JP7167972B2 - 溶接継手のピーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接継手のピーニング方法に関し、特に、打撃ピンを用いて、金属薄板を溶接した溶接ビードの溶接止端部を打撃する溶接継手のピーニング方法に関する。
一般に、自動車の足回り部品の多くは、各鋼部材が溶接継手によって接合されている。また、足回り部品には自動車が走行中に繰り返し荷重がかかるため疲労破壊が生じる可能性がある。このような疲労破壊は溶接部で発生しやすいことが知られており、そのほとんどは、溶接方向に平行なき裂を原因とする破壊モードである。この破壊モードは、溶接方向に平行方向の曲げモーメント荷重、すなわち溶接方向に垂直な応力により引き起こされる破壊モードである。そして、溶接部の疲労特性は母材を高強度化しても向上せず、板厚を増して補うことにより効果があり、足回り部品に用いられる鋼部材の薄肉化の障害となっている。そのため、薄肉化を図る目的で、これまでに種々の技術が実施されてきた。
疲労破壊の多くは、溶接部の中でも溶接止端部で発生し、その主な要因は、溶接止端部における応力集中と、溶接による引張残留応力であることが知られている。
この問題を解決するため、溶接止端部の形状を変形させて応力集中を緩和し、同時に塑性変形による圧縮残留応力を付与する方法として、振動したハンマチップ又は打撃ピンで溶接止端部を打撃するピーニング処理が実施されてきた(特許文献1及び特許文献2を参照)。
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、打撃ピンの先端半径が溶接止端部の曲率半径に比べ大きすぎるため、塑性流動により溶接止端部に折れ込み疵が発生し、当該溶接止端部の折れ込み疵を起点とする疲労破壊が生じて疲労特性が十分に向上しない問題があった。
このため、特許文献3及び特許文献4には、先端半径の小さい打撃ピンを用いたピーニング方法が提案されている。
さらに、特許文献5~特許文献7には、溶接継手のピーニング処理を自動化する方法が提案されている。
また、このようなピーニング処理等により溶接止端部の形状を変形させて疲労強度を向上させる処理を施す技術においては、処理の良否が疲労強度に関係するため、処理を施した後、その良否の判定が不可欠である。しかしながら、特許文献1~特許文献7には、ピーニング処理を行う方法は開示されているが、溶接止端部の処理の良否を判定することに関しては何ら言及されていない。
溶接止端部の処理の良否を判定する技術としては、例えば、特許文献8には、ピーニング加工された被加工物の被加工面に光を照射し反射された反射光量を取り出し、予め設定された標準加工物の反射光量と比較して加工結果の良否を判定する方法が開示されている。
特許第3002229号公報 特開2014-8507号公報 特許第4837428号公報 特許第6504326号 WO2011/092831号公報 特開2009-34721号公報 特開2014-172050号公報 特開昭61-131869号公報
Md. R. U. Ahsan, Muralimohan Cheepu, Rouholah Ashiri, Tae-Hoon Kim, Chanyoung Jeong and Yeong -Do Park, Weld World, Vol. 61, pp.1275-1285, 2017.
溶接止端部とは溶接ビードと母材(金属薄板)の境目に該当する部位であり、溶接ビードの表面形状により溶接止端部の位置を判定することが可能である。
従来の溶接継手のピーニング処理において、溶接止端部の位置は目視により判定し、該判定した位置に対して打撃ピンで打撃するようにしていた。
このような従来のピーニング処理は、溶接止端部の曲率半径と打撃ピンの先端半径が約3mm程度であり、目視で判定した溶接止端部の位置が実際の位置とずれていたとしても、ずれは打撃ピンの打撃範囲(≒打撃ピンの先端半径の2倍)に比べて相対的に小さくて打撃範囲内であったため、溶接止端部をそのような打撃ピンで打撃しても特に問題はなかった。
また、特許文献3及び特許文献4に記載されている方法は、溶接止端部の折れ込み疵の発生を防ぐために、先端半径が1.0mm以上2.0mm以下(特許文献3)又は0.05~0.50mm(特許文献4)の打撃ピンを用いて曲率半径が0.1~2.0mm程度の溶接止端部を打撃するものであった。しかしながら、これらの方法では、目視で確認した溶接止端部の位置と実際の溶接止端部の位置とのずれが打撃ピンの打撃範囲を超えてしまうことがあり、実際の溶接止端部を正確に打撃することができず、疲労強度を向上することができないという問題があった。
さらに、溶接ビードに直交する方向における溶接止端部の位置は溶接方向に沿って乱れていることが多く、特許文献5~特許文献7に開示されているようなピーニング処理のみを自動化する方法において、目視で溶接止端部を確認するものでは、溶接止端部を打撃ピンで正確に打撃することが困難であった。
また、特許文献8に開示された溶接止端部の処理の良否を判定する方法は、被加工物である溶接継手周囲の明るさが反射光量の測定に大きく影響するために、明るさが安定したチャンバ内などに溶接継手を設置して行う必要があった。その上、溶接継手における溶接ビードに直交する方向における溶接止端部の位置は溶接方向に沿って乱れていることが多いため、溶接止端部の処理の良否を判定するためには、処理した位置における反射光量や反射強度を測定することを要する。
さらに、特許文献8には、被加工物において加工する位置と反射光量を測定する位置との関係については何ら記載されておらず、作業者が適切ではない位置の反射光量等を測定した場合、溶接止端部における処理の良否を適切に判定することができないことがあり、問題であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、溶接止端部の位置を正確に特定して精度良く打撃ピンで打撃することができ、さらに、溶接止端部における処理の良否を正確に判定することができる溶接継手のピーニング方法を提供することを目的とする。
前述のように、曲率半径の小さな溶接止端部を先端半径の小さい打撃ピンで打撃するピーニングを行う際には、溶接止端部の位置を正確に特定する必要がある。
そこで、発明者らは、上記課題について鋭意検討した。その結果、発明者らは種々の判定手段を用いて溶接継手に打撃を行ったところ、溶接ビードの表面形状を測定し、該測定した表面形状において、母材表面から鉛直方向の所定高さに形状が変化した点を溶接止端部における打撃位置として特定し、該特定した打撃位置を打撃することにより、溶接止端部の位置を正確かつ精度良く打撃を行うことができるという知見を得た。
その一方で、溶接ビードの表面形状のみを溶接止端部の位置の判断基準にすると、溶接時に発生する可能性があるスパッタが溶接止端部付近に存在した場合、溶接止端部の位置を誤って特定してしまう場合があった。
そこで、発明者らは、この課題についても鋭意検討した。そして、図17に示すように、高張力鋼板を母材33とする種々の溶接継手31において溶接ビード35の溶接止端部37を観察したところ、溶接時に発生するスラグ39が溶接止端部37に溜まっていることに着目した。
スラグが溶接止端部に溜まる理由は、非特許文献1によれば、以下のように説明できる。
SiやMn等の脱酸材が多い溶接ワイヤを用いてアーク溶接を行うと、溶融池金属内の不純物濃度が下がり、表面張力は温度に対して負の勾配となる(すなわち、温度が低いと表面張力は大きくなる)。これにより溶融池中央部より母材(金属薄板)側の方が表面張力は大きくなり、母材側に向かって溶融池金属の流れが起こる(マランゴニ対流)。これにより、溶接池金属に発生したスラグも母材側に向かって流れて、母材と溶接金属の境界である溶接止端部に溜まる(非特許文献1)。
そして、溶接止端部にスラグが溜まることに基づいて、溶接止端部を精度良く打撃する方法について発明者らはさらに検討をすすめた。その結果、同一の溶接継手内の溶接ビードにおいて、溶接止端部の色のばらつきが小さいことを発見した。そして、種々の溶接ビードに発生したスラグを観察したところ、スラグは色によって溶接ビードの他の部位や母材表面と判別可能であるという知見が得られた。
これらの発見に基づき、発明者らは、溶接ビードにおけるスラグの位置をその色から検出し、該スラグを検出した位置に打撃を与えることによって、溶接止端部における打撃位置を正確に特定し、かつスラグに覆われた溶接止端部を精度良く打撃することが可能となることを想起するに至った。
また、発明者は、溶接止端部に施された処理の良否を正確に判定する方法について鋭意検討した。
そこで、発明者は、処理を施した後の溶接止端部についても観察した。その結果、溶接止端部37の位置に対して適切にピーニング処理等の処理を行った場合には、溶接止端部37からスラグ39が除去されてその下部の溶接金属35の金属光沢が露出しているのに対し、溶接止端部37の位置に処理を行ったものの当該処理が不十分である場合には、溶接止端部37からスラグ39が除去されずに溶接金属35の金属光沢が露出していないことを見出した。
これらの発見から、発明者は、溶接止端部37にピーニング等の処理を施した後、ピーニング処理を施した打撃位置における金属光沢の有無によって、溶接止端部37における処理の良否を正確に判定することが可能であるという知見が得られた。
