JP7365095B2 - 既設橋梁の溶接部の疲労寿命向上及びき裂補修のための方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年度土木学会全国大会第73回年次学術講演会講演概要集 発行日:平成30年8月1日 発行所:公益社団法人 土木学会[刊行物等] 平成30年度土木学会全国大会第73回年次学術講演会 開催日:平成30年8月31日
本願は、溶接部、より具体的には、既設橋梁の溶接部の疲労寿命向上及びき裂補修のための方法に関する。
従来、金属材の疲労寿命を向上させるための様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1は、超音波衝撃処理によって様々な金属材(例えば、橋梁の橋桁などの大型構造物の溶接部、自動車の溶接製品、さらには、自動車の非溶接金属材 等)の疲労寿命を向上させるための方法を開示している。この方法では、まず、き裂検査において、対象箇所にき裂が在るか否かが判定される。き裂が検出されない場合には、対象箇所に超音波衝撃処理が実施される。また、き裂が検出された場合には、き裂を補修した後に、対象箇所に超音波衝撃処理が実施される。具体的には、まず、グラインダー又はガウジングによってき裂が除去され、その後、対象箇所に超音波衝撃処理が実施される。このような従来の手法では、溶接部止端部への圧縮残留応力の付与によって疲労き裂の発生を遅延させて寿命を向上させることができるが、既に発生していたき裂についてはその進展を抑制できるか判明していなかった。
特開2003-113418号公報
一般的に、橋梁は様々な溶接部を含んでおり、かつ、様々な荷重に曝される。溶接部には応力が集中する場合があり、したがって、既設橋梁では、疲労によるき裂が多数の溶接部に発生する可能性がある。したがって、既設橋梁を長く使用するためには、このような溶接部に生じたき裂を補修しなければならない。しかしながら、既存のき裂補修方法(例えば、上記のようなグラインダー又はガウジングによるき裂の除去)は、長時間を要する(例えば、1箇所あたり数時間)。したがって、既設橋梁を長く使用するためには、溶接部の疲労寿命を向上させるだけでなく、溶接部に生じたき裂を効率よく補修することができる方法が望まれている。
橋梁にかかる荷重は、例えばクレーンランウェイガーダー(CRG)等のさらに厳しい環境下で使用される構造体にかかる荷重(例えば、約150MPa)に比べれば、一般的に小さい。本発明者は、この程度の繰り返し荷重の下では、溶接部のき裂が所定の範囲内であれば、き裂を含む溶接部にピーニング処理を実施し、これによってき裂の開口を閉じることによって、き裂のさらなる進展を防止することができ、実質的にき裂を補修することができることを見出した。
したがって、本開示の一態様は、溶接部の疲労寿命向上及びき裂補修のための方法であって、溶接部は、既設橋梁に設けられており、当該方法は、溶接部にき裂が在るか否かを判定することと、溶接部にき裂が無い場合に、溶接部にピーニング処理を実施することと、溶接部にき裂が在る場合に、き裂が所定の基準の範囲内であるか否かを判定することと、き裂が所定の基準の範囲内である場合に、き裂を含む溶接部にピーニング処理を実施することと、ピーニング処理後に、ピーニング処理によって形成された圧痕の形状が所定の基準を満たしているか否かを判定すること、を含む、方法である。
本開示の一態様の方法によれば、溶接部にき裂が無い場合には、溶接部にピーニング処理が実施される。これによって、溶接部に応力が集中しないよう形状が改善され、かつ、引張残留応力が除去され圧縮残留応力が加えられる(一般的に、引張残留応力は疲労寿命を低下させ、圧縮残留応力は疲労寿命の向上に寄与する)。したがって、溶接部の疲労寿命を向上することができる。また、溶接部にき裂が在る場合にも、き裂が所定の基準の範囲内であれば、溶接部に同様なピーニング処理が実施され、これによってき裂の開口が閉じられる。したがって、き裂のさらなる進展を大幅に抑制または防止することができ、実質的にき裂を補修することができる。ピーニング処理は、既存の補修方法(例えば、グラインダー又はガウジングによるき裂の除去)に要される時間(例えば、1箇所あたり数時間)に比して、より短い時間を必要とする(例えば、1箇所あたり数分、十数分、又は、数十分)。よって、溶接部の疲労寿命を向上させ、かつ、溶接部に在るき裂を効率よく補修することができる。
