以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
[1.第1実施形態]
[1-1.シート製造装置の全体構成]
図1は、シート製造装置100の構成を示す模式図である。
シート製造装置100は、繊維を含む原料MAを繊維化して、新しいシートSに再生する再生処理を実行する。シート製造装置100は、複数の種別のシートSを製造可能であり、例えば、原料MAに添加物を混合することにより、用途に合わせて、シートSの結合強度や白色度の調製や、色、香り、難燃等の機能を付加することもできる。また、シート製造装置100は、シートSの密度や厚さ、サイズ、形状を調整可能である。シートSの代表的な例として、A4やA3の定型サイズの印刷用紙、床掃除用シート等の掃除用シート、油汚れ用シート、トイレ掃除用シート等のシート状の製品の他に、紙皿形状等が挙げられる。
シート製造装置100は、供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、混合部50、堆積部60、第2ウェブ形成部70、搬送部79、シート形成部80、及び、切断部90を備える。解繊部20は本発明の解繊処理装置に相当する。
粗砕部12、解繊部20、選別部40、及び、第1ウェブ形成部45は、原料MAを微細化してシートSの材料を得る解繊処理部101を構成する。また、回転体49、混合部50、堆積部60、第2ウェブ形成部70、シート形成部80、及び、切断部90は、解繊処理部101で得られる材料を処理してシートSを製造する製造部102を構成する。
供給部10は、原料MAを収容し、粗砕部12に原料MAを連続的に投入する自動投入装置である。原料MAは、繊維を含むものであればよく、例えば、古紙、廃棄紙、パルプシートである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料MAを裁断する粗砕刃14を備え、原料MAを粗砕刃14により空気中で裁断して、数cm角の細片にする。細片の形状や大きさは任意である。粗砕部12は、例えばシュレッダーを用いることができる。粗砕部12で裁断された原料MAは、ホッパー9により集められて、管2を介して解繊部20に搬送される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された粗砕片を解繊する。解繊とは、複数の繊維が結着された状態の原料MAを、1本または少数の繊維に解きほぐす加工である。原料MAは、被解繊物と呼ぶこともできる。解繊部20が原料MAを解繊することにより、原料MAに付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる効果も期待できる。解繊部20を通過したものを解繊物という。解繊物は、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離された樹脂粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいてもよい。解繊物に含まれる樹脂粒は、原料MAの製造時に複数の繊維同士を結着させるために混合された樹脂である。解繊物に含まれる繊維の形状は、ひも状、すなわち、string状や、平ひも、すなわち、ribbon状である。解繊物に含まれる繊維は、他の繊維と絡み合っていない、独立した状態で存在してもよい。或いは、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となり、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。乾式とは、液体中ではなく、大気中、空気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを指す。解繊部20は、例えば、インペラーミルなどの解繊機を用いて構成することができる。具体的には、解繊部20は、図示は省略するが、回転するローター、及び、ローターの外周に位置するライナーを備え、粗砕片をローターとライナーとの間に挟んで解繊する。
粗砕部12から解繊部20には、気流により粗砕片が搬送される。この気流を解繊部20が発生する構成であってもよいし、粗砕片や解繊物の搬送方向における解繊部20の上流または下流側に、不図示のブロアーを設けて、気流を発生させてもよい。また、解繊物は、気流により、解繊部20から管3を介して選別部40に移送される。解繊物を選別部40に搬送する気流は、解繊部20が発生させてもよいし、上述したブロアーの気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物に含まれる成分を繊維のサイズによって選別する。繊維のサイズとは、主に繊維の長さを指す。選別部40は、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43とを有する。ドラム部41は、例えば、篩を用いる。具体的には、ドラム部41は、開口を有して篩として機能する網、フィルター、スクリーン等を備える。より詳細には、ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒形状であり、周面の少なくとも一部が網となる。ドラム部41の網は、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、パンチングメタル等で構成される。導入口42からドラム部41の内部に導入された解繊物は、ドラム部41の回転により、ドラム部41の開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物とに分けられる。開口を通過した通過物は、開口より小さい繊維または粒子を含み、これを第1選別物とする。残留物は、開口より大きい繊維や未解繊片やダマを含み、これを第2選別物と呼ぶ。第1選別物は、ハウジング部43内の内部を、第1ウェブ形成部45に向けて下降する。第2選別物は、ドラム部41の内部に連通する排出口44から、管8を介して解繊部20に搬送される。
