドワクチン組成物。
本発明によれば、脳神経疾患を効果的に治療することができるペプチドワクチン及びペプチドワクチン組成物を提供することができる。
(a)~(e)は、実験例2において、頭部造影MRI検査により、症例1の患者の髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。 実験例2において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 (a)~(e)は、実験例2において、頭部造影MRI検査により、症例1の患者の右側及び左側の前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。 (a)は、実験例2において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例2において、頭部造影MRI検査結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 (a)~(f)は、実験例3において、頭部造影MRI検査により、症例2の患者の三叉神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。 実験例3において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における三叉神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 (a)~(f)は、実験例3において、頭部造影MRI検査により、症例2の患者の右側及び左側の前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。 (a)は、実験例3において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例3において、頭部造影MRI検査結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 実験例2において、髄膜腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 (a)は、実験例2において、右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例2において、左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 実験例3において、三叉神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 (a)は、実験例3において、右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例3において、左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実験例3において、症例2の患者に行った語音明瞭度試験の結果を示すグラフである。 (a)~(f)は、実験例4において、頭部造影MRI検査により、症例5の患者の左側前庭神経鞘腫及び髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。 (a)は、実験例4において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例4において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 (a)は、実験例4において、右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例4において、左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 (a)~(d)は、実験例5において、頭部造影MRI検査により、症例6の患者の両側前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。 (a)は、実験例5において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例5において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 (a)は、実験例6において、右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。(b)は、実験例6において、左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 (a)~(d)は、実験例6において、頭部造影MRI検査により、症例6の患者の髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。 実験例6において、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。 実験例6において、髄膜腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。 実験例7における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 (a)は、実験例7におけるペプチドワクチン組成物の投与前の免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)は、実験例7におけるペプチドワクチン組成物の投与後の免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。 (a)は、実験例7におけるペプチドワクチン組成物の投与前の免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)は、実験例7におけるペプチドワクチン組成物の投与後の免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。 実験例7における免疫染色の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
[ペプチドワクチン]
1実施形態において、本発明は、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドからなる、脳神経疾患に対するペプチドワクチンを提供する。
本明細書において、脳神経疾患としては、血管新生に関与する脳神経疾患が挙げられ、より具体的には、神経線維腫症II型(NF2)患者に発生する腫瘍、脳腫瘍、脳血管疾患、自己免疫疾患、眼科疾患等が挙げられる。