本発明は、かかる検討に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る溶接継手のピーニング方法は、打撃ピンを用いて、2枚の金属薄板を溶接した溶接継手における溶接ビードの溶接止端部を溶接方向に沿って打撃するものであって、
前記溶接方向の所定間隔ごとに前記溶接ビードの溶接止端部における打撃位置を特定する溶接止端部打撃位置特定工程と、
該特定した打撃位置に基づいて、前記溶接止端部を前記溶接方向に沿って連続的に打撃する溶接止端部打撃工程と、を備え、
前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向における前記溶接ビードの表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
前記溶接方向の所定間隔ごとの前記取得した溶接ビードの表面形状において、金属薄板表面の垂直な方向の所定位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する表面形状打撃位置特定ステップと、を有し、
前記溶接止端部打撃工程は、
前記表面形状打撃位置特定ステップにおいて前記溶接方向の所定間隔ごとに特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する表面形状溶接止端部打撃ステップを有することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、
前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、をさらに有し、
前記溶接止端部打撃工程は、
前記表面形状溶接止端部打撃ステップに加えて、
前記色差打撃位置特定ステップにおいて前記溶接方向の所定間隔ごとに特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する色差溶接止端部打撃ステップ、をさらに有することを特徴とするものである。
(3)上記(1)に記載のものにおいて、
前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、をさらに有し、
前記溶接止端部打撃工程は、
前記表面形状溶接止端部打撃ステップに加えて、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置が前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定された前記溶接方向における範囲については、前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する乖離範囲色差溶接止端部打撃ステップ、をさらに有することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る溶接継手のピーニング方法は、打撃ピンを用いて、2枚の金属薄板を溶接した溶接ビードの溶接止端部を溶接方向に沿って打撃するものであって、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードの溶接止端部における打撃位置を特定する溶接止端部打撃位置特定工程と、
該特定した打撃位置に基づいて、前記溶接止端部を前記溶接方向に沿って連続的に打撃する溶接止端部打撃工程と、を備え、
前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、を有し、
前記溶接止端部打撃工程は、
前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する色差溶接止端部打撃ステップを有することを特徴とするものである。
(5)上記(4)に記載のものにおいて、
前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードの平面視において前記溶接方向に交差する方向における前記溶接ビードの表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
前記溶接方向の所定間隔ごとの前記取得した溶接ビードの表面形状において、金属薄板表面の垂直な方向の所定位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する表面形状打撃位置特定ステップと、をさらに有し、
前記溶接止端部打撃工程は、
前記色差溶接止端部打撃ステップに加えて、
前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置が前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定された前記溶接方向における範囲については、前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する乖離範囲表面形状溶接止端部打撃ステップをさらに有することを特徴とするものである。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、
前記溶接止端部打撃工程において前記溶接止端部を連続的に打撃した後、該連続的に打撃した打撃位置を検査位置とし、前記打撃した前記溶接止端部の処理の良否を検査する溶接止端部処理検査工程をさらに備え、
該溶接止端部処理検査工程は、
前記検査位置に光を照射し、その反射光の強度又は明度を取得する検査位置反射光取得ステップと、
該取得した反射光の強度又は明度の相対値が予め設定した所定値以下となる前記溶接方向における位置を検出し、該検出した位置が前記溶接方向に沿って所定の長さ以上に連続する場合、前記溶接止端部の処理が不良であると判定する処理不良判定ステップと、を有することを特徴とするものである。
本発明においては、溶接ビードの表面形状及び/又は色差に基づいて溶接止端部における打撃位置を特定し、当該打撃位置を打撃ピンで打撃することにより、正確に溶接止端部を打撃することができ、疲労強度を向上することができる。
これにより、本発明によれば、先端半径が小さな打撃ピンを用いて打撃する場合であっても、溶接止端部の位置を正確に特定して打撃することができるため、ロボットアーム等による自動施工の際に打ち直しを減らすことができ、生産性の向上が期待できる。
さらに、本発明においては、処理を施した溶接ビードの溶接止端部における検査位置を特定し、溶接方向に沿って検査位置に光を照射して反射光の強度又は明度を取得し、取得した反射光の強度又は明度の相対値に基づいて溶接止端部の処理の良否を判定することにより、周囲の明るさの影響を受けずに溶接止端部の処理の良否を正確に判定することができる。
本発明の実施の形態1に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明に係る溶接継手のピーニング方法において打撃ピンを用いてピーニングする装置構成の一例と、ピーニングの対象となる溶接継手の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1~6に係る溶接継手のピーニング方法において、溶接継手における溶接止端部と、該溶接止端部における打撃位置を説明する図である。 本発明の実施の形態1~3及び5に係る溶接継手のピーニング方法において、溶接ビードの表面形状の測定例と、該表面形状により特定される溶接止端部における打撃位置を示す図である。 本発明の実施の形態1~6に係るピーニング方法において、打撃ピンを用いて溶接方向に沿って連続的に打撃する方法を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態2~5に係る溶接継手のピーニング方法において、取得した溶接ビードの色差と、該取得した色差により特定される溶接止端部における打撃位置を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態4に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態6に係る溶接継手のピーニング方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態6に係る溶接止端部のピーニング方法において、ピーニングにより打撃した溶接止端部の検査を行う装置構成の一例と、溶接止端部処理の対象となる溶接継手の一例を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る溶接止端部のピーニング方法において、溶接方向に沿って特定された検査位置を説明する図である。 本発明の実施の形態6に係る溶接止端部のピーニング方法において、溶接止端部の検査を行う検査位置の一例を説明する図である。 実施例2において、溶接ビードの表面形状に基づいて特定し打撃した位置を検査位置とした場合における、溶接方向の各位置について取得した反射光の明度の相対値のグラフの一例である。 実施例2において、溶接ビードの色差に基づいて特定し打撃した位置を検査位置とした場合における、溶接方向の各位置について取得した反射光の明度の相対値のグラフの一例である。 溶接継手における溶接ビードの溶接止端部とスラグの顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態1~実施の形態6に係る溶接継手のピーニング方法について、図2に示す溶接継手1を例に説明する。