シート製造装置100は、選別部40に代えて、第1選別物と第2選別物とを選別および分離する分級機を備えてもよい。分級機は、例えば、サイクロン分級機、エルボージェット分級機、エディクラシファイヤーである。これらの分級機は、第1選別物に含まれる成分のうち、より小さいものや密度の低いものを分離する構成であってもよい。例えば、第1選別物から、解繊部20で繊維から引きはがされた樹脂粒や色剤や添加剤を、分級機で分離し、除去する構成を採用できる。この場合、第1選別物を、樹脂粒や色剤や添加剤などの微細な粒子を除いた状態にして、第1ウェブ形成部45や、混合部50に搬送できる。
第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部48と、を備える。メッシュベルト46は、無端形状の金属製ベルトであり、複数の張架ローラー47に架け渡される。メッシュベルト46は、張架ローラー47により構成される軌道を周回する。メッシュベルト46の軌道の一部は、ドラム部41の下方で平坦であり、メッシュベルト46は平坦面を構成する。吸引部48はサクション機構に相当する。
メッシュベルト46には多数の開口が形成される。メッシュベルト46の上方に位置するドラム部41から降下する第1選別物のうち、メッシュベルト46の開口より大きい成分がメッシュベルト46に堆積する。また、第1選別物のうちメッシュベルト46の開口より小さい成分は、開口を通過する。
吸引部48は、図示しないブロアーを備え、メッシュベルト46に対してドラム部41とは反対側から、空気を吸引する。メッシュベルト46の開口を通過する成分は吸引部48によって吸い込まれる。吸引部48が吸引する気流は、ドラム部41から降下する第1選別物をメッシュベルト46に引き寄せることで、堆積を促進する効果がある。
メッシュベルト46に堆積した成分はウェブ形状となり、第1ウェブW1を構成する。つまり、第1ウェブ形成部45は、選別部40で選別された第1選別物から第1ウェブW1を形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
第1ウェブW1は、第1選別物に含まれる成分のうち、メッシュベルト46の開口より大きい繊維を主たる成分としており、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。第1ウェブW1は、メッシュベルト46の移動に伴い回転体49に搬送される。
回転体49は、モーター等の不図示の駆動部に連結された基部49aと、基部49aから突出する突部49bを備え、基部49aが方向Dに回転することにより、突部49bが基部49aを中心として回転する。突部49bは、例えば、板状の形状を有する。図1の例では、基部49aに、4つの突部49bが等間隔に設けられる。
回転体49は、メッシュベルト46の軌道のうち平坦部分の端部に位置する。この端部ではメッシュベルト46の軌道が下方に屈曲しているため、メッシュベルト46が下方に屈曲して移動する。このため、メッシュベルト46が搬送する第1ウェブW1は、メッシュベルト46から突出して、回転体49に接触する。第1ウェブW1は、突部49bが第1ウェブW1に衝突することによって解きほぐされ、小さい繊維の塊となる。この塊は、回転体49の下方に位置する管7を通り、混合部50に搬送される。第1ウェブW1は、上述のように、繊維がメッシュベルト46に堆積して形成された柔らかい構造であるため、回転体49に衝突した際に容易に分断される。
回転体49の位置は、突部49bが第1ウェブW1と接触可能な位置であり、突部49bがメッシュベルト46と接触しない位置に設けられる。突部49bとメッシュベルト46とが最も接近する位置における相互間の距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。
混合部50は、第1選別物と、添加物とを混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、混合ブロアー56と、を有する。
添加物供給部52には、添加物を蓄積する添加物カートリッジ52aがセットされる。添加物カートリッジ52aは、添加物供給部52に着脱可能であってもよい。添加物供給部52は、添加物カートリッジ52aから添加物を取り出す添加物取出部52bと、添加物取出部52bにより取り出された添加物を管54に排出する添加物投入部52cとを備える。添加物取出部52bは、添加物カートリッジ52a内部の微粉または微粒子からなる添加物を繰り出す不図示のフィーダーを備え、一部または全部の添加物カートリッジ52aから添加物を取り出す。添加物取出部52bにより取り出された添加物は、添加物投入部52cに送られる。添加物投入部52cは、添加物取出部52bが取り出した添加物を収容する。添加物投入部52cは、管54との連結部に開閉可能な不図示のシャッターを備え、シャッターを開くことで、添加物取出部52bが取り出した添加物が管54に送り出される。