NF2患者に発生する腫瘍としては、神経鞘腫、髄膜腫、上衣腫、神経膠腫等が挙げられる。神経鞘腫としては、脳神経、脊髄神経、末梢神経に発生する神経鞘腫が挙げられ、より具体的には、前庭神経鞘腫、三叉神経鞘腫等が挙げられる。また、髄膜腫、上衣腫、神経膠腫としては、頭蓋内に生じる腫瘍や脊髄に生じる腫瘍が挙げられる。
また、脳腫瘍としては、神経膠腫、髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫、上衣腫、血管芽腫、血管周皮腫、転移性脳腫瘍、髄芽腫、悪性リンパ腫等が挙げられる。また、脳血管疾患としては、脳血管奇形、遺伝性毛細血管拡張症等が挙げられる。また、自己免疫疾患としては、視神経脊髄炎、巨細胞性動脈炎等が挙げられる。また、眼科疾患としては、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症等が挙げられる。
例えば、神経鞘腫や髄膜腫が頭蓋内に発生した場合、患者の生命にかかわる。しかしながら、従来、このような腫瘍の有効な治療法は存在しなかった。
これに対し、実施例において後述するように、発明者らは、脳神経疾患患者に本実施形態のペプチドワクチンを投与することにより、脳神経疾患を効果的に治療することができることを明らかにした。
ヒトVEGFR-1は、1338アミノ酸からなる細胞膜タンパク質である。ヒトVEGFR-1は、新生血管の増殖に不可欠な血管内皮細胞増殖因子受容体であり、固形腫瘍の腫瘍新生血管内皮細胞で高発現している。また、ヒトVEGFR-2は、1356アミノ酸からなる細胞膜タンパクである。ヒトVEGFR-2は、固形腫瘍の腫瘍新生血管内皮細胞で高発現しており、血管内皮細胞の増殖と遊走に関与している。
本実施形態のペプチドワクチンは、VEGFR-1発現細胞又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導することができる。本実施形態のペプチドワクチンの投与により患者の体内で誘導されたCTLは、脳神経疾患において発生する腫瘍の血管を特異的に破壊して腫瘍増殖抑制をもたらすと考えられる。さらに、CTLの一部はメモリーT細胞となって持続するため、ペプチドワクチンの投与完了後においても長期の治療効果が奏されるものと考えられる。
本明細書において、腫瘍を効果的に治療するとは、例えば、腫瘍体積の増大を抑制することであってもよく、腫瘍体積を減少させることであってもよい。
VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドとしては、既知のものを用いることができる。既知のペプチドには、臨床試験によりヒトに投与した場合の安全性が確認されたものが存在する。このようなペプチドは、臨床試験を一部省略することが可能であるため臨床応用しやすい。
本実施形態のペプチドワクチンにおいて、ペプチドの長さは、約40アミノ酸未満であってもよく、約20アミノ酸未満であってもよく、約15アミノ酸未満であってもよい。例えば、ペプチドの長さは8~11アミノ酸であってもよく、9アミノ酸であってもよく、10アミノ酸であってもよい。
本実施形態のペプチドワクチンにおいて、ペプチドは既知の方法により調製することができる。例えば、ペプチドは、組換えDNA技術により調製してもよいし、化学合成により調製してもよい。
また、ペプチドは、CTLを誘導する活性を有している限り、各種の修飾を有していてもよい。具体的には、例えば、ペプチドに、糖鎖、脂肪酸、ポリアルキレングリコール鎖等が結合されていてもよい。あるいは、ペプチドにD体のアミノ酸が含まれていてもよい。あるいは、ペプチドの側鎖が、酸化、リン酸化等の修飾を受けていてもよい。あるいは、ペプチドが、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、塩酸塩等の塩を形成していてもよい。
ところで、ヒト白血球抗原(HLA)は組織適合性抗原とも呼ばれる膜タンパク質であり、免疫機構において重要な役割を担っている。HLAには多数の型が存在することが知られている。ペプチドワクチンが効果的に機能するためには、ペプチドが患者のHLA型と同じ型のHLAに結合性を有する必要がある。
中でも、HLA-A*24:02、HLA-A*02:01、HLA-A*02:06、HLA-A*02:07等のHLA型を有するヒトは特に日本人において比較的頻度が高い。本実施形態のペプチドワクチンは、HLA-A*24:02結合性(拘束性)又はHLA-A*02:01結合性であり、HLA-A*02:06、HLA-A*02:07への結合性も予想されることから、多くの日本人患者において効果的に機能することができる。
したがって、本実施形態のペプチドワクチンにおいて、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、HLA-A*24:02結合性であってもよいし、HLA-A*02:01結合性であってもよいし、HLA-A*02:06結合性であってもよいし、HLA-A*02:07結合性であってもよい。また、VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、HLA-A*24:02結合性であってもよいし、HLA-A*02:01結合性であってもよいし、HLA-A*02:06結合性であってもよいし、HLA-A*02:07結合性であってもよい。以下、本実施形態のペプチドワクチンに用いることができるより具体的なペプチドについて説明する。
(VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するHLA-A*24:02結合性のペプチド)
VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導することができる、HLA-A*24:02結合性のペプチドはすでに知られている。このようなペプチドとしては、例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
ここで、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導することができる限り変異を有していてもよい。VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