図2(a)は、本発明の実施の形態1~実施の形態6に係る溶接継手のピーニング方法を実施するに際して溶接止端部9を打撃する装置の構成を例示したものであり、ロボットアーム21の先端部21aに取り付けられた電動工具23の打撃ピン25を用いて、溶接継手1の溶接止端部9を打撃するものである。
図2(b)は、図2(a)の矢視A-A断面図であり、打撃ピン25を図中の振動方向(打撃ピン25の軸方向)に振動させて、金属薄板3(下側板)の表面に位置する溶接止端部9を打撃する場合を示したものである。
なお、図2(b)に示す溶接継手1は、2枚の金属薄板3及び金属薄板5(上側板)を重ねて溶接した重ね隅肉溶接継手を模式的に図示したものであるが、本発明は継手形式を重ね隅肉溶接継手に限定するものではなく、他の継手形式であってもよい。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図1に示すように、溶接止端部打撃位置特定工程S1と、溶接止端部打撃工程S3と、を備える。
<溶接止端部打撃位置特定工程>
溶接止端部打撃位置特定工程S1は、図3に示すように、溶接方向の所定間隔sごとに、溶接ビード7の溶接止端部9における打撃位置を特定する工程であり、図1に示すように、表面形状取得ステップS1aと、表面形状打撃位置特定ステップS1bと、を有する。
≪表面形状取得ステップ≫
表面形状取得ステップS1aは、溶接方向の所定間隔s(図3の間隔s)ごとに、溶接方向に交差する方向における溶接ビード7の表面形状を取得するステップである。溶接方向に交差する方向は直交方向がわかりやすいが、これにこだわるものではなく、溶接方向と所定の角度をなす方向でよい。また、交差する方向は所定間隔sごとに平行であるのがよいが、角度を逆にして交互にした方向でもよい。
本実施の形態1では、図2に示すロボットアーム21の先端部21aに取り付けられた形状測定器27を用いて溶接ビード7の表面形状を測定して取得する。形状測定器27としては、例えばレーザ変位計を用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
図4に、形状測定器27としてレーザ変位計を用いて、溶接方向に交差する方向における溶接ビード7の表面形状を測定した結果の一例を示す。図4は、溶接止端部9を中心とした範囲を拡大して表示したものであり、図4中の横軸は、溶接ビード7の平面視における中心を基準(=0μm)とした溶接方向に直交する方向の位置を、縦軸は、金属薄板3の表面の位置を基準(=0μm)とした垂直方向における溶接ビード7の表面の位置(金属薄板表面からの高さ)である(図2(b)参照)。
≪表面形状打撃位置特定ステップ≫
表面形状打撃位置特定ステップS1bは、図3に示すように、溶接方向の所定間隔sごとに、表面形状取得ステップS1aにおいて取得した溶接ビード7の表面形状における金属薄板3表面の垂直な方向の所定位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するステップである。
本実施の形態1では、図4に示すように、例えば、溶接ビード7の表面形状において金属薄板3の表面に垂直方向に50μmの位置(表面からの高さ)を溶接止端部9における打撃位置として特定する。
<溶接止端部打撃工程>
溶接止端部打撃工程S3は、溶接止端部打撃位置特定工程S1において溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに特定した溶接止端部9の打撃位置に基づいて、溶接止端部9を溶接方向に沿って連続的に打撃する工程であり、図1に示すように、表面形状溶接止端部打撃ステップS3aを有する。
≪表面形状溶接止端部打撃ステップ≫
表面形状溶接止端部打撃ステップS3aは、溶接ビード7の溶接止端部9として、表面形状打撃位置特定ステップS1bにおいて溶接方向の間隔s(図3)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップである。
表面形状溶接止端部打撃ステップS3aにおいては、例えば、図5に示すように、溶接方向の間隔sごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結び、該直線を結んだ折れ線をなぞるように連続的に打撃することで、例えば図2(a)に示す溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで溶接止端部9を隙間なく打撃することができる。
以上、本実施の形態1に係る溶接継手のピーニング方法によれば、溶接ビード7の表面形状に基づいて溶接止端部9における打撃位置を特定することで、溶接止端部9を正確に打撃することができ、溶接止端部9を起点とした疲労亀裂の発生を抑制し、疲労強度を向上することができる。
特に、先端半径の小さい打撃ピン25を用いて溶接止端部9の曲率半径の小さい溶接継手1をピーニングする場合にあっては、前掲した図4に示すように、溶接ビード7の表面形状を50μm程度の精度で測定することにより、溶接止端部9を正確に打撃することができる。
なお、上記の説明において、表面形状打撃位置特定ステップS1bは、表面形状取得ステップS1aで取得した溶接ビード7の表面形状における所定位置を金属薄板3の表面から50μm変化した位置とし、当該位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するものであった。もっとも、本実施の形態1は、50μm変化した位置を溶接止端部9における打撃位置として特定することに限るものではなく、例えば、溶接条件による溶接ビード7の形態等に応じて打撃位置として特定する位置を適宜変更してもよい。
また、溶接継手1を施工した際に金属薄板3及び金属薄板5にスパッタが生じると、当該スパッタの形状も表面形状取得ステップS1aにおいて測定されてしまう。このような場合、表面形状打撃位置特定ステップS1bは、該スパッタの位置を溶接止端部9における打撃位置として誤って特定することがある。
これを防止するため、表面形状打撃位置特定ステップS1bは、溶接方向に交差する方向において取得した表面形状が下側板表面から50μm以上変化した後に1mm以上にわたって平坦な部位がある場合には、当該50μm以上変化した位置はスパッタであり、溶接止端部9における打撃位置ではないとする等、取得した表面形状からスパッタを排除する条件を加えることが望ましい。
また、溶接止端部打撃位置特定工程S1と溶接止端部打撃工程S3における溶接方向の所定間隔(図3中の間隔s)は、例えば、特定した打撃位置を溶接方向に沿って結んだ線(図5中の実線)が実際の溶接止端部(図5の破線)から直交方向の打撃範囲を逸脱することなく該溶接止端部をなぞることができるように設定すればよく、例えば、s=5mmとすればよい。
なお、本実施の形態1に係る溶接継手のピーニング方法は、図2(a)に示すロボットアーム21を溶接方向に沿って移動させる過程において溶接止端部打撃位置特定工程S1と溶接止端部打撃工程S3とを同時に行ってもよい。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に一例として示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図6に示すように、溶接止端部打撃位置特定工程S11と、溶接止端部打撃工程S13と、を備える。以下、上記各工程について説明する。
<溶接止端部打撃位置特定工程>
溶接止端部打撃位置特定工程S11は、図3に示すように、溶接ビード7の溶接方向の所定間隔sごとに、溶接ビード7の溶接止端部9における打撃位置を特定する工程であり、図6に示すように、表面形状取得ステップS1aと、表面形状打撃位置特定ステップS1bと、色差取得ステップS11aと、色差打撃位置特定ステップS11bと、を有する。
表面形状取得ステップS1a及び表面形状打撃位置特定ステップS1bは、前述した本発明の実施の形態1と同様であるため、ここでは、色差取得ステップS11aと、色差打撃位置特定ステップS11bと、について説明する。
≪色差取得ステップ≫
色差取得ステップS11aは、溶接方向の所定間隔s(図3参照)ごとに、溶接ビード7を含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を溶接方向に交差する方向に沿って取得するステップである。
ここで、溶接部とは、溶接ビード7とその周囲の金属薄板3のことをいう。
また、予め設定した基準カラー値とは、溶接継手1の施工時に溶接ビード7の溶接止端部9に溜ったスラグ11について測定したカラー値とする。
そして、基準カラー値を予め設定することにより、図2(a)に示すように、ロボットアーム21の先端部21aに取り付けられた色差計29を用いて、溶接ビード7を含む溶接部表面の色差を溶接方向に交差する方向に沿って取得することができる。
なお、色差取得ステップS11aは、色差計29の代わりに、ロボットアーム21の先端部21aにマイクロスコープを取り付け、該マイクロスコープを用いて溶接ビード7及び金属薄板3の表面のカラー画像を撮像し、該撮像したカラー画像の各ピクセルにおけるカラー値と、基準カラー値として別途測定したスラグ11のカラー値との色差を算出することにより、溶接ビード7を含む溶接部表面の色差を溶接方向に沿って取得するものであってもよい。
溶接ビード7を含む溶接部表面のカラー値と基準カラー値との色差を算出するためには、例えば以下の式(1)に示すように、溶接ビード7の表面のRGB値と基準カラー値として予め測定したスラグ11のR0G0B0値とのユークリッド空間上における距離Δとして算出すればよい。