添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂、すなわち、結着剤を含む。添加物に含まれる樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。この樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレートである。他には、この樹脂は、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。
添加物供給部52から供給される添加物は、繊維を結着させる樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、製造されるシートSの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。また、添加物は繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
混合ブロアー56は、管7と、堆積部60とを繋ぐ管54に気流を発生させる。また、管7から管54に搬送される第1選別物と、添加物供給部52により管54に供給される添加物とは、混合ブロアー56を通過する際に混合される。混合ブロアー56は、例えば、不図示のモーターと、モーターにより駆動されて回転する不図示の羽根と、羽根を収容する不図示のケースを備える構成とすることができ、羽根とケースとが連結された構成であってもよい。また、混合ブロアー56が、気流を発生させる羽根に加え、第1選別物と添加物とを混合させるミキサーを備えてもよい。混合部50で混合された混合物は、混合ブロアー56が発生する気流により、堆積部60に搬送され、堆積部60の導入口62に導入される。
堆積部60は、混合物の繊維をほぐして、空気中で分散させながら第2ウェブ形成部70に降下させる。添加物供給部52から供給される添加物が繊維状である場合、これらの繊維も堆積部60で解きほぐされ、第2ウェブ形成部70に降下する。
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有する。ドラム部61は、例えばドラム部41と同様に構成される円筒形状の構造体であり、ドラム部41と同様に不図示のモーターの動力によって回転し、篩として機能する。ドラム部61は、開口を有し、ドラム部61の回転によって解きほぐされた混合物を、開口から下降させる。
ドラム部61の下方には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有する。
メッシュベルト72は、メッシュベルト46と同様の無端形状の金属製ベルトで構成され、複数の張架ローラー74に架け渡される。メッシュベルト72は、張架ローラー74により構成される軌道を周回する。メッシュベルト72の軌道の一部は、ドラム部61の下方で平坦であり、メッシュベルト72は平坦面を構成する。また、メッシュベルト72には多数の開口が形成される。
メッシュベルト72の上方に位置するドラム部61から降下する混合物のうち、メッシュベルト72の開口より大きい成分がメッシュベルト72に堆積する。また、混合物のうちメッシュベルト72の開口より小さい成分は、開口を通過する。
サクション機構76は、図示しないブロアーを備え、メッシュベルト72に対してドラム部61とは反対側から、空気を吸引する。メッシュベルト72の開口を通過した成分はサクション機構76によって吸い込まれる。サクション機構76が吸引する気流は、ドラム部61から降下する混合物をメッシュベルト72に引き寄せて、堆積を促進する効果がある。また、サクション機構76の気流は、ドラム部61から混合物が落下する経路にダウンフローを形成し、落下中に繊維が絡み合うことを防ぐ効果も期待できる。メッシュベルト72に堆積した成分はウェブ形状となり、第2ウェブW2を構成する。
メッシュベルト72の搬送経路において、堆積部60の下流側には、調湿部78が設けられる。調湿部78は、水をミスト状にしてメッシュベルト72に向けて供給するミスト式加湿器である。調湿部78は、例えば、水を貯留するタンクや、水をミスト状にする超音波振動子を備える。調湿部78が供給するミストにより、第2ウェブW2の含有水分量が調整されるので、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制する効果が期待できる。
第2ウェブW2は、搬送部79によって、メッシュベルト72から剥がされてシート形成部80へと搬送される。搬送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有する。サクション機構79cは、不図示のブロアーを備え、ブロアーの吸引力によってメッシュベルト79aを通じて上向きの気流を発生させる。この気流により、第2ウェブW2はメッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの回転により移動され、第2ウェブW2をシート形成部80に搬送する。
