JP7288197B2 - 溶接構造体 - Google Patents
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Description
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs1(mm)、および前記第2表面側に形成された第2溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs2(mm)が下記(iii)および(iv)式を満足し、
前記被接合部材は、下記(a)~(d)の工程を順に実施する品質評価試験において、下記c1およびc2が、下記(xi)および(xii)式を満足するものである、
溶接構造体。
(a)幅方向が前記被接合部材の板厚方向に対応し、幅方向における一方側の面が前記被接合面に対応する試験板であって、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmである試験板、ならびに、
板厚がt1(mm)、幅が260mm、長さが500mmであり、板厚方向に垂直な第1助走板面および第2助走板面を有し、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、前記第1助走板面側および前記第2助走板面側にそれぞれ前記長さ方向に延びる開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に両側部分溶込み溶接を行い、
前記第1助走板面および前記試験板の前記一方側の面に垂直な断面において、
前記第1助走板面側に形成された第1助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β1(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb1(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr1(mm)ならびに、
前記第2助走板面側に形成された第2助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β2(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb2(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr2(mm)が、下記(v)~(x)式を満足し、
板厚がt1(mm)、幅が260+t2(mm)、長さが500mmの中間試験体を形成する工程。
但し、式中のα1およびd1は、それぞれ、前記第1溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)であり、
α2およびd2は、それぞれ、前記第2溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)である。
(b)板厚がt1(mm)、幅が240-t2(mm)、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記幅方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行い、
板厚がt1(mm)、幅が500mm、長さが500mmの試験体を形成する工程。
(c)前記試験体を用いて、-10℃の試験温度で、予め設定される前記被接合部材の許容応力であるσ(N/mm2)を試験応力として付与した状態で、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属を介して前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記試験板の前記一方側の面と、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属のそれぞれを介して進展した前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離c1(mm)およびc2(mm)を測定する工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s1≦5.0 ・・・(iii)
s2≦5.0 ・・・(iv)
α1-5.0≦β1≦α1+5.0 ・・・(v)
α2-5.0≦β2≦α2+5.0 ・・・(vi)
d1≦b1≦d1+5.0 ・・・(vii)
d2≦b2≦d2+5.0 ・・・(viii)
s1≦r1≦s1+5.0 ・・・(ix)
s2≦r2≦s2+5.0 ・・・(x)
c1≦r1+10.0 ・・・(xi)
c2≦r2+10.0 ・・・(xii)
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記接合部材と前記被接合部材との間に形成された溶接金属における前記被接合部材側の溶込み深さs(mm)が下記(xiii)式を満足し、
前記被接合部材は、下記(a)~(d)の工程を順に実施する品質評価試験において、下記c(mm)が、下記(xv)式を満足するものである、
溶接構造体。
(a)幅方向が前記被接合部材の板厚方向に対応し、幅方向における一方側の面が前記被接合面に対応する試験板であって、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmである試験板、および、
板厚がt1(mm)、幅が260mm、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に完全溶込み溶接を行って助走板溶接金属を形成し、
前記助走板溶接金属における前記試験板側の溶込み深さr(mm)が下記(xiv)式を満足し、