例えば、溶接部は、既設橋梁の主板に設けられていてもよく、所定の基準は、き裂が止端内に在り主板の母材まで進展していないことであってもよい。本発明者は、いくつかの橋梁の主板の溶接部では、き裂が母材まで進展しない程度の大きさを有している場合には、溶接部にピーニング処理を実施することによって、き裂のさらなる進展を防止することができることを見出した。また、き裂が止端内に在り主板の母材まで進展していないという基準は、特定の機器を使用すること無しに、作業者の目視によってき裂の大きさを容易に判断することを可能にする。したがって、上記の態様に係る方法によれば、き裂を効率よく補修することができる。
本開示の一態様に係る方法は、ピーニング処理が実施された溶接部を、母材よりも柔らかい研磨材を用いて研磨すること、を更に含んでもよい。一般的に、溶接部には、防錆等の目的のためにコーティングが塗布され、コーティングが塗布される前には、酸化被膜及び汚れを除去するために、溶接部は研磨される。ところが、ピーニング処理が実施された溶接部を過剰に研磨すると、ピーニング処理によって圧縮残留応力が付与された部分も除去されてしまい、意図されている疲労寿命が得られない可能性がある。本態様に係る方法では、母材よりも柔らかい研磨材を用いることによって、圧縮残留応力が付与された母材部分を除去することなく、酸化被膜及び汚れのみを除去することができる。したがって、ピーニング処理が実施された後に、溶接部を研磨することができる。また、コーティングは、数年又は数十年に一度、塗り直される必要があり、併せて研磨も必要となる。本態様に係る方法では、酸化被膜及び汚れのみを除去することができるため、コーティングの塗り直し及びそれに伴う研磨の度に、ピーニング処理を繰り返し実施する必要はない。したがって、コーティングの塗り直しの際のコストを低減することができる。
例えば、溶接部は、まわし溶接部であってもよい。いくつかのまわし溶接部では、き裂は止端内から発生し、次いで母材に進展する場合がある。この場合、所定の基準は、例えば、上記のように、き裂が止端内に在り主板の母材まで進展していないこととなり得る。したがって、作業者の目視によってき裂の大きさを容易に判断することを可能にし、き裂を効率よく補修することができる。なお、まわし溶接部は、主桁面外ガセット、主桁の縦リブや横リブ、鋼床版鉛直リブ上端部、鋼床版縦横リブ交差部などの端部に存在する。
ピーニング処理が、超音波衝撃処理であってもよく、超音波衝撃処理では、単一のピンを使用してもよい。この場合、単一のピンで対象表面を集中的に打撃することができるので、対象表面をより深く圧縮することができる。
本開示の一態様によれば、既設橋梁の溶接部の疲労寿命を向上させ、かつ、溶接部に在るき裂を効率よく補修することができる。
実施形態に係る方法が適用される橋梁の一部を示す概略的な斜視図である。 図1中のA部を示す概略的な拡大図である。 図3(a)は止端内に在るき裂の例を示す。図3(b)は母材まで進展したき裂の例を示す。 UIT装置を示す概略図である。 実施形態に係る方法を示すフローチャートである。 UITにより形成される打痕を示す概略的な断面図である。 図7(a)は、疲労試験に使用した試験体の上面図を示す。図7(b)は、疲労試験に使用した試験体の側面図を示す。図7(c)は、疲労試験に使用した試験体の正面図を示す。 PC試験体の疲労寿命/JSSC-F等級の試験体の疲労寿命を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る方法を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
図1は、実施形態に係る方法が適用される橋梁100の一部を示す概略的な斜視図である。橋梁100は、既設橋梁の一例を示しており、例えば、橋梁100の長手方向に延在する主桁10と、主桁10に対して直角に延在する横桁20と、主桁10同士を連結する横構30と、主桁10同士を連結する対傾構40と、を備える。橋梁100は、その他の不図示の構成要素(例えば、橋台及び橋脚等)を備えることができる。