ここで、1又は複数個とは、1個、2個又は3個であることが好ましい。アミノ酸の置換として、N末端から2番目のアミノ酸のフェニルアラニン、チロシン、メチオニン又はトリプトファンへの置換、C末端のアミノ酸のフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン又はメチオニンへの置換が挙げられる。また、アミノ酸の付加として、N末端又はC末端への1~2個のアミノ酸の付加が挙げられる。
(VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するHLA-A*02:01結合性のペプチド)
VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導することができる、HLA-A*02:01結合性のペプチドはすでに知られている。このようなペプチドとしては、例えば、配列番号2~4に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
ここで、配列番号2~4のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導することができる限り変異を有していてもよい。VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、例えば、配列番号2~4のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
ここで、1又は複数個とは、1個、2個又は3個であることが好ましい。アミノ酸の置換として、N末端から2番目のアミノ酸のロイシン又はメチオニンへの置換、C末端のアミノ酸のバリン又はロイシンへの置換が挙げられる。また、アミノ酸の付加として、N末端又はC末端への1~2個のアミノ酸の付加が挙げられる。
(VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するHLA-A*24:02結合性のペプチド)
VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導することができる、HLA-A*24:02結合性のペプチドはすでに知られている。このようなペプチドとしては、例えば、配列番号5~10のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
ここで、配列番号5~10のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導することができる限り変異を有していてもよい。VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、例えば、配列番号5~10のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
ここで、1又は複数個とは、1個、2個又は3個であることが好ましい。アミノ酸の置換として、N末端から2番目のアミノ酸のフェニルアラニン、チロシン、メチオニン又はトリプトファンへの置換、C末端のアミノ酸のフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン又はメチオニンへの置換が挙げられる。また、アミノ酸の付加として、N末端又はC末端への1~2個のアミノ酸の付加が挙げられる。
(VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するHLA-A*02:01結合性のペプチド)
VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導することができる、HLA-A*02:01結合性のペプチドはすでに知られている。このようなペプチドとしては、例えば、配列番号11~16のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
ここで、配列番号11~16のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導することができる限り変異を有していてもよい。VEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドは、例えば、配列番号11~16のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
ここで、1又は複数個とは、1個、2個又は3個であることが好ましい。アミノ酸の置換として、N末端から2番目のアミノ酸のロイシン又はメチオニンへの置換、C末端のアミノ酸のバリン又はロイシンへの置換が挙げられる。また、アミノ酸の付加として、N末端又はC末端への1~2個のアミノ酸の付加が挙げられる。
例えば、配列番号12に記載のアミノ酸配列において、N末端から2番目のアミノ酸をロイシンに置換したアミノ酸配列(配列番号16)からなるペプチドは好適な例である。例えば、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドによる刺激に誘導されるCTLは、変異前のペプチド(配列番号12)を認識し、傷害することができることが確認されている。
[ペプチドワクチン組成物]
1実施形態において、本発明は、上述したペプチドワクチンと、薬学的に許容される担体とを含有する、脳神経疾患に対するペプチドワクチン組成物を提供する。
上述したペプチドワクチンは、直接患者に投与してもよいし、本実施形態のペプチドワクチン組成物の形態で患者に投与してもよい。実施例において後述するように、発明者らは、脳神経疾患患者に本実施形態のペプチドワクチン組成物を投与することにより、脳神経疾患を効果的に治療することができることを明らかにした。
本実施形態のペプチドワクチン組成物は、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、及びVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドの、一方のみを含有していてもよいし、双方を含有していてもよい。
本実施形態のペプチドワクチン組成物は、薬学的に許容される担体と混合して、一般的な製薬手法により製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤等の形態に製剤化して経口的に投与してもよく、注射剤、坐剤、皮膚外用剤等の形態に製剤化して非経口的に投与してもよい。皮膚外用剤としては、軟膏剤、貼付剤等の剤型が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、アジュバント、注射用溶剤、賦形剤、粘着剤等が挙げられる。アジュバントとしては、ワクチン製剤のアジュバントとして一般的に使用されるものを特に限定なく使用することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、ペペス、カルボキシビニルポリマー等の沈降性アジュバント、流動パラフィン、ラノリン、不完全型フロイントアジュバント、完全型フロイントアジュバント等の油性アジュバント等が挙げられるがこれらに限定されない。