板厚がt1(mm)、幅が260+t2(mm)、長さが500mmの中間試験体を形成する工程。
(b)板厚がt1(mm)、幅が240-t2(mm)、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記板厚方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行い、
板厚がt1(mm)、長さが500mm、幅が500mmの試験体を形成する工程。
(c)前記試験体を用いて、-10℃の試験温度で、予め設定される前記被接合部材の許容応力であるσ(N/mm2)を試験応力として付与した状態で、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記試験板の前記一方側の面と、前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離c(mm)を測定する工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s≦5.0 ・・・(xiii)
s≦r≦s+5.0 ・・・(xiv)
c≦r+10.0 ・・・(xv)
上記(1)または(2)に記載の溶接構造体。
t1>80.0 ・・・(xvi)
t2>80.0 ・・・(xvii)
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の溶接構造体。
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の溶接構造体。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。本実施形態に係る溶接構造体10は、接合部材11および被接合部材12を備えている。接合部材11は板状であり、板厚方向に垂直な第1表面11aおよび第2表面11bを有する。また、被接合部材12は板状であり、接合部材11の端面11cが当接される被接合面12aを有する。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
t1>80.0 ・・・(xvi)
t2>80.0 ・・・(xvii)
図1~図3に示すように、接合部材11と被接合部材12とが両側部分溶込み溶接によって接合されている場合において、溶接構造体10は、第1表面11a側に形成された第1溶接金属13aおよび第2表面11b側に形成された第2溶接金属13bを有する。
s1≦5.0 ・・・(iii)
s2≦5.0 ・・・(iv)
30.0≦α1≦70.0 ・・・(xviii)
30.0≦α2≦70.0 ・・・(xix)
図4に示すように、接合部材11と被接合部材12とが完全溶込み溶接によって接合されている場合において、溶接構造体10は、接合部材11と被接合部材12との間に溶接金属13cを有する。
s≦5.0 ・・・(xiii)
本発明者らが行った研究により、後述する中型の品質評価試験によって所定の基準を満足する厚鋼板を被接合部材として用いることで、低コストで優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する溶接構造体が得られることを見出した。
被接合部材12に用いられる厚鋼板から、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmであり、板厚方向における一方側(図6および図7における上側)の面21cが、被接合面12aに対応する試験板21を採取する。すなわち、被接合部材12の板厚の方向が、試験板21の幅方向となる。
α1-5.0≦β1≦α1+5.0 ・・・(v)
α2-5.0≦β2≦α2+5.0 ・・・(vi)
d1≦b1≦d1+5.0 ・・・(vii)
d2≦b2≦d2+5.0 ・・・(viii)
s1≦r1≦s1+5.0 ・・・(ix)
s2≦r2≦s2+5.0 ・・・(x)
s≦r≦s+5.0 ・・・(xiv)
板厚がt1(mm)、幅が240-t2(mm)、長さが500mmであり、幅方向における一方側(図6および7における上側)の面24aにおいて、開先が形成された調整板24を用意する。開先の形状、寸法および形成箇所については特に制限はない。
試験体20を用いて、-10℃の試験温度で、予め設定される被接合部材12の許容応力であるσ(N/mm2)を試験応力として付与した状態で、助走板22に設けられたノッチ22aに衝撃荷重を加え、試験板21まで亀裂を進展させる。
上記(a)~(c)の工程を順に実施した後の試験板21について、亀裂の進展状況を調査する。具体的には、接合部材11と被接合部材12とが両側部分溶込み溶接によって接合されている場合においては、試験板21の一方側の面21cと、第1助走板溶接金属23aおよび第2助走板溶接金属23bのそれぞれを介して進展した亀裂の先端との、幅方向における距離c1(mm)およびc2(mm)を測定する。
c1≦r1+10.0 ・・・(xi)
c2≦r2+10.0 ・・・(xii)
c≦r+10.0 ・・・(xv)
本発明の溶接構造体に用いられる接合部材の機械的特性について、特に制限は設けない。しかし、溶接構造体をコンテナ船等において利用する場合においては、被接合部材の降伏応力は400MPa以上、580MPa以下であるのが好ましく、引張強さは510MPa以上、750MPa以下であるのが好ましい。なお、接合部材の降伏応力は410MPa以上、570MPa以下であるのがより好ましく、引張強さは520MPa以上、740MPa以下であるのがより好ましい。
溶接構造体の製造方法について、特に制限は設けないが、例えば、品質評価試験による評価結果が上述した条件を満足する被接合部材を選別する工程と、接合部材を当該被接合部材に溶接する工程を行うことにより、製造することが可能である。