一般的に、橋梁は様々な溶接部を含んでおり、かつ、様々な荷重に曝される。一般的に、溶接部には応力が集中する場合があり、したがって、既設橋梁では、疲労によるき裂が多数の溶接部に発生する可能性がある。個々の溶接部に発生するき裂の位置及び形状は、その溶接部の位置等の要因に応じて概ね決まる。本開示は、橋梁100の主板の溶接部に関するものである。主板とは、設計で使う荷重を伝達する主たる部材のことで、例えば、主桁10、主桁フランジ、ウエブ、横桁フランジ、横桁ウエブ、鋼床版デッキプレート、鋼床版縦リブ(Uリブ含む)、鋼床版横リブが主要なものとして挙げられる。ただし、疲労照査の状況によっては、対傾構、横桁などを連結するためのガセットそのものが主板として取り扱われる場合もある。本開示では、一例として、主桁10の溶接部について説明する。以下、一例として、橋梁100の主桁10と面外ガセット(詳しくは後述)との間の溶接部に発生するき裂について説明する。
図2は、図1中のA部を示す概略的な拡大図である。主桁10及び横構30、並びに、主桁10及び対傾構40は、それぞれ、面外ガセット50によって連結されている。面外ガセット50は、溶接によって主桁10に固定されている。面外ガセット50は、略板状であり、主桁10から略垂直にかつ橋梁100の長手方向に平行に延在するように配置されている。横構30及び対傾構40は、面外ガセット50に溶接、ボルト又はリベット等によって固定されている。
面外ガセット50には、様々な繰り返し荷重がかかる。例えば、日本の首都高速道路の橋梁であれば、概ね、約65MPa以下の繰り返し荷重を受ける。面外ガセット50と主桁10との間の溶接部には、このような繰り返し荷重に起因するき裂が発生する。
図3は、面外ガセット50と主桁10との間の溶接部60に発生するき裂の例を示し、(a)は止端63内に在るき裂Cの例を示し、(b)は主桁10の母材まで進展したき裂Cの例を示す。図3(a)に示されるように、溶接部60は、ビード61及びその近傍の領域(ビード61の近傍の主桁10及び面外ガセット50の部分)を含む。溶接部60は、ビード61と面外ガセット50との間に止端62を含み、ビード61と主桁10との間に止端63を含む。溶接部60では、典型的には、ビード61と主桁10との間の止端63において、板状の面外ガセット50の端部51に沿ってき裂Cが発生することがわかっている。このようなき裂Cを放置しておくと、き裂Cを起点にして溶接部60が破損する可能性がある。したがって、橋梁100を長く使用するためには、このようなき裂Cを補修しなければならない。
本発明者は、鋭意研究の結果、き裂が所定の基準の範囲内であれば、き裂を含む溶接部にピーニング処理を実施し、これによってき裂の開口を閉じることによって、き裂のさらなる進展を大幅に抑制または防止することができ、実質的にき裂を補修することができることを見出した。具体的には、「所定の基準」は、個々の溶接部の位置及び材料等の要因に応じて変わる可能性があるものの、例えば、「き裂の深さ」、「き裂の長さ」、又は、「き裂の幅」等であり得る。また、上記のように、個々の溶接部に発生するき裂の形状(例えば、き裂の深さと長さとの関係)は、その溶接部の位置等の要因に応じて概ね決まるので、例えば、き裂の長さを測定することで、き裂の深さを推定することができる。したがって、き裂の長さに基づいて、き裂の深さが所定値以下であるか否かを判定することもできる。
例えば、本発明者は、日本の首都高速道路のいくつかの橋梁に含まれる面外ガセット50と主桁10との間の溶接部60(主桁10の材料:JIS G 3106 SM570Q、面外ガセット50の材料:JIS G3101 SS400、面外ガセット50の厚さ:約9mm程度)では、図3(b)に示されるように、き裂Cが、主桁10の母材に若干進展した長さを有する場合であれば(このときのき裂Cの深さ:約3.8mm)、ピーニング処理を実施することによって、き裂Cを実質的に補修することができることを見出した(詳しくは後述)。言い換えると、図3(a)に示されるように、き裂Cが止端62内に収まる長さを有していれば、確実に、ピーニング処理を実施することによってき裂Cを補修することができる。
ピーニング処理は、例えば、超音波衝撃処理(Ultrasonic Impact Treatment)(以下、UITとも称され得る)であることができる。UITとは、超音波(例えば、27~55kHz)を機械的な打撃振動に変更することによって、対象表面を叩くための方法である。UITには、例えば、超音波ハンマリング衝撃装置(以下、UIT装置とも称され得る)が使用可能である。