Figure 0007167972000001
図7に、溶接ビード7及び金属薄板3の表面のカラー画像を撮像し、一例として溶接方向に直交する方向における色差を算出した結果を示す。
図7において、横軸は、溶接方向に直交する方向において色差が最小となる位置を原点とした座標、縦軸は、撮像したカラー画像の各ピクセルにおけるRGB値と、予め測定したスラグのR0G0B0値を式(1)に代入して算出した色差である。
なお、色差取得ステップS11aは、溶接ビード7を含む溶接部表面のカラー値と基準カラー値としてRGB値を用いるものに限るわけではない。例えば、照明等の理由によりRGB値でスラグ11を特定して基準カラー値(R0G0B0値)を設定するのが困難な場合には、他の指標(Lab値など)のカラー値を用いて色差を算出してもよい。
なお、色差取得ステップS11aにおける所定間隔s(図3)は、溶接方向に沿って実際の溶接止端部9の位置を追従することができる程度の値に適宜設定すればよい。
≪色差打撃位置特定ステップ≫
色差打撃位置特定ステップS11bは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、色差取得ステップS11aで溶接方向に交差する方向において取得した色差が最小となる位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するステップである。
前述した図7においては、溶接方向に直交する方向における0mmは、マイクロスコープにより撮像した画像から溶接ビード7の溶接止端部9と判定した位置であり、図7に示す結果より、当該位置において色差が最小であることが分かる。これより、色差打撃位置特定ステップS11bは、溶接方向に交差する方向において色差が最小となる位置を溶接止端部9における打撃位置として特定することができる。
なお、図7においては、溶接方向に直交する方向において1mm~2mmに、色差が極小となる範囲が見られるが、これは、溶接継手1の施工時に溶接ビード7の周辺の金属薄板3及び金属薄板5に発生したテンパーカラーに起因するものである。
色差取得ステップS11aで溶接方向に交差する方向における色差が、金属薄板3及び金属薄板5のテンパーカラーが発生した領域において最小となった場合、色差打撃位置特定ステップS11bは、当該テンパーカラーの領域をスラグ11と誤認識してしまい、溶接止端部9における打撃位置として特定してしまう場合がある。
このようなテンパーカラーに起因する誤認識を防ぐため、色差打撃位置特定ステップS11bは、例えば、溶接継手1においてテンパーカラーが発生した領域の溶接方向に交差する方向における幅を予め測定し、溶接方向に交差する方向において当該測定した幅以上となる範囲を排除して溶接止端部9における打撃位置を特定する、という条件を加えることが望ましい。
<溶接止端部打撃工程>
溶接止端部打撃工程S13は、図6に示すように、表面形状溶接止端部打撃ステップS3aに加えて、色差溶接止端部打撃ステップS13aと、を有する。
表面形状溶接止端部打撃ステップS3aは、前述した本発明の実施の形態1と同様であるため、ここでは、色差溶接止端部打撃ステップS13aについて説明する。
≪色差溶接止端部打撃ステップ≫
色差溶接止端部打撃ステップS13aは、色差打撃位置特定ステップS11bにおいて溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップである。
色差溶接止端部打撃ステップS13aにおいては、例えば図5に示すように、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結び、該直線を結んだ折れ線をなぞるように連続的に打撃にすることで、溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで溶接止端部9を隙間なく打撃することができる。
本実施の形態2に係る溶接継手のピーニング方法によれば、例えば、金属薄板3の表面のスパッタを溶接ビード7の表面形状として誤って取得し、該取得した表面形状から特定した打撃位置が実際の溶接止端部9とは異なる位置であっても、溶接ビード7の色差から打撃位置を特定し、該特定した打撃位置をさらに打撃ピン25で打撃することにより、溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで溶接方向に沿って溶接止端部9の打ち残しがないように連続的に打撃することができ、溶接継手1の疲労強度をさらに向上することが可能となる。
なお、溶接方向の所定間隔s(図3)は、表面形状取得ステップS1a及び表面形状打撃位置特定ステップS1bにおいて溶接ビード7の表面形状を取得して打撃位置を特定する場合と、色差取得ステップS11a及び色差打撃位置特定ステップS11bにおいて溶接ビード7の色差を取得して打撃位置を特定する場合とで、等しくてもよいし、それぞれ異なる間隔を与えてもよい。
また、溶接止端部打撃位置特定工程S11において、溶接ビード7の表面形状に基づく溶接止端部9における打撃位置の特定(表面形状取得ステップS1a及び表面形状打撃位置特定ステップS1b)と、溶接ビード7の色差に基づく溶接止端部9における打撃位置の特定(色差取得ステップS11a及び色差打撃位置特定ステップS11b)は、その順序は問わず、どちらを先に行ってもよいし、本実施の形態2は、ロボットアーム21(図2(a))を溶接方向に沿って移動させる際に同時に行ってもよい。
同様に、溶接止端部打撃工程S13は、表面形状溶接止端部打撃ステップS3aと色差溶接止端部打撃ステップS13aを行う順序は問わず、どちらを先に行ってもよい。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に一例として示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図8に示すように、溶接止端部打撃位置特定工程S11と、溶接止端部打撃工程S15と、を備える。
溶接止端部打撃位置特定工程S11は、前述の実施の形態2と同様であるため、ここでは、溶接止端部打撃工程S15について説明する。
<溶接止端部打撃工程>
溶接止端部打撃工程S15は、図8に示すように、表面形状溶接止端部打撃ステップS3aに加えて、乖離範囲色差溶接止端部打撃ステップS15aと、を有する。
表面形状溶接止端部打撃ステップS3aは、前述した本実施の形態1と同様であるため、ここではその説明を割愛する。
≪乖離範囲色差溶接止端部打撃ステップ≫
乖離範囲色差溶接止端部打撃ステップS15aは、溶接方向の所定間隔sごとに、色差打撃位置特定ステップS11bで特定した打撃位置が表面形状打撃位置特定ステップS1bで特定した打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定した溶接方向の範囲については、色差打撃位置特定ステップS11bで特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップである。
ここで、所定の打撃範囲は、例えば、一本の打撃ピン25で溶接止端部9を打撃する場合にあっては、打撃ピン25の先端半径とすればよい。また、複数の打撃ピンで溶接止端部を打撃する場合にあっては、溶接方向に交差する方向において当該複数の打撃ピンにより打撃される範囲を所定の打撃範囲とすればよい。さらに、打撃ピンを溶接方向に交差する方向(直交方向又は傾斜方向)に揺動等させながら連続的に溶接止端部を打撃する場合にあっては、当該打撃ピンを揺動させる範囲を所定の打撃範囲とすればよい。このように、所定の打撃範囲は、打撃ピンによる打撃の態様に応じて適宜与えればよい。
そして、色差から特定した打撃位置と表面形状から特定した打撃位置とが所定の打撃範囲を超えて乖離していると判定された溶接方向の範囲については、例えば、図5に示すように、溶接方向の所定間隔sごとに色差打撃位置特定ステップS11bで特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結び、該直線で結んだ折れ線をなぞるように連続的に打撃すればよい。
また、色差から特定した打撃位置と表面形状から特定した打撃位置とが所定の打撃範囲を超えて乖離していないと判定された溶接方向の範囲については、色差打撃位置特定ステップS11bで特定した打撃位置を打撃しないようにする。
本実施の形態3に係る溶接継手のピーニング方法によれば、溶接ビード7の表面形状から特定した打撃位置を溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで連続的に打撃することに加え、溶接ビード7の色差から打撃位置を特定し、該特定した打撃位置が溶接ビード7の表面形状から特定した打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離していると判定された場合、該乖離している溶接方向の範囲については、溶接ビード7の色差から特定した打撃位置を打撃ピン25で打撃するようにしたことにより、打撃に要する時間の増加を抑制しつつ、打ち残しがないように溶接止端部9を連続的に打撃することができる。