メッシュベルト79aは、メッシュベルト46、及び、メッシュベルト72と同様に、開口を有する無端形状の金属製ベルトで構成できる。
シート形成部80は、第2ウェブW2に対して熱を加えることにより、第2ウェブW2に含まれる第1選別物由来の繊維を、添加物に含まれる樹脂により結着させる。
シート形成部80は、第2ウェブW2を加圧する加圧部82、及び、加圧部82により加圧された第2ウェブW2を加熱する加熱部84を備える。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85、85で構成される。加圧部82は、油圧によりカレンダーローラー85、85にニップ圧を与える不図示のプレス機構と、カレンダーローラー85、85を加熱部84に向けて回転させるモーター等の不図示の駆動部とに連結される。加圧部82は、カレンダーローラー85、85によって第2ウェブW2を所定のニップ圧で加圧して、加熱部84に向けて搬送する。加熱部84は、一対の加熱ローラー86、86を備える。加熱部84は、加熱ローラー86の周面を所定温度まで加熱する不図示のヒーターと、加熱ローラー86、86を切断部90に向けて回転させるモーター等の不図示の駆動部とを備える。加熱部84は、加圧部82で高密度化された第2ウェブW2を挟んで熱を与え、切断部90に搬送する。第2ウェブW2は、加熱部84において、第2ウェブW2に含まれる樹脂のガラス転移点より高温に加熱され、シートSとなる。
切断部90は、シート形成部80で成形されたシートSを切断する。切断部90は、図中符号Fで示すシートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向Fに平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有する。切断部90は、シートSの長さおよび幅を所定のサイズにカットして、単票のシートSを形成する。切断部90でカットされたシートSは、排出部96に収容される。排出部96は、製造されたシートを収容するトレイやスタッカーを備え、トレイに排出されたシートSは、ユーザーが取り出して使用することができる。
シート製造装置100の各部は、解繊処理部101と、製造部102とを構成する。解繊処理部101は、少なくとも解繊部20を含み、選別部40および第1ウェブ形成部45を含んでもよい。解繊処理部101は、原料MAから解繊物、または、解繊物をウェブ状にした第1ウェブW1を製造する。解繊処理部101の製造物は、回転体49を経て混合部50に搬送するだけでなく、回転体49に移送せずに、シート製造装置100から取り出して貯留することも可能である。また、この製造物を所定のパッケージに封入し、搬送および取引可能な形態としてもよい。
製造部102は、解繊処理部101で製造された製造物をシートSに再生する機能部であり、加工部に相当する。製造部102は、混合部50、堆積部60、第2ウェブ形成部70、搬送部79、シート形成部80、および、切断部90を含み、回転体49を含んでもよい。また、添加物供給部52を含んでもよい。
シート製造装置100は、解繊処理部101と製造部102とを一体として構成してもよいし、別体として構成してもよい。この場合、解繊処理部101は、本発明の繊維原料再生装置に相当する。製造部102は、解繊物をシート形状に成形するシート成形部に相当する。また、これらのいずれも加工部に相当するといえる。
[1-2.解繊部の構成]
次に、本発明の解繊処理装置としての解繊部20の構成について説明する。
図2は、解繊部20の断面図である。図3は、固定部材150の斜視図である。図4は、回転体160の斜視図である。図5は、固定プレート151の斜視図である。図6は、回転プレート161の斜視図である。
本実施形態における解繊部20は、回転駆動される回転体160と、回転体160の周囲を覆い且つ回転体160との間にギャップGを空けて配置される円筒状の固定部材150と、固定部材150の両端部に配置されたカバー170A、170Bとを備える。なお、本実施形態では、固定部材150が円筒状の構成を説明するが、固定部材150の形状は円筒でなくても良い。例えば、固定部材150は、回転体160の周囲に配置され且つ周方向に複数の板材を間隔を空けて配置する構成でも良い。すなわち、固定部材150は、回転体160に対して回転体160の回転中心から離れる方向に離間して配置され回転体160の少なくとも一部を覆う構成であれば良い。
以降の説明では、回転体160の回転軸171の延びる方向を軸方向と呼ぶ。また、回転体160や固定部材150などの回転体形状の径方向の中心を軸中心110と呼ぶ。
図2、図3に示すように、固定部材150は、複数の固定プレート151を積層することによって、円筒状に形成される。図5に示すように、固定プレート151は、板状の部材であり、平面視において円環状の形状を有する。固定プレート151の内周部には、軸中心110に向う方向に、山状に突出する解繊外刃152が形成される。解繊外刃152は周方向に等間隔に形成される。解繊外刃152は、周方向に凹凸形状を構成する。各固定プレート151において、軸中心110から各解繊外刃152の頂部152aまでの距離は一定に形成される。固定プレート151の厚みは、特に限定されない。また、固定プレート151の積層する枚数は、解繊部20の処理能力や、後述する回転体160の解繊内刃163とのギャップG等の設計に応じて適宜決定することができる。固定プレート151は、例えば、冷間圧延鋼板、鋼帯等をプレスによって打抜いて形成することができる。