以上のように、本発明に係る溶接構造体10においては、被接合部材12は、上述した条件での品質評価試験によって評価される。なお、当該品質評価試験は、厚鋼板の品質評価方法として応用可能である。応用例としての厚鋼板の品質評価方法は、以下に記載する(付記1)~(付記4)によって表現することができる。
板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体に用いられ、前記被接合部材となる厚鋼板の品質評価方法であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs1(mm)、および前記第2表面側に形成された第2溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs2(mm)が下記(iii)および(iv)式を満足し、
下記(a)~(d)の工程を備える、
厚鋼板の品質評価方法。
(a)幅方向が前記被接合部材の板厚方向に対応し、幅方向における一方側の面が前記被接合面に対応する試験板であって、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmである試験板、ならびに、
板厚がt1(mm)であり、板厚方向に垂直な第1助走板面および第2助走板面を有し、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、前記第1助走板面側および前記第2助走板面側にそれぞれ前記長さ方向に延びる開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に両側部分溶込み溶接を行い、
前記第1助走板面および前記試験板の前記一方側の面に垂直な断面において、
前記第1助走板面側に形成された第1助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β1(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb1(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr1(mm)ならびに、
前記第2助走板面側に形成された第2助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β2(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb2(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr2(mm)が、下記(v)~(x)式を満足させる工程。
但し、式中のα1およびd1は、それぞれ、前記第1溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)であり、
α2およびd2は、それぞれ、前記第2溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)である。
(b)板厚がt1(mm)であり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記幅方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行う工程。
(c)前記(a)および(b)の工程を経て形成された板厚がt1(mm)である試験体を用いて、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属を介して前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記亀裂の進展状況に基づき、前記厚鋼板が脆性亀裂伝播停止特性に優れるか否かの判定を行う工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s1≦5.0 ・・・(iii)
s2≦5.0 ・・・(iv)
α1-5.0≦β1≦α1+5.0 ・・・(v)
α2-5.0≦β2≦α2+5.0 ・・・(vi)
d1≦b1≦d1+5.0 ・・・(vii)
d2≦b2≦d2+5.0 ・・・(viii)
s1≦r1≦s1+5.0 ・・・(ix)
s2≦r2≦s2+5.0 ・・・(x)
前記(d)の工程において、前記試験板の前記一方側の面と、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属のそれぞれを介して進展した前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離をc1(mm)およびc2(mm)とした時に、c1およびc2が、下記(xi)および(xii)式を満足する場合に、前記厚鋼板が脆性亀裂伝播停止特性に優れると判定する、
付記1に記載の厚鋼板の品質評価方法。
c1≦r1+10.0 ・・・(xi)
c2≦r2+10.0 ・・・(xii)
板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に完全溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体に用いられ、前記被接合部材となる厚鋼板の品質評価方法であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記接合部材と前記被接合部材との間に形成された溶接金属における前記被接合部材側の溶込み深さs(mm)が下記(xiii)式を満足し、
下記(a)~(d)の工程を備える、
厚鋼板の品質評価方法。
(a)板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)であり、幅方向における一方側の面が、前記被接合面に対応する試験板、および、
板厚がt1(mm)であり、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に完全溶込み溶接を行って助走板溶接金属を形成し、