注射用溶剤としては、注射剤に一般的に使用されるものを特に限定なく使用することができ、例えば、生理食塩水、ブドウ糖、D-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウム等の補助薬を含む等張液等が挙げられるがこれらに限定されない。注射用溶剤は、エタノール等のアルコール;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルコール;ポリソルベート80(商標)、HCO-50等の非イオン性界面活性剤等を含有していてもよい。
賦形剤としては、一般的な製剤に使用されるものを特に限定なく使用することができ、例えば、デンプン、結晶性セルロース等が挙げられるがこれらに限定されない。
粘着剤としては、一般的な貼付剤等に使用されるものを特に限定なく使用することができ、例えば、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
本実施形態のペプチドワクチン組成物は、他の抗癌剤等の有効成分と共に投与されてもよいし、他の抗癌剤等の有効成分を含有していてもよい。
上述したペプチドワクチン又は本実施形態のペプチドワクチン組成物の患者への投与は、例えば、経口投与、皮内投与、皮下投与、静脈注射等により行うことができ、全身投与であってもよく、目的となる腫瘍の近傍に局所投与してもよい。
また、投与量は、患者の年齢、体重、症状、投与方法等により適宜調整することができ、通常成人(体重60kg)においては、1回あたり、例えば0.001mg~1000mg、例えば0.001mg~1000mg、例えば0.1mg~10mgの有効成分(ペプチド)を投与する量が挙げられる。
ペプチドワクチン又はペプチドワクチン組成物の患者への投与回数は、1回であってもよいが、効率的にCTLを誘導するためには複数回投与することが好ましい。複数回投与する場合の投与間隔は、例えば数日から数か月であってもよい。
[その他の実施形態]
1実施形態において、本発明は、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドの有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、脳神経疾患の治療方法を提供する。
1実施形態において、本発明は、脳神経疾患の治療のための、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドを提供する。
1実施形態において、本発明は、脳神経疾患の治療薬を製造するための、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、又はVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドの使用を提供する。
これらの各実施形態において、VEGFR-1発現細胞に対するCTLを誘導するペプチド、及びVEGFR-2発現細胞に対するCTLを誘導するペプチドとしては、上述したものが挙げられる。また、上記のペプチドは、薬学的に許容される担体を含む組成物の形態であってもよい。薬学的に許容される担体としては、上述したものが挙げられる。
次に実験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
(ペプチドワクチン組成物の調製)
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド2mgと、配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチド2mgと、不完全フロイントアジュバント(型式「MONTANIDE ISA51」、SEPPIC社)1mLとを混合してエマルジョン化し、ペプチドワクチン組成物2mLを調製した。
[実験例2]
(症例1の患者へのペプチドワクチン組成物の投与)
症例1の患者は、30歳の男性であった。症例1の患者のHLA型はHLA-A*24:02であった。頭蓋内に両側前庭神経鞘腫、三叉神経鞘腫及び髄膜腫を生じており、脊髄や皮膚にも無数に神経鞘腫が生じていた。両側の聴力は既に全くなく、寝たきりの状態であった。頭蓋内や脊髄を含めて、計4回の腫瘍摘出術及び3回のγナイフ照射を行ったが、腫瘍の増大を制御することは困難であり、腫瘍は年々増大していた。症例1の患者に、実験例1と同様にして調製したペプチドワクチン組成物の投与を行った。
(投与スケジュール)
患者の両側腋窩又は鼠径リンパ節周囲に、1回あたりペプチドワクチン組成物1mLを皮下投与した。初期投与として、投与開始から1ヶ月の間に、1週間に1回、4回投与した。その後、ブースト投与として、1ヶ月に1回、4回投与した。以上の投与スケジュールにより、投与開始から5か月間で、ペプチドワクチン組成物を合計8回投与した。
(画像解析)
頭部造影MRI検査により、ペプチドワクチン組成物の投与が患者の腫瘍に与える影響を検討した。図1(a)~(e)は、頭部造影MRI検査により、症例1の患者の髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。図1(a)及び(b)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図1(c)はペプチドワクチン組成物の投与開始時の結果であり、図1(d)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図1(e)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。図1(a)~(e)中、矢印は髄膜腫を示す。
また、図2は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図2中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物を8回投与後には、それまで増大傾向であった頭蓋内の多数の腫瘍の成長が止まったことが明らかとなった。また、ペプチドワクチン組成物を8回投与後の髄膜腫の体積は、ペプチドワクチン組成物の投与開始時と比較して約10%減少したことが明らかとなった。