図4は、UIT装置200を示す概略図である。UIT装置200は、例えば、本体210と、冷却ユニット220と、電源制御装置230と、を備えている。本体210は、作業者が持ち運びできるようなサイズを有しており、超音波発振部211と、ウェイブガイド212と、ピンホルダ213と、を有している。超音波発振部211で発生した超音波が、ウェイブガイド212のスプリング214によって機械的振動に変換され、ピンホルダ213に伝達される。ピンホルダ213は、複数(図4では3本)のピンPを打撃方向(ピンPの長手方向)に移動可能に(スライド可能に)保持している。したがって、ピンPは、ピンホルダ213と対象表面との間で繰り返しはね返る。このようなピンPの動作によって、対象表面が打撃される。ピンPの数は、用途に応じて変更可能である。また、ピンホルダ213及びピンPの形状も、用途に応じて変更可能であってもよい。冷却ユニット220は、超音波発振部211を冷却するように構成されており、電源制御装置230は、超音波発振部211に電力を供給しかつ超音波発振部211を制御するように構成されている。
本開示に係る方法では、ピーニング処理後の表面の品質は、ピーニング処理によって形成される打痕の形状、とりわけ深さに基づいて判定されるため(詳しくは後述)、ピーニング処理は、対象表面をできるだけ深く圧縮するような態様で実施されてもよい。例えば、1本のピンPのみをピンホルダ213にセットしてもよく、対象表面を1本のピンPで集中的に打撃してもよい。この場合、圧縮力を対象表面の特定の箇所に集中させることができるため、対象表面をできるだけ深く圧縮することができる。ピーニング処理後の表面の品質は、深さ以外の打痕の他の形状(例えば、溝幅)に基づいて判定されてもよい。
続いて、実施形態に係る方法について説明する。
図5は、実施形態に係る方法を示すフローチャートである。本開示では、上記の面外ガセット50と主桁10との間の溶接部60に関連して、実施形態に係る方法について説明する。
まず、溶接部60にき裂が在るか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、き裂の検出方法は、例えば、作業者の目視であってもよい。また、検出方法は、例えば、磁粉探傷検査(MT)又は浸透探傷検査(PT)であってもよい。MTの場合、例えば、約2mm以上の長さを有するき裂を検出することができる。PTの場合、例えば、約3mm以上の長さを有するき裂を検出することができる。MTやPTを実施する場合には、溶接部およびその近傍についてコーティングを予め除去することが一般的である。なお、既存橋梁の溶接部には、目視、MT又はPTでは検出不可能な多くの微小なき裂が既に存在し得るが、本開示における「き裂」とは、選択された検出方法(例えば、目視、MT又はPT)によって検出可能な大きさを有するき裂のことを意味し、選択された検出方法によって検出不可能な大きさを有するごく微小なき裂は、含まれないことに留意されたい。また、既存橋梁の溶接部は、一般的に、防錆等の目的でコーティングされているが、そのコーティングの下の溶接部から疲労き裂が発生している場合は、そのコーティングに割れが生じている場合が非常に多い。そのため、既に発生した疲労き裂を調査するための一次スクリーニングの方式として、コーティングの割れを探すことが一般的な方法である。逆に言えば、コーティングに割れがなく、健全な状態である場合は、その下にある溶接部にも疲労き裂が発生していない可能性が高いということを判断することができる。そのため、場合によってはき裂検査のためにコーティングを除去することなく、直接にピーニングを実施することもできる。
ステップS100において、溶接部60にき裂が在ると判定された場合、き裂が所定の基準の範囲内であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、図3(a)(b)を参照して、本実施形態においては、き裂Cが止端63内に収まっているか否か(き裂Cが主桁10の母材に進展していないか否か)が判定される。き裂Cが止端63内に収まっている場合(図3(a))、き裂Cは所定の基準の範囲内であると判定される。対照的に、き裂Cが止端63内に収まっておらず主桁10の母材まで進展している場合(図3(b))、き裂Cは所定の基準の範囲内ではないと判定される。このような判定は、例えば、作業者の目視によって実施されることができる。