前記助走板溶接金属における前記試験板側の溶込み深さr(mm)が下記(xiv)式を満足させる工程。
(b)板厚がt1(mm)であり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記幅方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行う工程。
(c)前記(a)および(b)の工程を経て形成された板厚がt1(mm)である試験体を用いて、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記亀裂の進展状況に基づき、前記厚鋼板が脆性亀裂伝播停止特性に優れるか否かの判定を行う工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s≦5.0 ・・・(xiii)
s≦r≦s+5.0 ・・・(xiv)
前記(d)の工程において、前記試験板の前記一方側の面と、前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離c(mm)が、下記(xv)式を満足する場合に、前記厚鋼板が脆性亀裂伝播停止特性に優れると判定する、
付記3に記載の厚鋼板の品質評価方法。
c≦r+10.0 ・・・(xv)
厚鋼板から試験板31を採取する。試験板31は、幅方向における一方側(図11および図12における上側)の面31cが、被接合面12aに対応する。すなわち、被接合部材12の板厚の方向が、試験板31および後述する試験体30の幅方向となる。
α1-5.0≦β1≦α1+5.0 ・・・(v)
α2-5.0≦β2≦α2+5.0 ・・・(vi)
d1≦b1≦d1+5.0 ・・・(vii)
d2≦b2≦d2+5.0 ・・・(viii)
s1≦r1≦s1+5.0 ・・・(ix)
s2≦r2≦s2+5.0 ・・・(x)
試験板31と同じ厚さであり、同じ長さを有する調整板34を用意する。すなわち、調整板34の厚さはt1(mm)である。調整板34の長さは試験板31の長さと同一であるため、300mm以上、2000mm以下とすることが好ましい。また、調整板34は試験体30の幅を調整するためのものであるため、所望の試験体30の幅に応じて、調整板34の幅を決定すればよい。
上記の(a)および(b)の工程を経ることにより、板厚がt1(mm)の直方体状の試験体30が得られる。なお、(a)の工程および(b)の工程について順序は問わず、(a)の工程に続いて(b)の工程を行ってもよいし、(b)の工程に続いて(a)の工程を行ってもよい。
上記(a)~(c)の工程を順に実施した後の試験板31について、亀裂の進展状況を調査する。そして、当該調査結果に基づいて、厚鋼板が脆性亀裂伝播停止特性に優れるか否かの判定を行う。
c1≦r1+10.0 ・・・(xi)
c2≦r2+10.0 ・・・(xii)
c≦r+10.0 ・・・(xv)
11 接合部材
11a 第1表面
11b 第2表面
11c 端面
11f~11i 仮想的な面
12 被接合部材
12a 被接合面
13 溶接金属
13a 第1溶接金属
13b 第2溶接金属
13c 溶接金属
20 試験体
21 試験板
21c 一方側の面
22 助走板
22a ノッチ
22b 他方側の面
22c 第1助走板面
22d 第2助走板面
22f,g 仮想的な面
23 試験溶接金属
23a 第1助走板溶接金属
23b 第2助走板溶接金属
23c 助走板溶接金属
24a,b 治具
30 試験体
31 試験板
31c 一方側の面
32 助走板
32a ノッチ
32b 他方側の面
32c 第1助走板面
32d 第2助走板面
32f,g 仮想的な面
33 試験溶接金属
33a 第1助走板溶接金属
33b 第2助走板溶接金属
33c 助走板溶接金属
40 溶接構造体
41 接合部材
42 被接合部材
43 溶接金属
46a フュージョンライン部
46b ノッチ
Claims (5)
- 板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs1(mm)、および前記第2表面側に形成された第2溶接金属における、前記被接合部材側の溶込み深さs2(mm)が下記(iii)および(iv)式を満足し、
前記被接合部材は、下記(a)~(d)の工程を順に実施する品質評価試験において、下記c1およびc2が、下記(xi)および(xii)式を満足するものである、
溶接構造体。
(a)幅方向が前記被接合部材の板厚方向に対応し、幅方向における一方側の面が前記被接合面に対応する試験板であって、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmである試験板、ならびに、
板厚がt1(mm)、幅が260mm、長さが500mmであり、板厚方向に垂直な第1助走板面および第2助走板面を有し、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、前記第1助走板面側および前記第2助走板面側にそれぞれ前記長さ方向に延びる開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に両側部分溶込み溶接を行い、
前記第1助走板面および前記試験板の前記一方側の面に垂直な断面において、
前記第1助走板面側に形成された第1助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β1(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb1(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr1(mm)ならびに、