また、図9は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図9中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、腫瘍内血液量が減少したことが明らかとなった。
また、図3(a)~(e)は、頭部造影MRI検査により、症例1の患者の右側及び左側の前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。図3(a)及び(b)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図3(c)はペプチドワクチン組成物の投与開始時の結果であり、図3(d)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図3(e)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。図3(a)~(e)中、矢印は前庭神経鞘腫を示す。
また、図4(a)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフであり、図4(b)は、頭部造影MRI検査結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図4(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与開始後は、それまで増大傾向であった右側及び左側の前庭神経鞘腫の増大がいずれも抑制されたことが明らかとなった。また、ペプチドワクチン組成物を8回投与後の右側及び左側の前庭神経鞘腫の体積は、ペプチドワクチン組成物の投与開始時と比較していずれも約10%減少したことが明らかとなった。
また、図10(a)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフであり、図10(b)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図10(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、腫瘍内血液量が減少したことが明らかとなった。
[実験例3]
(症例2の患者へのペプチドワクチン組成物の投与)
症例2の患者は、22歳の女性であった。症例2の患者のHLA型はHLA-A*24:02であった。聴力障害をきっかけにNF2と診断された。両側前庭神経鞘腫、三叉神経鞘腫が生じており、脊髄や皮膚にも多数の神経鞘腫が生じていた。右の聴力は既に無く、左は補聴器をつけて何とか会話ができるレベルであったが、徐々に聴力が低下していた。過去に3回の腫瘍摘出術と、1回のγナイフ照射を行ったが、腫瘍の増大を制御することは困難であり、腫瘍は徐々に増大していた。
症例2の患者に、実験例1と同様にして調製したペプチドワクチン組成物の投与を行った。投与スケジュール及び画像解析は実験例2と同様にして行った。
(画像解析)
頭部造影MRI検査により、ペプチドワクチン組成物の投与が患者の腫瘍に与える影響を検討した。図5(a)~(f)は、頭部造影MRI検査により、症例2のNF2患者の三叉神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。図5(a)~(c)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図5(d)はペプチドワクチン組成物の投与開始時の結果であり、図5(e)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図5(f)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。図5(a)~(f)中、矢印は三叉神経鞘腫を示す。
また、図6は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における三叉神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図6中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与開始後は、それまで増大傾向であった三叉神経鞘腫の成長が止まったことが明らかとなった。また、ペプチドワクチン組成物を8回投与後の三叉神経鞘腫の体積は、ペプチドワクチン組成物の投与開始時と比較して約14%減少したことが明らかとなった。
また、図11は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における三叉神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図11中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、腫瘍内血液量が減少したことが明らかとなった。
また、図7(a)~(f)は、頭部造影MRI検査により、症例2の患者の右側及び左側の前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。図7(a)~(c)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図7(d)はペプチドワクチン組成物の投与開始時の結果であり、図7(e)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図7(f)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。図7(a)~(f)中、矢印は前庭神経鞘腫を示す。
また、図8(a)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフであり、図8(b)は、頭部造影MRI検査結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図8(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与開始後は、それまで増大傾向であった右側の前庭神経鞘腫の体積は、ペプチドワクチン組成物の投与開始時と比較して約7%減少し、左側の前庭神経鞘腫の成長は止まったことが明らかとなった。
また、図12(a)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフであり、図12(b)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図12(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、腫瘍内血液量が減少したことが明らかとなった。