解繊外刃152は、回転体160が固定部材150の内側で回転した場合に、固定部材150の内周面と回転プレート161の解繊内刃163とのギャップGに進入した被解繊物を解きほぐすような気流を生じさせる機能を有する。解繊外刃152の凹凸形状は、回転体160が固定部材150内で回転した場合に、ギャップGに進入した被解繊物を解きほぐすような気流を生じさせることができるかぎり任意である。例えば、解繊外刃152は、突出した台形形状であり、その先端に平面部が形成されてもよい。その上で、解繊外刃152は、鋭利な形状でないことがより好ましい。例えば、解繊外刃152が先端ほど厚みが薄く鋭利な形状である場合、回転体160の回転により被解繊物が解繊外刃152に衝突したときに、解繊外刃152が被解繊物に食込んで繊維を過剰に切断する可能性があるためである。
本実施形態では、図2に示すように、積層される各固定プレート151の内径Rは全て等しい。なお、内径Rは、軸中心110と固定部材150との最短距離、すなわち、本実施形態では、軸中心110から解繊外刃152の頂部152aまでの距離の意味で用いる。
固定プレート151は、解繊外刃152の位置が一致するように積層される。これにより、円筒状の固定部材150が構成される。固定部材150の解繊外刃152は軸方向に筋状に連なる。
固定プレート151には、固定孔151aが周方向に間隔を空けて複数設けられる。固定孔151aには、固定プレート151が積層された状態でボルト181が挿通される。ボルト181はナット182によって締結され一体化される。これにより、固定部材150が構成される。
図2に示すように、固定部材150の一方の端部には、有底円筒状の上流カバー170Aが設けられる。上流カバー170Aは、固定部材150の一方の開口部150aを閉塞する。また、固定部材150の他方の端部には、有底円筒状の下流カバー170Bが設けられる。下流カバー170Bは、固定部材150の他方の開口部150bを閉塞する。
各カバー170A、170Bは略同形状である。各カバー170A、170Bの底部170A1、170B1には、回転体160の回転軸171が図示しない軸受を介して回転自在に支持される。回転軸171は、図示しない駆動機構により回転駆動される。このような駆動機構としては、例えば、モーターにより直接、回転軸171を回転させる機構や、ベルト及びプーリー、チェーン及びスプロケット、又はギア等の動力伝達装置を介して回転軸171を回転させる機構等が挙げられる。
上流カバー170Aと回転体160とで挟まれた空間により、ギャップGに導入される被解繊物を収容する上流空間173Aが構成される。上流カバー170Aには、上流空間173Aを外部に連通させる開口状の投入口174が形成される。投入口174には、入口配管175が挿入されて接続される。入口配管175は、図1に示すホッパー9の管2に接続される。入口配管175を介して、原料MAが投入口174から解繊部20内に投入される。なお、解繊部20において原料MAとは、供給部10から供給された原料MAと、選別部40から解繊部20に再送された上述の第2選別物と、の両方を含んだ意味で用いる。
また、下流カバー170Bと回転体160とで挟まれた空間により、ギャップGを通過した解繊物を収容する下流空間173Bが構成される。下流カバー170Bには、下流空間173Bを外部に連通させる開口状の導出口176が形成される。導出口176には、出口配管177が挿入されて接続される。出口配管177は、図1に示す選別部40に延びる管3に接続される。出口配管177は、回転体160によって解繊された解繊物を解繊部20から導出する。
図2、図4に示すように、回転体160は、複数の回転プレート161を積層することにより構成される。図6に示すように、各回転プレート161は、回転軸171が挿通される円板状の基部162と、基部162の外周側から放射状に突設された解繊内刃163とを備える。解繊内刃163は、柱状の突部により構成される。解繊内刃163は、周方向に間隔を空けて複数形成される。解繊内刃163は、回転体160の回転方向に沿って刃数Nの複数の刃を備える。回転プレート161の中心には、軸孔161aが形成され、軸孔161aに対して径方向外側には固定孔161bが形成される。固定孔161bは周方向に複数設けられる。
複数の回転プレート161は、軸孔161aに回転軸171が挿通されて、回転軸171の軸方向に積層される。回転プレート161は、積層される際に、それぞれの解繊内刃163が各段部166A~166D内において重なり合うように積層される。回転プレート161が積層され回転体160が構成される。各回転プレート161は、プレス等によって打抜いて形成することができる。回転体160は、回転プレート161の積層構造であるため、回転体160の回転軸171に沿う方向の長さを容易に所定の長さとすることができる。
回転プレート161の大きさは、解繊部20の処理能力等によって適宜決定されることができる。また、基部162の大きさ、解繊内刃163の基部162から突出する長さについては特に限定されない。なお、本実施形態では、解繊内刃163の基部162から突出する長さは、各固定プレート151において等しい。