なお、前述の実施の形態2と同様、溶接方向の所定間隔s(図3)は、表面形状取得ステップS1a及び表面形状打撃位置特定ステップS1bにおいて溶接ビード7の表面形状を取得して打撃位置を特定する場合と、色差取得ステップS11a及び色差打撃位置特定ステップS11bにおいて溶接ビード7の色差を取得して打撃位置を特定する場合とで、等しくてもよいし、それぞれ異なる間隔を与えてもよい。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に一例として示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図9に示すように、溶接止端部打撃位置特定工程S21と、溶接止端部打撃工程S23と、を備える。
<溶接止端部打撃位置特定工程>
溶接止端部打撃位置特定工程S21は、図3に示すように、溶接方向の所定の間隔sごとに、溶接ビード7の溶接止端部9における打撃位置を特定する工程であり、図9に示すように、色差取得ステップS21aと、色差打撃位置特定ステップS21bと、を有する。
≪色差取得ステップ≫
色差取得ステップS21aは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、溶接ビード7を含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を溶接方向に交差する方向に沿って取得するステップであり、前述した本発明の実施の形態2の色差取得ステップS11aと同様である。
≪色差打撃位置特定ステップ≫
色差打撃位置特定ステップS21bは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するステップであり、前述した本発明の実施の形態2の色差打撃位置特定ステップS11bと同様である。
<溶接止端部打撃工程>
溶接止端部打撃工程S23は、図9に示すように、色差溶接止端部打撃ステップS23aを有する。
≪色差溶接止端部打撃ステップ≫
色差溶接止端部打撃ステップS23aは、色差打撃位置特定ステップS21bにおいて溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップであり、前述した本発明の実施の形態2の色差溶接止端部打撃ステップS13aと同様であるので、ここでの詳しい説明は割愛する。
本実施の形態4に係る溶接継手のピーニング方法によれば、溶接ビード7の表面形状に基づいて溶接止端部9における打撃位置を特定することが困難な場合であっても、溶接ビード7と溶接止端部9に位置するスラグ11との色差に基づいて溶接止端部9における打撃位置を特定することで、溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで溶接方向に沿って溶接止端部9を正確に打撃することができ、溶接止端部9を起点とした疲労亀裂の発生を抑制し、疲労強度を向上することができる。
なお、溶接止端部打撃位置特定工程S21と溶接止端部打撃工程S23における溶接方向の所定間隔(図3中の間隔s)は、例えば、特定した打撃位置を溶接方向に沿って結んだ線(図5中の実線)が実際の溶接止端部(図5中の破線)から交差する方向の打撃範囲を逸脱することなく該溶接止端部をなぞることができるように設定すればよく、例えば、s=5mmとすればよい。
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に一例として示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図10に示すように、溶接止端部打撃位置特定工程S31と、溶接止端部打撃工程S33と、を備える。
<溶接止端部打撃位置特定工程>
溶接止端部打撃位置特定工程S31は、図3に示すように、溶接ビード7の溶接方向の所定間隔sごとに、溶接ビード7の溶接止端部9における打撃位置を特定する工程であり、図10に示すように、色差取得ステップS21aと、色差打撃位置特定ステップS21bと、表面形状取得ステップS31aと、表面形状打撃位置特定ステップS31bと、を有する。
ここで、色差取得ステップS21aと色差打撃位置特定ステップS21bは、前述した本発明の実施の形態4と同様であるので、以下、表面形状取得ステップS31aと表面形状打撃位置特定ステップS31bとについて説明する。
≪表面形状取得ステップ≫
表面形状取得ステップS31aは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、溶接方向に交差する方向における溶接ビード7の表面形状(図4参照)を取得するステップであり、前述した本発明の実施の形態1の表面形状取得ステップS1aと同様である。
≪表面形状打撃位置特定ステップ≫
表面形状打撃位置特定ステップS31bは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、表面形状取得ステップS31aにおいて取得した溶接ビード7の表面形状における金属薄板3表面の垂直な方向の所定位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するステップであり、前述した本発明の実施の形態1の表面形状打撃位置特定ステップS1bと同様である。
<溶接止端部打撃工程>
溶接止端部打撃工程S33は、図10に示すように、色差溶接止端部打撃ステップS23aに加えて、乖離範囲表面形状溶接止端部打撃ステップS33aを有する。
≪色差溶接止端部打撃ステップ≫
色差溶接止端部打撃ステップS23aは、前述した本実施の形態4と同様、溶接ビード7の溶接止端部9として、色差打撃位置特定ステップS21bにおいて溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップである。
≪乖離範囲表面形状溶接止端部打撃ステップ≫
乖離範囲表面形状溶接止端部打撃ステップS33aは、溶接方向の所定間隔s(図3)ごとに、表面形状打撃位置特定ステップS31bで特定した打撃位置が色差打撃位置特定ステップS21bで特定した打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定した溶接方向の範囲については、表面形状打撃位置特定ステップS31bで特定した打撃位置を溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃するステップである。
ここで、所定の打撃範囲は、例えば、一本の打撃ピン25で溶接止端部9を打撃する場合にあっては、打撃ピン25の先端半径とすればよい。また、複数の打撃ピンで溶接止端部を打撃する場合にあっては、溶接方向に直交する方向において当該複数の打撃ピンにより打撃される範囲を所定の打撃範囲とすればよい。さらに、打撃ピンを溶接方向に交差する方向(直交方向又は傾斜方向)に揺動等させながら連続的に溶接止端部を打撃する場合にあっては、当該打撃ピンを揺動させる範囲を所定の打撃範囲とすればよい。このように、所定の打撃範囲は、打撃ピンによる打撃の態様に応じて適宜与えればよい。
そして、表面形状から特定した打撃位置と色差から特定した打撃位置とが所定の打撃範囲を超えて乖離していると判定された溶接方向の範囲については、例えば、図5に示すように、溶接方向の所定間隔sごとに表面形状打撃位置特定ステップS31bで特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結び、該直線で結んだ折れ線をなぞるように連続的に打撃すればよい。
また、表面形状から特定した打撃位置と色差から特定した打撃位置とが所定の打撃範囲を超えて乖離していないと判定された溶接方向の範囲については、表面形状打撃位置特定ステップS31bで特定した打撃位置を打撃しないようにする。
本実施の形態5に係る溶接継手のピーニング方法によれば、溶接ビード7の色差から特定した打撃位置を溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで連続的に打撃することに加え、溶接ビード7の表面形状から打撃位置を特定し、該特定した打撃位置が溶接ビード7の色差から特定した打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離していると判定された場合、該乖離している溶接方向の範囲については、溶接ビード7の表面形状から特定した打撃位置を打撃ピン25で打撃するようにしたことにより、打撃に要する時間の増加を抑制しつつ、打ち残しがないように溶接止端部9を連続的に打撃することができる。
なお、上記の説明において、表面形状打撃位置特定ステップS31bは、表面形状取得ステップS31aで取得した溶接ビード7の表面形状における所定位置を金属薄板3の表面から50μm変化した位置とし、当該位置を溶接止端部9における打撃位置として特定するものであった。もっとも、本実施の形態5は、50μm変化した位置を溶接止端部9における打撃位置として特定することに限るものではなく、例えば、溶接条件による溶接ビード7の形態等に応じて打撃位置として特定する位置を適宜変更してもよい。
また、溶接方向の所定間隔s(図3)は、色差取得ステップS21a及び色差打撃位置特定ステップS21bにおいて溶接ビードの色差を取得して打撃位置を特定する場合と、表面形状取得ステップS31a及び表面形状打撃位置特定ステップS31bにおいて溶接ビード7の表面形状を取得して打撃位置を特定する場合とで、等しくてもよいし、それぞれ異なる間隔を与えてもよい。