また、図13(a)及び(b)は、症例2の患者に行った語音明瞭度試験の結果を示すグラフである。語音明瞭度試験とは、被験者に音声を聞かせて、どのくらい言葉が理解できるのか、また、どのくらい音量を上げたら音声を理解しやすくなるのかを測定する試験である。図13(a)はペプチドワクチン組成物の投与開始前の試験結果であり、図13(b)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の試験結果である。
語音明瞭度試験の結果は、ペプチドワクチン組成物の投与開始前は70dBで60%であったが、ペプチドワクチン組成物を4回投与後には70dBで70%程度判別できるようになり、聴力の改善が認められた。
更に、血液中のVEGFR-1及びVEGFR-2特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)の反応をELISPOT法により解析した結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、VEGFR-1及びVEGFR-2に対するCTLが誘導されたことが確認された。
[実験例4]
(症例5の患者へのペプチドワクチン組成物の投与)
症例5の患者は、41歳の女性であった。症例5の患者のHLA型はHLA-A*24:02であった。23歳で両側聴神経鞘腫を発症し、NF2と診断された。右側聴神経鞘腫は23歳時に手術した。更に26歳時にも再手術した。右の聴力は術後低下し、左の聴力も低下傾向となった。2015年3月のMRIで両側聴神経鞘腫、左錐体骨後面の髄膜腫は増大傾向を示した。実験例1と同様にして調製したペプチドワクチン組成物の投与を開始した。投与スケジュール及び画像解析は実験例2と同様にして行った。
(画像解析)
頭部造影MRI検査により、ペプチドワクチン組成物の投与が患者の腫瘍に与える影響を検討した。図14(a)~(f)は、頭部造影MRI検査により、症例5の患者の左側前庭神経鞘腫及び髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。
図14(a)~(d)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図14(e)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図14(f)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。
また、図15(a)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフであり、図15(b)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図15(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、それまで増大傾向であった左側前庭神経鞘腫の体積は34%減少した。また、それまで増大傾向であった髄膜腫の体積は10%減少し、その後も増大抑制傾向を示した。
また、図16(a)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフであり、図16(b)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図16(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、腫瘍内血液量が低下傾向を示したことが明らかとなった。
また、症例5の患者に純音聴力試験を行った。純音聴力試験は、125Hz~8,000Hzまでの7種類の高さの異なる音に対する聴力を測定し、聞こえる最も小さな音の大きさを調べる試験である。その結果、ペプチドワクチン組成物を8回投与後に、左聴力の改善傾向が認められた。
更に、血液中のVEGFR-1及びVEGFR-2特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)の反応をELISPOT法により解析した結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、VEGFR-1及びVEGFR-2に対するCTLが誘導されたことが確認された。
[実験例5]
(ペプチドワクチン組成物の調製)
配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド2mgと、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド2mgと、不完全フロイントアジュバント(型式「MONTANIDE ISA51」、SEPPIC社)1mLとを混合してエマルジョン化し、ペプチドワクチン組成物2mLを調製した。
[実験例6]
(症例6の患者へのペプチドワクチン組成物の投与)
症例6の患者は、23歳の男性であった。症例6の患者のHLA型はHLA-A*02:07であった。2008年より左耳鳴りを感じていた。また同時に皮膚にも腫瘍が生じたため切除し、NF2と診断された。2011年に両側前庭神経鞘腫が発見された。その後両側聴力は徐々に低下しており、軽度呂律困難も生じ始めている。また前頭蓋底に髄膜腫を認め、その後も急速に増大傾向を示していた。実験例5と同様にして調製したペプチドワクチン組成物の投与を開始した。投与スケジュール及び画像解析は実験例2と同様にして行った。
(画像解析)
頭部造影MRI検査により、ペプチドワクチン組成物の投与が患者の腫瘍に与える影響を検討した。図17(a)~(d)は、頭部造影MRI検査により、症例6の患者の両側前庭神経鞘腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。
図17(a)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図17(b)はペプチドワクチン組成物の投与開始前の結果であり、図17(c)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図17(d)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。