図5を参照して、ステップS102において、き裂が所定の基準の範囲内であると判定された場合、き裂を含む溶接部60にピーニング処理を実施し、き裂の開口を閉じる(ステップS104)。図3(a)を参照して、本実施形態においては、ビード61及び主桁10の間の止端63を圧縮するようにUITを実施する。UITは、溶接部60の全体に実施されなくてもよく、例えば、実際に発生したき裂C及びき裂Cが発生すると予想される箇所、並びに、それらの近傍(例えば、面外ガセット50の端部51周りの止端63)のみに実施されてもよい。通常は、その端部51およびそこから30mm程度または面外ガセット50の板厚の2倍程度をその処理範囲としてよい。
図6は、UITにより形成される打痕dmを示す概略的な断面図である。UITは、例えば、対象表面をできるだけ深く圧縮するように、対象表面(例えば、主桁10の表面)に対してUIT装置のピンPを所定の角度に維持して(図6において左右に揺動させること無しに)、止端63に沿って実施されてもよい。また、UITでは、対象表面をできるだけ深く圧縮するように、上記のように、単一のピンPを使用してもよい。き裂Cが在る場合には、ピンPがき裂Cを直接圧縮するように、UITを実施する。
図5を参照して、ステップS100において、溶接部60にき裂が無いと判定された場合、ステップS102を実施すること無しに、ステップS104のピーニング処理に直接的に進む。
ステップS102において、き裂が所定の基準の範囲外であると判定された場合、実施形態に係る方法の適用外と判断し(ステップS106)、一連の作業は終了する。
ステップS104のピーニング処理の後に、ピーニング処理によって形成された打痕の深さが、所定値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。具体的には、図6を参照して、ピーニング処理によって、ビード61と主桁10との境界に打痕dmが形成される。打痕dmの深さdpは、様々な方法によって測定されることができる。例えば、深さdpは、溶接のアンダーカット測定用のゲージ、又は、レーザ測長器によって測定されてもよい。いくつかの溶接部60(主桁10の材料:JIS G 3106 SM570Q、面外ガセット50の材料:JIS G3101 SS400、面外ガセット50の厚さ:約9mm程度)では、「所定値」は、例えば約0.2mmであることができる(詳しくは後述)。なお、上記のように、既存橋梁では溶接部は一般的に塗装されているが、ピーニング処理によってコーティングは通常は剥がされるため、深さdpの測定にコーティングの厚さは影響しない。したがって、ステップS108の前に、コーティングを除去するために対象表面を研磨しなくてもよい。また、必要な場合には、深さdpをより正確に測定するために、ステップS108は、後述するステップS110と同様な研磨によってコーティングを除去した後に実施されてもよい。この場合にも、例えば塗装のタイミング等の様々な要因に応じて、ステップS110の研磨をステップS108の後に追加的に実施してもよい。
また、溶接部の近傍は腐食しやすいため、塗膜のみを除去してもその下の鋼材が腐食や不陸などを生じている場合がある。このため、通常の溶接ゲージのような道具の設置部(例えば、直線又は平面)は、溶接部の近傍の面に密着することができず、打痕の深さを計測することが困難な場合がある。この場合、例えば、より小さな設置部(例えば、細い設置足)を有するマイクロメーター等の測定装置を使用してもよい。この場合、設置部の面積が小さいため、不陸の影響を受けにくく、打痕dmの深さdpを正確に容易に計測することができる。また、同じ位置を基準にして、打痕dmの底部の測定値と、打痕dmの近傍の面の測定値と、を得て、これらの差を算出することによって、打痕dmの深さdpをより正確に計測することができる。
図5を参照して、ステップS108において、打痕の深さが所定値以上であると判定された場合、塗装の素地調整のために、ピーニング処理が実施された領域及びその近傍を研磨する(ケレンとも称される)(ステップS110)。研磨には、対象表面の母材(本実施形態では、主桁10の母材)よりも柔らかい研磨材を用いる。このような研磨材は、例えば、ワイヤーブラシ(例えば、ステンレス製)、又は、砥石(例えば、粒度60番のセラミックス製)であってもよい。研磨材は、例えば、25000rpm程度で回転されることができる。