図4、図6に示すように、回転体160は、所定枚数の回転プレート161が積層された複数の段部166A~166Dを有する。回転体160は、各段部166A~166Dの間及び両端に、仕切り板167が積層されて構成される。各段部166A~166Dにおいては、回転プレート161の解繊内刃163は周方向にほぼずれることなく解繊内刃163同士が重なるように積層される。一方で、隣り合う段部166A~166Dにおいては、仕切り板167を挟んで解繊内刃163が相対的に周方向にずれるように配置される。仕切り板167の大きさは、回転プレート161の解繊内刃163の先端163aと同じ大きさ又は解繊内刃163の先端163aより内側となる大きさである。なお、仕切り板167は省略されても良い。
図7は、回転体160の軸方向の位置と解繊内刃163の刃数Nの関係を示す模式図である。
本実施形態では、解繊内刃163の回転体160の回転する方向の刃数Nが、投入口174から導出口176に向かうにしたがって多く構成される。すなわち、各刃数を、N1<N2<N3<N4を満たすN1~N4で表す場合、回転体160は、第1段部166Aは刃数N1の回転プレート161が積層されて構成される。また、回転体160は、第2段部166Bは刃数N2の回転プレート161が積層されて構成される。さらに、回転体160は、第3段部166Cは刃数N3の回転プレート161が積層されて構成される。また、回転体160は、第4段部166Dは刃数N4の回転プレート161が積層されて構成される。
回転体160の回転軸171に沿う方向の投入口174側の端部には、羽根板179が取付けられる。羽根板179の入口配管175側の面には、切り起こし形状の複数の羽根179aが設けられる。羽根179aは、回転体160が回転する場合に、被解繊物たる原料MAを入口配管175側から出口配管177側へと移動させる作用を少なくとも有する。しかし、入口配管175側から出口配管177側のいずれか一方又は両方に、ブロワー、送風機等の風送り機構又は風吸引機構を設けるような場合には、羽根179aを省略しても良い。
回転プレート161、仕切り板167、及び、羽根板179が、ボルト183とナット184によって締結される。回転体160は、回転プレート161、仕切り板167、羽根板179が、回転軸171、ボルト183及びナット184によって構成される。
[1-3.解繊部の動作]
次に、解繊部20の動作について説明する。解繊部20は、回転軸171を回転させることによって回転体160を回転させ、回転体160と固定部材150との間のギャップGに被解繊物を気流によって導くことにより、被解繊物を乾式解繊処理することができる。
被解繊物は、入口配管175を介して、解繊部20の投入口174から上流カバー170Aの内部の上流空間173Aに導入される。上流空間173Aでは、被解繊物は羽根179aにより撹拌され、回転体160の解繊内刃163と固定部材150の解繊外刃152との間のギャップGに送られる。
ギャップGに送られた被解繊物は、解繊内刃163から遠心力を受けるなどして飛行して、解繊外刃152に衝突して解きほぐされながら、導出口176側に送られる。そして、ギャップGから下流空間173Bに排出されると、解繊物は出口配管177を介して導出口176から外部に導出される。
本実施形態では、回転体160の解繊内刃163の刃数Nが、投入口174から導出口176に向かうにしたがって多くなる。よって、投入口174側では被解繊物が、解繊外刃152や解繊内刃163に接触する回数が少ない。その一方で、被解繊物が導出口176側に移動すると、解繊内刃163の刃数Nの増加に応じて、解繊外刃152や解繊内刃163との接触する回数が増える。これにより、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷、すなわち、解繊外刃152及び解繊内刃163と被解繊物との衝突回数の頻度を、導出口176側へと分散させることができる。その結果、投入口174側の解繊外刃152及び解繊内刃163における局所的な温度上昇や刃の摩耗を抑えることができ、被解繊物の投入時における一時的な消費電力増大の影響を抑えることができる。また、投入口174側から導出口176側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163が偏り少なく十分に原料の解繊に寄与するので、結果として、原料MAを解繊する効率を向上することできる。
以上述べたように、本実施形態の解繊部20は、投入口174から投入される原料MAを、固定部材150の解繊外刃152と回転体160の解繊内刃163とで解繊して、導出口176から導出する解繊処理装置である。この解繊部20において、解繊内刃163は、回転体160の回転方向に沿って設けられる複数の刃を備える。そして、解繊内刃163の刃数Nが、投入口174から導出口176に向かうにしたがって多く構成される。したがって、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷を、導出口176側へと分散させることができ、解繊外刃152及び解繊内刃163の負荷を軽減できる。
本実施形態では、投入口174は回転体160の回転軸方向、すなわち、回転軸171の延びる方向における一端側に開口し、導出口176は回転軸171の延びる方向における他端側に開口する。したがって、回転軸171の一端側から他端側に向けて被解繊物が移動しながら解繊され、回転軸171の長さに応じた距離を有効に利用して解繊することができる。