また、図18(a)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフであり、図18(b)は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図18(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、それまで増大傾向であった右側前庭神経鞘腫の体積は5%減少した。また、それまで増大傾向であった左側前庭神経鞘腫の体積は13%減少した。
また、図19(a)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフであり、図19(b)は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における左側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図19(a)及び(b)中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、右側前庭神経鞘腫の腫瘍内血液量が低下傾向を示したことが明らかとなった。
また、図20(a)~(d)は、頭部造影MRI検査により、症例6の患者の髄膜腫を撮影した結果を示す写真である。各写真の上部には撮影日が記載されている。
図20(a)及び(b)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図20(c)はペプチドワクチン組成物を4回投与後の結果であり、図20(d)はペプチドワクチン組成物を8回投与後の結果である。
また、図21は、頭部造影MRI検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の体積を測定した結果を示すグラフである。図21中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、それまで急速増大傾向であった髄膜腫の体積の増大速度が軽減した。
また、図22は、頭部造影CT検査の結果に基づいて、各検査日における髄膜腫の腫瘍内血液量を測定した結果を示すグラフである。図22中、矢印はワクチン組成物の投与開始時を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、髄膜腫の腫瘍内血液量が低下傾向を示したことが明らかとなった。
以上の結果から、HLA-A*02:07患者の神経鞘腫及び髄膜腫に対する、HLA-A*02:01結合性のペプチドワクチンの投与の有効性が明らかとなった。
[実験例7]
(組織学的解析)
症例1の患者の、ペプチドワクチン組成物の投与前及び投与後の腫瘍組織におけるVEGF-A、VEGFR-1、VEGFR-2の発現量を定量的RT-PCRにより測定した。
図23は、定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与後に、VEGF-A、VEGFR-1、VEGFR-2の発現量が低下したことが明らかとなった。
続いて、症例1の患者の、ペプチドワクチン組成物の投与前及び投与後の腫瘍組織の切片を免疫染色し、CD34の発現を検討した。CD34の発現は血管内皮細胞の存在を示す。
図24(a)及び(b)は、免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。倍率は40倍である。図24(a)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図24(b)はペプチドワクチン組成物の投与後の結果である。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与前には、大型の血管が多数認められたのに対し、ペプチドワクチン組成物の投与後には、大型の血管はほとんど認められないことが明らかとなった。
続いて、症例1の患者の、ペプチドワクチン組成物の投与前及び投与後の腫瘍組織の切片を免疫染色し、FOXP3陽性細胞の存在を検出した。FOXP3陽性細胞は制御性T細胞である。
図25(a)及び(b)は、免疫染色の結果を示す顕微鏡写真である。倍率は40倍である。図25(a)はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であり、図25(b)はペプチドワクチン組成物の投与後の結果である。図25(a)及び(b)中、矢印はFOXP3陽性細胞の存在を示す。その結果、ペプチドワクチン組成物の投与前には、制御性T細胞の存在が認められたのに対し、ペプチドワクチン組成物の投与後には、制御性T細胞の存在が認められないことが明らかとなった。
続いて、症例1の患者の、ペプチドワクチン組成物の投与前及び投与後の腫瘍組織の切片を免疫染色し、VEGFR-1、VEGFR-2、PDGFR-βを三重染色した。
図26は、免疫染色の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図26中、「Pre-vaccine」はペプチドワクチン組成物の投与前の結果であることを示し、「Post-vaccine」はペプチドワクチン組成物の投与後の結果であることを示す。また、「DAPI」は4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールで核を染色した結果であることを示し、「Merge」は画像を合成した結果であることを示す。
その結果、ペプチドワクチン組成物の投与前には、周皮細胞が欠落し、VEGFR-1及びVEGFR-2が高発現する巨大な血管が多く形成されていたのに対し、ペプチドワクチン組成物の投与後には、周皮細胞に覆われた小型の血管が多く存在することが明らかとなった。
本発明によれば、脳神経疾患を効果的に治療することができるペプチドワクチン及びペプチドワクチン組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド及び配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含む、脳腫瘍または神経線維腫症II型(NF2)に対するペプチドワクチン。
  2. 請求項に記載のペプチドワクチンと、薬学的に許容される担体とを含有する、脳腫瘍または神経線維腫症II型(NF2)に対するペプチドワクチン組成物。
  3. 配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含む、脳腫瘍または神経線維腫症II型(NF2)に対するペプチドワクチン。
  4. 請求項3に記載のペプチドワクチンと、薬学的に許容される担体とを含有する、脳腫瘍または神経線維腫症II型(NF2)に対するペプチドワクチン組成物。
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