ステップS108において、打痕の深さが所定値以上ではないと判定された場合、打痕の深さが所定値以上となるまでステップS104、S108を繰り返す。
続いて、素地調整された領域に、必要なコーティングを塗布し(ステップS112)、一連の作業は終了する。
さらに、数年後、数十年後、又は、必要と判断された時に、コーティングは塗り直されてもよい。この場合、図5に示されるように、上記のステップS110及びS112を実施してもよい。上記のように、ステップS110では、主桁10の母材よりも柔らかい研磨材を用いるため、圧縮残留応力が付与された母材部分を除去することなく、酸化被膜及び汚れのみを除去することができる。したがって、コーティングの塗り直しの際には、ピーニング処理を再度実施する必要はない。
以上、実施形態に係る方法によれば、溶接部60にき裂が無い場合(ステップS100において「NO」の場合)には、溶接部60にピーニング処理が実施される。これによって、溶接部60に応力が集中しないよう形状が改善され、かつ、引張残留応力が除去され圧縮残留応力が加えられる。したがって、溶接部60の疲労寿命を向上することができる。また、溶接部60にき裂が在る場合(ステップS100において「YES」の場合)にも、き裂が所定の基準の範囲内であれば(ステップS102において「YES」の場合)、溶接部60に同様なピーニング処理が実施され、これによってき裂Cの開口が閉じられる。したがって、き裂Cのさらなる進展を防止することができ、実質的にき裂を補修することができる。ピーニング処理は、既存の補修方法(例えば、グラインダー又はガウジングによるき裂の除去)に要される時間に比して、より短い時間を必要とする。よって、実施形態に係る方法によれば、溶接部60の疲労寿命を向上させ、かつ、溶接部60に在るき裂Cを効率よく補修することができる。
また、実施形態に係る方法では、溶接部60は、橋梁100の主板、具体的には、主桁10と面外ガセット50との間に設けられており、所定の基準は、き裂Cが止端63内に在り主桁10の母材まで進展していないことである。き裂Cが止端63内に在り主桁10の母材まで進展していないという基準は、特定の機器を使用すること無しに、作業者の目視によってき裂Cの大きさを容易に判断することを可能にする。したがって、実施形態に係る方法によれば、き裂Cを効率よく補修することができる。
また、実施形態に係る方法は、ピーニング処理が実施された溶接部60を、主桁10の母材よりも柔らかい研磨材を用いて研磨することを更に含む(ステップS110)。一般的に、溶接部には、防錆等の目的のためにコーティングが塗布され、コーティングが塗布される前には、酸化被膜及び汚れを除去するために、溶接部は研磨される。ところが、ピーニング処理が実施された溶接部を過剰に研磨すると、ピーニング処理によって圧縮残留応力が付与された部分も除去されてしまい、意図されている疲労寿命が得られない可能性がある。したがって、例えば特許文献1では、溶接部に関する全ての他のプロセスを完了した後に、最後にピーニング処理を行うことが提案されている。このような問題に対して、本発明者は、母材よりも柔らかい研磨材を用いることによって、圧縮残留応力が付与された母材部分を除去することなく、酸化被膜及び汚れのみを除去することができることを見出した。したがって、実施形態に係る方法によれば、ピーニング処理が実施された後に、溶接部60を研磨することができる。このことは、コーティングの塗り直しの際にも有益である。具体的には、コーティングは、数年又は数十年に一度、塗り直される必要があり、併せて研磨も必要となる。実施形態に係る方法によってピーニング処理が実施された溶接部60は、さらに数十年使用されることが意図される可能性があるため、残寿命の間に、複数回のコーティングの塗り直し及びそれに伴う研磨を必要とする可能性がある。特許文献1の方法では、全ての他のプロセスを完了した後に最後にピーニング処理を行う必要があるため、コーティングの塗り直し及びそれに伴う研磨の度に、ピーニング処理を実施する必要がある。しかしながら、実施形態に係る方法によれば、圧縮残留応力が付与された母材部分を除去することなく、酸化被膜及び汚れのみを除去することができるため、コーティングの塗り直し及びそれに伴う研磨の際には、ピーニング処理を実施する必要はない。したがって、コーティングの塗り直しの際の橋梁オーナーのコスト負担を低減することができる。