本実施形態では、解繊内刃163は、回転体160の回転軸171方向に積層された複数の回転プレート161により構成される。したがって、積層構造により解繊内刃163を構成できる。また、解繊内刃163が摩耗、破損等した場合に、摩耗、破損等した部分のみを交換できる。
本実施形態のシート製造装置100は、上述の解繊部20で解繊された解繊物の少なくとも一部を堆積させて加熱してシートを製造することができる。したがって、解繊部20の刃の摩耗等が少なくてシート製造装置100のメンテナンスの頻度を抑制し易くなると共に、省エネ効果が上がる。
尚、上記説明では、固定部材150の両端部に上流カバー170A及び下流カバー170Bを配置して、回転体160の回転軸方向における一端側に配置した上流カバー170Aを開口して投入口174を設け、回転体160の回転軸方向における他端側に配置した下流カバー170Bを開口して導出口176を設けた構成としたが、解繊部(解繊処理装置)20として、回転体160を内部に収容する筐体ケース(ハウジング)とした構成でもよい。その場合は、内部に収容される回転体160の回転軸方向における一端側において筐体ケース(ハウジング)を開口させて投入口174を設け、回転体160の回転軸方向における他端側において筐体ケース(ハウジング)を開口させて導出口176を設けた構成となる。そして、解繊外刃152は筐体ケース(ハウジング)の内面の解繊内刃163と対向する位置に備えられた構成となる。
[2.第2実施形態]
[2-1.解繊部の構成]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第2実施形態の固定部材250の斜視図である。
図8に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態の固定部材150に代えて固定部材250を有する。
図9は、固定部材250の軸方向の位置と解繊外刃152の刃数Mの関係を示す模式図である。
固定部材250の解繊外刃152について、回転体160の回転方向に沿って設けられた複数の刃の刃数Mは4段階に設定されており、投入口174から導出口176に向かうにしたがって刃数Mが多く構成される。すなわち、固定部材150は、刃数Mが異なる4種類の固定プレート151で構成される。刃数を、M1<M2<M3<M4を満たすM1~M4で表す場合に、固定部材250は、回転体160の第1段部166Aに対向する部分では、刃数M1の固定プレート161が積層されて構成される。また、固定部材250は、回転体260の第2段部166Bに対向する部分では、刃数M2の固定プレート161が積層されて構成される。さらに、固定部材250は、回転体260の第3段部166Cに対向する部分では、刃数M3の固定プレート161が積層されて構成される。また、固定部材250は、回転体260の第4段部166Dに対向する部分では、刃数M4の固定プレート161が積層されて構成される。
[2-2.解繊部の動作]
第2実施形態では、固定部材250の解繊外刃152の刃数Mが、投入口174から導出口176に向かうにしたがって多くなる。よって、投入口174側では被解繊物と、解繊外刃152や解繊内刃163との接触回数が少なく、導出口176側に移動すると、解繊外刃152の刃数Mの増加に応じて、解繊外刃152や解繊内刃163との接触回数が増える。よって、第2実施形態の解繊部20でも、被解繊物を乾式解繊処理する際に、第1実施形態と同様に、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷を、導出口176側へと分散させることができる。
以上説明したように、第2実施形態の解繊部20は、投入口174から投入される原料MAを、固定部材150の解繊外刃152と回転体160の解繊内刃163とで解繊して、導出口176から導出する解繊処理装置である。解繊外刃152は、回転体160の回転方向に沿って設けられる複数の刃を備え、解繊内刃163は、回転体160の回転方向に沿って設けられる複数の刃を備える。そして、解繊外刃152の刃数Mが、投入口174から導出口176に向かうにしたがって、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷を、導出口176側へと分散させることができる。その結果、投入口174側の解繊外刃152及び解繊内刃163における局所的な温度上昇や刃の摩耗を抑えることができ、被解繊物の投入時における一時的な消費電力増大の影響を抑えることができる。また、投入口174側から導出口176側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163が偏り少なく十分に原料の解繊に寄与するので、結果として、原料MAを解繊する効率を向上することできる。
第2実施形態では、解繊外刃152は、投入口174側から導出口176側に向けて複数の固定プレート151の積層により構成される。したがって、積層構造により解繊外刃152を構成できる。また、解繊外刃152が摩耗、破損等した場合に、摩耗、破損等した部分のみを交換できる。
[3.第3実施形態]