前記第2助走板面側に形成された第2助走板溶接金属における、前記助走板側の止端とルートとを通る線と前記試験板の前記一方側の面とがなす鋭角β2(°)、前記助走板の前記板厚方向における継手の部分溶込みb2(mm)、および前記試験板側の溶込み深さr2(mm)が、下記(v)~(x)式を満足し、
板厚がt1(mm)、幅が260+t2(mm)、長さが500mmの中間試験体を形成する工程。
但し、式中のα1およびd1は、それぞれ、前記第1溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)であり、
α2およびd2は、それぞれ、前記第2溶接金属における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角(°)、および前記板厚方向における継手の部分溶込み(mm)である。
(b)板厚がt1(mm)、幅が240-t2(mm)、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記幅方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行い、
板厚がt1(mm)、幅が500mm、長さが500mmの試験体を形成する工程。
(c)前記試験体を用いて、-10℃の試験温度で、予め設定される前記被接合部材の許容応力であるσ(N/mm2)を試験応力として付与した状態で、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属を介して前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記試験板の前記一方側の面と、前記第1助走板溶接金属および前記第2助走板溶接金属のそれぞれを介して進展した前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離c1(mm)およびc2(mm)を測定する工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s1≦5.0 ・・・(iii)
s2≦5.0 ・・・(iv)
α1-5.0≦β1≦α1+5.0 ・・・(v)
α2-5.0≦β2≦α2+5.0 ・・・(vi)
d1≦b1≦d1+5.0 ・・・(vii)
d2≦b2≦d2+5.0 ・・・(viii)
s1≦r1≦s1+5.0 ・・・(ix)
s2≦r2≦s2+5.0 ・・・(x)
c1≦r1+10.0 ・・・(xi)
c2≦r2+10.0 ・・・(xii) - 板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に完全溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(i)および(ii)式を満足し、
前記接合部材と前記被接合部材との間に形成された溶接金属における前記被接合部材側の溶込み深さs(mm)が下記(xiii)式を満足し、
前記被接合部材は、下記(a)~(d)の工程を順に実施する品質評価試験において、下記c(mm)が、下記(xv)式を満足するものである、
溶接構造体。
(a)幅方向が前記被接合部材の板厚方向に対応し、幅方向における一方側の面が前記被接合面に対応する試験板であって、板厚がt1(mm)、幅がt2(mm)、長さが500mmである試験板、および、
板厚がt1(mm)、幅が260mm、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側にノッチが設けられ、前記幅方向における他方側の面において、開先が形成された助走板、を用意し、
前記試験板の前記一方側の面を、前記助走板の前記他方側の面に当接した状態で、前記助走板に形成された前記開先に完全溶込み溶接を行って助走板溶接金属を形成し、
前記助走板溶接金属における前記試験板側の溶込み深さr(mm)が下記(xiv)式を満足し、
板厚がt1(mm)、幅が260+t2(mm)、長さが500mmの中間試験体を形成する工程。
(b)板厚がt1(mm)、幅が240-t2(mm)、長さが500mmであり、前記幅方向における一方側の面において、開先が形成された調整板を用意し、
前記試験板の前記板厚方向における他方側の面を、前記調整板の前記一方側の面に当接した状態で、前記調整板に形成された前記開先に溶接を行い、
板厚がt1(mm)、長さが500mm、幅が500mmの試験体を形成する工程。
(c)前記試験体を用いて、-10℃の試験温度で、予め設定される前記被接合部材の許容応力であるσ(N/mm2)を試験応力として付与した状態で、前記助走板の前記ノッチに衝撃荷重を加え、前記試験板まで亀裂を進展させる工程。
(d)前記試験板の前記一方側の面と、前記亀裂の先端との、前記幅方向における距離c(mm)を測定する工程。
t1≧50.0 ・・・(i)
t2≧50.0 ・・・(ii)
s≦5.0 ・・・(xiii)
s≦r≦s+5.0 ・・・(xiv)
c≦r+10.0 ・・・(xv) - 前記接合部材の板厚t1(mm)および前記被接合部材の板厚t2(mm)が下記(xvi)および(xvii)式を満足する、
請求項1または請求項2に記載の溶接構造体。
t1>80.0 ・・・(xvi)
t2>80.0 ・・・(xvii) - 前記被接合部材の降伏応力が400MPa以上、580MPa以下であり、引張強さが510MPa以上、750MPa以下である、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の溶接構造体。 - 前記被接合部材の-10℃における全厚のKca値が6000N/mm1.5未満である、
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の溶接構造体。
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