また、実施形態に係る方法では、溶接部60は、まわし溶接部である。このような溶接部60では、き裂Cは止端63内から発生し、次いで母材に進展する場合がある。したがって、所定の基準は、き裂Cが止端63内に在り主桁10の母材まで進展していないこととなり得る。したがって、作業者の目視によってき裂Cの大きさを容易に判断することを可能にし、き裂Cを効率よく補修することができる。なお、まわし溶接部は、主桁面外ガセット、主桁の縦リブや横リブ、鋼床版鉛直リブ上端部、鋼床版縦横リブ交差部などの端部に存在する。
また、実施形態に係る方法では、ピーニング処理が、UITであり、UITでは、単一のピンPを使用する。したがって、単一のピンPで対象表面を集中的に打撃することができ、対象表面をより深く圧縮することができる。
既設橋梁の溶接部の疲労寿命向上及びき裂補修のための方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解するだろう。また、当業者であれば、上記の方法は、上記の順番で実施される必要はなく、矛盾が生じない限り、他の順番で実施可能であることを理解するだろう。
例えば、上記の実施形態では、本開示に係る方法が実施される既設橋梁の溶接部として、主桁10と面外ガセット50との間の溶接部60について説明されている。しかしながら、溶接部は、上記の溶接部60に限定されず、本開示に係る方法は、既設橋梁の他の溶接部に対して実施されてもよい。例えば、本開示に係る方法は、橋梁の鋼床版と垂直スティフナとの間の溶接部に対して実施されてもよい。鈑桁の鉛直スティフナ上端部、ウエブギャップ板近傍、鋼床版縦横リブ交差部、なども同じような形状の溶接部であり、同様に実施されてもよい。
また、例えば、上記の実施形態では、ピーニング処理は、UITである。しかしながら、他の実施形態では、他の方法が用いられてもよい。例えば、ピーニング処理は、可搬形エアー式ニードルピーニング装置(Portable Pneumatic needle-Peening)を用いて、実施されてもよい(いわゆる、PPP処理)。当該処理は、圧縮エアーを動力源として使用し、圧縮エアーで駆動されたピストンのエネルギを、工具の先端に保持されたニードルに対して伝達する。ニードルが対象表面に対して連続的に衝突されることにより、対象表面がピーニング処理される。同様に、エアー式、モーター式などのニードルピーニング、ハンマーピーニングを用いて実施してもよい。
本開示に係る方法が溶接部に与える影響を調べるために、疲労試験を実施した。
図7(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、疲労試験に使用した試験体TPの上面図、側面図及び正面図を示す。図7に示されるような既存橋梁の溶接部を模した試験体TPを複数準備した。主桁10は、JIS G 3106 SM570Qで形成され、面外ガセット50は、JIS G3101 SS400で形成された。
試験体TPに予備的な疲労試験を行うことによって、溶接部60にき裂(以下、予き裂と称する)を発生させた。これら予き裂を有する試験体TPを、PC(Pre-cracked)試験体と称する。予き裂は、図3(a)及び(b)に示されるき裂Cと同様に発生した。一部のPC試験体には、止端内の予き裂が発生し、残りのPC試験体には、主桁10の母材まで進展した予き裂が発生した。
全てのPC試験体について、上記の方法(図5のステップS104)と同様にして、溶接部60にUITを実施した。また、全てのPC試験体について、上記の方法(図5のステップS108)と同様にして、UITにより形成された打痕の深さを測定した。一部のPC試験体には、深さ0.2mm以上の打痕が形成され、残りのPC試験体には、深さ0.2mm未満の打痕が形成された。