[3-1.解繊部の構成]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図10は、本発明の第3実施形態の回転体360の斜視図である。
図10に示すように、第3実施形態は、第1実施形態の回転体160に代えて第3実施形態の回転体360を有する。回転体360は一体品である。すなわち、第1実施形態の回転体160では、回転プレート161仕切り板167が積層された積層構造であったが、第3実施形態の回転体360は、一体形状のブロックで構成される。回転体360は、例えば、鋳造で製造可能である。
[3-2.解繊部の動作]
第3実施形態の解繊部20では、回転体360がブロックであるが、刃数Nが投入口174から導出口176に向かうにしたがって多くなる。よって、第3実施形態の解繊部20でも、被解繊物を乾式解繊処理する際に、第1実施形態と同様に、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷を、導出口176側へと分散させることができる。また、回転体360は、回転プレート161の組み立て作業を必要としない。
以上説明したように、第3実施形態の解繊部20では、解繊内刃163は、投入口174から導出口176まで一体形状のブロックとして構成される。したがって、回転プレート161などの多数の部品を製造、組み立てる必要がなく、製造が容易になっる。
[4.第4実施形態]
[4-1.解繊部の構成]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、前述の第2実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図11は、本発明の第4実施形態の固定部材450の斜視図である。
図11に示すように、第4実施形態では、第2実施形態の固定部材250に代えて、固定部材450を有する。固定部材450は一体品である。すなわち、第2実施形態の固定部材250では、固定プレート151が積層された積層構造であったが、第4実施形態の固定部材450は、一体形状のブロックとして構成される。固定部材450は、例えば、鋳造で製造可能である。
[4-2.解繊部の動作]
第4実施形態の解繊部20では、固定部材450がブロック状であるが、刃数Mが投入口174から導出口176に向かうにしたがって多くなる。よって、第3実施形態の解繊部20でも、被解繊物を乾式解繊処理する際に、第1実施形態と同様に、投入口174側に位置する解繊外刃152及び解繊内刃163での負荷を、導出口176側へと分散させることができる。また、固定部材450では、固定プレート151の組み立て作業が必要ない。
以上説明したように、第4実施形態の解繊部20では、解繊外刃152は、投入口174から導出口176まで一体形状のブロックとして構成される。したがって、固定プレート151などの多数の部品を製造、組み立てる必要がなく、製造が容易になっる。
[5.他の実施形態]
上述した各実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明を実施する具体的態様に過ぎず、本発明を限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、例えば以下に示すように、種々の態様において実施することが可能である。
第1、第3実施形態では、固定部材150が解繊外刃152を備える構成を説明した。しかし、解繊外刃152は省略されても良く、例えば、固定部材150は単なる円筒形状でも良い。
第2、第4実施形態では、回転体160の解繊内刃163の刃数Nは、投入口174から導出口176に向かうにしたがって多くなっても良いし、一定でも良い。
また、上記実施形態では、回転体160、360の解繊内刃163や固定部材150、250、450の解繊外刃152は、積層構造かブロックのいずれか一方による構成を説明した。しかし、軸方向における一部を積層構造とし、軸方向における残りをブロック構造とするなど、積層構造とブロック構造を適宜組み合わせて、固定部材150~450や、回転体160~360を構成しても良い。
また、シート製造装置100は、シートSに限らず、硬質のシート或いは積層したシートで構成されるボード状、或いは、ウェブ状の製造物を製造する構成であってもよい。また、製造物は紙に限らず不織布であってもよい。シートSの性状は特に限定されず、筆記や印刷を目的とした記録紙(例えば、いわゆるPPC用紙)として使用可能な紙であってもよいし、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙等であってもよい。また、シートSが不織布である場合、一般的な不織布のほか、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット等としてもよい。
また、上記実施形態のシート製造装置100は、原料を気中で解繊することにより材料を得て、この材料と樹脂とを用いてシートSを製造する乾式のシート製造装置100として説明した。本発明の適用対象はこれに限定されず、水等の溶媒中に繊維を含む原料を溶解または浮遊させ、この原料をシートに加工する、いわゆる湿式のシート製造装置にも適用できる。また、気中で解繊された繊維を含む材料をドラムの表面に静電気等により吸着させ、ドラムに吸着された原料をシートに加工する静電方式のシート製造装置にも適用できる。