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6に係る溶接継手のピーニング方法は、図2に一例として示すように、2枚の金属薄板3及び金属薄板5を溶接した溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9を溶接方向に沿って打撃するものであって、図11に示すように、実施の形態1に係る溶接止端部打撃位置特定工程S1及び溶接止端部打撃工程S3に加え、溶接止端部処理検査工程S5をさらに備えたものである。以下、溶接止端部処理検査工程S5について説明する。
<溶接止端部処理検査工程>
溶接止端部処理検査工程S5は、図12(a)に一例として示す装置を用いて、溶接止端部打撃工程S3において溶接方向に沿って連続的に打撃した溶接止端部9の処理の良否を検査する工程であり、図11に示すように、検査位置反射光取得ステップS5aと、処理不良判定ステップS5bと、を有する。
≪検査位置反射光取得ステップ≫
検査位置反射光取得ステップS5aは、溶接止端部打撃工程S3において溶接止端部9を連続的に打撃した打撃位置を検査位置とし、溶接方向に沿って検査位置に光を照射し、その反射光の強度又は明度を取得するステップである。
ここで、溶接止端部打撃工程S3において溶接止端部9を連続的に打撃する打撃位置は、例えば、溶接止端部打撃位置特定工程S1において溶接方向の間隔sごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結んだ折れ線とすることができ、当該折れ線を検査位置反射光取得ステップS5aにおける検査位置とすることができる。
さらに、検査位置反射光取得ステップS5aおいては、図14に示すように、溶接方向に沿って検査位置の所定の間隔ごとに光源41から光を照射すればよい。光を照射する所定の間隔は、溶接方向に沿って打撃位置を特定した所定の間隔s(図3参照)としてもよいし、間隔sよりも細かい間隔又は粗い間隔としてもよい。また、光源41から照射する光は、白色光又は単色光のいずれであってもよい。
検査位置反射光取得ステップS5aにおいて反射光の強度を取得する場合、反射光の強度とは、光源41から光が照射された検査位置で反射した光の明るさである。反射光の強度は、例えば図12に示すように、ロボットアーム21の先端部21aに取り付けた光源41と反射光検出器43を用い、溶接方向に沿って所定の間隔で光源から光を照射した検査位置で取得するとよい。なお、光源41と反射光検出器43の光軸のなす角度はできるだけ小さい方が好ましい。
反射光検出器43により反射光の強度を取得するには、光りの明るさを表す物理量(カンデラ)を反射光検出器43により測定してもよいし、反射光検出器43の受光素子による電圧を測定してもよい。
また、白色光を照射してその反射光の強度を取得する際には、光源41と反射光検出器43の双方に同方向の偏光子を装着するとよい。これにより、周囲の明るさの影響を受けずに反射光を選択的に受光し、溶接止端部9に施した処理の良否をより正確に判定することができて好ましい。
検査位置反射光取得ステップS5aにおいて反射光の明度を取得する場合、反射光の明度とは、光源41から光が照射された位置の色の明るさである。前述した反射光の強度を取得するのが困難な場合には、反射光の明度を取得するとよい。反射光の明度は、反射光検出器43により反射光を受光して取得してもよいし、前述の色差取得ステップS11aと同様、CCDやCMOS等のイメージセンサを備えたマイクロスコープを用いて取得してもよい。
マイクロスコープにより反射光の明度を取得するには、例えば図12に示すように、ロボットアーム21の先端部21aに取り付けたマイクロスコープ(図示なし)を用い、溶接方向に沿って検査位置のカラー画像を撮像し、該撮像したカラー画像のカラー値(RGB値やL*a*b*値等)から求めることができる。
なお、撮像したカラー画像から反射光の明度を求めるためには、該カラー画像における光を照射した位置のRGB値の最大値又はL*a*b*値のL*値を取得すればよい。
≪処理不良判定ステップ≫
処理不良判定ステップS5bは、検査位置反射光取得ステップS5aにおいて溶接方向に沿って取得した反射光の強度又は明度の相対値が予め設定した所定値以下となる検査位置を検出し、検出した検査位置が溶接方向に沿って所定の長さ以上に連続する場合、溶接止端部9の処理が不良であると判定するステップである。
実施の形態6において、溶接止端部9の処理が不良とは、検査位置にスラグ11が残っているためにその下部にある溶接ビード7の金属光沢が露出していない状態である。そのため、検査位置反射光取得ステップS5aにおいて検査位置に光を照射しても光は十分に反射されず、また、当該検査位置の色の明るさも低い。よって、処理不良判定ステップS5bにおいては、検査位置に照射した光の反射光の強度又は明度の相対値に基づいて、処理の良否を判定することができる。
ここで、反射光の強度の相対値は、溶接方向における最大値、又は、検査位置反射光取得ステップS5aにて光源41から照射した光の強度に対する反射光を取得した検査位置における反射光の強度の割合、とすればよい。
また、反射光の明度の相対値は、溶接方向に沿って取得した反射光の明度の最大値に対する反射光を取得した検査位置における反射光の明度の割合とすればよい。
もっとも、反射光の強度又は明度の相対値の基準は、上記のものに限らず、基準となる強度又は明度の値を適宜設定することができる。
また、反射光の強度又は明度の相対値と比較する所定値は、例えば、検査位置における溶接止端部9の処理をマイクロスコープ等により観察した結果と、当該検査位置における反射光の強度又は明度の相対値との関係に基づいて予め設定すればよい。
また、検査位置における溶接止端部9の処理が良好であったとしても、例えば、光源41から当該検査位置に照射した光が反射光検出器43の方向に反射しない場合や、当該検査位置にスラグ11が残ってしまい光沢面が十分に露出していない場合等には、検査位置反射光取得ステップS5aで取得した反射光の強度や明度が小さい値となり、これらの相対値が所定値以下となる。そのため、このような相対値に基づいて溶接止端部9の処理を検査した場合、たとえ処理が良好であっても、処理が不良であると誤判定されてしまう。
そこで、このような誤判定を避けるために、処理不良判定ステップS5bにおいては、反射光の強度又は明度の相対値が所定値以下であると検出された検査位置が溶接方向に沿って連続して所定の長さ以上となる場合には、溶接止端部9の処理が不良であると判定する。処理が不良であると判定する基準となる所定の長さは適宜設定すればよく、例えば、3mmに設定するとよい。
また、処理不良判定ステップS5bは、溶接止端部9の処理が不良と判定された溶接方向における範囲を取得してもよい。これにより、溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまでの全長に対してではなく、処理が不良と判定された範囲のみに対して溶接止端部9の検査又は処理(打撃)を再度行うことで、作業時間を短縮することが可能となる。
以上、本実施の形態6に係る溶接継手のピーニング方法によれば、溶接止端部9として打撃位置を特定して連続的に打撃し、連続的に打撃した打撃位置を検査位置として光を照射し、その反射光の強度又は明度に基づいて、溶接止端部9の処理の良否を判定するようにしたので、処理の良否の判定する際における溶接継手1の周囲の明るさの影響を受けずに、溶接止端部9の処理の良否を適切に判定できる。さらに、ロボットアーム21等による自動施工の際に、処理の良否の判定を効率的に行うとともに打ち直しを減らすことができ、生産性の向上が期待できる。
なお、本実施の形態6に係る溶接接手のピーニング方法は、実施の形態1に係る溶接止端部打撃位置特定工程S1及び溶接止端部打撃工程S3により、溶接止端部9における打撃位置の特定と溶接止端部9の打撃とを行うものであった。
もっとも、実施の形態6の他の態様として、実施の形態2~実施の形態5のいずれかに係る溶接止端部打撃位置特定工程及び溶接止端部打撃工程により溶接止端部9の処理を行った後、溶接止端部処理検査工程において溶接止端部9の処理を検査する態様でもよい。
このうち、実施の形態4に係る溶接止端部打撃位置特定工程S21及び溶接止端部打撃工程S23(図9参照)を備えた態様において、溶接止端部処理検査工程は、溶接ビード7の色差から打撃位置を特定し、溶接方向に沿って連続的に打撃した打撃位置を検査位置とする。
これに対して、実施の形態2に係る溶接止端部打撃位置特定工程S11及び溶接止端部打撃工程S13(図6参照)を備えた態様において、溶接止端部処理検査工程は、溶接ビード7の表面形状から特定して連続的に打撃した打撃位置と、溶接ビード7の色差から特定して連続的に打撃した打撃位置と、の双方を検査位置とする。
これにより、溶接ビード7の表面形状から特定した打撃位置と溶接ビード7の色差から特定した打撃位置のいずれか一方が溶接止端部9とは異なる位置であっても、溶接ビード7の開始端7aから終了端7bまで溶接方向に沿って溶接止端部9の打ち残しがないように連続的に打撃し、溶接止端部9の処理の良否を判定することができる。
また、実施の形態3に係る溶接止端部打撃位置特定工程S11及び溶接止端部打撃工程S15(図8参照)を備えた態様において、溶接止端部打撃工程は、溶接ビード7の表面形状から特定して連続的に打撃した打撃位置と、溶接ビード7の色差から特定した打撃位置のうち溶接ビード7の表面形状から特定した打撃位置と乖離している範囲に対して連続的に打撃した打撃位置と、の双方を検査位置とする。