PC試験体を用いて、応力範囲50MPa、65MPa、80MPa、100MPa、及び、120MPaで疲労試験を実施した。いずれの試験においても、繰り返し荷重が106回以上加えられた。いくつかのPC試験体は、加えられた回数の繰り返し荷重のもとでは、破断しなかった。各PC試験体の疲労寿命(試験体が破断したときの繰り返し数)を、同じ応力範囲で疲労試験が実施されたJSSC-F等級の同様な試験体の疲労寿命で除することによって、UITによる疲労寿命の向上を調べた。結果を図8に示す。
図8は、PC試験体の疲労寿命/JSSC-F等級の試験体の疲労寿命を示すグラフである。図8において、縦軸は、PC試験体の疲労寿命(Fatigue life after UIT)/JSSC-F等級の試験体の疲労寿命(Fatigue life of JSSC-F)を示し、横軸は、マイクロスコープの観察によって測定された各PC試験体の予き裂の深さ(Pre crack depth)を示す。図8は、Fatigue life after UIT/Fatigue life of JSSC-Fが1より大きい場合、疲労寿命がJSSC-F等級の試験体の疲労寿命よりも向上されていることを示す。なお、上向きの矢印が付された結果は、加えられた回数の繰り返し荷重のもとではPC試験体が破断しなかった事を示し、これらの結果のFatigue life after UIT/Fatigue life of JSSC-Fは、実際にPC試験体に加えた繰り返し荷重の回数を、JSSC-F等級の試験体の疲労寿命で除した値を示すことに留意されたい。
図8に示されるように、予き裂が3.8mm以上であると、予き裂は母材に進展していることがわかる(黒三角及び白三角で示される結果を参照)。また、止端内の予き裂を有するPC試験体(黒丸及び白丸で示される結果を参照)は、UITによって疲労寿命がJSSC-F等級の試験体の疲労寿命よりも向上される一方で、母材まで進展した予き裂を有するいくつかのPC試験体(Fatigue life after UIT/Fatigue life of JSSC-Fが1よりも小さい矢印が付されていない2つ黒三角で示される結果を参照)は、UITを実施しても、疲労寿命がJSSC-F等級の試験体の疲労寿命までは向上されていないことがわかる。また、止端内の予き裂を有するPC試験体のうち、0.2mm以上の深さの打痕(処理深さ0.2mm以上)を有するPC試験体(黒丸で示される結果を参照)は、疲労寿命がJSSC-F等級の試験体の疲労寿命の5倍以上向上されていることがわかる。したがって、き裂が止端内に在り、かつ、UITによって0.2mm以上の深さを有する打痕が形成されれば、UITによってき裂を実質的に補修しかつ疲労寿命を十分に向上することができることがわかる。
10 主桁
50 面外ガセット
60 溶接部
63 止端
100 橋梁
C き裂
dm 打痕
dp 打痕の深さ

Claims (4)

  1. 溶接部の疲労寿命向上及びき裂補修のための方法であって、
    前記溶接部は、既設橋梁の主板に設けられており、
    当該方法は、
    前記溶接部にき裂が在るか否かを判定することと、
    前記溶接部にき裂が無い場合に、前記溶接部にピーニング処理を実施することと、
    前記溶接部にき裂が在る場合に、前記き裂が止端内に在り前記主板の母材まで進展しているか否かを判定することと、
    前記き裂が止端内に在り前記主板の母材まで進展していない場合に、前記き裂を含む前記溶接部にピーニング処理を実施することと、
    ピーニング処理後に、処理によって形成された打痕の深さが0.2mm以上か否かを判定すること、
    打痕の深さが0.2mm以上ではないと判定された場合、打痕の深さが0.2mm以上となるまでピーニング処理を繰り返すこと、
    を含む、方法。
  2. 前記ピーニング処理が実施された前記溶接部を、母材よりも柔らかい研磨材を用いて研磨すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶接部が、まわし溶接部である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ピーニング処理が、超音波衝撃処理であり、前記超音波衝撃処理では、単一のピンを使用する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
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