さらに、実施の形態5に係る溶接止端部打撃位置特定工程S31及び溶接止端部打撃工程S33(図10参照)を備えた態様において、溶接止端部処理検査工程は、溶接ビード7の表面形状から特定して連続的に打撃した打撃位置と、溶接ビード7の色差から特定した打撃位置の中から形状から特定した打撃位置と乖離している範囲について連続的に打撃した打撃位置と、の双方を検査位置とする。
これら二つの態様においては、打撃した打撃位置及び検査位置は、前述した実施の形態6(図11)に比べて増加するが、打撃に要する時間と検査に要する時間とを抑制しつつ、打ち残しが無いように溶接止端部9を連続的に打撃し、打撃した処理の良否を効率的に行うことができる。
また、上記の説明において、溶接止端部処理検査工程は、検査位置における反射光の強度又は明度を取得するものであったが、反射光の輝度を取得するものであってもよい。そして、前述の反射光の強度又は明度と同様、取得した反射光の輝度の相対値を求め、該求めた相対値に基づいて溶接止端部9の処理の良否を判定することができる。
実施例1では、本発明に係る溶接継手のピーニング方法により溶接ビードの溶接止端部を打撃した場合の作用効果を確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
実験では、2枚の薄鋼板を重ね隅肉アーク溶接した溶接継手1(図2(b)参照)に対し、打撃ピン25(先端半径0.2mm)を用いて溶接方向に連続的に打撃するピーニング処理(繰り返し周波数100MHz)を行った。
まず、金属薄板3及び金属薄板5として幅70mm×長さ300mm×板厚2.9mmの2枚の鋼板を重ね隅肉アーク溶接し、溶接継手1を作製した。溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9の曲率半径は0.2mmであった。また、アーク溶接においては、溶接ワイヤとして780MPa級の高張力鋼ワイヤを用いた。なお、高張力鋼ワイヤは、Siの含有量が多く、溶接施工時に溶接ビード7にスラグ11が発生して溶接止端部9に溜まりやすいため、本発明を実施する上で好ましい。
次に、作製した溶接継手1に対し、図2(a)に示す構成の装置を用いてピーニング処理を行った。ここで、ピーニング処理を行うにあたり、まず、溶接ビード7の表面形状の測定及び/又は溶接ビード7の色差を取得し、溶接止端部9における打撃位置を特定した。
溶接ビード7の表面形状による打撃位置の特定においては、ロボットアーム21の先端部に取り付けた形状測定器27により、溶接方向に所定間隔5mmごとに、溶接方向に直交する方向における溶接ビード7の表面形状を測定した。ここで、形状測定器27にはレーザ変位計を用いた。
そして、該測定した表面形状において、金属薄板3(鋼板)の表面から垂直方向に50μm以上変化した点を溶接止端部9における打撃位置として特定した。さらに、表面形状による打撃位置の特定においては、溶接施工時に発生したスパッタの誤認識を防ぐために、打撃位置を特定する上記条件に加えて、溶接方向に直交する方向において金属薄板3(下側板)表面から表面形状が50μm以上変化した後に1mmにわたって平坦部が無いことも条件とした。
一方、溶接ビード7の色差による打撃位置の特定においては、まず、色差計29としてロボットアーム21の先端部21aに取り付けたマイクロスコープにより、溶接止端部9を含む溶接ビード7の所定範囲のRGBカラー画像を撮像した。溶接ビード7のRGBカラー画像は、溶接方向に5mm間隔ごとに、溶接ビード7の中心から溶接方向に直交する方向に5mmの範囲を撮像した。
次に、撮像したRGBカラー画像からスラグ11のR0G0B0値を取得し、当該R0G0B0値を基準カラー値として設定した。
同様に、撮像したRGBカラー画像から、溶接方向に直交する方向における各ピクセルのカラー値(RGB値)を取得した。
続いて、撮像したRGB画像から取得した各ピクセルのRGB値と予め設定した基準カラー値(R0G0B0値)を前述の式(1)に代入し、溶接方向に直交する方向における色差を取得した。ここで、色差を取得する間隔は0.1mmとした。そして、溶接方向に直交する方向において色差が最小となる位置を、溶接止端部9における打撃位置として特定した。
このように、溶接ビード7の表面形状及び色差による溶接止端部9における打撃位置の特定は、溶接方向の5mm間隔ごとに行った。
溶接止端部9における打撃位置を特定した後に、ロボットアーム21の先端部21aに設置した電動工具23により打撃ピン25を振動させて打撃位置を打撃しながら、溶接継手1の溶接方向に沿って移動させた。このとき、溶接方向の所定間隔(=5mm)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結んだ折れ線を打撃ピン25が打撃しながら走査することで、溶接方向に連続的に打撃した。
ピーニング処理をした後に、溶接継手1における打撃痕を光学顕微鏡で観察し、ピーニング処理の良否を判定した。本実験では、溶接止端部9への打撃率により判定した。
打撃率とは、溶接止端部9の溶接方向における開始端7aから終了端7bまでの長さに対して、ピーニング処理して溶接止端部9が打撃できた長さの割合を示す。
実験では、表面形状から特定した打撃位置のみを打撃したものを発明例1~発明例3、色差から特定した打撃位置のみを打撃したものを発明例4、表面形状から特定した打撃位置と色差から特定した打撃位置のそれぞれを打撃したものを発明例5、とした。
なお、発明例1~発明例3は、打撃位置として特定する金属薄板3の表面に垂直方向の所定位置を変更したものである。
表1に、発明例1~発明例5における打撃位置の特定方法とピーニング処理した後の打撃率を示す。
Figure 0007167972000002
表1より、発明例1~発明例3においては、金属薄板3の表面の垂直方向に50μmの位置を打撃位置として特定した発明例2における打撃率が80%であり、打撃位置を25μm及び100μmとした発明例1及び発明例3よりも良好な結果であった。
色差から打撃位置を特定した発明例4においては、打撃率が80%であり、発明例2と同等の良好な結果であった。
さらに、表面形状と色差により特定した打撃位置をそれぞれ打撃した発明例5においては、打撃率が100%であり、最も良好な結果であった。
実施例2では、本発明に係る溶接継手のピーニング方法により打撃した溶接止端部の処理の良否を検査した場合の作用効果を確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
実験では、2枚の薄鋼板を重ね隅肉アーク溶接した溶接継手1(図2(b)参照)に対し、振動させた打撃ピンを用いて溶接方向に連続的に打撃するピーニング処理を行い、当該ピーニング処理の良否を検査した。
まず、前述した実施例1と同様、金属薄板3及び金属薄板5として板厚2.9mmの2枚の鋼板を重ね隅肉アーク溶接し、溶接継手1を作製した。アーク溶接においては、高張力鋼ワイヤを用い、溶接継手1における溶接ビード7の溶接止端部9の曲率半径は0.3mmであった。
次に、作製した溶接継手1に対し、前述した実施例1と同様に、図2(a)に示す構成の装置を用いてピーニング処理を行った。
ピーニング処理を行うにあたり、まず、溶接ビード7の表面形状の測定と、溶接ビード7の色差の取得と、を行い、それぞれについて溶接止端部9における打撃位置を特定した。
溶接ビード7の表面形状による打撃位置の特定と、溶接ビード7の色差による打撃位置の特定は、前述した実施例1と同様に行った。
そして、溶接止端部9における打撃位置を特定した後、図2(a)に示す構成の装置を用い、ピーニング処理を行った。
ピーニング処理において、打撃ピン25のせん断半径は0.2mm、打撃ピン25による打撃の繰り返し周波数は100MHzとした。そして、溶接方向の所定間隔(=5mm)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って直線で結んだ折れ線上を打撃ピン25が打撃しながら走査することで、溶接方向に連続的に10mmあたり30点を打撃した。
続いて、溶接方向に沿って連続的に打撃した打撃位置を検査位置とし、図12に示す構成の装置を用い、検査位置における処理の良否を検査した。
検査においては、ロボットアーム21の先端部に取り付けた光源41により、溶接方向に沿って検査位置に照射し、その反射光の明度を取得した。ここで、連続的に打撃した打撃位置は、溶接方向の所定間隔(=5mm)ごとに特定した打撃位置を溶接方向に沿って結んだ折れ線上とした。
そして、溶接方向に沿って取得した反射光の明度の相対値が所定値(=0.7)以下となる検査位置を検出し、検出した検査位置が溶接方向に沿って所定長さ(3mm)以上連続する場合は、溶接止端部9の処理が不良であると判定した。
図15に、溶接ビード7の色差から特定した打撃位置を連続的に打撃した溶接ビード7の各検査位置について取得した反射光の明度の相対値を、さらに、図16に、溶接ビードの表面形状から特定した打撃位置を連続的に打撃した溶接ビード7の各検査位置について取得した反射光の明度の相対値を示す。
図15及び図16において、横軸は溶接ビード7の開始端7a(図2(a)参照)を基準とした溶接方向における位置(mm)、縦軸は各検査位置で取得した反射光の明度の相対値として、溶接方向における反射光の明度の最大値に対する各検査位置における反射光の明度の割合である。
図15及び図16より、溶接ビード7の色差から打撃位置を特定した場合、反射光の明度の相対値が0.7以下である検査位置がいくつか検出されている。
このうち、例えば溶接方向の位置が2mm付近では、反射光の明度の相対値が0.7以下の検査位置が検出された。しかしながら、該検出された検査位置は溶接方向に連続して3mm以上の長さではないので、溶接止端部9は不良であるとは判定されない。この他にも、反射光の明度の相対値が0.7以下の検査位置のうち、連続して3mm以上の長さではない場合は、溶接止端部9は不良であるとは判定されなかった。
これに対し、溶接方向の位置が15mm~20mm付近では、反射光の明度の相対値が0.7以下の検査位置が検出された。そして、当該検出された検査位置は、溶接方向に沿って3mm以上連続しているため、溶接止端部9の処理は不良であると判定される。
さらに、図15及び図16の結果より、溶接止端部9の処理が不良であると判定された検査位置に対し、顕微鏡により検査位置を観察した。その結果、スラグ11が破壊又は剥離していなかったので、当該検査位置において溶接止端部9は打撃されておらず、溶接止端部9の処理が不良であるとの判定が正しいことが確認された。
また、溶接止端部9の処理が不良であると判定されなかった検査位置についても顕微鏡により観察した。その結果、当該検査位置においてはスラグ11が破壊又は剥離して金属光沢が見られたことから、溶接止端部9のピーニング処理が不良であると判定されなかったことに問題がないことが確認された。
1 溶接継手
3、5 金属薄板
7 溶接ビード
7a 開始端
7b 終了端
9 本発明が対象とする溶接止端部
10 上側板表面の溶接止端部
11 スラグ
21 ロボットアーム
21a 先端部
23 電動工具
25 打撃ピン
27 形状測定器
29 色差計
31 溶接継手
33 母材(金属薄板)
35 溶接ビード(溶接金属)
37 溶接止端部
39 スラグ
41 光源
43 反射光検出器

Claims (5)

  1. 打撃ピンを用いて、2枚の金属薄板を溶接した溶接継手における溶接ビードの溶接止端部を溶接方向に沿って打撃する溶接継手のピーニング方法であって、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに前記溶接ビードの溶接止端部における打撃の基準となる位置である打撃位置を特定する溶接止端部打撃位置特定工程と、
    該特定した打撃位置に基づいて、前記溶接止端部を前記溶接方向に沿って連続的に打撃する溶接止端部打撃工程と、を備え、
    前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向における前記溶接ビードの表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとの前記取得した溶接ビードの表面形状において、金属薄板表面の垂直な方向の所定位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する表面形状打撃位置特定ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、を有し、
    前記溶接止端部打撃工程は、
    前記表面形状打撃位置特定ステップにおいて前記溶接方向の所定間隔ごとに特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する表面形状溶接止端部打撃ステップと、
    前記色差打撃位置特定ステップにおいて前記溶接方向の所定間隔ごとに特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する色差溶接止端部打撃ステップと、を有することを特徴とする溶接継手のピーニング方法。
  2. 打撃ピンを用いて、2枚の金属薄板を溶接した溶接継手における溶接ビードの溶接止端部を溶接方向に沿って打撃する溶接継手のピーニング方法であって、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに前記溶接ビードの溶接止端部における打撃の基準となる位置である打撃位置を特定する溶接止端部打撃位置特定工程と、
    該特定した打撃位置に基づいて、前記溶接止端部を前記溶接方向に沿って連続的に打撃する溶接止端部打撃工程と、を備え、
    前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向における前記溶接ビードの表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとの前記取得した溶接ビードの表面形状において、金属薄板表面の垂直な方向の所定位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する表面形状打撃位置特定ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、を有し、
    前記溶接止端部打撃工程は、
    前記表面形状打撃位置特定ステップにおいて前記溶接方向の所定間隔ごとに特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する表面形状溶接止端部打撃ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置が前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定された前記溶接方向における範囲については、前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する乖離範囲色差溶接止端部打撃ステップと、を有することを特徴とする溶接継手のピーニング方法。
  3. 打撃ピンを用いて、2枚の金属薄板を溶接した溶接ビードの溶接止端部を溶接方向に沿って打撃する溶接継手のピーニング方法であって、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードの溶接止端部における打撃の基準となる位置である打撃位置を特定する溶接止端部打撃位置特定工程と、
    該特定した打撃位置に基づいて、前記溶接止端部を前記溶接方向に沿って連続的に打撃する溶接止端部打撃工程と、を備え、
    前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードを含む溶接部表面のカラー値と予め設定した基準カラー値との色差を前記溶接方向に交差する方向に沿って取得する色差取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接方向に交差する方向において前記取得した色差が最小となる位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する色差打撃位置特定ステップと、を有し、
    前記溶接止端部打撃工程は、
    前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する色差溶接止端部打撃ステップを有することを特徴とする溶接継手のピーニング方法。
  4. 前記溶接止端部打撃位置特定工程は、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記溶接ビードの平面視において前記溶接方向に交差する方向における前記溶接ビードの表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
    前記溶接方向の所定間隔ごとの前記取得した溶接ビードの表面形状において、金属薄板表面の垂直な方向の所定位置を前記溶接止端部における打撃位置として特定する表面形状打撃位置特定ステップと、をさらに有し、
    前記溶接止端部打撃工程は、
    前記色差溶接止端部打撃ステップに加えて、
    前記溶接方向の所定間隔ごとに、前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置が前記色差打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置と所定の打撃範囲を超えて乖離しているかどうかを判定し、乖離していると判定された前記溶接方向における範囲については、前記表面形状打撃位置特定ステップで特定した前記打撃位置を前記溶接方向に沿って結ぶように連続的に打撃する乖離範囲表面形状溶接止端部打撃ステップをさらに有することを特徴とする請求項記載の溶接継手のピーニング方法。
  5. 前記溶接止端部打撃工程において前記溶接止端部を連続的に打撃した後、該連続的に打撃した打撃位置を検査位置とし、前記打撃した前記溶接止端部の処理の良否を検査する溶接止端部処理検査工程をさらに備え、
    該溶接止端部処理検査工程は、
    前記検査位置に光を照射し、その反射光の強度又は明度を取得する検査位置反射光取得ステップと、
    該取得した反射光の強度又は明度の相対値が予め設定した所定値以下となる前記溶接方向における検査位置を検出し、該検出した検査位置が前記溶接方向に沿って所定の長さ以上に連続する場合、前記溶接止端部の処理が不良であると判定する処理不良判定ステップと、を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の溶接継手のピーニング方法。
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